特許第6837185号(P6837185)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6837185ブロックチェーンベースの音楽オリジナリティ分析方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6837185
(24)【登録日】2021年2月10日
(45)【発行日】2021年3月3日
(54)【発明の名称】ブロックチェーンベースの音楽オリジナリティ分析方法および装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20210222BHJP
   G06F 21/64 20130101ALI20210222BHJP
   G06F 16/182 20190101ALI20210222BHJP
   G06F 16/28 20190101ALI20210222BHJP
   G06F 16/63 20190101ALI20210222BHJP
【FI】
   G06Q30/02 300
   G06F21/64
   G06F16/182
   G06F16/28
   G06F16/63
【請求項の数】20
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2020-529526(P2020-529526)
(86)(22)【出願日】2019年5月9日
(65)【公表番号】特表2021-507338(P2021-507338A)
(43)【公表日】2021年2月22日
(86)【国際出願番号】US2019031577
(87)【国際公開番号】WO2019217719
(87)【国際公開日】20191114
【審査請求日】2020年7月2日
(31)【優先権主張番号】201810444643.3
(32)【優先日】2018年5月10日
(33)【優先権主張国】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520015461
【氏名又は名称】アドバンスド ニュー テクノロジーズ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(72)【発明者】
【氏名】シンイン・ヤン
【審査官】 後藤 彰
(56)【参考文献】
【文献】 特開2018−022258(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2017/0134162(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00−16/958
G06F 21/10
G06F 21/60−21/88
G06Q 30/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブロックチェーンネットワークに発行され、アクセスしきい値を超える頻度でユーザによりアクセスされる音楽ファイルを、第1の複数の音楽ライブラリノードによって検索するステップであって、前記ブロックチェーンネットワークが、分散台帳、複数の音楽ライブラリノード、および音楽分析ノードを含む、ステップと、
オリジナリティおよび分析結果を示す第1のオリジナリティおよび分析ダイジェストを生成するために、ローカル音楽ライブラリに基づいて前記音楽ファイルについてオリジナリティ分析を、前記第1の複数の音楽ライブラリノードによって実行するステップであって、前記第1のオリジナリティおよび分析ダイジェストが、前記音楽ファイルのコンテンツから生成されたハッシュダイジェストを含む、ステップと、
前記ブロックチェーンネットワークに前記オリジナリティおよび分析結果を記録かつ認証するために、前記第1のオリジナリティおよび分析ダイジェストを前記ブロックチェーンネットワークに、前記第1の複数の音楽ライブラリノードによって発行するステップと、
前記ブロックチェーンネットワークに発行された前記第1のオリジナリティおよび分析ダイジェストを、前記音楽分析ノードによって検索するステップと、
第2のオリジナリティおよび分析ダイジェストを生成するために、音楽ファイル類似性の比較ルールを適用することによって前記第1のオリジナリティおよび分析ダイジェストを、前記音楽分析ノードによって処理するステップと、
前記第2のオリジナリティおよび分析ダイジェストに基づいて前記音楽ファイルに関連する推奨を、前記第1の複数の音楽ライブラリノードによって提供するステップと
を含む、コンピュータ実装方法。
【請求項2】
前記第1のオリジナリティおよび分析ダイジェストを前記ブロックチェーンネットワークに発行するステップが、
前記第1のオリジナリティおよび分析ダイジェストにデジタル署名して、第1のオリジナリティおよび分析ダイジェスト署名を生成するステップと、
前記第1のオリジナリティおよび分析ダイジェスト署名と前記第1のオリジナリティおよび分析ダイジェストを前記ブロックチェーンネットワークに発行するステップと
を含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項3】
前記第1のオリジナリティおよび分析ダイジェストまたは前記第2のオリジナリティおよび分析ダイジェストが、前記音楽ファイルに対応する一意の識別コードを含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項4】
前記音楽ファイルが、MIDI(musical instrument digital interface)ファイル、声紋ファイル、楽譜ファイル、およびレコードデモのうちの1つまたは複数を含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項5】
前記ブロックチェーンネットワークに発行された前記音楽ファイルを、前記複数の音楽ライブラリノードによって検索するステップが、
前記ブロックチェーンネットワークに発行されたピアツーピア分散ファイルシステムアドレスを、前記複数の音楽ライブラリノードによって検索するステップと、
前記ピアツーピア分散ファイルシステムアドレスに基づいて前記音楽ファイルを検索すするステップと
を含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項6】
前記第1のオリジナリティおよび分析ダイジェストが、前記音楽ファイルと前記ローカル音楽ライブラリの既存の音楽との間の類似性を含み、前記類似性が、旋律類似性、ビート類似性、および歌詞類似性のうちの1つまたは複数を含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項7】
前記第1のオリジナリティおよび分析ダイジェストを処理するステップが、前記第1のオリジナリティおよび分析ダイジェストのコンテンツの重複排除および組み合わせを実行するステップを含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項8】
動作を実行するためのコンピュータシステムによって実行可能な1つまたは複数の命令を格納した非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記動作が、
ブロックチェーンネットワークに発行され、アクセスしきい値を超える頻度でユーザによりアクセスされる音楽ファイルを、第1の複数の音楽ライブラリノードによって検索する動作であって、前記ブロックチェーンネットワークが、分散台帳、複数の音楽ライブラリノード、および音楽分析ノードを含む、動作と、
オリジナリティおよび分析結果を示す第1のオリジナリティおよび分析ダイジェストを生成するために、ローカル音楽ライブラリに基づいて前記音楽ファイルについてオリジナリティ分析を、前記第1の複数の音楽ライブラリノードによって実行する動作であって、前記第1のオリジナリティおよび分析ダイジェストが、前記音楽ファイルのコンテンツから生成されたハッシュダイジェストを含む、動作と、
前記ブロックチェーンネットワークに前記オリジナリティおよび分析結果を記録かつ認証するために、前記第1のオリジナリティおよび分析ダイジェストを前記ブロックチェーンネットワークに、前記第1の複数の音楽ライブラリノードによって発行する動作と、
前記ブロックチェーンネットワークに発行された前記第1のオリジナリティおよび分析ダイジェストを、前記音楽分析ノードによって検索する動作と、
第2のオリジナリティおよび分析ダイジェストを生成するために、音楽ファイル類似性の比較ルールを適用することによって前記第1のオリジナリティおよび分析ダイジェストを、前記音楽分析ノードによって処理する動作と、
前記第2のオリジナリティおよび分析ダイジェストに基づいて前記音楽ファイルに関連する推奨を、前記第1の複数の音楽ライブラリノードによって提供する動作と
を含む、非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項9】
前記第1のオリジナリティおよび分析ダイジェストを前記ブロックチェーンネットワークに発行する動作が、
前記第1のオリジナリティおよび分析ダイジェストにデジタル署名して、第1のオリジナリティおよび分析ダイジェスト署名を生成する動作と、
前記第1のオリジナリティおよび分析ダイジェスト署名と前記第1のオリジナリティおよび分析ダイジェストを前記ブロックチェーンネットワークに発行する動作と
を含む、請求項8に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項10】
前記第1のオリジナリティおよび分析ダイジェストまたは前記第2のオリジナリティおよび分析ダイジェストが、前記音楽ファイルに対応する一意の識別コードを含む、請求項8に記載の非一時的コンピュータ可読媒体
【請求項11】
前記音楽ファイルが、MIDI(musical instrument digital interface)ファイル、声紋ファイル、楽譜ファイル、およびレコードデモのうちの1つまたは複数を含む、請求項8に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項12】
前記ブロックチェーンネットワークに発行された前記音楽ファイルを、前記複数の音楽ライブラリノードによって検索する動作が、
前記ブロックチェーンネットワークに発行されたピアツーピア分散ファイルシステムアドレスを、前記複数の音楽ライブラリノードによって検索する動作と、
前記ピアツーピア分散ファイルシステムアドレスに基づいて前記音楽ファイルを検索すする動作と
を含む、請求項8に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項13】
前記第1のオリジナリティおよび分析ダイジェストが、前記音楽ファイルと前記ローカル音楽ライブラリの既存の音楽との間の類似性を含み、前記類似性が、旋律類似性、ビート類似性、および歌詞類似性のうちの1つまたは複数を含む、請求項8に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項14】
前記第1のオリジナリティおよび分析ダイジェストを処理する動作が、前記第1のオリジナリティおよび分析ダイジェストのコンテンツの重複排除および組み合わせを実行する動作を含む、請求項8に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項15】
1つまたは複数のコンピュータと、
前記1つまたは複数のコンピュータと相互動作可能に結合され、1つまたは複数の命令を格納した有形の非一時的マシン可読媒体を有する1つまたは複数のコンピュータメモリデバイスと
を備えるコンピュータ実装システムであって、
