特許第6837095号(P6837095)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6837095通信システム、端末装置、制御方法及び制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6837095
(24)【登録日】2021年2月10日
(45)【発行日】2021年3月3日
(54)【発明の名称】通信システム、端末装置、制御方法及び制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04W 52/02 20090101AFI20210222BHJP
   H04W 88/02 20090101ALI20210222BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20210222BHJP
   H02J 50/20 20160101ALI20210222BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20210222BHJP
【FI】
   H04W52/02 111
   H04W88/02
   H04M1/00 R
   H02J50/20
   H02J7/00 301D
【請求項の数】6
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2019-103124(P2019-103124)
(22)【出願日】2019年5月31日
(65)【公開番号】特開2020-198517(P2020-198517A)
(43)【公開日】2020年12月10日
【審査請求日】2019年12月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】501440684
【氏名又は名称】ソフトバンク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100180806
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 剛
(72)【発明者】
【氏名】小宮山 陽夫
【審査官】 阿部 圭子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−157586(JP,A)
【文献】 特表2014−532387(JP,A)
【文献】 特開2011−097170(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第103373287(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 − 7/26
H04W 4/00 − 99/00
H04M 1/00 − 1/82
H02J 7/00
H02J 50/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の端末装置と、前記複数の端末装置と無線通信可能な中継装置と、を有する通信システムであって、
前記中継装置は、前記複数の端末装置のそれぞれ宛ての信号を含む電波を送信する無線通信部を有し、
前記複数の端末装置のそれぞれは、
バッテリと、
前記中継装置から送信された電波を受信するアンテナと、
前記端末装置の接続モードを待機モードと省電力モードとで切り替える切り替え部と、
前記接続モードが前記待機モードである時に前記アンテナが受信した電波に含まれる自装置宛ての信号に応じた処理を実行する処理部と、
前記接続モードが前記省電力モードである時に前記アンテナが受信した電波を用いて前記バッテリを充電する充電部と、を有する、
ことを特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記中継装置は、基地局であり、
前記アンテナは、前記基地局に割り当てられたライセンスバンドに含まれる周波数を有する電波を受信する、請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記複数の端末装置のそれぞれが前記待機モードで動作する時間は、重複しないように割り当てられ、
前記無線通信部は、前記電波の各タイムスロットに、各タイムスロットに対応する時間に前記待機モードで動作する端末装置宛ての信号を含ませるように、前記電波を時分割する、請求項1又は2に記載の通信システム。
【請求項4】
複数の端末装置と無線通信可能であり且つ前記複数の端末装置のそれぞれ宛ての信号を含む電波を送信する中継装置と無線通信を行う端末装置であって、
バッテリと、
前記中継装置から送信された電波を受信するアンテナと、
前記端末装置の接続モードを待機モードと省電力モードとで切り替える切り替え部と、
前記接続モードが前記待機モードである時に前記アンテナが受信した電波に含まれる自装置宛ての信号に応じた処理を実行する処理部と、
前記接続モードが前記省電力モードである時に前記アンテナが受信した電波を用いて前記バッテリを充電する充電部と、
を有することを特徴とする端末装置。
【請求項5】
複数の端末装置と無線通信可能であり且つ前記複数の端末装置のそれぞれ宛ての信号を含む電波を送信する中継装置と無線通信を行うとともに、バッテリと、前記中継装置から送信された電波を受信するアンテナとを有する端末装置の制御方法であって、
前記端末装置の接続モードを待機モードと省電力モードとで切り替え、
前記接続モードが前記待機モードである時に前記アンテナが受信した電波に含まれる自装置宛ての信号に応じた処理を実行し、
