特許第6837230号(P6837230)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6837230
(24)【登録日】2021年2月12日
(45)【発行日】2021年3月3日
(54)【発明の名称】物品収受システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/08 20120101AFI20210222BHJP
   A47G 29/12 20060101ALI20210222BHJP
   A47G 29/122 20060101ALI20210222BHJP
   E05B 65/02 20060101ALI20210222BHJP
   E05B 49/00 20060101ALI20210222BHJP
【FI】
   G06Q10/08
   A47G29/12 D
   A47G29/122 B
   E05B65/02 B
   E05B49/00 F
【請求項の数】5
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2016-247179(P2016-247179)
(22)【出願日】2016年12月20日
(65)【公開番号】特開2018-101307(P2018-101307A)
(43)【公開日】2018年6月28日
【審査請求日】2019年12月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】501377139
【氏名又は名称】日本宅配システム株式會社
(74)【代理人】
【識別番号】100108833
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 裕司
(74)【代理人】
【識別番号】100075292
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 卓
(74)【代理人】
【識別番号】100162156
【弁理士】
【氏名又は名称】村雨 圭介
(72)【発明者】
【氏名】淺井 泰夫
【審査官】 竹下 翔平
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−016665(JP,A)
【文献】 特開平10−099185(JP,A)
【文献】 特開2004−284708(JP,A)
【文献】 特開平05−147693(JP,A)
【文献】 特開2016−211348(JP,A)
【文献】 特許第5331227(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
A47G 29/12
A47G 29/122
E05B 49/00
E05B 65/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の物品収納ボックスを備える物品収受システムであって、
ユーザの物品が前記複数の物品収納ボックスに収納されている場合に、前記物品及び前記物品収納ボックスのうち少なくとも1つの属性に基づいて前記複数の物品収納ボックスの開錠順を設定する設定手段と、
前記ユーザが認証される毎に、設定された開錠順に従って、前記ユーザの物品が収納されている物品収納ボックスのうち一部の物品収納ボックスを開錠する開錠手段と、
前記複数の物品収納ボックスの開錠順に関する情報を提示する提示手段と、
を備える物品収受システム。
【請求項2】
前記提示手段は、複数の物品収納ボックスの各々に収納されている物品に関する情報を提示する、請求項に記載の物品収受システム。
【請求項3】
前記複数の物品収納ボックスの開錠順に関する情報を外部から取得する取得手段と、
取得した前記複数の物品収納ボックスの開錠順に関する情報に基づいて、設定された前記複数の物品収納ボックスの開錠順を変更する変更手段と、
を備える、請求項1又は2に記載の物品収受システム。
【請求項4】
前記物品の属性は、前記物品のサイズ、重量、温度、種類、発送人情報、配送人情報及び宛先人情報のうち少なくとも1つを含む、請求項1〜の何れかに記載の物品収受システム。
【請求項5】
前記物品収納ボックスの属性は、前記物品収納ボックスのサイズ、位置、利用回数、利用率、物品収納時間、物品収納日時のうち少なくとも1つを含む、請求項1〜の何れかに記載の物品収受システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品収受システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、宅配ボックス(宅配ロッカーとも呼ばれる)等の物品収受装置を、例えばマンション等の集合住宅の玄関ホール等の種々の場所に設置して、種々の物品(宅配物、郵便物又は食品等の種々の物品)を収受する物品収受システムが知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
この種の物品収受システムでは、例えば、ユーザが、物品収受装置の複数の物品収納ボックスの各々に収納された物品を取り出す場合に、一つの電子錠に対する開錠操作によって当該複数の物品収納ボックスを同時に開錠するように構成されたものも知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−100877号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、全ての物品収納ボックスが同時に開錠されるという構成では、例えば、ユーザが、全ての物品収納ボックスのうち一部の物品収納ボックスに対して開錠されていることに気付かない場合に、当該一部の物品収納ボックスに収納されている物品を取り損なう虞があった。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、ユーザの物品が複数の物品収納ボックスに収納されている場合に、当該ユーザが、開錠された物品収納ボックスから物品を取り損なうのを抑制することの可能な物品収受システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、複数の物品収納ボックスを備える物品収受システムであって、ユーザの物品が前記複数の物品収納ボックスに収納されている場合に、前記物品及び前記物品収納ボックスのうち少なくとも1つの属性に基づいて前記複数の物品収納ボックスの開錠順を設定する設定手段と、前記ユーザが認証される毎に、設定された開錠順に従って、前記ユーザの物品が収納されている物品収納ボックスのうち一部の物品収納ボックスを開錠する開錠手段と、を備える物品収受システムを提供する(発明1)。
