(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の警報器からなる複数のグループを構成すると共に、前記グループ毎に異なるチャンネル周波数を設定してグループ内の警報器間で同一チャネル周波数により信号を無線で送受信し、前記各グループの警報器は、火災を検出した場合に連動元を示す火災警報を出力すると共に、グループ内の他の警報器に火災連動信号を送信して連動先を示す火災警報を出力させる警報システムであって、
一方のグループのチャンネル周波数の火災連動信号を受信した場合に、他方のグループのチャンネル周波数の火災連動信号を送信し、前記他方のグループのチャンネル周波数の火災連動信号を受信した場合に、前記一方のグループのチャンネル周波数の火災連動信号を送信すると共に、グループ間移報を行った旨を報知するグループ間移報装置を備え、
前記グループ間移報装置は、
前記一方のグループのチャンネル周波数が設定された第1移報アダプタと、
前記他方のグループのチャンネル周波数が設定された第2移報アダプタと、
を備え、
前記第1移報アダプタにより前記一方のグループのチャンネル周波数の火災連動信号を受信した場合に前記第2移報アダプタに火災移報信号を出力して、前記第2移報アダプタから前記他方のグループのチャンネル周波数の火災連動信号を送信し、
前記第2移報アダプタにより前記他方のグループのチャンネル周波数の火災連動信号を受信した場合に前記第1移報アダプタに火災移報信号を出力して、前記第1移報アダプタから前記一方のグループのチャンネル周波数の火災連動信号を送信し、
前記第1移報アダプタ及び前記第2移報アダプタによる前記グループ間移報を行った旨の報知は、自己に設定されたチャンネル周波数の前記火災連動信号を受信した場合に、所定の火災移報警報を出力することを特徴とする警報システム。
【背景技術】
【0002】
従来、住宅等における火災を検知して警報する警報器が普及している。このうち、住宅用火災警報器を住警器と言う。例えば、このような住警器にあっては、電池電源で動作し、住警器内に火災を検出するセンサ部と火災を警報する警報部を一体に備え、センサ部の検出信号に基づき火災を検知すると警報部から火災警報音を出力するようにしており、所謂自動火災報知設備のように受信機等を必要とせず住警器単体で火災監視と警報報知ができることから、設置が簡単でコスト的にも安価であり、一般住宅での設置義務化に伴い広く普及している。
【0003】
また、複数の住警器間で相互に無線通信を行うことによって、任意の住警器で火災警報音が出力されると、他の住警器でも連動して火災警報音を出力させる無線連動型の住警器を用いた警報システムも実用化され、普及している。
【0004】
また、火災報知設備の設置義務のない、床面積が300平米未満の特定小規模施設、例えば高齢者や知的障害者の家事支援などを行うグループホーム等に対して、特定小規模施設用自動火災報知設備が導入されている。特定小規模施設用自動火災報知設備は、火災を検出するセンサ部と火災を警報する警報部を一体に備える感知器によって構成され、感知器同士が無線連動することでいずれの感知器で火災を検出した際に感施設内の感知器全てが発報して施設全体に火災を報知させるものである。
【0005】
以降、無線連動型の住警器や特定小規模施設用自動火災報知設備に用いられる感知器を連動型警報器と呼称する。
【0006】
このような連動型の警報システムでは、連動型警報器で火災を検出した場合、当該火災を検出した連動元の連動型警報器は、例えば「ウーウー火災警報器が作動しました 確認してください」といった火災警報音を出力すると共に警報表示用LEDを点灯し、一方、連動先の警報器では例えば「ウーウー 別の火災警報器が作動しました 確認してください」といった火災警報音を出力すると共に警報表示用LEDを点滅するようにしている。
【0007】
しかし、このような従来の無線連動型の警報システムにあっては、ある連動型警報器が他の連動型警報器からの無線信号を受信する際に、同じ通信周波数を使用する複数の無線信号が同時に到来して信号衝突を起こす場合があり、信号衝突の発生頻度は警戒エリアに設置する連動型警報器の台数が増加するほど高くなり、そのため1つの警戒エリアに設置できる連動型警報器の台数が制約される。
【0008】
この問題を解決するため、複数の連動型警報器からなるグループを形成するにあたって、信号衝突の頻度が高くならないよう制限した連動型警報器の最大台数を設定し、このように形成した複数のグループ間に中継器を配置して連動させ、更に、グループ毎に使用する通信周波数を異ならせた警報システムを提案している(特許文献1)。
【0009】
このグループ連動の警報システムにあっては、警戒エリア内で複数のグループを連動させることで全体の連動型警報器連動台数を増やすことができ、グループが異なると連動型警報器の通信周波数が異なるため、あるグループの連動型警報器に当該グループ内の連動型警報器からの信号と他のグループの連動型警報器からの信号が同時に到来しても、信号衝突は発生せず、信号の送受信を確実に行うことができる。
【0010】
