特許第6836925号(P6836925)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6836925
(24)【登録日】2021年2月10日
(45)【発行日】2021年3月3日
(54)【発明の名称】車両電源制御装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/14 20060101AFI20210222BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20210222BHJP
   B60R 16/03 20060101ALI20210222BHJP
   B60R 16/033 20060101ALI20210222BHJP
【FI】
   H02J7/14 L
   H02J7/00 302B
   H02J7/00 302C
   H02J7/14 H
   B60R16/03 A
   B60R16/033 C
   B60R16/03 V
【請求項の数】5
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2017-22580(P2017-22580)
(22)【出願日】2017年2月9日
(65)【公開番号】特開2018-129965(P2018-129965A)
(43)【公開日】2018年8月16日
【審査請求日】2020年1月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】特許業務法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】青木 良仁
【審査官】 右田 勝則
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−043872(JP,A)
【文献】 特開2014−151873(JP,A)
【文献】 特開2017−028772(JP,A)
【文献】 特開2015−214274(JP,A)
【文献】 特開2004−255902(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0217986(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/14
B60R 16/03
B60R 16/033
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に設けられる幹線部と、
前記幹線部から枝分かれする枝線部と、
前記幹線部に接続され、電力を充放電するメイン蓄電装置を有するマスタ電源制御部と、
前記枝線部を介して前記幹線部に接続され且つ電力を消費する負荷部に接続される複数のエリア電源制御部と、
前記エリア電源制御部の外部に設けられ前記エリア電源制御部に電力を供給可能である外部電力供給部と、
前記幹線部及び前記枝線部を介して前記マスタ電源制御部から前記エリア電源制御部に電力を供給する第1供給経路と、
前記第1供給経路とは異なる第2供給経路であって前記外部電力供給部から前記エリア電源制御部に電力を供給する前記第2供給経路と、を備え、
前記エリア電源制御部は、
前記マスタ電源制御部を経由することなく直接、前記外部電力供給部に対して前記第2供給経路を介して電気的にそれぞれ接続され、且つ、
前記第1供給経路を経由して前記マスタ電源制御部から供給される電力、又は、前記第2供給経路を経由して前記外部電力供給部から供給される電力を前記負荷部にそれぞれ供給し、
前記外部電力供給部は、
電力を充放電し前記メイン蓄電装置とは異なる外部蓄電装置を有し、前記外部蓄電装置から前記第2供給経路を経由して前記エリア電源制御部に電力を供給することを特徴とする車両電源制御装置。
【請求項2】
前記エリア電源制御部は、
前記マスタ電源制御部が前記第1供給経路を介して当該エリア電源制御部に電力を供給できない場合、前記外部蓄電装置の電力を前記第2供給経路を介して前記負荷部に供給する請求項に記載の車両電源制御装置。
【請求項3】
前記エリア電源制御部は、
前記外部蓄電装置の充電率が予め定められた設定値以上である場合、前記外部蓄電装置の電力を前記第2供給経路を介して前記負荷部に供給し、
前記外部蓄電装置の充電率が前記設定値未満である場合、前記外部蓄電装置の電力を前記第2供給経路を介して前記負荷部に供給しない請求項又はに記載の車両電源制御装置。
【請求項4】
前記エリア電源制御部は、
前記マスタ電源制御部が前記第1供給経路を介して当該エリア電源制御部に電力を供給可能であり、かつ、前記外部蓄電装置の充電率が予め定められた設定値以上である場合、前記外部蓄電装置の電力を優先して前記第2供給経路を介して前記負荷部に供給する請求項2又は3に記載の車両電源制御装置。
【請求項5】
記幹線部は、複数系統が設けられ、
前記第1供給経路は、一の前記幹線部及び前記枝線部を介して前記マスタ電源制御部から前記エリア電源制御部に電力を供給する経路であり、
前記第2供給経路は、接続線を介して前記外部電力供給から前記エリア電源制御部に電力を供給する経路である請求項1に記載の車両電源制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両電源制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両電源制御装置は、車両に搭載されている負荷部に電力を供給する。例えば、車両電源制御装置は、バッテリと、当該バッテリに接続され且つ複数の負荷部に接続される電源ボックスとを備える(例えば、特許文献1)。車両電源制御装置は、バッテリから供給される電力を電源ボックスを介して各負荷部に供給する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−42563号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、車両には、車両の進行方向に沿って延在し所定の電流容量を有する幹線部が設けられる場合がある。この場合、車両電源制御装置は、幹線部から枝分かれする枝線部に接続された電源ボックスを介してバッテリの電力を各負荷部に供給する場合があり、この点で更なる改善の余地がある。
【0005】
そこで、本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、車両の複数の負荷部に電力を安定して供給することができる車両電源制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る車両電源制御装置は、車両に設けられる幹線部と、前記幹線部から枝分かれする枝線部と、前記幹線部に接続され、電力を充放電するメイン蓄電装置を有するマスタ電源制御部と、前記枝線部を介して前記幹線部に接続され且つ電力を消費する負荷部に接続される複数のエリア電源制御部と、前記エリア電源制御部の外部に設けられ前記エリア電源制御部に電力を供給可能である外部電力供給部と、前記幹線部及び前記枝線部を介して前記マスタ電源制御部から前記エリア電源制御部に電力を供給する第1供給経路と、前記第1供給経路とは異なる第2供給経路であって前記外部電力供給部から前記エリア電源制御部に電力を供給する前記第2供給経路と、を備え、前記エリア電源制御部は、前記マスタ電源制御部を経由することなく直接、前記外部電力供給部に対して前記第2供給路を介して電気的にそれぞれ接続され、且つ、前記第1供給経路を経由して前記マスタ電源制御部から供給される電力、又は、前記第2供給経路を経由して前記外部電力供給部から供給される電力を前記負荷部にそれぞれ供給し、前記外部電力供給部は、電力を充放電し前記メイン蓄電装置とは異なる外部蓄電装置を有し、前記外部蓄電装置から前記第2供給経路を経由して前記エリア電源制御部に電力を供給することを特徴とする。
