(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記位置調節部は、前記受渡領域における前記第2保持部の位置を調節するように、前記第2回転搬送部における前記第2保持部の位置を変更する、請求項1又は2記載の電子部品の処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0009】
〔処理装置〕
本実施形態に係る電子部品の処理装置1は、所謂ダイソータであり、ダイシングなどの前工程で形成された電子部品Wを搬送しながら、外観検査、電気特性検査、マーキング等の処理を施した上でテープ、コンテナチューブ等に梱包する装置である。
【0010】
図1及び
図2に示すように、処理装置1は、回転搬送部10,30と、位置調節部40とを備える。回転搬送部10(第1回転搬送部)は、電子部品Wを円軌道CR1(第1円軌道)に沿って移動させる。搬送対象の電子部品Wは、互いに平行な二か所の主面Wa,Wbと、主面Wa,Wbを囲む外周面Wcとを有する。回転搬送部10は、ターンテーブル11と、複数の保持部12と、回転駆動部13と、複数の昇降駆動部21とを有する。ターンテーブル11は、鉛直な軸線Ax1まわりに回転可能となるように設けられている。
【0011】
複数の保持部12(第1保持部)は、軸線Ax1を中心とする円周に沿って等間隔に配置されており、ターンテーブル11に固定されている。複数の保持部12のそれぞれは、電子部品Wを保持する。保持部12はいかなる方式で電子部品Wを保持してもよい。電子部品Wを保持する方式の具体例としては、真空吸着、静電気式の吸着、及び把持等が挙げられる。例えば保持部12は、ターンテーブル11に直交する方向(軸線Ax1に平行な方向)の一方側から主面Wa,Wbの何れかを真空吸着する。
【0012】
例えば保持部12は、吸着ロッド15と、ホルダ16と、スプリング17とを有する。吸着ロッド15は、電子部品Wの主面Wa,Wbのいずれかを上方から吸着する。例えば吸着ロッド15は、ターンテーブル11に垂直に配置され、その下端部に主面Wa,Wbのいずれかを吸着する。ホルダ16は、ターンテーブル11の外周部に固定され、吸着ロッド15を昇降可能に保持する。スプリング17は、その弾力により、吸着ロッド15の下降に抗する。スプリング17は、吸着ロッド15の上端部に下向きの外力を付与された場合には吸着ロッド15の下降に応じて弾性変形し、下向きの外力がなくなると弾性復帰して吸着ロッド15を下降前の高さに押し戻す。保持部12は、制御信号の入力に応じて吸着ロッド15による真空吸着のオン・オフを切り替えるためのバルブ(不図示)を更に有する。バルブの具体例としては、電磁バルブ等が挙げられる。
【0013】
回転駆動部13は、例えば電動モータ等の動力源を用いて、ギヤを介さないダイレクトドライブによって軸線Ax1まわりにターンテーブル11を回転させる。これにより、軸線Ax1を中心とする水平な円軌道CR1まわりに複数の保持部12が移動する。回転駆動部13は、隣り合う保持部12同士の角度ピッチ(軸線Ax1まわりの角度ピッチ)にて、ターンテーブル11の回転と停止とを繰り返すように制御される。以下、回転駆動部13がターンテーブル11を停止させる際に複数の保持部12がそれぞれ配置される複数の位置を「複数の停止位置SP1」という。
【0014】
複数の昇降駆動部21は、複数の保持部12の吸着ロッド15を個別に昇降させる。複数の昇降駆動部21は、複数の停止位置SP1の上方にそれぞれ設けられている。昇降駆動部21は、その下方に保持部12が位置する状態にて、例えば電動モータ又はエアシリンダ等の動力源によって吸着ロッド15の上端部に下向きの力を付与する。これにより、吸着ロッド15が下降する。吸着ロッド15の上端部に下向きの力を付与した状態を昇降駆動部21が解除すると、スプリング17の弾力によって吸着ロッド15が上昇する。
【0015】
回転搬送部30(第2回転搬送部)は、回転搬送部10から電子部品Wを受け取って円軌道CR2(第2円軌道)に沿って移動させる。円軌道CR2は、円軌道CR1の外に位置している。円軌道CR2の直径は、円軌道CR1の直径より小さくてもよい。回転搬送部30は、衛星テーブル31と、複数の保持部32と、回転駆動部33とを有する。衛星テーブル31は、鉛直な軸線Ax2まわりに回転可能となるように設けられている。
【0016】
複数の保持部32(第2保持部)は、軸線Ax2を中心とする円周に沿って等間隔に配置されており、衛星テーブル31に固定されている。複数の保持部32のそれぞれは、保持部12から電子部品Wを受け取って保持する。保持部32はいかなる方式で電子部品Wを保持してもよい。電子部品Wを保持する方式の具体例としては、真空吸着、静電気式の吸着、及び把持等が挙げられる。電子部品Wにおいて、保持部12が保持する部分(第1部分)と、保持部32が保持する部分(第2部分)とは互いに離れている。例えば第1部分と第2部分とは、電子部品Wにおいて反対向きであってもよい。一例として、保持部12が主面Waを保持し、保持部32が主面Wbを保持する。保持部12が主面Wbを保持し、保持部32が主面Waを保持してもよい。例えば保持部32は、ターンテーブル11に直交する方向の一方側から主面Wa,Wbの何れかを真空吸着する。例えば保持部32は、電子部品Wの主面Wa,Wbのいずれかを下方から吸着する。保持部32は、制御信号の入力に応じて真空吸着のオン・オフを切り替えるためのバルブ(不図示)を更に有する。バルブの具体例としては、電磁バルブ等が挙げられる。回転搬送部30が有する保持部32の数は、回転搬送部10が有する保持部12の数より少なくてもよい。
【0017】
回転駆動部33は、例えば電動モータ等の動力源によって軸線Ax2まわりに衛星テーブル31を回転させる。これにより、軸線Ax2を中心とする水平な円軌道CR2に沿って複数の保持部32が移動する。回転駆動部33は、隣り合う保持部32同士の角度ピッチ(軸線Ax2まわりの角度ピッチ)にて、衛星テーブル31の回転と停止とを繰り返すように制御される。以下、回転駆動部33が衛星テーブル31を停止させる際に複数の保持部32がそれぞれ配置される複数の位置を「複数の停止位置SP2」という。
【0018】
円軌道CR2は、保持部12との間で電子部品Wの受け渡しが可能な受渡領域TAを通る。受渡領域TAは、いずれか一箇所の停止位置SP1と、いずれか一箇所の停止位置SP2とを含む。以下、これらの停止位置SP1,SP2を「受け渡し用の停止位置SP1,SP2」という。電子部品Wの受け渡しに際しては、受渡領域TAにおいて保持部12と保持部32とが電子部品Wを挟んで対向する。
【0019】
より具体的に、衛星テーブル31はターンテーブル11よりも下に設けられている。軸線Ax2は円軌道CR1の外に位置している。鉛直上方から見て、円軌道CR2は、受け渡し用の停止位置SP1,SP2において円軌道CR1に外接している。受渡領域TAにおいては、保持部12の下端部(吸着ロッド15の下端部)と保持部32の上端部とが対向する。保持部12の吸着ロッド15を下降させることによって、吸着ロッド15の下端部を保持部32の上端部に近接させることが可能である。
【0020】
位置調節部40は、受渡領域TAにおける保持部32の位置を調節する。例えば位置調節部40は、受渡領域TAにおける保持部32の位置を調節するように回転搬送部30を移動させる。回転搬送部30が移動することにより、円軌道CR1に対する円軌道CR2の位置が変わり、受渡領域TAにおける保持部32の位置も変わる。位置調節部40は、受け渡し用の停止位置SP1,SP2における保持部12,32の対向方向に交差(例えば直交)する面に沿って回転搬送部30を移動させる。本実施形態においては、受け渡し用の停止位置SP1,SP2における保持部12,32の対向方向が鉛直方向であるため、位置調節部40は、水平面に沿って回転搬送部30を移動させる。