前記接続モードが前記省電力モードである時に前記アンテナが受信した電波を用いて前記バッテリを充電する、
ことを含むことを特徴とする制御方法。
【請求項6】
複数の端末装置と無線通信可能であり且つ前記複数の端末装置のそれぞれ宛ての信号を含む電波を送信する中継装置と無線通信を行うとともに、バッテリと、前記中継装置から送信された電波を受信するアンテナとを有する端末装置の制御プログラムであって、
前記端末装置の接続モードを待機モードと省電力モードとで切り替え、
前記接続モードが前記待機モードである時に前記アンテナが受信した電波に含まれる自装置宛ての信号に応じた処理を実行し、
前記接続モードが前記省電力モードである時に前記アンテナが受信した電波を用いて前記バッテリを充電する、
ことを前記端末装置に実行させることを特徴とする制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末装置のバッテリを充電する通信システム、端末装置、制御方法及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ビル、工場又は屋外等において、センサ、カメラ又は測定器等の端末装置をIoT(Internet of Things)デバイスとして利用し、各端末装置からのデータを、ネットワークを介して収集する技術が開発されている。このようなIoTデバイスは、交流電源から給電することが困難な場所に設置されることがあり、IoTデバイスにはバッテリで稼働することが求められている。また、IoTデバイスに対するバッテリの交換作業には手間がかかるため、IoTデバイスにはバッテリの交換を行うことなく稼働し続けることが求められている。
【0003】
例えば、特許文献1には、送電装置が送電可能な領域に受電装置が配置されると、送電装置が受電装置に送電し、受電装置が送電装置から受電した電力を充電する無線給電システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017−022818号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
複数の端末装置を有する通信システムにおいて、各端末装置のバッテリをより簡易に充電することが求められている。
【0006】
本発明は、このような従来の課題を解決すべくなされたものであり、端末装置のバッテリを簡易に充電することを可能とする通信システム、端末装置、制御方法及び制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る通信システムは、複数の端末装置と、複数の端末装置と無線通信可能な中継装置と、を有する通信システムであって、中継装置は、複数の端末装置のそれぞれ宛ての信号を含む電波を送信する無線通信部を有し、複数の端末装置のそれぞれは、バッテリと、中継装置から送信された電波を受信するアンテナと、端末装置の接続モードを待機モードと省電力モードとで切り替える切り替え部と、接続モードが待機モードである時にアンテナが受信した電波に含まれる自装置宛ての信号に応じた処理を実行する処理部と、接続モードが省電力モードである時にアンテナが受信した電波を用いてバッテリを充電する充電部と、を有する。
【0008】
また、本発明に係る通信システムにおいて、中継装置は、基地局であり、アンテナは、基地局に割り当てられたライセンスバンドに含まれる周波数を有する電波を受信することが好ましい。
【0009】
また、本発明に係る通信システムにおいて、複数の端末装置のそれぞれが待機モードで動作する時間は、重複しないように割り当てられ、無線通信部は、電波の各タイムスロットに、各タイムスロットに対応する時間に待機モードで動作する端末装置宛ての信号を含ませるように、電波を時分割することが好ましい。
【0010】
本発明に係る端末装置は、複数の端末装置と無線通信可能であり且つ複数の端末装置のそれぞれ宛ての信号を含む電波を送信する中継装置と無線通信を行う端末装置であって、バッテリと、中継装置から送信された電波を受信するアンテナと、端末装置の接続モードを待機モードと省電力モードとで切り替える切り替え部と、接続モードが待機モードである時にアンテナが受信した電波に含まれる自装置宛ての信号に応じた処理を実行する処理部と、接続モードが省電力モードである時にアンテナが受信した電波を用いてバッテリを充電する充電部と、を有する。
【0011】
本発明に係る制御方法は、複数の端末装置と無線通信可能であり且つ複数の端末装置のそれぞれ宛ての信号を含む電波を送信する中継装置と無線通信を行うとともに、バッテリと、中継装置から送信された電波を受信するアンテナとを有する端末装置の制御方法であって、端末装置の接続モードを待機モードと省電力モードとで切り替え、接続モードが待機モードである時にアンテナが受信した電波に含まれる自装置宛ての信号に応じた処理を実行し、接続モードが省電力モードである時にアンテナが受信した電波を用いてバッテリを充電することを含む。
【0012】
本発明に係る制御プログラムは、複数の端末装置と無線通信可能であり且つ複数の端末装置のそれぞれ宛ての信号を含む電波を送信する中継装置と無線通信を行うとともに、バッテリと、中継装置から送信された電波を受信するアンテナとを有する端末装置の制御プログラムであって、端末装置の接続モードを待機モードと省電力モードとで切り替え、接続モードが待機モードである時にアンテナが受信した電波に含まれる自装置宛ての信号に応じた処理を実行し、接続モードが省電力モードである時にアンテナが受信した電波を用いてバッテリを充電することを端末装置に実行させる。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る通信システム、端末装置、制御方法及び制御プログラムは、端末装置のバッテリを簡易に充電することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】通信システム1による処理の一例を説明するための模式図である。
