(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記突出部は、少なくとも、前記中心電極と前記接地電極の前記接続部とが並ぶ横方向(X)、及び軸方向(Z)の双方に直交する縦方向(Y)における前記接地電極の端部に位置している、請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関用のスパークプラグ。
前記接地電極は、本体部(322)と、前記接地電極の長手方向における前記本体部の前記接続部と反対側に形成されているとともに、前記中心電極と前記接地電極の前記接続部とが並ぶ横方向(X)及び軸方向(Z)の双方に直交する縦方向(Y)において、前記本体部の長さL2よりも小さい長さL1を有する幅狭部(33)と、を備え、前記突出部は、前記幅狭部の少なくとも一部によって構成されている、請求項1又は2に記載の内燃機関用のスパークプラグ。
前記接地電極は、前記ギャップ形成方向における前記ギャップ外側と反対側であるギャップ内側(G2)に向かって突出するとともに、前記中心電極との間に前記火花放電ギャップを形成する内側突起部(332)を有する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の内燃機関用のスパークプラグ。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態1における、スパークプラグの断面図。
【
図2】実施形態1における、スパークプラグの先端部周辺を縦方向から見た図。
【
図3】実施形態1における、スパークプラグの先端部周辺を横方向から見た図。
【
図5】実施形態1のスパークプラグを取り付けた点火装置の断面図。
【
図6】実施形態1における、点火装置のスパークプラグの先端部周辺の拡大正面図であって、混合気の気流の流れを模式的に表した説明図。
【
図7】実施形態1における、点火装置のスパークプラグの先端部周辺の拡大正面図であって、初期の放電火花を表した説明図。
【
図8】実施形態1における、点火装置のスパークプラグの先端部周辺の拡大正面図であって、初期の放電火花の接地電極側起点が電界集中部の基端部に流された状態を示す説明図。
【
図9】実施形態1における、点火装置のスパークプラグの先端部周辺の拡大正面図であって、放電火花の接地電極側起点が、電界集中部上を移動する様子を説明するための説明図。
【
図10】実施形態1における、点火装置のスパークプラグの先端部周辺の拡大正面図であって、放電火花の接地電極側起点が、電界集中部の先端部に到達した状態を示す説明図。
【
図11】実施形態1における、点火装置のスパークプラグの先端部周辺の拡大側面図であって、接地電極側起点の移動の様子を説明するための説明図。
【
図12】実施形態2における、スパークプラグの先端部周辺を縦方向から見た図。
【
図13】実施形態2における、スパークプラグの先端部周辺を横方向から見た図。
【
図15】実施形態3における、スパークプラグの先端部周辺を縦方向から見た図。
【
図16】実施形態3における、スパークプラグの先端部周辺を横方向から見た図。
【
図18】実施形態4における、スパークプラグの先端部周辺を縦方向から見た図。
【
図19】実施形態4における、スパークプラグの先端部周辺を横方向から見た図。
【
図21】実施形態5における、スパークプラグの先端部周辺を縦方向から見た図。
【
図22】実施形態5における、スパークプラグの先端部周辺を横方向から見た図。
【
図24】実施形態6における、スパークプラグの先端部周辺を縦方向から見た図。
【
図25】実施形態6における、スパークプラグの先端部周辺を横方向から見た図。
【
図27】実施形態6における、幅狭部の側方を通過する気流を説明するための説明図。
【
図28】実施形態7における、スパークプラグの先端部周辺を縦方向から見た図。
【
図29】実施形態7における、スパークプラグの先端部周辺を横方向から見た図。
【
図31】実施形態8における、スパークプラグの先端部周辺を縦方向から見た図。
【
図32】実施形態8における、スパークプラグの先端部周辺を横方向から見た図。
【
図33】
図29の、XXXIII−XXXIII線矢視断面図。
【
図34】実施形態9における、スパークプラグの先端部周辺を縦方向から見た図。
【
図35】実施形態9における、スパークプラグの先端部周辺を横方向から見た図。
【
図37】実施形態10における、スパークプラグの先端部周辺を縦方向から見た図。
【
図38】実施形態10における、スパークプラグの先端部周辺を横方向から見た図。
【
図40】実施形態11における、スパークプラグの先端部周辺を縦方向から見た図。
【
図41】実施形態11における、スパークプラグの先端部周辺を横方向から見た図。
【
図43】実施形態12における、スパークプラグの先端部周辺を縦方向から見た図。
【
図44】実施形態13における、スパークプラグの先端部周辺を縦方向から見た図。
【
図45】実施形態13における、スパークプラグの先端部周辺を横方向から見た図。
【
図47】実施形態14における、スパークプラグの先端部周辺を縦方向から見た図。
【
図48】実施形態14における、スパークプラグの先端部周辺を横方向から見た図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施形態1)
内燃機関用のスパークプラグの実施形態につき、
図1〜
図11を用いて説明する。
本実施形態の内燃機関用のスパークプラグ1は、
