(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0027】
まず、
図1及び
図2を用いて、本実施形態に係る照明システム100が適用される部屋1の概略について説明する。
【0028】
本実施形態においては、部屋1として、在室者Pが事務作業等を行う部屋(オフィス)を想定している。部屋1には、在室者Pが作業等を行う机2が複数配置されている。本実施形態においては、
図2に示すように、複数(6つ)の机2を集中して配置することで、1つの作業区画Sが形成されている。部屋1には、複数の作業区画Sが形成されている。なお、
図2には、部屋1に形成された作業区画Sのうち2つを示している。
【0029】
次に、本実施形態に係る照明システム100の構成について説明する。
【0030】
照明システム100は、部屋1の内部(室内)の照明環境を、在室者Pに適したものとなるように自動的に調節するものである。照明システム100は、主として空間照明装置110、手元照明装置120、操作具130、人感センサ140及び制御装置150を具備する。
【0031】
空間照明装置110は、部屋1の室内全体の照明(アンビエント照明)を調節するものである。空間照明装置110は、主として架台111及び光源112を具備する。架台111は、梁状に形成される。架台111は、部屋1の天井1aから所定間隔だけ下方に離れた位置に設けられる。光源112は、架台111の上面に固定される。光源121としては、蛍光灯やLED等を用いることができる。
【0032】
本実施形態においては、空間照明装置110は、天井1aから20cm以上離れた位置に設置されるものとする。空間照明装置110は、光の照射方向が上方(すなわち、天井1a)を向くように配置される。空間照明装置110は、部屋1内において、互いに適宜の間隔をあけて複数設けられる。空間照明装置110は、出力を適宜調節することができる。
【0033】
このように構成された空間照明装置110が発光することで、当該空間照明装置110からの光が部屋1の天井1aに照射される。このように、空間照明装置110は、天井1aに光を照射することで、間接照明として部屋1全体が明るくなるように照明することができる。
【0034】
特に、本実施形態においては、天井1aに、光を拡散反射させる加工が施されている。これによって、空間照明装置110からの光が天井1aで反射する際に拡散されるため、部屋1全体をより明るくすることができる。なお、当該天井1aの加工方法としては、白色の拡散反射フィルムやクロス(壁紙)を貼り付けたり、拡散反射率が比較的高い塗料を塗布する方法等がある。この際、天井1aの拡散反射率は90%を超えるようにすることが望ましい。
【0035】
なお、
図1においては、空間照明装置110が各机2の上方に設置されている様子を示しているが、
図2においては、説明の便宜上、模式的に各作業区画Sに対して1つの空間照明装置110のみを示している。
【0036】
手元照明装置120は、主に机2の周囲の局所的な照明(タスク照明)を調節するものである。手元照明装置120は、空間照明装置110よりも下方(低い位置)に配置される。手元照明装置120は、空間照明装置110に吊り下げられている。本実施形態においては、手元照明装置120は、部屋1の床面1bから1.5m以上、かつ2.0m未満の高さとなるように設置されるものとする。手元照明装置120は、部屋1に配置された机2に対応するように、すなわち、1つの机2に対して1つの手元照明装置120が設けられる。手元照明装置120は、机2の真上に配置される。手元照明装置120は、出力を適宜調節することができる。
【0037】
手元照明装置120は、主として光源121及びセード122を具備する。光源121は、光を発する発光体である。光源121としては、電球やLED等を用いることができる。セード122は、光源121を覆うことで、当該光源121から出る光を制御するためのカバーである。セード122は、光源121の上方及び側方を覆うような椀状に形成される。セード122は、半透明材料により形成される。これによって、光源121からの光は、机2の上だけではなく、比較的広い範囲に照射される。また、手元照明装置120の側方からでも、セード122を介して光源121の光を視認することができる。このように、手元照明装置120は、机2の明るさを確保するだけでなく部屋1の空間内の明るさや、当該手元照明装置120を見た在室者Pが感覚的に感じる明るさを高めることができる。