【0021】
例えば位置調節部40は、二つの電動式のリニアアクチュエータ41,42を有する。リニアアクチュエータ41は、円軌道CR1,CR2が並ぶ方向(図示Y軸方向)に沿って回転搬送部30を移動させる。リニアアクチュエータ42は、円軌道CR1,CR2が並ぶ方向に直交する方向(図示X軸方向)に沿って回転搬送部30を移動させる。リニアアクチュエータ41,42により回転搬送部30を移動させることによって、受け渡し用の停止位置SP1に対する受け渡し用の停止位置SP2の相対位置を調節することが可能である。
【0022】
処理装置1は、複数の処理部51を更に備える。複数の処理部51は、少なくとも供給部52と、回収部53と、中間処理部54とを含む。供給部52は、ダイシングテープ又はパーツフィーダ等から電子部品Wを取り出していずれか一つの停止位置SP1に供給する。以下、供給部52が電子部品Wを供給する停止位置SP1を「供給用の停止位置SP1」という。供給用の停止位置SP1においては、供給部52により供給された電子部品Wを保持部12が保持する。
【0023】
回収部53は、いずれか一つの停止位置SP1において保持部12から電子部品Wを回収し、テープ、コンテナチューブ等に梱包する。以下、回収部53が電子部品Wを回収する停止位置SP1を「回収用の停止位置SP1」という。この構成において、ターンテーブル11は、供給用の停止位置SP1から回収用の停止位置SP1にいたる搬送経路DRに沿って電子部品Wを搬送することとなる。以下においては、搬送経路DRにおける供給用の停止位置SP1側を「上流側」といい、搬送経路DRにおける回収用の停止位置SP1側を「下流側」という。上述した受け渡し用の停止位置SP1は、搬送経路DRにおいて供給用の停止位置SP1と回収用の停止位置SP1との間に位置している。
【0024】
中間処理部54(第1処理部)は、供給用、回収用、及び受け渡し用の停止位置SP1以外のいずれかの停止位置SP1において、保持部12が保持する電子部品Wに処理を施す。処理の具体例としては、電気特性検査、外観検査及びマーキング(例えばレーザマーキング)等が挙げられる。
【0025】
処理装置1は、複数の中間処理部54を備えてもよい。複数の中間処理部54は、受け渡し用の停止位置SP1よりも上流側の停止位置SP1において電子部品Wに処理を施す上流側の中間処理部54と、受け渡し用の停止位置SP1よりも下流側の停止位置SP1において電子部品Wに処理を施す下流側の中間処理部54とを含んでいてもよい。下流側の中間処理部54の数は、上流側の中間処理部54の数より多くてもよい。
【0026】
上流側の中間処理部54は、外観検査部54Aを含んでいてもよい。外観検査部54Aは、画像情報等に基づいて、電子部品Wの外観状態を検出する。また、外観検査部54A(位置ずれ検出部)は、保持部12に対する電子部品Wの位置ずれを検出する。保持部12に対する電子部品Wの位置ずれとは、保持部12による電子部品Wの理想上の保持位置に対する位置ずれを意味する。位置ずれは、保持部12に対する電子部品Wの傾き(理想上の保持位置に対する電子部品Wの傾き)を含んでいてもよい。
【0027】
処理装置1は、保持部32が保持する電子部品Wに処理を施す処理部61を更に備えてもよい。処理部61(第2処理部)は、受け渡し用の停止位置SP2以外のいずれかの停止位置SP2において、保持部32が保持する電子部品Wに処理を施す。処理の具体例としては、電気特性検査、外観検査及びマーキング(例えばレーザマーキング)等が挙げられる。処理装置1は、複数の処理部61を備えてもよい。
【0028】
処理装置1は、回転搬送部30における保持部32の姿勢を調節する姿勢調節部を更に備えてもよい。例えば
図3に示すように、処理装置1は、複数の保持部32にそれぞれ対応する複数の姿勢調節部34を備えてもよい。各姿勢調節部34は、衛星テーブル31に固定され、保持部32の上端面に直交する軸線Ax3まわりに保持部32の傾き角度を調節する。姿勢調節部34は、例えば電動モータ等の動力源によって軸線Ax3まわりに保持部32を回転させる。
【0029】
コントローラ100は、予め設定された制御手順で回転搬送部10、回転搬送部30、位置調節部40、供給部52、回収部53、中間処理部54、及び処理部61を制御する。この制御において、コントローラ100は、処理部61による処理前の電子部品Wを保持部12から保持部32に移し、処理部61による処理後の電子部品Wを保持部32から保持部12に移すように回転搬送部10,30を制御することを実行するように構成されている。コントローラ100は、保持部12から保持部32に移る前における上記位置ずれ(保持部12に対する電子部品Wの位置ずれ)に比較して、保持部32から保持部12に移った後の上記位置ずれが小さくなるように、受渡領域TAにおける保持部32の目標位置を算出することと、受渡領域TAにおいて保持部32を目標位置に配置するように位置調節部40を制御することと、を更に実行するように構成されていてもよい。
【0030】
図4に例示するように、コントローラ100は、機能上の構成(以下、「機能モジュール」という。)として、第1搬送制御部111と、第2搬送制御部112と、持替制御部113と、位置ずれ情報取得部114と、位置ずれ情報保持部115と、目標位置算出部116と、受渡位置制御部117と、処理位置制御部118と、処理制御部121,122とを有する。
【0031】
第1搬送制御部111は、隣り合う保持部12同士の角度ピッチ(軸線Ax1まわりの角度ピッチ)にて、ターンテーブル11の回転と停止とを繰り返すように回転駆動部13を制御する。これにより、上述の停止位置SP1における保持部12の停止と、停止位置SP1から隣の停止位置SP1への保持部12の移動とが繰り返される。
【0032】
第2搬送制御部112は、隣り合う保持部32同士の角度ピッチ(軸線Ax2まわりの角度ピッチ)にて、衛星テーブル31の回転と停止とを繰り返すように回転駆動部33を制御する。これにより、上述の停止位置SP2における保持部32の停止と、停止位置SP2から隣の停止位置SP2への保持部32の移動とが繰り返される。第2搬送制御部112は、回転駆動部13がターンテーブル11の回転を停止させている期間に衛星テーブル31を回転させるように回転駆動部33を制御してもよい。
【0033】
持替制御部113は、処理部61による処理前の電子部品Wを保持部12から保持部32に移し、処理部61による処理後の電子部品Wを保持部32から保持部12に移すように、受け渡し用の停止位置SP1,SP2の保持部12,32と昇降駆動部21とを制御する。電子部品Wを保持部12から保持部32に移す際に、持替制御部113は、吸着ロッド15を昇降駆動部21により下降させることと、保持部12による電子部品Wの吸着を解除させて保持部32による電子部品Wの吸着を開始させることと、吸着ロッド15を上昇させることとを順に実行する。持替制御部113は、保持部12による電子部品Wの吸着の解除と、保持部32による電子部品Wの吸着の開始とを同時に実行してもよいし、いずれかを先にしてこれらの間に時間差をつけてもよい。
【0034】
電子部品Wを保持部32から保持部12に移す際に、持替制御部113は、吸着ロッド15を昇降駆動部21により下降させることと、保持部32による電子部品Wの吸着を解除させて保持部12による電子部品Wの吸着を開始させることと、吸着ロッド15を上昇させることとを順に実行する。持替制御部113は、保持部32による電子部品Wの吸着の解除と、保持部12による電子部品Wの吸着の開始とを同時に実行してもよいし、いずれかを先にしてこれらの間に時間差をつけてもよい。
【0035】