図1に示すごとく、ハウジング11と絶縁碍子12と中心電極2と接地電極3とを有する。ハウジング11は、筒状を呈している。絶縁碍子12は、ハウジング11の内側に保持されている。また、絶縁碍子12は、筒状を呈している。中心電極2は、先端部が突出するように絶縁碍子12の内側に保持されている。
図1〜
図3に示すごとく、接地電極3は、ハウジングに接続される接続部300を有する。また、接地電極3は、中心電極2との間に火花放電ギャップ10を形成する。接地電極3は、中心電極2と火花放電ギャップ10と接地電極3とが並ぶギャップ形成方向Gにおける、中心電極2側と反対側であるギャップ外側G1に向かって突出した突出部321を有する。
【0012】
スパークプラグ1は、例えば、自動車、コージェネレーション等の内燃機関における着火手段として用いることができる。スパークプラグ1の軸方向Zにおいて、スパークプラグ1の一端は、図示しない点火コイルと接続され、他端は、
図5に示すごとく、内燃機関の燃焼室103内に配される。
【0013】
なお、単に軸方向Zといったときは、スパークプラグ1の中心軸が延びる方向を意味するものとする。また、軸方向Zにおいて、スパークプラグ1における点火コイルと接続される側を基端側といい、スパークプラグ1における燃焼室103内に配される側を先端側という。また、単に径方向といったときは、スパークプラグ1の径方向を意味するものとする。また、ギャップ形成方向Gにおいて、ギャップ外側G1と反対側をギャップ内側G2という。便宜上、ギャップ外側G1をG1側といい、ギャップ内側G2をG2側という。なお、後述するように、本実施形態において、ギャップ形成方向Gは、軸方向Zであり、G1側は先端側と同じ側であり、G2側は基端側と同じ側である。
【0014】
図1、
図5に示すごとく、ハウジング11には、スパークプラグ1をエンジンヘッド101に設けられた雌ネジ孔102に取り付けるための取付ネジ部111が形成されている。
図1に示すごとく、絶縁碍子12は、先端部をハウジング11の先端側に突出させ、基端部をハウジング11の基端側に突出させつつ、ハウジング11に保持されている。絶縁碍子12内の先端側の領域に、中心電極2が挿通保持されている。
【0015】
中心電極2は、全体として略円柱形状を呈している。
図1〜
図3に示すごとく、中心電極2は、先端部に、先端側へ向かうほど縮径する円錐台形状の縮径部21を有する。そして、縮径部21の先端面には、中心電極チップ22が接合されている。中心電極チップ22は、IrやPt等の貴金属からなる。
【0016】
接地電極3は、後述する立設部31及び内向部32を有する。本実施形態において、接地電極3の立設部31と内向部32とは、1つの金属板材を曲げ加工して形成される。接地電極3は、立設部31側の端部である接続部300において、ハウジング11の先端面に接続されている。本実施形態において、接地電極3は、Niを主成分とするNi基合金からなる。
【0017】
立設部31は、ハウジング11の先端部から先端側へ向かって、軸方向Zに沿って立設している。立設部31の厚み方向は、接続部300と中心電極2とが並ぶ方向である横方向Xとなっている。なお、以後、横方向Xにおける、中心電極2に対する接続部300側をX2側といい、その反対側をX1側という。横方向Xは、軸方向Zに直交する。
【0018】
図2、
図3に示すごとく、内向部32は、立設部31の先端から径方向の内側に向かって延びている。内向部32は、直線部320と突出部321とを有する。直線部320は、立設部31の先端から横方向XにおけるX1側に向かって横方向Xに沿って真っ直ぐ延びており、横方向Xにおいて一様な形状を有する。直線部320の厚み方向は、軸方向Zとなっている。突出部321は、直線部320からG1側に突出している。すなわち、本実施形態において、突出部321は、接地電極3の内向部32に形成されている。なお、
図3においては、横方向Xから見たときの、直線部320の輪郭位置を破線にて表している。
【0019】
本実施形態において、中心電極チップ22の先端面221と接地電極3の直線部320の基端側の面とは、軸方向Zに対向している。そして、軸方向Zにおける中心電極チップ22の先端面221と直線部320の基端側の面との間に、火花放電ギャップ10が形成されている。すなわち、前述したように、本実施形態において、ギャップ形成方向Gは、軸方向Zである。なお、
図4において、ギャップ形成方向Gに直交する方向における、中心電極チップ22の先端面221の輪郭の位置を、破線にて示している。
【0020】
突出部321は、直線部320から、G1側に向かって突出している。突出部321は、全体として略矩形板状を呈している。
図2に示すごとく、突出部321は、少なくとも、接地電極3の長手方向における接地電極3の接続部300と反対側の端部に位置している。本実施形態において、突出部321は、内向部32のX1側の端部に位置している。そして、突出部321は、直線部320のX1側の端部から、G1側に向かって突出形成されている。直線部320及び突出部321を含む内向部32のX1側の端面は、横方向Xに直交する面上に、面一に形成されている。また、
図2、
図4に示すごとく、突出部321は、中心電極チップ22の先端面221に対してギャップ形成方向Gに重なる位置に配されている。なお、
図4においては、ギャップ形成方向Gから見たときの突出部321の輪郭を破線にて表している。
【0021】
図3に示すごとく、突出部321は、少なくとも、横方向X及び軸方向Zの双方に直交する縦方向Yにおける接地電極3の端部に位置している。本実施形態において、突出部321は、直線部320における縦方向Yの全体の領域から、G1側に向かって突出形成されている。内向部32における縦方向Yの端面は、縦方向Yに直交する面上に、面一に形成されている。また、本実施形態において、突出部321は、接地電極3におけるG1側の端部に位置している。換言すると、接地電極3における最もG1側の部位は、突出部321である。