【0038】
このように構成された手元照明装置120が発光することで、当該手元照明装置120からの光が下方の机2に照射される。これによって、当該机2を使用している在室者Pの手元が明るくなるように照明することができる。また、手元照明装置120が発光すると、当該光はセード122を介して側方へも照射される。これによって、当該手元照明装置120に対応する机2を使用している在室者Pだけでなく、その他周囲の在室者Pも、当該手元照明装置120が発光している様子を視認することができる。特に、手元照明装置120は、床面1bから1.5m(起立した女性の目元位置と略同一の高さ)以上、かつ2.0m(起立した女性の視野範囲に十分入る高さ)未満の高さに設置されている。このため、手元照明装置120の発光する様子を、周囲の在室者Pに積極的に視認させることができる。これによって、当該在室者Pに対して感覚的に部屋1が明るい印象を与えることができる。
【0039】
図1に示す操作具130は、手元照明装置120の出力を調節するものである。操作具130は、各机2に設けられる。操作具130を操作することにより、当該机2に対応する手元照明装置120の出力(照度)に調節することができる。操作具130は、主に当該机2に着座する在室者Pにより操作される。
【0040】
人感センサ140は、机2に着座(着席)している在室者Pを検出するものである。人感センサ140としては、赤外線センサ、超音波センサ等を用いることができる。人感センサ140は、空間照明装置110の下部に固定されている。人感センサ140は、部屋1に配置された机2に対応するように、すなわち、1つの机2に対して1つの人感センサ140が設けられる。
【0041】
制御装置150は、人感センサ140による検出結果等に基づいて空間照明装置110及び手元照明装置120の動作を制御するものである。制御装置150は、RAMやROM等の記憶部、CPU等の演算処理部等により構成され、種々の情報に基づいて所定の演算処理や記憶等を行うことができる。
【0042】
制御装置150は、操作具130に接続され、当該操作具130の操作量についての情報を受信することができる。
制御装置150は、人感センサ140に接続され、当該人感センサ140による検出結果を受信することができる。
また制御装置150は、空間照明装置110及び手元照明装置120に接続され、当該空間照明装置110及び手元照明装置120の動作を制御することができる。
【0043】
以下では、上述の如く構成された照明システム100の制御態様について説明する。
【0044】
図3に示すステップS101において、制御装置150は、人感センサ140による検出結果に基づいて、部屋1に在室者Pがいるか否かを判定する。具体的には、制御装置150は、ステップS101において、人感センサ140により在室者Pが一人でも検出されている場合、部屋1に在室者Pがいると判定する。また、制御装置150は、人感センサ140により在室者Pが一人も検出されていない場合、部屋1に在室者Pがいないと判定する。
【0045】
制御装置150は、部屋1に在室者Pがいないと判定した場合、ステップS102に移行する。
また、制御装置150は、部屋1に在室者Pがいると判定した場合、ステップS103に移行する。
【0046】
ステップS102において、制御装置150は、空間照明装置110及び手元照明装置120を全て消灯させる。
【0047】
一方、ステップS101から移行したステップS103において、制御装置150は、外部から入力される現在の日時のデータに基づいて、現在、オフィスの就業時間前又は昼休みであるか否かを判定する。
【0048】
なお、オフィスの就業時間や昼休みの時間等は、予め制御装置150に記憶されている。
【0049】
制御装置150は、現在、オフィスの就業時間前又は昼休みであると判定した場合、ステップS104に移行する。
また、制御装置150は、現在、オフィスの就業時間前及び昼休みではないと判定した場合、ステップS105に移行する。
【0050】
ステップS104において、制御装置150は、空間照明装置110及び手元照明装置120の出力を調節する。具体的には、制御装置150は、空間照明装置110の照度を約100lxになるように制御する。また制御装置150は、在室者Pが着座している机2に対応する手元照明装置120の照度を約200lxになるように制御する。なお、この際、当該在室者Pが操作具130を操作している場合には、当該操作具130による手元照明装置120の調節が優先される。すなわち、制御装置150は、手元照明装置120を、在室者Pの所望の照度となるように調節する。また制御装置150は、在室者Pが着座していない机2に対応する手元照明装置120を消灯させる。