【0008】
かかる発明(発明1)によれば、ユーザが認証される毎に、ユーザの物品及び当該物品が収納された物品収納ボックスのうち少なくとも1つの属性に基づいて設定された開錠順に従って、当該ユーザの物品が収納されている物品収納ボックスのうち一部(例えば1つ)の物品収納ボックスが開錠される。これにより、ユーザは、例えば複数の物品収納ボックスの全てが同時に開錠される場合と比較して、何れの物品収納ボックスが開錠されたのかを容易に認識することができ、開錠された物品収納ボックスから物品を取り出すことが可能になる。したがって、ユーザの物品が複数の物品収納ボックスに収納されている場合に、当該ユーザが、開錠された物品収納ボックスから物品を取り損なうのを抑制することができる。
【0009】
また、かかる発明(発明1)によれば、ユーザの物品及び当該物品が収納された物品収納ボックスのうち少なくとも1つの属性に基づいて物品収納ボックスの開錠順が設定されるので、例えば、ユーザが直ちに取り出すべき物品が収納された物品収納ボックスや、利用率の高い物品収納ボックスが早期に開錠されるように開錠順が設定されている場合には、物品収納ボックスの利便性を向上させることができる。
【0010】
上記発明(発明1)においては、前記複数の物品収納ボックスの開錠順に関する情報を提示する提示手段を備えることが好ましい(発明2)。
【0011】
かかる発明(発明2)によれば、例えば、ユーザは、自身の物品が収納されている物品収納ボックスの開錠順を知ることができるので、何れの物品収納ボックスが開錠されるのかをより確実に認識することができる。
【0012】
上記発明(発明2)においては、前記提示手段は、複数の物品収納ボックスの各々に収納されている物品に関する情報を提示することが好ましい(発明3)。
【0013】
かかる発明(発明3)によれば、ユーザは、複数の物品収納ボックスに収納されている物品の各々を何番目に取り出すことが可能になるのかを知ることができるので、物品収納ボックスの利便性をより向上させることができる。
【0014】
上記発明(発明1〜3)においては、前記複数の物品収納ボックスの開錠順に関する情報を外部から取得する取得手段と、取得した前記複数の物品収納ボックスの開錠順に関する情報に基づいて、設定された前記複数の物品収納ボックスの開錠順を変更する変更手段と、を備えることが好ましい(発明4)。
【0015】
かかる発明(発明4)によれば、例えば発送人、配送人又は宛先人等の要望に応じて物品収納ボックスの開錠順を変更することが可能になるので、物品収納ボックスの利便性をさらに向上させることができる。
【0016】
上記発明(発明1〜4)においては、前記物品の属性は、前記物品のサイズ、重量、温度、種類、発送人情報、配送人情報及び宛先人情報のうち少なくとも1つを含むことが好ましい(発明5)。
【0017】
かかる発明(発明5)によれば、物品のサイズ、重量、温度、種類、発送人情報、配送人情報及び宛先人情報のうち少なくとも1つに基づいて物品収納ボックスの開錠順を設定することが可能になる。
【0018】
上記発明(発明1〜5)においては、前記物品収納ボックスの属性は、前記物品収納ボックスのサイズ、位置、利用回数、利用率、物品収納時間、物品収納日時のうち少なくとも1つを含むことが好ましい(発明6)。
【0019】
かかる発明(発明6)によれば、物品収納ボックスのサイズ、位置、利用回数、利用率、物品収納時間、物品収納日時のうち少なくとも1つに基づいて物品収納ボックスの開錠順を設定することが可能になる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の物品収受システムによれば、ユーザの物品が複数の物品収納ボックスに収納されている場合に、当該ユーザが、開錠された物品収納ボックスから物品を取り損なうのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施形態に係る物品収受システムの基本構成を概略的に示す図である。
図2】宅配ボックスの外観を概略的に示す図である。
図3】宅配ボックスの内部構成を示すブロック図である。
図4】管理サーバの構成を示すブロック図である。
図5】管理データの構成例を示す図である。
図6】一実施形態に係る物品収受システムで主要な役割を果たす機能を説明するための機能ブロック図である。
図7】設定ルール情報の構成例を示す図である。
図8】開錠順データの構成例を示す図である。
図9】一実施形態の物品収受システムにおける入庫処理の一例を示すシーケンス図である。
図10】一実施形態の物品収受システムにおける出庫処理の一例を示すシーケンス図である。
図11】変形例に係る物品収受システムの基本構成を概略的に示す図である。
図12】物品収受システムの各機能について、宅配ボックスと、管理サーバとの間の分担例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の一実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。ただし、この実施形態は例示であり、本発明はこれに限定されるものではない。
【0023】
(1)物品収受システムの基本構成
図1は、本発明の一実施形態に係る物品収受システムの基本構成を概略的に示す図である。図1に示すように、この物品収受システムは、例えばインターネット等の通信網NW(ネットワーク)に接続可能な複数の宅配ボックス10と、通信網NWに接続されている管理サーバ20と、によって構成されている。
【0024】
各宅配ボックス10は、例えば宅配物(例えば、配達業者等の配送人によって配送される物品や、新聞、広告ビラ、回覧板等を含む)や郵便物等の荷物(物品)を収納する複数の物品収納ボックス10a,10b,…(図2に示す)を備えており、例えば集合住宅の玄関ホール、企業や施設等のエントランスホール、鉄道駅頭、コンビニエンスストア店頭等の種々の場所に設置されている。また、各宅配ボックス10は、例えば鉄道駅頭、コンビニエンスストア店頭等の公衆の場所に設置される場合には、拠点型宅配ボックスあるいは街中ロッカーと呼ばれることがある。