【0022】
図2、
図3に示すごとく、接地電極3の長手方向における接地電極3の接続部300と反対側の端部は、ギャップ形成方向Gの一端から他端までにわたって、ギャップ形成方向Gに沿った直線状に形成された電界集中部30を有する。本実施形態において、電界集中部30は、内向部32のX1側の面と、縦方向Yの両側の面と、の間の角部である。電界集中部30は、例えば本実施形態のように、接地電極3に連続した線状の角を形成することにより、その周囲の電界強度が接地電極3の他の部位の周囲の電界強度よりも比較的高くなる部位である。
【0023】
図1に示すごとく、絶縁碍子12の内側において、中心電極2の基端側には、導電性を有するガラスシール13を介して抵抗体14が配置されている。抵抗体14は、カーボン又はセラミック粉末等の抵抗材及びガラス粉末を含むレジスタ組成物を加熱封着することにより形成する、或いはカートリッジ型抵抗体を挿入することによって構成することができる。ガラスシール13は、ガラスに銅粉を混入させてなる銅ガラスからなる。また、抵抗体14の基端側には、銅ガラスからなるガラスシール13を介してステム15が配されている。ステム15は、例えば鉄合金からなる。スパークプラグ1は、ステム15において、点火コイルに接続される。
【0024】
次に、
図5、
図6に示すごとく、本実施形態のスパークプラグ1を内燃機関に取り付けてなる点火装置100について説明する。
図6に示すごとく、スパークプラグ1は、縦方向Yが、火花放電ギャップ10を通過する混合気の気流Fの方向となるような姿勢で配されている。なお、以後、火花放電ギャップ10を流れる混合気の気流Fの下流側を、単に下流側といい、火花放電ギャップ10を流れる混合気の気流Fの上流側を、単に上流側という。
【0025】
図5に示すごとく、スパークプラグ1は、取付ネジ部111において、内燃機関のエンジンヘッド101に設けられた雌ネジ孔102に螺合されている。これにより、スパークプラグ1がエンジンヘッド101に締結固定されている。さらに、スパークプラグ1の先端部分が燃焼室103内に配される。このとき、
図6に示すごとく、火花放電ギャップ10に流れる混合気の気流Fの方向に対して、接地電極3の立設部31からの直線部320の延設方向が直交するように、スパークプラグ1をエンジンヘッド101に取り付ける。
【0026】
次に、
図6を参照しつつ、火花放電ギャップ10周辺の混合気の気流Fの流れの様子について説明する。
火花放電ギャップ10よりも上流側においては、縦方向Yに沿って気流Fが流れる。そして、スパークプラグ1を燃焼室103に対して前述の姿勢で取り付けたことによって、混合気が火花放電ギャップ10を通過する際、混合気の気流Fは、内向部32における縦方向Yの両側面のうちの下流側の面に沿うように先端側に向かって曲げられる。そのため、混合気の気流Fは、火花放電ギャップ10を通過する際、下流側に向かうにつれて徐々に先端側に向って曲げられる。
【0027】
次に、
図7〜
図11を用いて、放電火花Sの起点が移動する様子の一例について説明する。
なお、以後、放電火花Sの接地電極3側の起点を接地電極側起点S1という。また、
図11において、
図7、
図8に示す接地電極側起点S1の位置を符号S11にて表しており、
図9に示す接地電極側起点S1の位置を符号S12にて表しており、
図10に示す接地電極側起点S1の位置を符号S13にて表しており、
図10に示す接地電極側起点S1の位置を符号S14にて表している。
図12においては、各サイクルにおいて、接地電極側起点S1が、経時的に、S11の位置、S12の位置、S13の位置の順にて移動することを示している。
【0028】
図7に示すごとく、中心電極2と接地電極3との間に所定の電圧を印加することにより、火花放電ギャップ10に火花放電が生じる。そして、
図7〜
図10に示すごとく、火花放電によって生じた放電火花Sは、両起点間の部位が、燃焼室内103内の気流F(
図6参照。以後、気流Fといったときは同様とする。)によって経時的に下流側に引き伸ばされながら、経時的に放電火花Sの接地電極側起点S1が移動する。
【0029】
図7に示すごとく、初期の火花放電は、例えば、中心電極チップ22の先端面221と、直線部320の基端側の面とを起点として生じる。すなわち、中心電極2と接地電極3とは、中心電極チップ22の先端面221と直線部320の基端側の面との間の距離が最も小さくなるため、中心電極チップ22の先端面221と直線部320の基端側の面とが初期の火花放電の起点となりやすい。
【0030】
次に、放電火花Sが気流Fに押されることにより、接地電極側起点S1は、直線部320の基端側の面から、
図8に示すごとく、下流側に位置する電界集中部30の基端部に移動する。そして、放電火花Sが気流Fによってさらに押されることにより、
図9に示すごとく、接地電極側起点S1は、電界集中部30上を這うように、先端側に移動し、直線部320の表面から突出部321の表面へ移動し、やがて電界集中部30の先端部まで移動する。
【0031】
以上のように、接地電極側起点S1が移動する。そして、
図7〜
図10に示すごとく、前述の接地電極側起点S1の移動に伴い、放電火花Sは、両起点間の直線距離を拡大するとともに、両起点間の部位が下流側、すなわち斜め先端側に大きく引き伸ばされる。そして、放電火花Sが引き伸ばされている間に、放電火花Sによって混合気が着火される。