【0008】
また、上記車両電源制御装置において、前記エリア電源制御部は、前記マスタ電源制御部が当該エリア電源制御部に電力を供給できない場合、前記外部蓄電装置の電力を前記第2供給経路を介して前記負荷部に供給することが好ましい。
【0009】
また、上記車両電源制御装置において、前記エリア電源制御部は、前記外部蓄電装置の充電率が予め定められた設定値以上である場合、前記外部蓄電装置の電力を前記負荷部に供給し、前記外部蓄電装置の充電率が前記設定値未満である場合、前記外部蓄電装置の電力を前記第2供給経路を介して前記負荷部に供給しないことが好ましい。
【0010】
また、上記車両電源制御装置において、前記エリア電源制御部は、前記マスタ電源制御部が当該エリア電源制御部に電力を供給可能であり、かつ、前記外部蓄電装置の充電率が予め定められた設定値以上である場合、前記外部蓄電装置の電力を優先して前記第2供給経路を介して前記負荷部に供給することが好ましい。
【0011】
また、上記車両電源制御装置において、前記幹線部は、複数系統が設けられ、前記第1供給経路は、一の前記幹線部及び前記枝線部を介して前記マスタ電源制御部から前記エリア電源制御部に電力を供給する経路であり、前記第2供給経路は、接続線を介して前記外部電力供給部から前記エリア電源制御部に電力を供給する経路であることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る車両電源制御装置は、エリア電源制御部が、第1供給経路を経由してマスタ電源制御部から供給される電力、又は、第2供給経路を経由して外部電力供給部から供給される電力を負荷部に供給するので、車両の複数の負荷部に電力を安定して供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、実施形態1に係る車両電源制御装置の構成例を示すブロック図である。
図2図2は、実施形態1に係る車両電源制御装置の構成例を示す回路図である。
図3図3は、実施形態1に係る車両電源制御装置の第1動作例を示すブロック図である。
図4図4は、実施形態1に係る車両電源制御装置の第1動作例を示すフローチャートである。
図5図5は、実施形態1に係る車両電源制御装置の第1動作例を示すフローチャートである。
図6図6は、実施形態1に係る車両電源制御装置の第2動作例を示すブロック図である。
図7図7は、実施形態1に係る車両電源制御装置の第2動作例を示すフローチャートである。
図8図8は、実施形態1に係る車両電源制御装置の第2動作例を示すフローチャートである。
図9図9は、実施形態2に係る車両電源制御装置の構成例を示すブロック図である。
図10図10は、実施形態2に係る車両電源制御装置の構成例を示す回路図である。
図11図11は、実施形態2に係る車両電源制御装置の第1動作例を示すブロック図である。
図12図12は、実施形態2に係る車両電源制御装置の第2動作例を示すブロック図である。
図13図13は、実施形態2に係る車両電源制御装置の第2動作例を示すフローチャートである。
図14図14は、実施形態2に係る車両電源制御装置の第2動作例を示すフローチャートである。
図15図15は、実施形態3に係る車両電源制御装置の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【0015】
〔実施形態1〕
実施形態1に係る車両電源制御装置1について説明する。車両電源制御装置1は、図1及び図2に示すように、図示しない車両に設置され、車両に搭載されている複数の負荷部2に電力を供給するものである。以下、車両電源制御装置1について詳細に説明する。
【0016】
車両電源制御装置1は、1系統の幹線部1aと、複数の枝線部1cと、車両電源マスタ10と、複数のエリア電源マスタ20(20A、20B)と、外部電力供給部30とを備える。さらに、車両電源制御装置1は、1系統の幹線部1aを介して車両電源マスタ10からエリア電源マスタ20に電力を供給する第1供給経路40と、第1供給経路40とは異なる供給経路であって外部電力供給部30からエリア電源マスタ20に電力を供給する第2供給経路50とを備える。車両電源制御装置1は、1系統の幹線部1aが車両の進行方向に沿って延在し、各枝線部1cが1系統の幹線部1aから枝分かれしている。なお、1系統の幹線部1aは、車両の進行方向に延在する方向に沿って延在し、かつ、車両の進行方向に直交する方向に沿って延在することで、T字形状に形成されてもよい。1系統の幹線部1aは、いわゆるバックボーン幹線部であり、一方側に車両電源マスタ10が接続されている。1系統の幹線部1aは、各枝線部1cを介して各エリア電源マスタ20が接続されている。
【0017】
1系統の幹線部1aは、図示しない幹線部電源ライン、幹線部通信ライン等を含んで構成されている。なお、1系統の幹線部1aは、幹線部電源ライン、幹線部通信ライン等のうち幹線部電源ラインを含んでいればよく、幹線部通信ライン等が必須の構成ではない。1系統の幹線部1aは、幹線部電源ライン、幹線部通信ライン等が車両の進行方向に沿って並走して配索されている。幹線部電源ラインは、所定の電流容量を有し、丸棒導体や撚り線導体を有する配索材や、断面形状が偏平な帯状の平型導体等により構成される。幹線部電源ラインは、車両電源マスタ10及び各エリア電源マスタ20から供給される電流を流す。幹線部通信ラインは、所定の通信容量を有し、電気信号伝送用のケーブル又は光信号伝送用のケーブル等により構成される。幹線部通信ラインは、車両電源マスタ10及び各エリア電源マスタ20から送信される信号を伝達する。
【0018】
各枝線部1cは、図示しない枝線部電源ライン、枝線部通信ライン等を含んで構成されている。なお、各枝線部1cは、枝線部電源ライン、枝線部通信ライン等のうち枝線部電源ラインを含んでいればよく、枝線部通信ライン等が必須の構成ではない。各枝線部1cは、一端が1系統の幹線部1aに接続され、他端が各エリア電源マスタ20に接続されている。枝線部電源ラインは、幹線部電源ラインよりも少ない電流容量を有し、丸棒導体や撚り線導体を有する配索材や、断面形状が偏平な帯状の平型導体等により構成される。枝線部電源ラインは、各エリア電源マスタ20から供給される電流を流す。枝線部通信ラインは、幹線部通信ラインよりも少ない通信容量を有し、電気信号伝送用のケーブル又は光信号伝送用のケーブル等により構成される。枝線部通信ラインは、各エリア電源マスタ20から送信される信号を伝達する。
【0019】