この信号衝突の問題は、無線信号を使用する場合には連動型警報器の親機と子機を区別しないシステムでも、また親機に対し複数の子機を配置する親子方式のシステムでも同様であり、親子方式の場合例えば親機は子機の個別IDを用いて子機を順次呼出し処理しているが、子機の台数が多くなると、信号衝突に伴うリトライ回数増加に起因して全体の通信に時間がかかる。そこで、親機と信号衝突の発生頻度を低減すべく子機を所定の最大台数以下に制限してグループを形成し、各グループの親機に中継機能を持たせて連動し、更に、グループ毎に使用する通信周波数を異ならせた警報システムとする。
【0011】
このため、一般住宅よりも規模が大きく通常の無線連動型の住警器からなる警報システムでは警報器最大台数の制限により全体をカバーできないが、近年、その活用が期待されている民泊として知られた旅館業法上の簡易宿所営業を行う施設や、特定小規模施設に、グループ連動を行う警報システムを設置することで、信号衝突の問題を回避しつつ施設全体の警報器連動台数を必要にして十分な数に増やし、実質的に火災報知設備を設置したと同等の火災監視機能を低コストで提供可能としている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、このような従来のグループ連動を行う警報システムにあっては、複数のグループ間を連動させるために、グループ毎に中継器を配置して移報信号線で接続しており、無線連動型の連動型警報器は市販のものが利用できるが、グループ間を連動させるための中継器を新たに追加しなければならず、民泊施設やグループホーム等は、火災報知設備の設置が法的に義務付けられたビルやマンション等の施設に比べ、その数が少なく、生産数が限られるためにコストが嵩み、普及のネックとなっている。
【0014】
一方、無線連動型の連動型警報器を用いた警報システムにあっては、連動型警報器からの火災連動信号を受信して移報信号を出力する移報アダプタが市販されており、例えば、移報アダプタに火災通報装置を移報信号線により接続し、連動型警報器から火災連動信号を移報アダプタで受信した場合に火災移報信号を火災通報装置に出力して119番に自動通報させること等を可能としている。
【0015】
また、移報アダプタは、テスト送信を可能とするため、移報入力端子を備えており、その結果、連動型警報器との無線通信機能に加え、移報信号の入出力が可能であり、既存の製品であることから、コスト的な問題も少ない。
【0016】
本発明は、既存の移報アダプタを利用することで、複数の警報器からなる複数のグループ間で火災警報を連動させるシステム構成を簡単且つ低コストで実現可能とする警報システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
(警報システム)
本発明は、複数の警報器からなる複数のグループを構成すると共に、グループ毎に異なるチャンネル周波数を設定してグループ内の警報器間で同一チャネル周波数により信号を無線で送受信し、各グループの警報器は、火災を検出した場合に連動元を示す火災警報を出力すると共に、グループ内の他の警報器に火災連動信号を送信して連動先を示す火災警報を出力させる警報システムであって、
一方のグループのチャンネル周波数の火災連動信号を受信した場合に、他方のグループのチャンネル周波数の火災連動信号を送信
し、他方のグループのチャンネル周波数の火災連動信号を受信した場合に、一方のグループのチャンネル周波数の火災連動信号を送信すると共に、グループ間移報を行った旨を報知するグループ間移報装置を備え
、
グループ間移報装置は、
一方のグループのチャンネル周波数が設定された第1移報アダプタと、
他方のグループのチャンネル周波数が設定された第2移報アダプタと、
を備え、
第1移報アダプタにより一方のグループのチャンネル周波数の火災連動信号を受信した場合に第2移報アダプタに火災移報信号を出力して、第2移報アダプタから他方のグループのチャンネル周波数の火災連動信号を送信し、
第2移報アダプタにより他方のグループのチャンネル周波数の火災連動信号を受信した場合に第1移報アダプタに火災移報信号を出力して、第1移報アダプタから一方のグループのチャンネル周波数の火災連動信号を送信し、
第1移報アダプタ及び第2移報アダプタによるグループ間移報を行った旨の報知は、自己に設定されたチャンネル周波数の火災連動信号を受信した場合に、所定の火災移報警報を出力することを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
(基本的な効果)
本発明は、警戒エリア毎に、複数の警報器からなる複数のグループを構成すると共に、グループ毎に異なるチャンネル周波数を設定してグループ内の警報器間で同一チャンネル周波数により信号を無線で送受信し、各グループの警報器は、火災を検出した場合に連動元を示す火災警報を出力すると共に、グループ内の他の警報器に火災連動信号を送信して連動先を示す火災警報を出力させる警報システムに於いて、隣接するグループ間にグループ間移報装置が設けられ、グループ間移報装置は、一方のグループの第1チャンネル周波数が設定された第1移報アダプタと、他方のグループの第2チャンネル周波数が設定された第2移報アダプタが組み込まれ、第1移報アダプタにより自己のグループの警報器から第1チャンネル周波数の火災連動信号を受信した場合に第2移報アダプタに火災移報信号を出力して、第2移報アダプタから第2チャンネル周波数の火災連動信号を自己のグループ内の警報器に送信して連動先火災警報を出力させ、第2移報アダプタにより自己のグループの警報器から第2チャンネル周波数の火災連動信号を受信した場合に第1移報アダプタに火災移報信号を出力して、第1移報アダプタから第1チャンネル周波数の火災連動信号を自己のグループ内の警報器に送信して連動先火災警報を出力させるようにしたため、警報器との無線通信機能と移報信号の入出力機能を備えた2台のアダプタを組み込んでグループ間移報装置を構成し、このグループ間移報装置をグループ境界等の隣接したグループからの火災連動信号を受信可能な場所に設置することで、あるグループの警報器が火災を検出した場合のグループ内での火災連動警報に加え、グループ間移報装置による火災連動信号の移報により他のグルーブの警報器の全てから火災連動警報を出力させることができる。
