(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
医薬品、食品、半導体等を製造する施設においては、施設内の換気を行うため、給気口や給気ダクトを通して外気を導入する。このとき、外気とともに虫等の異物が施設内に侵入するのを防ぐため、虫等を捕捉するフィルタ濾材を有したフィルタ装置を、給気口や給気ダクトに設けている。
このようなフィルタ装置においては、フィルタ装置における異物侵入防止性能を維持するため、フィルタ濾材を適宜タイミングで交換する必要がある。また、虫等の異物がフィルタ濾材を通らず、フィルタ濾材とフィルタ濾材を支持するフィルタケーシングとの隙間を通って施設内に侵入することを防ぐため、フィルタ濾材とフィルタ濾材を支持するフィルタケーシングとの隙間を無くす必要がある。
【0003】
例えば、特許文献1、2には、フィルタ濾材の外周部を金属製のフィルタ枠によって保持し、フィルタ枠ごとフィルタ濾材を交換可能としたフィルタ装置の構成が開示されている。また、この構成においては、カムによってフィルタ枠をケーシングに押圧することで、フィルタ枠とケーシングとの隙間を無くし、異物が隙間を通り抜けるのを防いでいる。
特許文献1に開示されたようなフィルタ装置では、フィルタ濾材を交換するには、フィルタ濾材とフィルタ濾材を支持するフィルタ枠とからなるフィルタごと交換する。取り外したフィルタは、フィルタ枠からフィルタ濾材を取り外すことで、新たなフィルタ濾材に交換することができる。このとき、フィルタ枠にフィルタ濾材を脱着するには、フィルタ枠を分解しなければならず、作業の手間がかかる。また、交換用のフィルタは、フィルタ装置に対応した専用のものとなり、汎用性が低く、これもコスト低減の妨げとなっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、フィルタ装置としての性能を維持しつつ、メンテナンスの手間およびコストを低減することが可能な、フィルタ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明は、筒状をなし、一端側と他端側にそれぞれ開口部を有した外枠と、前記外枠の内側に設けられ、前記一端側の前記開口部と前記他端側の前記開口部とを結ぶ方向に対して交差する面内に位置するフィルタ濾材の上端部を支持して前記フィルタ濾材を吊下するフィルタ吊下部と、前記フィルタ濾材に対して前記一端側の前記開口部の内側に固定され、前記フィルタ濾材の外周部に突き当たる固定枠と、前記フィルタ濾材に対して前記他端側に配置され、前記固定枠に対して接離する方向に移動可能に設けられ、前記固定枠との間に前記フィルタ濾材の前記外周部を挟み込む移動枠と、前記移動枠を前記固定枠に対して接離する方向に移動させる移動枠駆動部と、を備えることを特徴とするフィルタ装置を提供する。
【0007】
このような構成によれば、フィルタ濾材は、フィルタ吊下部によって上端部が吊下されるとともに、固定枠と移動枠とに外周部が挟み込まれることで支持される。これにより、フィルタ濾材自体にフィルタ枠を備える必要が無く、交換用のフィルタコストを抑えることができる。また、フィルタ濾材のみを交換すればよいので、メンテナンスの手間も軽減される。さらに、移動枠を移動枠駆動部によって移動させることができるので、フィルタ交換の作業性も高まる。
また、固定枠は外枠の開口部の内側に固定され、この固定枠と移動枠との間にフィルタ濾材の外周部が挟み込まれるので、フィルタ濾材の外側を回り込んで外気が通り抜けてしまうのを防ぐことができ、外気に含まれる異物をフィルタ濾材で確実に捕捉することができる。
【0008】
本発明の一態様においては、本発明のフィルタ装置は、前記フィルタ吊下部は、前記一端側の前記開口部と前記他端側の前記開口部とを結ぶ方向に対して交差する方向に延びるスリットを有したガイドレールを備え、前記フィルタ濾材の上端部に、前記スリットにより下方への移動が規制されつつ、前記スリットに沿って移動可能なクリップ部材が装着されている。
【0009】
このような構成によれば、ガイドレールのスリットによって下方の移動が規制されるクリップ部材を、ガイドレールが連続する方向に移動させることで、クリップ部材でフィルタ濾材を吊下したまま、フィルタ濾材をフィルタ装置に装着することができる。