車両電源マスタ10は、マスタ電源制御部であり、後述するメインバッテリ12の電力を各負荷部2に供給するものである。例えば、車両電源マスタ10は、各エリア電源マスタ20を介してメインバッテリ12の電力を各負荷部2に供給し、又は、各エリア電源マスタ20を介さずにメインバッテリ12の電力を各負荷部2に供給する。車両電源マスタ10は、電力制御部10aと、筐体11と、メインバッテリ12とを備える。電力制御部10aは、メインバッテリ12の電力を制御するものであり、電流検出部13と、保護回路部14と、電源制御部15と、制御部16とを備える。車両電源マスタ10は、例えば、電力制御部10aとメインバッテリ12とが筐体11に収容される。このように、車両電源マスタ10は、電力制御部10aの各種電子部品が筐体11に収容された状態で、例えば車両のエンジンコンパートメントに設置される。これにより、車両電源制御装置1は、車両電源マスタ10を容易に設置することができる。なお、車両電源マスタ10は、メインバッテリ12が筐体11外に設置されていてもよい。
【0020】
メインバッテリ12は、メイン蓄電装置であり、電力を充放電するものである。メインバッテリ12は、鉛電池やニッケル水素電池、リチウムイオン電池等の各種蓄電池が含まれる。メインバッテリ12は、後述する外部電力供給部30のエリアバッテリ31より容量が大きいバッテリである。なお、メインバッテリ12は、エリアバッテリ31と同等の容量でもよいし、エリアバッテリ31より小さい容量でもよい。メインバッテリ12は、例えば、オルタネータ等の発電装置3に接続され、当該発電装置3により発電された電力により充電される。
【0021】
電流検出部13は、メインバッテリ12に接続され、当該メインバッテリ12の電流を検出するものである。例えば、電流検出部13は、シャント抵抗器13aを備え、メインバッテリ12の充放電の電流を検出する。具体的には、電流検出部13は、シャント抵抗器13aの抵抗で発生する電流に比例した電圧から電流を検出する。
【0022】
保護回路部14は、各負荷部2を保護する回路である。保護回路部14は、メインバッテリ12と車両電源マスタ10に接続される各負荷部2との間に設置され、メインバッテリ12から各負荷部2に至る回路を保護する。保護回路部14は、遮断回路14aと、保護回路14bとを備える。遮断回路14aは、スイッチを備え、メインバッテリ12に接続される。遮断回路14aは、スイッチをオン・オフすることにより、メインバッテリ12から各負荷部2に流れる電流をオン・オフ制御する。例えば、遮断回路14aは、メインバッテリ12から各負荷部2に過電流が流れると、スイッチをオフして電流を遮断する。保護回路14bは、複数のヒューズ14cを備え、遮断回路14aに接続される。保護回路14bは、メインバッテリ12から各負荷部2に過電流が流れると各ヒューズ14cが溶断して回路を保護する。
【0023】
電源制御部15は、メインバッテリ12から1系統の幹線部1a及び枝線部1cを介して各エリア電源マスタ20に流れる電流を制御するものである。電源制御部15は、遮断回路15aを備える。遮断回路15aは、複数のスイッチを備え、各スイッチ及び1系統の幹線部1aを介して複数のエリア電源マスタ20に接続される。遮断回路15aは、各スイッチをオン・オフすることにより、メインバッテリ12から1系統の幹線部1a及び枝線部1cを介して各エリア電源マスタ20に供給する電力を分配する。
【0024】
制御部16は、メインバッテリ12の状態を監視し、電源制御部15を制御するものである。制御部16は、CPU16aを備える。CPU16aは、シャント抵抗器13aに接続され、当該シャント抵抗器13aにより検出されるメインバッテリ12の電流値や、メインバッテリ12の電圧値に基づいてメインバッテリ12の充電率(充電量)を判定する。また、CPU16aは、電源制御部15の遮断回路15aに接続され、当該遮断回路15aを制御する。例えば、CPU16aは、メインバッテリ12の充電率に基づいて遮断回路15aの各スイッチをオン・オフ制御する。これにより、CPU16aは、メインバッテリ12の充電率に基づいて、メインバッテリ12から各エリア電源マスタ20に分配する電力を制御できる。また、CPU16aは、各エリア電源マスタ20と1系統の幹線部1a及び枝線部1cを介して接続され、各エリア電源マスタ20と信号のやり取りを行う。
【0025】
次に、エリア電源マスタ20の構成例について説明する。エリア電源マスタ20は、エリア電源制御部であり、車両電源マスタ10から供給される電力、又は、後述する外部電力供給部30のエリアバッテリ31に充電された電力の少なくとも一方を複数の負荷部2に供給するものである。エリア電源マスタ20は、電力制御部20aと、筐体21とを備える。電力制御部20aは、車両電源マスタ10から供給される電力及びエリアバッテリ31に充電された電力を制御するものである。電力制御部20aは、電源分配部(J/B)24と、電源制御部25と、電源切替部26と、電源制御部27と、制御部28とを備える。エリア電源マスタ20は、例えば、電力制御部20aが筐体21に収容される。エリア電源マスタ20は、電力制御部20aの各種電子部品が筐体21に収容された状態で、例えば車両のフロントドアやリアドアの内部に設置される。これにより、車両電源制御装置1は、エリア電源マスタ20を容易に設置することができる。実施形態1では、複数のエリア電源マスタ20が設置され、具体的には、そのうちの二つのエリア電源マスタ20が設置される。各エリア電源マスタ20は、車両の組立構造に応じて区画された車両エリアにそれぞれ設置されるが、これに限定されない。
【0026】
電源分配部24は、メインバッテリ12やエリアバッテリ31から供給される電力を負荷部2に分配するものである。例えば、電源分配部24は、複数のヒューズ24aを備え、各ヒューズ24aを介して複数の負荷部2が接続される。電源分配部24は、各負荷部2に過電流が流れると各ヒューズ24aが溶断して回路を保護する。
【0027】
電源制御部25は、メインバッテリ12やエリアバッテリ31から供給される電力を負荷部2に供給するものである。電源制御部25は、例えばリレー接点25aを備え、当該リレー接点25aを介し、電源分配部24に接続される各負荷部2とは異なる複数の負荷部2が接続される。つまり、各エリア電源マスタ20は、電源分配部24又は電源制御部25を介して各負荷部2が接続される。電源制御部25は、リレー接点25aのコイルが励磁されてリレー接点25aをオンし、各負荷部2に電力を供給する。また、電源制御部25は、コイルの励磁が解除されてリレー接点25aをオフし、各負荷部2に供給する電力を停止する。
【0028】
電源切替部26は、エリアバッテリ31に充電された電力の供給を切り替えるものである。電源切替部26は、リレー接点26aを備え、当該リレー接点26aを介して電源分配部24及び電源制御部25に接続される。電源切替部26は、リレー接点26aのコイルが励磁されてリレー接点26aをオンし、エリアバッテリ31の電力を電源分配部24及び電源制御部25を介して各負荷部2に供給する。また、電源切替部26は、コイルの励磁が解除されてリレー接点26aをオフさせ、エリアバッテリ31の電力を電源分配部24及び電源制御部25を介して各負荷部2に供給しない。なお、電源切替部26は、メインバッテリ12から供給される電力(出力電圧)とエリアバッテリ31から供給される電力(出力電圧)とが異なる電源特性である場合、当該電源特性を等しくする。