【0025】
また、グループ間移報装置に第1移報アダプタ及び第2移報アダプタとして組み込まれる2台の移報アダプタは、警報器との無線通信機能と移報信号の入出力機能を備えた既存の移報アダプタをそのまま使用することで実現でき、グループ間移報装置の製造が簡単で且つ低コストで実現でき、民泊やグループホーム等の施設に対する特定小規模無線自火報設備として普及を促進可能とする。
【0026】
また、第1移報アダプタ及び第2移報アダプタは、グループ間移報装置に組み込まれていることから、別々に設置して外部配線により移報接続する必要がなく、対象施設における設置場所の選定が1か所で良いことから簡単且つ容易に設置場所を決めることができ、また、相互に外部配線する必要がないことから、設置作業も簡単且つ容易にできる。
【0027】
(グループ間移報装置の間の移報による効果)
また、第1移報アダプタは、他のグループ間移報装置から第1チャンネル周波数の火災連動信号を受信した場合に第2移報アダプタに火災移報信号を出力して第2移報アダプタから第2チャンネル周波数の火災連動信号を自己のグループ内の警報器に送信して連動先火災警報を出力させ、第2アダプタは、他のグループ間移報装置とは異なる他のグループ間移報装置から第2チャンネル周波数の火災連動信号を受信した場合に第1移報アダプタに火災移報信号を出力して第1移報アダプタから第1チャンネル周波数の火災連動信号を自己のグループ内の警報器に送信して連動先火災警報を出力させるようにしたため、例えば、第1移報アダプタの属する1番目のグループの警報器が火災を検出した場合には、火災を検出した警報器からの火災連動信号は、グループ間移報装置を経由して隣接した2番目のグループの警報器に送られ、続いて、2番目のグループと次の3番目のグループの間に設けられた別のグループ間移報装置から3番目のグループの警報器に順次送られるが、グループ間に配置された複数のグループ間移報装置の間で無線通信が可能な場合には、複数のグループ間移報装置の間を火災連動信号が順次送られることで、全グループの警報器で火災警報を出力させることができる。
【0028】
(第1移報アダプタと第2移報アダプタの移報接続による効果)
また、グループ間移報装置に設けられた第1移報アダプタと第2移報アダプタは、移報出力端子と移報入力端子を備え、第1移報アダプタの移報出力端子を第2アダプタの移報入力端子に内部配線により接続し、第2移報アダプタの移報出力端子を第1アダプタの移報入力端子に内部配線により接続するようにしたため、第1移報アダプタ及び第2移報アダプタとして、警報器との無線通信機能及び移報入出力機能を備えた既存の移報アダプタ2台を、グループ間移報装置に組込み、それぞれの入出力端子間を内部配線で接続するという簡単な作業により、グループ間移報装置を作ることができ、装置コストを大幅に低減可能とする。
【0029】
また、第1移報アダプタと第2移報アダプタの移報入出力端子間の接続は、内部配線による接続であることから、従来の中継器間の外部配線による接続で必要とされている断線監視機能を設ける必要がなく、その分、製造が容易でコストを低減可能とする。
【0030】
(移報アダプタの火災移報警報による効果)
また、グループ間移報装置に設けられた第1移報アダプタ及び第2移報アダプタは、自己のグループ内の警報器から火災連動信号を受信した場合に、所定の火災移報警報を出力させるようにしたため、警戒エリアに設置しているグループ間移報装置でも火災移報警報の出力から火災発生を確認可能とする。
【0031】
(火災警報の連動停止制御による効果)
また、警報器は、火災を検出して連動元を示す火災警報を出力中に警報停止操作を検出した場合、火災警報を停止すると共に警報停止連動信号をグループ内の他の警報器に送信して連動先の火災警報を停止させ、連動先の警報器は、警報停止操作を検出した場合に、連動先を示す火災警報を停止すると共に警報停止連動信号をグループ内の他の連動先の警報器に送信して連動先の火災警報を停止させ、グループ間移報装置に設けられた第1移報アダプタ及び第2移報アダプタは、自己のグループ内の警報器から警報停止連動信号を受信した場合に、火災移報警報を停止させ、警報停止連動信号については移報を行わないようにしたため、火災警報を停止させる連動制御は、同じグループ内で行われ、他のグループに移報して警報停止させないことで、不要な混乱を回避可能とする。
【0032】
また、グループ間移報装置に設けられた第1移報アダプタ及び第2移報アダプタは、自己のグループ内の警報器から警報停止連動信号を受信した場合に、火災移報警報を停止させることで、同一グループ内の警報器による警報停止操作に連動させて、適切に火災移報警報を停止できる。
