特許第6836963号(P6836963)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6836963
(24)【登録日】2021年2月10日
(45)【発行日】2021年3月3日
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20210222BHJP
   G06F 3/044 20060101ALI20210222BHJP
【FI】
   G06F3/041 600
   G06F3/044 124
   G06F3/041 512
【請求項の数】13
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-118377(P2017-118377)
(22)【出願日】2017年6月16日
(65)【公開番号】特開2019-3466(P2019-3466A)
(43)【公開日】2019年1月10日
【審査請求日】2020年6月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】特許業務法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長沼 智彦
【審査官】 星野 裕
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2015/046289(WO,A1)
【文献】 国際公開第2013/021835(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
G06F 3/044
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の基板と、
前記第1の基板の上方に配置された発光素子と、
前記発光素子の上方に設けられた絶縁表面を有する絶縁層と、
前記絶縁表面の上面に設けられたタッチセンサと、を含み、
前記タッチセンサは、
前記絶縁表面の上面に設けられた複数の第1の電極と、
前記絶縁表面の上面に設けられ、前記複数の第1の電極と第1の静電容量を形成する複数の第2の電極と、
前記複数の第1の電極と前記複数の第2の電極との上面に設けられ、押圧力の印加に応じて帯電する圧電性層と、
前記第1の電極にパルス電圧を印加するパルス発生器と、
前記パルス電圧の印加に起因した前記第2の電極に関する第1の測定値の変化から前記第1の静電容量の変化を検知し、前記パルス電圧の印加に起因しない前記第2の電極に関する第2の測定値の変化から前記押圧力の強度を検知する判別回路と、
を含む、表示装置。
【請求項2】
前記複数の第1の電極は、
前記第1の基板の形成平面における第1の方向に接続された列状の第1の電極の群を複数含む、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記複数の第1の電極と前記パルス発生器との間に配置され、複数の前記列状の第1の電極の群の内の一つを順に選択し、選択された前記列状の第1の電極の群に前記パルス発生器からの前記パルス電圧を印加する第1選択回路を更に含む、
請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第1の方向に接続された列状の第1の電極の群において、隣り合う二つの前記第1の電極は第1の接続部により接続された、
請求項2又は3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記複数の第2の電極は、
前記第1の基板の形成平面において前記第1の方向と交差する第2の方向に接続された列状の第2の電極の群を複数含む、
請求項2乃至4のいずれか一つに記載の表示装置。
【請求項6】
前記複数の第2の電極と前記判別回路との間に配置され、複数の前記列状の第2の電極の群の内の一つを順に選択し、選択された前記列状の第2の電極の群から出力される物理量の変化を前記判別回路に伝達する第2選択回路を更に含む、
請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第2の方向に接続された列状の第2の電極の群において、隣り合う二つの前記第2の電極は第2の接続部により接続された、
請求項5又は6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記タッチセンサの上方に設けられた第2の基板を更に含み、
前記判別回路が、前記第1選択回路の選択状況、前記第2の選択回路の選択状況、及び前記第1の測定値の変化から、前記第2の基板に接触する導電体からなる入力体の、前記第1の基板の形成平面における位置を検知し、前記第2の測定値の変化から、前記第2の基板に対する前記入力体の押圧力の強度を検知する、
請求項6又は7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記第1の測定値と、前記第2の測定値とは、タイミングをずらして測定し、
前記第1の測定値を測定する際には、前記パルス発生器がパルス電圧を前記第1の電極に印加し、前記第2の測定値を測定する際には、前記パルス発生器がパルス電圧を前記第1の電極に印加しない、
請求項1乃至8のいずれか一つに記載の表示装置。
【請求項10】