【0025】
管理サーバ20は、通信網NWを介して各宅配ボックス10と接続されており、各宅配ボックス10の物品収納状態と、物品の発送人及び宛先人(物品の届け先)に関する情報等と、を管理する。ここで、発送人とは、例えば、物品の集荷及び配送を配送人に依頼する個人あるいは企業等であってもよいし、通信網NW等を介して商品を販売する業者(通販業者)、商店、デパート、あるいは、多数の商品を仲買し卸す商社等であってもよい。
【0026】
(2)宅配ボックスの構成
図2及び図3を参照して宅配ボックス10の構成について説明する。図2は、宅配ボックスの外観を概略的に示す図であり、図3は、宅配ボックスの内部構成を示すブロック図である。
【0027】
宅配ボックス10は、配達された物品を収納し、あるいは、収納された物品を取り出すための収納扉を備えた複数の物品収納ボックス10a,10b,…から構成されている。各物品収納ボックス10a,10b,…の収納扉の開錠/施錠は、電気錠(図示省略)を用いて制御される。なお、ここでは、図2に示した複数の物品収納ボックスのうち2つの物品収納ボックスに符号10a,10bを付しているが、符号が付されていない物品収納ボックスは、2つの物品収納ボックス10a,10bと同様に構成されている。
【0028】
宅配ボックス10の各物品収納ボックス10a,10b,…には、物品が物品収納ボックスに収納されているか否かを示す物品センサ信号を送信するための、透過式ないし反射式光センサ等から構成された物品センサ(図示省略)が設けられている。各物品収納ボックス10a,10b,…は、収納する物品の大きさに応じて複数のサイズ(例えば、S、M、L、…)のものを用意するのが望ましい。
【0029】
宅配ボックス10はコンソールCを有しており、コンソールCには、情報を表示するための表示部16と、情報を入力するための入力部17と、が設けられている。本実施形態では、入力部17は、ファンクションキーやテンキー等から構成されたキーボード17aと、IDカードAの情報や、バーコードあるいは二次元コード(例えばQR(Quick Response)コード(登録商標))等を読み取るリーダー17bと、を含む。
【0030】
IDカードAは、宅配ボックス10の各物品収納ボックス10a,10b,…の収納扉を施錠している電気錠の開錠に関わる認証手段の1つとして用いられるものであり、例えば、宅配ボックス10が集合住宅の玄関ホールに設置されている場合には、集合住宅の居住者に配布されてもよい。IDカードAが集合住宅の居住者に配布されている場合にIDカードAに記録される情報としては、例えば、居住者の氏名及び/又は部屋番号と、所定のパスワードと、の組み合せを用いることができる。
【0031】
なお、本実施形態では、物品の宛先人がIDカードAを所持しており、IDカードAには、宛先人の氏名、住所、電話番号、電子メールアドレス、FAX番号等が記録されている場合を想定する。
【0032】
図3に示すように、宅配ボックス10は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、記憶装置14と、表示処理部15と、表示部16と、入力部17と、通信インタフェース部18と、を備えており、各部間の制御信号又はデータ信号を伝送するためのバス19が設けられている。
【0033】
CPU11は、電源が宅配ボックス10に投入されると、ROM12又は記憶装置14に記憶された各種のプログラムをRAM13にロードして実行する。本実施形態では、CPU11は、ROM12又は記憶装置14に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、後述する設定手段31、開錠手段32及び提示手段33(図6に示す)の各機能を実現する。
【0034】
CPU11は、管理サーバ20から送信された情報を、通信インタフェース部18を介して受信し、受信した情報をRAM13又は記憶装置14に記憶する。また、CPU11は、ROM12、RAM13又は記憶装置14に記憶されているデータを、通信インタフェース部18を介して管理サーバ20に送信する。
【0035】
記憶装置14は、例えば、フラッシュメモリ、SSD(Solid State Drive)、磁気記憶装置(例えばHDD(Hard Disk Drive)、フロッピーディスク(登録商標)、磁気テープ等)、光ディスク等の不揮発性の記憶装置であってもよいし、RAM等の揮発性の記憶装置であってもよく、CPU11が実行するプログラムやCPU11が参照するデータを格納する。また、記憶装置14には、後述する設定条件データ(図7に示す)及び開錠順データ(図8に示す)が記憶されている。なお、ここでは、記憶装置14が宅配ボックス10の内部に設けられている場合を一例として説明しているが、記憶装置14は、宅配ボックス10の内部ではなく、例えば、宅配ボックス10と通信網NWを介して通信可能な所定の装置(例えばサーバ等)に設けられてもよい。この場合、CPU11は、記憶装置14に格納されたプログラムやデータの読み出し又は書き込みを行うために、通信網NWを介して当該所定の装置にアクセスしてもよい。
【0036】
表示処理部15は、CPU11から与えられる表示用データを、表示部16に表示する。表示部16は、例えば、マトリクス状に画素単位で配置された薄膜トランジスタを含むLCD(Liquid Crystal Display)モニタであり、表示用データに基づいて薄膜トランジスタを駆動することで、表示されるデータを表示画面に表示する。
【0037】
入力部17は、上述したようにキーボード17a及びリーダー17bを含む。なお、入力部17は、例えばタッチパネルやタッチパッド等で構成されてもよく、この場合には、例えば表示画面を指先又はペンで触れること等によるタッチ方式の入力を受け付ける。タッチ入力方式は、例えば静電容量方式等の周知の方式でよい。また、入力部17は、音声入力用のマイクであってもよい。
【0038】
通信インタフェース部18は、通信網NWを介して通信を行うためのインタフェース回路を含む。
【0039】
(3)管理サーバの構成
図4を参照して管理サーバ20の構成について説明する。図4は、管理サーバの内部構成を示すブロック図である。図4に示すように、管理サーバ20は、CPU21と、ROM22と、RAM23と、記憶装置24と、表示処理部25と、表示部26と、入力部27と、通信インタフェース部28と、を備えており、各部間の制御信号又はデータ信号を伝送するためのバス29が設けられている。管理サーバ20は、例えば、汎用のパーソナルコンピュータであってもよい。