前記1つまたは複数の命令が、前記1つまたは複数のコンピュータによって実行されると、
ブロックチェーンネットワークに発行され、アクセスしきい値を超える頻度でユーザによりアクセスされる音楽ファイルを、第1の複数の音楽ライブラリノードによって検索する動作であって、前記ブロックチェーンネットワークが、分散台帳、複数の音楽ライブラリノード、および音楽分析ノードを含む、動作と、
オリジナリティおよび分析結果を示す第1のオリジナリティおよび分析ダイジェストを生成するために、ローカル音楽ライブラリに基づいて前記音楽ファイルについてオリジナリティ分析を、前記第1の複数の音楽ライブラリノードによって実行する動作であって、前記第1のオリジナリティおよび分析ダイジェストが、前記音楽ファイルのコンテンツから生成されたハッシュダイジェストを含む、動作と、
前記ブロックチェーンネットワークに前記オリジナリティおよび分析結果を記録かつ認証するために、前記第1のオリジナリティおよび分析ダイジェストを前記ブロックチェーンネットワークに、前記第1の複数の音楽ライブラリノードによって発行する動作と、
前記ブロックチェーンネットワークに発行された前記第1のオリジナリティおよび分析ダイジェストを、前記音楽分析ノードによって検索する動作と、
第2のオリジナリティおよび分析ダイジェストを生成するために、音楽ファイル類似性の比較ルールを適用することによって前記第1のオリジナリティおよび分析ダイジェストを、前記音楽分析ノードによって処理する動作と、
前記第2のオリジナリティおよび分析ダイジェストに基づいて前記音楽ファイルに関連する推奨を、前記第1の複数の音楽ライブラリノードによって提供する動作と
を含む1つまたは複数の動作を実行する、コンピュータ実装システム。
【請求項16】
前記第1のオリジナリティおよび分析ダイジェストを前記ブロックチェーンネットワークに発行する動作が、
前記第1のオリジナリティおよび分析ダイジェストにデジタル署名して、第1のオリジナリティおよび分析ダイジェスト署名を生成する動作と、
前記第1のオリジナリティおよび分析ダイジェスト署名と前記第1のオリジナリティおよび分析ダイジェストを前記ブロックチェーンネットワークに発行する動作と
を含む、請求項15に記載のコンピュータ実装システム。
【請求項17】
前記第1のオリジナリティおよび分析ダイジェストまたは前記第2のオリジナリティおよび分析ダイジェストが、前記音楽ファイルに対応する一意の識別コードを含む、請求項15に記載のコンピュータ実装システム。
【請求項18】
前記音楽ファイルが、MIDI(musical instrument digital interface)ファイル、声紋ファイル、楽譜ファイル、およびレコードデモのうちの1つまたは複数を含む、請求項15に記載のコンピュータ実装システム。
【請求項19】
前記ブロックチェーンネットワークに発行された前記音楽ファイルを、前記複数の音楽ライブラリノードによって検索する動作が、
前記ブロックチェーンネットワークに発行されたピアツーピア分散ファイルシステムアドレスを、前記複数の音楽ライブラリノードによって検索する動作と、
前記ピアツーピア分散ファイルシステムアドレスに基づいて前記音楽ファイルを検索すする動作と
を含む、請求項15に記載のコンピュータ実装システム。
【請求項20】
前記第1のオリジナリティおよび分析ダイジェストが、前記音楽ファイルと前記ローカル音楽ライブラリの既存の音楽との間の類似性を含み、前記類似性が、旋律類似性、ビート類似性、および歌詞類似性のうちの1つまたは複数を含む、請求項15に記載のコンピュータ実装システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2018年5月10日に出願された中国特許出願201810444643.3の優先権を主張する。
【0002】
本明細書は、ネットワーク通信技術の分野に関し、特に、ブロックチェーンベースの音楽オリジナリティ分析方法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
エンターテインメントの充実とともに、ますます音楽作品が生み出されている。一部の人々は、単に曲名を変更したり、楽譜をわずかに変更したり、単にいくつかの既存の楽譜を結合したりすることによって得られた音楽作品の著作権を主張することがある。しかしながら、現在、盗用または模倣された作品を識別するために音楽作品の類似性分析を実行するために使用できるプラットフォームはまだなく、音楽作品の複雑な表現形式(純粋な音楽、モノトラック音楽、マルチトラック音楽、歌声を含む)は、音楽作品の著作権を保護することをより困難にしている。結果的に、旋律やテンポは似ているが表現形式が異なる音楽作品のオリジナリティは、存在証明のために音楽ファイルにハッシュコーディングを実行するだけでは検証できない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
前述の課題を解決するために、本明細書は、ブロックチェーンベースの音楽オリジナリティ分析方法を提供し、ブロックチェーンは、少なくとも1つの分析者ノードデバイスといくつかの音楽ライブラリノードデバイスとを含み、方法は、音楽ライブラリノードデバイスによって実行される、ブロックチェーンに発行された音楽ファイルを取得するステップと、オリジナリティ分析結果を示すために使用される第1のオリジナリティ分析ダイジェストを取得するためにローカル音楽ライブラリに基づいて音楽ファイルをついてオリジナリティ分析を実行するステップと、第1のオリジナリティ分析ダイジェストをブロックチェーンに発行して、存在証明のためにブロックチェーンについてオリジナリティ分析結果を置くステップと含むステップと、音楽分析者ノードデバイスによって実行される、音楽ライブラリノードデバイスによってブロックチェーンに発行された第1のオリジナリティ分析ダイジェストを取得するステップと、第1のオリジナリティ分析ダイジェストを要約して、第2のオリジナリティ分析ダイジェストを取得するステップと、第2のオリジナリティ分析ダイジェストに基づいて音楽ファイルのオリジナリティに関連するサービス処理を実行するステップとを含むステップを含む。
【0005】
本明細書は、ブロックチェーンベースの音楽オリジナリティ分析方法さらに提供し、ブロックチェーンは、少なくとも1つの分析者ノードデバイスといくつかの音楽ライブラリノードデバイスとを含み、方法は、ブロックチェーンに発行された音楽ファイルを、音楽ライブラリノードデバイスによって取得するステップと、ローカル音楽ライブラリに基づいて音楽ファイルについてオリジナリティ分析を実行して、オリジナリティ分析結果を示すために使用される第1のオリジナリティ分析ダイジェストを取得するステップと、第1のオリジナリティ分析ダイジェストをブロックチェーンに発行して、存在証明のためにブロックチェーンにオリジナリティ分析結果を置くステップとをさらに含む。
【0006】
本明細書は、ブロックチェーンベースの音楽オリジナリティ分析方法さらに提供し、ブロックチェーンは、少なくとも1つの分析者ノードデバイスといくつかの音楽ライブラリノードデバイスとを含み、方法は、音楽ライブラリノードデバイスによってブロックチェーンに発行された第1のオリジナリティ分析ダイジェストを、音楽分析者ノードデバイスによって取得するステップであって、第1のオリジナリティ分析ダイジェストが、ブロックチェーンから取得した音楽ファイルについてオリジナリティ分析を実行することによってローカル音楽ライブラリに基づいて音楽ライブラリノードデバイスによって取得されたオリジナリティ分析結果を示す、ステップと、第1のオリジナリティ分析ダイジェストを要約して、第2のオリジナリティ分析ダイジェストを取得するステップと、第2のオリジナリティ分析ダイジェストに基づいて音楽ファイルのオリジナリティに関連するサービス処理を実行するステップとをさらに含む。
【0007】
対応して、ブロックチェーンベースの音楽オリジナリティ分析装置が提供され、ブロックチェーンは、少なくとも1つの分析者ノードデバイスといくつかの音楽ライブラリノードデバイスとを含み、装置は、ブロックチェーンに発行された音楽ファイルを取得するように構成された取得ユニットと、ローカル音楽ライブラリに基づいて音楽ファイルについてオリジナリティ分析を実行して、オリジナリティ分析結果を示すために使用される第1のオリジナリティ分析ダイジェストを取得するように構成された生成ユニットと、第1のオリジナリティ分析ダイジェストをブロックチェーンに発行して、存在証明のためにブロックチェーンにオリジナリティ分析結果を置くように構成された存在証明ユニットとを備える。
【0008】
対応して、本明細書はブロックチェーンベースの音楽オリジナリティ分析装置をさらに提供し、ブロックチェーンは、少なくとも1つの分析者ノードデバイスといくつかの音楽ライブラリノードデバイスとを含み、音楽ライブラリノードデバイスによってブロックチェーンに発行された第1のオリジナリティ分析ダイジェストを取得するように構成された取得ユニットであって、第1のオリジナリティ分析ダイジェストが、ブロックチェーンから取得した音楽ファイルについてオリジナリティ分析を実行することによってローカル音楽ライブラリに基づいて音楽ライブラリノードデバイスによって取得されたオリジナリティ分析結果を示す、取得ユニットと、第1のオリジナリティ分析ダイジェストを要約して、第2のオリジナリティ分析ダイジェストを取得する生成ユニットと、第2のオリジナリティ分析ダイジェストに基づいて音楽ファイルのオリジナリティに関連するサービス処理を実行するように構成されたサービス処理ユニットとを備える。
【0009】
本明細書は、メモリおよびプロセッサを含む、コンピュータデバイスをさらに提供し、メモリは、プロセッサによって実行され得るコンピュータプログラムを格納し、コンピュータプログラムを実行すると、プロセッサは、音楽ライブラリノードデバイスによって実行されるブロックチェーンベースの音楽オリジナリティ分析方法のステップを実行する。
【0010】
本明細書は、コンピュータプログラムを格納するコンピュータ可読ストレージ媒体をさらに提供し、プロセッサによってコンピュータプログラムが実行されると、音楽ライブラリノードデバイスによって実行されるブロックチェーンベースの音楽オリジナリティ分析方法のステップが実行される。
【0011】
本明細書は、メモリおよびプロセッサを含む、コンピュータデバイスをさらに提供し、メモリは、プロセッサによって実行され得るコンピュータプログラムを格納し、コンピュータプログラムを実行すると、プロセッサは、音楽分析者ノードデバイスによって実行されるブロックチェーンベースの音楽オリジナリティ分析方法のステップを実行する。
【0012】
本明細書は、コンピュータプログラムを格納するコンピュータ可読ストレージ媒体をさらに提供し、プロセッサによってコンピュータプログラムが実行されると、音楽分析者ノードデバイスによって実行されるブロックチェーンベースの音楽オリジナリティ分析方法のステップが実行される。
【0013】