前記圧電性層は、その構成材料として、ポリフッ化ビニリデン、トリフッ化エチレン、ポリ乳酸の内の少なくともいずれか一つを含む、
請求項1乃至9のいずれか一つに記載の表示装置。
【請求項11】
前記発光素子の側面に設けられたバンクを更に含み、
前記第1の電極と前記第2の電極との間が、前記バンクの上方に位置する、
請求項1乃至10のいずれか一つに記載の表示装置。
【請求項12】
前記複数の発光素子の上方に、少なくとも一層の無機絶縁層を含む封止層を更に含み、
前記封止層の上面が前記絶縁表面を構成する、
請求項1乃至11のいずれか一つに記載の表示装置。
【請求項13】
前記発光素子が設けられる表示領域を有し、
前記圧電性層は、前記表示領域全面に亘り設けられる、
請求項1乃至12のいずれか一つに記載の表示装置。



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1は、例えば携帯電話やスマートフォン、あるいはPDAなど、表示装置を含む電子機器に取り付けることが想定されたタッチセンサを開示している。
【0003】
下記特許文献1が開示するタッチセンサは、指などの入力体の位置を検出するセンサーシートと、入力体による押圧を検出する接点基板とを備えている。センサーシートと接点基板とは別層に設けられている。
【0004】
センサーシートは、誘電体層と、この誘電体層の上面に配置された第1の電極と、誘電体層の下面に配置された第2の電極とを含み、第2の電極から第1の電極へ駆動信号を送信する。指などの導電体が近づくことによる、第1の電極と第2の電極間との静電容量との変化に基づき、第1の電極が受信する駆動信号が変化する。この変化を静電容量検出部が検出することにより、入力体の位置を検出している。
【0005】
また、接点基板は、基材と、この基材の上面に設けられたメタルドーム、及び複数の接点電極を含む。入力体による押圧により、メタルドームが変形し、これに伴い複数の接点電極の導通状態が変化する。この変化を導通検出部が検出することにより、入力体の押圧を検出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2012−68724号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記従来の構成においては、タッチセンサを含む表示装置の薄型化が難しいことが課題となっていた。即ち、タッチセンサが、センサーシートと、このセンサーシートとは別層に設けられた接点基板とを含み、更にセンサーシートは少なくとも第1の電極、誘電体層、及び第2の電極を含む3層構造を有していたため、このタッチセンサを含む表示装置の薄型化が難しくなってしまっていた。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本開示に係る表示装置は、第1の基板と、前記第1の基板の上方に配置された発光素子と、前記発光素子の上方に設けられた絶縁表面を含む絶縁層と、前記絶縁表面の上面に設けられたタッチセンサと、を含み、前記タッチセンサは、前記絶縁表面の上面に設けられた複数の第1の電極と、前記絶縁表面の上面に設けられ、前記複数の第1の電極と第1の静電容量を形成する複数の第2の電極と、前記複数の第1の電極と前記複数の第2の電極との上面に設けられ、押圧力の印加に応じて帯電する圧電性層と、前記第1の電極にパルス電圧を印加するパルス発生器と、前記パルス電圧の印加に起因した前記第2の電極に関する第1の測定値の変化から前記第1の静電容量の変化を検知し、前記パルス電圧の印加に起因しない前記第2の電極に関する第2の測定値の変化から前記押圧力の強度を検知する判別回路と、を含む。
【0009】
(2)上記(1)における表示装置において、前記複数の第1の電極は、前記第1の基板の形成平面における第1の方向に接続された列状の第1の電極の群を複数含む構成としてもよい。
【0010】
(3)上記(2)における表示装置が、前記複数の第1の電極と前記パルス発生器との間に配置され、複数の前記列状の第1の電極の群の内の一つを順に選択し、選択された前記列状の第1の電極の群に前記パルス発生器からの前記パルス電圧を印加する第1選択回路を更に含む構成としてもよい。
【0011】
(4)上記(2)〜(3)における表示装置が、前記第1の方向に接続された列状の第1の電極の群において、隣り合う二つの前記第1の電極は第1の接続部により接続された構成としてもよい。
【0012】
(5)上記(2)〜(4)における表示装置において、前記複数の第2の電極は、前記第1の基板の形成平面において前記第1の方向と交差する第2の方向に接続された列状の第2の電極の群を複数含む構成としてもよい。
【0013】
(6)上記(5)における表示装置が、前記複数の第2の電極と前記判別回路との間に配置され、複数の前記列状の第2の電極の群の内の一つを順に選択し、選択された前記列状の第2の電極の群から出力される物理量の変化を前記判別回路に伝達する第2選択回路を更に含む構成としてもよい。
【0014】
(7)上記(5)〜(6)における表示装置が、前記第2の方向に接続された列状の第2の電極の群において、隣り合う二つの前記第2の電極は第2の接続部により接続された構成としてもよい。
【0015】