【0033】
(障害警報の連動制御による効果)
また、警報器は、通信障害、故障、又は電池電圧の低下を検出した場合に、障害元を示す障害警報を出力すると共に障害連動信号をグループ内の他の警報器に送信して連動先を示す障害警報を出力させ、グループ間移報装置に設けられた第1移報アダプタ及び第2移報アダプタは、自己のグループ内の警報器から障害連動信号を受信した場合に、連動先を示す障害警報を出力させ、障害連動信号については移報を行わないようにしたため、障害警報は同じグループ内に留まり、他のグループから障害警報を出力させないことで、不要な混乱を回避可能とする。
【0034】
(離れた警戒エリアのグループに対する同一チャンネル周波数の設定による効果)
また、警報器の通信可能範囲を超えて離れた複数の監視エリアに配置された複数のグループに、同一のチャンネル周波数を設定するようにしたため、混信のおそれがない場合には、同じチャンネル周波数を複数グループに繰り返し設定できることで、連動するグループの数が増えても、設定するチャンネル周波数の数を低減可能とする。
【発明を実施するための形態】
【0036】
[警報システムの概要]
図1は階層構造の建物に配置した警報システムの実施形態を示した説明図である。
図1に示すように、本実施形態の警報システムは、例えば民泊施設等の4階建ての建物11に設置されており、警戒エリアは1F〜4Fの階別の警戒エリアであり、階別の警戒エリアの各々に、警報器として機能する例えば5台の無線連動型の連動型警報器10が設置されている。
【0037】
ここで、1F〜4Fに設置された5台ずつの連動型警報器10は、建物11の左側に示すように、グループG1,G2,G3,G4を構成しており、グループG1,G2,G3,G4の各々には、異なるチャンネル周波数f1,f2,f3,f4が割り当てられており、各グループG1〜G4の連動型警報器10は、自己のグループに割り当てられたチャンネル周波数f1〜f4を使用して信号の送受信を行う。
【0038】
グループG1〜G4に設けられた連動型警報器10は、火災を検出した場合に連動元を示す火災警報を出力すると共に、自己のグループ内の他の連動型警報器10に火災連動信号を送信して連動先を示す火災警報を出力させる。
【0039】
建物11の階別の警戒エリアに対応したグループG1〜G4の間には、グループ間移報装置12−12,12−23,12−34が設置される。グループ間移報装置12−12,12−23,12−34は、隣接した階のグループに設けられた両方の連動型警報器10との間で信号の送受信を可能とするため、例えば、各階を結ぶ階段の踊り場の壁面等に設置される。
【0040】
グループ間移報装置12−12,12−23,12−34には、第1移報アダプタ14と第2移報アダプタ16が組み込まれている。
【0041】
例えば、1階のグループG1と2階のグループG2の間に設置されたグループ間移報装置12−12を例にとると、第1移報アダプタ14には1FのグループG1の連動型警報器10と同じチャンネル周波数f1が設定されており、1階に設置されたグループG1の連動型警報器10との間で火災連動信号を含む各種の信号の送受信を行う。
【0042】
また、第2移報アダプタ16には、2FのグループG2の連動型警報器10と同じチャンネル周波数f2が設定されており、2階に設置されたグループG2の連動型警報器10との間で火災連動信号を含む各種の信号の送受信を行う。
【0043】
グループ間移報装置12−12に組み込まれた第1移報アダプタ14と第2移報アダプタ16は移報入力端子と移報出力端子を備え、第1移報アダプタ14の移報出力端子を第2移報アダプタ16の移報入力端子に内部配線により接続し、また、第2移報アダプタ16の移報出力端子を第1移報アダプタ14の移報入力端子に内部配線により接続している。
【0044】
グループ間移報装置12−12に組み込まれた第1移報アダプタ14は、自己のグループG1に属する連動型警報器10からチャンネル周波数f1の火災連動信号を受信した場合に、第2移報アダプタ16に火災移報信号を出力する。第1移報アダプタ14からの火災移報信号を入力された第2移報アダプタ16は、チャンネル周波数f2の火災連動信号を自己のグループG2内の連動型警報器10に送信して連動先を示す火災警報を出力させる。
【0045】
また、グループ間移報装置12−12に組み込まれた第2移報アダプタ16は、自己のグループG2に属する連動型警報器10からチャンネル周波数f2の火災連動信号を受信した場合に、第1移報アダプタ14に火災移報信号を出力する。第2移報アダプタ16からの火災移報信号を入力された第1移報アダプタ14は、チャンネル周波数f1の火災連動信号を自己のグループG1内の連動型警報器10に送信して連動先を示す火災警報を出力させる。
【0046】
このような第1移報アダプタ14と第2移報アダプタ16の機能は、グループ間移報装置12−23,12−34についても、使用するチャンネル周波数が相違する以外は同じになる。
【0047】
このため、グループ間移報装置12−23の第1移報アダプタ14にはグループG2のチャンネル周波数f2が設定され、第2移報アダプタ16にはグループG3のチャンネル周波数f3が設定される。
【0048】
また、グループ間移報装置12−34の第1移報アダプタ14にはグループG3のチャンネル周波数f3が設定され、第2移報アダプタ16にはグループG4のチャンネル周波数f4が設定される。