【0010】
本発明の一態様においては、本発明のフィルタ装置は、前記固定枠及び前記移動枠の何れか一方に溝が形成され、前記固定枠及び前記移動枠の他方に前記溝に入り込む凸部が形成されている。
【0011】
このような構成によれば、溝と凸部とでフィルタ濾材を挟み込むことで、固定枠と移動枠とでフィルタ濾材の外周部を確実に保持することができる。さらに、フィルタ濾材の外側を回り込んで外気が通り抜けてしまうのを、より確実に防ぐことができ、外気に含まれる異物をフィルタ濾材で確実に捕捉することができる。
【0012】
本発明の一態様においては、本発明のフィルタ装置は、前記外枠の一側面に形成された側面開口と、前記側面開口を開閉する扉体と、前記外枠において前記側面開口と対向する側に形成された覗き窓と、を備える。
【0013】
このような構成によれば、フィルタ装置へのフィルタ濾材の着脱時には、側面開口を通してフィルタ濾材をフィルタ装置に着脱することができる。また、側面開口及び側面開口を開閉する扉体は、外枠の一側面のみに形成すればよいので、フィルタ装置のコストを抑えることができる。
また、側面開口の反対側に覗き窓を設けることで、フィルタ濾材の固定枠と移動枠との間への固定状況等を目視により確認することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、フィルタ装置としての性能を維持しつつ、メンテナンスの手間およびコストを低減することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して、本発明によるフィルタ装置を実施するための形態について、図面に基づいて説明する。
本実施形態にかかるフィルタ装置の全体構成を示す斜視図を
図1に示す。上記フィルタ装置の内部の構成を示す斜視図を
図2に示す。上記フィルタ装置の側断面図を
図3に示す。上記フィルタ装置の平断面図を
図4に示す。上記フィルタ装置におけるフィルタ濾材の固定構造を示す側断面図を
図5に示す。上記フィルタ装置において、移動枠を固定枠から離間させた状態を示す側断面図を
図6に示す。
図1〜
図4に示されるように、フィルタ装置10は、外枠20と、フィルタ吊下部30(
図3、
図4参照)と、固定枠40と、移動枠50と、を備える。
【0017】
図1に示されるように、外枠20は、フィルタ装置10が設置される、医薬品、食品、半導体等を製造する施設に設けられた給気口や給気ダクトに固定される。外枠20は、下方に配置された底板部21と、底板部21の上方に間隔を空けて配置された天板部22と、底板部21と天板部22との両端部同士を連結する側板部23,24と、を備えた矩形筒状をなしている。
ここで、一方の側板部23は、側面開口23aと、側面開口23aを
図4にAとして示されている矢印の方向に開閉する扉体23dを有している。また、他方の側板部24は、透過性を有した樹脂やガラス等からなる覗き窓24wを、例えば上下方向に間隔を空けた3個所に有している。
このような外枠20の一面側と他面側には、
図1と
図2にそれぞれ示されるように、底板部21、天板部22、及び、側板部23,24の各々の、長さ方向に延在する端辺によって囲われた開口部25,26が形成され、一方の開口部25と他方の開口部26を通して、外枠20の内側を外気が流通する。
また、
図1〜
図3に示されるように、外枠20の底板部21上には、後述するフィルタ濾材100によって捕捉された異物がフィルタ濾材100から落下したときに、この異物を回収するトレー29が設けられている。トレー29は、扉体23dを開いた状態で、側面開口23aを通して出し入れすることができる。
【0018】
図3、
図5に示されるように、フィルタ吊下部30は、天板部22の下方に設けられたガイドレール31を有している。ガイドレール31は、一方の側板部23と他方の側板部24とを結ぶ横方向に連続して形成されている。ガイドレール31は、上板部31aと、上板部31aの両側から下方に向かって垂下する垂下壁31b,31bと、垂下壁31b,31bの下端から垂下壁31b,31b同士が対向する対向方向内側に向かって延びる保持爪部31c,31cと、を有している。保持爪部31c,31c同士は、前記対向方向において所定の間隔を空けて対向し、これによってガイドレール31には、その長さ方向に連続するスリット31sが形成されている。
