【実施例】
【0109】
前述の考察のより良い理解を可能にするために、以下の非限定的な実施例を提供する。全ての部、比率、及びパーセンテージは、別途記載のない限り、重量である。
【0110】
本明細書に記載されるように、C
4−C
8 α−オレフィンなどのコモノマーは、エチレンモノマーと共に、反応物に添加されて、ポリエチレンコポリマーにおいて単鎖分岐(SCB)を作製する。理論に制限されることを意図しないが、SCBは、長いPE鎖を結晶子から抜け出させ、他の結晶子内に部分的に取り込まれ得る。したがって、より長い鎖上にSCBを有するポリマーは、より高い靭性を呈し得る。
【0111】
対照的に、長鎖分岐(LCB)は、2つのポリマー鎖が単一ポリマー鎖から分かれ得る点である。LCBは、靭性を強化し得るが、ポリマーが配向性をより受けやすくなり、押出方向の引裂強度を低下させる。
【0112】
分子量を制御するために、水素がポリマー反応物に添加され得る。水素は、本質的に反応物中のモノマーまたはコモノマー分子に取って代わる鎖終結剤として作用する。これは、現時点のポリマー鎖の形成を停止し、新しいポリマー鎖を開始させる。
【0113】
触媒系コモノマーの取り込み対MWD制御、6インチの気相反応器からの結果
直径6インチの気相反応器における重合実験
表1に示される触媒A〜Jは、本明細書に記載されるように調製された。調製された全ての触媒は、温度制御用のデバイス、触媒供給または注入機器、モノマー及びコモノマーガス供給を監視し、制御するためのガスクロマトグラフィー(GC)分析器、ならびにポリマー試料採取及び回収用の機器を装備した流動床反応器においてスクリーニングされた。反応器は、反応器の頂部で10インチ(25.4cm)に増加する、直径6インチ(15.24cm)の床部からなる。ガスは、床の内容物の流動化を可能にする穴のあいた分配板を通して流入し、ポリマー試料は反応器の頂部で排出される。本明細書の例示的な重合におけるコモノマーは1−ヘキセンである。重合パラメータは下の表1に概説され、
図2及び3にプロットされる。
【0114】
成長ポリマー粒子の反応床は、1〜2フィート/秒(0.3〜0.6m/秒)の空塔ガス速度で反応区間を通して補給水及び再循環ガスを継続的に流すことにより、流動状態に維持された。反応器は、温度175F(79C)及び総圧力300psig(2274kPaゲージ)で動作され、35mol%エチレンを含んだ。
【0115】
【表1】
【0116】
図2は、約1のメルトインデックス(MI)及び約0.92の密度(D)を有する樹脂を調製するために、一連のメタロセン触媒の相対的能力を試験するために調製された一連のポリマーのプロット200である。重合は、本明細書に記載される直径6インチ連続気相反応器(LGPR)で行われた。左側の軸202は、mol%C
2当たり百万分の1(mol)のH
2の単位(ppm/mol%)で、標的特性を達成するために使用された水素対エチレンモノマー(H
2/C
2)の気相比を表す。右側の軸204は、1モル当たりのmolの単位で、標的特性を達成するために使用されたコモノマー対エチレン比率(C
6/C
2)を表す。
【0117】
特性の標的を達成するために使用されたC
6/C
2レベルの比較は、触媒がコモノマーを取り込む相対的な能力を示す。例えば、(1−EtInd)
2ZrCl
2(B)のC
6/C
2レベル206を、(PrCp)
2HfF
2(I)のC
6/C
2レベル208と比較することにより、約36/9または約4の比率が得られる。これは、所与のC
6/C
2のガス比について、(PrCp)
2HfF
2で調製されたポリマーが(1−EtInd)
2ZrCl
2を用いて調製されたポリマーの約4倍の単鎖分岐(SCB)を有することを示す。このデータは、触媒混合物を使用するインシツブレンドとして、例えば、単一の担体上に共担持された触媒として作製されたポリマーの組成分布を制御するのに有用である。データは、コモノマー豊富(低密度)及びコモノマー不十分(高密度)構成成分の両方を含有する組成分布を有するためにはどの触媒が組み合わされるべきであるか決定するのにも有用である。
【0118】
H
2/C
2(ppm/mol)202の安定した状態のガス比の作用は、棒により示される。これらの棒のレベルは、ほぼ、触媒の相対的な分子量の機能を示す。例えば、(CH
2)
3Si(CpMe
4)CpZrCl
2(J)は、約1の標的メルトインデックスを達成するために、約23.4ppm/molのH
2/C
2比210を必要とし、(CpMe
5)(1−MeInd)ZrCl
2(A)は、同じ標的メルトインデックスを達成するために、約0.4ppm/molのH
2/C
2比212を必要とする。これらの結果は、同じH
2/C
2比で、(CH
2)
3Si(CpMe
4)CpZrCl
2(J)が(CpMe
5)(1−MeInd)ZrCl
2(A)より高いMwポリマーをもたらすことを示す。この実施例では、データは、Mwの変化がH
2/C
2の関数として測定されないため、近似である。
【0119】
図3は、
図2の一連のポリマーのプロット300であり、異なるメタロセン(MCN)触媒によって作製された一連のポリマーのメルトインデックス比(MIR)を示す。本明細書で使用されるとき、用語メルトインデックス比(MIR)、メルトフロー比(MFR)、及び「I
21/I
2」は、互換的に、フローインデックス(「FI」または「I
21」)対メルトインデックス(「MI」または「I
2」)の比を指す。MI(I
2)は、ASTM D1238(190℃で、2.16kg重量)に従い測定され得る。FI(I
21)は、ASTM D1238(190℃で、21.6kg重量)に従い測定され得る。同様に番号付けされた項目は、
図2に関して記載される通りである。このプロット300では、左側の軸302はMIRを表す。MIR(メルトフロー比またはMFRとも称され得る)は、I21及びI2メルトインデックスの比率であり、長鎖分岐の存在を示し得る。直鎖状樹脂に関して、LCBなしで、比率は、約25以下である。より高いMIR値は、上に注記するように、フィルムの特性に害であり得るLCBの存在を示し得る。最大MIR比304は、(CH
2)
3Si(CpMe
4)CpZrCl
2(J)に関してであり、この触媒により生成されたポリマーが最も多いLCBを有することを示す。対照的に、2つの異なる触媒との樹脂のブレンドは、より高いMIRを有する最終生成物を形成する。
【0120】
図2及び3に示される結果を用いて、H
2比に対する重量平均分子量(Mw)の依存性を決定するために、5つの触媒が選択された。これらの触媒は、低Mwポリエチレンの(CpMe
5)(1−MeInd)ZrCl
2(A)306、(1−EtInd)
2ZrCl
2(B)308、及び(Me
4Cp)(1,3−Me
2Ind)ZrCl
2(E)310を生成する3つの触媒を含んだ。触媒は、中Mwポリエチレンの(PrCp)
2HfF
2(I)312を生成する触媒も含んだ。表2は、H
2/C
2レベルのMwの依存性のデータを含む。
【0121】
【表2】
【0122】
これらの結果は、MwのH
2/C
2比に対する感受性を決定するために使用され得る一連のプロットを生成するために使用された。表3は、逆数プロットの傾き及び切片を示す。低Mw触媒は、より大きい傾きを有し、Mwに対するH
2/C
2比の影響がより大きいことを示す。第2の触媒の(1−EtInd)
2ZrMe
2は、H
2/C
2比に対するMwの依存性が最大であった。傾きは、水素に対して広く異なる応答性を有する触媒を選択するために使用され得る。
【0123】
図2及び3ならびに表2及び3に示されるデータは、(1−EtInd)
2ZrCl
2(B)と(PrCp)
2HfF
2(I)との組み合わせがLCBを含まない広範なMWD及びSCBDを有するポリマーをもたらすことを示す。
図3のプロット300に示されるように、これら2つの触媒で作製された樹脂は、20に近いMIRを有し、よって、本質的にLCBを含まない。表2及び3の情報は、(1−EtInd)
2ZrCl
2が約4.2ppm/molのH
2/C
2で、(PrCp)
2HfF
2の約3分の1のMwを有することを示す。
図2に示されるプロット200の情報は、(1−EtInd)
2ZrCl
2が比較可能な条件下で(PrCp)
2HfF
2の約4分の1のSCBを有することを示す。
【0124】
【表3】
【0125】
表3からの方程式は、4つの異なるH
2レベルで全体的に100Kg/molのMwを有する樹脂を作製するために、触媒(PrCp)
2HfF
2との組み合わせに必要とされる(1−EtInd)
2ZrCl
2の量を予測するために使用され得る。これらの値は、例えば、(PrCp)
2HfF
2が担持触媒構成成分として使用され、(1−EtInd)
2ZrCl
2がトリム触媒として添加される溶液触媒構成成分である場合、初期の制御点を設定するために使用され得る。この実施形態では、添加される(1−EtInd)
2ZrCl
2触媒の量は、Mw及び他の性能標的を達成するために制御され得る。様々な組み合わせの結果は表4に示される。
【0126】
【表4】
【0127】
トリム供給を用いたパイロットプラント実行
分子量及び分子量分布を制御するために、触媒トリム供給の使用をパイロットプラントにおいて試験し、結果を表5に詳述する。表5において、触媒の種類は、詳述される説明に示される番号付けされた触媒構造に対応する。触媒実行のうちの5つ(A〜E)は、トリム触媒を使用せずに行われた対照実行であった。
【0128】
【表5-1】
【0129】
【表5-2】
【0130】
(CpPr)
2HfF
2と組み合わせた共担持触媒を用いた分子量分布及び組成分布の制御。
【0131】
試験は、(CpPr)
2HfMe
2(HfP、構造III)を含んだ第1の触媒を用いて実行された。HfPは、活性化剤及び担体、共触媒、またはその両方の存在下でエチレン及びエチレンとコモノマーとの混合物を重合することが可能である。活性化剤及び担体は、同じまたは異なってよい。複数の活性化剤、担体、及びまたは共触媒が同時に使用され得る。共触媒は、成分のいずれかを修飾するために添加され得る。記述子触媒、HfP、活性化剤、担体、及びまたは共触媒は、実際の化合物及び炭化水素溶媒中のこれらの化合物の溶液も指す。
【0132】
共触媒としての使用に関して、特にトリム系において、触媒は、ヘキサン、パラフィン系溶媒、及び鉱油などのアルカン溶媒に可溶性であるべきである。溶解度は、0.0001重量%超、0.01重量%超、1重量%超、または2重量%超であってもよい。トルエンは、触媒が芳香族溶媒により可溶性であり得るとき、溶媒として使用されてもよい。
【0133】