【0032】
次に本実施形態の作用効果につき説明する。
スパークプラグ1において、接地電極3は、ギャップ形成方向GのG1側に向かって突出した突出部321を有する。これにより、火花放電ギャップ10に生じた放電火花における接地電極3側の起点は、突出部321の表面上を這うように、ギャップ形成方向GのG1側に向かって移動することとなる。これにより、ギャップ形成方向Gにおける放電火花の両起点間の距離を増やすことができる。これに伴い、放電火花の両起点間の部位を、燃焼室103内の混合気の下流側に大きく引き伸ばしやすい。その結果、放電火花から混合気への着火性を向上させることができる。すなわち、放電火花が引き伸ばされるにつれて放電火花から混合気への熱量の移動が促進されやすくなるため、本実施形態のスパークプラグ1は、放電火花から混合気への着火性を向上させることができる。
【0033】
ここで、ギャップ形成方向Gにおける放電火花の両起点間の距離を増やさずに放電火花が引き伸ばされた場合、放電火花は早期に短絡しやすくなってしまい、これにより混合気への着火性が悪化してしまう。一方、本実施形態のスパークプラグ1は、ギャップ形成方向Gにおける放電火花の両起点間の距離を増やしながら放電火花が引き伸ばされるため、放電火花の早期の短絡を防止し、これによって混合気への着火性を向上させることもできる。
【0034】
また、突出部321は、少なくとも、接地電極3の長手方向における接地電極3の接続部300と反対側の端部に位置している。それゆえ、突出部321を、初期の火花放電の接地電極3側の起点に近付けやすい。そのため、火花放電の接地電極3側の起点を、突出部321の表面に導きやすい。そのため、前述の放電火花の引き伸ばしの効果を確実に得やすい。
【0035】
さらに、接地電極3の長手方向における接地電極3の接続部300と反対側の端部は、ギャップ形成方向Gの一端から他端までにわたって、ギャップ形成方向Gに沿った直線状に形成された電界集中部30を有する。それゆえ、放電火花の接地電極3側の起点は、電界集中部30上を這うようにG1側に向かって移動しやすい。これにより、一層放電火花を引き伸ばしやすく、混合気への着火性を向上させやすい。
【0036】
また、突出部321は、接地電極3におけるG1側の端部に位置している。それゆえ、火花放電の接地電極3側の起点を、一層G1側に移動させることができ、放電火花の引き伸ばしの効果を一層得ることができる。
【0037】
また、突出部321は、少なくとも、縦方向Yにおける接地電極3の端部に位置している。それゆえ、縦方向Yが、燃焼室内の混合気の気流の方向と同じ方向となるよう、スパークプラグ1が内燃機関に取り付けられた場合において、放電火花の接地電極3側の起点は、縦方向Yにおける接地電極3の端部に形成された突出部321上に導かれやすい。それゆえ、前述の放電火花の引き伸ばしの効果を一層確実に得やすい。
【0038】
以上のごとく、本実施形態によれば、混合気への着火性の向上を図ることができる内燃機関用のスパークプラグを提供することができる。
【0039】
(実施形態2)
図12〜
図14に示すごとく、本実施形態は、接地電極3が、本体部322と幅狭部33とを備える実施形態である。幅狭部33は、接地電極3の長手方向における本体部322の接続部300と反対側に形成されているとともに、縦方向Yにおいて、本体部322の長さL2よりも小さい長さL1を有する。そして、突出部321は、幅狭部33の少なくとも一部によって構成されている。
【0040】
本実施形態において、
図12、
図14に示すごとく、本体部322のX1側の端面である本体端面322dは、軸方向Zから見たとき、中心電極チップ22の先端面221よりも横方向XのX2側に位置している。
【0041】
図12〜
図14に示すごとく、幅狭部33は、本体部322の本体端面322dに接合されている。本体部322と幅狭部33とは、互いに別体である。
図12、
図14に示すごとく、幅狭部33は、その側面の一つである溶接面331を本体部322の本体端面322dと平行にして、溶接面331にて本体部322の本体端面322dに溶接されている。
【0042】
幅狭部33は、中心電極チップ22の先端面221とギャップ形成方向Gに重なる位置に配されている。
図12に示すごとく、軸方向Zにおける中心電極チップ22と幅狭部33との間に、火花放電ギャップ10が形成されている。すなわち、本実施形態においても、ギャップ形成方向Gは軸方向Zである。そして、本実施形態においても、G1側は先端側と同じ側であり、G2側は基端側と同じ側である。
【0043】
幅狭部33は、ギャップ形成方向Gに高さを有する多角柱形状、具体的には四角柱形状を有する。本実施形態において、幅狭部33は、ギャップ形成方向Gに直交する断面の形状が四角形のうちの正方形である。
【0044】
図12、
図13に示すごとく、ギャップ形成方向Gにおいて、幅狭部33は、本体部322の本体端面322dよりも大きく形成されている。そして、幅狭部33は、本体部322の本体端面322dよりもG1側に突出しているとともに、G2側にも突出している。本実施形態において、幅狭部33における、本体部322の本体端面322dよりもG1側に突出した部位が、突出部321である。また、幅狭部33における、本体部322の本体端面322dよりもG2側に突出した部位が、内側突起部332である。内側突起部332は、ギャップ形成方向GのG2側に向かって突出するとともに、中心電極2との間に火花放電ギャップ10を形成する。内側突起部332は、幅狭部33における、本体部322の直線部320の基端側の面よりもG2側に突出している。
【0045】