このガイドレール31は、上板部31aが外枠20の天板部22に例えばビスや溶接等によって固定されている。
【0019】
図2に示されるように、固定枠40は、外枠20の底板部21、天板部22、側板部23,24のそれぞれに沿う枠材41,42,43,44によって、矩形状をなしている。この固定枠40は、
図1に示される、外枠20の一方の開口部25の内側に固定されている。固定枠40と開口部25との間は、図示しないシールゴム等が介装されることで、固定枠40と開口部25との間に隙間が生じるのを防いでもよい。
図5に示されるように、固定枠40の枠材41,42,43,44のそれぞれには、移動枠50と対向する側に、フィルタ濾材100の外周部に突き当たる突き当たり部45が突出して形成されている。この突き当たり部45には、固定枠40の周方向に連続する溝45cが形成されている。
【0020】
図2に示されるように、移動枠50は、固定枠40の枠材41,42,43,44に対向する枠材51,52,53,54によって矩形状をなしている。
図5に示されるように、移動枠50には、固定枠40と対向する側に、固定枠40の溝45cに噛み合う凸部55が形成されている。ここで、溝45cに、移動枠50の枠材51,52,53、54自体が入り込むことで、固定枠40と移動枠50とが噛み合うようにしてもよい。
図1〜
図4に示されるように、移動枠50には、下方の枠材51と上方の枠材53との間に上下方向に延びる連結部材57,57が設けられ、連結部材57,57の間には、ベース部材58が掛け渡されている。
この移動枠50を支持するため、外枠20の開口部26において底板部21と天板部22との間には、二本一対の支柱27,27が固定されている。これら支柱27,27の長さ方向中央部には、支柱27,27間に掛け渡されたベース部材28が設けられている。
【0021】
外枠20側に設けられたベース部材28と、移動枠50のベース部材58との間には、移動枠50を、外枠20の内側で、固定枠40に対し、接近・離間させる移動枠駆動部60が設けられている。この実施形態において、移動枠駆動部60として、パンタグラフ状のジャッキ装置61が設けられている。
図4に示されるように、ジャッキ装置61は、外枠20側のベース部材28と、移動枠50側のベース部材58との間に設けられている。詳しくは、ジャッキ装置61は、ベース部材28に回動自在に連結された一対のアーム62A,62Bと、ベース部材58に回動自在に連結された一対のアーム63A,63Bと、ジャッキ装置61を伸縮駆動させるドライブシャフト64と、を備えている。
ドライブシャフト64には、ドライブシャフト64の軸方向に間隔を空けて設けられた雌ネジ部材65A,65Bが螺着されている。ここで、雌ネジ部材65A、及びドライブシャフト64において雌ネジ部材65Aが螺合する部分は、順ネジであり、雌ネジ部材65B、及びドライブシャフト64において雌ネジ部材65Bが螺合する部分は、逆ネジである。そして、一方の雌ネジ部材65Aには、アーム62A,63Aが回動自在に連結され、他方の雌ネジ部材65Bには、アーム62B,63Bが回動自在に連結されている。
ドライブシャフト64は、ジャッキ装置61から側方に延び、その先端部に操作ハンドル64hが設けられている。この操作ハンドル64hは、外枠20の扉体23dを開いたときに、側面開口23aの内側に位置するよう設けられている。
このようなジャッキ装置61は、操作ハンドル64hを手で回すと、操作ハンドル64hとともにドライブシャフト64がその中心軸回りに回転する。ドライブシャフト64が回転すると、ドライブシャフト64に沿って雌ネジ部材65A,65Bが互いに接近又は離間する方向に移動する。これによって、外枠20のベース部材28に連結された一対のアーム62A,62Bと、移動枠50のベース部材58に連結された一対のアーム63A,63Bとのそれぞれの開き角が変動すると、移動枠50が、外枠20のベース部材28から離間又は接近し、固定枠40に対して接近又は離間する。
ここで、移動枠50の移動方向を規制するため、その移動方向に沿って延びるガイドレール(図示無し)等を設けてもよい。