【0051】
一方、ステップS103から移行したステップS105において、制御装置150は、人感センサ140による検出結果に基づいて、部屋1の在室者率を算出する。なお、本実施形態において在室者率とは、部屋1に配置された机2のうち、在室者Pが検出された机2の割合(%)を意味している。
【0052】
さらに制御装置150は、算出された在室者率が80%以上(80%以上、100%以下)であるか否かを判定する。
制御装置150は、在室者率が80%以上であると判定した場合、ステップS106に移行する。
また、制御装置150は、在室者率が80%未満であると判定した場合、ステップS107(
図4参照)に移行する。
【0053】
ステップS106において、制御装置150は、空間照明装置110及び手元照明装置120の出力を調節する。具体的には、制御装置150は、空間照明装置110の照度を約300lxになるように制御する。また制御装置150は、在室者Pが着座している机2に対応する手元照明装置120の照度を約300lxになるように制御する。なお、この際、当該在室者Pが操作具130を操作している場合には、当該操作具130による手元照明装置120の調節が優先される。また制御装置150は、在室者Pが着座していない机2に対応する手元照明装置120を消灯させる。
【0054】
一方、ステップS105から移行したステップS107(
図4参照)において、制御装置150は、人感センサ140による検出結果に基づいて、部屋1の作業区画Sの中で、全員が不在の作業区画Sがあるか否かを判定する。ここで、全員が不在の作業区画Sとは、作業区画Sの机2に在室者Pが一人も着座していない状態を意味する。
【0055】
制御装置150は、部屋1の作業区画Sの中で、全員が不在の作業区画Sがないと判定した場合、ステップS108に移行する。
また、制御装置150は、部屋1の作業区画Sの中で、全員が不在の作業区画Sがあると判定した場合、ステップS109に移行する。
【0056】
ステップS108において、制御装置150は、空間照明装置110及び手元照明装置120の出力を調節する。具体的には、制御装置150は、空間照明装置110の照度を約200lxになるように制御する。また制御装置150は、在室者Pが着座している机2に対応する手元照明装置120の照度を約200lxになるように制御する。なお、この際、当該在室者Pが操作具130を操作している場合には、当該操作具130による手元照明装置120の調節が優先される。
【0057】
さらに制御装置150は、作業区画Sに設けられた複数の手元照明装置120のうち、50%以上が点灯するように、当該手元照明装置120を制御する。例えば、
図5(a)に示すように、ある作業区画Sに二人の在室者Pが着座している場合を想定する。なお、図中において黒塗りで示した手元照明装置120は、消灯していることを意味している。この場合、まず在室者Pが着座している2つの机2の手元照明装置120が点灯されるため、当該作業区画Sでは約33%(6つのうち2つ)の手元照明装置120が点灯することになる。そこで制御装置150は、
図5(b)に示すように、在室者Pが着座していない机2の手元照明装置120の中から、さらにもう1つの手元照明装置120を約200lxで点灯させる。これによって、当該作業区画Sでは50%(6つのうち3つ)の手元照明装置120が点灯することになる。なお、この際、その他の手元照明装置120(残り3つの手元照明装置120)は消灯される。
【0058】
一方、ステップS107から移行したステップS109において、制御装置150は、全員が不在の作業区画Sに設けられた空間照明装置110及び手元照明装置120の出力を調節する。具体的には、制御装置150は、当該作業区画Sの空間照明装置110を全て消灯させる。また制御装置150は、当該作業区画Sに設けられた複数の手元照明装置120のうち、50%以上が点灯するように、当該手元照明装置120を制御する。具体的には、当該作業区画Sに設けられた6つの手元照明装置120の中から3つ(50%)の手元照明装置120を選択し、当該3つの手元照明装置120を約200lxで点灯させる。