【0049】
ここで、グループG1〜G4の間の火災連動信号の通信ルートは、例えばグループG1の連動型警報器10で火災を検出した場合を例にとると、グループG1の
連動型警報器10、グループ間移報装置12−12、グループG2の
連動型警報器10、グループ間移報装置12−23、グループG3の連動型警報器10、グループ間移報装置12−34及びグループG4の連動型警報器10となる第1ルートと、グループG1の
連動型警報器10からグループ間移報装置12−12、12−23、12−34と送られ、グループ間移報装置12−12、12−23、12−34から各グループG2,G3,G4の連動型警報器10に送られる第2ルートがある。
【0050】
図1に示すように、グループ間移報装置12−12、12−23、12−34が階段の踊り場等に配置され、隣接したもの同士での無線による信号の送受信が可能な場合は、第2ルートによる通信が行われる。これに対しグループ間移報装置12−12、12−23、12−34が互いに通信可能エリアから離れている場合には、第1ルートに従った通信となる。また、第1ルートと第2ルートは混在した通信も想定される。
【0051】
[連動型警報器の機能構成]
図2は連動型警報器の機能構成を示したブロック図である。
図2に示すように、連動型警報器10は、連動型警報器制御部18、アンテナ22を備えた通信部20、センサ部24、動作表示灯26、スピーカ28及び警報停止スイッチ30で構成され、図示しない電池電源で動作する。
【0052】
連動型警報器制御部18は、CPU、メモリ、各種の入出力ポートを備えたコンピュータ回路で構成している。
【0053】
通信部20は、初期設定等に基づく連動型警報器制御部18からの指示に基づき例えば400MHz帯の4つのチャンネル周波数f1,f2,f3,f4の内の1つ、例えばチャネル周波数f1を設定し、同一グループに属する他の連動型警報器10との間で信号を無線により送受信できるようにしている。
【0054】
通信部20としては、日本国内の場合には、例えば400MHz帯の特定小電力無線局の標準規格として知られたSTD−30(小電力セキュリティシステム無線局無線設備標準規格)に準拠した構成を備える。もちろん通信部20としては、日本国内以外の場所については、その地域の割当無線局の標準規格に準拠した内容を持つことになる。
【0055】
センサ部24には検煙部が設けられ、火災による煙が所定濃度に達したときに火災を検出するようにしている。検煙部以外に、火災による温度を検出するサーミスタ等の温度検出素子や、火災に伴うその他の物理現象変化を検出する各種素子を設けても良い。
【0056】
動作表示灯26は、連動型警報器制御部18の指示に基づきLEDの点滅や点灯、明滅などにより、火災などの異常を表示する。また、2色LEDや表示色の異なる2つのLEDを設け、連動元の表示と連動先の表示で表示色を異ならせても良い。
【0057】
スピーカ28は、連動型警報器制御部18の指示に基づき音声合成による音声メッセージや警報音を出力する。
【0058】
警報停止スイッチ30は、点検スイッチとしての機能を兼ねており、スピーカ28の警報音と動作表示灯26の警報表示を行っているときにのみ警報停止指示を入力することができ、通常状態で警報停止スイッチ30が操作されると機能点検を実施して結果が報知される。
【0059】
連動型警報器制御部18の制御機能はプログラムの実行により実現され、次の制御機能を備える。
【0060】
連動型警報器制御部18は、センサ部24に設けた検煙部から煙検出信号に基づいて火災を検出した場合、スピーカ28から連動元を示す警報音例えば「ウーウー 火災警報器が作動しました 確認してください」を繰り返し出力させると共に、動作表示灯26を例えば点灯して連動元を示す警報を出力する制御を行う。
【0061】
また、連動型警報器制御部18は、火災検出時に火災連動信号を通信部20からチャンネル周波数f1を使用して他の連動型警報器に向けて送信させる制御を行う。
【0062】
また、連動型警報器制御部18は、他の連動型警報器からのチャンネル周波数f1の火災連動信号を通信部20で受信した場合、スピーカ28から連動先を示す警報音例えば「ウーウー 別の火災警報器が作動しました 確認してください」となる警報音を繰り返し出力させ、同時に動作表示灯26を例えば点滅して連動先を示す火災警報を出力させる制御を行う。
【0063】
また、連動型警報器制御部18は、火災警報又は障害警報の出力中に警報停止スイッチ30の警報停止操作を検出した場合、スピーカ28からの警報音を停止させる制御・警報停止連動信号をグループ内の他の
連動型警報器
10に送信する制御を行う。
【0064】
更に、連動型警報器制御部18は、通信テスト、電池電圧の低下監視、回路故障監視を行っており、通信エラー、電池電圧低下、又は、回路故障を検出すると、スピーカ28から所定の障害警報音を出力させると共に動作表示灯26を点滅して障害警報を出力させ、更に、障害連動信号を通信部20からチャンネル周波数f1を使用して他の連動型警報器に向けて送信させる制御を行う。
【0065】
[グループ間移報装置の機能構成]
図3はグループ間移報装置の機能構成を示したブロック図であり、