突出部321は、ギャップ形成方向Gに直交する断面形状が、四角形、具体的には正方形状である。同様に、内側突起部332は、ギャップ形成方向Gに直交する断面形状が、四角形、具体的には正方形である。そして、
図13に示すごとく、縦方向Yの突出部321の長さは、本体部322の縦方向Yの長さL2よりも小さい。また、縦方向Yの内側突起部332の長さは、本体部322の縦方向Yの長さよりも小さい。
【0046】
図12〜
図14に示すごとく、幅狭部33におけるX1側の端面と、縦方向Yとの端面との間の角部が、電界集中部30を構成している。電界集中部30は、幅狭部33におけるギャップ形成方向Gの一端から他端までにわたって、ギャップ形成方向Gに沿った直線状に形成されている。
【0047】
本実施形態において、本体部322は、Niを主成分とするNi基合金からなり、幅狭部33は、IrやPt等の貴金属からなる。
【0048】
本実施形態において、初期の火花放電は、幅狭部33の内側突起部332のG2側の面と中心電極チップ22の先端面221とを起点として生じる。その後、放電火花の接地電極3側の起点は、電界集中部30上を、G1側に向かって移動する。
【0049】
その他は、実施形態1と同様である。
なお、実施形態2以降において用いた符号のうち、既出の実施形態において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、既出の実施形態におけるものと同様の構成要素等を表す。
【0050】
本実施形態において、接地電極3は、本体部322と幅狭部33とを備える。そして、突出部321は、幅狭部33の少なくとも一部によって構成されている。それゆえ、突出部321を形成した場合でも、接地電極3の体積の増大を抑制することができる。これにより、火花放電ギャップ10に生じた火炎の熱が接地電極3に奪われることによる冷損を低減し、もって混合気への着火性を向上させることができる。
【0051】
また、接地電極3は、内側突起部332を有する。それゆえ、接地電極3と中心電極2との間の空間を確保しながら、火花放電ギャップ10を小さくしやすい。接地電極3と中心電極2との間の空間を確保することにより、火花放電ギャップ10に生じた火炎の熱が接地電極3等に奪われることによる冷損を低減しやすく、もって混合気への着火性を向上させやすい。また、火花放電ギャップ10を小さくすることにより、要求される放電電圧を小さくしやすい。
【0052】
また、本体部322と幅狭部33とは互いに別体である。そのため、例えば、消耗が懸念される突出部321を備えた幅狭部33を貴金属等の耐消耗性に優れた材料で構成する一方、比較的消耗が懸念されない本体部322は、安価な材料で構成することができる。これにより、製造コストの低減を図ることができる。
その他、実施形態1と同様の作用効果を有する。
【0053】
(実施形態3)
図15〜
図17に示すごとく、本実施形態は、実施形態2と基本構造を同じくしつつ、幅狭部33の基端面に、接地電極チップ34を接合した実施形態である。接地電極チップ34は、ギャップ形成方向Gに高さを有する円柱状に形成されている。そして、接地電極チップ34は、内向部32の内側突起部332の少なくとも一部を構成している。本実施形態において、初期の火花放電は、中心電極チップ22の先端面221と接地電極チップ34の基端側の端面とを起点として生じる。接地電極チップ34は、IrやPt等の貴金属からなる。
その他は、実施形態2と同様である。
【0054】
本実施形態においては、初期の火花放電の起点を、比較的消耗し難い貴金属によって構成している。それゆえ、接地電極3における接地電極チップ34以外の部位に関しては、細径化を図りやすい。これにより、火花放電ギャップ10に生じた火炎の熱が接地電極3に奪われることによる冷損を低減し、もって混合気への着火性を向上させることができる。
その他、実施形態2と同様の作用効果を有する。
【0055】
(実施形態4)
図18〜
図20に示すごとく、本実施形態は、実施形態2に対して、幅狭部33の形状を変更した実施形態である。本実施形態において、幅狭部33は、ギャップ形成方向Gに高さを有する三角柱形状を呈している。すなわち、
図20に示すごとく、幅狭部33は、ギャップ形成方向Gに直交する断面の形状が、三角形である。これに伴い、突出部321は、ギャップ形成方向Gに直交する断面形状が、三角形である。同様に、内側突起部332は、ギャップ形成方向Gに直交する断面形状が、三角形である。
【0056】
図18、
図20に示すごとく、幅狭部33は、その側面の一つである溶接面331を本体部322の本体端面322dと平行にして、溶接面331にて本体部322の本体端面322dに溶接されている。そして、幅狭部33の側面のうち、縦方向Yの両側の一対の面の間に、ギャップ形成方向Gに沿った直線状の電界集中部30が形成されている。
その他は、実施形態2と同様である。
【0057】
本実施形態においては、燃焼室内の気流が、接地電極3の電界集中部30以外の部位に干渉することなく、直接電界集中部30に当たりやすい。そのため、火花放電の接地電極3側の起点の移動をスムーズにしやすく、一層放電火花を引き伸ばしやすい。
その他、実施形態2と同様の作用効果を有する。
【0058】
(実施形態5)
図21〜
図23に示すごとく、本実施形態も、実施形態2に対して、幅狭部33の形状を変更した実施形態である。本実施形態において、幅狭部33は、ギャップ形成方向Gに高さを有する五角柱形状を呈している。すなわち、