(8)上記(6)〜(7)における表示装置が、前記タッチセンサの上方に設けられた第2の基板を更に含み、前記判別回路が、前記第1選択回路の選択状況、前記第2の選択回路の選択状況、及び前記第1の測定値の変化から、前記第2の基板に接触する導電体からなる入力体の、前記第1の基板の形成平面における位置を検知し、前記第2の測定値の変化から、前記第2の基板に対する前記入力体の押圧力の強度を検知する構成としてもよい。
【0016】
(9)上記(1)〜(8)における表示装置が、前記第1の測定値と、前記第2の測定値とは、タイミングをずらして測定し、前記第1の測定値を測定する際には、前記パルス発生器がパルス電圧を前記第1の電極に印加し、前記第2の測定値を測定する際には、前記パルス発生器がパルス電圧を前記第1の電極に印加しない構成としてもよい。
【0017】
(10)上記(1)〜(9)における表示装置において、前記圧電性層は、その構成材料として、ポリフッ化ビニリデン、トリフッ化エチレン、ポリ乳酸の内の少なくともいずれか一つを含む構成としてもよい。
【0018】
(11)上記(1)〜(10)における表示装置において、前記発光素子の側面に設けられたバンクを更に含み、前記第1の電極と前記第2の電極との間が、前記バンクの上方に位置する構成してもよい。
【0019】
(12)上記(1)〜(11)における表示装置が、前記複数の発光素子の上方に、少なくとも一層の無機絶縁層を含む封止層を更に含み、前記封止層の上面が前記絶縁表面を構成する構成としてもよい。
【0020】
(13)上記(1)〜(12)における表示装置が、前記発光素子が設けられる表示領域を有し、前記圧電性層は、前記表示領域全面に亘り設けられる構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、本実施形態に係る表示装置の斜視図である。
図2図2は、図1においてIIで指す部分を示す拡大図である。
図3図3は、図2に示す表示装置のIII−III線断面を一部省略して示す拡大図である。
図4図4は、図2に示す表示装置のIV−IV線断面を一部省略して示す拡大図である。
図5図5は、図2に示す表示装置のV−V線断面を一部省略して示す拡大図である。
図6図6は、本実施形態に係る表示装置におけるタッチセンサを用いた検出回路を模式的に示す図である。
図7図7は、本実施形態に係る表示装置のタッチセンシングのフローを示す図である。
図8図8は、本実施形態に係る表示装置におけるパルス発生器からの入力電圧に関するタイミングチャートである。
図9図9は、本実施形態に係る表示装置における測定回路による第1の測定値に関するタイミングチャートである。
図10図10は、本実施形態に係る表示装置の第2の基板を指などの入力体で押した状態を示す断面図である。
図11図11は、本実施形態に係る表示装置における圧電性層の性質を示す模式図である。
図12図12は、本実施形態に係る表示装置における圧電性層の性質を示す模式図である。
図13図13は、本実施形態に係る表示装置における圧電性層の性質を示す模式図である。
図14図14は、本実施形態に係る表示装置における圧電性層の性質を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本実施形態について図面を参照して説明する。但し、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲において様々な態様で実施することができ、以下に例示する実施形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0023】
図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。本明細書と各図において、既出の図に関して説明したものと同様の機能を備えた要素には、同一の符号を付して、重複する説明を省略することがある。
【0024】
さらに、本発明の詳細な説明において、ある構成物と他の構成物の位置関係を規定する際、「上に」、「上方に」、「下に」、「下方に」とは、ある構成物の直上あるいは直下に位置する場合のみでなく、特に断りの無い限りは、間にさらに他の構成物を介在する場合を含むものとする。
【0025】
図1は、本実施形態に係る表示装置100の斜視図である。表示装置100として、有機エレクトロルミネッセンス表示装置を例に挙げる。表示装置100は、例えば、赤、緑及び青からなる複数色の単位画素(サブピクセル)を組み合わせて、フルカラーの画素を形成し、フルカラーの画像を表示するようになっている。表示装置100は、複数の画素がマトリクス状に配置された表示領域DAを有する。また、表示装置100はタッチセンサ54を有し、タッチセンサ54は表示領域DAを覆うように設けられる。表示装置100は、第1の基板10を有する。第1の基板10には、画像を表示するための素子を駆動するための集積回路チップ12が搭載され、外部との電気的接続のために図示しないフレキシブルプリント基板を接続してもよい。
【0026】