本明細書に記載されるように、HfP、活性化剤(MAO)、及び担体(シリカ)の組み合わせ物は、炭化水素溶媒中のトリム触媒と反応し、個々の構成成分の組み合わせから予想されるものとは異なる重合挙動を有する重合触媒をもたらす。より具体的には、共担持共触媒により生成されたポリマーの分子量分布は、個々の構成成分触媒から形成されたポリマーの混合物によって達成され得るより広い。重合挙動におけるこの変化は、MWD、CD、またはHfPと選択された共触媒との混合物によって形成されたポリマーのMWD及びCDにおける変化によって例示される。よって、重合反応器の直前のインラインミキサーで、炭化水素溶媒中で触媒、HfP、活性化剤、及び任意に担体、追加の共触媒、またはその両方を組み合わせることにより、新しい重合触媒を得る。
【0134】
炭化水素溶媒におけるいずれの一連の触媒、HfP、活性化剤、及び任意に担体、追加の共触媒、またはその両方の組み合わせが使用され得る。例えば、触媒は、HfP、活性化剤、及び任意に担体、追加の共触媒、またはその両方を含む混合物に添加され得る。更に、触媒及び共触媒は、{HfP、活性化剤、及び任意に担体}の混合物に添加され得る。加えて、触媒及びHfPは、{活性化剤ならあびに任意に担体及び共触媒}を含む混合物に添加され得る。
【0135】
炭化水素溶媒中で触媒、HfP、活性化剤、及び任意に担体、追加の共触媒、またはその両方を組み合わせ、混合物から乾燥触媒を得ることが望ましい。乾燥混合物は、重合反応器内に直接、またはスラリーとして供給され得る。
【0136】
触媒及びHfP使用時のMWD及びCDの変化は、触媒対HfPの比率を変更することによって制御され得る。触媒が採用されない場合、MWD及びCDはHfPのものである。単一触媒が採用される場合、MWD及びCDは、触媒自体によって生成されたものである。触媒の比率を変更することにより、親のものからのMWD及びCDを変更する。比率は、標的特異的MWD及びCD標的に変更され得る。
【0137】
触媒は、形成されたポリマーのMWDまたはCDの変化を制御するように選択することができる。HfPより低または高分子量ポリマーをもたらす触媒を採用することにより、分子量分布が広がる。単一構成成分から作製されたポリマーのMw対H
2/C
2の応答は、選択の手引きとして使用することができる。例えば、HfPより水素に対して応答が低い触媒は、
図2に示されるように、HfP単独で生成されたポリマーより高いMwをもたらす。更に、HfPより水素に対して応答が高い触媒は、HfPと組み合わせて、HfP単独よりも低いMwをもたらす。
【0138】
MWDを広げるために触媒を選択することに加えて、触媒は、組成分布を変更するために選択され得る。例えば、HfPより少ないまたは多いコモノマーを取り込む触媒を採用することにより、組成分布が広がる。以下に更に論じられるように、この作用に対するおおまかな手引きは、異なる触媒から約0.92Dの樹脂を調製するために必要とされる相対的なガスC
6/C
2比である。C
6/C
2ガス比においてHfPより大きな相違をもたらすこれらの触媒は、CDをより広げる。分子量分布は、HfPとは異なるMWDをもたらすが、類似する平均分子量をもたらす触媒を採用することによっても変更することができる。
【0139】
触媒とHfPを組み合わせることにより、個々の触媒の理論上の組み合わせから予想されるよりも大きいMWDをもたらすことができる。HfP塩基触媒に基づく望ましい材料は、触媒のMw及びコモノマー取り込み能が両方ともHfPより高いときに作製される。同様に、望ましい材料は、触媒のMw及びコモノマー取り込み能が両方ともHfPより低いときにも形成される。更に、望ましい材料は、Mw及び触媒のがHfPと等しい、及びそれより低いコモノマー取り込み能であるときに作製される。
【0140】
共担持重合触媒の作製
図4は、共担持重合触媒を作製するための方法400のフローチャートを示す。方法400は、水素/エチレン比対いくつかの触媒の各1つによって生成されたポリマーの分子量の逆数のプロット生成のブロック402で始まる。本明細書において論じられるように、各プロットの傾きは、対応する触媒の水素レベルに対する応答を示す。
【0141】
ブロック404で、値は、0.92などの単一標的密度を達成するために使用され得る触媒の各々のコモノマー/エチレン比について決定される。標的密度を達成するために使用された比率の値は、触媒のコモノマーを取り込む能力を示す。ブロック406で、第1の触媒が共担持重合触媒用に選択される。例えば、第1の触媒は、通常、市販の触媒が使用され得るか、またはコモノマーを取り込む能力が低いまたは高い、ならびに水素に対する応答が高いまたは低いように選択され得る。
【0142】
ブロック408で、第2の触媒が共担持重合触媒用に選択される。第2の触媒は、第1の触媒のプロットの傾きの大きさの少なくとも約1.5倍である水素/エチレン比対分子量の逆数のプロットの傾きを有するように選択され得る。更に、第2の触媒は、第1の触媒のコモノマー/エチレン比の大きさの約0.5未満であるコモノマー/エチレン比の値を有するように選択され得る。ブロック410で、第1の触媒及び第2の触媒は、例えば、特に本明細書に記載されるトリム技術を用いて共担持重合触媒を作製するために、単一担体上に共担持され得る。
【0143】
特定の生成物の種類に対する触媒ブレンドの選択
本明細書に記載の技法は、メルトインデックスが特に吹込フィルム、回転成形、及び射出成形などの特定の製作プロセスと一致するように調整されるとき、一貫したブレンド多分散指数(bPDI)を維持するポリマーを生成するために、少なくとも2つの触媒のブレンドを選択するために使用され得る。例えば、約0.5〜約1.0のメルトインデックスを有するポリマーは、吹込フィルムにおいて良好に機能し得る一方で、回転成形用のポリマーは、約2〜約7のメルトインデックスで良好に機能し得る。同様に、約20〜約100のメルトインデックスを有するポリマーは、射出成形に良好に機能し得る。更に、本技法は、一貫したメルトフローを維持しながら、bPDIの調整を可能にする触媒及び条件の選択を可能にし得る。
【0144】
本方法は、構成成分触媒の水素応答からの混合触媒によって形成されたポリマーのbPDIの予測を可能にし、仮定の触媒対の分析に基づいて生成物のための触媒を特定する。更に、完全なbPDIマップは、所与の触媒対の用途の範囲にわたって生成物設計を容易にするように構築され得る。
【0145】
選択技法に関して、いくつかの仮定及び条件が考慮され得る。例えば、理論的な理想の触媒ブレンドにおいて、個々の触媒構成成分は、混合物中で独立して挙動し得る。更に、各構成成分において、PDI及び生産性は、H
2/C
2(本明細書において水素応答と称される)範囲全体に対して同じままであり得る。最後に、記載の技法において、特にコモノマー応答などの触媒挙動に影響を及ぼす可能性がある他の要因は、水素応答に顕著に影響を及ぼさないと想定され得る。
【0146】
特定の触媒に対する水素応答は、いくつかのH
2/C
2比率で、触媒によって生成されるポリマーの重量平均分子量(Mw)を測定することにより、例えば、ゲル浸透クロマトグラフィー、光散乱法、または他の関連する技法により決定され得る。次に、結果は、方程式1の式に対する線形フィットを計算するために使用され得る。
1/Mw=切片+傾き*(H
2/C
2) 方程式1
【0147】
ブレンドの予測に関して、H
2/C
2比率は、重合プロセスにおいて使用されるときと同じ単位、例えば、ppm/モル%で表される。方程式1は、次に、一般的には線形フィットに関して収集されたデータが所望のH
2/C
2比率を含む限り、選択されたH
2/C
2比率で触媒のMwを予測するために使用され得る。ブレンドに使用される第2の触媒に対して同一のプロセスが繰り返され得る。この考察は手順の例として2つの触媒に焦点を当てるが、本技法はブレンドにおいて任意の数の触媒に拡大され得ることを理解する。
【0148】
水素応答がモデル化されるが、ブレンドに使用される各ポリマーの多分散指数は、方程式1に使用される同じ点で測定され得る。触媒ブレンドにおける使用に関して評価される単一触媒が多峰性分子量分布を有するポリマーを生成する場合、分布は、複数の集団に分けられ(deconcoluted)、最終ブレンドを構成するために、個々の構成成分として使用されなければならない場合がある。方程式2は、その構成成分からのブレンドのMwの理論的なブレンド規則である。
bmw=Fhmw*hmw+Flmw*lmw 方程式2
【0149】
方程式2において、bmwは、ブレンド分子量、例えば、触媒または触媒ブレンドにより生成されたポリマーの有効な単峰性分子量である。Fhmwは、高分子量構成成分の重量分率であり、hmwは、高分子量構成成分の分子量である。同様に、Flmwは、低分子量構成成分の重量分率であり、lmwは、低分子量構成成分の分子量である。有効な分子量の計算は二峰性触媒に関して行われるが、類似する計算は、触媒の多峰性分布または広域分子量分布に関して行われ得る。更に、方程式2は、2つ以上の触媒の最終ブレンドにより生成されたポリマーの有効なブレンド分子量(bmw)を決定するために使用され得る。
【0150】
基本触媒構成要素の水素応答が決定されたら、bPDI曲線対Mwが、方程式3の関係を用いて計算され得る。
bPDI=[Flmw+Fhmw*(hmw/lmw)]*[Flmw*lPDI+Fhmw*hPDI*(lmw/hmw)] 方程式3
【0151】
方程式2と同様、方程式3において、Flmwは、低分子量ポリマー構成成分の重量分率であり、Fhmwは、高分子量ポリマー構成成分の重量分率である。しかしながら、この場合、構成成分の各々は、例えば、同等の単峰性触媒によって生成されたポリマーの有効な分子量であり得る。
【0152】
Flmw及びFhmwは、各水素対エチレン比率で第1の触媒によって生成されたポリマーの量、及び各水素対エチレン比率で第2の触媒によって生成されたポリマーの量から計算される。ある実施形態では、触媒の生産性は考慮されず、比率を決定するために、触媒の量がポリマーの量の代用として使用される。
【0153】
用語lmwは、例えば、触媒のうちの1つによって生成された低分子量ポリマー構成成分の重量平均分子量であり、hmwは、例えば、別の触媒によって生成された高分子量ポリマー構成成分の重量平均分子量である。lmw及びhmwは、分子量と水素対エチレンの比率との関係、例えば、方程式1においてモデル化される各触媒の水素応答から計算され得る。多分散性は方程式2において考慮される必要はないが、これらは、最終ポリマー特性に影響を及ぼし、方程式3の一部である。用語lPDIは、低分子量ポリマー構成成分の多分散性であり、hPDIは、高分子量ポリマー構成成分の多分散性である。lPDI及びhPDIは、各ポリマーに関して測定され得、ある実施形態では、一定値であると想定される。