図1の1FのグループG1と2FのグループG2の間に設置されたグループ間移報装置12−12を例にとっているが、他のグループ間移報装置12−23,12−34も同様となる。
【0066】
図3に示すように、グループ間移報装置12−12は、1つの装置筐体内に、第1移報アダプタ14と第2移報アダプタ16を設けている。第1移報アダプタ14にはグループG1のチャンネル周波数f1が設定され、第2移報アダプタ16にはグループG2のチャンネル周波数f2が設定されている点で相違するが、それ以外の構成及び機能は、基本的に同じになる。
【0067】
第1移報アダプタ14は、アダプタ制御部32、アンテナ36が接続された通信部34、動作表示灯42、スピーカ44、テストスイッチ46、移報出力端子38aに接続された移報出力部38、移報入力端子40aに接続された移報入力部40で構成され、図示しない電池電源で動作する。第2移報アダプタ16も同様の構成となる。
【0068】
移報入力端子
40a・移報出力端子
38aは、配線を差し込まれると把持するコネクタ構造として構成されても良い。また、アンテナ36は移報アダプタ筐体内に内蔵されるようにしても良い。
【0069】
グループ間移報装置は、前面に開口した箱形の装置筐体の前面にパネル扉が開閉自在に設けられており、パネル扉を開放することで第1移報アダプタと第2移報アダプタを視認可能な構造としている。
【0070】
第1移報アダプタ14の移報出力端子38aは内部配線48により第2移報アダプタ16の移報入力端子40aに接続され、また、第1移報アダプタ14の移報入力端子40aには、第2移報アダプタ16の移報出力端子38aからの内部配線50が接続されている。
【0071】
第1移報アダプタ14の移報出力部38は、第2移報アダプタ16側の移報入力部40と内部配線48による接続で無電圧接点信号を出力する。即ち、第2移報アダプタ16の移報
入力部
40は、内部配線48の一方にプルアップ抵抗を介して電源電圧を印加しており、第1移報アダプタ14の移報出力部38にはリレーの作動でオンする無電圧
接点が内部配線48の間に接続されている。
【0072】
第1移報アダプタ14が移報信号を出力する場合はリレーの作動により移報出力部38の無電圧接点をオンして内部配線48に電流を流し、第2移報アダプタ16の移報入力部40から見た内部配線間の電圧は略零ボルトに低下し、この内部配線48の電圧低下を検出して火災信号の入力を検出する。なお、第2移報アダプタ16の移報出力部38と第1移報アダプタ14の移報入力部40も同様に無接点電圧信号を入出力させる。
【0073】
アダプタ制御部32は、CPU、メモリ、各種の入出力ポートを備えたコンピュータ回路で構成している。
【0074】
通信部34は、
図2の連動型警報器10に設けられた通信部20と同じであり、
第1移報アダプタ14の場合は、初期設定等に基づくグループG1に割り当てられたチャンネル周波数f1を設定し、同じグループG1に属する連動型警報器10との間で信号を無線により送受信できるようにしており、日本国内の場合には、例えば400MHz帯の特定小電力無線局の標準規格として知られたSTD−30(小電力セキュリティシステム無線局無線設備標準規格)に準拠した構成を備える。
【0075】
動作表示灯42は、アダプタ制御部32の指示に基づきLEDの点滅や点灯、明滅などにより、火災移報警報、障害警報等を表示する。スピーカ44は、アダプタ制御部32の指示に基づき音声合成による音声メッセージや警報音を出力する。テストスイッチ46は、警報停止、通信テスト、移報停止、移報停止解除等の操作を行う。
【0076】
第1移報アダプタ14のアダプタ制御部32の制御機能はプログラムの実行により実現され、次の制御機能を備える。
【0077】
第1移報アダプタ14のアダプタ制御部32は、自己のグループG1の連動型警報器10から第1チャンネル周波数f1の火災連動信号を受信した場合に、移報出力部38を作動して第2移報アダプタ16に火災移報信号を出力する制御を行う。
【0078】
第1移報アダプタ14からの火災移報信号の入力を検出した第2移報アダプタ16のアダプタ制御部32は、通信部34に指示してグループG2に設定されたチャンネル周波数f2の火災連動信号を自己のグループG2内の連動型警報器10に送信して連動先を示す火災警報を出力させる制御を行う。
【0079】
また、第1移報アダプタ14のアダプタ制御部32は、第2移報アダプタ16からの火災移報信号の入力を検出すると、通信部34に指示してチャンネル周波数f1の火災連動信号を自己のグループG1内の連動型警報器10に送信して連動先を示す火災警報を出力させる制御を行う。
【0080】
また、第1移報アダプタ14のアダプタ制御部32は、自己のグループG1内の連動型警報器10から火災連動信号を受信した場合に、スピーカ44から「ウーウー 火災警報器が作動しました 確認してください」となる警報音を繰り返し出力させ、同時に動作表示灯42を例えば点滅して火災移報警報を出力させる制御を行う。なお、第1移報アダプタ14による火災移報警報は、警報音は出力せず、動作表示灯42による火災移報警報の表示のみとしても良い。
【0081】
また、第1移報アダプタ14のアダプタ制御部32は、火災移報警報中や障害警報中に、自己のグループG1内の連動型警報器10から警報停止連動信号を受信した場合に、火災移報警報や障害警報を停止させる制御を行う。
【0082】