【0040】
CPU21は、電源が管理サーバ20に投入されると、ROM22又は記憶装置24に記憶された各種のプログラムをRAM23にロードして実行する。
【0041】
記憶装置24は、例えば、フラッシュメモリ、SSD、磁気記憶装置、光ディスク等の不揮発性の記憶装置であってもよいし、RAM等の揮発性の記憶装置であってもよく、オペレーティングシステム(OS)やOS上で実行されるプログラムを記憶する。また、記憶装置24には、後述する管理データ(図5に示す)が記憶されている。
【0042】
表示処理部25は、CPU21から与えられる表示用データを、表示部26に表示する。表示部26は、例えばLCDモニタである。入力部27は、例えばマウスや、キーボードや、音声入力用のマイク等の情報入力デバイスである。通信インタフェース部28は、通信網NWを介して通信を行うためのインタフェース回路を含む。
【0043】
図5を参照して管理データの構成について説明する。図5は、管理データの構成例を示す図である。管理データには、複数の宅配ボックス10(図の例では、B1,B2,B3,…)毎に、その設置場所(図の例では、L1,L2,L3,…)と、各物品収納ボックス10a,10b,…の番号(ボックス番号)と、が記録されている。また、複数の物品収納ボックス10a,10b,…毎に、収納状態(ステータス)、ボックス情報及び物品情報の各項目が設けられている。ボックス情報は、例えば、物品収納ボックスのサイズ、宅配ボックス10内での物品収納ボックスの位置、物品収納日時、利用回数、利用率、…の各項目(属性)で構成されてもよい。また、物品情報は、例えば、物品のサイズ、重量、温度、種類(例えば食料、衣類、家具、電気製品、レジャー用品、割れ物、冷凍品、冷蔵品等)、発送人情報、配送人情報、宛先人情報及び開錠情報、…の各項目(属性)で構成されてもよい。なお、物品情報には、例えば、配送人によって設定された物品の識別番号(宅配物ID)等が含まれてもよい。
【0044】
収納状態(ステータス)の項目には、宅配ボックス10から送信された信号(収納完了情報)に基づき物品収納ボックスに物品が収納(入庫)されたと判断されると、「入庫」という情報が記録され、宅配ボックス10から送信された信号(出庫完了情報)に基づき物品収納ボックスが空き状態になったと判断されると、「空き」という情報が記録される。また、「空き」という情報が記録された収納状態に対応する物品情報には、例えば空データ(NULLデータ)が記録される。
【0045】
ボックス情報内の物品収納日時の項目には、物品収納ボックスに物品が収納(入庫)されたときの日時情報等が記録される。
【0046】
物品情報内の発送人情報の項目には、例えば、発送人の氏名、住所、電話番号、電子メールアドレス、FAX番号等が記録され、物品情報内の宛先人情報の項目には、例えば、宛先人の氏名、住所、電話番号、電子メールアドレス、FAX番号等が記録される。また、物品情報内の配送人情報の項目には、例えば、配送人の名称、居所、電話番号、電子メールアドレス、番号等が記録される。
【0047】
物品情報内の開錠情報は、宅配ボックス10の各物品収納ボックス10a,10b,…の電気錠を開錠するために用いられるものであって、例えば、ユーザ又は物品を識別するための識別情報を含むように構成されていてもよい。ここで、識別情報としては、例えば、宛先人の氏名、住所、電話番号、電子メールアドレス、FAX番号のうち少なくとも1つが用いられてもよいし、集合住宅の居住者の部屋番号が用いられてもよいし、宅配物IDが用いられてもよい。また、宛先人が所定のサービスの会員である場合には、当該サービスの会員番号が識別情報として用いられてもよい。さらに、宛先人が所定の企業や団体の従業員である場合には、従業員IDが識別情報として用いられてもよい。また、開錠情報の内容は、例えば、発送人によって自由に設定されてもよいし、CPU11によって所定の内容(例えば、IDカードAに記録される情報と同じ情報)が設定されてもよい。
【0048】
なお、本実施形態では、同一の宛先人に対して同一の開錠情報(例えば、宛先人の氏名と電話番号の組み合わせ)が設定されるようになっており、この開錠情報がIDカードAに記録されている場合を想定する。
【0049】
(4)物品収受システムにおける各機能の概要
本実施形態の物品収受システムで実現される機能について、図6を参照して説明する。図6は、本実施形態の物品収受システムで主要な役割を果たす機能を説明するための機能ブロック図である。図6の機能ブロック図では、設定手段31及び開錠手段32が本発明の主要な構成に対応している。他の手段(提示手段33)は必ずしも必須の構成ではないが、本発明をさらに好ましくするための構成要素である。
【0050】
設定手段31は、宛先人(ユーザ)の物品が複数の物品収納ボックス10a,10b,…に収納されている場合に、当該物品及び当該物品収納ボックス10a,10b,…のうち少なくとも1つの属性に基づいて複数の物品収納ボックスの開錠順を設定する機能を備える。
【0051】
設定手段31の機能は、例えば以下のように実現される。宅配ボックス10のCPU11は、物品を届けることを選択するためのお届けボタンと、物品を受け取ることを選択するための受け取りボタンと、を含む表示画面を生成して、生成した表示画面を表示部16に表示させるように表示処理部15に対して指示する。
【0052】
CPU11は、例えば配送人が入力部17を用いてお届けボタンを押下(選択)したことを認識すると、入庫情報を入力するための表示画面を生成して、生成した表示画面を表示部16に表示させるように表示処理部15に対して指示する。ここで、入庫情報には、例えば、宅配物ID、物品の種類(例えば食料、衣類、家具、電気製品、レジャー用品、割れ物、冷凍品、冷蔵品等)、宛先人情報(例えば、宛先人の氏名、住所、電話番号、電子メールアドレス、FAX番号等)、発送人情報、配送人情報等が含まれる。また、入庫情報には、例えば、物品のサイズや重量等が含まれてもよい。なお、入庫情報が、リーダー17bで読み取り可能な記録媒体(例えばバーコード等)に記録されている場合には、当該記録媒体に記録されている情報をリーダー17bに読み取らせることによって、入庫情報が入力されてもよい。
【0053】