図2は、図1においてIIで指す部分を示す拡大図である。図3は、図2に示す表示装置100のIII−III線断面を一部省略して示す拡大図である。第1の基板10は、樹脂又はガラスからなり、ポリイミドやポリエチレンテレフタレート等の可撓性を有するフィルムであってもよい。第1の基板10には、それ自体が含有する不純物に対するバリアとなるアンダーコート層14が形成される。アンダーコート層14は、シリコン酸化膜又はシリコン窒化膜等からなり、それらの積層構造であっても良い。アンダーコート層14の上には半導体層16が形成されている。半導体層16の上には半導体層16を覆うようにゲート絶縁膜22が形成されている。ゲート絶縁膜22の上にはゲート電極24が形成され、ゲート電極24を覆うよう層間絶縁膜26が形成されている。ソース電極18及びドレイン電極20は、ゲート絶縁膜22及び層間絶縁膜26を貫通し、半導体層16に電気的に接続されている。半導体層16、ソース電極18、ドレイン電極20及びゲート電極24によって薄膜トランジスタ28が構成される。
【0027】
薄膜トランジスタ28の上には、平坦化層32が設けられている。平坦化層32の上には、複数の単位画素(サブピクセル)それぞれに対応するように構成された複数の画素電極34が設けられている。本実施形態においては、この複数の画素電極34が陰極(カソード)として構成されている。後述する発光が、第1の基板10と反対方向へ取り出される場合、画素電極34には、銀、アルミニウムやマグネシウムと言った金属などの反射率の高い材料が含まれてもよい。すなわち、反射率の高い層の上に透光性を有する導電性材料を含む膜を形成してもよい。このような材料としては、例えば、ITOやIZOがあげられる。平坦化層32は、少なくとも画素電極34が設けられる面が平坦になるように形成される。平坦化層32としては、ポリイミドや感光性アクリル樹脂等の有機材料が多く用いられる。画素電極34は、平坦化層32を貫通するコンタクトホール36によって、半導体層16上のソース電極18及びドレイン電極20の一方に電気的に接続している。
【0028】
平坦化層32及び画素電極34の上に、絶縁層38が形成されている。絶縁層38は、画素電極34の周縁部に載置され、画素電極34の一部(例えば中央部)を開口させるように形成されている。絶縁層38によって、画素電極34の一部を囲むバンクが形成される。
【0029】
画素電極34上に発光層40が設けられている。発光層40は、画素電極34ごとに別々に分離して設けられ、その一部が絶縁層38の上にも載置されるよう設けられている。本実施形態においては、各画素に対応する青色、赤色、緑色のいずれか1色を、複数の発光層40のそれぞれが発光する構成としている。各画素に対応する色はこれに限られず、例えば、黄色、白色等が含まれてもよい。発光層40は、例えば、蒸着により形成される。なお、発光層40は、図1に示した表示領域DAを覆う全面に、複数の画素に亘るように形成してもよい。つまり、発光層40を絶縁層38の上で連続するように形成してもよい。発光層40を複数の画素に亘るように形成する場合は、全サブピクセルにおいて白色で発光し、図示しないカラーフィルタを通して所望の色波長部分を取り出す構成になる。この場合、発光層40は溶媒分散による塗布により形成することが可能である。
【0030】
発光層40の上には、対向電極42が設けられている。本実施形態において、対向電極42は陽極(アノード)であり、複数の単位画素にまたがる共通電極として構成されている。発光が第1の基板10とは反対方向へ取り出される場合、例えば、ITOやIZOといった透光性を有する導電性材料が用いられる。対向電極42は、バンクとなる絶縁層38の上にも配置される。発光層40並びに発光層40を挟む画素電極34及び対向電極42を含む発光素子44が構成される。複数の単位画素のそれぞれが発光素子44を有する。発光層40は、画素電極34及び対向電極42に挟まれ、両者間を流れる電流によって輝度が制御されて発光する。発光層40と画素電極34との間には、図示しない正孔輸送層及び正孔注入層の少なくとも一層を設けてもよい。発光層40と対向電極42との間には、図示しない電子輸送層及び電子注入層の少なくとも一層を設けてもよい。
【0031】
発光素子44は、対向電極42に積層する封止層46によって覆われることで封止されて水分から遮断される。封止層46は、窒化シリコン(SiN)などからなる少なくとも一層の無機絶縁層を含む。封止層46は、積層構造であってもよく、例えば、図3に示すように、一対の無機絶縁層48、無機絶縁層50と、この無機絶縁層48、無機絶縁層50の間に樹脂などからなる少なくとも一層の有機絶縁層52とを含む積層構造であってもよい。封止層46は、図1に示した表示領域DAを覆う。
【0032】
本実施形態に係る表示装置100は、封止層46上にタッチセンサ54を有する。タッチセンサ54は、図2図3に示すように、複数の第1の電極56、複数の第2の電極58、及び圧電性層90を有する。圧電性層90は、図1に示した表示領域DA全面に亘り設けられていてもよい。圧電性層90が全面に設けられる場合には、パターニングする必要が無い為、製造コストが低減される。また、押圧時に圧力を均等に分散することができる。これにより、圧電性層より下の層に局所的に圧力がかかることを防止し、これによる発光素子の劣化等に起因する表示性能の劣化を防ぐことが出来る。
【0033】
図3に示すように、複数の第1の電極56は、封止層46の上面である絶縁表面84上に形成されている。複数の第1の電極56は、図2に示すように、第1の基板10の形成平面における第1の方向D1において、隣り合う第1の電極56同士が、第1の接続部62により接続されており、第1の基板10の形成平面における第1の方向D1と交差する第2の方向D2においては、隣り合う第1の電極56同士が接続されていない。