【0154】
上記の技法の使用は、本明細書に記載の2つの仮定の触媒Hypo−H及びHypo−Lによって生成されたポリマーを使用して示すことができる。Hypo−H触媒は、高分子量ポリマー構成成分を生成し、Hypo−Lは、低分子量ポリマー構成成分を生成する。2つの触媒の水素応答は、本明細書に記載の技法を用いて方程式1にマッピングされ、表6に示される結果をもたらす。後の節で論じられるように、2つの触媒構成成分間の切片の比率と傾きの比率も触媒対の選択に重要な役割を果たす。これらの2つの比率は、方程式4及び5に定義される。
b比率=Hypo−Lの切片/Hypo−Hの切片 方程式4
m比率=Hypo−Lの傾き/Hypo−Hの傾き 方程式5
【0155】
【表6】
【0156】
第1の例において、50/50の触媒比率が選択され、触媒比率はブレンド中の触媒によって形成された各ポリマーの重量分率を予測すると仮定される。次いで、表7に示されるように、水素対エチレン比率は、bPDIを同じ値に維持しながら、異なる用途のための特定のメルトインデックス標的に達するように調整される。用途は、吹込フィルム(BF)、回転成形(RM)、及び射出成形(IM)である。これらの用途は、例として使用されるが、触媒ブレンドは、特に吹込成形またはシート形成などの本技法を用いる任意の数の他の用途のために選択され得る。
【0157】
【表7】
【0158】
更なる例として、表8は、例えば、吹込フィルム(BF)などの単一用途のための単一メルトインデックスでbPDI曲線をマッピングすることにより得ることができる結果を示す。この場合、触媒比率が調整される一方で、水素対エチレン比率はメルトインデックスを1に維持するように設定される。
【0159】
【表8】
【0160】
本技法は、例えば、理想のポリマーに必要とされる触媒系の特徴を決定するために、実際の触媒系及び仮定の触媒系の両方の触媒挙動をマッピングするために使用され得る。
図5、6、及び7は、3つの仮定の例A、B、及びCのプロットである。表9に示されるように、3つ全ての例(即ち、A1、B1、及びC1)の高分子量触媒は同一であり、方程式1の線形フィットにより決定される、1.0E−06の切片、及び1.0E−06の傾きを有する。一方で、低分子量触媒(即ち、A2、B2、及びC2)は、各対内の切片の比率と傾きの比率が、例えば、それぞれ、A、B、及びCに関して、10:1から、1:10、及び10:10に変動するような方法で設計される。3つ全ての場合において、3.0の値は、方程式3によりbPDIを計算するために、lPDI及びhPDIの両方に割り当てられた。
【0161】
【表9】
【0162】
図5A、5B、及び5Cは、仮定の組み合わせの各々の分子量対H
2/C
2比率の逆対数プロットである。各プロットにおいて、点線は、触媒(2)によって生成された低分子量ポリマーを表し、実線は、別の触媒(1)によって生成された高分子量ポリマーを表す。これらの変化の結果は、
図6A、6B、及び6Cに示される。
【0163】
図6A、6B、及び6Cは、触媒の各々の水素応答のプロットである。高分子量種を表す実線と低分子量種を表す点線との間の空間は、分子量が反応器動作において触媒の比率及びH
2/C
2比率を調整することにより制御され得る領域である。実線及び点線は
図6A及び6Bにおいて平行ではないことに留意する。これは、それらの制御空間が高H
2/C
2領域(例えば、A)または低H
2/C
2領域(例えば、B)のいずれかに顕著に固定されなければ(clamped down)ならないであろうことを意味する。このような制限がもたらす結果は、それらの生成物設計能の一部を失うことである。例えば、この組み合わせは、
図7Aの高MI用途に関して高bPDI標的に達する、及び7Bの低MI用途に関して高bPDI標的に達することができないだろう。
【0164】
一方、例Cは、
図6Cに示されるように、一対の平行したH応答線を有する。したがって、その制御空間は、
図6A及び6Bに示される他の2つの例よりも大きい。
図7Cに示されるように、そのbPDI能は、全ての用途に関して同じままである(即ち、同じ生成物設計能)。触媒対から良好な生成物設計能を確実にするための鍵は、表9のb比率の値をできる限りm比率の値に近づけることである。一般的なガイダンスとして、b比率/m比率≦2、またはより好ましくはb比率/m比率≦1の触媒対を有したいだろう。言い換えると、例Cは、b比率=m比率の最高の設計能に関して最も望ましい場合である。例Bは、あまり望ましくないが、それでもb比率<m比率の妥当な設計能を有し、例Aは、b比率>m比率のほとんど設計能を有さない最も好ましくない場合である。
【0165】
この時点で、考察は、触媒対の3つの基本種類間のH応答曲線の「相対的な」形状及び能力ならびにbPDIマップを対象とした。しかしながら、Mw=f(H
2/C
2)の「絶対」値及びbPDIの「絶対」値は、方程式1の切片及び傾きの値により更に調整され得る。以下は、絶対値が方程式1の切片及び傾きを通して調整され得るという理解の傾向の観点の考察に向けられる。
図7Aにおいて、H
2/C
2比率が増加するにつれてbPDIが減少し、基本ポリマーとほどんど変わらない多分散性を有するポリマーをもたらすことが明らかである。触媒のこの組み合わせは、生成物に対してあまり制御を提供せず、一般に、避けるべき組み合わせを示す。
図7Bに表される状態がより好ましい。しかしながら、類似する切片は、bPDIが高分子量(吹込フィルム用途など)を必要とする用途に関しては低く、低分子量(例えば、射出成形)を必要とする用途に関しては高いことを示す。これは、産業界における一般的な慣行とは反対の傾向である(例えば、低PDIは射出成形に好ましく、高PDIは吹込フィルムに好ましい)。
図7Cは、好ましい触媒の組み合わせを示す。この組み合わせにおいて、H
2/C
2比率の範囲にわたってbPDIの高い均一値により示される、高分子量及び低分子量の両方のポリマーの実質的な制御が存在する。
【0166】
図8は、bPDIマップを使用してポリマーの形成を補助するためのための方法800のプロセスフロー図である。本方法は、bPDIマップから触媒ブレンドを選択するブロック802で始まる。
図6及び7に関して注記されるように、良好な触媒選択は、例えば、
図6Cの触媒と、最高のbPDI設計能に関して表7及び8に示されるhmw/lmwの高い一貫した値との間に実質的に平行な水素応答を有するだろう。ブロック804で触媒対が選択されたら、触媒ブレンドを用いてポリマーが形成され得る。これは、得られるポリマーの特性を制御するためにトリム系及び水素添加を用いるなど、本明細書に記載の任意の数の他の措置を含み得る。
【0167】
図9は、例えば、
図8のブロック802で、触媒ブレンドを選択するための方法900のプロセスフロー図である。本方法は、少なくとも2つの触媒につきいくつかのポリマーを生成するブロック902で始まる。各ポリマーは、異なる水素対エチレン比率で生成される。触媒のうちの少なくとも1つは、高分子量ポリマーを生成し、別の触媒は、低分子量ポリマーを生成する。ブロック904で、分子量は、各ポリマーに関して測定される。ブロック906で、触媒の各々によって生成されたポリマーの分子量と水素対エチレンの比率との間の関係が決定される。これは、例えば、方程式1に関して記載される方法、及び
図5及び6に示されるプロットの生成により行われ得る。ブロック908で、水素対エチレンのいくつかの比率の各々に対して触媒のブレンドのいくつかの比率を用いて作製されるであろうポリマーに関して、bPDI曲線族が生成される。これは、方程式3に関して、及び
図7に示されるプロットに関して記載される方法を用いて行われ得る。ブロック910で、ポリマー製作プロセスと一致するbPDIを有するポリマーを生成する少なくとも2つの触媒のブレンドの比率が選択され得る。ブレンドの動作は、いくつかのH
2/C
2比率の各々でポリマーを生成し、bPDI及びMIの値を予測した値と比較することにより確認され得る。
【0168】
触媒構成成分を形成するための一般手順
触媒
【0169】
【化6】
【0170】
実験
全ての操作は、N
2パージされたグローブボックス中で、標準的なまたはSchlenk技術を用いて実施された。全ての無水溶媒はSigma−Aldrichから購入し、脱気し、焼成Al
2O
3ビーズ上で乾燥せるか、または使用前に分子ふるいにかけた。触媒調製用のトルエンをAl
2O
3ビーズ上で予め乾燥させ、次いで、使用前にSMAO 757上で乾燥させた。重水素化溶媒はCambridge Isotope Laboratoriesから購入し、脱気し、アルミナビーズ上で乾燥させるか、または使用前に分子ふるいにかけた。Strem Chemicalsから購入したZrCl
4 99+%、及びBoulder Scientific(ロット番号BSC3220−8−0002)から購入したビス(n−プロピル−シクロペンタジエニル)ハフニウムジメチル(HfPMe
2)を除き、使用された試薬はSigma−Aldrichから購入した。
1H NMR測定は、250Mz Bruker及び500Mz Bruker分光器で記録された。
【0171】
Rac−meso−ビス(1−エチル−インデニル)ジルコニウムジメチル(1−EtInd)
2ZrMe
2(IV−A/IV−B)の合成
インデニルリチウム。新しく蒸留したインデン(50.43g、434.1mmol)を1Lのペンタンに溶解した。Et
2O(25mL)、次いでヘキサン中1.6M n−ブチルリチウム(268.5mL、429.6mmol)を、5分かけて透明な攪拌溶液に添加した。白色の固体が沈殿し、上清は淡黄色を帯びた。一晩攪拌した後、懸濁液を濾過し、次いで真空中で乾燥させ、白色の固体(46.51g、381.0mmol、88.7%)を得た。
1H NMR(THF−d
8):δ5.91(d、2H)、6.44(m、2H)、6.51(t、1H)、7.31(m、2H)。
【0172】
1−エチルインデン。46.51g(380.95mmol)のインデニルリチウムを250mLのEt
2Oに溶解し、分離溶液を400mLのEt
2O中95.94g(615.12mmol)のヨウ化エチルで作製した。ドライアイス/アセトン浴中でヨウ化エチル溶液を−30℃に冷却し、それを用いてインデニルリチウム溶液を0〜10℃に冷却した。カニューラ移送を介してインデニルリチウムを透明なヨウ化エチルの攪拌溶液に添加した。溶液は、インデニルリチウム溶液を添加したときに淡黄色から黄色になった。反応物を一晩攪拌し、ゆっくり室温に温めた。一晩攪拌した後、フラスコをボックスの中に入れ、Et