【0059】
制御装置150は、当該ステップS109の処理を行った後、ステップS110に移行する。
【0060】
ステップS110において、制御装置150は、全員が不在ではない作業区画Sに設けられた空間照明装置110及び手元照明装置120の出力を調節する。すなわち制御装置150は、ステップS109で空間照明装置110等の出力の調節を行わなかった作業区画Sについては、ステップS110において当該調節を行う。具体的には、制御装置150は、当該作業区画Sの空間照明装置110の照度を約200lxになるように制御する。また制御装置150は、在室者Pが着座している机2に対応する手元照明装置120の照度を約200lxになるように制御する。なお、この際、当該在室者Pが操作具130を操作している場合には、当該操作具130による手元照明装置120の調節が優先される。
【0061】
さらに制御装置150は、当該作業区画Sに設けられた複数の手元照明装置120のうち、50%以上が点灯するように、当該手元照明装置120を制御する。なお、この処理は、ステップS108における処理と略同一である。
【0062】
以上のように、制御装置150は、ステップS101からステップS110までの処理を繰り返し行い、部屋1の照明環境(空間照明装置110及び手元照明装置120)を調節する。以下では、当該制御装置150によって照明環境が調節された際の具体例について説明する。
【0063】
部屋1に在室者Pがいない場合(ステップS101でNo、ステップS102)、
図6に示すように、空間照明装置110及び手元照明装置120は全て消灯される。なお、図中において黒塗りで示した空間照明装置110は、消灯していることを意味している。このように、部屋1に在室者Pがいない場合には、照明が不要となるため、空間照明装置110等を全て消灯することで省エネを図ることができる。
【0064】
また、現在、オフィスの就業時間前又は昼休みである場合(ステップS103でYes、ステップS104)、
図7に示すように、空間照明装置110は照度が約100lxになるように点灯する。また手元照明装置120は、対応する机2に在室者Pが着座しているものだけが、照度が約200lx(又は、当該在室者Pの所望の照度)になるように点灯する。
【0065】
このように、就業時間前等においては、空間照明装置110の照度を比較的低く抑え、省エネを図ることができる。また、在室者Pが着座している机2の手元照明装置120のみを比較的低い照度で点灯させることで、必要最低限の明るさを確保することができる。またこの場合、点灯している手元照明装置120が在室者Pの視界に入るため、当該在室者Pに部屋1が明るい印象を与えることができる。すなわち、在室者Pに暗い印象を与えることなく、空間照明装置110の照度を低く抑えて省エネを図ることができる。
【0066】
また、就業時間において在室者率が80%以上である場合(ステップS105で80%以上、ステップS106)、
図8に示すように、空間照明装置110は照度が約300lxになるように点灯する。また手元照明装置120は、対応する机2に在室者Pが着座しているものだけが、照度が約300lx(又は、当該在室者Pの所望の照度)になるように点灯する。
【0067】
このように、就業時間に部屋1に多くの人がいる場合(在室者率が80%以上である場合)には、空間照明装置110の照度を最も高くすることで、部屋1全体の明るさを確保することができる。また、在室者Pが着座している机2の手元照明装置120のみを最も高い照度で点灯させることで、当該机2を利用する在室者Pの作業効率の向上を図ることができる。
【0068】
また、就業時間において在室者率が80%未満であり、部屋1の作業区画Sの中で全員が不在の作業区画Sがない場合(ステップS107でNo、ステップS108)、
図9に示すように、空間照明装置110は照度が約200lxになるように点灯する。また手元照明装置120は、対応する机2に在室者Pが着座しているものだけが、照度が約200lx(又は、当該在室者Pの所望の照度)になるように点灯する。さらに、作業区画Sに設けられた複数の手元照明装置120のうち、点灯しているものが50%未満である場合には、50%以上になるように適宜手元照明装置120が点灯される。
【0069】