また、第1移報アダプタ14のアダプタ制御部32は、自己のグループG1内の連動型警報器10で通信障害、故障、又は電池電圧の低下を検出して送信された障害連動信号を受信した場合に、スピーカ44から障害内容を示す音声メッセージを出力すると共に、動作表示灯42を所定回数点滅する動作を所定時間置きに繰り返すことで障害警報を出力させる制御を行う。
【0083】
このようなアダプタ制御部32の制御機能は、第2移報アダプタ16のアダプタ制御部32も同様となる。
【0084】
また、自己のグループG1内の連動型警報器10より火災
連動信号を受けた第1移報アダプタ14は火災移報警報及び第2移報アダプタ16の火災移報信号出力を行うが、火災移報信号を入力された第2移報アダプタ16は自己のグループG2内の連動型警報器10に対して火災連動信号を送信するが、警報動作を行わないようにしても良い。
【0085】
このような移報アダプタ14の警報動作は、第2移報アダプタ16が自己のグループG2内の連動型警報器
10より火災
連動信号を受けた場合も同様となる。
【0086】
第1移報アダプタ14と第2移報アダプタ16が同時に警報すると音声が混ざり聞き取りづらくなるが、火災移報信号を入力された側の移報アダプタの警報動作を行わないことで、聞き取りづらくなることを回避する。
【0087】
また、第2移報アダプタ16は、
図1に示した隣接するグループ間移報装置12−23から送信されたグループG2に設定されたチャンネル周波数f2の火災連動信号を受信する場合がある。この場合、第2移報アダプタ16のアダプタ制御部32は、移報出力部38を作動して第1移報アダプタ14に火災移報信号を出力する制御を行う。
【0088】
第1移報アダプタ14のアダプタ制御部32は、第2移報アダプタ16からの
火災移報信号の入力を検出した場合、通信部34に指示してグループG1に設定されたチャンネル周波数f1の火災連動信号を自己のグループG1内の連動型警報器10に送信して連動先火災警報を出力させる制御を行う。
【0089】
このようにグループ間移報装置12−12,12−23,12−34を経由した火災連動信号の移報は、その間に各グループの連動型警報器10を経由した通信が入らないことから、より短い通信時間で火災が検出された例えばグループG1から最も離れたグループG4の火災警報の連動を行うことが可能となる。
【0090】
[移報アダプタの制御動作]
図4はグループ間移報装置に組込まれた移報アダプタ装置の制御動作を示したフローチャートであり、
図3のグループ間移報装置12−12に組み込まれた第1移報アダプタ14の制御を例にとって説明すると次のようになる。
【0091】
図4に示すように、第1移報アダプタ14のアダプタ制御部32は、電池電源の投入に伴うステップS1の初期設定で、所定の登録操作等により自己に割り当てられたグループG1のチャンネル周波数f1が設定される。
【0092】
続いて、アダプタ制御部32はステップS2で自己のグループG1内の連動型警報器10から送信されたチャンネル周波数f1による火災連動信号の受信を判別するとステップS3に進み、移報出力部38から第2移報アダプタ16に対し火災移報信号を出力し、続いて、ステップS4でスピーカ44からの警報音と動作表示灯42の作動により火災移報警報を出力させる。
【0093】
また、アダプタ制御部32は、ステップS5で移報入力部40による第2移報アダプタ16からの火災移報信号の入力を判別するとステップS6に進み、通信部34に指示して自己のグループG1に設定されたチャンネル周波数f1の火災連動信号を送信し、続いて、ステップS7でスピーカ44からの警報音と動作表示灯42の作動により火災移報警報を出力させる。
【0094】
また、アダプタ制御部32は、ステップS8で通信部34を介して自己のグループの連動型警報器10からの警報停止連動信号の受信を判別するとステップS9に進み、火災移報警報中
であることを判別するとステップS10に進み
、火災移報警報を停止させる。
【0095】
また、アダプタ制御部32は、ステップS11で通信部34を介して自己のグループの連動型警報器10から障害連動信号の受信を判別するとステップS12に進み、スピーカ44からの警報音と動作表示灯42の作動により障害警報を出力させる。
【0096】
[グループのチャンネル周波数の設定]
図5は階層構造の建物に配置した警報システムの他の実施形態を示した説明図である。
図5に示すように、本実施形態の警報システムは、6階建ての建物11を対象に、1F〜6Fの階別にグループ分けして複数の連動型警報器10を配置すると共に、各グループの境界となる階段の踊り場等に、グループ間移報装置12−12,12−23,12−34,12−45,12−56を配置している。
【0097】
本実施形態の1F〜4FのグループG1〜G4のチャンネル周波数f1〜f4の割り付けは
図1の実施形態と同じであるが、5Fには1Fと同じチャンネル周波数f1が設定されたグループG1が割り付けられ、また、6Fには2Fと同じチャンネル周波数f2が設定されたグループG2が割り付けられている。
【0098】
ここで、各グループに設置されている連動型警報器10はその通信可能距離には限界があり、例えば、1Fに設置された連動型警報器10からの電波は、5Fに設置された連動型警報器10には届かない。
【0099】