図2】通信システム1の概略構成の一例を示す図である。
図3】基地局4の概略構成の一例を示す図である。
図4】端末装置2の概略構成の一例を示す図である。
図5】通信部23の概略構成の一例を示す図である。
図6】リファレンス信号の送信処理の動作の例を示すフローチャートである。
図7】リファレンス信号について説明するための模式図である。
図8】(a)は接続モードの切り替え処理の動作の例を示すフローチャートであり、(b)は受信処理の動作の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しつつ、本発明の様々な実施形態について説明する。ただし、本発明の技術的範囲はそれらの実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0016】
図1は、実施形態に係る通信システム1による処理の一例を説明するための模式図である。
【0017】
通信システム1は、複数の端末装置2と、基地局4とを有する。基地局4は、各端末装置2と無線通信可能な中継装置であり、各端末装置2宛ての信号を含む電波を送信する。一方、各端末装置2は、バッテリ22、アンテナ231及び処理部235等を有する。各端末装置2は、IoTデバイス等であり、基地局4を介してネットワークと通信接続され、所定の処理サーバと通信を行う。各端末装置2は、接続モードとして待機モード及び省電力モードを有しており、端末装置2の接続モードは、所定の時間間隔毎に待機モードと省電力モードとで切り替えられる。端末装置2は、基地局4から送信された電波をアンテナ231から受信する。端末装置2は、接続モードが待機モードである時、処理部235において、受信した電波から自装置宛ての信号を抽出し、抽出した信号に応じた処理を実行する。一方、端末装置2は、接続モードが省電力モードである時、受信した電波を用いてバッテリ22を充電する。
【0018】
これにより、端末装置2は、バッテリ22を充電するための専用の送電装置を利用することなく、他装置と通信を行うための基地局4から受信した電波を利用してバッテリ22を充電することができる。したがって、端末装置2は、バッテリ22を簡易に充電することが可能となる。
【0019】
図2は、実施形態に従った通信システム1の概略構成の一例を示す図である。
【0020】
通信システム1は、複数の端末装置2、処理サーバ3、基地局4及び端末装置制御装置5等を有する。各端末装置2は、基地局4と通信接続される。基地局4は、特定の地域内をカバーする無線エリアを管理するように配置され、各無線エリア内に位置する端末装置2との間で無線通信を行うとともに、携帯電話ネットワーク6と通信接続される。端末装置制御装置5は、携帯電話ネットワーク6と通信接続され、携帯電話ネットワーク6を介して基地局4及び各端末装置2と通信接続される。また、携帯電話ネットワーク6は、ゲートウェイ装置7を介してインターネット8と通信接続される。さらに、処理サーバ3はインターネット8と通信接続される。これにより、端末装置2は、携帯電話ネットワーク6及びインターネット8を介して処理サーバ3と通信可能に接続される。
【0021】
処理サーバ3は、ビル、工場又は屋外等の検知領域に設置された各端末装置2が検知した検知データを収集するサーバである。検知データは、各端末装置2が、検知領域を撮影した画像データ、検知領域の環境音を集音した音声データ、検知領域におけるガス、電力もしくは水等の消費量を測定した測定データ、又は、検知領域の温度もしくは湿度等を測定した測定データ等である。処理サーバ3は、定期的に、検知データの送信を要求する要求信号を各端末装置2に送信し、各端末装置2から検知データを受信して記録する。また、処理サーバ3は、ユーザからの要求に従って、各端末装置2から受信して記録していた検知データを表示する。
【0022】
端末装置制御装置5は、MME(Mobility Management Entity)等の、端末装置2の位置登録を行うノードであり、基地局4と通信接続する端末装置2を管理する。端末装置制御装置5は、基地局4と通信接続する各端末装置2に対して、各端末装置2が待機モードで動作する時間を割り当てる。後述するように、各端末装置2は、接続モードとして待機モード及び省電力モードを有する。各端末装置2は、待機モードでは、受信した電波に含まれる自装置宛ての信号に応じた処理を実行し、省電力モードでは、受信した電波に含まれる自装置宛ての信号に応じた処理を実行しない。基地局4と通信接続する各端末装置2が待機モードで動作する時間は、重複しないように割り当てられる。端末装置制御装置5は、各端末装置2に割り当てた、各端末装置2が待機モードで動作する時間を示す待機モード時間情報を基地局4に送信する。
【0023】
図3は、基地局4の概略構成の一例を示す図である。
【0024】
基地局4は、複数の端末装置2と無線通信可能な中継装置の一例であり、無線エリア内に位置する各端末装置2との間で無線信号を送受信し、無線ネットワーク制御装置を介して、各端末装置2と移動交換局との間の通信を中継する。基地局4は、無線通信部41、有線通信部42、基地局記憶部43及び基地局制御部44等を有する。
【0025】