2Oを真空中で還元した。LiIが沈殿し始めたら、300mLのペンタンを添加し、白色の懸濁液を濾過し、淡橙色溶液を得た。更にLiIが沈殿した場合には、ペンタンを蒸発させ、淡橙色の油状液体を得た。回転真空ポンプを用いて、減圧下で粗生成物を淡黄色の透明な液体に蒸留した。
1H NMRは、〜90% 1−エチルインデン及び〜10% 3−エチルインデンを示した。粗
1H NMRスペクトルには何も存在しなかったため、異性化の可能性は、蒸留中に存在した少量の酸により生じた可能性がある。80.6%収率のために、44.27g(306.96mmol)の生成物が単離された。
1H NMR(CD
2Cl
2):δ0.96(3H、t)、1.59(1H、q)、1.99(1H、q)、3.41(1H、m)、6.58(1H、d)、6.59(1H、d)、7.24(2H、m)、7.41(2H、dd)。
【0173】
1−エチルインデニルリチウム。〜10% 3−エチルインデンを含有する44.27g(306.98mmol)の1−エチルインデンを500mLのペンタン及び約3mLのEt
2Oに溶解した。透明な攪拌溶液にヘキサン中188.28mL(301.25mmol)の1.6M n−ブチルリチウムを10分にわたって添加した。直ぐに、フレーク状の白色の沈殿物が形成され、攪拌を停止させた。混合物を手動で攪拌し、試薬の適切な取り込みを確実にし、懸濁液を一晩放置した。懸濁液を濾過し、白色の固体を真空中で乾燥させた。95.7%収率で、43.27g(288.18mmol)の生成物を得た。
1H NMR(THF−d
8):δ1.26(3H、triplet)、2.86(2H、quartet)、5.72(doublet、1H)、6.38(dd 1H)、6.43(2H、m)、7.26(1H、t)、7.30(1H、m)。
【0174】
Rac−meso−ビス(1−エチル−インデニル)ジルコニウムジメチル(1−EtInd)
2ZrMe
2(IV−A/B)
7.00g(46.65mmol)の1−エチル−インデニルリチウムを74mLの1,2−ジメトキシエタン(DME)に溶解し、分離溶液を75mLのDME中5.43g(23.30mmol)のZrCl
4で作製した。ピペットを介して透明なZrCl
4溶液に1−エチル−インデニルリチウムの明るい黄色の溶液を15分間にわたって添加した。最初に添加したときに溶液は黄色を帯び、添加5分後沈殿物が形成され、続いて橙黄色となった。添加10分で、上清は黄色の沈殿物を含む橙色に変わり、全ての1−エチル−インデニルリチウム溶液が添加されると、混合物は黄色に戻った。反応物を一晩攪拌した。スラリーの粗
1H NMRスペクトルは、〜1.1:1のrac/meso比を示したが、これは、rac異性体がDMEにおいてmeso異性体よりも可溶性であるため誤解を招く可能性がある。異性体比にかかわらず、Et
2O中15.61mL(46.83mmol)の3.0M CH
3MgBrを1mLに分けて10分にわたって添加した。10回目の添加後、黄色の混合物は橙色に変わった。グリニャール試薬の最終添加後、混合物は褐色に変わり、反応物を一晩攪拌した。粗混合物の
1H NMRスペクトルは、1.1:1のmeso/rac比を明らかにした。DMEを蒸発させ、褐色の固体を3×20mLのトルエン、更に追加の10mLで抽出した。溶媒を除去した後に得られた淡褐色の固体を10mLのペンタンで洗浄し、真空中で乾燥させた。87%収率で、8.26g(20.26mmol)のオフホワイト色の固体を得た。
【0175】
二塩化物スペクトルデータ:
1H NMR(CD
2Cl
2):δ1.16(6.34H、t、rac)、1.24(6H、t、meso)、2.73−2.97(8H、重複q)、5.69(1.82H、dd、meso)、5.94(1.92H、dd、rac)、6.06(1.99H、d、rac)、6.35(1.84H、d、meso)、7.22−7.65(16H、m)。
【0176】
ジメチルスペクトルデータ:
1H NMR(C
6D
6):δ−1.40(3.33H、s、meso)、−0.895(6H、s、rac)、−0.323(3.34H、s、meso)、1.07(13H、重複t)、2.47(4H、重複q)、2.72(4H、q)、5.45−5.52(8H、m)、6.91(8H、m)、7.06−7.13(4H、m)、7.30(4H、m)。
【0177】
Rac−meso−ビス(1−エチル−インデニル)ジルコニウムジメチル(1−EtInd)
2ZrMe
2(IV−A/B)の合成
1,2−ジメトキシエタン(DME)中のZrCl
4(20.8g;89.3mmol)の溶液(約100mL)に、1,2−ジメトキシエタン(DME)に溶解された1−エチル−インデニルリチウム(26.8g;178mmol)の溶液(約200mL)を約5mLに分けて、15分にわたって添加した。必要に応じてさらなるDMEを添加して、反応物が撹拌するのに濃厚になるのを防いだ。添加の最後の総量は約425mLであった。1−エチル−インデニルリチウム溶液の添加直前及び添加の約半ばで、ペンタン(約10mL)を反応混合物に添加し、温度を下げるために真空下で除去した。室温で約4時間攪拌した後、スラリーのアリコートを取り出し、乾燥させた。このようにして得られた固体の
1H NMRをCD
2Cl
2に取り込み、0.7:1のrac/meso比を示した。
【0178】
約100mLの溶媒を反応物から蒸発させ、メチルリチウム溶液(エーテル中1.6M;111mL;178mmol)を約1時間にわたって分けて(約20mL)を添加した。一晩攪拌した後、rac/meso比は0.7:1.0であった。追加のMeLi溶液(エーテル中1.6M;7.0mL;11.2mmol)を添加し、反応物を室温で3日間攪拌した。
1H NMRにより決定されるように、rac/meso比は0.9:1であった。溶媒を真空下で除去し、残留物を温かいヘキサン(約300mL;60℃)で抽出し、濾過し、総量約100mLに濃縮し、一晩−20℃に冷却した。濾過により固体を単離し、冷ペンタン(2×50mL)で洗浄し、真空下で乾燥させて、rac/meso比が0.94:1の、29.2gの固体を得た。単離した固体を温かいヘキサン(約150mL)で抽出し、少量のピンク色の固体から濾過した。容量を約125mLに減らし、溶液を塩化トリメチルシリル(2.0mL)で処理した。溶液を濾過し、約100mLに濃縮し、沈殿した生成物を再溶解するために加熱し、ゆっくり冷却した。一晩攪拌した後、フラスコを−20Cに冷却し、これはいくらかのピンク色の固体を沈殿させた。フラスコを55℃に温め、追加のヘキサン(約75mL)を塩化トリメチルシリル(5.0mL)と共に添加した。これを2時間55℃で維持し、反応物を濾過して黄色の溶液を得た。溶液を濾過し、約100mLに濃縮し、沈殿した生成物を再溶解するために加熱し、ゆっくり冷却した。沈殿した固体を濾過により単離し、冷ペンタン(2×30mL)で洗浄し、55℃の真空下で乾燥させた。収量は21.1gであり、rac/meso比は1.19/1であった。
【0179】
meso−(1−EtInd)
2ZrCl
2の合成
1−エチルインデニルリチウム(1.0g;6.7mmol)をジメトキシエタン(DME)(7.7mL)に溶解し、−20℃に冷却した。固体ZrCl
4(0.781g;3.35mmol)を5分にわたって分けて添加し、一晩反応を継続させた。揮発性物質を除去した後、このようにして得た黄色の固体を、黄色の色がなくなるまでCH
2Cl
2で抽出した。CH
2Cl
2真空下で除去し、黄色固体を得た。収量=1.14gであり、meso/rac比は19:1であった。
【0180】
meso−(1−EtInd)
2ZrCl
2のmeso−(1−EtInd)
2ZrMe
2への変換
meso−(1−EtInd)
2ZrCl
2(1:19 rac/meso;307mg;0.68mmol)をEt
2O(約10mL)中でスラリー化し、MeMgBr(Et
2O中3.0M;0.47mL;1.41mmol)を添加した。反応物を乾燥させ、温かいヘキサン(60℃で約18mL)で抽出し、濾過し、乾燥させて、淡黄色の固体(240mg)を得た。1:19のrac/meso比を示したC
6D
6の
1H NMRは維持された。
【0181】
1:1 rac/meso−(1−EtInd)
2ZrCl
2の1:1 rac/meso−(1−EtInd)
2ZrMe
2への変換
(1−EtInd)
2ZrCl
2(1:1 rac/meso;12.2g;27.2mmol)をEt
2O(約80mL)中でスラリー化し、MeMgBr(Et
2O中2.6M;23.2mL;60.3mmol)を添加した。反応物を一晩攪拌し、反応物を乾燥させ、温かいヘキサン(約300mL)で抽出し、濾過し、約1mLの溶液を乾燥させ、C
6D
6の
1H NMRは、(1−EtInd)
2ZrMe
2の非常にきれいな1:1のmeso/rac比を示した。
【0182】
meso豊富(1−EtInd)
2ZrCl
2の1:1 rac/meso(1−EtInd)
2ZrMe
2近くへの変換
meso−(1−EtInd)
2ZrCl
2(1:5 rac/meso;244mg;0.54mmol)をEt
2O(約5mL)中でスラリー化し、MeLi(Et
2O中1.6M;0.69mL;1.10mmol)を添加した。反応物を一晩攪拌し、濾過し、濾過した反応混合物のアリコートを乾燥させた。C
6D
6の
1H NMRは、1:1.24のrac/meso比を示した。
【0183】
(1−メチルインデニル)(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム(IV)ジメチル(IV−C)の合成
【0184】
【化7】
【0185】
(1−メチルインデニル)(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム(IV)二塩化物
ドライボックス内で、1−メチル−1H−インデン油(1.85g、14.2mmol)を250mlの丸底フラスコ中に量り入れ、25mlの乾燥ジエチルエーテルに溶解した。20mlのニードル/シリンジから滴下してn−ブチルリチウム(ヘキサン中1.6M、12.0ml、19.2mmol)を添加し、黄色の溶液を形成する。室温で60分間攪拌した。
【0186】
黄橙色の(1−メチル)インデニルリチウムの溶液にCp*ZrCl
3(4.51g、13.5mmol、Aldrich−475181から受け取ったままで使用された)を黄色の結晶固体として一度に素早く添加した。黄橙色のスラリーを一晩室温で攪拌した。
【0187】
混合物を30分間沈降させた。暗褐色の溶液を薄黄色の固体からデカントし、ガラスフリット上で固体を100mlの乾燥エーテルですすいだ。100mlのジクロロメタンでフリット上で固体を抽出し、黄色の懸濁液を得た。セライトプラグを通してフリット上で濾過し、揮発性物質を蒸発させて、黄色の固体を得た。エーテル/ペンタンから再結晶して、2.70g(47%)を得た。母液から追加の材料を得た:1.19g(20%)。