本明細書に提供される音楽オリジナリティ分析方法および装置によれば、音楽ファイルは、音楽の旋律、テンポ、などの観点で既存の音楽ライブラリの音楽と比較され、その結果、音楽ファイルのオリジナリティ分析結果を示すために使用される第1のオリジナリティ分析ダイジェストを取得する。音楽ライブラリの著作権ライセンス、地域、ジャンルによって制限されているため、音楽ライブラリに含まれる音楽が不十分なことがある。複数の既存の音楽ライブラリによって取得される結論が要約され、より多くの既存の音楽作品と音楽作品を比較することによって第2のオリジナリティ分析ダイジェストが取得される。そうして、新たな音楽作品が既存の作品の盗用または模倣であるか否かを識別するための方法がさらに提供され、音楽ファイルのデジタル形式ではなく、音楽コンテンツの形式で音楽ファイルの著作権についての存在証明を提供する。前述の音楽オリジナリティ分析方法および装置は、ブロックチェーンに基づいて確立され、複数の音楽ライブラリノードデバイスによって生成された第1のオリジナリティ分析ダイジェストが、ブロックチェーン分散台帳に発行され、他の当事者が音楽ライブラリ機関になりすますこと、または第1のオリジナリティ分析ダイジェストのコンテンツを改ざんすることを防ぎ、複数の当事者が音楽ファイルのオリジナリティを公正に評価する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本明細書の実施形態による、ブロックチェーンベースの音楽オリジナリティ分析方法を示すフローチャートである。
図2】本明細書の実施形態による、音楽ライブラリ当事者によって実行されるブロックチェーンベースの音楽オリジナリティ分析方法を示すフローチャートである。
図3】本明細書の実施形態による、第1のオリジナリティ分析ダイジェストを示す概略図である。
図4】本明細書の実施形態による、音楽分析当事者によって実行されるブロックチェーンベースの音楽オリジナリティ分析方法を示すフローチャートである。
図5】本明細書の実施形態による、第2のオリジナリティ分析ダイジェストを示す概略図である。
図6】本明細書の実施形態による、音楽ライブラリ当事者によって確立されたブロックチェーンベースの音楽オリジナリティ分析装置を示す概略図である。
図7】本明細書の実施形態による、音楽分析当事者によって確立されたブロックチェーンベースの音楽オリジナリティ分析装置を示す概略図である。
図8】本明細書による、ブロックチェーンベースの音楽オリジナリティ分析方法または装置の実施形態を実装するためのハードウェアを示す構造図である。
図9】本明細書の実施形態による、ブロックチェーンベースの音楽オリジナリティ分析のためのコンピュータ実装方法の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
国の知的財産保護戦略の実行に伴い、音楽作品の著作権保護にますます注意が向けられており、出現する「オリジナルの音楽」が、作品のオリジナリティ基準を満たすか、どの程度まで既存の音楽作品の盗用または模倣であるかを判定することは、環境のサークルのレビューアにとって緊急の技術的問題になっている。存在機関の一部の既存の音楽著作権の投稿は、ハッシュコーディングの実行や、存在証明のための一意のコーディング(または指紋)の使用など、音楽ファイルについて一意のコーディングを実行する。そのような方法では、音楽作品は、コンテンツ分析ではなく、単にデジタル技術の観点から処理される。ハッシュコードとオリジナルのデジタルテキストの間の一意のマッピング関係により、既存の音楽と類似するコンテンツ(旋律およびビートを含む)であるが異なる表現形式(例えば、既存の音楽がボーカルの伴奏を含み、分析されることになる音楽ファイルがボーカルの伴奏を含まない)の音楽ファイルは、既存の音楽と完全に異なる作品と見なされ、存在証明を割り当てられる。
【0016】
本明細書は、音楽ファイルのオリジナリティを分析し、分析結果について存在証明を割り当てるための音楽オリジナリティ分析プラットフォームを提供することを目的とする。さらに、本明細書に提供される音楽オリジナリティ分析プラットフォームは、分析結果に基づいて、音楽推奨などのサービス処理を実行できる。
【0017】
図1は、本明細書による、ブロックチェーンベースの音楽オリジナリティ分析方法の実施形態を示し、ブロックチェーンは、音楽ライブラリに対応する複数のノードデバイスおよび音楽適用者に対応する1つのノードデバイスを含む。方法は以下のステップを含む:
【0018】
ステップ102:音楽ライブラリの当事者は、ブロックチェーンから音楽ファイルを取得する。
【0019】
ステップ104:音楽ライブラリの当事者は、ローカルの音楽ライブラリに基づいてブロックチェーンに含まれる音楽ファイルについてオリジナリティ分析を実行し、オリジナリティ分析結果を示すために使用される第1のオリジナリティ分析ダイジェストを取得する。
【0020】
ステップ106:音楽ライブラリの当事者は、ブロックチェーンに第1のオリジナリティ分析ダイジェストを発行して、存在証明のためにブロックチェーンにオリジナリティ分析結果を置く。
【0021】
ステップ108:音楽分析の当事者は、音楽ライブラリの当事者によってブロックチェーンに発行された第1のオリジナリティ分析ダイジェストを取得する。
【0022】
ステップ110:音楽分析の当事者は、第1のオリジナリティ分析ダイジェストを要約して第2のオリジナリティ分析ダイジェストを取得する。
【0023】
ステップ112:音楽分析の当事者は、第2のオリジナリティ分析ダイジェストに基づいて音楽ファイルのオリジナリティに関連するサービス処理を実行する。
【0024】
本明細書の実施形態の「音楽ライブラリの当事者」は、音楽ファイルを格納するデータベースサーバ、または音楽ファイルを格納するためのデータベースにデータ接続するデバイスを意味し、通常、レコード会社のデジタル音楽データベース、オンライン音楽プラットフォームのデジタル音楽データベース、他の関連会社またはエンティティのデジタル音楽データベース、あるいは前述のデータベースにデータ接続され得るデバイスを含むことができる。
【0025】
本明細書の実施形態の「第1のオリジナリティ分析ダイジェスト」は、音楽ライブラリの当事者が分析されるべきオリジナリティを有する音楽ファイルと音楽ライブラリの当事者のデジタル音楽データベースの既存の音楽ファイルとについて比較およびデジタル分析を実行した後に取得される類似度結果である。類似度は、旋律類似度、ビート類似度、および歌詞類似度(歌詞がある場合)の1つまたは複数を含む。前述の分析結果は、類似度、類似度に関連する既存音楽情報(作曲者、演奏者、音楽ジャンルなどを含む)、および、音楽ファイルと他の既存音楽ファイルと間の類似度が存続する期間などのオリジナリティに関連する他のインジケータを含む。著作権制限、国、地域、好みにおける差異により、異なる音楽ライブラリに含まれている既存の音楽ファイルは、互いに重複するか、あるいは互いに異なっていることがある。したがって、音楽ライブラリによって生成された複数の第1のオリジナリティ分析ダイジェストのコンテンツは、互いに重複することも、互いに異なることもある。
【0026】
本明細書の実施形態の「音楽分析の当事者」は、音楽オリジネータ、分析されるべき音楽ファイルについて著作権ライセンスを購入したい音楽会社、あるいは音楽オリジナリティ分析プラットフォームなどの本願明細書の音楽オリジナリティ分析を提供するサービスプロバイダであってよい。音楽分析の当事者は、本明細書に提供される方法で限定されない。音楽分析の当事者は、前述の複数の第1のオリジナリティ分析ダイジェストを要約する。要約プロセスは、重複コンテンツを削除すること、異なるコンテンツを組み合わせること、分析結果を要約することなどのステップを含み、第2のオリジナリティ分析ダイジェストを取得する。具体的なサービス実施形態では、前述の音楽分析の当事者および前述の音楽ライブラリの当事者は、同じ機関であってよい。しかしながら、本明細書に提供される具体的な実施形態では、機関によって実行されるステップまたは機能(例えば、第1のオリジナリティ分析ダイジェストを生成すること、または第2のオリジナリティ分析ダイジェストを生成すること)に基づいて、機関は、音楽ライブラリの当事者と音楽分析の当事者に分けられる。
【0027】
本明細書に提供される実施形態の「ブロックチェーン」は、コンセンサスメカニズムを介したノードによって構築され、分散データストレージ構造を有するP2Pネットワークシステムである。ブロックチェーンのデータは、時間的に互いに接続された「ブロック」に分散され、次のブロックは、現在ブロックのデータダイジェストを含む。すべてまたは一部のノードのデータは、特定のコンセンサスメカニズム(POW、POS、DPOS、またはPBFTなど)に応じて、完全にバックアップされる。ブロックチェーンシステムが対応するコンセンサスメカニズムで実行されるので、ブロックチェーンデータベースに含まれているデータがいずれのノードによっても改ざんされにくいことは、当業者は十分承知している。例えば、POWコンセンサスを使用するブロックチェーンの場合、既存データは、全ネットワークの少なくとも51%の計算能力の攻撃により改ざんされ得る。したがって、ブロックチェーンシステムは、他の集中型データベースシステムよりも優れたデータセキュリティと攻撃防止および改ざん防止機能を保証する機能を有する。
【0028】
本明細書に提供される実施形態は、携帯電話、タブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータ(PC)、ノートブックコンピュータ、またはサーバなど、計算能力および記憶能力を有する任意のデバイス上で実行され得る。本明細書の実施形態の機能は、2以上のデバイス上で実行される論理ノードによって実装され得る。
【0029】
本明細書に提供される実施形態では、複数の音楽ライブラリは、ブロックチェーンを実行するためのノードサービスプロトコルを観察することによってブロックチェーンに追加され、ブロックチェーンのノードになり得る。音楽ライブラリノードデバイスによって提供される第1のオリジナリティ分析ダイジェストは、ブロックチェーンに発行され、ブロックチェーンの任意のノードによって取得され得る。各音楽ライブラリは、公平性の原則に基づいてオリジナリティ分析を実行することを公に推奨される。音楽ファイルおよびブロックチェーンに発行された第1のオリジナリティ分析ダイジェストは、任意の他のノードによって改ざんされ得ず、第1のオリジナリティ分析ダイジェストが対応する音楽ライブラリノードデバイスの正確な表現であることを技術的に保証する。
【0030】
データ発行者の識別を明確に認証し、なりすましを防止するために、ブロックチェーンのデータは通常、電子署名とともに発行される。各音楽ライブラリの当事者が、音楽ライブラリの当事者によって生成された第1のオリジナリティ分析ダイジェストに電子的に署名した後に生成された複数の電子署名がまた、ブロックチェーンの分散台帳に含まれる。したがって、複数の第1のオリジナリティ分析ダイジェストを第2のオリジナリティ分析ダイジェストに組み込む前に、音楽分析の当事者として使用されるオンライン音楽プラットフォームは、ブロックチェーンから複数の第1のオリジナリティ分析ダイジェストの電子署名を取得し、電子署名を検証する必要があり、次いで、署名の検証が成功した後に取得された第1のオリジナリティ分析ダイジェストを組み込んで、第2のオリジナリティ分析ダイジェストを生成する。本明細書の実施形態は、電子署名および署名検証アルゴリズムについて特定の制限を課さない。署名検証アルゴリズムには、楕円曲線暗号、RSAアルゴリズムなどがあり、関連するハッシュアルゴリズムには、MD5、SHA256などがある。
【0031】
当業者は、データ検証またはネットワーク全体のブロードキャスト検証が、最も多くの既存のブロックチェーンのブックキーパーによるトランザクションまたはコンテンツデータの収集の間に実行される必要があることを知っている。データ検証プロセスは、トランザクションまたはコンテンツデータの電子署名を検証することを含み得る。しかしながら、前述のメカニズムは、特に、ブロックチェーンネットワーク実行効果を向上するためにネットワーク全体の検証メカニズムをスキップするブロックチェーンにおいて、ブックキーパーによるトランザクションまたはコンテンツの改ざんの可能性を排除できない。本明細書に提供される前述の実施形態はさらに、第1のオリジナリティ分析ダイジェストが、なりすまされ得ない対応する音楽ライブラリの当事者の、改ざんされ得ない正確な表現であることを保証する。