【0029】
電源制御部27は、メインバッテリ12から供給される電力を通電又は遮断するものである。電源制御部27は、1系統の幹線部1a及び枝線部1c等を介してメインバッテリ12に接続されている。電源制御部27は、例えば遮断回路27aを備え、遮断回路27aのスイッチをオン・オフすることにより、メインバッテリ12から1系統の幹線部1a及び枝線部1c等を介して各負荷部2に供給される電力を制御する。電源制御部27は、制御部28に接続され、当該制御部28により遮断回路27aのスイッチがオン・オフ制御される。
【0030】
制御部28は、エリアバッテリ31の状態を監視し、電源制御部25、電源切替部26及び電源制御部27を制御するものである。制御部28は、CPU28aを備える。CPU28aは、後述するシャント抵抗32aに接続され、当該シャント抵抗器32aにより検出されるエリアバッテリ31の電流値や、エリアバッテリ31の電圧値に基づいてエリアバッテリ31の充電率を判定する。なお、複数のエリア電源マスタ20は、複数のエリア電源マスタ20のうち1つのエリア電源マスタ20Bの制御部28のCPU28aがシャント抵抗32aに接続され、エリアバッテリ31の充電率を判定する。
【0031】
また、CPU28aは、電源切替部26のリレー接点26aのコイルを励磁してリレー接点26aをオンし、リレー接点26aのコイルの励磁を解除してリレー接点26aをオフする。例えば、CPU28aは、エリアバッテリ31の充電率に基づいてリレー接点26aをオン・オフ制御する。これにより、CPU28aは、エリアバッテリ31の充電率に基づいて、エリアバッテリ31から各負荷部2に供給する電力を制御できる。1つのエリア電源マスタ20BのCPU28aは、エリアバッテリ31の充電率を他のエリア電源マスタ20Aに送信する。CPU28aは、電源制御部25のリレー接点25aをオン・オフ制御し、電源制御部25を介して接続される各負荷部2に供給する電力を制御する。また、CPU28aは、電源制御部27の遮断回路27aのスイッチをオン・オフ制御する。これにより、CPU28aは、メインバッテリ12から供給される電力を通電又は遮断することができる。また、CPU28aは、車両電源マスタ10と1系統の幹線部1a及び枝線部1cを介して接続され、車両電源マスタ10と信号のやり取りを行う。
【0032】
外部電力供給部30は、各エリア電源マスタ20に電力を供給するものである。外部電力供給部30は、各エリア電源マスタ20の外部に設けられ、接続線1dを介して各エリア電源マスタ20に接続されている。ここで、外部電力供給部30と各エリア電源マスタ20とを接続線1dにより接続する経路は、第2供給経路50である。外部電力供給部30は、エリアバッテリ31と、電流検出部32とを備える。エリアバッテリ31は、外部蓄電装置であり、電力を充放電するものである。エリアバッテリ31は、メインバッテリ12とは異なるバッテリであり、各エリア電源マスタ20に接続される。エリアバッテリ31は、鉛電池やニッケル水素電池、リチウムイオン電池等の各種蓄電池が含まれる。外部電力供給部30は、エリアバッテリ31から第2供給経路50を経由して各エリア電源マスタ20に電力を供給する。電流検出部32は、エリアバッテリ31に接続され、当該エリアバッテリ31の電流を検出するものである。電流検出部32は、例えばシャント抵抗器32aを備え、エリアバッテリ31の充放電の電流を検出する。具体的には、電流検出部32は、シャント抵抗器32aの抵抗で発生する電流に比例した電圧から電流を検出する。電流検出部32は、エリア電源マスタ20Bに接続され、当該エリア電源マスタ20Bに検出結果を出力する。
【0033】
〔実施形態1の第1動作例:エリアバッテリの充電処理〕
次に、実施形態1に係る車両電源制御装置1の第1動作例について説明する。この例では、車両電源制御装置1は、図3に示すように、メインバッテリ12の電力を各負荷部2に供給すると共に外部電力供給部30のエリアバッテリ31に充電する例について説明する。車両電源マスタ10は、図4に示すように、メインバッテリ12の状態を確認する(ステップS1)。例えば、車両電源マスタ10は、メインバッテリ12の電圧値を確認する。次に、車両電源マスタ10は、エリア電源マスタ20B及び図示しない制御ECUから1系統の幹線部1a及び枝線部1cを介して電力に関する信号を受信する(ステップS2)。ここで、制御ECUは、車両全体を制御するものであり、例えば、エンジン等の駆動系やブレーキ等の制動系を制御するものである。次に、車両電源マスタ10は、エリア電源マスタ20Bから外部電力供給部30のエリアバッテリ31の状態を検出する(ステップS3)。例えば、車両電源マスタ10は、エリア電源マスタ20Bからエリアバッテリ31の充電率を検出する。次に、車両電源マスタ10は、電源制御処理を行う(ステップS4)。例えば、車両電源マスタ10は、発電装置3の発電能力に基づいて、メインバッテリ12の電力をエリア電源マスタ20Bに供給してエリアバッテリ31を充電する。なお、電源制御処理の詳細については、後述する。次に、車両電源マスタ10は、エリア電源マスタ20B及び制御ECUに1系統の幹線部1a及び枝線部1cを介して信号を送信し(ステップS5)、処理を終了する。例えば、車両電源マスタ10は、上述のステップS4で充電に関する情報を1系統の幹線部1a及び枝線部1cを介してエリア電源マスタ20B及び制御ECUに送信する。
【0034】
次に、上述のステップS4の電源制御処理について、詳細に説明する。車両電源マスタ10は、図5に示すように、エリア電源マスタ20Bから外部電力供給部30のエリアバッテリ31の充電の要求があるか否かを判定する(ステップS10)。車両電源マスタ10は、エリア電源マスタ20Bから充電の要求がある場合(ステップS10;Yes)、発電装置3による発電状態を確認する(ステップS11)。次に、車両電源マスタ10は、外部電力供給部30のエリアバッテリ31を充電する電力を発電装置3により発電可能か否かを判定する(ステップS12)。車両電源マスタ10は、エリアバッテリ31を充電する電力を発電装置3により発電可能である場合(ステップS12;Yes)、エリア電源マスタ20Bから充電の要求があるか否かを判定する(ステップS13)。車両電源マスタ10は、エリア電源マスタ20Bから充電の要求がある場合(ステップS13;Yes)、エリアバッテリ31を充電するための電力を発電するように発電装置3に要求する(ステップS14)。次に、車両電源マスタ10は、図5に示すように、エリア電源マスタ20Bに充電を許可し、発電装置3により発電されメインバッテリ12に充電された電力を1系統の幹線部1a及びエリア電源マスタ20Bを介して外部電力供給部30のエリアバッテリ31に供給する(ステップS15)。そして、車両電源マスタ10は、エリア電源マスタ20Bを介して外部電力供給部30のエリアバッテリ31を充電すると共に、エリア電源マスタ20B及び他のエリア電源マスタ20Aを介して各負荷部2に電力を供給して、処理を終了する。なお、車両電源マスタ10は、エリア電源マスタ20Bを介して外部電力供給部30のエリアバッテリ31を充電する際に、エリア電源マスタ20Bを介して各負荷部2に電力を供給せずに、外部電力供給部30のエリアバッテリ31の充電のみを行ってもよい。