図23に示すごとく、幅狭部33は、ギャップ形成方向Gに直交する断面の形状が、五角形のうちのホームベース形である。すなわち、幅狭部33は、ギャップ形成方向Gに直交する断面形状が、縦方向Yに長い長方形状を有する長方形部333と、長方形部333からX1側に向かうに連れて縦方向Yの寸法が小さくなる三角形状を有する三角形部334とを有する。また、突出部321は、ギャップ形成方向Gに直交する断面の形状が、ホームベース形である。同様に、内側突起部332は、ギャップ形成方向Gに直交する断面の形状が、ホームベース形である。
【0059】
図21、
図23に示すごとく、幅狭部33は、その側面のうち、長方形部333における三角形部334と反対側の面、すなわちX2側の面において、本体部322の本体端面322dに溶接されている。そして、幅狭部33の側面のうち、長方形部333の縦方向Yの端面と三角形部334の側面との間、及び、三角形部334の一対の側面の間、にギャップ形成方向Gに沿った直線状の電界集中部30が形成されている。すなわち、幅狭部33における、X1側の端部、及び、縦方向Yの両側の端部に、計3つの電界集中部30が形成されている。
その他は、実施形態2と同様である。
【0060】
本実施形態においては、複数の電界集中部30が、前述の位置に形成されている。そのため、燃焼室内の気流の向き、速度が変動した場合であっても、複数の電界集中部30の少なくとも1つは、接地電極3の下流側に位置しやすい。それゆえ、燃焼室内の気流の向き、速度の変動が生じた場合であっても、放電火花の引き伸ばしの効果を一層得やすい。さらに、電界集中部30を複数形成することにより、各電界集中部30の周囲の電界強度を向上させることができる。それゆえ、放電開始時の要求電圧を低減することができる。これにより、近年の、過給エンジン、高圧縮比エンジン等のスパークプラグ1の点火のために要求される電圧が比較的高いエンジンにも、有効に用いることができるスパークプラグ1を提供することができる。
その他、実施形態2と同様の作用効果を有する。
【0061】
(実施形態6)
図24〜
図27に示すごとく、本実施形態も、実施形態2に対して、幅狭部33の形状を変更した実施形態である。本実施形態において、幅狭部33は、ギャップ形成方向Gに高さを有する円柱形状を呈している。すなわち、
図26に示すごとく、幅狭部33は、ギャップ形成方向Gに直交する断面の形状が、円形である。これに伴い、突出部321は、ギャップ形成方向Gに直交する断面形状が、円形である。同様に、内側突起部332は、軸方向Zに直交する断面形状が、円形である。
【0062】
図24、
図26に示すごとく、幅狭部33は、その側面の一部において、本体部322の本体端面322dに溶接されている。本体部322の本体端面322dにおける幅狭部33が接合される部位は、幅狭部33の外周面に沿うように凹んだ形状を有する。本実施形態において、円柱形状の幅狭部33の略全周に、軸方向Zに沿って連続的に形成された電界集中部30を有する。
その他は、実施形態2と同様である。
【0063】
本実施形態においては、
図27に示すごとく、火花放電ギャップ10を通過する気流Fが、幅狭部33によって乱されることを抑制することができる。すなわち、火花放電ギャップ10を通過する気流は、幅狭部33の側面を通過する際、幅狭部33の滑らかな曲面状の側面に沿って進むため、幅狭部33を通過した後の気流において乱れが生じ難い。それゆえ、安定して、火花放電ギャップ10の引き伸ばしを実現することができる。
【0064】
さらに、幅狭部33を円柱形状にすることにより、幅狭部33を、圧延等により容易に形成しやすく、スパークプラグ1の生産性の向上を図ることもできる。
その他、実施形態2と同様の作用効果を有する。
【0065】
(実施形態7)
図28〜
図30に示すごとく、本実施形態は、実施形態2に対して、幅狭部33の形状を同様としつつ、本体部322への取付姿勢を変更した実施形態である。
図30に示すごとく、幅狭部33は、
図14に示す実施形態2の幅狭部33の姿勢に対して、幅狭部33の中心軸を中心に45°回転させた姿勢で配されている。すなわち、幅狭部33は、軸方向Zに直交する断面が正方形を有するとともに、当該正方形の対角線が、縦方向Y、横方向Xに延びている。そして、突出部321は、軸方向Zに直交する断面形状が、正方形である。同様に、内側突起部332は、軸方向Zに直交する断面形状が、正方形である。
【0066】
幅狭部33は、隣接する2つの側面の間の1つの角部である溶接角部335において、本体部322の本体端面322dに接合されている。本体端面322dにおける幅狭部33が接合される部位は、幅狭部33の溶接角部335に沿うように、凹んだ形状を有する。本実施形態において、幅狭部33における溶接角部335以外の3つの角部が、軸方向Zに沿った直線状に形成された電界集中部30となっている。すなわち、幅狭部33における、X1側の端部、及び、縦方向Yの両側の端部に、計3つの電界集中部30が形成されている。
その他は、実施形態2と同様である。
【0067】
本実施形態においては、実施形態5と同様の作用効果を有するとともに、実施形態2と同様の作用効果も有する。
【0068】
(実施形態8)
図31〜
図33に示すごとく、本実施形態も、実施形態2に対して、幅狭部33の形状を変更した実施形態である。本実施形態において、
図32に示すごとく、幅狭部33は、横方向Xから見たとき、軸方向Zに高さを有するとともにG2側の辺がG1側の辺より短い台形形状を呈している。すなわち、幅狭部33は、G1側へ向かうほど縦方向Yの寸法が大きくなる形状を有する。そして、幅狭部33における縦方向Yの両側の面は、G1側へ向かうほど、互いに遠ざかるように傾斜した傾斜面336となっている。幅狭部33は、ギャップ形成方向Gに直交する断面の形状が、四角形である。また、突出部321は、ギャップ形成方向Gに直交する断面の形状が、四角形である。同様に、内側突起部332は、ギャップ形成方向Gに直交する断面の形状が、四角形である。