CPU11は、入庫情報が入力部17を用いて入力されたことを認識すると、入力された入庫情報を例えば記憶装置14に記憶する。そして、CPU11は、宅配ボックス10の収納状態に関する情報の送信要求を、通信インタフェース部18を介して管理サーバ20に送信する。
【0054】
一方、管理サーバ20のCPU21は、宅配ボックス10の収納状態に関する情報の送信要求を、通信インタフェース部28を介して宅配ボックス10から受信すると、記憶装置24に記憶された管理データにアクセスし、送信要求を行った宅配ボックス10の各物品収納ボックス10a,10b,…の収納状態(ステータス)、ボックス情報及び物品情報を抽出する。そして、CPU21は、抽出した情報を、通信インタフェース部28を介して、送信要求を行った宅配ボックス10に送信する。
【0055】
宅配ボックス10のCPU11は、管理サーバ20から送信された各物品収納ボックス10a,10b,…の収納状態(ステータス)、ボックス情報及び物品情報を、通信インタフェース部18を介して受信すると、受信した情報を、例えばRAM13に記憶する。そして、CPU11は、各物品収納ボックス10a,10b,…の収納状態(ステータス)を参照して、各物品収納ボックス10a,10b,…のうち収納状態(ステータス)が「空き」の収納ボックスの何れかを選択するための表示画面を生成して、生成した表示画面を表示部16に表示させるように表示処理部15に対して指示する。
【0056】
CPU11は、配送人が入力部17を用いて何れかの物品収納ボックスを選択したことを認識すると、開錠情報を生成する。ここで、CPU11は、例えば、物品情報に含まれる情報(本実施形態では、宛先人の氏名及び電話番号)を抽出して、抽出した情報を含む開錠情報(本実施形態では、宛先人の氏名と電話番号の組み合わせ)を生成してもよい。そして、CPU11は、生成した開錠情報を、選択された物品収納ボックスの収納ボックス番号に対応付けて、例えば記憶装置14に記憶する。
【0057】
次に、CPU11は、選択された物品収納ボックスの収納扉の開錠を行うように電気錠を制御する。そして、CPU11は、収納扉を開錠した物品収納ボックスに設けられた物品センサから物品センサ信号を受信した(つまり、当該物品収納ボックスに物品が収納された)場合に、当該物品収納ボックスの収納扉の施錠を行うように電気錠を制御する。
【0058】
CPU11は、入力された入庫情報と、管理サーバ20から送信された各物品収納ボックス10a,10b,…の物品情報とを参照して、同一の宛先人の物品が複数の物品収納ボックス10a,10b,…に収納されている(つまり、複数の物品収納ボックス10a,10b,…に対応する物品情報内の宛先人の氏名等が同一である)ことを認識した場合に、図7に示す設定ルール情報を用いて、当該宛先人の物品が収納されている物品収納ボックス10a,10b,…の開錠順を設定する。
【0059】
設定ルール情報は、物品収納ボックス及び物品の属性の各々に対応する物品収納ボックスの開錠順の設定ルールが記録されたデータである。ここで、物品の属性は、物品のサイズ、重量、温度、種類、発送人情報、配送人情報及び宛先人情報のうち少なくとも1つを含んでもよい。これにより、物品のサイズ、重量、温度、種類、発送人情報、配送人情報及び宛先人情報のうち少なくとも1つに基づいて物品収納ボックスの開錠順を設定することが可能になる。また、物品収納ボックスの属性は、物品収納ボックスのサイズ、位置、利用回数、利用率、物品収納時間、物品収納日時のうち少なくとも1つを含んでもよい。これにより、物品収納ボックスのサイズ、位置、利用回数、利用率、物品収納時間、物品収納日時のうち少なくとも1つに基づいて物品収納ボックスの開錠順を設定することが可能になる。
【0060】
CPU11は、例えば、図7に示す物品収納ボックスのサイズに基づいて開錠順を設定する場合に、同一の宛先人を物品情報に含む複数の物品収納ボックス10a,10b,…について、サイズが大きいほど開錠順が上がるように複数の物品収納ボックス10a,10b,…の開錠順を設定する。また、CPU11は、例えば、図7に示す物品のサイズに基づいて開錠順を設定する場合に、同一の宛先人を物品情報に含む複数の物品収納ボックス10a,10b,…について、収納されている物品のサイズが大きいほど開錠順が上がるように複数の物品収納ボックス10a,10b,…の開錠順を設定する。
【0061】
なお、CPU11は、物品収納ボックス及び物品の何れか一方の少なくとも1つの属性に基づいて開錠順を設定してもよいし、物品収納ボックス及び物品の各々の少なくとも1つの属性に基づいて開錠順を設定してもよい。また、CPU11は、複数の属性に基づいて開錠順を設定する場合に、所定の属性を優先して適用してもよい(例えば、「物品のサイズ」と「物品の種類」とに基づいて開錠順を設定する場合に、「物品の種類」に基づいて設定される開錠順を優先する等)。
【0062】
また、図7の例では、「物品の重量」及び「物品の温度」という属性が用いられているが、物品の重量は、例えば物品が各物品収納ボックス10a,10b,…に収納される場合に、各物品収納ボックス10a,10b,…に設けられた重量センサ(図示省略)によって検出された物品の重量であってよい。また、物品の温度は、例えば物品が各物品収納ボックス10a,10b,…に収納される場合に、各物品収納ボックス10a,10b,…に設けられた温度センサ(図示省略)によって検出された物品の温度であってよい。
【0063】
ここで、図7に示された属性及び設定ルールは例示であって、例えば属性「物品収納日時」が所定の時間帯(例えば12時〜18時の間)であれば開錠順を上げるという設定ルールが設けられてもよい。また、固有の識別情報が記憶された記憶媒体(例えばICタグ等)が物品に付されている場合には、属性「物品に付された識別情報」が所定値を含む識別情報であれば開錠順を上げるという設定ルールが設けられてもよい。
【0064】
CPU11は、複数の物品収納ボックス10a,10b,…の開錠順を設定すると、設定した開錠順を図8に示す開錠順データに記憶する。開錠順データは、複数のユーザ(ここでは、宛先人)毎に、対応するユーザの物品が収納されている物品収納ボックス(ボックス番号)の開錠順が記録されたデータである。
【0065】
開錠手段32は、宛先人(ユーザ)が認証される毎に、設定された開錠順に従って、宛先人(ユーザ)の物品が収納されている物品収納ボックス10a,10b,…のうち一部の物品収納ボックスを開錠する機能を備える。