【0188】
1H NMR(C
6D
6、500MHz、35℃):δ1.70(15H、s、Cp*)、2.30(3H、s、インデニル CH
3)、5.56(2H、ABq、インデニル CH、CH)、7.05(1H、dd、インデニル CH)、7.10(1H、dd、インデニル CH)、7.24(1H、dt、インデニル CH)、7.56(1H、dq、インデニル CH)。
【0189】
【化8】
【0190】
(1−メチルインデニル)(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム(IV)ジメチル(IV−C)
(1−メチルインデニル)(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム二塩化物(4.92g、11.5mmol)を50mLのジエチルエーテル中でスラリー化し、−50℃に冷却した。これに、MeLiの溶液(ジエチルエーテル中14.8mLの1.71M溶液、25.4mmol)をシリンジでゆっくり添加した。混合物を攪拌したままゆっくり室温に温め、ピンク色のスラリーを得た。16時間後、溶媒を真空下で除去し、残留物をトルエンで抽出した。セライトで覆ったフリットを通して濾過により不溶物を除去し、溶媒を除去し、橙色の油状固体を得た。固体をペンタンで洗浄し、真空下で乾燥させた(3.89g、88%収率)。
1H NMR δ(C
6D
6):7.53(d、1H、8−IndH)、7.13−6.99(m、3H、5,6,7−IndH)、5.21(d、1H、2−IndH)、5.11(d、1H、3−IndH)、2.20(s、3H、1−MeInd)、1.69(s、15H、CpMe
5)、−0.51(s、3H、ZrMe)、−1.45(s、3H、ZrMe)。
【0191】
(1,3−ジメチルインデニル)(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル[(1,3−Me
2Ind)(CpMe
4)]ZrMe
2(IV−D)の合成
2,3,4,5−テトラメチル−1−トリメチルシリル−シクロペンタ−2,4−ジエン:
【0192】
【化9】
【0193】
2リットルのErlenmeyerフラスコに、黄色の油のテトラメチルシクロペンタジエン(50g、409mmol−Boulder Scientificから得た)を1リットルの無水THFに溶解した。滴下の流れを調節する20ゲージニードルを備えた60mlのプラスチックのシリンジを通してn−ブチルリチウム(175ml、437mmol)を添加しながら、室温で攪拌した。薄黄色の沈殿物の形成が観察された。リチウム試薬の添加が完了したとき、反応物は黄色のスラリーである。室温で1時間攪拌し、次に激しく攪拌しながらクロロトリメチルシラン(60ml、470mmol)を添加し、反応物を室温で一晩攪拌した。室温で15時間攪拌した後、混合物は黄色の溶液である。THF溶媒をN
2流下で除去し、油状物の残留物を得、次にこれを1リットルの乾燥ペンタンで抽出し、粗いフリット上でセライトパッドを通して濾過した。真空下で揮発性物質を除去し、黄色の油生成として物を得た:62.9g、79%。
1H NMR(C
6D
6、250MHz):δ−0.04(s、Si(CH
3)
3)、δ1.81、(s、CH
3)、δ1.90(s、CH
3)、δ2.67(s、CH)
【0194】
(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム三塩化物の合成
【0195】
【化10】
【0196】
ドライボックス内で、固体のZrCl
4(30.0g、129mmol)を、磁気撹拌子を備えた450mlのChemglass圧力容器に充填し、100mlの乾燥トルエンに懸濁した。黄色の油(27.5g、142mmol)として2,3,4,5−テトラメチル−1−トリメチルシリル−シクロペンタ−2,4−ジエンを分注し、追加の100mlの乾燥トルエンで洗浄した。Viton oリングを備えたねじ込み型キャップで圧力容器を密封し、取り付けられたアルミニウム加熱マントル上で90分間110℃に加熱した。溶液は時間と共に暗くなり、反応中、不溶物が存在した。容器を一晩攪拌し、室温に冷却した。容器を開け、N
2流下で溶媒量を減らし、粘稠な赤色のスラッジを得た。2×50mlの乾燥ペンタンで、次に100mlの乾燥エーテルで抽出した。赤色の溶液を除去し、薄赤色の固体として生成物を回収した:35.4g、85%。
1H NMR(C
6D
6、250MHz):δ1.89(br s、CH
3)、δ2.05(br s、CH
3)、δ5.78(br s、CH)
【0197】
1,3−ジメチルインデンの合成
【0198】
【化11】
【0199】
1−メチル−インデニルリチウム:新しく蒸留した3−メチルインデン(33.75g 259.24mmol)をペンタン(1L)に溶解した。Et
2O(10ml)、次いでヘキサン中1.6M n−ブチルリチウム(107mL、171.2mmol)及びヘキサン中2.5M n−ブチルリチウム(34.2mL、85.5mmol)を透明な攪拌溶液に添加した。直ぐにフレーク状の白色の固体が沈殿した。一晩攪拌した後、懸濁液を濾過し、白色の固体を真空中で乾燥させた(33.88g、248.90mmol、97%)。
1H NMR(THF−d
8):δ2.41(s、3H)、5.68(d、1H)、6.31(d、1H)、6.41(m、2H)、7.22(m、2H)。
【0200】
ドライボックス中で、ヨードメタン(2.0ml、32.1mmol)を、磁気撹拌子を備えた250mlの丸底フラスコ中の80mlの乾燥ジエチルエーテルに溶解した。広口デュワーのヘキサン冷浴(−25℃)中にフラスコを設置した。別の100ml Erlenmeyerフラスコに、室温の1−メチルインデニルリチウムの溶液(3.50g、25.7mmol)を50mlの乾燥ジエチルエーテル中で調製し、黄色の溶液を得た。インデニルリチウム溶液の、冷たいヨードメタンの攪拌溶液へのゆっくりした滴下添加は、15分にわたって行われた。低温で30分間攪拌を継続し、次いで冷浴を取り外し、反応物を一晩室温に温めた。室温で15時間攪拌した後、溶液は不透明の白色である。窒素流下で溶液量を減らし、次いで高真空下で揮発性物質を蒸発させた。2×80mlのイソヘキサンで固体を抽出し、粗フリット上でセライトパッドを通して濾過した。高真空下で濾液を蒸発させ、褐色の油を得た。5mlのジクロロメタンに溶解し、ピペットを介してシリカゲルカラム(Biotage SNAP 100g)上に充填し、ジクロロメタン:イソヘキサン(勾配、2〜20%)で溶出した。画分を組み合わせ、蒸発させて、透明な油を得た。2.54g、68%を回収した。
【0201】
1H NMR(C
6D
6、500MHz):δ1.11(d、J=7.5Hz、−CHCH
3)、δ1.96(s、CH=CCH
3)、δ3.22(m、CHCH
3)、δ5.91(m、CH=CCH
3)、δ7.15−7.27(芳香族CH)。混合物は、所望の生成物と1:10の比で微量の異性体3,3−ジメチルインデンを含有した。δ1.17(s,CH
3)、δ6.14(d、J=5.5Hz、CHH)、δ6.51(d、J=5.5Hz、CHH)。
【0202】
1,3−ジメチルインデニルリチウムの合成
【0203】
【化12】
【0204】
2.54g(17.6mmol)の透明な油である1,3−ジメチルインデン及び3,3−ジメチルインデンの10:1混合物を35mlの乾燥ペンタンに溶解した。6.2mlのn−ブチルリチウムの2.5Mヘキサン溶液(15.5mmol)をゆっくり滴下して添加しながら、室温で攪拌した。直ぐに、白色の沈殿物が形成された。室温で45分間攪拌し、次いでカニューレを介して上清を濾過した。30mlの乾燥ペンタンに残留物を懸濁し、ドライボックス冷凍庫(−27℃)で60分間冷却した。上清を濾過し、真空中で2.34g(88%)の白色の粉末に乾燥させ、特徴付けをせずにそのまま後続反応工程に使用した。
【0205】
[(1,3−ジメチルインデニル)(テトラメチルシクロペンタジエニル)]ジルコニウム二塩化物の合成:
【0206】
【化13】
【0207】
3.50g(10.98mmol)の黄褐色の(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム三塩化物の粉末を、磁気攪拌子を備えた100mlの丸底ガラス瓶に量り入れた。80mlの乾燥ジエチルエーテルに懸濁した。数分にわたって粉末として1,3−ジメチルインデニルリチウム(1.65g、10.99mmol)を添加しながら攪拌した。追加の20mlのエーテルですすいだ。瓶に蓋をし、室温で一晩攪拌した。室温で15時間攪拌した後、混合物は黄色のスラリーである。高真空下で揮発性物質を蒸発させ、残留物を2×80mlのジクロロメタンで抽出した。粗フリット上でセライトパッドを通して濾過した。真空中で濃縮し、粗フリット上で新しいセライトを通して再度濾過した。真空中で、3.6g(77%)の黄色の遊離流動粉末に乾燥させた。
1H NMR(CD
2Cl
2、500MHz):δ1.89(s、CH
3のCp
Me4)、δ1.90(s、CH
3のCp
Me4)、δ2.40(s、CH
3のC
9断片)、δ5.67(s、CHのCp
Me4)、δ6.33(s、CHのC
9断片)、δ7.24(AA′BB′、芳香族CHのC
9断片)、δ7.52(AA′BB′、芳香族CHのC
9断片)。約15%のジエチルエーテルを含有する。
【0208】
[(1,3−ジメチルインデニル)(テトラメチルシクロペンタジエニル)]ジルコニウムジメチル(IV−D)の合成
【0209】
【化14】
【0210】
ドライボックス中で、明るい黄色の(1,3−Me
2Ind)(Cp
Me4)ZrCl
2の粉末(3.6g、8.4mmol)を、100mlの磁気攪拌子を備えた琥珀色のガラス平底瓶中の75mlの乾燥ジエチルエーテルに懸濁した。イソヘキサン浴中で瓶を−10℃に冷却し、メチルリチウム(エーテル中1.6M)の溶液を、シリンジを介して分けて(4×3ml、19.2mmol)送達しながら攪拌した。セプタムで瓶に蓋をし、一晩攪拌して、冷浴をゆっくり室温に温めた。高真空下でスラリーを蒸発させて、乾燥状態にした。3×50mlのジクロロメタンで抽出し、粗フリット上でセライトを通して濾過した。窒素流下で濃縮し、次いでペンタンを添加した。15分間攪拌し、その後揮発性物質を蒸発させた。固体を冷ペンタンで洗浄し、真空中で乾燥させた。1.67gの黄褐色の粉末として回収した。0.52gの第2の収穫物は濾液から回収した。合計収量は2.19g、67%。
1H NMR(CD
2Cl