【0035】
また、車両電源マスタ10は、上述のステップS12で、エリアバッテリ31を充電する電力を発電装置3により発電不可能である場合(ステップS12;No)、エリア電源マスタ20Bを充電するための電力の発電を停止するように発電装置3に要求する(ステップS16)。次に、車両電源マスタ10は、エリア電源マスタ20Bに充電を許可せずに(ステップS17)、処理を終了する。また、車両電源マスタ10は、上述のステップS10で、エリア電源マスタ20Bから充電の要求がない場合(ステップS10;No)、発電装置3により発電された電力をエリア電源マスタ20Bに供給せずに処理を終了する。
【0036】
以上のように、第1動作例としての実施形態に係る車両電源制御装置1は、車両電源マスタ10が、エリア電源マスタ20Bから充電の要求があった場合、1系統の幹線部1a及び枝線部1cを介して外部電力供給部30のエリアバッテリ31を充電する。
【0037】
〔実施形態1の第2動作例:メインバッテリから電力供給不可時の処理〕
次に、実施形態に係る車両電源制御装置1の第2動作例について説明する。この例では、車両電源制御装置1は、図6に示すように、メインバッテリ12の劣化や1系統の幹線部1a又は枝線部1cの不具合、電源制御部27の異常等により、メインバッテリ12の電力を各エリア電源マスタ20の各負荷部2に供給できない例について説明する。エリア電源マスタ20Bは、図7に示すように、車両電源マスタ10にメインバッテリ12の状態(例えば、電圧値)を確認する(ステップT1)。次に、エリア電源マスタ20Bは、車両電源マスタ10から電力に関する信号を1系統の幹線部1a及び枝線部1cを介して受信する(ステップT2)。次に、エリア電源マスタ20Bは、外部電力供給部30のエリアバッテリ31の状態(例えば、充電率)を検出する(ステップT3)。次に、エリア電源マスタ20Bは、電源制御処理を行う(ステップT4)。例えば、エリア電源マスタ20Bは、メインバッテリ12及び外部電力供給部30のエリアバッテリ31の状態に基づいて、車両電源マスタ10から1系統の幹線部1a及び枝線部1cを介して供給されるメインバッテリ12の電力、又は、エリアバッテリ31の電力を各負荷部2に供給する。なお、電源制御処理の詳細については後述する。次に、エリア電源マスタ20Bは、車両電源マスタ10に1系統の幹線部1a及び枝線部1cを介して信号を送信する(ステップT5)。例えば、エリア電源マスタ20Bは、上述のステップT4で供給する電力に関する情報を1系統の幹線部1a及び枝線部1cを介して車両電源マスタ10に送信する。具体的には、エリア電源マスタ20Bは、メインバッテリ12の電力を各負荷部2に供給する旨、又は、エリアバッテリ31の電力を各負荷部2に供給する旨を車両電源マスタ10に送信する。次に、エリア電源マスタ20Bは、他のエリア電源マスタ20Aに1系統の幹線部1a及び枝線部1cを介して信号を送信して(ステップT6)、処理を終了する。例えば、エリア電源マスタ20Bは、上述のステップT4で供給する電力に関する情報を1系統の幹線部1a及び枝線部1cを介して他のエリア電源マスタ20Aに送信する。このように、エリア電源マスタ20Bは、電源制御処理として、メインバッテリ12及び外部電力供給部30のエリアバッテリ31の状態等に基づいて、車両電源マスタ10から供給されるメインバッテリ12の電力、又は、エリアバッテリ31の電力を各負荷部2に供給する。
【0038】
次に、上述のステップT4の電源制御処理について、詳細に説明する。エリア電源マスタ20Bは、図8に示すように、車両電源マスタ10に接続されているか否かを判定する(ステップT10)。エリア電源マスタ20Bは、車両電源マスタ10に接続されている場合(ステップT10;Yes)、メインバッテリ12の状態が正常であるか否かを判定する(ステップT11)。例えば、エリア電源マスタ20Bは、メインバッテリ12の充電率が予め定められた設定値以上である場合には正常と判定し、メインバッテリ12の充電率が当該設定値未満である場合には異常と判定する。エリア電源マスタ20Bは、メインバッテリ12の状態が正常である場合(ステップT11;Yes)、外部電力供給部30のエリアバッテリ31の充電率が予め定められた第1設定値以上であるか否かを判定する(ステップT12)。各エリア電源マスタ20A、20Bは、エリアバッテリ31の充電率が第1設定値以上である場合(ステップT12;Yes)、車両電源マスタ10に充電を要求せず(ステップT13)、車両電源マスタ10との回路を遮断する(ステップT14)。例えば、各エリア電源マスタ20は、電源制御部27の遮断回路27aのスイッチをオフする。次に、各エリア電源マスタ20は、エリアバッテリ31との回路を接続する(ステップT15)。例えば、各エリア電源マスタ20は、電源切替部26のリレー接点26aをオンする。このように、各エリア電源マスタ20は、各エリアバッテリ31の充電率が第1設定値以上である場合、エリアバッテリ31の電力を負荷部2に供給し、処理を終了する。
【0039】
一方、エリア電源マスタ20Bは、外部電力供給部30のエリアバッテリ31の充電率が予め定められた第1設定値未満である場合(ステップT12;No)、車両電源マスタ10に充電を要求する(ステップT16)。例えば、エリア電源マスタ20Bは、車両電源マスタ10に1系統の幹線部1a及び枝線部1cを介して充電要求を示す信号を出力する。次に、エリア電源マスタ20Bは、車両電源マスタ10との回路を接続し(ステップT17)、処理を終了する。例えば、エリア電源マスタ20Bは、電源制御部27の遮断回路27aのスイッチをオンする。これにより、エリア電源マスタ20Bは、メインバッテリ12から1系統の幹線部1a及び枝線部1cを介して供給される電力をエリアバッテリ31に充電することができると共に各負荷部2に供給することができる。
【0040】
上述のステップT11において、エリア電源マスタ20Bは、メインバッテリ12の状態が異常である場合(ステップT11;No)、外部電力供給部30のエリアバッテリ31の充電率が第1設定値以上であるか否かを判定する(ステップT18)。各エリア電源マスタ20は、エリアバッテリ31の充電率が第1設定値以上である場合(ステップT18;Yes)、車両電源マスタ10との回路を遮断する(ステップT19)。例えば、各エリア電源マスタ20は、電源制御部27の遮断回路27aのスイッチをオフする。次に、各エリア電源マスタ20は、エリアバッテリ31との回路を接続し(ステップT20)、処理を終了する。例えば、各エリア電源マスタ20は、電源切替部26のリレー接点26aをオンする。これにより、各エリア電源マスタ20は、エリアバッテリ31の電力を各負荷部2に供給することができる。このように、各エリア電源マスタ20は、車両電源マスタ10が各エリア電源マスタ20に電力を供給できない場合、エリアバッテリ31の電力を各負荷部2に供給する。なお、上述のステップT18において、各エリア電源マスタ20は、各エリアバッテリ31の充電率が第1設定値未満である場合(ステップT18;No)、車両電源マスタ10との回路を遮断せずにエリアバッテリ31との回路を接続する(ステップT20)。