位置ずれ情報取得部114は、保持部12に対する電子部品Wの位置ずれの検出結果を外観検査部54Aから取得する。位置ずれ情報保持部115は、保持部12に対する電子部品Wの位置ずれの情報を位置ずれ情報取得部114から取得し、保持部12の識別情報に対応付けて記憶する。目標位置算出部116は、保持部12から保持部32に移る前の上記位置ずれに比較して、保持部32から保持部12に移った後の上記位置ずれが小さくなるように、受渡領域TAにおける保持部32の目標位置(受け渡し用の停止位置SP2の目標位置)を算出する。例えば目標位置算出部116は、補正対象の位置ずれの情報を位置ずれ情報保持部115から取得し、補正対象の位置ずれを縮小するように受渡領域TAにおける(電子部品Wの受け渡しにおける)保持部32の目標位置を算出する。補正対象の位置ずれは、受け渡し用の停止位置SP1に配置された保持部12に対する電子部品Wの位置ずれである。
【0036】
保持部32の位置調節は、保持部12から保持部32への電子部品Wの受け渡し、及び保持部32から保持部12への電子部品Wの受け渡しのいずれにおいても実行可能である。保持部12から保持部32への電子部品Wの受け渡しにおいて保持部32の位置調節が行われる場合、目標位置算出部116は、上記位置ずれと同方向に同量でずれた位置を保持部32の目標位置とする。保持部32から保持部12への電子部品Wの受け渡しにおいて保持部32の位置調節が行われる場合、目標位置算出部116は、上記位置ずれと逆方向に同量で基準位置からずれた位置を保持部32の目標位置とする。
【0037】
目標位置算出部116は、保持部12から保持部32に移る前の電子部品Wの傾き(保持部12に対する電子部品Wの傾き)に比較して、保持部32から保持部12に移った後の電子部品Wの傾きが小さくなるように、電子部品Wの受け渡しにおける保持部32の目標姿勢を更に算出してもよい。保持部12から保持部32への電子部品Wの受け渡しにおいて保持部32の位置調節が行われる場合、目標位置算出部116は、上記傾きと同方向に同量で傾いた姿勢を保持部32の目標姿勢とする。保持部32から保持部12への電子部品Wの受け渡しにおいて保持部32の位置調節が行われる場合、目標位置算出部116は、上記傾きと逆方向に同量で傾いた姿勢を保持部32の目標姿勢とする。
【0038】
受渡位置制御部117は、受渡領域TAにおいて保持部32を目標位置に配置するように位置調節部40を制御する。例えば、受渡位置制御部117は、保持部32を目標位置に移動させるように位置調節部40により回転搬送部30を移動させる。保持部32の位置調節は、保持部12から保持部32への電子部品Wの受け渡し、及び保持部32から保持部12への電子部品Wの受け渡しのいずれにおいても実行可能である。これらいずれの場合においても、受渡位置制御部117は、電子部品Wの受け渡しの実行前に保持部32を目標位置に移動させる。また、受渡位置制御部117は、保持部32を目標姿勢にするように、姿勢調節部34により保持部32を傾けさせてもよい。
【0039】
処理制御部121は、停止位置SP1に保持部12が配置されるのに応じて、予め設定された処理を実行するように各処理部51を制御する。また、処理制御部121は、処理部51による処理に合わせて吸着ロッド15を昇降させるように昇降駆動部21を制御する。例えば処理制御部121は、供給用の停止位置SP1に保持部12が配置されるのに応じて、吸着ロッド15を下降させるように昇降駆動部21を制御することと、電子部品Wを停止位置SP1に供給するように供給部52を制御することと、供給部52により供給された電子部品Wを吸着するように保持部12を制御することと、吸着ロッド15を上昇させるように昇降駆動部21を制御することとを実行する。
【0040】
また、処理制御部121は、停止位置SP1に保持部12が配置されるのに応じて、吸着ロッド15を下降させるように昇降駆動部21を制御することと、吸着ロッド15が保持する電子部品Wに予め設定された処理を施すように中間処理部54を制御することと、吸着ロッド15を上昇させるように昇降駆動部21を制御することとを実行する。更に、処理制御部121は、回収用の停止位置SP1に保持部12が配置されるのに応じて、吸着ロッド15を下降させるように昇降駆動部21を制御することと、電子部品Wの吸着を解除するように保持部12を制御することと、保持部12が解放した電子部品Wを回収し、テープ、コンテナチューブ等に梱包するように回収部53を制御することと、吸着ロッド15を上昇させるように昇降駆動部21を制御することとを実行する。
【0041】
処理制御部122は、停止位置SP2に保持部32が配置されるのに応じて、保持部32が保持する電子部品Wに予め設定された処理を施すように処理部61を制御する。
【0042】
コントローラ100は、処理位置制御部118を更に有してもよい。処理位置制御部118は、電子部品Wに対する処理部61による処理位置を調節するように、位置調節部40により回転搬送部30を移動させる。処理位置制御部118は、電子部品Wに対する処理部61による処理位置を処理中に変えるように位置調節部40により回転搬送部30を移動させてもよい。なお、処理位置を処理中に変えるとは、必ずしも処理と同時進行で処理位置を変えることを意味するわけではない。例えば、同一の処理部61が同一の電子部品Wに対して複数の処理ステップを実行する場合に、処理ステップ同士の間に処理位置を変えることも、処理位置を処理中に変えることに含まれる。
【0043】
図5は、コントローラ100のハードウェア構成を例示するブロック図である。
図5に示すように、回路190は、一つ又は複数のプロセッサ191と、メモリ192と、ストレージ193と、入出力ポート194と、サーボドライバ195を含む。ストレージ193は、例えば不揮発性の半導体メモリ等、コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体を有する。ストレージ193は、予め設定された制御手順で回転搬送部10、回転搬送部30、位置調節部40、供給部52、回収部53、中間処理部54、及び処理部61を制御することをコントローラ100に実行させるためのプログラムを記憶している。このプログラムは、処理部61による処理前の電子部品Wを保持部12から保持部32に移し、処理部61による処理後の電子部品Wを保持部32から保持部12に移すように回転搬送部10,30を制御することを実行することをコントローラ100に実行させるように構成されている。このプログラムは、保持部12から保持部32に移る前における上記位置ずれに比較して、保持部32から保持部12に移った後の上記位置ずれが小さくなるように、受渡領域TAにおける保持部32の目標位置を算出することと、受渡領域TAにおいて保持部32を目標位置に配置するように位置調節部40を制御することと、を更にコントローラ100に実行させるように構成されていてもよい。例えばストレージ193は、上述した各機能モジュールを構成するためのプログラムを記憶している。
【0044】
メモリ192は、ストレージ193の記憶媒体からロードしたプログラム及びプロセッサ191による演算結果を一時的に記憶する。プロセッサ191は、メモリ192と協働して上記プログラムを実行することで、コントローラ100の各機能モジュールを構成する。入出力ポート194は、プロセッサ191からの指令に従って、保持部12,32、回転駆動部13,33、昇降駆動部21、姿勢調節部34、位置調節部40、処理部51,61及び外観検査部54Aとの間で電気信号の入出力を行う。サーボドライバ195は、プロセッサ191からの指令(例えば速度指令、位置指令等)に追従するように、回転駆動部13,33、昇降駆動部21、姿勢調節部34及び位置調節部40を駆動する。なお、回路190は、必ずしもプログラムにより各機能を構成するものに限られない。例えば回路190は、専用の論理回路又はこれを集積したASIC(Application Specific Integrated Circuit)により少なくとも一部の機能を構成してもよい。