無線通信部41は、2.1GHz帯等の基地局4に割り当てられたライセンスバンドの帯域を感受帯域とするアンテナと、所定の通信方式に従った通信インターフェース回路とを有する。無線通信部41は、端末装置2との間でLTE(Long Term Evolution)方式等による無線通信を確立し、端末装置2との間で通信を行う。なお、端末装置2との間の通信方式は、CDMA(Code Division Multiple Access)方式、W−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)方式等の他の通信方式でもよく、今後使用される通信方式でもよい。
【0026】
無線通信部41が有する通信インターフェース回路は、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiple)信号(ベースバンド信号)と通信データの変換(変復調)を実行する変復調回路を含む。無線通信部41は、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)方式、16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)方式又は64QAM方式等を用いて変復調を実行する。通信データは、例えばIP(Internet Protocol)パケットである。無線通信部41は、端末装置2から受信したOFDM信号を復調して通信データを生成し、有線通信部42及び/又は基地局制御部44に供給する。また、無線通信部41は、有線通信部42及び/又は基地局制御部44から供給された、複数の端末装置2のそれぞれ宛ての通信データを変調してOFDM信号を生成し、無線伝送路上に乗せて複数の端末装置2に送信する。即ち、無線通信部41は、複数の端末装置2のそれぞれ宛ての信号を含む電波を送信する。なお、無線通信部41は、通信インターフェース回路の代わりに、CPU(Central Processing Unit)等の一又は複数個のプロセッサ及びその周辺回路を有し、基地局記憶部43に記憶されているプログラムに応じて、変復調を含む通信処理を実行してもよい。
【0027】
有線通信部42は、携帯電話ネットワーク6と通信接続するための通信インターフェース回路を有する。有線通信部42は、無線通信部41から供給された通信データを、携帯電話ネットワーク6を介して端末装置制御装置5又は処理サーバ3等に送信し、携帯電話ネットワーク6を介して端末装置制御装置5又は処理サーバ3等から受信した通信データを無線通信部41に供給する。
【0028】
基地局記憶部43は、例えば、半導体メモリ、磁気ディスク装置及び光ディスク装置の内の少なくとも一つを有する。基地局記憶部43は、基地局制御部44及び/又は無線通信部41による処理に用いられる各種コンピュータプログラム、データ等を記憶する。コンピュータプログラムは、例えばCD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD−ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)等のコンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いて基地局記憶部43にインストールされてもよい。また、基地局記憶部43は、データとして、端末装置制御装置5から受信した、基地局4と通信接続する各端末装置2に割り当てられた待機モード時間情報等を記憶する。
【0029】
基地局制御部44は、一又は複数個のプロセッサ及びその周辺回路を有する。基地局制御部44は、基地局4の全体的な動作を統括的に制御するものであり、例えばCPUである。基地局制御部44は、独立した集積回路、マイクロプロセッサ又はファームウェアとして実装されてもよい。基地局制御部44は、基地局4の各種処理が基地局記憶部43に記憶されているプログラムに応じて適切な手順で実行されるように、無線通信部41及び有線通信部42等の動作を制御する。
【0030】
図4は、端末装置2の概略構成の一例を示す図である。
【0031】
端末装置2は、ビル、工場又は屋外等の検知領域に設置されるセンサ、カメラ又は測定器等のIoTデバイスである。例えば、端末装置2は、モバイル通信サービスを利用したC(Cellular)−IoTデバイス、特にNB(Narrow Band)−IoTデバイスである。なお、端末装置2は、携帯電話(いわゆるフィーチャーフォン)、多機能携帯電話(いわゆるスマートフォン)、ポータブルゲーム機、タブレットPC(Personal Computer)、ノートPC等でもよい。端末装置2は、接続モードとして待機モード及び省電力モードを有する。待機モードは、受信した電波に含まれる自装置宛ての信号に応じた処理を実行するモードであり、例えば、LTE通信に準拠する端末がサポートする接続モード及び待機モードに対応するモードである。一方、省電力モードは、受信した電波に含まれる自装置宛ての信号に応じた処理を実行しないモードであり、例えば、LTE通信に準拠する端末がサポートするパワーセーブモードに対応するモードである。
【0032】
端末装置2は、AC/DC(Alternating Current/Direct Current)コンバータ21、バッテリ22、通信部23、センサ24、記憶部25及び制御部26等を有する。通信部23、センサ24、記憶部25及び制御部26は、CPUバス27を介して相互に接続される。AC/DCコンバータ21、通信部23、センサ24、記憶部25及び制御部26は、電源ライン28を介してバッテリ22と接続される。
【0033】