【0032】
本明細書に提供される前述の実施形態では、複数の音楽ライブラリは、ローカルに格納された既存の音楽ファイルと音楽ファイルを比較する。ブロックチェーンは、複数の音楽ライブラリの比較結果(すなわち、第1のオリジナリティ分析ダイジェスト)を発行するために、統一された、信頼できる、改ざん防止のプラットフォームを提供する。音楽分析の当事者は、複数の第1のオリジナリティ分析ダイジェストを要約して、音楽ストレージデータベースに基づいてオリジナリティ分析の結論(すなわち、第2のオリジナリティ分析ダイジェスト)を取得できる。第2のオリジナリティ分析ダイジェストは、音楽ファイルの旋律およびテンポなどの重要なコンテンツ要素に密接に関連する。ダイジェストに基づいて、音楽ファイルは、異なる表現形式(純粋な音楽またはボーカルの伴奏など)のため、単純にオリジナルとみなされず、音楽ファイルのオリジナリティを評価する、または音楽ファイルの次のサービス処理方法を決定するための基準を提供する。
【0033】
本明細書の示された実施形態では通常、コンソーシアム・ブロックチェーン・アーキテクチャは、ブロックチェーンを構築するために使用され、ブロックチェーンのデータ確認時間を低減し、トランザクションスループットを向上し、セキュリティとパフォーマンスの要件を満たす。既存の音楽データを大規模に格納する以前の音楽ライブラリなどの信用度の高い機関は、コンソーシアムブロックチェーンのコンソーシアム・メンバ・ノードとして使用され、ブロックのアカウントに参加できる。コンソーシアムブロックチェーンのコンセンサスプロセスは、事前に選択されたコンソーシアム・メンバ・ノードによっても制御される。ネットワーク上の指定された割合(3分の2)を超えるノードがブロックを確認すると、ブロックに記録されたトランザクションまたはデータは、ネットワーク全体で確認され得る。コンソーシアムブロックチェーンは、適用シナリオに基づいて公開を決定でき、公開され得る機関にコンソーシアムブロックチェーンへのアクセス許可を与えることができる。例えば、実施形態では、音楽分析の当事者として使用される、音楽ライブラリおよび前述のオンライン音楽プラットフォームは、コンソーシアム・メンバ・ノードとしてアカウントに参加でき、分析されるべき音楽を提供する各ユーザは、コンソーシアムブロックチェーンへのアクセス許可を有する共通ノードであってよい。
【0034】
本明細書の示された実施形態では、前述の複数の第1のオリジナリティ分析ダイジェストおよび第2のオリジナリティ分析ダイジェストは、音楽ファイルにマップされ、検索および存在証明を容易にする。一意の識別コードは、音楽ファイルのために設定され、一意の識別コードが、第1のオリジナリティ分析ダイジェストおよび第2のオリジナリティ分析ダイジェストのコンテンツに追加される。全体音楽ファイルのオリジナルテキストを第1のオリジナリティ分析ダイジェストに追加する方法と比べて、一意の識別コードのみをダイジェストに追加する方法は、第1のオリジナリティ分析ダイジェストのコンテンツを低減でき、さらにブロックチェーン上の第1のオリジナリティ分析ダイジェストによって占有されるスペースを低減できる。異なる音楽ファイルは、完全に異なる旋律を有する音楽ファイルおよび同じ旋律を有するが異なる表現形式の音楽ファイルに関わらず、それぞれ一意の識別コードを有する。音楽ファイルをブロックチェーンにアップロードすると、音楽ファイルの提供者(提供者は、本明細書では限定されず、本明細書に説明される音楽分析の当事者、またはブロックチェーンに音楽ファイルを提供する他の当事者であってよい)は、改ざんを防ぐためにブロックチェーンの分散台帳に、音楽ファイルと一意の識別コードの間のマッピング関係を格納できる。
【0035】
前述の一意の識別コードを生成するための複数の方法がある。例えば、複数の音楽ファイルのラベルが、一意の識別コードを生成するために、特定のコーディングルールに基づいて符号化され、前述の音楽ファイルのラベルが、作詞家、作曲家、楽器演奏者、歌唱者、作曲日などを含み得る。通常、複数のラベルの組み合わせが符号化されて、一意のコードを生成する。音楽ファイルのコンテンツを一意の識別コードと強く相関させるために、一意の識別コードは、音楽ファイルに基づいて生成されたハッシュダイジェストであってよく、音楽ファイルのコンテンツから直接生成されたハッシュダイジェストを含み、あるいは、符号化後に生成されたハッシュダイジェストおよびハッシュ計算が、音楽ファイルに対して実行される。ハッシュダイジェストが音楽ファイルのコンテンツに一意に依存するので、同一のハッシュダイジェストが同じ音楽ファイルに対して生成される。したがって、音楽ファイルのハッシュダイジェストを第1のオリジナリティ分析ダイジェストまたは第2のオリジナリティ分析ダイジェストに追加することは、コンテンツの観点からハッシュダイジェストを音楽ファイルにマップすることである。音楽ファイル提供者が、音楽ファイルと一意の識別コードの間のマッピングを確立するとき、同一のハッシュダイジェスト値がブロックチェーンに見つかる場合、ブロックチェーンの音楽ファイルについての類似分析の実行が最初ではない。
【0036】
本明細書の示された実施形態では、音楽ファイルが通常オーディオ形式であるので、さらにブロックチェーンのブロックによる占有スペースを低減するために、音楽ファイルに対応するP2P分散ファイルシステムアドレスが、存在証明のためにブロックチェーンに発行され得、ブロックチェーンの任意のノードが、IPFSアドレスなどP2P分散ファイルアドレスを使用することによって対応するファイルにアクセスできる。前述のP2P分散ファイルシステムのアドレスは、ファイルコンテンツに基づくアドレスであり、ドメイン名アドレスとは異なる。ユーザは、アドレスではなく場所に格納されたコンテンツを検索する。送信者の識別が検証に必要とされず、コンテンツのハッシュ値のみが検証に必要とされる。したがって、ウェブページの速度、安全性、堅牢性、耐久性が向上する。音楽ファイルのコンテンツハッシュダイジェストに関連するP2P分散ファイルシステムのアドレスが、存在証明のためにブロックチェーンに発行されているので、ブロックチェーンの任意のノードのユーザがアドレスに基づいて対応する音楽ファイルを取得できる。そうして、ブロックチェーンのブロック容量が節約され、加えて、P2P分散ファイルシステムのアドレスとそのアドレスに対応する音楽ファイルに対して耐タンパー保護を効率的に行う。
【0037】
第1のオリジナリティ分析ダイジェストを要約して第2のオリジナリティ分析ダイジェストを取得する前述のプロセスは、前述のブロックチェーンに発行されたスマートコントラクトを呼び出すことによって実行され、スマートコントラクトに記述された、複数の第1のオリジナリティ分析ダイジェストを要約するために使用される実行プログラムを実行し、複数の第1のオリジナリティ分析ダイジェストを要約して第2のオリジナリティ分析ダイジェストを取得することに留意することは意義がある。特定の実施形態では、各音楽ライブラリの当事者が、第1のオリジナリティ分析ダイジェストを含む命令を、APIとスマートコントラクトのアドレスとに送信できる。命令は、前述のスマートコントラクトをトリガして要約を実行し、第2のオリジナリティ分析ダイジェストを出力できる。音楽分析の当事者はまた、音楽分析の当事者によってブロックチェーンにおいて取得される第1のオリジナリティ分析ダイジェストを含む命令を、APIおよびスマートコントラクトのアドレスに送信できる。命令は、前述のスマートコントラクトをトリガして要約を実行し、第2のオリジナリティ分析ダイジェストを出力できる。スマートコントラクトを呼び出す当事者の識別は、本明細書では限定されず、スマートコントラクトに所定のホワイトリストに基づいて設定されてよい。監督および分析の当事者の集中型サーバによって複数の第1のオリジナリティ分析ダイジェストを要約する動作モードと比較して、スマートコントラクトは、ユーザの要求にいつでも呼び出されるので、動作効率を著しく向上させる。加えて、スマートコントラクトは、より低い手動介入と分散権限を用いて実行され、音楽のオリジナリティ分析挙動の公平性がさらに向上する。
【0038】
以降では、音楽ライブラリの当事者と音楽分析の当事者を含む2つの実行体の観点から本明細書に提供するブロックチェーンベースの音楽オリジナリティ分析方法の実施形態を説明する。音楽ライブラリの当事者および音楽分析の当事者は、同一の端末デバイスまたは異なる端末デバイスに対応することができる。
【0039】
(1)音楽ライブラリノードデバイスによって実行される音楽オリジナリティ分析方法の実施形態
【0040】
図2に示すように、本明細書は、ブロックチェーンベースの音楽オリジナリティ分析方法の実施形態を提供し、ブロックチェーンは、少なくとも1つの分析者ノードデバイスといくつかの音楽ライブラリノードデバイスとを含む。方法は以下のステップを含む:
【0041】
ステップ202:音楽ライブラリノードデバイスは、ブロックチェーンに発行された音楽ファイルを取得する。
【0042】
ステップ204:ローカル音楽ライブラリに基づいて音楽ファイルのオリジナリティ分析を実行してオリジナリティ分析結果を示すために使用される第1のオリジナリティ分析ダイジェストを取得する。
【0043】
ステップ206:第1のオリジナリティ分析ダイジェストをブロックチェーンに発行して、存在証明のためにブロックチェーンにオリジナリティ分析結果を置く。
【0044】
前述の実施形態の第1のオリジナリティ分析ダイジェストは、音楽ライブラリノードデバイスが、分析されるべきオリジナリティを有する音楽ファイルと、音楽ライブラリノードデバイスのデジタル音楽データベースの既存の音楽ファイルについて比較およびデジタル分析を実行した後に取得される類似度結果ダイジェストである。類似度は、旋律類似度、ビート類似度、および歌詞類似度(歌詞がある場合)の1つまたは複数を含む。
【0045】
図3は、本明細書の実施形態による、第1のオリジナリティ分析ダイジェストのコンテンツを示す概略図である。第1のオリジナリティ分析ダイジェストに含まれる一意の識別コードは、RLPエンコードが音楽ファイル、すなわち、「Hello Bob」MIDIファイルについて実行された後、SHA3アルゴリズムを使用して生成されたハッシュダイジェストである。ハッシュダイジェストは、第1のオリジナリティ分析ダイジェストを音楽ファイルに一意に関連付けることができる。音楽ライブラリノードデバイスは、MIDI音楽ファイルを検索して、コンテンツベースの音楽検索(CBMR)を介して、類似検索結論を取得することができる。CBMRは、音楽信号の物理的特徴、聴覚的特徴、および意味的特徴に基づく音楽検索フォームである。CBMRは、CBMRには、ハミングによるクエリ(QBH)、タップによるクエリ(QBT)、パフォーマンスによるクエリ(MIDIキーボードなどを使用した入力)、楽譜によるクエリ(たとえば、音符シーケンスを直接入力する)を含む。前述の検索方法および他の可能な検索方法に基づいて、音楽ライブラリノードデバイスは、第1のオリジナリティ分析ダイジェストにおけるオリジナリティ分析結果:旋律類似度:55%ピッチ一致0X12345678(「Hey Jude」); テンポ類似度:55%テンポ一致0X12345678(「Hey Jude」)を結論付けることができる。
【0046】
加えて、図3に示すように、前述の第1のオリジナリティ分析ダイジェストは、音楽ファイルの関連情報、作曲者、作曲日、および演奏者などを含むことができ、デジタル表現(例えば、MIDIフォーマット表現)情報をさらに含むことができる。