このように連動型警報器10の通信可能エリアを超えて離れた警戒エリアとなる1Fと5Fには、同じチャンネル周波数f1を設定した連動型警報器10を設置していても、お互いに信号を送受信できないことから、混信の問題がない。この点は2Fと6Fの間も同様となる。
【0100】
そこで本実施形態にあっては、連動型警報器10の通信可能エリアを超えて離れた1Fと5FをグループG1として同じチャンネル周波数f1を設定し、同様に、2Fと6FをグループG2として同じチャンネル周波数f2を設定しており、連動するグループの数が増えても、混信を起こすことなく、設定するチャンネル周波数の数を低減可能とする。
【0101】
[本発明の変形例]
上記の実施形態は、移報
アダプタによる連動信号と連動型警報器による連動信号について区別していないが、移動アダプタによる連動信号と連動型警報器による連動信号を区別できるようにしても良い。区別の方法について、連動信号に含まれる機器種別や機器固有の識別情報を用いて区別しても良いし、連動型警報器と移報アダプタを同一グループに設定する際に、グループ内のアドレスとして移報アダプタに固定のグループ内アドレスを使用させるようにしても良い。
【0102】
また、連動信号の区別により、移報アダプタによる火災連動信号と連動型警報器による火災連動信号を区別するようにしても良い。移報アダプタからの火災連動信号は火災移報信号を受信した移報アダプタによる火災連動信号であるため、別グループの火災による火災連動信号か同グループの火災による火災連動信号かを、
火災連動信号を受信した連動型警報器が識別し、警報内容を異ならせることが出来る。例えば「ウーウー 別グループの火災警報器が作動しました」などといった警報が可能であり、これにより、火災の緊急度や対応の方法が把握可能となる。
【0103】
また、上記の実施形態は、移報アダプタ間で障害を移報させないことで、連動型警報器の障害を異なるグループの連動型警報器で警報させないようにしているが、移報アダプタ間で障害を移報し、障害を移報された移報アダプタからは連動型警報器の障害連動信号と区別可能な障害連動信号を送信し、連動型警報器は移報アダプタからの障害連動信号は警報せず、障害連動信号を送信した移報アダプタとは異なる移報アダプタは障害連動信号を受信して障害を警報させる動作を行うようにしても良い。これにより、連動型警報器は別グループの障害を警報しないという特徴を残しつつ、移報アダプタにより、グループの中継動作が可能であるため、移報アダプタを一目するだけで障害が起きているかどうかが分かるようになる。
【0104】
また、移報アダプタにおいても、障害連動信号が連動型警報器か移報アダプタによるものか区別し、障害時の警報を異ならせるようにしても良い。これにより、障害が発生したグループの連動型警報器と移報された連動型警報器が区別できるようになり、どのグループで障害が発生したのか移報アダプタを確認していくだけで確認可能となる。
【0105】
また、上記実施形態は、発報元の連動型警報器による連動警報停止信号と発報先の連動型警報器による連動警報停止信号を区別していないが、区別するようにしても良い。上記実施形態は、移報アダプタは連動警報停止信号を移報しないようにしているが、発報元の連動型警報器による連動警報停止信号を移報し、連動型警報停止信号を移報された移報アダプタは自己グループの連動型警報器に対して連動警報停止信号を送信するようにしても良い。発報元の連動型警報器による連動警報信号によってのみ別グループの連動型警報器に対しても連動警報停止できるので、発報元で非火災や問題ないことを確認できた時、施設全体の警報を解除することが出来るようになる。また、発報元でない警報器による連動警報停止信号は移報されないため、安全確認が取れていないときの施設全体の警報解除を防ぐことが出来る。
【0106】
また、上記の実施例では通信距離の届かない場所に同じチャンネル周波数が割り付けられたグループを配置することで混信を防いでいるが、連動信号に機器固有の識別情報などを付加することにより真に同一グループ内であるかどうかを識別できるようにしても良い。連動型警報器と移報アダプタにグループを設定する際、機器固有の識別情報を交換し、連動信号受信時に記憶した識別情報と合致するかどうかで連動信号の送信元が真に同一グループなのかグループ番号が一致する別のグループなのかを識別する。これにより、グループ番号が一致する別のグループによる通信が届いたとしても信号を破棄できるようになる。
【0107】
上記の実施形態は親機/子機の区別無くそれぞれの警報器が相互に通信するものであるが、各チャンネルグループに親機と子機を設け、隣接するグループの親機に入出力接続した2台の移報アダプタをグループ間移報装置に組み込んで内部配線により移報を入出力接続するようにしても良い。
【0108】
また上記の実施形態は火災を検出して警報する連動型警報器を例にとるものであったが、ガス漏れ警報器、CO警報器、各種の防犯用警報器を配置した警報システムについても同様に適用できる。
【0109】
また上記の実施形態におけるフローチャートは処理の概略例を説明したもので、処理の順番等はこれに限定されない。また各処理や処理と処理の間に必要に応じて遅延時間を設けたり、他の判定を挿入する等が出来る。
【0110】
また本発明は上記の実施形態に限定されず、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。