【0045】
〔処理装置の制御手順〕
続いて、電子部品の処理方法の一例として、コントローラ100が実行する制御手順を例示する。この制御手順は、回転搬送部10,30の搬送制御手順と、第1側における処理部51の処理制御手順と、第2側における処理部61の処理制御手順とを含む。第1側とは、回転搬送部10(第1回転搬送部)側を意味する。第2側とは、回転搬送部30(第2回転搬送部)側を意味する。以下、各手順を詳細に例示する。
【0046】
(搬送制御手順)
搬送制御手順は、処理部61による処理前の電子部品Wを保持部12から保持部32に移し、処理部61による処理後の電子部品Wを保持部32から保持部12に移すように回転搬送部10,30を制御することと、保持部12から保持部32に移る前における上記位置ずれ(保持部12に対する電子部品Wの位置ずれ)に比較して、保持部32から保持部12に移った後の上記位置ずれが小さくなるように、受渡領域TAにおける保持部32の目標位置を算出することと、受渡領域TAにおいて保持部32を目標位置に配置するように位置調節部40を制御することと、を含む。
【0047】
図6に示すように、コントローラ100は、まずステップS01,S02を実行する。ステップS01では、第1搬送制御部111が、隣り合う保持部12同士の角度ピッチにて、回転駆動部13によりターンテーブル11の回転と停止とを実行する。ステップS02では、目標位置算出部116が、補正対象の位置ずれの情報を位置ずれ情報保持部115から取得し、補正対象の位置ずれを縮小するように電子部品Wの受け渡しにおける保持部32の目標位置を算出する。また、ステップS02では、受渡位置制御部117が、保持部32を目標位置に移動させるように位置調節部40により回転搬送部30を移動させる。ステップS02において、受渡位置制御部117は、位置調節部40による位置調節に加えて、保持部32を目標姿勢にするように、姿勢調節部34により保持部32を傾けさせてもよい。
【0048】
次に、コントローラ100はステップS03,S04,S05を実行する。ステップS03では、持替制御部113が、受け渡し用の停止位置SP1,SP2において、吸着ロッド15を昇降駆動部21により下降させる。ステップS04では、持替制御部113が、受け渡し用の停止位置SP1,SP2において、保持部12による電子部品Wの吸着を解除させて保持部32による電子部品Wの吸着を開始させる。これにより、電子部品Wが保持部12から保持部32に移る。ステップS05では、持替制御部113が、受け渡し用の停止位置SP1,SP2において、吸着ロッド15を昇降駆動部21により上昇させる。
【0049】
次に、コントローラ100はステップS06,S07を実行する。ステップS06では、受渡位置制御部117が、位置調節部40により回転搬送部30を原点位置に移動させる。原点位置とは、ステップS02における移動前の位置であり、受け渡し用の停止位置SP2が受け渡し用の停止位置SP1の真下となる位置である。ステップS06において、受渡位置制御部117は、保持部32がステップS02における調節前の姿勢に戻るように、姿勢調節部34により保持部32を傾けさせてもよい。ステップS07では、第2搬送制御部112が、隣り合う保持部32同士の角度ピッチにて、回転駆動部33により衛星テーブル31の回転と停止とを実行する。これにより、ステップS04において保持部12から保持部32に移った電子部品Wが処理部61側に移動する。また、処理部61による処理済みの電子部品Wが受け渡し用の停止位置SP2に配置される。
【0050】
次に、コントローラ100はステップS08,S09,S11を実行する。ステップS08では、持替制御部113が、受け渡し用の停止位置SP1,SP2において、吸着ロッド15を昇降駆動部21により下降させる。ステップS09では、持替制御部113が、受け渡し用の停止位置SP1,SP2において、保持部32による電子部品Wの吸着を解除させて保持部12による電子部品Wの吸着を開始させる。これにより、電子部品Wが保持部32から保持部12に移る。ステップS11では、持替制御部113が、受け渡し用の停止位置SP1,SP2において、吸着ロッド15を昇降駆動部21により上昇させる。コントローラ100は、以上の処理を繰り返す。
【0051】
なお、上述した手順はあくまで一例であり、適宜変更可能である。例えば、ステップS02の少なくとも一部をステップS01と並列に実行してもよい。すなわち受渡位置制御部117は、位置調節部40による回転搬送部30の移動期間の少なくとも一部を、回転搬送部10による保持部12の移動期間に重複させてもよい。ステップS02の少なくとも一部をステップS01に先行して実行してもよい。ステップS07の少なくとも一部をステップS06と並列に実行してもよい。すなわち受渡位置制御部117は、位置調節部40による回転搬送部30の移動期間の少なくとも一部を、回転搬送部30による保持部32の移動期間に重複させてもよい。ステップS07の少なくとも一部をステップS06に先行して実行してもよい。
【0052】
(第1側の処理制御手順)
コントローラ100は、回転搬送部10におけるターンテーブル11の停止期間に予め設定された処理を実行するように処理部51を制御する。例えば
図7に示すように、コントローラ100は、ステップS21,S22を実行する。ステップS21では、処理制御部121が、1角度ピッチ分のターンテーブル11の回転完了を待機する。ステップS22では、処理部51による処理対象の停止位置SP1(以下、単に「処理対象の停止位置SP1」という。)において、処理制御部121が吸着ロッド15を昇降駆動部21により下降させる。
【0053】
次に、コントローラ100は、ステップS23を実行する。ステップS23では、処理制御部121が、処理対象の停止位置SP1において予め設定した処理を実行するように処理部51を制御する。例えば処理制御部121は、電子部品Wを供給用の停止位置SP1に供給するように供給部52を制御し、供給部52により供給された電子部品Wを吸着するように保持部12を制御する。また、処理制御部121は、回収用の停止位置SP1において、電子部品Wの吸着を解除するように保持部12を制御し、保持部12が解放した電子部品Wを回収し、テープ、コンテナチューブ等に梱包するように回収部53を制御する。また、処理制御部121は、供給用、回収用及び受け渡し用の停止位置SP1以外の停止位置SP1において、吸着ロッド15が保持する電子部品Wに予め設定された処理を施すように中間処理部54を制御する。
【0054】
次に、コントローラ100は、ステップS24を実行する。ステップS24では、処理対象の停止位置SP1において、処理制御部121が吸着ロッド15を昇降駆動部21により上昇させる。コントローラ100は、以上の処理を繰り返す。
【0055】
(第2側の処理制御手順)
コントローラ100は、回転搬送部30における衛星テーブル31の停止期間に予め設定された処理を実行するように処理部61を制御する。
図8に示すように、コントローラ100は、ステップS31,S32を実行する。ステップS31では、処理制御部122が、1角度ピッチ分の衛星テーブル31の回転完了を待機する。ステップS32では、処理制御部122が、処理対象の停止位置SP2において、保持部32が保持する電子部品Wに予め設定した処理を実行するように処理部61を制御する。コントローラ100は、以上の処理を繰り返す。
【0056】
〔変形例1〕