2、500MHz):δ−1.22(s、ZrCH
3)、1.78(s、CH
3のCp
Me4断片)、1.87(s、CH
3のCp
Me4断片)、2.25(s、CH
3のC
9断片)、4.92(s、CHのCp
Me4断片)、5.60(s、CHのC
9断片)、7.14(AA′BB′、芳香族CHのC
9断片)、7.44(AA′BB′、芳香族CHのC
9断片)。
13C{
1H}NMR(CD
2Cl
2、125MHz):δ11.64(CH
3のCp
Me4断片)、12.91(CH
3のC
9断片)、13.25(CH
3のCp
Me4断片)、37.23(ZrCH
3)、106.34(CHのCp
Me4断片)、115.55(CHのC
9断片);第4級
13C共鳴107.36、117.51、122.69、125.06。
【0211】
meso−O(1−SiMe
2インデニル)
2ジルコニウムジメチル(V−A)の合成
室温で、約300mLのエーテル中のmeso−O−(SiMe
2インデニル)
2ZrCl
2(Sud−Chemie Catalyticaから購入;40.0g;83.2mmol)のスラリーに、54.0mLのMeMgBr(3.0M/エーテル;162mmol)を添加した。スラリーを1.5時間撹拌した後、揮発性物質を除去した。ヘプタン(約300mL)を得られた固体に添加し、30分間80℃に加熱した。スラリーを濾過し、上清を−30℃に冷却し、結晶質の固体の形成をもたらし、これを濾過により単離し、ペンタンで洗浄し、真空下で乾燥させた。収量は26.0gであった。
1H NMR δ(C
6D
6):7.57(m、2H)、7.42(m、2H)、7.02(m、2H)、6.94(m、2H)、6.31(d、2H)、5.82(d、2H)、0.44(s、6H)、0.34(s、6H)、0.00(s、3H)、−2.07(s、3H)。
【0212】
触媒調製
610℃でシリカの脱水
Ineos ES757シリカ(3969g)を3区間ヒーターを装備した脱水機(長さ6フィート、直径6.25インチ)に充填し、0.12フィート
3/秒の流速の乾燥N
2ガスで流動化した。後に、温度を2時間の間に200℃に上げた。200℃で2時間維持した後、温度を6時間の間に610℃に上げた。610℃で4時間維持した後、12時間の間にわたって温度を周囲温度に冷却した。N
2下でシリカをAPC缶に移し、その後N
2圧力(20psig)下で保管した。
【0213】
シリカ担持メチルアルミノキサン(SMAO)の調製
典型的な手順において、610℃で脱水されたIneos ES757シリカ(741g)を、トルエン(2L)とトルエン中30重量%のメチルアルミノキサンの溶液(874g、4.52mol)との攪拌(オーバーヘッド機械式円錐形撹拌機)混合物に添加した。シリカをトルエン(200mL)で追跡し、次いで混合物を3時間90℃に加熱した。その後、一晩真空及び軽度の熱(40℃)を適用することにより揮発性物質を除去し、その後固体を室温に冷却した。
【0214】
実験用塩床反応器の典型的な小規模触媒調製
N
2パージしたドライボックス中で、3.00グラムのSMAO(4.5mmol MAO/g SMAO)を125mlのCel−Stirミキサーに移した。スラリーを作製するためにペンタン(50mL)を添加した。スラリーを周囲温度で攪拌した。メタロセン(0.11mmol)を最小量のトルエン(〜2mL)に溶解した。次に、この溶液を攪拌スラリーに添加した。混合物を1時間攪拌した。割り当てられた時間後、混合物をガラスフリット上に濾過し、新しいペンタン(2×10mL)で洗浄し、次いで少なくとも1時間乾燥させた。
【0215】
実験用塩床反応器の説明
N
2雰囲気下、2Lのオートクレーブを乾燥塩(200g)及びSMAO(3g)で充填した。2psigの圧力のN
2で、乾燥の脱気した1−ヘキセン(表10及び11を参照)をシリンジで反応器に添加した。反応器を密封し、床を攪拌しながら80℃に加熱し、次いでN
2で20psigの圧力に充填した。次いで、220psigの圧力でエチレンと共に固体触媒を反応器内に注入した。実行している間エチレンを流した。温度を85℃に上げた。エチレンの流れに対する比(0.08g/g)としてヘキセンを反応器内に供給した。表10の説明のように、エチレンの流れに対する比として水素を反応器内に供給した。水素とエチレンの比率は、オンラインGC分析により測定された。反応器を通気することにより、1時間後に重合を中断し、室温に冷却し、空気に曝露した。粗生成物を水中で攪拌することにより、塩を除去した。濾過によりポリマーを得、次いで真空炉で乾燥させた。
【0216】
直径24インチの気相パイロットプラント試験の大規模触媒調製
5Lの3つ口Mortonフラスコにペンタン(4L)を充填し、次いでSMAO(375g)を充填しながら機械式撹拌機で攪拌した(140rpm)。1時間にわたって、添加漏斗で(1−EtInd)
2ZrMe
2(IV−A/B)、HfPMe
2(III)を含有する溶液、及びトルエンを添加した。スラリーは緑色を帯び、更に1時間攪拌した。次いで、混合物を濾過し、合計8時間真空中で乾燥させた。結果は表12に示される。
【0217】
【表10】
【0218】
【表11】
【0219】
【表12】
【0220】
75% HfPMe
2/25%(1−EtInd)
2ZrMe
2触媒調製バッチ2
上述と類似する手順を第2の75/25触媒バッチに採用した。UT−331−142からの204.15g、UT−331−101からの176.17g、UT−331−124からの209.49g、及びUT−331−143からの160.19gから構成されるSMAOの混合物を使用した。第2のバッチに関して、凝集が生じないように、最初に4Lのペンタン、続いてSMAOをMortonフラスコに添加した。20mLのトルエン中2.87g(7.09mmol)の(1−EtInd)
2ZrMe
2及び8.94g(20.95mmol)のHfPMe
2で、2つの別個の溶液を作製した。
【0221】
50% HfPMe
2/50%(1−EtInd)
2ZrMe
2触媒調製バッチ1及び2
第2の75/25触媒のバッチを調製するために使用された同じ手順が両50/50触媒セットに使用された。バッチ1は、UT−331−143からのSMAO、5.75g(14.10mmol)の(1−EtInd)
2ZrMe
2、及び5.97g(14.11mmol)のHfPMe
2を使用した。バッチ2は、UT−331−144からのSMAO、5.75g(14.09mmol)の(1−EtInd)
2ZrMe
2、及び5.97g(14.11mmol)のHfPMe
2を使用した。
【0222】
触媒の混合
2つの75/25バッチを4LのNalgeneボトル中で組み合わせ、手でボトルを回転及び振盪させることにより混合した。2つの50/50バッチも同じ方法で混合した。
【0223】
噴霧乾燥触媒調製
噴霧乾燥HfP Low(SD−(III))。最初に10重量%のMAO(24.7lb)、トルエン(35.8lb)、及びCabosil TS−610(3.4lb)を10ガロンの供給タンクに添加することにより、供給原料スラリーを調製した。混合物を室温で一晩攪拌した。HfP(III)(28.75g、0.06798mol)を添加し、次に、噴霧する前に得られたスラリーを〜38から40℃で更に1時間混合した。93lb/時間のスラリー供給速度、90%アトマイザー速度、及び80℃の出口温度で、触媒を噴霧乾燥させた。収量は2289g(85%)であった。分析データは表13に報告する。
【0224】
【表13】
【0225】
直径24インチの気相反応器反応器の説明
重合は、直径24インチ(61cm)、長さ約11.75フィート(3.6m)の直線部分、及び長さ10.2フィート(3.1m)及、最大幅が直径4.2フィート(1.3m)の拡張部分を有する連続気相流動床反応器内で行われた。流動床はポリマー顆粒で構成される。液体の1−ヘキセンと一緒にエチレン及び水素のガス状供給流を混合T字配置で一緒に混合し、反応器床の下の再利用ガスライン内に導入した。エチレン、水素、及び1−ヘキセンの個々の流速は、固定組成標的を維持するように制御された。エチレン濃度は、一定のエチレン分圧を維持するように制御された。それら水素は、一定の水素対エチレンのモル比を維持するように制御された。全てのガスの濃度は、再利用ガス流において比較的一定の組成を確実にするために、オンラインガスクロマトグラフィーにより測定された。
【0226】
キャリアとして精製した窒素を用いて、固体触媒を流動床に直接注入した。その注入速度は、ポリマーの一定した生成速度を維持するように調整された。成長ポリマー粒子の反応床は、1〜3フィート/秒(0.3〜0.9m/秒)の空塔ガス速度で反応区間を通して補給水及び再利用ガスを連続的に流すことにより流動状態に維持された。反応器は、300psig(2068kPaゲージ)の全圧で動作された。反応器温度を一定に維持するために、再利用ガスの温度は、重合による熱発生速度のあらゆる変化に対処するために絶えず上下に調整された。
【0227】
ヘキサン中の静電気防止剤の溶液(20重量%での1:1のステアリン酸アルミニウム:N−ノニルジエタノールアミン)は、イソ−ペンタンと窒素との混合物を用いて、流動床中の約30ppmの静電気防止剤を維持するような速度で反応器内に供給された。
【0228】
流動床は、粒子状生成物の形成速度と等しい速度で床の一部を引き抜くことにより一定の高さに維持された。一連のバルブを介して半継続的に生成物を固定容量チャンバ内に取り出し、同時にこれを反応器に通気し戻すことにより、高度に効率の良い生成物の取り出しを可能にし、その一方で同時に大部分の未反応ガスを反応器に戻して再利用する。この生成物をパージして輸送炭化水素を除去し、いずれの微量の残留触媒及び共触媒を不活性化するために少しの加湿窒素流で処理した。
【0229】
実行の要約
重合の実行条件の例を表14に示す。
【0230】
【表14-1】
【0231】
【表14-2】
【0232】
【表14-3】
【0233】
【表14-4】
【0234】
直径13.25インチの気相反応器の説明
内径0.35メート及び床高2.3メートルの気相流動床反応器を重合に利用し、表15に結果を示す。流動床はポリマー顆粒で構成され、液体の1−ヘキセンコモノマーと一緒にエチレン及び水素のガス状供給流を反応器床の下の再利用ガスライン内に導入した。エチレン、水素、及び1−ヘキセンの個々の流速は、固定組成標的を維持するように制御された。エチレン濃度は、一定のエチレン分圧を維持するように制御された。水素は、一定の水素対エチレンのモル比を維持するように制御された。全てのガスの濃度は、再利用ガス流において比較的一定の組成を確実にするために、オンラインガスクロマトグラフィーにより測定された。成長ポリマー粒子の反応床は、反応区間を通して補給水及び再利用ガスを継続的に流すことにより流動状態に維持された。これを達成するために、0.6〜0.9メートル/秒の空塔ガス速度が使用された。流動床は、粒子状生成物の形成速度と等しい速度で床の一部を引き抜くことにより一定の高さに維持された。ポリマー生成速度は、15〜25kg/時間の範囲であった。一連のバルブを介して、半連続的に生成物を固定容量チャンバに取り出した。この生成物をパージして輸送炭化水素を除去し、いずれの微量の残留触媒を不活性化するために少しの加湿窒素流で処理した。