【0047】
上述したように、前述の音楽ライブラリノードデバイスは個々に、ローカル音楽ライブラリに格納された既存の音楽に基づいて、ブロックチェーンに含まれる音楽ファイルについてオリジナリティ分析を実行し、オリジナリティ分析結果を示すために使用される第1のオリジナリティ分析ダイジェストを取得し、前述のブロックチェーンに第1のオリジナリティ分析ダイジェストを発行する。そうして、ブロックチェーンの音楽ファイルの存在証明プロセスが完了する。既存の技術において、ハッシュコーディングまたは指紋が存在証明に使用され、音楽ファイルは単にデジタルコードに関連付けられる。比較において、本明細書に提供されるブロックチェーンベースの音楽オリジナリティ分析方法では、第1のオリジナリティ分析ダイジェストが、旋律およびテンポ(またはビート)など音楽作品のオリジナリティを反映する最重要ファクタに密接に関連付けられ、音楽コンテンツの観点からオリジナリティを自動的に評価し、前述のオリジナリティ分析結果が、存在証明のためにブロックチェーンに置かれる。
【0048】
本明細書に提供される前述の実施形態では、各音楽ライブラリノードデバイスは、第1のオリジナリティ分析ダイジェストをブロックチェーンにアップロードして、音楽ライブラリノードデバイスによって作成された第1のオリジナリティ分析ダイジェストがなりすまされていないことを保証し、音楽ライブラリノードデバイスは、第1のオリジナリティ分析ダイジェストのためのデバイスのデジタル署名を前述のブロックチェーンにアップロードできる。特定のプロセスについて、前述の実施形態を参照でき、簡潔のため詳細は省略される。
【0049】
示された実施形態では、複数の第1のオリジナリティ分析ダイジェストは、音楽ファイルに対応する一意の識別コードを含む。一意の識別コードは、音楽ファイルに基づいて生成されたハッシュダイジェストであってよい。前述の実施形態の具体的な説明は、前述の実施形態に含まれ、詳細は簡潔のため省略される。
【0050】
前述の説明から分かるように、本明細書に提供される実施形態では、第1のオリジナリティ分析ダイジェストを取得した後、音楽ライブラリノードデバイスは、第1のオリジナリティ分析ダイジェストをブロックチェーンに発行する。したがって、存在証明のためにブロックチェーンにオリジナリティ分析結果を置くプロセスは、音楽ライブラリノードデバイスが、第1のオリジナリティ分析ダイジェストを含む命令メッセージをAPIおよび前述のスマートコントラクトのアドレスに直接送信することによって実行されてよい。加えて、音楽ライブラリノードデバイスは、スマートコントラクトを呼び出すことによって第1のオリジナリティ分析ダイジェストを要約して、第2のオリジナリティ分析ダイジェストを取得できる。音楽分析者ノードデバイスの集中型サーバが第1のオリジナリティ分析ダイジェストを要約する方法と比べて、第2のオリジナリティ分析ダイジェストがブロックチェーンに発行されたスマートコントラクトを使用することによって取得される方法では、命令がいつでもスマートコントラクトに発行され得るので、要約挙動の実行効果が向上する。加えて、スマートコントラクトは、より低い手動介入と分散権限を用いて実行され、音楽のオリジナリティ分析挙動の公平性がさらに向上する。本明細書の実施形態は、スマートコントラクトの発行者について制限を課さない。スマートコントラクトは、音楽オリジナリティ分析のためのコンソーシアムブロックチェーンのコンソーシアムメンバによって同意され、次いで、発行機関を分析することによってブロックチェーンに発行されるか、あるいは本明細書に提供される音楽分析プラットフォームなど音楽分析者ノードデバイスによるユーザの実際の分析ニーズに基づいて発行され得る。
【0051】
(2)音楽分析者ノードデバイスによって実行される音楽オリジナリティ分析方法の実施形態
【0052】
本明細書の以降では、オンライン音楽プラットフォームが、前述の音楽分析の当事者として使用されて、音楽オリジナリティ分析を実行する。本明細書に提供される以降の実施形態に従って説明される。オンライン音楽プラットフォームは、本明細書のブロックチェーンに確立されたアプリケーション層プログラム、あるいは本明細書のブロックチェーンノードと通信および接続されたサードパーティプラットフォームプログラムであってよい。
【0053】
図4は、ブロックチェーンベースの音楽オリジナリティ分析方法の実施形態を説明し、ブロックチェーンは、少なくとも1つの音楽分析者ノードデバイスおよびいくつかの音楽ライブラリノードデバイスを含む。方法は以下のステップを含む:
【0054】
ステップ402:音楽分析者ノードデバイスは、音楽ライブラリノードデバイスによってブロックチェーンに発行された第1のオリジナリティ分析ダイジェストを取得し、第1のオリジナリティ分析ダイジェストは、ブロックチェーンから取得した音楽ファイルについてオリジナリティ分析を実行することによってローカル音楽ライブラリに基づいて音楽ライブラリノードデバイスによって取得されたオリジナリティ分析結果を示す。
【0055】
ステップ404:第1のオリジナリティ分析ダイジェストを要約して第2のオリジナリティ分析ダイジェストを取得する。
【0056】
ステップ406:第2のオリジナリティ分析ダイジェストに基づいて音楽ファイルのオリジナリティに関連するサービス処理を実行する。
【0057】
音楽ファイルのオリジナリティに関連するサービス処理を実行することは、音楽分析の当事者として使用されるオンライン音楽プラットフォームの特定のサービスに関連した処理することであってよい。処理は、第2のオリジナリティ分析ダイジェストを音楽ファイルのオリジナリティ分析要求者に送信すること、第2のオリジナリティ分析ダイジェストのコンテンツに基づいて音楽を推奨すること、あるいは、第2のオリジナリティ分析ダイジェストのコンテンツに基づいて作曲者に関連する著作権分割を実行することを含む。
【0058】
本明細書に提供される前述の実施形態では、音楽ライブラリは、全世界の音楽データベースに分散されてもよい。地域、信仰、好み、著作権を取得する音楽ファイルの違いにより、各音楽ライブラリに含まれる既存の音楽作品や音楽ファイルのデータは異なる。したがって、類似性分析の間、ブロックチェーンのノードとして使用される音楽ライブラリによる比較のために使用される音楽ファイル(図3に示す「Hey Jude」)は、互いに重複するか、互いに異なり、取得される類似度に対応する情報は、重複または異なるコンテンツを有する。加えて、特定のニーズに応じて、前述のブロックチェーンに複数の音楽ライブラリの最大数百のノードが存在する可能性がある。音楽類似性分析のニーズを有するユーザは、複数の異なる音楽ライブラリまたは数百の異なる音楽ライブラリによって提供される第1のオリジナリティ分析ダイジェストを用いて特定の類似度分析結論を簡単に取得できない。したがって、音楽分析の当事者として使用されるオンライン音楽プラットフォームは、複数の音楽ライブラリから取得された第1のオリジナリティ分析ダイジェストを要約する必要がある。要約することは、複数の第1のオリジナリティ分析ダイジェストに含まれ、音楽ファイルと音楽ライブラリの既存音楽との間の比較後に取得された比較結果について重複排除および組み合わせを実行すること、分析されるべき同じ音楽ファイルについての第2のオリジナリティ分析ダイジェストまたは同じ音楽ファイルの一意の識別コードを生成することを含み、音楽類似性分析のニーズを有するユーザは、オリジナリティ分析ダイジェストのコンテンツを見ることができる。
【0059】
図5は、図3に示された複数の第1のオリジナリティ分析ダイジェストが要約された後に取得された第2のオリジナリティ分析ダイジェストのコンテンツを示し、音楽ファイル「Hello Bob」と、複数の音楽ライブラリの既存の音楽との間の類似度:作曲日:2018年5月1日、音楽ジャンル:[ポップ/ロック/ソウル]、持続時間の類似率:60%、旋律類似度:99%ピッチ一致0X12345678(「Hey Jude」[ポップ/ロック]),90%ピッチ一致OX87654321(「Hello」[ポップ/ソウル])、テンポ類似度:99%テンポ一致0X12345678(「Hey Jude」[ポップ/ロック]),90%テンポ一致OX87654321(「Hello」[ポップ/ソウル])の要約結果を含む。
【0060】
本明細書に提供される実施形態では、音楽ファイル類似性の比較ルールが特定のニーズに基づいて決定され得る。例えば、図5に示された第2のオリジナリティ分析ダイジェストにおいて、ピッチおよびテンポの次元で音楽ファイル「Hello Bob」と音楽ファイル「Hey Jude」の間の類似度は99%である。すなわち、「Hello Bob」および「Hey Jude」は、類似の音楽セグメントを有し、ピッチおよびテンポの次元で類似のセグメント間の類似度は99%である。ピッチおよびテンポの次元で音楽ファイル「Hello Bob」と音楽ファイル「Hello」の間の類似度は90%である。すなわち、「Hello Bob」と「Hello Bob」も類似の音楽セグメントを有し、ピッチおよびテンポの次元で類似のセグメント間の類似度は90%である。
【0061】
特定の要件に基づいて、第2のオリジナリティ分析ダイジェストは、音楽ファイルと比較に使用される音楽ファイルの間の演奏者情報(ピアノ奏者、バイオリン奏者、歌手などを含む)および演奏スタイル(ポップ、クラッシックなどを含む)など、音楽ファイルが比較のために使用されるファイルとどの程度類似するかを含むことができる。現代の音楽制作の多様化に伴い、オリジナルの音楽が盗聴されたものであるか、模倣された結果であるかを単一の次元のパラメータで判断することは困難である。したがって、第2のオリジナリティ分析ダイジェストが、可能な限り複数の音楽ライブラリによって作られた第1のオリジナリティ分析ダイジェストを含む必要があり、より公平な結論を得るために、より多くの次元でより多くの類似性比較パラメータを含む必要がある。
【0062】
本明細書に提供される前述の実施形態では、各音楽ライブラリノードデバイスは、第1のオリジナリティ分析ダイジェストをブロックチェーンにアップロードして、音楽ライブラリノードデバイスによって作られた第1のオリジナリティ分析ダイジェストがなりすまされていないことを確実にすると、音楽ライブラリノードデバイスは、第1のオリジナリティ分析ダイジェストのためのデバイスのデジタル署名を前述のブロックチェーンにアップロードできる。対応して、第1のオリジナリティ分析ダイジェストを取得すると、音楽分析の当事者は、複数の第1のオリジナリティ分析ダイジェストの電子署名をブロックチェーンから取得し、電子署名を検証する必要があり、次いで、署名検証が成功した後に取得される第1のオリジナリティ分析ダイジェストを一体化して、第2のオリジナリティ分析ダイジェストを生成する。
【0063】
示される実施形態では、複数の第1のオリジナリティ分析ダイジェストまたは第2のオリジナリティ分析ダイジェストは、音楽ファイルに対応する一意の識別コードを含む。一意の識別コードは、音楽ファイルに基づいて生成されたハッシュダイジェスト、あるいは音楽ファイルがエンコードされた後に生成されたハッシュダイジェストであってよい。前述の実施形態の具体的な説明は、前述の実施形態に含まれ、詳細は簡潔のため省略される。
【0064】