このように、部屋1において、比較的まばらに在室者Pが着座しており(在室者率が80%未満)、全員が不在の作業区画Sがない場合には、空間照明装置110の照度を若干低く抑え、手元照明装置120により部屋1の明るさ(手元照明装置120が在室者Pの視界に入ったときの感覚的な明るさ)を補うことができる。このように、手元照明装置120で明るさを補うことで、部屋1の明るさを考慮しつつ空間照明装置110の照度を抑えることができ、ひいては省エネを図ることができる。また、作業区画Sの手元照明装置120を50%以上点灯させることで、在室者Pに対して暗い印象を与えないようにすることができる。
【0070】
また、就業時間において在室者率が80%未満であり、部屋1の作業区画Sの中で全員が不在の作業区画Sがある場合(ステップS107でYes、ステップS109、ステップS110)、
図10に示すように、全員が不在の作業区画Sの空間照明装置110は消灯する。また、当該作業区画Sの手元照明装置120のうち50%以上が、照度が約200lxになるように点灯する。
【0071】
このように、全員が不在の作業区画Sがある場合には、当該作業区画Sの手元照明装置120の50%以上を点灯させることで、当該手元照明装置120を視認した在室者Pに対して明るい印象を与えることができる。これによって、在室者Pに暗い印象を与えることなく、空間照明装置110を消灯して省エネを図ることができる。
【0072】
以上の如く、本実施形態に係る照明システム100は、
部屋1に配置された机2(座席)に対応して設けられ、かつ前記部屋1の床面1bから1.5m以上2.0m未満の高さに設けられる手元照明装置120と、
前記手元照明装置120より上方に設けられ、前記部屋1の天井1aに向かって光を照射する空間照明装置110と、
前記手元照明装置120及び前記空間照明装置110の動作を制御可能な制御装置150と、
を具備するものである。
このように構成することにより、在室者Pに対して室内空間を明るく感じさせることができる。すなわち、在室者Pの視界に入り易い高さに手元照明装置120を配置することで、当該手元照明装置120が点灯する様子を在室者Pに見せ、感覚的に室内空間を明るく感じさせることができる。これにより、部屋1の雰囲気の適正化を図る(活発な雰囲気にする)ことができ、作業効率の向上を図ることもできる。また、比較的消費電力の小さい手元照明装置120により明るさを補うことで、比較的消費電力の大きい空間照明装置110の照度を下げれば、省エネを図ることもできる。
【0073】
また、前記手元照明装置120は、
光源121と、
前記光源121を覆う半透明のセード122(カバー)と、
を具備するものである。
このように構成することにより、在室者Pに対して室内空間をより効果的に明るく感じさせることができる。すなわち、光源121からの光を半透明のセード122を介して在室者Pに視認させることで、当該在室者Pにやわらかい光を視認させ、部屋1が全体的に明るくなったような印象を与えることができる。
【0074】
また、前記空間照明装置110は、
前記部屋1の天井から20cm以上離れた位置に設けられるものである。
このように構成することにより、室内空間を効果的に明るくすることができる。すなわち、天井の広い範囲に空間照明装置110からの光を照射することで、室内空間をより広い範囲で明るくすることができる。
【0075】
また、前記天井1aには、
光を拡散反射させる加工が施されるものである。
このように構成することにより、室内空間を効果的に明るくすることができる。すなわち、空間照明装置110からの光の拡散を促すことで、室内空間をより広い範囲で明るくすることができる。
【0076】
また、照明システム100は、
前記部屋1の在室者Pを検出する人感センサ140(在室者検出手段)をさらに具備し、
前記制御装置150は、
前記人感センサ140により検出された在室者Pの有無に応じて前記手元照明装置120及び前記空間照明装置110の動作を制御するものである。
このように構成することにより、在室者Pの有無に応じた照明環境の調節が可能となる。
【0077】
また、照明システム100は、
前記部屋1の在室者Pを検出する人感センサ140をさらに具備し、
前記制御装置150は、
前記人感センサ140により検出された在室者Pの数に基づいて、在室者Pの多さの度合いである在室者率を算出し、当該在室者率に応じて前記手元照明装置120及び前記空間照明装置110の動作を制御するものである。
このように構成することにより、在室者率に応じた照明環境の調節が可能となる。
【0078】
また、前記制御装置150は、