AC/DCコンバータ21は、端末装置2の外部から入力された交流電圧を直流電圧に変換し、バッテリ22に出力する変換器である。端末装置2は、AC/DCコンバータ21を外部電源に接続することにより、バッテリ22を充電することができる。但し、端末装置2の使用環境に外部電源が設けられていない場合、バッテリ22は、AC/DCコンバータ21を介して充電されない。
【0034】
バッテリ22は、蓄電池である。バッテリ22は、AC/DCコンバータ21と接続され、AC/DCコンバータ21から入力された直流電圧によって充電されるとともに、通信部23に含まれる後述する充電部236と接続され、充電部236から入力された直流電圧によって充電される。また、バッテリ22は、通信部23、センサ24、記憶部25及び制御部26と接続され、通信部23、センサ24、記憶部25及び制御部26に電力を供給する。なお、バッテリ22は、充電中でない場合に限り各部に電力を供給可能に設けられてもよい。また、バッテリ22は、AC/DCコンバータ21を介して外部電源から電力が供給されていない場合に限り、通信部23から入力された直流電圧によって充電可能に設けられてもよい。
【0035】
通信部23は、例えば2.1GHz帯等の基地局4に割り当てられたライセンスバンドの帯域を感受帯域とするアンテナと、所定の通信方式に従った通信インターフェース回路とを有する。通信部23は、基地局4から受信したデータを制御部26に供給し、制御部26から供給されたデータを基地局4に送信する。通信部23の詳細については後述する。
【0036】
センサ24は、端末装置2が設置された検知領域の状態を検知するためのセンサであり、検知した検知データを制御部26へ出力する。センサ24は、例えば、2次元に配列され、受光した光量に応じた電気信号を出力する光電変換素子、その光電変換素子上に結像するための結像光学系及びA/D変換器等を有する撮像装置を含む。光電変換素子は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)センサ、C−MOS(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor)等である。その場合、センサ24は、検知領域を撮影した画像をデジタルの画像データに変換し、検知データとして制御部26へ出力する。なお、センサ24は、例えば、マイクロフォン、増幅器及びA/D変換器等を有する音入力装置を含んでもよい。その場合、センサ24は、集音した検知領域の環境音をデジタルの音データに変換し、検知データとして制御部26へ出力する。
【0037】
また、センサ24は、検知領域におけるガス、電力又は水等の消費量を測定する計器を含んでもよい。その場合、センサ24は、各消費量を測定した測定データを検知データとして制御部26へ出力する。また、センサ24は、検知領域の温度又は湿度を測定する計器を含んでもよい。その場合、センサ24は、温度又は湿度を測定した測定データを検知データとして制御部26へ出力する。
【0038】
記憶部25は、例えば、半導体メモリ、磁気ディスク装置及び光ディスク装置の内の少なくとも一つを有する。記憶部25は、通信部23及び/又は制御部26による処理に用いられる各種コンピュータプログラム、データ等を記憶する。コンピュータプログラムは、例えばCD−ROM、DVD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いて記憶部25にインストールされてもよい。また、記憶部25は、データとして、基地局4から受信した、自装置に割り当てられた待機モード時間情報等を記憶する。
【0039】
制御部26は、一又は複数個のプロセッサ及びその周辺回路を有する。制御部26は、端末装置2の全体的な動作を統括的に制御するものであり、例えば、CPUである。制御部26は、独立した集積回路、マイクロプロセッサ又はファームウェアとして実装されてもよい。制御部26は、端末装置2の各種処理が記憶部25に記憶されているプログラム等に応じて適切な手順で実行されるように、バッテリ22、通信部23及びセンサ24等の動作を制御する。
【0040】
図5は、通信部23の概略構成の一例を示す図である。
【0041】
通信部23は、アンテナ231と、アンプ232と、スイッチ233と、切り替え部234と、処理部235と、充電部236とを有する。アンプ232とスイッチ233、スイッチ233と処理部235、及び、スイッチ233と充電部236の間は、それぞれ高周波同軸ケーブル217で接続される。
【0042】
アンテナ231は、2.1GHz帯等の基地局4に割り当てられたライセンスバンドの帯域を感受帯域とするアンテナであり、基地局4から送信された、基地局4に割り当てられたラインセンスバンドに含まれる周波数を有する電波を受信する。
【0043】
アンプ232は、増幅器であり、アンテナ231が受信した電波に含まれる信号を増幅し、スイッチ233に出力する。
【0044】
スイッチ233は、アンプ232から受信した信号の出力先を切り替えるためのスイッチであり、切り替え部234からの指示に従って、アンプ232から受信した信号を処理部235又は充電部236の内の何れか一方に出力する。
【0045】
切り替え部234は、タイマを含む制御回路を有し、記憶部25に記憶された待機モード時間情報に従って、端末装置2の接続モードを待機モードと省電力モードとで切り替える。なお、切り替え部234は、制御回路の代わりに、CPU等の一又は複数個のプロセッサ及びその周辺回路を有し、記憶部25に記憶されているプログラムに応じて切り替え処理を実行してもよい。
【0046】
処理部235は、所定の通信方式に従った通信インターフェース回路を有する。所定の通信方式は、例えばLTE方式である。なお、所定の通信方式は、CDMA方式、W−CDMA方式等の他の通信方式でもよく、今後使用される通信方式でもよい。