【0041】
また、上述のステップT10において、各エリア電源マスタ20は、車両電源マスタ10に接続されていない場合(ステップT10;No)、エリアバッテリ31と回路が接続されているか否かを判定する(ステップT21)。エリア電源マスタ20Bは、エリアバッテリ31と回路が接続されている場合(ステップT21;Yes)、エリアバッテリ31の充電率が第1設定値以上であるか否かを判定する(ステップT22)。エリア電源マスタ20Bは、エリアバッテリ31の充電率が第1設定値以上である場合(ステップT22;Yes)、メインバッテリ12の状態が正常であるか否かを判定する(ステップT23)。各エリア電源マスタ20は、メインバッテリ12の状態が正常である場合(ステップT23;Yes)、車両電源マスタ10との回路を接続し(ステップT24)、エリアバッテリ31との回路を遮断し(ステップT25)、処理を終了する。これにより、各エリア電源マスタ20は、メインバッテリ12から1系統の幹線部1a及び枝線部1cを介して供給される電力を各負荷部2に供給することができる。また、各エリア電源マスタ20は、メインバッテリ12の状態が異常である場合(ステップT23;No)、車両電源マスタ10との回路を接続せず、エリアバッテリ31と接続を継続する。
【0042】
また、上述のステップT22において、エリア電源マスタ20Bは、エリアバッテリ31の充電率が第1設定値未満である場合(ステップT22;No)、メインバッテリ12の状態が正常であるか否かを判定する(ステップT26)。各エリア電源マスタ20は、メインバッテリ12の状態が正常である場合(ステップT26;Yes)、車両電源マスタ10との回路を接続し(ステップT27)、エリアバッテリ31との回路を遮断し(ステップT28)、処理を終了する。これにより、各エリア電源マスタ20は、メインバッテリ12から1系統の幹線部1a及び枝線部1cを介して供給される電力をエリアバッテリ31に充電することができると共に各負荷部2に供給することができる。各エリア電源マスタ20は、メインバッテリ12の状態が異常である場合(ステップT26;No)、車両電源マスタ10との回路を接続せずにエリアバッテリ31との回路を遮断し(ステップT28)、処理を終了する。
【0043】
以上のように、第2動作例としての実施形態1に係る車両電源制御装置1は、車両に設けられる1系統の幹線部1aと、1系統の幹線部1aから枝分かれする枝線部1cと、1系統の幹線部1aの一方側に接続され、電力を充放電するメインバッテリ12を有する車両電源マスタ10と、枝線部1cを介して1系統の幹線部1aに接続され且つ電力を消費する負荷部2に接続される複数のエリア電源マスタ20と、1系統の幹線部1a及び枝線部1cを介して車両電源マスタ10から各エリア電源マスタ20に電力を供給する第1供給経路40と、第1供給経路40とは異なる供給経路であって各エリア電源マスタ20に電力を供給する第2供給経路50と、各エリア電源マスタ20の外部に設けられ第2供給経路50を経由して各エリア電源マスタ20に電力を供給する外部電力供給部30とを備える。そして、各エリア電源マスタ20は、第1供給経路40を経由して車両電源マスタ10から供給される電力、又は、第2供給経路50を経由して外部電力供給部30から供給される電力を負荷部2に供給する。これにより、車両電源制御装置1は、車両電源マスタ10から第1供給経路40を介して電力が供給される場合、車両電源マスタ10からの電力を負荷部2に供給することができる。また、車両電源制御装置1は、車両電源マスタ10から第1供給経路40を介して電力が供給されない場合、外部電力供給部30からの電力を第2供給経路50を介して負荷部2に供給することができる。従って、車両電源制御装置1は、車両の各負荷部2に電力を安定して供給することができる。また、車両電源制御装置1は、1系統の幹線部1a及び各枝線部1cにより配索性を向上できる。
【0044】
また、車両電源制御装置1において、外部電力供給部30は、電力を充放電しメインバッテリ12とは異なるエリアバッテリ31を有し、エリアバッテリ31から第2供給経路50を経由して各エリア電源マスタ20に電力を供給する。これにより、車両電源制御装置1は、外部電力供給部30のエリアバッテリ31から各エリア電源マスタ20を介して各負荷部2に電力を供給することができるので、各負荷部2に電力を安定して供給することができる。
【0045】
また、車両電源制御装置1において、各エリア電源マスタ20は、車両電源マスタ10が第1供給経路40を介して各エリア電源マスタ20に電力を供給できない場合、エリアバッテリ31の電力を各負荷部2に供給する。これにより、車両電源制御装置1は、車両電源マスタ10が各エリア電源マスタ20に電力を供給できない場合に、各負荷部2に電力を安定して供給することができる。
【0046】
また、車両電源制御装置1において、エリア電源マスタ20は、エリアバッテリ31の充電率が予め定められた第1設定値以上である場合、エリアバッテリ31の電力を負荷部2に供給し、エリアバッテリ31の充電率が第1設定値未満である場合、エリアバッテリ31の電力を負荷部2に供給しない。これにより、車両電源制御装置1は、エリアバッテリ31の充電率に応じて負荷部2にエリアバッテリ31の電力を供給することができる。
【0047】
また、車両電源制御装置1において、エリア電源マスタ20は、車両電源マスタ10が第1供給経路40を介して当該エリア電源マスタ20に電力を供給可能であり、かつ、エリアバッテリ31の充電率が第1設定値以上である場合、エリアバッテリ31の電力を優先して第2供給経路50を介して負荷部2に供給する。これにより、車両電源制御装置1は、車両電源マスタ10のメインバッテリ12が集中して使用されることを抑制できる。また、車両電源制御装置1は、エリアバッテリ31の有効利用を図ることができる。
【0048】
〔実施形態2〕
次に、実施形態2に係る車両電源制御装置1Aについて説明する。車両電源制御装置1Aは、図9及び図10に示すように、2系統の幹線部1a、1bを有する点、及び、外部電力供給部30として2系統の幹線部1a、1bから車両電源マスタ10のメインバッテリ12の電力を各負荷部2に供給する点が実施形態1と異なる。以下、車両電源制御装置1Aについて詳細に説明する。なお、車両電源制御装置1Aは、実施形態1の車両電源制御装置1と同等な構成には同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0049】