【0069】
図31、
図33に示すごとく、幅狭部33は、X2側の面である溶接面331を、本体部322の本体端面322dと平行にして、溶接面331にて本体端面322dに溶接されている。そして、幅狭部33のX1側の面と傾斜面336との間に、電界集中部30が形成されている。すなわち、本実施形態において、一対の電界集中部30は、ギャップ形成方向GのG1側へ向かうほど、横方向Xにおいて互いに遠ざかるように傾斜している。
その他は、実施形態2と同様である。
【0070】
本実施形態においては、火花放電ギャップ10を流れる混合気は、傾斜面336に沿って滑らかに流れる。そのため、混合気の気流は、火花放電ギャップ10を通過する際、下流側に向かうに連れて徐々にG1側に向かうよう曲げられる。そして、火花放電ギャップ10の下流側周辺においては、混合気が、略軸方向Zに沿ってG1側に向かって流れるようになる。このように、本実施形態においては、火花放電ギャップ10を通過する気流が乱れることを抑制できるとともに、火花放電ギャップ10を通過する気流を、略軸方向Zに沿うように曲げることができる。これにより、放電火花の接地電極3側の起点を、一層G1側へ移動させやすくすることができる。その結果、一層、放電火花の引き伸ばしの効果を得ることができる。
その他、実施形態2と同様の作用効果を有する。
【0071】
(実施形態9)
図34〜
図36に示すごとく、本実施形態は、実施形態2に対して、本体部322の形状を変更した実施形態である。すなわち、本体部322は、横方向XのX1側の端部に、X1側に向かうにつれて幅が小さくなるテーパ部322tを有する。テーパ部322tのX1側の端面における縦方向Yの長さは、幅狭部33の縦方向Yの長さと同等である。そして、
図34、
図36に示すごとく、テーパ部322tのX1側の端面である本体端面322dに、幅狭部33が接合されている。
【0072】
本実施形態において、本体部322は、実施形態2に示したような本体部322のX1側端部の角部をテーパカットすることにより形成することが可能である。
その他は、実施形態2と同様である。
【0073】
本実施形態においては、接地電極3の体積を小さくしやすい。それゆえ、火花放電ギャップ10に生じた火炎の熱が接地電極3に奪われることによる冷損を低減しやすく、これにより、混合気への着火性を向上させやすい。
その他、実施形態2と同様の作用効果を有する。
【0074】
(実施形態10)
図37〜
図39に示すごとく、本実施形態は、基本構造を実施形態2と同様としつつ、本体部322に接合された幅狭部33を、クラッド材にて構成した実施形態である。本実施形態において、幅狭部33は、Niを主成分とするNi基合金からなる部材と、IrやPt等の貴金属からなる部材とを、軸方向Zにプレスしてなるクラッド材である。つまり、幅狭部33は、基端側端部に貴金属からなる貴金属部337を有し、そのG1側にNi基合金からなる卑金属部338を有する。幅狭部33は、貴金属部337のG2側の面が、中心電極チップ22の先端面221と対向している。卑金属部338における、本体部322よりG1側へ突出した部位が、突出部321を構成しており、貴金属部337の少なくとも一部が、内側突起部332を構成している。そして、中心電極チップ22と貴金属部337のG2側の面との間に火花放電ギャップ10が形成されている。
その他は、実施形態2と同様である。
【0075】
本実施形態のように、幅狭部33の材質を複数種類に分けることで、接地電極3の材料費を低減しやすい。つまり、例えば本実施形態のように、初期の火花放電の発生により比較的消耗されやすい幅狭部33のG2側端部を耐消耗性に優れた貴金属により構成し、その他の部分を比較的安価なNi基合金等にて構成することにより、材料費の削減を図ることができる。
【0076】
(実施形態11)
図40〜
図42に示すごとく、本実施形態は、基本構造を実施形態2と同様としつつ、ギャップ形成方向Gを実施形態2から変更した実施形態である。
【0077】
図40に示すごとく、本実施形態において、本体部322の直線部320は、立設部31の先端から、中心電極2側へ屈曲して、軸方向Zの斜め先端側に向かって伸びている。本実施形態において、立設部31から本体部322の直線部320が延びる方向を延設方向Eという。また、延設方向Eにおける、立設部31に対する直線部320側をE1側、その反対側をE2側という。また、延設方向Eと縦方向Yとの双方に直交する方向を、直交方向Oという。
【0078】
図42に示すごとく、直交方向Oから見たとき、本体部322の本体端面322dは、中心電極チップ22の先端面221よりもE2側に位置している。本実施形態において、本体端面322dは、直交方向O及び縦方向Yに平行な面と平行に形成されている。つまり、本体端面322dは、軸方向Zに対して傾斜している。
【0079】
そして、本体端面322dに幅狭部33が接合されている。幅狭部33は、実施形態2と基本形状を同様としつつ、本体部322への取付姿勢が変更されている。つまり、幅狭部33は、
図12に示す実施形態2の幅狭部33の姿勢に対して、その幅狭部33の中心軸を中心に延設方向Eに傾けた姿勢で配されている。
【0080】
図42に示すごとく、幅狭部33は、中心電極2と直交方向Oに重なる位置に配されている。そして、直交方向Oにおける中心電極2と幅狭部33との間に、火花放電ギャップ10が形成されている。すなわち、本実施形態において、ギャップ形成方向Gは直交方向Oである。