【0034】
図3に示すように、複数の第2の電極58は、封止層46の上面である絶縁表面84上に形成されている。複数の第2の電極58は、図2に示すように、第2の方向D2において、隣り合う第2の電極58同士が、第1の接続部62の下方に設けられた第2の接続部60により接続されており、第1の方向D1においては、隣り合う第2の電極58同士が接続されていない。第2の電極58と第2の接続部60は同じ層に配置されている。複数の第1の電極56と複数の第2の電極58とは、互いに重なり合わずに、同じ層において、間隔をあけて配置されている。第1の電極56と第2の電極58との間には、図3に示すように、圧電性層90が介在している。
【0035】
本実施形態においては、図3に示すように、隣り合う第1の電極56と第2の電極58の間の領域が、バンクを形成する絶縁層38の上方に位置するよう配置されている。封止層46の膜厚が薄く、第1の電極56、及び第2の電極58と発光素子44との距離が近い場合には、第1の電極56の形状、及び第2の電極58の形状を画素の形状に対応させることで光学特性を向上させることができる。封止層46の膜厚が一定上の厚みを有し、第1の電極56、及び第2の電極58と発光素子44とが十分に離れていれば、画素の形状に応じて第1の電極56、及び第2の電極58を形成する必然性は低くなる。
【0036】
以下、図4、5を用いて、第1の電極56、第2の電極58、第1の接続部62、及び第2の接続部60の接続状態についてより具体的に説明する。図4及び図5は、それぞれ、図2に示す表示装置100のIV−IV線断面、及びV−V線断面を一部省略して示す拡大図である。
【0037】
図4に示すように、隣り合う第1の電極56は間をあけて配置されており、隣り合う第1の電極56の間には、第1の電極56と接触しないように、第2の接続部60が配置されている。第1の電極56、及び第2の接続部60から露出された絶縁表面84の一部、隣り合う第1の電極56の端部の上面、及び第2の接続部60の上面には絶縁膜64を設けており、絶縁膜64が、第1の電極56と第2の接続部60とを絶縁している。さらに、この絶縁膜64の側面及び上面には第1の接続部62が設けられており、この第1の接続部62が、隣り合う第1の電極56同士を接続している。絶縁膜64は、第1の接続部62と第2の接続部60とを絶縁している。
【0038】
図5に示すように、絶縁表面84の上面には、第2の電極58と第2の接続部60とが配置されており、第2の接続部60が、隣り合う第2の電極58同士を接続している。第2の接続部60の上面には絶縁膜64が設けられており、この絶縁膜64が、第2の接続部60の上方に配置された第1の接続部62と、第2の接続部60とを絶縁している。
【0039】
続いて、第1の電極56、第2の電極58の上方に設けられる圧電性層90について、図3、4、及び図5を用いて具体的に説明する。図3、4、及び図5に示すように、圧電性層90は、複数の第1の電極56が形成される領域から、複数の第2の電極58が形成される領域にまで、連続的に設けられる。圧電性層90は、露出された第1の電極56、第2の電極58の上面、側面、及び第1の接続部62の上面、側面を覆っている。
【0040】
圧電性層90は、圧電性材料からなるフィルムの張り合わせにより構成されている。圧電性層90に用いる圧電性材料としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、トリフッ化エチレン(TrFE)、ポリ乳酸(PLA)などの有機圧電性材料を用いることができる。これらの圧電性材料は可視光領域における透過率が高いため、これらの圧電性材料を、圧電性層90を構成する材料として用いることにより、発光素子44から発せられた光が、この圧電性層90によって遮られることなく、第2の基板70側へ透過することが可能となる。また、例示した圧電性材料は有機材料であることから柔軟性がある。そのため、本開示の表示装置100をフレキシブルディスプレイとして用いる場合であっても、圧電性層90が曲げ耐性を有しており、圧電性層90の割れ発生を抑制することが可能となる。
【0041】
上述した第1の電極56、第2の電極58、第1の接続部62、第2の接続部60、及び圧電性層90により、タッチセンサ54を構成している。このタッチセンサ54の機能については後述する。
【0042】
タッチセンサ54の上面、即ち圧電性層90の上面には、図3に示すように、第2の基板70が貼り付けられている。第2の基板70は、樹脂やガラスなど、可視光領域に対する透過率が高い材料からなり、例えば、カバーガラスや偏光板、保護フィルムなどを含んでもよく、第1の基板10と同様に、可撓性を有するフィルムであってもよい。第2の基板70の貼り付けには、図示しない粘着材を使用する。
【0043】
上述した構成により、本開示の表示装置100はタッチセンサ54を内蔵しており、指などの導電体が第2の基板70に触れると、タッチセンサ54が、第1の基板10の形成平面方向における指などの導電体のタッチ位置を検出することができる。また、指などの入力体が第2の基板70を押圧すると、タッチセンサ54が、表示装置100の積層方向に印加された押圧力の強度を検出することができる。以下、本開示の表示装置100において、タッチセンサ54による、第1の基板10の形成平面方向における導電体のタッチ位置の検出方法と、表示装置100の積層方向に入力体から印加された押圧力の強度の検出方法について説明する。