上述した第2側の処理制御手順において、コントローラ100は、電子部品Wに対する処理部61による処理位置を処理中に変えるように位置調節部40により回転搬送部30を移動させてもよい。この場合、コントローラ100は、
図9に示すように、まずステップS41,S42を実行する。ステップS41では、処理制御部122が、保持部32から保持部12への電子部品Wの受け渡しが完了するのを待機する(すなわち、上記ステップS11の完了を待機する)。ステップS42では、処理位置制御部118が、処理部61による処理用の初期位置に、位置調節部40により回転搬送部30を移動させる。
【0057】
次に、コントローラ100はステップS43,S44を実行する。ステップS43では、処理制御部122が、保持部32が保持する電子部品Wに予め設定した処理を実行するように処理部61を制御する。ステップS44では、処理制御部122が、電子部品Wにおいて処理対象の全域に対し処理部61による処理が完了したか否かを確認する。ステップS44において、未処理の領域が残っていると判定した場合、コントローラ100はステップS45を実行する。ステップS45では、処理位置制御部118が、処理部61による処理位置を変更するように、位置調節部40により回転搬送部30を移動させる。その後、コントローラ100は処理をステップS43に戻す。以後、処理対象の全域に対して処理部61による処理が完了するまで、処理位置の変更と処理とが繰り返される。
【0058】
ステップS44において、未処理の領域は残っていないと判定した場合、コントローラ100はステップS46を実行する。ステップS46では、受渡位置制御部117が、位置調節部40により回転搬送部30を上記原点位置に移動させる。以上で、処理中における処理位置の移動を含む第2側の処理制御手順が完了する。
【0059】
〔変形例2〕
上述した搬送制御手順においては、保持部32から保持部12への電子部品Wの受け渡しにおいて保持部32の位置調節を実行してもよい。この場合、コントローラ100は、
図10に例示するように、まずステップS01と同様のステップS51を実行した後、保持部32の位置調節を行うことなくステップS03,S04,S05と同様のステップS52,S53,S54を実行する。これにより、電子部品Wは、保持部12に対する位置ずれと同等のずれをもって保持部32に保持される。
【0060】
次に、コントローラ100はステップS55,S56を実行する。ステップS55では、ステップS07と同様に、第2搬送制御部112が、隣り合う保持部32同士の角度ピッチにて、回転駆動部33により衛星テーブル31の回転と停止とを実行する。ステップS56では、目標位置算出部116が、補正対象の位置ずれの情報を位置ずれ情報保持部115から取得し、補正対象の位置ずれを縮小するように電子部品Wの受け渡しにおける保持部32の目標位置を算出する。また、ステップS56では、受渡位置制御部117が、保持部32を目標位置に移動させるように位置調節部40により回転搬送部30を移動させる。
【0061】
次に、コントローラ100は、ステップS08,S09,S11と同様のステップS57,S58,S59を実行し、保持部32から保持部12への電子部品Wの受け渡しを実行させる。コントローラ100は、以上の処理を繰り返す。
【0062】
上述のとおり、この手順によれば、保持部12から保持部32に受け渡された電子部品Wは、保持部12に対する位置ずれと同等のずれをもって保持部32に保持される。このため、第2側の処理制御手順においても保持部32の位置調節が必要となる。
【0063】
例えば
図11に示すように、コントローラ100は、ステップS61,S62,S63を実行する。ステップS61では、処理制御部122が、保持部32から保持部12への電子部品Wの受け渡しが完了するのを待機する(すなわち、上記ステップS59の完了を待機する)。ステップS62では、目標位置算出部116が、補正対象の位置ずれの情報を位置ずれ情報保持部115から取得し、補正対象の位置ずれを縮小するように電子部品Wの受け渡しにおける保持部32の目標位置を算出する。また、ステップS62では、処理位置制御部118が、保持部32を目標位置に移動させるように位置調節部40により回転搬送部30を移動させる。ここでの補正対象の位置ずれは、処理部61による処理対象の停止位置SP2に配置された保持部12に対する電子部品Wの位置ずれである。ステップS63では、ステップS32と同様に、処理制御部122が、処理対象の停止位置SP2において、保持部32が保持する電子部品Wに予め設定した処理を実行するように処理部61を制御する。コントローラ100は、以上の処理を繰り返す。
【0064】
なお、上述した手順はあくまで一例であり、適宜変更可能である。例えば、ステップS56の少なくとも一部をステップS55と並列に実行してもよい。すなわち受渡位置制御部117は、位置調節部40による回転搬送部30の移動期間の少なくとも一部を、回転搬送部30による保持部32の移動期間に重複させてもよい。ステップS56の少なくとも一部をステップS55に先行して実行してもよい。
【0065】
〔変形例3〕
変形例2のように、保持部32から保持部12への電子部品Wの受け渡しにおいて保持部32の位置調節を実行する場合、保持部32に対する電子部品Wの位置ずれに基づいて保持部32の目標位置を算出することも可能である。
【0066】
図12は、保持部32に対する電子部品Wの位置ずれを検出可能な構成を例示している。
図12の処理装置1は、上述した処理部61(以下、「処理部61A」という。)とは別の処理部61として、外観検査部61Bを更に備えている。外観検査部61Bは、受け渡し用の停止位置SP2から、処理部61Aによる処理対象の停止位置SP2までの間に位置する停止位置SP2において、保持部32に対する電子部品Wの位置ずれを検出する。この場合、位置ずれ情報取得部114は、保持部32に対する電子部品Wの位置ずれの検出結果を外観検査部61Bから取得する。位置ずれ情報保持部115は、保持部32に対する電子部品Wの位置ずれの情報を位置ずれ情報取得部114から取得し、保持部32の識別情報に対応付けて記憶する。
【0067】
上述したように、保持部32から保持部12への電子部品Wの受け渡しにおいて保持部32の位置調節を実行する場合、電子部品Wは、保持部12に対する位置ずれと同等のずれをもって保持部32に保持される。このため、保持部32に対する電子部品Wの位置ずれの情報を検出することは、保持部12に対する電子部品Wの位置ずれの情報を検出することに相当する。
【0068】
この構成の場合、第2側の処理制御手順は、例えば次のように実行される。
図13に示すように、コントローラ100は、まずステップS71,S72,S73を実行する。ステップS71では、処理制御部122が、保持部32から保持部12への電子部品Wの受け渡しが完了するのを待機する(すなわち、上記ステップS59の完了を待機する)。ステップS72では、受渡位置制御部117が、位置調節部40により回転搬送部30を上記原点位置に移動させる。ステップS73では、位置ずれ情報取得部114が、保持部32に対する電子部品Wの位置ずれの検出結果を外観検査部61Bから取得する。また、ステップS73では、位置ずれ情報保持部115が、保持部32に対する電子部品Wの位置ずれの情報を位置ずれ情報取得部114から取得し、保持部32の識別情報に対応付けて記憶する。
【0069】
次に、コントローラ100はステップS74,S75を実行する。ステップS74では、ステップS63と同様に、目標位置算出部116が、補正対象の位置ずれの情報を位置ずれ情報保持部115から取得し、補正対象の位置ずれを縮小するように電子部品Wの受け渡しにおける保持部32の目標位置を算出する。処理位置制御部118が、保持部32を目標位置に移動させるように位置調節部40により回転搬送部30を移動させる。ステップS75では、ステップS64と同様に、処理制御部122が、処理対象の停止位置SP2において、保持部32が保持する電子部品Wに予め設定した処理を実行するように処理部61を制御する。コントローラ100は、以上の処理を繰り返す。