時間帯に応じて前記手元照明装置120及び前記空間照明装置110の動作を制御するものである。
このように構成することにより、時間帯に応じた照明環境の調節が可能となる。
【0079】
また、照明システム100は、
前記部屋1に設定された複数の作業区画S(区画)のそれぞれに在室者Pが存在するか否かを検出する人感センサ140(区画別検出手段)をさらに具備し、
前記制御装置150は、
前記人感センサ140により検出された在室者Pの存在の有無に応じて、前記作業区画Sごとに前記手元照明装置120及び前記空間照明装置110の動作を制御するものである。
このように構成することにより、各作業区画Sの在室者Pの有無に応じた照明環境の調節が可能となる。
【0080】
なお、本実施形態に係る机2は、本発明に係る座席の実施の一形態である。
また、本実施形態に係るセード122は、本発明に係るカバーの実施の一形態である。
また、本実施形態に係る人感センサ140は、本発明に係る在室者検出手段及び区画別検出手段の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る作業区画Sは、本発明に係る区画の実施の一形態である。
【0081】
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【0082】
例えば、空間照明装置110及び手元照明装置120の構成は、上記実施形態(
図1参照)に限るものではない。例えば、
図11(a)に示す第一の変形例のように、天井から吊り下げられた架台111の上面に光源112を設け、空間照明装置110としてもよい。また、当該架台111の下面に光源121を設け、手元照明装置120としてもよい。また
図11(b)に示す第一の変形例のように、架台111を机2に固定してもよい。
【0083】
また、本実施形態においては、手元照明装置120のセード122は半透明材料により形成されるものとしたが、例えば透明度の高い(透明な)材料で形成することも可能である。但し、セード122を透明な材料で形成すると、在室者Pが光源121を視認した際にまぶしく感じるようになり、相対的に他の空間を暗く感じさせてしまうおそれがある。このため、セード122はある程度光を遮ることが可能な半透明に形成されることが好ましい。
【0084】
また、本実施形態においては、机2に着座している在室者Pを、赤外線センサ等により構成された人感センサ140により検出するものとしたが、本発明はこれに限るものではなく、種々の方法で検出することができる。例えば、在室者Pが椅子に着座する際の圧力を検出する圧力センサや、カメラにより取得された画像を用いた画像認識機能によって、在室者Pを検出することも可能である。
【0085】
また、本実施形態においては、人感センサ140を用いて部屋1の在室者Pの有無を検出するものとしたが、本発明はこれに限るものではなく、着座した在室者Pを検出する人感センサ140とは別に、部屋1に在室者Pが存在するか否かを検出するセンサを設けることも可能である。
【0086】
また、本実施形態では、
図3のステップS103において、オフィスの就業時間前又は昼休みであるか否かを判定したが、これは一例であり、任意の時間帯を設定することが可能である。例えば、本来部屋1に在室者Pが存在しない(部屋1を使用しない)はずの時間帯を設定しておけば、当該時間帯に空間照明装置110等を消灯させる(ステップS102参照)ことができ、省エネを図ることができる。
【0087】
また、本実施形態では、
図3のステップS105において、在室者率は、部屋1に配置された机2の数を基準に算出するものとしたが、本発明に係る在室者率の定義はこれに限るものではない。すなわち、在室者率とは、部屋1の在室者Pの多さの度合いを示すことができればよく、任意に定義することができる。例えば、本来想定される在室者Pの数(部屋1の定員)に対する実際の在室者Pの数の割合等を、在室者率としてもよい。
【0088】
また、本実施形態においては、1つの机2に対して1つの手元照明装置120が設けられる構成を例示したが、本発明はこれに限るものではなく、例えば、2つの机2(向かい合って配置される一対の机2)に対して1つの手元照明装置120を設ける構成であってもよい。すなわち、机2と手元照明装置120とが対応していれば、個数は異なっていてもよい。
【0089】
また、本実施形態においては、オフィスを想定した例を示したが、本発明はこれに限らず、種々の部屋に適用することが可能である。