【0081】
その他は、実施形態2と同様である。なお、本実施形態においては、ギャップ形成方向Gである直交方向Oの、中心電極2に対する接地電極3側をG1側、接地電極3に対する中心電極2側をG2側とする。
【0082】
本実施形態においては、仮に、中心電極2に対する接地電極3の位置が、火花放電ギャップ10における混合気の気流の上流側の位置になる姿勢で、スパークプラグ1が内燃機関に取り付けられた場合であっても、火花放電ギャップ10に生じた放電火花を引き伸ばしやすい。すなわち、仮にスパークプラグ1が前述の姿勢で内燃機関に取り付けられても、火花放電ギャップ10付近に、本体部322の直線部320に沿った気流の流れ、すなわち斜め先端側へ向かう気流の流れを生じさせることができる。そのため、火花放電ギャップ10において発生した放電火花の接地電極3側の起点が、ギャップ形成方向GにおけるG1側に移動しやすいとともに、放電火花が気流によって先端側に引き伸ばされやすくなる。それゆえ、混合気への着火性を向上させることができる。
その他、実施形態1と同様の作用効果を有する。
【0083】
(実施形態12)
図43に示すごとく、本実施形態は、実施形態11に対して、中心電極2の先端部の形状を変更した実施形態である。本実施形態において、中心電極2の縮径部21の先端面211は、直交方向Oに直交するよう形成されている。すなわち、縮径部21の先端面211は、軸方向Zに直交する面に対して傾斜している。そして、縮径部21の先端面211に円柱状の中心電極チップ22が接合されている。本実施形態において、中心電極チップ22の縮径部21と反対側の面である先端面221は、直交方向Oにおける接地電極3側を向いている。そして、中心電極チップ22の先端面221と接地電極3の幅狭部33とは、軸方向Zにおいて互いに対向している。
その他は、実施形態11と同様である。
【0084】
本実施形態においても、実施形態11と同様の作用効果を有する。
【0085】
(実施形態13)
図44〜
図46に示すごとく、本実施形態は、実施形態2に対して、本体部322の形状を変更した実施形態である。本体部322は、全体として、略J字状を呈している。
図44に示すごとく、本実施形態において、本体部322の立設部31以外の部位は、縦方向Yから見たとき、先端側に膨らんだ円弧状を呈している。本体部322は、その長手方向における接続部300と反対側の端面にある本体端面322dが、基端側を向いている。
図44、
図46に示すごとく、本体端面322dは、軸方向Zから見たとき、中心電極チップ22の先端面221よりも、X2側に位置している。
【0086】
そして、接地電極3における本体端面322dのX1側の面の一部であって、本体端面322dに隣接する被接合部322fに、幅狭部33が接合されている。幅狭部33は、中心電極チップ22の先端面221と軸方向Zに重なる位置に配されている。そして、軸方向Zにおける中心電極チップ22と幅狭部33との間に、火花放電ギャップ10が形成されている。すなわち、本実施形態において、ギャップ形成方向Gは軸方向Zであり、G1側は先端側と同じ側であり、G2側は基端側と同じ側である。
【0087】
図44に示すごとく、幅狭部33における、被接合部322fからG1側に向かって突出した部位が突出部321である。なお、本実施形態において、突出部321は、本体部322の最もG1側の部位より、G1側へは突出していない。すなわち、突出部321は、G1側に向かって突出していれば、本体部322の最もG1側の部位よりもG1側までには突出していなくてもよい。
その他は、実施形態2と同様である。
【0088】
本実施形態においても、実施形態2と同様の作用効果を有する。
【0089】
(実施形態14)
図47、
図48に示すごとく、本実施形態は、実施形態13に対して、突出部321の位置を変更した実施形態である。本実施形態において、突出部321は、内向部32の長手方向における中央部に位置している。突出部321は、接地電極3における最もG1側に位置する。本実施形態において、突出部321を含む接地電極3は、一体的に成形されているが、これに限られず、突出部321を別体としても良い。本実施形態において、接地電極3の長手方向における立設部31と反対側の端面は、軸方向Zにおいて、中心電極チップ22の先端面221と重なる位置に配されている。そして、接地電極3の長手方向における立設部31と反対側の端面と、中心電極チップ22の先端面221との軸方向Zの間に、火花放電ギャップ10が形成されている。つまり、ギャップ形成方向Gは、軸方向である。なお、本実施形態においては、幅狭部は配されていないが、配されていても良い。また、
図48においては、本体部322の輪郭位置を破線にて表している。
その他は、実施形態13と同様である。
【0090】
本実施形態においては、火花放電ギャップ10の接地電極側の起点が、本体部322のG1側に形成された角部35を這うように、中心電極2側の起点との距離を拡大させながら移動した場合に、一層放電火花の両起点間の距離を引き伸ばしやすい。
その他、実施形態13と同様の作用効果を有する。
【0091】
本発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の実施形態に適用することが可能である。例えば、実施形態2〜実施形態13において、接地電極の内向部は、本体部と幅狭部とを別体としたが、これらを一体に形成してもよい。また、幅狭部は、ギャップ形成方向に直交する断面の形状が、円形、三角形、四角形、又は五角形である例を示したが、これら以外の多角形とすること等も可能である。