【0235】
名目上18重量%スラリーとして脱気及び乾燥させた鉱油中に固体触媒を分散させ、触媒の分散を補助するために液体及びスプレー中に窒素の泡立ちを生成する様式で、キャリアとして精製した窒素及びイソペンタンを用いて流動床内に直接注入する前に数秒〜数分間トリム触媒溶液と接触させた。トリム触媒は最初溶液として提供され、反応器に注入される前に連続様式で、スラリー触媒構成成分とインラインで混合される前にイソペンタンで約0.015重量%の濃度に実質的に希釈された。スラリー触媒及びトリム触媒の相対的な供給は、それらの活性重合金属の目標の標的供給比を達成するように制御され、供給は、全体的なポリマー生成速度、ならびに幾分ポリマーフローインデックスMFR及び密度に基づき各触媒によって生成されたポリマーの相対量に応じて調整され、一方で、反応器中の反応温度及びガス組成も操作される。成長ポリマー粒子の反応床は、約2.0〜2.2フィート/秒(0.61〜0.67m/秒)の範囲の空塔ガス速度で反応区間を通して補給水及び再利用ガスを連続的に流すことにより流動状態に維持された。反応器は、約350psig(2413kPaゲージ)の全圧で動作された。反応器中の流動床温度を一定に維持するために、再利用ガスの温度は、重合による熱発生速度のあらゆる変化に対処するために、シェル側の冷却水と共にシェル及びチューブ熱交換器のチューブを通して循環ガスを通過させることにより絶えず上下に調整された。
【0236】
脱気及び乾燥させた鉱油中の静電気防止剤のスラリー混合物(20重量%濃度でステアリン酸アルミニウム:N−ノニルジエタノールアミンが1:1)は、流動床中38〜123ppmwの静電気防止剤の濃度を達成するような速度で、イソ−ペンタン及び窒素の混合物を用いて反応器内に供給された。(列128)イソペンタン及び/または窒素は、任意に、反応器の側壁から床内に数インチ延在する1/8インチ〜3/16インチODの注入チューブすて材を介して、静電気防止剤のスラリー混合物を反応器の流動床内に運び、分散するのを補助するために採用された。
【0237】
流動床は、粒子状生成物の形成速度と等しい速度で床の一部を引き抜くことにより一定の高さに維持された。一連のバルブを介して、半連続的に生成物を固定容量排出チャンバに取り出した。この生成物をパージして輸送炭化水素を除去し、いずれの微量の残留触媒及び共触媒を不活性化するために受容ファイバーパックドラム(receiving fiberpak drum)に直ぐに排出される少しの加湿窒素流で処理した。
【0238】
全ての数値は、示される値の「約」または「およそ」であり、当業者により予測されるであろう実験誤差及び変動を考慮する。更に、様々な用語は上に定義されている。特許請求の範囲に使用される用語の範囲について、少なくとも1つの刊行物または発行済み特許に反映されるとき、関連分野の当業者がその用語に与えた最も広い定義が与えられるべきである。本出願に引用される全ての特許、試験手順、及び他の文献は、そのような開示が本出願及びそのような組み込みが許可される全ての権限に矛盾しない程度まで参照により完全に組み込まれる。
【0239】
【表15-1】
【0240】
【表15-2】
【0241】
【表15-3】
【0242】
前述は本発明の実施形態を対象とするが、本発明の他の及び更なる実施形態は、その基本的な範囲から逸脱することなく考案され、その範囲は以下の特許請求の範囲によって決定される。
本願発明には以下の態様が含まれる。
項1.
ブレンド多分散指数(bPDI)マップを使用して、生成物固有のポリオレフィンを作製するための触媒を選択する方法であって、
少なくとも2つの触媒につき複数のポリマーを生成することであって、各ポリマーが、異なる水素対エチレン比率で生成され、前記少なくとも2つの触媒のうちの1つが、高分子量(hmw)ポリマーを生成し、前記少なくとも2つの触媒のうちのもう1つが、低分子量(lmw)ポリマーを生成する、生成することと、
各ポリマーの重量平均分子量及びPDIを測定することと、
前記少なくとも2つの触媒の各々によって生成された前記ポリマーの前記分子量と前記水素対エチレンの比率との間の関係を決定することと、
水素対エチレンの複数の比率のうちの各々に対して、前記少なくとも2つの触媒のブレンドの複数の比率を用いて作製されるであろうポリマーのbPDI曲線族を生成することと、
ポリマー製作プロセスと一致するbPDIを有するポリマーを生成する前記少なくとも2つの触媒のブレンドの比率を選択することと、
前記水素対エチレンの複数の比率の各々でポリマーを生成することにより、前記少なくとも2つの触媒の比率を確認することと、を含む、前記方法。
項2.
触媒に関する、前記分子量と前記水素対エチレンの比率との間の前記関係が、式、
1/M
w=切片+傾き*(H
2/C
2)の線形フィットから決定される、項1に記載の前記方法。
項3.
第1の触媒の前記切片対第2の触媒の前記切片の比率として、b比率を計算することと、
前記第1の触媒の前記傾き対前記第2の触媒の前記傾きの比率として、m比率を計算することと、を含み、
前記触媒ブレンドのb比率/m比率が、約2未満であり、
前記触媒ブレンドの前記b比率が、約5超であり、
前記触媒ブレンドの前記m比率が、約5超であり、
前記低分子量ポリマー(lPDI)の多分散性が、約3.0超であり、
前記高分子量ポリマー(hPDI)の多分散性が、約3.0超である、項2に記載の前記方法。
項4.
前記関係bPDI=[Flmw+Fhmw*(hmw/lmw)]*[Flmw*lPDI+Fhmw*hPDI*(lmw/hmw)]を用いて、bPDI曲線を生成することを含み、式中、
Flmwが、低分子量ポリマー構成成分の重量分率であり、
Fhmwが、高分子量ポリマー構成成分の重量分率であり、
Flmw及びFhmwが、各水素対エチレン比率で前記第1の触媒によって生成されたポリマーの量、及び各水素対エチレン比率で前記第2の触媒によって生成されたポリマーの量から計算され、
lmwが、前記低分子量ポリマー構成成分の前記分子量であり、
hmwが、前記高分子量ポリマー構成成分の前記分子量であり、
lmw及びhmwが、前記分子量と前記水素対エチレンの比率との前記関係から計算され、
lPDIが、前記低分子量ポリマー構成成分の前記多分散性であり、
hPDIが、前記高分子量ポリマー構成成分の前記多分散性であり、
lPDI及びhPDIが、各ポリマーに関して測定される、項1に記載の前記方法。
項5.
前記ポリマー製作プロセスが、吹込成形、射出成形、フィルムインフレーション成形、または回転成形を含む、項1に記載の前記方法。
項6.
前記少なくとも2つの触媒のうちの1つのコモノマー/エチレン取り込み比率の値が、前記少なくとも2つの触媒のうちのもう1つのコモノマー/エチレン取り込み比率の大きさの約0.8未満である、項1に記載の前記方法。
項7.
前記少なくとも2つの触媒のうちの1つの前記コモノマー/エチレン取り込み比率の値が、前記少なくとも2つの触媒のうちのもう1つのコモノマー/エチレン取り込み比率の大きさの約0.25未満である、項1に記載の前記方法。
項8.
生成物固有のポリオレフィンを作製する方法であって、
多分散指数(PDI)マップに少なくとも部分的に基づいて触媒ブレンドを選択することであって、前記多分散性マップが、
少なくとも2つの触媒につき複数のポリマーを生成することであって、各ポリマーが、異なる水素対エチレン比率で生成され、前記少なくとも2つの触媒のうちの1つが、高分子量ポリマーを生成し、前記少なくとも2つの触媒のうちのもう1つが、低分子量ポリマーを生成する、生成することと、
各ポリマーの前記分子量を測定することと、
前記少なくとも2つの触媒の各々によって生成された前記ポリマーの前記分子量と前記水素対エチレンの比率との間の関係を決定することと、
水素対エチレンの複数の比率のうちの各々に対して、前記少なくとも2つの触媒のブレンドの複数の比率を用いて作製されるであろうポリマーのbPDI曲線族を生成することと、
ポリマー製作プロセスと一致するbpdiを有するポリマーを生成する前記少なくとも2つの触媒の前記触媒ブレンドの比率を選択することと、によって生成される、選択することと、
前記触媒ブレンドを用いて前記生成物固有のポリオレフィンを形成することと、を含む、前記方法。
項9.
前記分子量と前記水素対エチレンの比率との間の前記関係が、方程式、
1/M
w=切片+傾き*(H
2/C
2)の線形フィットから決定される、項8に記載の前記方法。
項10.
第1の触媒の前記切片対第2の触媒の前記切片の比率として、b比率を計算することと、
前記第1の触媒の前記傾き対前記第2の触媒の前記傾きの比率として、m比率を計算することと、を含み、
前記触媒ブレンドのb比率/m比率が、約2未満であり、
前記触媒ブレンドの前記b比率が、約5超であり、
前記触媒ブレンドの前記m比率が、約5超であり、
前記低分子量ポリマー(lPDI)の多分散性が、約3.0超であり、
前記高分子量ポリマー(hPDI)の多分散性が、約3.0超である、項9に記載の前記方法。
項11.
前記関係bPDI=[Flmw+Fhmw*(hmw/lmw)]*[Flmw*lPDI+Fhmw*hPDI*(lmw/hmw)]を用いて、bPDI曲線を生成することを含み、式中、
Flmwが、低分子量ポリマー構成成分の重量分率であり、
Fhmwが、高分子量ポリマー構成成分の重量分率であり、
Flmw及びFhmwが、各水素対エチレン比率で前記第1の触媒によって生成されたポリマーの量、及び各水素対エチレン比率で前記第2の触媒によって生成されたポリマーの量から計算され、
lmwが、前記低分子量ポリマー構成成分の前記重量平均分子量であり、
hmwが、前記高分子量ポリマー構成成分の前記重量平均分子量であり、
lmw及びhmwが、前記分子量と前記水素対エチレンの比率との前記関係から計算され、
lPDIが、前記低分子量ポリマー構成成分の前記多分散性であり、
hPDIが、前記高分子量ポリマー構成成分の前記多分散性であり、
lPDI及びhPDIが、各ポリマーに関して測定される、項8に記載の前記方法。
項12.
前記ポリマー製作プロセスが、吹込成形、射出成形、フィルムインフレーション成形、または回転成形を含む、項8に記載の前記方法。
項13.