【0044】
まず、第1の基板10の形成平面方向における指などの導電体のタッチ位置の検出方法について説明する。本実施形態においては、指などの導電体が第2の基板70にタッチした際における、第1の基板10の形成平面方向における導電体のタッチ位置の検出につき、相互容量方式の原理を採用している。相互容量方式では、複数の第1の電極56と複数の第2の電極58との間の静電容量の変化を検出することにより、導電体のタッチ位置を検出することができる。
【0045】
図6は、本実施形態に係る表示装置100におけるタッチセンサを用いた検出回路を模式的に示す図である。表示装置100は、複数の第1の電極56、複数の第2の電極58、及びセンシング回路72を有する。複数の第1の電極56は、第1の方向D1に接続された列状の第1の電極56の群を複数含んでいる。また、複数の第2の電極58は、第2の方向D2に接続された列状の第2の電極58の群を複数含んでいる。
【0046】
図3を用いて上述したとおり、第1の電極56と第2の電極58とは間をあけて配置されており、両者の間には圧電性層90が介在している。従って、第1の電極56の側面と第2の電極58の側面との間には第1の静電容量が形成される。
【0047】
センシング回路72は、例えば、図1に示す集積回路チップ12に内蔵されている。センシング回路72は、第1選択回路74、第2選択回路76、パルス発生器78、測定回路83、判別回路82などを含む。
【0048】
センシング回路72に含まれる第1選択回路74は、第1の方向D1に接続された列状の第1の電極56の群に接続されている。第1選択回路74は、複数の列状の第1の電極56の群の中から、一つの列状の第1の電極56の群を選択する。所定の期間、一つの列状の第1の電極56の群を選択すると、続いて他の列状の第1の電極56の群を選択する。このようにして、複数の列状の第1の電極56の群の全てを順番にスキャンしていく。
【0049】
センシング回路72に含まれる第2選択回路76は、第2の方向D2に接続された列状の第2の電極58の群に接続されている。第2選択回路76は、複数の列状の第2の電極58の群の中から、一つの列状の第2の電極58の群を選択する。所定の期間、一つの列状の第2の電極58の群を選択すると、続いて他の列状の第2の電極58の群を選択する。このようにして、複数の列状の第2の電極58の群の全てを順番にスキャンしていく。
【0050】
センシング回路72に含まれるパルス発生器78は、第1選択回路74によって選択された一つの列状の第1の電極56の群にパルス電圧を印加する。第1選択回路74が、所定の期間ごとに一つの列状の第1の電極56の群を選択していくため、この選択に応じてパルス発生器78からのパルス電圧が、複数の列状の第1の電極56の群のそれぞれに、順番に印加されていく。
【0051】
第1選択回路74によって選択された一つの列状の第1の電極56の群にパルス電圧が印加されると、この電位変動が、第1の電極56と第2の電極58との間において発生している第1の静電容量に基づくカップリングによって、第2の電極58に伝達される。
【0052】
ここで、指などの導電体が、第1選択回路74により選択された、一つの列状の第1の電極56の群と、第2選択回路76により選択された、一つの列状の第2の電極58の群とがクロスする位置付近における第2の基板70に触れると、第1の電極56及び第2の電極58の間の電界の他に、第2の基板70に接触した導電体と第1の電極56との間や、第2の基板70に接触した導電体と第2の電極58との間にも電界が生ずる。これらの電界変動によって、第1の電極56と第2の電極58との間のカップリングが一部阻害される。即ち、第1の電極56と第2の電極58との間に発生している第1の静電容量が減少する。
【0053】
センシング回路72に含まれる測定回路83は、第2選択回路76に接続されており、この第1の静電容量の減少に伴う第1の物理量の変化を測定する。本実施形態においては、測定回路83が、第2選択回路76の出力端に接続された負荷81と、この負荷81の両端に接続された電圧計80とを含んでいる。そして、電圧計80が、第1の静電容量の減少に伴う、負荷81の両端において発生する電圧値を測定している。即ち、本実施形態において測定回路83が測定する第1の物理量は、電圧計80により測定される負荷81の両端に発生する電圧値である。
【0054】
センシング回路72に含まれる判別回路82は、測定回路83に接続されており、測定回路83による第1の物理量の変化に基づき、導電体による第2の基板70への接触の有無と、接触があった場合にはその接触位置を検出する。本実施形態においては、判別回路82が、電圧計80が測定した電圧値の変化を検出した場合には、その変化が起きたタイミングにおいて第1選択回路74が選択した、一つの列状の第1の電極56の群と、第2選択回路76が選択した、一つの列状の第2の電極58の群とがクロスする位置付近において、指などの導電体が第2の基板70に触れたと、判別回路82が判断する。
【0055】