【0070】
〔変形例4〕
上述した回転搬送部10と回転搬送部30との配置関係は適宜変更可能である。上述の配置関係においては、保持部12から保持部32への電子部品Wの受け渡し用の停止位置SP1(受渡領域TA)と、保持部32から保持部12への電子部品Wの受け渡し用の停止位置SP1(受渡領域TA)とが同一であったがこれに限られない。例えば
図14に示す回転搬送部30は、二箇所の停止位置SP2が二箇所の停止位置SP1の真下にそれぞれ位置するように(二箇所の受渡領域TAが設けられるように)構成されている。このため、二組の停止位置SP1,SP2を受け渡し用の停止位置SP1,SP2として利用可能である。
【0071】
このような構成においては、上記二組の停止位置SP1,SP2のいずれか一方(一方の受渡領域TA)において保持部12から保持部32への電子部品Wの受け渡しを行い、他方において保持部32から保持部12への電子部品Wの受け渡しを行うことが可能である。例えば、上記二組の停止位置SP1,SP2のうち、上流側の停止位置SP1,SP2においては保持部12から保持部32への電子部品Wの受け渡しを行い、下流側の停止位置SP1,SP2においては保持部32から保持部12への電子部品Wの受け渡しを行ってもよい。
【0072】
このような構成においては、保持部12に対する電子部品Wの傾き(理想上の保持位置に対する電子部品Wの傾き)の有無によらず、二箇所の受渡領域TAで電子部品Wの受け渡しが行われるので、保持部12に対する電子部品Wの傾きが生じる。すなわち、一の受渡領域TAにおいて保持部12から保持部32へ受け渡す前の電子部品Wの姿勢(傾き)と、他の受渡領域TAにおいて保持部32から保持部12に受け渡された後の電子部品Wの姿勢(傾き)にずれが生じる。そのため、目標位置算出部116は、保持部12から保持部32に移る前の電子部品Wの傾き(保持部12に対する電子部品Wの傾き)、及び二箇所の受渡領域TAでの受け渡しに伴う姿勢のずれに応じて、電子部品Wの受け渡しにおける保持部32の目標姿勢を更に算出してもよい。これにより、保持部32の姿勢が目標姿勢に調節されて保持部32から保持部12に電子部品Wが受け渡されると、二箇所の受渡領域TAでの受け渡しに伴う姿勢のずれも縮小される。
【0073】
図15に示すように、衛星テーブル31の回転軸線(軸線Ax2)は、ターンテーブル11の回転軸線(軸線Ax1)に対して傾斜していてもよい。また、衛星テーブル31はターンテーブル11の上方に位置していてもよく、回転搬送部10の保持部12が電子部品W(主面Wb)を下方から吸着するように構成され、回転搬送部30の保持部32が電子部品W(主面Wa)を上方から吸着するように構成されていてもよい。
【0074】
図16の例においては、回転搬送部10の各保持部12が軸線Ax1を中心とする径方向に突出し、その端部において軸線Ax1側に電子部品Wを吸着するように構成されている。また、回転搬送部30の各保持部32も軸線Ax2を中心とする径方向に突出し、その端部において軸線Ax2側に電子部品Wを吸着するように構成されている。回転搬送部10及び回転搬送部30は、受け渡し用の停止位置SP1,SP2(受渡領域TA)において保持部12の端部と保持部32の端部とが対向するように配置されている。このような構成においても、位置調節部40は、受け渡し用の停止位置SP1,SP2における保持部12,32の対向方向に交差(例えば直交)する面に沿って回転搬送部30を移動させる。例えば位置調節部40は、図示X軸方向及びZ軸方向に沿って回転搬送部30を移動させる。
【0075】
〔変形例5〕
処理装置1は、上述した姿勢調節部34を備えるのに代えて、回転駆動部33及び位置調節部40の協働により電子部品Wの姿勢を調節するように構成されていてもよい。例えばコントローラ100は、受け渡し用の停止位置SP2における保持部32の傾き角度を変更するように、回転駆動部33により衛星テーブル31の回転角度を調節させ、これに伴う保持部32の位置ずれを位置調節部40により補正させるように構成されていてもよい。この場合、コントローラ100が姿勢調節部として機能する。換言すると、コントローラ100が、機能モジュールとして姿勢調節部を有する。
【0076】
〔変形例6〕
処理装置1は、回転搬送部30に代えて回転搬送部10を移動させるように構成されていてもよい。例えば、処理装置1は、受渡領域TAにおける保持部12(第2保持部)の位置を調節するように、回転搬送部10(第2回転搬送部)を移動させる位置調節部40を備えてもよい。この場合、位置調節部40は、回転搬送部30(第1回転搬送部)によって保持部32(第1保持部)を搬送させる円軌道CR2(第1円軌道)に対する円軌道CR1(第2円軌道)の位置を調節するように、回転搬送部10(ターンテーブル11)の位置を変更してもよい。
【0077】
目標位置算出部116は、保持部12から保持部32に移る前の上記位置ずれ(保持部12による電子部品Wの理想上の保持位置に対する位置ずれ)に比較して、保持部32から保持部12に移った後の上記位置ずれが小さくなるように、受渡領域TAにおける保持部12の目標位置を算出する。例えば目標位置算出部116は、補正対象の位置ずれの情報を位置ずれ情報保持部115から取得し、補正対象の位置ずれを縮小するように受渡領域TAにおける保持部12の目標位置を算出する。
【0078】
保持部12の位置調節は、保持部12から保持部32への電子部品Wの受け渡し、及び保持部32から保持部12への電子部品Wの受け渡しのいずれにおいても実行可能である。保持部12から保持部32への電子部品Wの受け渡しにおいて保持部12の位置調節が行われる場合、目標位置算出部116は、上記位置ずれと逆方向に同量でずれた位置を保持部12の目標位置とする。保持部32から保持部12への電子部品Wの受け渡しにおいて保持部12の位置調節が行われる場合、目標位置算出部116は、上記位置ずれと同方向に同量で基準位置からずれた位置を保持部32の目標位置とする。
【0079】
受渡位置制御部117は、受渡領域TAにおいて保持部12を目標位置に配置するように位置調節部40を制御する。例えば、受渡位置制御部117は、保持部12を目標位置に移動させるように位置調節部40により回転搬送部10を移動させる。
【0080】
処理装置1は、受渡領域TAにおける保持部12,32の位置を調節するように、回転搬送部10及び回転搬送部30を移動させるように構成されていてもよい。この場合、処理装置1は、回転搬送部10の位置を変更する位置調節部40と、回転搬送部30の位置を変更する位置調節部40とを備えてもよい。コントローラ100は、保持部12から保持部32に移る前の上記位置ずれに比較して、保持部32から保持部12に移った後の上記位置ずれが小さくなるように、上記2つの位置調節部40により受渡領域TAにおける保持部12,32の位置を調節してもよい。
【0081】
〔変形例7〕
上述の処理装置1の例では、衛星テーブル31が移動することで保持部32の位置が調節されるが、処理装置1は、複数の保持部32を個別に移動させることで各保持部32の位置を調節してもよい。処理装置1は、衛星テーブル31を移動させる位置調節部40に代えて、