車両電源制御装置1Aは、複数系統(例えば2系統)の幹線部1a、1bと、複数の枝線部1cと、車両電源マスタ10と、複数のエリア電源マスタ20とを備える。さらに、車両電源制御装置1Aは、第1の幹線部1a及び枝線部1cを介して車両電源マスタ10からエリア電源マスタ20に電力を供給する第1供給経路40と、第1供給経路40とは異なる経路であって第2の幹線部1b及び枝線部1cを介して車両電源マスタ10からエリア電源マスタ20に電力を供給する第2供給経路50とを備える。車両電源制御装置1Aは、2系統の幹線部1a、1bが車両の進行方向に沿って延在し、各枝線部1cが2系統の幹線部1a、1bから枝分かれしている。なお、2系統の幹線部1a、1bは、車両の進行方向に延在する方向に沿って延在し、かつ、車両の進行方向に直交する方向に沿って延在することで、T字形状に形成されてもよい。2系統の幹線部1a、1bは、いわゆるバックボーン幹線部であり、一方側に車両電源マスタ10が接続されている。2系統の幹線部1a、1bは、各枝線部1cを介して各エリア電源マスタ20が接続されている。
【0050】
2系統の幹線部1a、1bは、図示しない幹線部電源ライン、幹線部通信ライン等を含んで構成されている。なお、2系統の幹線部1a、1bは、幹線部電源ライン、幹線部通信ライン等のうち幹線部電源ラインを含んでいればよく、幹線部通信ライン等が必須の構成ではない。2系統の幹線部1a、1bは、幹線部電源ライン、幹線部通信ライン等が車両の進行方向に沿って並走して配索されている。
【0051】
2系統の幹線部1a、1bは、例えば、各負荷部2の種類毎に分けて用いられる。ここで、負荷部2の各々は、例えば、当該各負荷部2の種類毎にそれぞれ異なる負荷群に分けられている。例えば、負荷部2の各々は、車両の走行に関わる重要度が相対的に高い第1負荷群2aと、車両の走行以外に関わる重要度が相対的に低い第2負荷群2bとに分けられている。2系統の幹線部1a、1bのうち第1の幹線部1aは、例えば、車両の走行に関わる第1負荷群2aがエリア電源マスタ20を介して接続される。また、第2の幹線部1bは、車両の走行以外に関わる第2負荷群2bがエリア電源マスタ20を介して接続される。なお、複数系統の幹線部1a、1bは、2系統以上であってもよい。また、複数系統の幹線部1a、1bは、車両のエリア毎に分けて用いてもよい。また、複数系統の幹線部1a、1bは、複数系統の幹線部1a、1bの保護や配索スペースを確保するため別経路で配索してもよい。
【0052】
また、エリア電源マスタ20A、20Cは、第1の幹線部1a及び第2の幹線部1bに接続されている。例えば、エリア電源マスタ20Aは、電源制御部27が枝線部1cを介して第1の幹線部1aに接続され(第1供給経路40)、電源切替部26が枝線部1cを介して第2の幹線部1bに接続されている(第2供給経路50)。エリア電源マスタ20Aは、図11に示すように、車両電源マスタ10から第1供給経路40を介して電力が供給される。また、エリア電源マスタ20Aは、例えば、車両電源マスタ10から第1供給経路40を介して電力が供給できない場合、図12に示すように、車両電源マスタ10から第2供給経路50を介して電力が供給される。
【0053】
また、エリア電源マスタ20Cは、電源制御部27が枝線部1cを介して第2の幹線部1bに接続され(第1供給経路40)、電源切替部26が枝線部1cを介して第1の幹線部1aに接続されている(第2供給経路50)。エリア電源マスタ20C、図11に示すように、車両電源マスタ10から第1供給経路40を介して電力が供給される。また、エリア電源マスタ20Cは、例えば、車両電源マスタ10から第1供給経路40を介して電力が供給できない場合、車両電源マスタ10から第2供給経路50を介して電力が供給される。
【0054】
また、エリア電源マスタ20Bは、電源制御部27が枝線部1cを介して第1の幹線部1aに接続され、電源切替部26が外部電力供給部30のエリアバッテリ31に接続されている。エリア電源マスタ20Bは、車両電源マスタ10から第1の幹線部1a及び電源制御部27を介して電力が供給される。また、エリア電源マスタ20Bは、例えば、車両電源マスタ10から第1の幹線部1a及び電源制御部27を介して電力が供給できない場合、外部電力供給部30のエリアバッテリ31から電源切替部26を介して電力が供給される。
【0055】
〔実施形態2の第1動作例:メインバッテリから電力供給不可時の処理〕
次に、実施形態2に係る車両電源制御装置1Aの第1動作例について説明する。この例では、車両電源制御装置1Aは、図12に示すように、例えば、第1の幹線部1aの不具合により、当該第1の幹線部1aを経由してメインバッテリ12の電力をエリア電源マスタ20Aの各負荷部2に供給できない場合も含めて説明する。
【0056】
各エリア電源マスタ20は、図13に示すように、第1の幹線部1aの状態を確認する(ステップU1)。次に、各エリア電源マスタ20は、第2の幹線部1bの状態を確認する(ステップU2)。次に、各エリア電源マスタ20は、各幹線部1a、1bの状態に基づいて電源制御処理を行う(ステップU3)。各エリア電源マスタ20の電源制御処理については、図14を参照して詳細に説明する。
【0057】
エリア電源マスタ20Aは、図14に示すように、第1の幹線部1aの回路が接続されているか否かを判定する(ステップU10)。エリア電源マスタ20Aは、第1の幹線部1aの回路が接続されている場合(ステップU10;Yes)、第1の幹線部1aが正常であるか否かを判定する(ステップU11)。例えば、エリア電源マスタ20Aは、第1の幹線部1a及び電源制御部27を介してメインバッテリ12から電力が供給されている場合、第1の幹線部1aが正常であると判定し処理を終了する(ステップU11;Yes)。これにより、エリア電源マスタ20Aは、第1供給経路40を経由して車両電源マスタ10から電力が供給される。また、エリア電源マスタ20Aは、第1の幹線部1aが異常である場合(ステップU11;No)、第2の幹線部1bが正常であるか否かを判定する(ステップU12)。例えば、エリア電源マスタ20Aは、第2の幹線部1b及び電源切替部26を介してメインバッテリ12から電力が供給される場合、2系統の幹線部1bが正常であると判定する。エリア電源マスタ20Aは、第2の幹線部1bが正常である場合(ステップU12;Yes)、第1の幹線部1aからの電力供給を遮断する(ステップU13)。例えば、エリア電源マスタ20Aは、電源制御部27の遮断回路27aのスイッチをオフする。次に、エリア電源マスタ20Aは、第2の幹線部1bの回路を継続的に接続し処理を終了する(ステップU14)。例えば、エリア電源マスタ20Aは、電源切替部26のリレー接点26aをオンする。これにより、エリア電源マスタ20Aは、第2供給経路50を経由して車両電源マスタ10から電力が供給される。なお、上述のステップU12において、エリア電源マスタ20Aは、第2の幹線部1bが異常である場合(ステップU12;No)、処理を終了する。
【0058】
また、上述のステップU10において、エリア電源マスタ20Aは、第1の幹線部1aの回路が遮断されている場合(ステップU10;No)、第2の幹線部1bの回路が接続されているか否かを判定する(ステップU15)。エリア電源マスタ20Aは、第2の幹線部1bの回路が接続されている場合(ステップU15;Yes)、第2の幹線部1bが正常であるか否かを判定する(ステップU16)。エリア電源マスタ20Aは、第2の幹線部1bが正常である場合(ステップU16;Yes)、第1の幹線部1aが正常であるか否かを判定する(ステップU17)。エリア電源マスタ20Aは、第1の幹線部1aが正常である場合(ステップU17;Yes)、第1の幹線部1aの回路を接続する(ステップU18)。例えば、エリア電源マスタ20Aは、電源制御部27の遮断回路27aのスイッチをオンする。次に、エリア電源マスタ20Aは、第2の幹線部1bの回路を遮断し処理を終了する(ステップU19)。例えば、エリア電源マスタ20Aは、電源切替部26のリレー接点26aをオフする。これにより、エリア電源マスタ20Aは、第1供給経路40を経由して車両電源マスタ10から電力が供給される。なお、上述のステップU17において、エリア電源マスタ20Aは、第1の幹線部1aが異常である場合(ステップU17;No)、処理を終了する。これにより、エリア電源マスタ20Aは、第2供給経路50を経由して車両電源マスタ10から電力が供給される。