図7は、本実施形態に係る表示装置100のタッチセンシングのフローを示す図である。まず、第1の測定量の測定ステップS11において、図6に示した測定回路83において、第2選択回路76の出力端に生じている第1の物理量に関する第1の測定値を測定する。本実施形態においては、測定回路83が、負荷81と、負荷81の両端に接続された電圧計80とを含んでおり、電圧計80は、第1の物理量である電圧値を測定する。この電圧計80による測定結果が第1の測定値である。
【0056】
次に、判別回路による判定ステップS12において、判別回路82が、測定回路83が測定した第1の測定値が、所定の第1の範囲から外れるか否かを判定する。第1の範囲は、指などの導電体が第2の基板70に接触していないときの設計値に誤差を考慮した範囲である。
【0057】
そして、第1の測定値が、第1の範囲外にあった場合、判別回路82は、検知ステップS14において、第1選択回路74、第2選択回路76により選択された位置付近における第2の基板70に指などの導電体が接触したと判断する。
【0058】
また、第1の測定値が、第1の範囲内にあった場合、判別回路82は、検知ステップS13において、第1選択回路74、第2選択回路76により選択された位置付近においては、第2の基板70に指などの導電体は接触していないと判断する。
【0059】
以下、本実施形態に係る表示装置100のタッチセンシングにつき、図8、9を用いてより具体的に説明する。図8は、本実施形態に係る表示装置100におけるパルス発生器からの入力電圧に関するタイミングチャートである。図9は、本実施形態に係る表示装置100における測定回路83による第1の測定値に関するタイミングチャートである。本実施形態では、図8、及び図9に示すように、第1の基板10の形成平面方向の導電体のタッチ位置の検出期間である第1期間T1と、表示装置100の積層方向に印加された押圧力の強度の検出期間である第2期間T2とが交互に設けられており、第1期間T1と第2期間T2との間にはリフレッシュ期間Trが設けられている。
【0060】
図8に示すように、第1の基板10の形成平面方向の導電体のタッチ位置の検出期間である第1期間T1において、第1選択回路74が選択した一つの列状の第1の電極56の群には、パルス発生器78からのプラス・マイナス5Vのパルス電圧が印加される。
【0061】
この第1期間T1において、第2選択回路76が選択した一つの列状の第2の電極58の群のうち、第1選択回路74が選択した一つの列状の第1の電極56の群とクロスする第2の電極58の近傍における第2の基板70に指などの導電体が触れると、測定回路83が測定する第1の測定値が変化する。本実施形態においては、図9に示すように、第2選択回路76の出力端に接続された負荷81の両端に接続された電圧計80において測定される電圧値が、2Vから5Vに上がる。なお、第1選択回路74、第2選択回路76が選択した箇所に、指などの誘電体が触れていない場合は、図9における破線にて示すように、常に2V程度の電圧値が電圧計80により測定される。
【0062】
この測定回路83からの計測結果である第1の測定値を受信した判別回路82は、図7に示した判別回路による判定ステップS12において、第1の測定値が第1の範囲外であるか否かを判定する。本実施形態においては、例えば、測定回路83に含まれる電圧計80の測定結果である電圧値が、所定の値よりも大きいか否か、例えば3Vよりも大きいか否かを判別する。電圧計80の測定結果が3V以上であった場合、検知ステップS14において、判別回路82は、第1の測定値が第1の範囲外となったと判断する。そして、判別回路82は、第1選択回路74により選択されている一つの列状の第1の電極56の群と、第2選択回路76により選択されている一つの列状の第2の電極58の群とがクロスする付近において、指などの導電体が、第2の基板70に触れたことを検知する。電圧計80における測定値が3V未満であった場合、検知ステップS13において、判別回路82は、第1の測定値が第1の範囲内であると判断する。そして、判別回路82は、第1選択回路74により選択されている一つの列状の第1の電極56の群と、第2選択回路76により選択されている一つの列状の第2の電極58の群とがクロスする付近においては、指などの導電体が、第2の基板70に触れられていないことを検知する。
【0063】
続いて、表示装置100の積層方向に印加された押圧力の強度の検出方法について説明する。図10は、本実施形態に係る表示装置100の第2の基板70を上から指などの入力体で押した状態を示す断面図である。指による押圧によって、第2の基板70を介して、圧電性層90が圧縮される。
【0064】
ここで、圧電性層90は、上述した通り、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、トリフッ化エチレン(TrFE)、ポリ乳酸(PLA)などの有機圧電性材料を用いて構成している。これらの有機圧電材料の分子鎖は、図11に示すような、らせん構造をとっており、分子鎖の両側に帯電している。このとき、図12に示すように、圧電性層90の上面の全体及び下面の全体は、それぞれ電気的に極性が打ち消されている。そのため、圧電性層90全体として、帯電していない状態と同様の状態となっている。しかし、図13に示すように、圧電性層90の例えば上方から外的な圧力を加えた場合、分子鎖が引き伸ばされ、分子鎖の例えば上面側に電荷が集中する。このとき、図14に示すように、圧電性層90の上面全体においてはマイナスに帯電しており、圧電性層90の下面全体においてはプラスに帯電しており、圧電性層90全体として分極している。この帯電状態の圧電性層90に導電体が接すると、電荷の隔たりを打ち消すため、電流が生じる。