本明細書に提供される実施形態では、ブロックチェーンから第1のオリジナリティ分析ダイジェストを取得した後、音楽分析者ノードデバイスは、例えば、デジタル署名検証が成功したか否か、あるいは、第1のオリジナリティ分析ダイジェストが音楽分析者ノードデバイスの調整パーティの音楽ライブラリによって提供された第1のオリジナリティ協力ダイジェストであるか否かを判定するために、第1のオリジナリティ分析ダイジェストについてフィルタリングを実行することができる。次いで、音楽分析者ノードデバイスは、APIおよびスマートコントラクトのアドレスに、フィルタリングが成功した第1のオリジナリティ分析ダイジェストを含む命令メッセージを送信し、スマートコントラクトを呼び出して第1のオリジナリティ分析ダイジェストを要約して第2のオリジナリティ分析ダイジェストを取得する。音楽分析者ノードデバイスの集中型サーバが第1のオリジナリティ分析ダイジェストを要約する方法と比べて、第2のオリジナリティ分析ダイジェストがブロックチェーンに発行されたスマートコントラクトを使用することによって取得される方法では、スマートコントラクトは、より低い手動の介入、およびブロックチェーン上のスマートコントラクトの透過的な実行方法による分散化された権限という利点を有し、およびブロックチェーンのコンセンサスによって保証されたほとんどのノードが実行結果の検証に成功するというメカニズムが、音楽オリジナリティ分析挙動の公平性を高める。同様に、本明細書の実施形態は、スマートコントラクトの発行者について制限を課さない。スマートコントラクトは、音楽オリジナリティ分析のためのコンソーシアムブロックチェーンのコンソーシアムメンバによって同意され、次いで発行機関を認証することによってブロックチェーンに発行されるか、本明細書に提供される音楽分析プラットフォームなど、音楽分析者ノードデバイスによるユーザの実際の分析ニーズに基づいて発行される。
【0065】
具体的には、以降では、音楽ファイルオリジナリティに関連する前述のサービス処理において第2のオリジナリティ分析ダイジェストのコンテンツに基づく音楽推奨を説明する。本明細書に提供される実施形態では、第2のオリジナリティ分析ダイジェストが取得された後、音楽分析者ノードデバイスとして使用されるオンライン音楽プラットフォームは、第2のオリジナリティ分析ダイジェストを使用することによって音楽ファイルについてビッグデータ統計および分析を実行でき、第2のオリジナリティ分析ダイジェストのコンテンツに基づいて音楽推奨機能を実装できる。
【0066】
例えば、音楽プラットフォームは、第2のオリジナリティ分析ダイジェストのコンテンツの音楽ジャンルコンテンツに基づいてユーザにより要求された同じまたは類似の音楽ジャンルの音楽を推奨でき、すなわち、ユーザは、ユーザの好みおよび要求に基づくカスタマイズされたテンプレートを満たし、前述のオンライン音楽プラットフォームに作品サブスクリプション要件を発行する。例えば、ユーザAが、オリジナリティ度が50%以上のボサノバおよびグランジェロック演奏スタイルの作品を必要とするとき、音楽プラットフォームは、前述の第2のオリジナリティ分析ダイジェストから、類似度が50%以下のボサノバおよびグランジェロック演奏スタイルの音楽ファイルを検索し、ユーザAにその音楽ファイルを薦める。
【0067】
別の例では、オンライン音楽プラットフォームは、第2のオリジナリティ分析ダイジェストに基づいて所定のしきい値を超えるオリジナリティ度を有する音楽作品を推奨することができる。例えば、オンライン音楽プラットフォームは、類似度10%をオリジナリティ度しきい値に設定し、類似度が10%より低い作品を、非常に高いオリジナリティを有する作品と見なす。オリジナル作品を奨励し、知的財産の保護を向上させるために、非常に高いオリジナリティをもつ作品が推奨され得る。
【0068】
別の例では、オンライン再生機能を提供するオンライン音楽プラットフォームについて、ユーザの聴取または再生挙動データが分析のために集められ、挙動データの第2のオリジナリティ分析ダイジェストのコンテンツに関連するコンテンツに基づいて音楽が推奨される。例えば、オンライン音楽プラットフォームが、ユーザAが演奏者Bの音楽を聴く頻度が所定のしきい値より大きいことを検出する場合、音楽プラットフォームは、第2のオリジナリティ分析ダイジェストのコンテンツに含まれる演奏者Bの音楽をユーザAに推奨する。例えば、オンライン音楽プラットフォームが、ユーザAがクラッシック音楽を聴く頻度が所定のしきい値より大きいことを検出する場合、音楽プラットフォームは、第2のオリジナリティ分析ダイジェストのコンテンツのクラッシックの音楽ジャンルを有する音楽ファイルをユーザAに推奨する。
【0069】
さらに、オンライン音楽プラットフォームは、第2のオリジナリティ分析ダイジェストに基づいて関連性分析を提供でき、同様のスタイル傾向とオリジナリティのある才能を持つ作曲家に対して社会的な推奨を行うことができる。例えば、オンライン音楽プラットフォームは、作曲家Aの音楽作品の類似度がしきい値(例えば、20%)より小さく、音楽作品のジャンルがカントリーフォークであると第2のオリジナリティ分析ダイジェストのコンテンツを結論付ける。オンライン音楽プラットフォームはまた、作曲家Bの音楽作品の類似度が所定のしきい値(例えば、20%)より小さく、音楽作品のジャンルがカントリーフォークであると第2のオリジナリティ分析ダイジェストのコンテンツを結論付ける。オンライン音楽プラットフォームは、作曲家Aおよび作曲家Bが同様のスタイル傾向とオリジナリティのある才能をもつ作曲家であると決定し、作曲家Aおよび作曲家Bに社会的な推奨を行うことができる。推奨手段は、オンライン音楽プラットフォーム、あるいは、音楽プラットフォームの作曲家Aおよび作曲家Bにより予約された連絡先情報に限定されない。
【0070】
結果的に、前述の実施形態では、音楽分析の当事者は、複数の既存の音楽ライブラリを使用することによって取得された音楽類似性について第1のオリジナリティ分析ダイジェストを組み合わせて、音楽ファイルとより多くの既存の音楽ファイルとの間での比較を通して類似度の結論、すなわち、前述の第2のオリジナリティ分析ダイジェストを取得する。したがって、新しい音楽作品が、既存の作品を盗用あるいは模倣しているかどうかを識別し、オリジナリティに関連するサービス処理を実行するための方法がさらに提供される。前述の音楽類似性分析方法は、ブロックチェーンに基づいて確立され、複数の音楽ライブラリによって生成された第1のオリジナリティ分析ダイジェストが、ブロックチェーン分散台帳に発行され、他のノードが音楽ライブラリ機関としてのなりすますこと、あるいは第1のオリジナリティ分析ダイジェストのコンテンツを改ざんすることを防ぎ、その結果、複数の当事者が公平に音楽ファイルのオリジナリティを評価する。
【0071】
前述の手順に対応して、本明細書の実施形態は、2つのブロックチェーンベースの音楽オリジナリティ分析装置をさらに提供する。システムは、ソフトウェアによって実装でき、ハードウェアによって実装でき、あるいは、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせによって実装できる。ソフトウェアの実施形態が例として使用される。論理装置として、ソフトウェアは、対応するコンピュータプログラム命令をメモリに読み出して、ソフトウェアが位置するデバイスの中央処理ユニット(CPU)によりメモリ内の命令を実行することによって形成される。ハードウェアの実施形態の観点では、図8に示すCPU、メモリ、およびストレージデバイスに加えて、音楽オリジナリティ分析装置が配置された装置は通常、無線信号を送受信するためのチップなどの他のハードウェア、および/またはネットワーク通信機能を実施するように構成されるカードなど他のハードウェアを含む。
【0072】
図6は、本明細書による、音楽ライブラリの当事者によって確立されるブロックチェーンベースの音楽オリジナリティ分析装置60を示す。ブロックチェーンは、複数の音楽ライブラリに対応するノードデバイスおよび音楽分析の当事者に対応するノードデバイスを含み、装置60は、ブロックチェーンに発行された音楽ファイルを取得するように構成された取得ユニット602と、ローカル音楽ライブラリに基づいて音楽ファイルについてオリジナリティ分析を実行して、オリジナリティ分析結果を示すために使用される第1のオリジナリティ分析ダイジェストを取得するように構成された生成ユニット604、第1のオリジナリティ分析ダイジェストをブロックチェーンに発行して、存在証明のためにブロックチェーンにオリジナリティ分析結果を置くように構成された存在証明ユニット606とを含む。
【0073】
システムの各ユニットまたはモジュールの機能および役割の実装プロセスについて、前述の方法の対応するステップの実装プロセスを参照できる。関連部分は、方法の実施形態の関連する記載を参照できる。本明細書では詳細は簡潔のため省略される。
【0074】
同様に、図7は、本明細書による、音楽分析の当事者によって確立されるブロックチェーンベースの音楽オリジナリティ分析装置70を示す。ブロックチェーンは、複数の音楽ライブラリに対応するノードデバイスおよび音楽分析の当事者に対応するノードデバイスを含み、装置70は、音楽ライブラリノードデバイスによってブロックチェーンに発行された第1のオリジナリティ分析ダイジェストを取得するように構成された取得ユニット702であって、第1のオリジナリティ分析ダイジェストが、ブロックチェーンから取得された音楽ファイルについてオリジナリティ分析を実行することによってローカル音楽ライブラリに基づいて音楽ライブラリノードデバイスによって取得されたオリジナリティ分析結果を示す、取得ユニットと、第1のオリジナリティ分析ダイジェストを要約して第2のオリジナリティ分析ダイジェストを取得するように構成された生成ユニット704と、第2のオリジナリティ分析ダイジェストに基づいて音楽ファイルのオリジナリティに関連するサービス処理を実行するように構成されたサービス処理ユニット706とを含む。
【0075】
前述のシステムの実施形態は例に過ぎない。個別の部分として説明されたユニットは、物理的に分離していてもしていなくてもよく、ユニットとして表示される部分は、物理的なモジュールであってもなくてもよく、一か所に配置されていてもよいし、複数のネットワークモジュール上に分散されていてもよい。ユニットまたはモジュールのいくつかまたはすべては、本明細書の解決策の目的を達成するために実際のニーズに基づいて選択可能である。当業者は、創造的な努力なしに、本明細書の実施形態を理解し実装できる。
【0076】
前述の実施形態において説明された、装置及びユニットは、コンピュータチップあるいはエンティティによって実装されるか、またはある機能を有する製品によって実装され得る。典型的な実装デバイスは、コンピュータであり、コンピュータは、パーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、携帯電話、カメラ付き電話、インテリジェントフォン、個人情報端末、メディアプレイヤー、ナビゲーションデバイス、電子メール送受信デバイス、ゲームコンソール、タブレットコンピュータ、ウェアラブルデバイス、あるいはこれらのデバイスのいくつかの組み合わせであってよい。
【0077】
前述の方法の実施形態に対応して、本明細書はさらにコンピュータデバイスの実施形態を提供し、コンピュータデバイスはメモリおよびプロセッサを含む。メモリはコンピュータによって実行され得るコンピュータプログラムを格納する。格納されたコンピュータプログラムを実行すると、プロセッサは、本明細書の実施形態における音楽ライブラリの当事者によって実行されるブロックチェーンベースの音楽オリジナリティ分析方法のステップを実行する。ブロックチェーンベースの音楽オリジナリティ分析方法の各ステップの詳細な説明について、前述の内容を参照できる。本明細書では詳細は簡潔のため省略される。
【0078】