【0059】
また、上述のステップU16において、エリア電源マスタ20Aは、第2の幹線部1bが異常である場合(ステップU16;No)、第1の幹線部1aが正常であるか否かを判定する(ステップU20)。エリア電源マスタ20Aは、第1の幹線部1aが正常である場合(ステップU20;Yes)、エリア電源マスタ20Aは、第1の幹線部1aの回路を接続する(ステップU21)。例えば、エリア電源マスタ20Aは、電源制御部27の遮断回路27aのスイッチをオンする。次に、エリア電源マスタ20Aは、第2の幹線部1bの回路を遮断し処理を終了する(ステップU22)。例えば、エリア電源マスタ20Aは、電源切替部26のリレー接点26aをオフする。これにより、エリア電源マスタ20Aは、第1供給経路40を経由して車両電源マスタ10から電力が供給される。なお、上述のステップU20において、エリア電源マスタ20Aは、第1の幹線部1aが異常である場合(ステップU20;No)、第2の幹線部1bの回路を遮断し処理を終了する(ステップU22)。また、上述のステップU15において、エリア電源マスタ20Aは、第2の幹線部1bの回路が接続されていない場合(ステップU15;No)、処理を終了する。
【0060】
以上のように、実施形態2に係る車両電源制御装置1Aによれば、外部電力供給部30は、車両電源マスタ10が兼用され、第1供給経路40は、第1の幹線部1aを介して車両電源マスタ10からエリア電源マスタ20Aに電力を供給する経路であり、第2供給経路50は、第2の幹線部1bを介して車両電源マスタ10からエリア電源マスタ20Aに電力を供給する経路である。これにより、車両電源制御装置1Aは、車両電源マスタ10から第1の幹線部1aを介して電力が供給される場合、車両電源マスタ10からの電力を第1供給経路40を介してエリア電源マスタ20Aの負荷部2に供給することができる。また、車両電源制御装置1Aは、車両電源マスタ10から第1の幹線部1aを介して電力が供給されない場合、車両電源マスタ10からの電力を第2供給経路50を介してエリア電源マスタ20Aの負荷部2に供給することができる。従って、車両電源制御装置1Aは、車両の各負荷部2に電力を安定して供給することができる。なお、実施形態2ではエリア電源マスタ20Aに電力が供給される例について説明したが、エリア電源マスタ20Cについても同様の制御が行われる。
【0061】
〔実施形態3〕
次に、実施形態3に係る車両電源制御装置1Bについて説明する。車両電源制御装置1Bは、図15に示す外部電力供給部30を備える点で実施形態1の車両電源制御装置1と異なる。なお、実施形態3に係る車両電源制御装置1Bは、実施形態1の車両電源制御装置1と同様の構成については、同一の符号を付し詳細な説明を省略する。
【0062】
外部電力供給部30は、各エリア電源マスタ20に電力を供給するものである。外部電力供給部30は、各エリア電源マスタ20の外部に設けられ、接続線を介して各エリア電源マスタ20の電源切替部26に接続されている。外部電力供給部30は、エリアバッテリ31と、電流検出部32とを備える。エリアバッテリ31は、外部蓄電装置であり、電力を充放電するものである。エリアバッテリ31は、メインバッテリ12とは異なるバッテリであり、各エリア電源マスタ20B、20Cに接続される。エリアバッテリ31は、鉛電池やニッケル水素電池、リチウムイオン電池等の各種蓄電池が含まれる。外部電力供給部30は、エリアバッテリ31から接続線を経由して各エリア電源マスタ20B、20Cに電力を供給する。電流検出部32は、エリアバッテリ31に接続され、当該エリアバッテリ31の電流を検出するものである。電流検出部32は、例えばシャント抵抗器32aを備え、エリアバッテリ31の充放電の電流を検出する。具体的には、電流検出部32は、シャント抵抗器32aの抵抗で発生する電流に比例した電圧から電流を検出する。電流検出部32は、エリア電源マスタ20Bに接続され、当該エリア電源マスタ20Bに検出結果を出力する。エリア電源マスタ20Bは、電流検出部32から出力された検出結果に基づいてエリアバッテリ31を充放電する。例えば、エリア電源マスタ20Bは、エリアバッテリ31の充電率が所定の設定値以上である場合にはエリアバッテリ31を放電するように制御し、エリアバッテリ31の充電率が所定の設定値未満である場合にはエリアバッテリ31を充電するように制御する。
【0063】
外部電力供給部30は、各エリア電源マスタ20B、20Cにより電源切替部26のリレー接点26aがオンされることによりバッテリの電力を各エリア電源マスタ20B、20Cに供給する。これにより、各エリア電源マスタ20B、20Cは、各負荷部2に電力をより安定して供給することができる。また、外部電力供給部30は、各エリア電源マスタ20B、20Cにより電源切替部26のリレー接点26aがオフされることにより各エリア電源マスタ20B、20Cに供給する電力が停止される。なお、外部電力供給部30は、バッテリの代わりに発電装置を備えるようにしてもよい。この場合、外部電力供給部30は、各エリア電源マスタ20B、20Cにより電源切替部26のリレー接点26aがオンされることにより、発電装置で発電した電力を各エリア電源マスタ20B、20Cに供給する。このように、車両電源制御装置1Bは、外部電力供給部30を備えることにより、負荷部2に電力をより安定して供給することができる。
【0064】
〔変形例〕
次に、実施形態の変形例について説明する。車両電源マスタ10は、外部電力供給部30から供給される電力によりメインバッテリ12を充電してもよい。例えば、車両電源マスタ10は、メインバッテリ12の充電率が低下した場合、外部電力供給部30のエリアバッテリ31の状態(例えば、充電率)を確認する。そして、車両電源マスタ10は、外部電力供給部30のエリアバッテリ31から電力が供給可能な場合、外部電力供給部30のエリアバッテリ31から供給される電力によりメインバッテリ12を充電する。
【0065】
また、各エリア電源マスタ20は、外部電力供給部30のエリアバッテリ31とは異なるエリアバッテリを内蔵してもよい。
【符号の説明】
【0066】
1 車両電源制御装置
1a、1b 幹線部
1c 枝線部
2 負荷部
10 車両電源マスタ(マスタ電源制御部)
12 メインバッテリ(メイン蓄電装置)
20 エリア電源マスタ(エリア電源制御部)
30 外部電力供給部
31 エリアバッテリ(外部蓄電装置)
40 第1供給経路
50 第2供給経路
図1
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