【0065】
なお、この圧電性層90の上面と下面とを逆に配置すれば、上面全体がプラスに帯電し、下面全体がマイナスに帯電する。本発明は、圧電性層90の上面、及び下面の帯電がプラスであるか、あるいはマイナスであるかについては特に限定されない。
【0066】
図11乃至14を用いて説明した理由により、図10に示すように指などの入力体による押圧によって圧縮された圧電性層90は分極を起こし、帯電している。この帯電した圧電性層90の下面には、第2の電極58が接触している。従って、圧電性層90における圧電効果により発生した電流が、第2の電極58を介して、第2選択回路76の出力端に出力される。
【0067】
本実施形態においては、図8に示すように、上述したとおり、第1期間T1の後のリフレッシュ期間Tr後に、表示装置100の積層方向に印加された押圧力の強度の検出期間である第2期間T2を設けている。そして、このリフレッシュ期間Tr及び第2期間T2においては、パルス発生器78からのパルス電圧は、第1選択回路74、及び第1の電極56に印加されない。
【0068】
この第2期間T2において、図10に示すように、指による押圧によって圧電性層90が圧縮されると、圧電性層90における圧電効果により発生した電流が、第2選択回路76の出力端から出力され、この電流値の増加に基づく第1の物理量の変化が測定回路83により測定される。本実施形態においては、測定回路83が、第2選択回路76の出力端に接続された負荷81と、この負荷81の両端に接続された電圧計80とを有している。そのため、図9に示すように、第2選択回路76の出力端から出力された電流値に応じて、負荷81において電圧が発生する。この電圧値を電圧計80が第2の測定値として測定する。
【0069】
この測定回路83からの第2の測定値の大小により、判別回路82は、指などの入力体による押圧力の強度を検知する。
【0070】
上述した構成により、第1の基板10の形成平面方向における指などの導電体のタッチ位置の検出と、表示装置100の積層方向に印加された押圧力の強度の検出を、第1の電極56、第2の電極58を含む電極形成層と、圧電性層90とからなるタッチセンサ54により行うことができる。その結果として、表示装置100の薄型化を実現することができる。
【0071】
また、本実施形態に示す構成によれば、表示装置100の積層方向に印加された押圧力の強度を検出する際に、圧電性層90により発生した電圧を検出する構成としているため、例えば封止層46において寄生容量が発生しているような場合であっても、圧電性層90により発生した電圧の検知精度は、この寄生容量によって悪影響を受けないため、より高精度な検知を行うことが可能である。
【0072】
なお、本実施形態においては、複数の第1の電極56が第1選択回路74に接続され、複数の第2の電極58が第2選択回路76に接続される構成としたが、複数の第1の電極56が第2選択回路76に接続され、複数の第2の電極58が第1選択回路74に接続される構成としてもよい。その場合、第1選択回路74により選択された一つの列状の複数の第2の電極58の群には、パルス発生器78からのパルス電圧が印加され、第2選択回路76により選択された一つの列状の複数の第1の電極56の群からの出力を測定回路83が測定する構成となる。
【0073】
なお、表示装置100は、有機エレクトロルミネッセンス表示装置には限定されず、量子ドット発光素子(QLED:Quantum‐Dot Light Emitting Diode)のような発光素子を各画素に備えた表示装置であってもよいし、液晶表示装置あってもよい。
【0074】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、実施形態で説明した構成は、実質的に同一の構成、同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成で置き換えることができる。
【符号の説明】
【0075】
10 第1の基板、12 集積回路チップ、14 アンダーコート層、16 半導体層、18 ソース電極、20 ドレイン電極、22 ゲート絶縁膜、24 ゲート電極、26 層間絶縁膜、28 薄膜トランジスタ、30 パッシベーション膜、32 平坦化層、34 画素電極、36 コンタクトホール、38 絶縁層、40 発光層、42 対向電極、44 発光素子、46 封止層、48 無機絶縁層、50 無機絶縁層、52 有機絶縁層、54 タッチセンサ、56 第1の電極、58 第2の電極、60 第2の接続部、62 第1の接続部、64 絶縁膜、70 第2の基板、72 センシング回路、74 第1選択回路、76 第2選択回路、78 パルス発生器、80 電圧計、81、負荷、82 判別回路、83 測定回路、84 絶縁表面、90 圧電性層、100 表示装置、D1 第1の方向、D2 第2の方向、DA 表示領域、S11 第1の測定量の測定ステップ、S12 判別回路による判定ステップ、S13 検知ステップ、S14 検知ステップ、T1 第1期間、T2 第2期間、Tr リフレッシュ期間。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14