【0022】
図3、
図5に示されるように、上記したようなフィルタ装置10に装着されるフィルタ濾材100は、不織布、網体、多孔質体等、所定径以上の異物を捕捉する材料で形成されている。本実施形態では、フィルタ濾材100は、例えば厚さ20mm程度の不織布で形成されている。フィルタ濾材100は、固定枠40の突き当たり部45及び移動枠50よりも大きく形成されている。
図5に示されるように、フィルタ濾材100は、その上端部100tが、フィルタ吊下部30に設けられた上記ガイドレール31に吊下される。このため、フィルタ濾材100の上端部100tには、クリップ部材110が装着される。クリップ部材110は、互いに対向する一対の挟持板113,113と、これら一対の挟持板113,113の上端同士を連結する連結板114と、を一体に備えている。このクリップ部材110は、バネ性を有した薄板状の鋼板を折り曲げて加工したもので、挟持板113,113は、上方から下方に向かって、その間隔が漸次小さくなり、かつ挟持板113,113の下端同士が互いに接近する方向に付勢されている。このようなクリップ部材110は、挟持板113,113の間に、フィルタ濾材100の上端部100tを挟み込むことで、フィルタ濾材100に装着される。
このようなクリップ部材110には、市販の、いわゆるダブルクリップを用いることができる。クリップ部材110は、フィルタ濾材100の上端部100tに、間隔を空けて複数装着するのが好ましい。
クリップ部材110が装着されたフィルタ濾材100は、クリップ部材110を、ガイドレール31の保持爪部31c、31cの間に挿入する。クリップ部材110の挟持板113,113は、下方から上方に向かってその間隔が漸次大きくなっているので、挟持板113,113の上下方向の中間部が保持爪部31c、31cに突き当たることで、下方への移動が規制される。
【0023】
また、フィルタ濾材100は、その外周部が、固定枠40と移動枠50とに挟み込まれて保持される。このとき、固定枠40に形成された溝45cに、移動枠50の凸部55が入り込むように押圧されることで、溝45cと凸部55との間でフィルタ濾材100の外周部全周が挟み込まれて保持される。
【0024】
次に、フィルタ濾材100のフィルタ装置10への着脱方法について説明する。
フィルタ濾材100をフィルタ装置10に装着するに際しては、外枠20の扉体23dを開く。次いで、操作ハンドル64hによりドライブシャフト64を回してジャッキ装置61を短縮させ、
図6に示されるように、移動枠50を固定枠40から離間させた状態とする。
この状態で、フィルタ濾材100の上端部100tを、ガイドレール31の保持爪部31c,31cの間のスリット31sに挿入する。このとき、フィルタ濾材100を、スリット31sに沿って固定枠40及び移動枠50に対向する所定の位置まで挿入したら、フィルタ濾材100から手を離せば、自重によって上端部100tに装着したクリップ部材110が保持爪部31c,31cに突き当たる。これによって、フィルタ濾材100がガイドレール31に吊下される。
次いで、操作ハンドル64hによりドライブシャフト64を回してジャッキ装置61を伸長させ、移動枠50を固定枠40に接近させる。
図3、
図5に示されるように、移動枠50と固定枠40とで、フィルタ濾材100の外周部を挟み込むことで、フィルタ濾材100がフィルタ装置10に装着される。その後、外枠20の扉体23dを閉じる。
このとき、外枠20の側板部24に設けられた覗き窓24wを通して、側板部24側におけるフィルタ濾材100の装着状況を目視によって確認することができる。
【0025】
このようにしてフィルタ装置10にフィルタ濾材100が装着された状態で、開口部25から開口部26へと外気が通り抜ける際、外気はフィルタ濾材100を通気する。これにより、外気に、虫等の異物が含まれていた場合、異物は、フィルタ濾材100で捕捉される。フィルタ濾材100で捕捉された異物がフィルタ濾材100から落下すると、外枠20の底板部21に設けられたトレー29上に回収される。
【0026】
フィルタ濾材100をフィルタ装置10から取り外すに際しては、外枠20の扉体23dを開く。次いで、操作ハンドル64hによりドライブシャフト64を回してジャッキ装置61を短縮させ、