【0047】
処理部235が有する通信インターフェース回路は、OFDM信号と通信データの変換(変復調)を実行する変復調回路を含む。処理部235は、QPSK方式、16QAM方式又は64QAM方式等を用いて変復調を実行する。処理部235は、基地局4から受信したOFDM信号を復調して通信データを生成し、制御部26に供給する。また、処理部235は、制御部26から供給された通信データを変調してOFDM信号を生成し、無線伝送路上に乗せて基地局4に送信する。なお、処理部235は、通信インターフェース回路の代わりに、CPU等の一又は複数個のプロセッサ及びその周辺回路を有し、記憶部25に記憶されているプログラムに応じて、変復調を含む通信処理を実行してもよい。また、切り替え部234及び処理部235は、一つのプロセッサにより実装されてもよい。
【0048】
充電部236は、整流回路を有し、アンテナ231が受信した電波を直流電流に変換して、バッテリ22に供給する。これにより、充電部236は、バッテリ22を充電する。
【0049】
図6は、基地局4によるリファレンス信号の送信処理の動作の例を示すフローチャートである。
【0050】
以下に説明するフローチャートは、予め基地局記憶部43に記憶されているプログラムに基づいて、主に基地局制御部44により、基地局4の各要素と協働して実行される。
【0051】
なお、このフローチャートが実行される前に、端末装置制御装置5が、基地局4と通信接続する各端末装置2に対して待機モードで動作する時間を割り当てており、各端末装置2に対する待機モード時間情報を基地局4に送信している。基地局4は、有線通信部42を介して端末装置制御装置5から各端末装置2に対する待機モード時間情報を受信し、基地局記憶部43に記憶するとともに、無線通信部41を介して各端末装置2に、対応する待機モード時間情報を送信する。各端末装置2は、通信部23を介して基地局4から自装置に対する待機モード時間情報を受信し、記憶部25に記憶する。
【0052】
最初に、基地局制御部44は、基地局記憶部43から各端末装置2に対する待機モード時間情報を読み出し、各端末装置2の中から、現在、待機モードで動作している端末装置2を特定する(ステップS101)。
【0053】
次に、基地局制御部44は、リファレンス信号を生成し、生成したリファレンス信号を含む電波を、無線通信部41を介して全ての端末装置2に向けて送信する(ステップS102)。リファレンス信号は、受信同期確立用の基準信号である。リファレンス信号は、各端末装置2において、下り回線の品質情報を測定するために使用される。また、リファレンス信号は、各端末装置2において、同期検波のための搬送波の基準位相として使用される。また、リファレンス信号は、各端末装置2において、セルサーチ又はハンドオーバーのための下り回線の平均受信レベル情報として使用される。
【0054】
次に、基地局制御部44は、現在、待機モードで動作している端末装置2の次に待機モードで動作する端末装置2が待機モードで動作する時間になるまで待機する(ステップS103)。基地局制御部44は、次に待機モードで動作する端末装置2が待機モードで動作する時間になった場合、処理をステップS101へ戻し、ステップS101〜S103の処理を繰り返す。これにより、基地局制御部44は、各端末装置2に対する待機モード時間情報に従って、各端末装置2宛てのリファレンス信号を含む電波を送信し続ける。
【0055】
図7は、各端末装置2が待機モードで動作する時間とリファレンス信号の関係について説明するための模式図である。
【0056】
図7において、グラフ700は端末装置Aの接続モードの変化を示し、グラフ710は端末装置Bの接続モードの変化を示し、グラフ720は端末装置Cの接続モードの変化を示し、グラフ730は基地局4が送信する電波を示す。グラフ700、710、720及び730の横軸は時間を示す。グラフ700、710及び720の縦軸は、接続モードを示す。グラフ700、710及び720において、HIGH状態701、711及び721は、各端末装置の接続モードが待機モードであることを示し、LOW状態702、712及び722は、各端末装置の接続モードが省電力モードであることを示す。図7に示すように、各端末装置が待機モードで動作する時間は、重複しないように割り当てられている。
【0057】
グラフ730の縦軸は、基地局4が送信する電波の信号値を示す。グラフ730において、信号731は、端末装置A宛てのリファレンス信号を示し、信号732は、端末装置B宛てのリファレンス信号を示し、信号733は、端末装置C宛てのリファレンス信号を示す。図7に示すように、各端末装置宛てのリファレンス信号は、それぞれ、その端末装置が待機モードで動作する時間に送信され、重複しないように割り当てられている。
【0058】
即ち、基地局4の無線通信部41は、送信する電波の各タイムスロットに、各タイムスロットに対応する時間に待機モードで動作する端末装置宛ての信号を含ませるように、電波を時分割する。これにより、基地局4は、送信する電波に各端末装置2宛ての信号を効率良く含ませて、その電波を全ての端末装置2に向けて送信することができる。したがって、各端末装置2は、省電力モードで動作している時も他の端末装置2宛ての信号を含む電波を受信し、他の端末装置2宛ての信号を含む電波を用いてバッテリ22を充電することが可能となる。なお、各端末装置が待機モードで動作する時間は、重複してもよい。
【0059】