触媒を含む溶液を、別の触媒を含むスラリーに添加することを含む、項8に記載の前記方法。
項14.
前記ポリオレフィンポリマーから生成物を形成することを含む、項8に記載の前記方法。
項15.
触媒構成成分スラリーを触媒構成成分溶液と継続的に組み合わせて、共通担持触媒系を形成することを含む、項8に記載の前記方法。
項16.
前記ポリオレフィンポリマーの試料を測定して、生成物の初期の特性を得ることと、
前記生成物の初期の特性に少なくとも部分的に基づいて、プロセスパラメータを変更して、生成物の第2の特性を得ることと、を含む、項8に記載の前記方法。
項17.
前記ポリオレフィンポリマーの試料を測定することが、分子量の関数としてコモノマー取り込みを測定することを含む、項16に記載の前記方法。
項18.
試料を測定することが、プラスチック試料の物理的特性を決定することを含む、項16に記載の前記方法。
項19.
試料を測定することが、フローインデックス、メルトインデックス、2つのメルトインデックスの比率、密度、分子量分布、コモノマー含有量、またはこれらの任意の組み合わせを決定することを含む、項16に記載の前記方法。
項20.
プロセスパラメータを変更することが、触媒構成成分スラリーと組み合わされる触媒構成成分のモル量を調整することを含む、項16に記載の前記方法。
項21.
プロセスパラメータを変更することが、反応器温度を調整することを含む、項16に記載の前記方法。
項22.
プロセスパラメータを変更することが、エチレン分圧を調整することを含む、項16に記載の前記方法。
項23.
前記ポリオレフィンポリマーの組成分布、分子量分布、メルトインデックス(I
2)、もしくは2つのメルトインデックスの比率、またはこれらの任意の組み合わせを制御するために、重合反応器内でコモノマー対エチレンの比率を調整することを含む、項8に記載の前記方法。
項24.
前記ポリオレフィンポリマーの組成分布、分子量分布、メルトインデックス(I
2)、もしくは2つのメルトインデックスの比率、またはこれらの任意の組み合わせを制御するために、重合反応器内で前記水素対エチレンの比率を調整することを含む、項8に記載の前記方法。
項25.
ポリエチレンコポリマーを形成するための重合触媒であって、
触媒担体と、
少なくとも2つの触媒のブレンドであって、
前記少なくとも2つの触媒につき複数のポリマーを生成することであって、各ポリマーが、異なる水素対エチレン比率で生成され、前記少なくとも2つの触媒のうちの1つが、高い重量平均分子量(hmw)を有するポリマーを生成し、前記少なくとも2つの触媒のうちのもう1つが、低い重量平均分子量(lmw)を有するポリマーを生成し、hmw対lmwの比率が、約30,000〜約150,000の重量平均分子量で、約5.0超である、生成することと、
各ポリマーの前記分子量を測定することと、
前記少なくとも2つの触媒の各々によって生成された前記ポリマーの前記分子量と前記水素対エチレンの比率との間の関係を決定することと、
水素対エチレンの複数の比率のうちの各々に対して、前記少なくとも2つの触媒のブレンドの複数の比率を用いて作製されるであろうポリマーのbPDI曲線族を生成することと、
ポリマー製作プロセスと一致するbPDIを有するポリマーを生成する前記少なくとも2つの触媒の前記触媒ブレンドの比率を選択することと、によって選択される、少なくとも2つの触媒のブレンドと、を含む、前記重合触媒。
項26.
前記触媒担体上に含浸された触媒が、ビス(n−プロピルシクロペンタジエニル)ハフニウム(CH
3)
2、ビス(n−プロピルシクロペンタジエニル)ハフニウムF
2、ビス(n−プロピルシクロペンタジエニル)ハフニウムCl
2、またはこれらの任意の組み合わせである、項25に記載の前記系。
項27.
前記触媒担体上に含浸された触媒が、ビス(n−ブチル,メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム(CH
3)
2、ビス(n−ブチル,メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムCl
2、ビス(n−ブチル,メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムF
2、またはこれらの任意の組み合わせである、項25に記載の前記系。
項28.
前記触媒担体上に含浸された触媒が、ビス(1−エチルインデニル)ジルコニウム(CH
3)
2、ビス(1−エチルインデニル)ジルコニウムF
2、ビス(1−エチルインデニル)ジルコニウムCl
2、またはこれらの任意の組み合わせである、項25に記載の前記系。
項29.
前記触媒担体上に含浸された触媒が、式、
【化1】
によって表される、項25に記載の前記系。
項30.
前記触媒担体上に含浸された触媒が、次の式、
【化2】
によって表される化合物のうちのいずれか1つ、または任意の組み合わせであり、式中、R
1及びR
2が各々、独立して、メチル、クロロ、フルオロ、またはヒドロカルビル基である、項25に記載の前記系。
項31.
ポリエチレンコポリマーを形成するための重合触媒であって、
触媒担体と、
前記触媒担体上に含浸される第1の触媒であって、前記第1の触媒が、H
2/C
2対1/Mwのプロットに関して、約1.0×10
−6〜約1.5×10
−6の傾きを有するポリマーを生成し、かつ約0.008〜約0.012のC
6/C
2比率で、約1.0dg/10分のMI、約0.92g/ccの密度、及び約25未満のメルトインデックス比(MIR)を有するポリマーを生成する、第1の触媒と、
前記第1の触媒と共に前記触媒担体上に含浸される第2の触媒であって、前記第2の触媒が、H
2/C
2対1/Mwのプロットに関して、約3.0×10
−6〜約4×10
−6の傾きを有するポリマーを生成し、かつ約0.03〜約0.04のC
6/C
2比率で、約1.0dg/10分のMI、約0.92g/ccの密度、及び約25未満のメルトインデックス比(MIR)を有するポリマーを生成する、第2の触媒と、を含む、前記重合触媒。
項32.
前記触媒担体上に含浸された触媒が、ビス(n−プロピルシクロペンタジエニル)ハフニウム(CH
3)
2、ビス(n−プロピルシクロペンタジエニル)ハフニウムF
2、ビス(n−プロピルシクロペンタジエニル)ハフニウムCl
2、またはこれらの任意の組み合わせである、項31に記載の前記系。
項33.
前記触媒担体上に含浸された触媒が、ビス(n−ブチル,メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム(CH
3)
2、ビス(n−ブチル,メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムCl
2、ビス(n−ブチル,メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムF
2、またはこれらの任意の組み合わせである、項31に記載の前記系。
項34.
前記触媒担体上に含浸された触媒が、ビス(1−エチルインデニル)ジルコニウム(CH
3)
2、ビス(1−エチルインデニル)ジルコニウムF
2、ビス(1−エチルインデニル)ジルコニウムCl
2、またはこれらの任意の組み合わせである、項31に記載の前記系。
項35.
前記触媒担体上に含浸された触媒が、式、
【化3】
によって表される、項31に記載の前記系。
項36.
前記触媒担体上に含浸された触媒が、次の式、
【化4】
によって表される化合物のうちのいずれか1つ、または任意の組み合わせであり、式中、R
1及びR
2が各々、独立して、メチル、クロロ、フルオロ、またはヒドロカルビル基である、項31に記載の前記系。
項37.
クロム触媒が、前記触媒担体上に含浸される、項31に記載の前記系。
項38.
従来型の遷移金属触媒が、前記触媒担体上に含浸される、項31に記載の前記系。
項39.
前記触媒担体が、シリカを含む、項31に記載の前記系。
項40.
前記触媒担体が、アルミノキサンを含む、項31に記載の前記系。
項41.
前記触媒担体上に含浸された触媒が、式、
Cp
ACp
BMX
nまたはCp
A(A)Cp
BMX
n
を有し、式中、Mが、第4、5または6族の原子であり、Cp
A及びCp
Bが各々、Mに結合し、かつ独立して、シクロペンタジエニル配位子、置換シクロペンタジエニル配位子、シクロペンタジエニルにイソローバルな配位子、及びシクロペンタジエニルにイソローバルな置換配位子からなる群から選択され、(A)が、二価のC
1〜C
20ヒドロカルビル及びC
1〜C
20ヘテロ原子含有ヒドロカルボニルからなる群から選択される、Cp
A及びCp
Bの両方に結合した二価の架橋基であり、前記ヘテロ原子含有ヒドロカルボニルが、1〜3個のヘテロ原子を含み、各Xが独立して、塩素イオン、臭素イオン、C
1〜C
10アルキル、C
2〜C
12アルケニル、カルボキシレート、アセチルアセトネート、またはアルコキシドであり、nが、1〜3の整数である、項31に記載の前記系。
項42.
前記触媒担体上に含浸された触媒が、式、
【化5】
を有し、式中、Mが、第3〜12族の遷移金属または第13もしくは14族の主族金属であり、各Xが独立して、アニオン性離脱基であり、yが、0または1であり、nが、Mの酸化状態であり、mが、YZLまたはYZL’によって表される配位子の形式電荷であり、Lが、第15または16族の元素であり、L’が、第15もしくは16族の元素であるか、または第14族含有基であり、Yが、第15族の元素であり、Zが、第15族の元素であり、R
1及びR
2が独立して、C
1〜C
20炭化水素基、最大20個の炭素原子を有するヘテロ原子含有基、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、鉛、またはリンであり、R
1及びR
2が、互いに相互接続され得、R
3が、不在であるか、炭化水素基、水素、ハロゲン、またはヘテロ原子含有基であり、R
4及びR
5が独立して、アルキル基、アリール基、置換アリール基、環状アルキル基、置換環状アルキル基、環状アラルキル基、置換環状アラルキル基、または多環系であり、R
4及びR
5が、互いに相互接続され得、R
6及びR
7が独立して、不在であるか、水素、アルキル基、ハロゲン、ヘテロ原子、またはヒドロカルビル基であり、R
*が、不在であるか、水素、第14族原子含有基、ハロゲン、またはヘテロ原子含有基である、項31に記載の前記系。
項43.
形成された前記ポリエチレンコポリマーが、約1:2〜1:5の高分子量構成成分対低分子量構成成分の分子量比を有する、項31に記載の前記系。
項44.
形成された前記ポリエチレンコポリマーが、低分子量構成成分の密度より約0.02〜約0.05少ない高分子量構成成分の密度を有する、項31に記載の前記系。
項45.
形成された前記ポリエチレンコポリマーが、約75,000〜約150,000の重量平均分子量を持つ高分子量構成成分を有する、項31に記載の前記系。
項46.
形成された前記ポリエチレンコポリマーが、約10,000〜約40,000の重量平均分子量を持つ低分子量構成成分を有する、項31に記載の前記系。
項47.
形成された前記ポリエチレンコポリマーが、約90,000〜約110,000の重量平均分子量を有する、項31に記載の前記系。