図17に示すように、複数の保持部32にそれぞれ対応する複数の位置調節部44を備えてもよい。各位置調節部44は、例えば、保持部32(姿勢調節部34)を支持するように衛星テーブル31に設けられている。各位置調節部44は、受け渡し用の停止位置SP1,SP2における保持部12,32の対向方向に交差(例えば直交)する面に沿って、回転搬送部30における保持部32の位置(衛星テーブル31に対する保持部32の位置)を変更する。本実施形態においては、受け渡し用の停止位置SP1,SP2における保持部12,32の対向方向が鉛直方向であるため、各位置調節部44は、水平面に沿って保持部12を移動させる。
【0082】
例えば各位置調節部44は、二つの電動式のリニアアクチュエータ45,46を有する。リニアアクチュエータ45は、水平な一方向に沿って保持部32を移動させる。リニアアクチュエータ46は、リニアアクチュエータ45による移動方向に直交する方向に沿って保持部32を移動させる。リニアアクチュエータ45,46により保持部32を移動させることによって、受け渡し用の停止位置SP1に対する受け渡し用の停止位置SP2の相対位置を保持部32ごとに調節することが可能である。
【0083】
変形例7に係る処理装置1において、
図6に例示する搬送制御手順と同様の搬送制御手順が実行されてもよい。この場合、ステップS02では、受渡位置制御部117が、保持部32を目標位置に移動させるように、対応する位置調節部44により、衛星テーブル31に対して保持部32の位置を変更する。ステップS06では、受渡位置制御部117が、位置調節部44により保持部32を原点位置に移動させる。
【0084】
変形例7に係る処理装置1において、
図9に例示する第2側の処理制御手順(変形例1に係る制御手順)と同様の処理制御手順が実行されてもよい。この場合、処理装置1は、受け渡し用の停止位置SP2に配置される保持部32と、処理部61の処理位置に配置される保持部32とを個別に移動させるので、ステップS41の処理が省略されてもよい。ステップS42,S45,S46では、処理位置制御部118が、位置調節部44により、処理部61に配置されている保持部32を移動させる。
【0085】
変形例7に係る処理装置1において、
図10に例示する搬送制御手順と同様の搬送制御手順、及び
図11に例示する処理制御手順と同様の処理制御手順が実行されてもよい。この場合、ステップS56では、受渡位置制御部117が、保持部32を目標位置に移動させるように位置調節部44により保持部32を移動させる。第2側の処理制御手順において、コントローラ100は、ステップS61の処理を省略してもよい。ステップS62では、処理位置制御部118又は受渡位置制御部117が、保持部32を目標位置に移動させるように、位置調節部44により、処理部61に配置されている保持部32を移動させる。ステップS63での処理部61の処理実行後において、保持部32が目標位置に配置される場合、受け渡しのための当該保持部32の位置調節(ステップS56)が省略されてもよい。
【0086】
変形例7に係る処理装置1においても、変形例3と同様に、保持部32に対する電子部品Wの位置ずれに基づいて保持部32の目標位置が算出されてもよい。
図13に例示の処理制御手順と同様の制御手順が実行される場合において、コントローラ100は、ステップS71,S72を省略してもよい。
【0087】
変形例7に係る処理装置1においても、変形例4と同様に、二箇所の受渡領域TAが設けられるように回転搬送部30が構成され、二箇所の受け渡し用の停止位置SP1,SP2において保持部12と保持部32との間で電子部品Wの受け渡しが行われてもよい。
【0088】
変形例7に係る処理装置1も、変形例5と同様に、姿勢調節部34に代えて、回転駆動部33及び各位置調節部44の協働により電子部品Wの姿勢を調節するように構成されていてもよい。以上、変形例7に変形例1〜5のいずれか一つを適用する場合を例示したが、処理装置1において、変形例1〜7に含まれる組合せが適宜適用されてもよい。
【0089】
処理装置1は、衛星テーブル31を移動させる位置調節部40に加えて、複数の保持部32にそれぞれ対応する複数の位置調節部44を備えてもよい。この場合、位置調節部40と各位置調節部44とによって、受渡領域TAにおける保持部32の位置が調節されてもよい。処理装置1は、回転搬送部10(ターンテーブル11)を移動させる位置調節部40に加えて、複数の保持部32にそれぞれ対応する複数の位置調節部44を備えてもよい。この場合、位置調節部40と各位置調節部44とによって、受渡領域TAにおける保持部12,32の位置が調節されてもよい。
【0090】
〔変形例8〕
処理装置1は、回転搬送部10に対して電子部品Wを供給する別の回転搬送部を備えてもよい。
図18に示す処理装置1Aは、処理装置1の構成に加え、回転搬送部70と、位置調節部80とを備える。回転搬送部70(第2回転搬送部)は、所謂ロータリーピックアップであり、供給部52から電子部品Wを受け取り円軌道CR3(第2円軌道)に沿って移動させ、当該電子部品Wを保持部12に引き渡す。
【0091】
回転搬送部70は、ロータ71と、複数の保持部72(第2保持部)と、回転駆動部73とを有する。ロータ71は、供給部52に対応する停止位置SP1の下において、水平な軸線Ax4まわりに回転可能となるように設けられている。複数の保持部72は、軸線Ax4を中心とする円周に沿って等間隔に配置されており、ロータ71に固定されている。各保持部72は、軸線Ax4を中心とする径方向の端部において、軸線Ax4側に電子部品Wを吸着するように構成されている。回転駆動部73は、例えば電動モータ等の動力源によって軸線Ax4まわりにロータ71を回転させる。これにより、軸線Ax4を中心とする鉛直な円軌道CR3に沿って複数の保持部72が移動する。回転駆動部73は、隣り合う保持部72同士の角度ピッチ(軸線Ax4まわりの角度ピッチ)にて、ロータ71の回転と停止とを繰り返すように制御される。以下、回転駆動部73がロータ71を停止させる際に複数の保持部72がそれぞれ配置される複数の位置を「複数の停止位置SP3」という。
【0092】
円軌道CR3(第2円軌道)は、保持部12との間で電子部品Wの受け渡しが可能な受渡領域TAを通る。この受渡領域TAは、いずれか一箇所の停止位置SP1と、いずれか一箇所の停止位置SP3とを含む。以下、これらの停止位置を「受け渡し用の停止位置SP1,SP3」という。保持部72から保持部12への電子部品Wの受け渡しは、受渡領域TAにおいて保持部12,72が互いに最接近した状態で行われる。例えば回転搬送部70は、最上の停止位置SP3が、供給部52に対応する停止位置SP1の真下に位置するように構成されている。
【0093】
位置調節部80は、受渡領域TAにおける保持部72の位置を調節する。
図18に例示の位置調節部80は、受渡領域TAにおける保持部72の位置を調節するように回転搬送部70(ロータ71)を移動させる。回転搬送部70が移動することにより、円軌道CR1に対する円軌道CR3の位置が変わり、受渡領域TAにおける保持部72の位置も変わる。位置調節部80は、受け渡し用の停止位置SP1,SP3における保持部12,72の対向方向に交差(例えば直交)する面に沿って回転搬送部70を移動させる。図示においては、保持部12,72の対向方向が鉛直方向であるため、位置調節部80は、水平面に沿って回転搬送部70を移動させる。
【0094】
処理装置1Aは、保持部72が保持する電子部品Wに処理を施す処理部の一例として、外観検査部91を更に備えてもよい。外観検査部91は、受け渡し用の停止位置SP3よりも上流側(供給部52側)の停止位置SP3において、保持部72に対する電子部品Wの位置ずれを検出する。すなわち外観検査部91は、電子部品Wが保持部72から保持部12に移る前に、保持部72に対する電子部品Wの位置ずれを検出する。
【0095】