【0066】
開錠手段32の機能は、例えば以下のように実現される。宅配ボックス10のCPU11は、お届けボタンと受け取りボタンとを含む表示画面が表示部16に表示されている場合に、宛先人が入力部17を用いて受け取りボタンを押下(選択)したことを認識すると、宛先人情報を入力するための表示画面を生成して、生成した表示画面を表示部16に表示させる。
【0067】
CPU11は、宛先人がIDカードAを用いて宛先人情報を入力したことを認識すると、宅配ボックス10の収納状態に関する情報の送信要求を、管理サーバ20に送信する。一方、管理サーバ20のCPU21は、宅配ボックス10の収納状態に関する情報の送信要求を受信すると、送信要求を行った宅配ボックス10の各物品収納ボックス10a,10b,…の収納状態(ステータス)、ボックス情報及び物品情報を抽出して、送信要求を行った宅配ボックス10に送信する。
【0068】
また、CPU11は、開錠順データにアクセスして、宛先人情報を入力した宛先人に対応する物品収納ボックス10a,10b,…の開錠順を抽出する。そして、CPU11は、開錠情報を入力するための表示画面を生成して、生成した表示画面を表示部16に表示させる。
【0069】
CPU11は、宛先人がIDカードAを用いて開錠情報を入力したことを認識すると、各物品収納ボックス10a,10b,…のうち当該宛先人に対応する開錠順が1番目の物品収納ボックスの物品情報に含まれる開錠情報と、入力された開錠情報と、を照合することによって宛先人の認証を行う。そして、CPU11は、各開錠情報が一致したことによって宛先人の認証が成功した場合に、開錠順が1番目の物品収納ボックスの収納扉の開錠を行うように電気錠を制御する。
【0070】
このようにして、本実施形態では、宛先人が認証される毎に、1つの物品収納ボックスが開錠される。
【0071】
次に、CPU11は、開錠した物品収納ボックスに設けられた物品センサから物品センサ信号を受信しなくなった(つまり、当該物品収納ボックスから物品が取り出された)場合に、当該物品収納ボックスの収納扉の施錠を行うように電気錠を制御する。そして、CPU11は、開錠順データにアクセスして、物品を取り出した宛先人に対応する物品収納ボックスの開錠順を1つずつ繰り上げることによって、開錠順データを更新する。
【0072】
提示手段33は、複数の物品収納ボックス10a,10b,…の開錠順に関する情報を提示する機能を備える。この場合、例えば、宛先人(ユーザ)は、自身の物品が収納されている物品収納ボックス10a,10b,…の開錠順を知ることができるので、何れの物品収納ボックスが開錠されるのかをより確実に認識することができる。
【0073】
また、提示手段33は、複数の物品収納ボックス10a,10b,…の各々に収納されている物品に関する情報を提示してもよい。この場合、宛先人(ユーザ)は、複数の物品収納ボックス10a,10b,…に収納されている自身の物品の各々を何番目に取り出すことが可能になるのかを知ることができるので、物品収納ボックスの利便性をより向上させることができる。
【0074】
提示手段33の機能は、例えば以下のように実現される。宅配ボックス10のCPU11は、開錠手段32の機能に基づいて、各物品収納ボックス10a,10b,…の収納状態(ステータス)、ボックス情報及び物品情報を管理サーバ20から受信すると、開錠順データにアクセスして、宛先人情報を入力した宛先人に対応する物品収納ボックス10a,10b,…の開錠順を抽出する。そして、CPU11は、宛先人に対応する物品収納ボックス10a,10b,…の開錠順を含む表示画面を生成して、生成した表示画面を表示部16に表示させる。また、CPU11は、宛先人に対応する物品収納ボックス10a,10b,…の開錠順と、当該物品収納ボックス10a,10b,…に対応する物品情報とを含む表示画面を生成して、生成した表示画面を表示部16に表示させてもよい。
【0075】
(5)本実施形態の物品収受システムの主要な処理のフロー
次に、本実施形態の物品収受システムにより行われる主要な処理のフローの一例について、図9及び図10のシーケンス図を参照して説明する。
【0076】
先ず、図9を参照して、物品の入庫処理の一例を説明する。宅配ボックス10のCPU11は、お届けボタンと、受け取りボタンと、を含む表示画面を表示部16に表示させる。CPU11は、配送人が入力部17を用いてお届けボタンを押下(選択)したことを認識すると(ステップS100)、物品情報を入力するための表示画面を生成して、生成した表示画面を表示部16に表示させる(ステップS102)。
【0077】
CPU11は、物品情報が入力部17を用いて入力されたことを認識すると(ステップS104)、入力された入庫情報を例えば記憶装置14に記憶する。次に、CPU11は、宅配ボックス10の収納状態に関する情報の送信要求を、管理サーバ20に送信する(ステップS106)。一方、管理サーバ20のCPU21は、宅配ボックス10の収納状態に関する情報の送信要求を受信すると、送信要求を行った宅配ボックス10の各物品収納ボックス10a,10b,…の収納状態(ステータス)、ボックス情報及び物品情報を抽出して(ステップS108)、送信要求を行った宅配ボックス10に送信する(ステップS110)。
【0078】
宅配ボックス10のCPU11は、各物品収納ボックス10a,10b,…の収納状態(ステータス)、ボックス情報及び物品情報を受信すると、各物品収納ボックス10a,10b,…のうち収納状態(ステータス)が「空き」の収納ボックスの何れかを選択するための表示画面を生成して、生成した表示画面を表示部16に表示させるように表示処理部15に対して指示する(ステップS112)。
【0079】
CPU11は、配送人が入力部17を用いて何れかの物品収納ボックスを選択したことを認識すると(ステップS114)、開錠情報を生成する。そして、CPU11は、生成した開錠情報を、選択された物品収納ボックスの収納ボックス番号に対応付けて(ステップS116)、例えば記憶装置14に記憶する。
【0080】
次に、CPU11は、ステップS114において選択された物品収納ボックスの収納扉の開錠を行うように電気錠を制御する(ステップS118)。そして、CPU11は、収納扉を開錠した物品収納ボックスに設けられた物品センサから物品センサ信号を受信した(つまり、当該物品収納ボックスに物品が収納された)場合に(ステップS120)、当該物品収納ボックスの収納扉の施錠を行うように電気錠を制御する(ステップS122)。