例えば、各端末装置2における省電力モードのトータル期間は最大約13ヶ月程度であり、待機モードのトータル期間は最大3時間程度である。そのため、端末装置2は、センサ24による検知処理及び通信部23による通信処理と比較して十分に大きい時間をバッテリ22の充電に費やすことができ、バッテリ22を十分に充電することができる。特に、端末装置2は、少なくともその耐用年数を超えて稼働し続けることができるように、バッテリ22を充電することができる。また、通信システム1において、一つの基地局に通信接続する端末装置の数は約1万台程度である。そのため、端末装置2は、バッテリ22の充電に必要な電力を生成するための十分な量の信号を含む電波を受信することができる。なお、上記した期間は一例であり、通信システム1における各端末装置2の省電力モードの期間と待機モードの期間は適宜変更可能である。
【0060】
なお、基地局4は、各端末装置2宛てのリファレンス信号だけでなく、システム情報を報知する報知信号のように、全ての端末装置2宛ての信号も電波に含ませて全ての端末装置2に向けて送信する。また、基地局4は、有線通信部42を介して処理サーバ3から受信した各端末装置2宛ての信号も電波に含ませて全ての端末装置2に向けて送信する。
【0061】
図8(a)は、端末装置2による接続モードの切り替え処理の動作の例を示すフローチャートである。
【0062】
以下に説明するフローチャートは、予め記憶部25に記憶されているプログラムに基づいて、主に通信部23により、端末装置2の各要素と協働して実行される。なお、このフローチャートが実行される前に、基地局4が端末装置2に対する待機モード時間情報を送信しており、端末装置2は、通信部23を介して基地局4から自装置に対する待機モード時間情報を受信し、記憶部25に記憶している。
【0063】
最初に、切り替え部234は、現在時刻が省電力モードの終了タイミングであるか否かを判定する(ステップS201)。切り替え部234は、タイマから時刻を取得する。また、切り替え部234は、記憶部25から待機モード時間情報を読み出して、端末装置2が待機モードで動作する時間を特定する。切り替え部234は、タイマから直前に取得していた時刻が待機モードで動作する時間に含まれており且つタイマから今回取得した時刻が待機モードで動作する時間に含まれない場合、現在時刻が省電力モードの終了タイミングであると判定する。
【0064】
現在時刻が省電力モードの終了タイミングである場合、切り替え部234は、端末装置2の接続モードを省電力モードから待機モードに切り替える(ステップS202)。切り替え部234は、スイッチ233がアンプ232から受信した信号を処理部235に出力するようにスイッチ233を切り替える。そして、切り替え部234は、処理をステップS201へ戻し、ステップS201〜S204の処理を繰り返す。
【0065】
一方、現在時刻が省電力モードの終了タイミングでない場合、切り替え部234は、現在時刻が待機モードの終了タイミングであるか否かを判定する(ステップS203)。切り替え部234は、タイマから直前に取得していた時刻が待機モードで動作する時間に含まれておらず且つタイマから今回取得した時刻が待機モードで動作する時間に含まれる場合、現在時刻が省電力モードの終了タイミングであると判定する。
【0066】
現在時刻が待機モードの終了タイミングである場合、切り替え部234は、端末装置2の接続モードを待機モードから省電力モードに切り替える(ステップS204)。切り替え部234は、スイッチ233がアンプ232から受信した信号を充電部236に出力するようにスイッチ233を切り替える。そして、切り替え部234は、処理をステップS201へ戻し、ステップS201〜S204の処理を繰り返す。
【0067】
一方、現在時刻が待機モードの終了タイミングでない場合、切り替え部234は、特に処理を実行せずに、処理をステップS201へ戻し、ステップS201〜S204の処理を繰り返す。
【0068】
図8(b)は、端末装置2による受信処理の動作の例を示すフローチャートである。
【0069】
以下に説明するフローチャートは、予め記憶部25に記憶されているプログラムに基づいて、主に通信部23により、端末装置2の各要素と協働して実行される。なお、このフローチャートは、図8(a)に示した切り替え処理と並行して実行される。
【0070】
最初に、処理部235は、スイッチ233から信号を受信したか否かを判定する(ステップS301)。
【0071】
処理部235は、スイッチ233から信号を受信した場合、受信した信号から自装置宛ての信号を抽出する(ステップS302)。
【0072】
次に、処理部235は、抽出した自装置宛ての信号に応じた処理を実行する(ステップS303)。抽出した信号がリファレンス信号である場合、処理部235は、抽出した信号を用いて、下り回線の品質情報の測定、同期検波、セルサーチ及び/又はハンドオーバー等の処理を実行する。また、抽出した信号がシステム情報の報知信号である場合、処理部235は、受信したシステム情報に応じた通信処理を実行する。また、抽出した信号が処理サーバ3から送信された要求信号である場合、処理部235は、受信した要求信号を制御部26に供給する。制御部26は、処理部235から要求信号が供給された場合、センサ24から検知データを取得し、通信部23を介して処理サーバ3に送信する。そして、処理部235は、処理をステップS301へ戻し、ステップS301〜S305の処理を繰り返す。
【0073】
一方、処理部235がスイッチ233から信号を受信していない場合、充電部236がスイッチ233から信号を受信している。この場合、充電部236は、スイッチ233から受信した信号を直流電流に変換して、バッテリ22に供給することにより、バッテリ22を充電する(ステップS304)。そして、処理部235は、処理をステップS301へ戻し、ステップS301〜S304の処理を繰り返す。