このような構成において、コントローラ100は、保持部72から保持部12に移る前における電子部品Wの保持部72に対する位置ずれに比較して、保持部72から保持部12に移った後における電子部品Wの保持部12に対する位置ずれが小さくなるように、位置調節部80により回転搬送部70を移動させる。例えば目標位置算出部116が、保持部72から保持部12に移る前における電子部品Wの保持部72に対する位置ずれに比較して、保持部72から保持部12に移った後における電子部品Wの保持部12に対する位置ずれが小さくなるように、電子部品Wの受け渡しにおける保持部72の目標位置を算出する。受渡位置制御部117が、保持部72から保持部12への電子部品Wの受け渡し前に保持部72を目標位置に移動させる。
【0096】
処理装置1Aは、上述した姿勢調節部34に相当する構成として、回転搬送部70における保持部72の姿勢を調節する姿勢調節部74を更に備えてもよい。例えば処理装置1Aは、複数の保持部72にそれぞれ対応する姿勢調節部74を備えてもよい。姿勢調節部74は、例えば電動モータの動力源によって、受け渡し用の停止位置SP3における保持部72の姿勢(例えば鉛直な軸線まわりの傾き角)を調節する。
【0097】
なお、処理装置1Aによれば、保持部72から保持部12への受け渡しにおいて電子部品Wの位置ずれが補正されるので、電子部品Wに対する処理部61による処理位置を処理中に変える必要がない場合には、上述した位置調節部40を省略することも可能である。
【0098】
〔本実施形態の効果〕
以上に説明したように、本開示の一側面に係る電子部品の処理装置1は、電子部品Wを保持する保持部12を有し、保持部12を円軌道CR1に沿って移動させる回転搬送部10と、電子部品Wを保持する保持部32を有し、保持部12との間で電子部品Wの受け渡しが可能な受渡領域TAを通る円軌道CR2に沿って保持部32を移動させる回転搬送部30と、受渡領域TAにおける保持部32の位置を調節する位置調節部40,44と、を備える。
【0099】
電子部品の処理においては、電子部品の保持位置に高い精度が求められる場合がある。電子部品が保持部に保持された後に保持位置の精度を高めるためには、一度保持部から電子部品を解放し、電子部品の位置を調節した後に再度保持部に保持させる必要がある。すなわち、位置調整のために二度の受け渡し動作が必要となる。このため、装置に求められる生産性が年々高くなる昨今においては、二度の受け渡し動作を伴う位置調整が、装置全体としての効率改善(例えばタクトタイム短縮)のボトルネックとなる場合も考えられる。これに対し、本処理装置によれば、受渡領域TAにおける保持部32の位置を調節することによって、回転搬送部10と回転搬送部30との間における電子部品Wの受け渡しの機会を利用して電子部品Wの保持位置を調節することができる。換言すると、位置調整のみを目的とした電子部品Wの受け渡し機会を削減することができる。これにより、従来において、タクトタイム短縮のボトルネックともなり得た位置調整の時間を短縮することができる。従って、電子部品Wの処理効率の向上に有効である。
【0100】
位置調節部40は、受渡領域TAにおける保持部32の位置を調節するように回転搬送部30の位置を変更してもよい。この場合、回転搬送部30の全体を移動させる駆動機構を設ければよいので、処理装置1の簡素化に有効である。
【0101】
位置調節部44は、受渡領域TAにおける保持部32の位置を調節するように、回転搬送部30における保持部32の位置を変更してもよい。この場合、保持部32の位置調節に伴う移動が、回転搬送部30の全体に影響を及ぼさないので、保持部32の位置調節と並行して回転搬送部30の他の部材での処理を行うができる。従って、電子部品Wの処理効率の向上に更に有用である。
【0102】
電子部品の処理装置1は、回転搬送部30における保持部32の姿勢を調節する姿勢調節部34を更に備えていてもよい。この場合、回転搬送部10と回転搬送部30との間における電子部品Wの受け渡しの機会を利用して電子部品Wの保持姿勢をも調節することができる。
【0103】
電子部品の処理装置1は、保持部12が保持する電子部品Wに処理を施す中間処理部54と、保持部32が保持する電子部品Wに処理を施す処理部61と、を更に備え、保持部12は電子部品Wの主面Waを保持し、保持部32は電子部品Wの主面Wbを保持し、電子部品Wにおいて主面Waと主面Wbとが互いに離れていてもよい。この場合、回転搬送部10と回転搬送部30との間における電子部品Wの受け渡しの機会を保持方向の切り替えにも利用することができる。これにより、電子部品Wを保持した状態で多方向からの処理を施すことができる。
【0104】
電子部品の処理装置1は、処理部61による処理前の電子部品Wを保持部12から保持部32に移し、処理部61による処理後の電子部品Wを保持部32から保持部12に移すように回転搬送部10及び回転搬送部30を制御する持替制御部113を更に備えていてもよい。この場合、回転搬送部10と回転搬送部30との間における受け渡し機会に保持位置が調節された電子部品Wに対して、中間処理部54により更なる処理を施すことが可能となる。
【0105】
電子部品の処理装置1は、保持部12に対する電子部品Wの位置ずれを検出する外観検査部54Aと、保持部12から保持部32に移る前の位置ずれに比較して、保持部32から保持部12に移った後の位置ずれが小さくなるように、受渡領域TAにおける保持部32の目標位置を算出する目標位置算出部116と、受渡領域TAにおいて保持部32を目標位置に配置するように位置調節部40,44を制御する受渡位置制御部117と、を更に備えていてもよい。この場合、回転搬送部10と回転搬送部30との間における電子部品Wの受け渡しの機会において電子部品Wの保持位置をより高い精度で調節することができる。
【0106】
電子部品の処理装置1は、電子部品Wに対する処理部61による処理位置を処理中に変えるように位置調節部40により回転搬送部30を移動させる処理位置制御部118を更に備えていてもよい。この場合、処理中における電子部品Wの位置変更にも位置調節部40を有効活用することができる。
【0107】
受渡位置制御部117は、位置調節部40による回転搬送部30の移動期間の少なくとも一部を、回転搬送部10による保持部12の移動期間に重複させてもよい。また、受渡位置制御部117は、位置調節部40による回転搬送部30の移動期間の少なくとも一部を、回転搬送部30による保持部32の移動期間に重複させてもよい。この場合、位置調節部40による回転搬送部30の移動のみに割く時間が更に削減されるので、処理効率の更なる向上に有効である。また、回転搬送部10による保持部12の移動時間または回転搬送部30による保持部32の移動時間を利用することで、位置調節部40による回転搬送部30の移動時間に余裕を持たせ、無理な高速動作に起因する電子部品Wの位置ずれも抑制することができる。更に、無理な高速動作を避けることは、位置調節部40の負荷を抑制するのにも有効である。
【0108】
下流側の中間処理部54の数は、上流側の中間処理部54の数より多くてもよい。この場合、保持部12,32間の受け渡しにより高められた電子部品Wの位置精度を、より多くの中間処理部54において活かすことができる。
【0109】
以上、実施形態について説明したが、本発明は必ずしも上述した形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
【解決手段】電子部品の処理装置1は、電子部品Wを保持する保持部12を有し、保持部12を円軌道CR1に沿って移動させる回転搬送部10と、電子部品Wを保持する保持部32を有し、保持部12との間で電子部品Wの受け渡しが可能な受渡領域TAを通る円軌道CR2に沿って保持部32を移動させる回転搬送部30と、受渡領域TAにおける保持部32の位置を調節する位置調節部40,44と、を備える。