【0081】
そして、CPU11は、同一の宛先人の物品が複数の物品収納ボックス10a,10b,…に収納されている(つまり、複数の物品収納ボックス10a,10b,…に対応する物品情報内の宛先人の氏名等が同一である)ことを認識した場合に、当該宛先人の物品が収納されている物品収納ボックス10a,10b,…の開錠順を設定する(ステップS124)。
【0082】
次いで、CPU11は、例えば、ステップS104において入力された入庫情報と、ステップS114において選択された物品収納ボックスの情報(ボックス番号)と、物品収納日時と、当該物品収納ボックスに対応付けられた開錠情報と、を含む収納完了情報を生成し、生成した収納完了情報を管理サーバ20に送信する(ステップS126)。ここで、物品収納日時は、例えばCPU11に内蔵されたタイマ回路(図示省略)によって取得された日時情報であってもよい。
【0083】
一方、管理サーバ20のCPU21は、収納完了情報を受信すると、記憶装置24に記憶された管理データにアクセスして、受信した収納完了情報に基づいて管理データを更新する(ステップS128)。具体的には、CPU21は、収納完了情報に含まれている情報を、管理データ内の、選択された物品収納ボックスのボックス番号に対応する物品情報の各項目に記憶する。また、CPU21は、選択された物品収納ボックスのボックス番号に対応する収納状態(ステータス)を、「空き」から「入庫」に更新する。
【0084】
次に、図10を参照して、物品の出庫処理の一例を説明する。宅配ボックス10のCPU11は、お届けボタンと、受け取りボタンと、を含む表示画面を表示部16に表示させる。CPU11は、宛先人が入力部17を用いて受け取りボタンを押下(選択)したことを認識すると(ステップS200)、宛先人情報を入力するための表示画面を生成して、生成した表示画面を表示部16に表示させる(ステップS202)。
【0085】
CPU11は、宛先人が例えばIDカードAを用いて宛先人情報を入力したことを認識すると(ステップS204)、宅配ボックス10の収納状態に関する情報の送信要求を、管理サーバ20に送信する(ステップS206)。一方、管理サーバ20のCPU21は、宅配ボックス10の収納状態に関する情報の送信要求を受信すると、送信要求を行った宅配ボックス10の各物品収納ボックス10a,10b,…の収納状態(ステータス)、ボックス情報及び物品情報を抽出して(ステップS208)、送信要求を行った宅配ボックス10に送信する(ステップS210)。
【0086】
次に、CPU11は、開錠順データにアクセスして、宛先人情報を入力した宛先人に対応する物品収納ボックス10a,10b,…の開錠順を抽出する。そして、CPU11は、宛先人に対応する物品収納ボックス10a,10b,…の開錠順を含む表示画面を生成して、生成した表示画面を表示部16に表示させる(ステップS212)。また、CPU11は、宛先人に対応する物品収納ボックス10a,10b,…の開錠順と、当該物品収納ボックス10a,10b,…に対応する物品情報とを含む表示画面を生成して、生成した表示画面を表示部16に表示させてもよい。
【0087】
また、CPU11は、開錠情報を入力するための表示画面を生成して、生成した表示画面を表示部16に表示させる(ステップS214)。そして、CPU11は、開錠情報が入力されたことを認識すると(ステップS216)、各物品収納ボックス10a,10b,…のうち宛先人に対応する開錠順が1番目の物品収納ボックスの物品情報に含まれる開錠情報と、入力された開錠情報と、を照合することによって宛先人の認証を行う。そして、CPU11は、各開錠情報が一致したことによって宛先人の認証が成功した場合に、開錠順が1番目の物品収納ボックスの収納扉の開錠を行うように電気錠を制御する(ステップS218)。
【0088】
宅配ボックス10のCPU11は、開錠した物品収納ボックスに設けられた物品センサから物品センサ信号を受信しなくなった(つまり、当該物品収納ボックスから物品が取り出された)場合に(ステップS220)、当該物品収納ボックスの収納扉の施錠を行うように電気錠を制御する(ステップS222)。
【0089】
次に、CPU11は、開錠順データにアクセスして、物品を取り出した宛先人に対応する物品収納ボックスの開錠順を1つずつ繰り上げることによって、開錠順データを更新する(ステップS224)。
【0090】
そして、CPU11は、開錠した物品収納ボックスの情報(ボックス番号)を含む出庫完了情報を生成し、生成した出庫完了情報を管理サーバ20に送信する(ステップS226)。管理サーバ20のCPU21は、出庫完了情報を受信すると、記憶装置24に記憶された管理データにアクセスして、受信した出庫完了情報に基づいて管理データを更新する(ステップS228)。具体的には、CPU21は、開錠した物品収納ボックスのボックス番号に対応する物品情報の各項目に記憶された情報を消去(クリア)する。また、CPU21は、開錠した物品収納ボックスのボックス番号に対応する収納状態(ステータス)を、「入庫」から「空き」に更新する。
【0091】
上述したように、本実施形態の物品収受システムによれば、宛先人が認証される毎に、宛先人の物品及び当該物品が収納された物品収納ボックス10a,10b,…のうち少なくとも1つの属性に基づいて設定された開錠順に従って、宛先人の物品が収納されている物品収納ボックス10a,10b,…のうち1つの物品収納ボックスが開錠される。これにより、宛先人は、例えば複数の物品収納ボックス10a,10b,…の全てが同時に開錠される場合と比較して、何れの物品収納ボックスが開錠されたのかを容易に認識することができ、開錠された物品収納ボックスから物品を取り出すことが可能になる。したがって、宛先人の物品が複数の物品収納ボックス10a,10b,…に収納されている場合に、宛先人が、開錠された物品収納ボックスから物品を取り損なうのを抑制することができる。
【0092】
また、本実施形態の物品収受システムによれば、宛先人の物品及び当該物品が収納された物品収納ボックス10a,10b,…のうち少なくとも1つの属性に基づいて物品収納ボックス10a,10b,…の開錠順が設定されるので、例えば、宛先人が直ちに取り出すべき物品が収納された物品収納ボックスや、利用率の高い物品収納ボックスが早期に開錠されるように開錠順が設定されている場合には、物品収納ボックス10a,10b,…の利便性を向上させることができる。