本明細書はさらにコンピュータデバイスの実施形態を提供し、コンピュータデバイスはメモリおよびプロセッサを含む。メモリはコンピュータによって実行され得るコンピュータプログラムを格納する。格納されたコンピュータプログラムを実行すると、プロセッサは、本明細書の実施形態における音楽分析の当事者によって実行されるブロックチェーンベースの音楽オリジナリティ分析方法のステップを実行する。ブロックチェーンベースの音楽オリジナリティ分析方法の各ステップの詳細な説明について、前述の内容を参照できる。本明細書では詳細は簡潔のため省略される。
【0079】
前述の方法の実施形態に対応して、本明細書はさらにコンピュータ可読媒体の実施形態を提供する。コンピュータプログラムはストレージ媒体を格納する。コンピュータプログラムを実行すると、プロセッサは、本明細書の実施形態における音楽ライブラリの当事者によって実行されるブロックチェーンベースの音楽オリジナリティ分析方法のステップを実行する。ブロックチェーンベースの音楽オリジナリティ分析方法の各ステップの詳細な説明について、前述の内容を参照できる。本明細書では詳細は簡潔のため省略される。
【0080】
前述の方法の実施形態に対応して、本明細書はさらにコンピュータ可読媒体の実施形態を提供する。コンピュータプログラムはストレージ媒体を格納する。コンピュータプログラムを実行すると、プロセッサは、本明細書の実施形態における音楽分析の当事者によって実行されるブロックチェーンベースの音楽オリジナリティ分析方法のステップを実行する。ブロックチェーンベースの音楽オリジナリティ分析方法の各ステップの詳細な説明について、前述の内容を参照できる。本明細書では詳細は簡潔のため省略される。
【0081】
前述の説明は、本明細書の好ましい実施形態にすぎず、本明細書を限定する意図はない。本明細書の精神および原則を逸脱せずになされた、いかなる変更、均等な交換、または改善は、本明細書の保護範囲に含まれる。
【0082】
典型的な構成として、計算デバイスは、1つまたは複数のプロセッサ(CPU)、入出力インターフェース、ネットワークインターフェース、およびメモリを含む。
【0083】
メモリは、非永続的メモリ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、不揮発性メモリ、および/または、例えば読み取り専用メモリ(ROM)またはフラッシュメモリ(フラッシュRAM)などコンピュータ可読媒体にある別の形態を含むことができる。メモリは、コンピュータ可読媒体の例である。
【0084】
コンピュータ可読媒体は、任意の方法および技法を使用することによって情報を格納できる、永続的/非永続的、可動/非可動な媒体を含む。情報は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータであってよい。
【0085】
コンピュータストレージ媒体の例は、限定ではないが、相変化ランダムアクセスメモリ(PRAM)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、別のタイプのランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、電気的に消去可能プログラム可能な読み取り専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリまたはその他のメモリ技術、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)または別の光学ストレージ、磁気テープ、磁気ディスクストレージ 、量子メモリ、グラフェンベースのストレージ媒体、別の磁気ストレージデバイス、またはその他の非伝送媒体を含む。コンピュータストレージ媒体は、コンピューティングデバイスによってアクセスされ得る情報を格納するために使用され得る。本明細書での定義に基づいて、コンピュータ可読媒体は、変調されたデータ信号およびキャリアなど、一時的コンピュータ可読媒体(一時的媒体)を含まない。
【0086】
「含む」、「有する」、またはその任意の変形の用語は、非排他的な包含をカバーすることを意図しており、要素のリストを含むプロセス、方法、製品、またはデバイスは、これらの要素を含むだけでなく、明示的にリストされた他の要素を含むか、あるいはそのようなプロセス、方法、製品、またはデバイスに固有の要素を含むことにさらに留意することは意義がある。追加の制約がない場合、「を含む」が前に付いた要素は、その要素を含むプロセス、方法、製品、またはデバイスに追加の同一の要素が存在することを排除しない。
【0087】
本明細書の実施形態が、方法、システム、あるいはコンピュータプログラム製品として提供され得ることが当業者に理解されよう。したがって、本明細書の実施形態は、ハードウェアのみの実施形態、ソフトウェアのみの実施形態、またはソフトウェアとハードウェアを組み合わせた実施形態の形態を使用できる。さらに、本明細書の実施形態は、コンピュータ使用可能なプログラムコードを含む1つまたは複数のコンピュータ使用可能なストレージ媒体(限定ではなく、CD-ROM、光学メモリなどを含む)上に実装されるコンピュータプログラム製品の形態を使用できる。
【0088】
図9は、本開示の実施形態による、ブロックチェーンベースの音楽オリジナリティ分析のためのコンピュータ実装方法900の例を示すフローチャートである。提示を明確するために、以降の説明は、本明細書の他の図面の文脈で方法900を一般的に説明するものである。しかしながら、方法900が、例えば、任意のシステム、環境、ソフトウェア、およびハードウェア、あるいは、必要に応じて、システム、環境、ソフトウェア、およびハードウェアの組み合わせによって実行され得ることが理解されよう。いくつかの実施形態では、方法900の様々なステップが、並列に、組み合わせて、ループして、あるいは任意の順序で実行され得る。
【0089】
902では、ブロックチェーンネットワークに発行された音楽ファイルが複数の音楽ライブラリノードによって検索される。ブロックチェーンネットワークは、複数の音楽ライブラリノードと、音楽分析者ノードとを含む。ブロックチェーンネットワークはコンソーシアム・ブロックチェーン・ネットワークであってよい。複数の音楽ライブラリノードは、コンソーシアム・ブロックチェーン・ネットワークのコンソーシアムメンバであってよい。音楽ファイルは、MIDI(musical instrument digital interface)ファイル、声紋ファイル、楽譜ファイル、レコードデモのうちの1つまたは複数を含むことができる。いくつかの実施形態では、発行された音楽ファイルは、ブロックチェーンネットワークに発行されたピアツーピア(P2P)分散ファイルシステムアドレスを検索することによって、および音楽ファイルを検索するためにP2P分散ファイルシステムアドレスを使用することによって検索される。902から、方法900は904に進む。
【0090】
904において、ローカル音楽ライブラリに基づいて音楽ファイルについてオリジナリティ分析が、複数の音楽ライブラリノードによって実行され、第1のオリジナリティおよび分析ダイジェストを生成する。第1のオリジナリティおよび分析ダイジェストは、オリジナリティおよび分析結果を示す。第1のオリジナリティおよび分析ダイジェストは、音楽ファイルに対応する一意の識別コードを含むことができる。一意の識別コードは、関連したハッシュアルゴリズムを使用して、音楽ファイルに基づいて生成されたハッシュダイジェストを含み得る。関連したハッシュアルゴリズムは、224、256、384、あるいは512ビットであるダイジェスト(ハッシュ値)を有するメッセージ-ダイジェストアルゴリズムまたはセキュアハッシュアルゴリズムを含むことができる。第1のオリジナリティおよび分析ダイジェストは、音楽ファイルとローカル音楽ライブラリの既存音楽との間の類似性を含むことができる。類似性は、旋律類似性、ビート類似性、および歌詞類似性のうちの1つまたは複数を含むことができる。第1のオリジナリティおよび分析ダイジェストは、作曲者、作曲日、演奏者、および前記音楽ファイルの楽譜のデジタル表現情報のうちの1つまたは複数を含むことができる。904から、方法900は906に進む。
【0091】
906では、第1のオリジナリティおよび分析ダイジェストは、デジタル署名されて、第1のオリジナリティおよび分析ダイジェスト署名を生成する。906から、方法900は908に進む。
【0092】
908では、第1のオリジナリティおよび分析ダイジェストが、音楽ライブラリノードによってブロックチェーンネットワークに発行され、ブロックチェーンネットワークにオリジナリティおよび分析結果を記録および認証する。いくつかの実施形態では、ブロックチェーンネットワークに発行されたコントラクトに、第1のオリジナリティおよび分析ダイジェストを含む命令メッセージが送信される。908から、方法900は910に進む。
【0093】
910では、音楽ライブラリノードによってブロックチェーンに発行された第1のオリジナリティおよび分析ダイジェストは、音楽分析者ノードによって検索される。いくつかの実施形態では、第1のオリジナリティおよび分析ダイジェストを検索することに応答して、関連したコントラクトが呼び出される。910から、方法900は912に進む。
【0094】
912では、第1のオリジナリティおよび分析ダイジェスト署名についてのデジタル署名検証が、音楽分析者ノードによって実行される。デジタル署名検証は、1つまたは複数の署名検証アルゴリズムに基づいてよい。署名検証アルゴリズムは、Lenstraの楕円曲線因数分解などの楕円曲線暗号(ECC)アルゴリズム、またはRSA(Rivest-Shamir-Adleman)アルゴリズムなどの非対称暗号アルゴリズムを含むことができる。912から、方法900は914に進む。
【0095】
914では、デジタル署名検証が成功したか否かについて、音楽分析者ノードによって判定される。デジタル署名検証が成功しないと決定される場合、方法900は916に進む。916では、失敗したデジタル署名検証に基づいてサービスの実行の失敗を表示する出力が提供される。いくつかの実施形態では、916から方法900は906に戻る。
【0096】
そうでなければ、デジタル署名検証が成功したと決定される場合、方法900は918に進む。918では、デジタル署名検証が成功したとの決定に応答して、第1のオリジナリティおよび分析ダイジェストが音楽分析者ノードによって要約されて、第2のオリジナリティおよび分析ダイジェストを生成する。第2のオリジナリティおよび分析ダイジェストは、音楽ファイルに対応する一意の識別コードを含むことができる。第1のオリジナリティおよび分析ダイジェストを要約することは、第1のオリジナリティおよび分析ダイジェストのコンテンツの重複排除および組み合わせを実行することを含むことができる。918から、方法900は920に進む。
【0097】
920では、音楽ファイルのオリジナリティに関連するサービスが、第2のオリジナリティおよび分析ダイジェストに基づいて音楽分析者ノードによって処理される。920の後、方法900は停止する。
【0098】
本願の実施形態は、ブロックチェーンベースの音楽オリジナリティ分析の技術的課題を解決できる。いくつかの実施形態では、ブロックチェーンは、不変で改ざんに強いデータ転送とストレージを提供する分散ストレージソリューションであり、データ(音楽ファイルなど)はブロックチェーンのデータベースに暗号化された形式で格納される。そのようなセキュリティ対策により、ブロックチェーン上に記憶されたシステム状態データが、悪意のあるプロセスによって破損あるいは変更されることがないことが保証される。例えば、音楽ファイルに関連するオリジナリティおよび分析ダイジェストの変更は、ターゲットユーザが詐欺目的で侵害されたときに攻撃者によって使用される戦術である場合があり、不変のブロックチェーンにデータを記憶することで、攻撃者によるそのような戦術からユーザを保護する。いくつかの実施形態では、複数のエンティティにわたる異なるライブラリノードからのブロックチェーンヘッダがクロスマークルされ、またはそうでなければ、ブロックチェーンのデータベースに格納された、ブロックチェーンのノード間で転送された、音楽ファイル、音楽ライブラリ、コントラクト、およびオリジナリティおよび分析ダイジェストの完全性をさらに保証するためにブロックチェーン上で処理される。