【0074】
このように、処理部235は、接続モードが待機モードである時にアンテナ231が受信した電波に含まれる自装置宛ての信号に応じた処理を実行する。一方、充電部236は、接続モードが省電力モードである時にアンテナ231が受信した電波を用いてバッテリ22を充電する。
【0075】
以上説明してきたように、端末装置2は、接続モードが待機モードである時、受信した電波に含まれる自装置宛ての信号に応じた処理を実行し、接続モードが省電力モードである時、受信した電波を用いてバッテリ22を充電する。これにより、端末装置2は、バッテリ22を充電するための専用の送電装置を利用することなく、処理サーバ3と通信を行うための中継装置から受信した電波を利用してバッテリ22を充電することができ、バッテリ22を簡易に充電することが可能となる。したがって、端末装置2は、バッテリの充電又は交換が困難な環境においても、長時間稼働し続けることが可能となる。また、端末装置2は、容量が大きい電池を使用する必要がなくなり、装置コスト及び装置サイズの増大を抑制させることが可能となる。また、端末装置2は、接続モードが省電力モードである時に受信した電波を用いてバッテリ22を充電することにより、処理サーバ3との通信を阻害することなく、バッテリ22を充電することが可能となる。
【0076】
特に、通信システム1では、処理サーバ3と通信を行うための中継装置として基地局4が利用され、端末装置2のアンテナ231は、基地局4に割り当てられたライセンスバンドに含まれる周波数を有する電波を受信する。これにより、端末装置2は、汎用的な携帯電話ネットワークを利用して、バッテリ22を簡易に充電することが可能となる。特に、C−IoTデバイスは、基地局がカバーする無線エリアで使用されることを前提としているため、通信システム1は、C−IoTデバイスをその使用環境において確実に充電することが可能となる。また、端末装置2は、処理サーバ3との間の通信量に関わらず、基地局4との間の通信で利用する通信規格で規定された低レイヤ(レイヤ1〜3)のパケットのみを用いて、バッテリ22を簡易に充電することが可能となる。また、端末装置2は、バッテリ22を充電するための専用の装置を利用することなく、通信処理に必要なアンテナ231を含む通信部23を利用してバッテリ22を充電するため、装置コスト及び装置サイズの増大を抑制させることが可能となる。
【0077】
なお、本発明は、上記した各実施形態に限定されない。例えば、通信システム1は、処理サーバ3と通信を行うための中継装置として基地局4の代わりに、無線LAN(Local Area Network)のアクセスポイントを使用してもよい。その場合、アクセスポイントは、インターネット8と通信接続されるとともに、サービスエリア内に位置する複数の端末装置2との間で無線LAN通信方式に従った無線通信を行う。また、端末装置制御装置5の代わりに、処理サーバ3が、アクセスポイントと通信接続する各端末装置2に対して、各端末装置2が待機モードで動作する時間を割り当てて、各端末装置2の待機モード時間情報を、アクセスポイントを介して各端末装置2に送信する。アクセスポイントは、各端末装置2宛ての信号を含む電波を送信する無線通信部を有する。アクセスポイントの無線通信部は、ビーコン信号を電波に含ませて定期的に各端末装置2に向けて送信するとともに、処理サーバ3から受信した各端末装置2宛ての信号を電波に含ませて各端末装置2に向けて送信する。
【0078】
各端末装置2は、通信部23に代えて又は加えて、第2通信部を有する。第2通信部は、主に2.4GHz帯、5GHz帯等を感受帯域とするアンテナと、IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)802.11規格の無線通信方式に従った通信インターフェース回路とを有する。第2通信部は、アクセスポイントから受信したデータを制御部26に供給し、制御部26から供給されたデータをアクセスポイントに送信する。
【0079】
第2通信部は、アンテナ231、アンプ232、スイッチ233、切り替え部234、処理部235及び充電部236と同様のアンテナ、アンプ、スイッチ、切り替え部、処理部及び充電部を有する。但し、第2通信部が有するアンテナは、主に2.4GHz帯、5GHz帯等を感受帯域とする。また、第2通信部が有する処理部は、IEEE802.11規格の無線通信方式に従った通信インターフェース回路を有する。
【0080】
各端末装置2は、省電力モードで動作している時も、ビーコン信号又は他の端末装置2宛ての信号を含む電波を受信し、受信した電波を用いてバッテリ22を充電する。この場合も、端末装置2は、バッテリ22を充電するための専用の送電装置を利用することなく、アクセスポイントから受信した電波を利用してバッテリ22を充電することができ、バッテリ22を簡易に充電することが可能となる。
【0081】
また、端末装置2は、AC/DCコンバータ21を有さず、バッテリ22は、アンテナ231が受信した電波のみによって充電されてもよい。また、バッテリ22は、交換可能に設けられてもよい。
【0082】
当業者は、本発明の精神及び範囲から外れることなく、様々な変更、置換及び修正をこれに加えることが可能であることを理解されたい。
【符号の説明】
【0083】
1 通信システム
2 端末装置
22 バッテリ
231 アンテナ
234 切り替え部
235 処理部
236 充電部
4 基地局
41 無線通信部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8