【0093】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0094】
以下、上述した実施形態の変形例について説明する。
(変形例1)
上記実施形態では、宛先人が、自身宛ての物品が収納された複数の物品収納ボックス10a,10b,…から物品を取り出す場合を一例として説明したが、この場合に限られない。例えば、配送人(ユーザ)が、配送を依頼された物品が収納された複数の物品収納ボックス10a,10b,…から物品を取り出す場合に、配送人が認証される毎に、設定された開錠順に従って、配送人(ユーザ)の物品が収納されている物品収納ボックス10a,10b,…のうち一部の物品収納ボックスを開錠してもよい。この場合においても、例えば配送人が、開錠された物品収納ボックス10a,10b,…から物品を取り損なうのを抑制することができる。
【0095】
(変形例2)
本変形例に係る物品収受システムは、図11に示すように、取得手段34及び変更手段35を備える点において、上記実施形態と異なっている。以下、上記実施形態と異なる構成について説明する。
【0096】
取得手段34は、複数の物品収納ボックス10a,10b,…の開錠順に関する情報を外部から取得する機能を備える。取得手段34の機能は、例えば以下のように実現される。
【0097】
宅配ボックス10のCPU11は、例えば図10のステップS212において、宛先人に対応する物品収納ボックス10a,10b,…の開錠順と、優先して開錠される物品収納ボックス(複数の物品収納ボックスの開錠順に関する情報)を指定するための指定ボタンとを含む表示画面を生成して、生成した表示画面を表示部16に表示させてもよい。そして、CPU11は、指定ボタンが押下され、優先して開錠される物品収納ボックスの情報(例えばボックス番号)が入力されたことを認識すると、入力された物品収納ボックスの情報を例えばRAM13に記憶する。このようにして、優先して開錠される物品収納ボックスの情報を外部から取得することができる。
【0098】
変更手段35は、取得した複数の物品収納ボックス10a,10b,…の開錠順に関する情報に基づいて、設定された複数の物品収納ボックス10a,10b,…の開錠順を変更する機能を備える。変更手段35の機能は、例えば以下のように実現される。
【0099】
宅配ボックス10のCPU11は、取得手段34の機能に基づいて、優先して開錠される物品収納ボックス(複数の物品収納ボックスの開錠順に関する情報)の情報を取得すると、開錠順データにアクセスして、図10のステップS204にて宛先人情報を入力した宛先人に対応する物品収納ボックス10a,10b,…の開錠順の1番目を、優先して開錠される物品収納ボックスに変更する。なお、CPU11は、変更前の物品収納ボックス10a,10b,…の開錠順を1つずつ繰り下げてもよい。
【0100】
本変形例によれば、例えば発送人、配送人又は宛先人等の要望に応じて物品収納ボックス10a,10b,…の開錠順を変更することが可能になるので、物品収納ボックスの利便性をさらに向上させることができる。
【0101】
本変形例では、宛先人が、優先して開錠される物品収納ボックスを指定する場合を一例として説明したが、この場合に限られない。例えば、配送人が、入庫の際に、優先して開錠される物品収納ボックス(例えば、宛先人に早期に取り出して貰いたい物品が収納された物品収納ボックス等)を指定してもよい。
【0102】
また、本変形例では、複数の物品収納ボックスの開錠順に関する情報が入力部17を用いて入力される場合を一例として説明したが、この場合に限られない。例えば、CPU11は、複数の物品収納ボックスの開錠順に関する情報を、発送人、配送人又は宛先人の通信端末から通信網NW及び通信インタフェース部18を介して受信(取得)してもよい。ここで、通信端末は、例えば、携帯端末、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、パーソナルコンピュータ、双方向の通信機能を備えたテレビジョン受像機(いわゆる多機能型のスマートテレビも含む。)等のように、個々のユーザによって操作される通信端末であってよい。
【0103】
上述した実施形態及び変形例では、宅配ボックス10によって、設定手段31、開錠手段32、提示手段33、取得手段34及び変更手段35の各機能を実現する構成としたが、この構成に限られない。例えば、これらの全ての手段を管理サーバ20によって実現する構成としてもよいし、少なくとも一部の手段を管理サーバ20によって実現する構成としてもよい。宅配ボックス10と管理サーバ20とでは、図3及び図4に示したように実質的に同一のハードウェア構成を採ることができるため、上記実施形態及び変形例に記載したようにして管理サーバ20によっても各機能を実現できる。例えば、図12(a),(b)に、図6に示した機能ブロック図の各機能について、宅配ボックス10と、管理サーバ20との間の機能分担の例を示す。
【0104】
また、上述した実施形態では、管理サーバ20が設けられている構成としたが、管理サーバ20が設けられていない構成としてもよい。この場合、複数の宅配ボックス10の各々が管理データを記憶して、物品収納ボックス10a,10b,…の管理を行うようにしてもよい。
【0105】
なお、本発明の物品収受システムをコンピュータで実現させるためのプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記憶されていてもよい。このプログラムを記録した記憶媒体は、図3に示されたROM12、RAM13又は記憶装置14であってもよいし、図4に示されたROM22、RAM23又は記憶装置24であってもよい。また、例えばCD−ROMドライブ等のプログラム読取装置に挿入されることで読み取り可能なCD−ROM等であってもよい。さらに、記憶媒体は、磁気テープ、カセットテープ、フレキシブルディスク、MO/MD/DVD等であってもよいし、半導体メモリであってもよい。
【符号の説明】
【0106】
10…宅配ボックス
10a,10b…収納ボックス
20…管理サーバ
31…設定手段
32…開錠手段
33…提示手段
34…取得手段
35…変更手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12