【0099】
安全性および信頼性の観点から、コントラクトオブジェクトは、オリジナリティおよび分析ダイジェストをさらなる処理のために他のノードに送信する前に、音楽ファイルに関連するオリジナリティおよび分析ダイジェストについてプライバシー保護処理を実行するように構成され得る。加えて、オリジナリティおよび分析ダイジェスト転送動作は、対応するデータボリュームを第2のロケーションに追加するとき、第1のロケーションからデータボリュームを削除することによって、ブロックチェーン内の全てのデータボリュームに影響を及ぼさないように構成される。したがって、オリジナリティおよび分析ダイジェスト転送動作は、音楽データ管理の従来の方法に関連する共通した課題である、データボリュームの急激な増加を導かない。
【0100】
本願の実施形態は、ブロックチェーンベースの音楽オリジナリティ分析を改善するための方法および装置を提供する。いくつかの実施形態では、処理プラットフォーム(例えば、音楽分析者ノード)は、検証されるべき、かつ所定の特徴に対応するデジタル署名を有するオリジナリティおよび分析ダイジェストを音楽ライブラリノードから取得する。本明細書の実施形態は、電子署名および署名検証アルゴリズムについて特定の制限を課さない。データ検証プロセスは、トランザクションの電子署名、あるいは第1のオリジナリティおよび分析ダイジェストが、改ざんされ得ないマッチング表現を含むことをさらに保証するコンテンツデータを検証することを含むことができ、対応する音楽ライブラリの当事者が、悪意のあるエンティティによって代用され得ない。
【0101】
本明細書に説明された実施形態および動作は、本明細書に開示された構造を含む、デジタル電子回路、またはコンピュータソフトウェア、ファームウェア、あるいはハードウェア、またはそれらの1つまたは複数の組み合わせで実装され得る。動作は、1つまたは複数のコンピュータ可読デバイスに格納した、または他のソースから受信したデータについて、データ処理装置によって実行される動作として実装され得る。データ処理装置、コンピュータ、またはコンピューティングデバイスは、例えば、プログラム可能なプロセッサ、コンピュータ、システムオンチップ、またはそれらの複数または組み合わせなどの、装置、デバイス、およびデータ処理のための機械を包含してよい。装置は、例えば、中央処理装置(CPU)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または特定用途組み込み回路(ASIC)などの専用論理回路を含むことができる。装置はまた、例えば、プロセッサファームウェア、プロトコルスタック、データベース管理システム、オペレーティングシステム(例えば、単一のオペレーティングシステムまたはオペレーティングシステムの組み合わせ)、クロスプラットフォーム実行環境、仮想マシン、あるいはそれらの1つまたは複数の組み合わせを構成するコードなど、当のコンピュータプログラムに対する実行環境を作成するコードを含むことができる。装置および実行環境は、ウェブサービス、分散コンピューティングおよびグリッドコンピューティングインフラストラクチャなどの様々な異なるコンピューティングモデルインフラストラクチャを実現できる。
【0102】
コンピュータプログラム(例えば、プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアモジュール、ソフトウェアユニット、スクリプト、またはコードとしても知られる)は、コンパイル型またはインタプリタ型言語、宣言型またはプロシージャ型言語を含む、任意の形式のプログラミング言語で書かれ、スタンドアロンプログラムとして、あるいは、モジュール、コンポーネント、サブルーチン、オブジェクト、あるいは、コンピューティング環境での使用に適した他のユニットとしてなどを含む、任意の形式で展開され得る。プログラムは、当のプログラム専用の単一のファイルに、または複数の協調ファイル(例えば、1つまたは複数のモジュール、サブプログラム、またはコードの部分を記憶するファイル)に、他のプログラムまたはデータ(例えば、マークアップ言語ドキュメントに格納された1つまたは複数のスクリプト)を保持するファイルの一部に記憶され得る。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ、または1つのサイトに位置するか、あるいは複数のサイトにわたり分散して通信ネットワークによって相互接続される複数のコンピュータ上で実行され得る。
【0103】
コンピュータプログラムの実行のためのプロセッサは、例として、汎用マイクロプロセッサおよび専用マイクロプロセッサの両方、および任意の種類のデジタルコンピュータの1つまたは複数のプロセッサを含む。一般に、プロセッサは、読み取り専用メモリまたはランダムアクセスメモリ、あるいはその両方から命令およびデータを受信する。コンピュータの必須要素は、命令にしたがってアクションを実行するためのプロセッサと、命令およびデータを格納するための1つまたは複数のメモリデバイスである。一般に、コンピュータは、データを格納する1つまたは複数のマスストレージデバイスを含むか、データの送受信のために、データを格納する1つまたは複数のマスストレージデバイスに動作可能に接続される。コンピュータは、例えば、モバイルデバイス、個人情報端末(PDA)、ゲームコンソール、全地球測位システム(GPS)受信機、またはポータブルストレージデバイスなどの別のデバイスに組み込まれ得る。コンピュータプログラム命令およびデータを格納するのに適したデバイスは、例として、半導体メモリデバイス、磁気ディスク、および磁気光ディスクを含む、非一時的メモリ、媒体およびメモリデバイスを含む。プロセッサおよびメモリは、専用論理回路に補完されるか、または組み込まれ得る。
【0104】
モバイルデバイスは、ハンドセット、ユーザ機器(UE)、携帯電話(例えば、スマートフォン)、タブレット、ウェアラブルデバイス(例えば、スマートウォッチおよびスマート眼鏡)、人体埋め込みデバイス(例えば、バイオセンサ、人工内耳)、あるいは他のタイプのモバイルデバイスを含むことができる。モバイルデバイスは、様々な通信ネットワーク(後述される)とワイヤレスに(例えば、無線周波数(RF)信号を使用して)通信できる。モバイルデバイスは、モバイルデバイスの現在の環境の特性を決定するためのセンサを含むことができる。センサは、カメラ、マイク、近接センサ、GPSセンサ、動きセンサ、加速度計、周辺光センサ、湿度センサ、ジャイロスコープ、コンパス、気圧計、指紋センサ、顔認証システム、RFセンサ(例えば、Wi-Fiおよびセルラ無線)、温度センサ、あるいは他のタイプのセンサを含むことができる。例えば、カメラは、可動または固定レンズ、フラッシュ、イメージセンサ、およびイメージプロセッサを備えた前向きまたは後ろ向きのカメラを含むことができる。カメラは、顔および/または虹彩の認識のために詳細をキャプチャできるメガピクセルカメラであってよい。データプロセッサを備えるカメラ、およびメモリに保存されているか、または遠隔にアクセスされる認証情報は、顔認識システムを形成できる。顔認証システム、あるいは、例えばマイク、動きセンサ、加速度計、GPSセンサ、またはRFセンサなどの1つまたは複数のセンサは、ユーザ認証のために使用され得る。
【0105】
ユーザとの対話を提供するために、例えば、ユーザに情報を表示するための、液晶ディスプレイ(LCD)または有機発行ダイオード(OLED)/仮想現実(VR)/拡張現実(AR)ディスプレイ、それによりユーザがコンピュータに入力を提供できるタッチスクリーン、キーボード、およびポインティングデバイスなど、表示デバイスおよび入力デバイスを有するコンピュータにおいて実施形態が実装され得る。同様にユーザとの対話のために別の種類のデバイスを提供でき、例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、または触覚フィードバックなどの任意の形式のセンサフィードバックであってよく、ユーザからの入力が、音声、会話、または触覚入力を含む任意の形式で受信され得る。加えて、コンピュータは、例えば、ウェブブラウザから受信された要求に応答してユーザのクライアントデバイス上のウェブブラウザにウェブページを送信することによって、ユーザによって使用されるデバイスとドキュメントを送受信することによってユーザと対話できる。
【0106】
実施形態は、例えば、コンピュータネットワークなど、任意の形式または媒体の有線またはワイヤレスのデジタルデータ通信(あるいはその組み合わせ)によって相互接続されたコンピューティングデバイスを使用して実装され得る。相互接続されたデバイスの例は、クライアントとサーバであり、一般に互いに離れており、通信ネットワークを介して対話する。例えば、モバイルデバイスなどのクライアントは、サーバと自身のトランザクションを実行するか、サーバを介して、例えば、購入、売却、支払い、譲渡、送信、あるいはローントランザクションを実行する、または同様の認証を行う。そのようなトランザクションはリアルタイムであってよく、そのためアクションおよびレスポンスが時間的に近い、例えば、個人がアクションとレスポンスを実質的に同時に感じ、個人のアクションに続くレスポンスの時間差が1ミリ秒(ms)または1秒(s)より小さいか、レスポンスがシステムの処理限界を考慮した意図的な遅延がない。
【0107】
通信ネットワークの例は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、無線アクセスネットワーク(RAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、およびワイドエリアネットワーク(WAN)を含む。通信ネットワークは、インターネットのすべてまたは一部、別の通信ネットワーク、あるいは通信ネットワークの組み合わせを含むことができる。情報は、ロングタームエボリューション(LTE)、5G、IEEE802、インターネットプロトコル(IP)、または他のプロトコル、あるいはプロトコルの組み合わせを含む、様々なプロトコルおよび規格にしたがって、通信ネットワーク上で送信され得る。通信ネットワークは、接続されたコンピューティングデバイスの間で、音声、ビデオ、生体情報、認証データ、あるいは他の情報を送信できる。
【0108】
個別の実施形態として説明された特徴は、組み合わせても一つの実施形態でも実装でき、一方で単一の実施形態として記載された特徴は、複数の実施形態に個別に、あるいは任意の適切なサブコンビネーションで実装されてよい。特定の順序で説明あるいは特許請求の範囲に記載された動作は、その特定の順序を必要とすると理解するのではなく、またすべての示された動作が実行されなければならないと理解すべきではない(いくつかの動作は任意であってよい)。必要に応じて、マルチタスクまたは並列処理(または、マルチタスクおよび並列処理の組み合わせ)が実行され得る。
【符号の説明】
【0109】
60 装置
602 取得ユニット
604 生成ユニット
606 記録および認証ユニット
70 装置
702 取得ユニット
704 生成ユニット
706 サービス処理ユニット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9