図6に示されるように、移動枠50を固定枠40から離間させた状態とする。
この状態で、フィルタ濾材100は、ガイドレール31から吊下された状態となるので、フィルタ濾材100をガイドレール31のスリット31sに沿ってスライドさせ、側板部23の側面開口23aから引き出すことで、フィルタ濾材100を取り外すことができる。
【0027】
上述したようなフィルタ装置10によれば、筒状をなし、一端側と他端側にそれぞれ開口部25、26を有した外枠20と、外枠20の内側に設けられ、一端側の開口部25と他端側の開口部26とを結ぶ方向に対して交差する面内に位置するフィルタ濾材100の上端部100tを支持してフィルタ濾材100を吊下するフィルタ吊下部30と、フィルタ濾材100に対して一端側の開口部25の内側に固定され、フィルタ濾材100の外周部に突き当たる固定枠40と、フィルタ濾材100に対して他端側に配置され、固定枠40に対して接離する方向に移動可能に設けられ、固定枠40との間にフィルタ濾材100の外周部を挟み込む移動枠50と、移動枠50を固定枠40に対して接離する方向に移動させる移動枠駆動部60と、を備える。
このような構成によれば、フィルタ濾材100は、フィルタ吊下部30によって上端部100tが吊下されるとともに、固定枠40と移動枠50とに外周部が挟み込まれることで支持される。これにより、フィルタ濾材100自体にフィルタ枠を備える必要が無く、交換用のフィルタコストを抑えることができる。また、フィルタ濾材100のみを交換すればよいので、メンテナンスの手間も軽減される。さらに、移動枠50を移動枠駆動部60によって移動させることができるので、フィルタ交換の作業性も高まる。
また、固定枠40は外枠20の開口部25の内側に固定され、この固定枠40と移動枠50との間にフィルタ濾材100の外周部が挟み込まれるので、フィルタ濾材100の外側を回り込んで外気が通り抜けてしまうことがなく、外気に含まれる異物をフィルタ濾材100で確実に捕捉することができる。
したがって、フィルタ装置10としての性能を維持しつつ、メンテナンスの手間およびコストを低減することが可能となる。
【0028】
また、フィルタ吊下部30は、一端側の開口部25と他端側の開口部26とを結ぶ方向に対して交差する方向に延びるスリット31sを有したガイドレール31を備え、フィルタ濾材100の上端部100tに、スリット31sにより下方への移動が規制されつつ、スリット31sに沿って移動可能なクリップ部材110が装着されている。
このような構成によれば、クリップ部材110をスリット31sに沿って移動させることで、クリップ部材110でフィルタ濾材100を吊下したまま、フィルタ濾材100をフィルタ装置10に容易に装着することができる。
さらに、クリップ部材110に、市販のダブルクリップを用いれば、クリップ部材110のコストを抑えることができる。
【0029】
また、固定枠40に溝45cが形成され、移動枠50に溝45cに入り込む凸部55が形成されている。このような構成によれば、溝45cと凸部55とでフィルタ濾材100を挟み込むことで、固定枠40と移動枠50とでフィルタ濾材100を確実に保持することができる。さらに、フィルタ濾材100の外側を回り込んで外気が通り抜けてしまうことを、より確実に防ぐことができ、外気に含まれる異物をフィルタ濾材100で確実に捕捉することができる。
【0030】
また、フィルタ装置10は、外枠20の一側面に形成された側面開口23aと、側面開口23aを開閉する扉体23dと、外枠20において側面開口23aと対向する側に形成された覗き窓24wと、を備える。
このような構成によれば、フィルタ装置10へのフィルタ濾材100の着脱時には、側面開口23aを通してフィルタ濾材100をフィルタ装置10に着脱することができる。また、側面開口23a及び側面開口23aを開閉する扉体23dは、外枠20の一側面のみに形成すればよいので、フィルタ装置10のコストを抑えることができる。
また、側面開口23aの反対側に覗き窓24wを設けることで、フィルタ濾材100の固定枠40と移動枠50との間への固定状況等を、扉体23dとは反対側から、目視により確認することができる。