特許第6837255号(P6837255)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6837255エリアにおける各発光ツールの発光制御の設定方法、および発光制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6837255
(24)【登録日】2021年2月12日
(45)【発行日】2021年3月3日
(54)【発明の名称】エリアにおける各発光ツールの発光制御の設定方法、および発光制御方法
(51)【国際特許分類】
   G09F 13/00 20060101AFI20210222BHJP
   G09F 13/42 20060101ALI20210222BHJP
   H05B 47/165 20200101ALI20210222BHJP
   H05B 47/19 20200101ALI20210222BHJP
【FI】
   G09F13/00 W
   G09F13/42
   H05B47/165
   H05B47/19
【請求項の数】5
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2016-173931(P2016-173931)
(22)【出願日】2016年9月6日
(65)【公開番号】特開2018-40908(P2018-40908A)
(43)【公開日】2018年3月15日
【審査請求日】2019年8月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000232092
【氏名又は名称】NECソリューションイノベータ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000232254
【氏名又は名称】日本電気通信システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115255
【弁理士】
【氏名又は名称】辻丸 光一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100154081
【弁理士】
【氏名又は名称】伊佐治 創
(72)【発明者】
【氏名】和賀 巌
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 睦
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 哲也
【審査官】 藤井 達也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−126968(JP,A)
【文献】 特開2004−119212(JP,A)
【文献】 特開2005−071853(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/013202(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0097660(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 13/00−13/46
H05B 47/00−47/29
F21L 2/00−27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エリア内にランダムに配置された、対応するID信号の受信により発光する複数の発光ツールに対して、任意のID信号(S)を送信し、前記ID信号(S)を受信した発光ツール(E)を発光させる発光工程、
前記ID信号(S)送信後の前記エリアの発光画像(E)を取得する撮像工程、
前記発光画像(E)から、前記エリア内における、前記ID信号(S)の受信により発光した発光ツール(E)の位置を決定する決定工程、および、
前記エリア内における前記発光ツール(E)の位置と、対応する前記ID信号(S)とを、関連付けて記憶する記憶工程とを含み、
前記発光ツールは、本体部と受信部とを有し、
前記本体部に前記受信部が装着されており、
前記本体部は、励起光によって発光する部材であり、
前記受信部は、対応するID信号によって励起光を発する部材であり、
前記本体部は、励起光によって発光する植物の個体であることを特徴とする、エリアにおける各発光ツールの発光制御の設定方法。
【請求項2】
前記発光工程、前記撮像工程、前記決定工程および記憶工程を繰り返し行う、請求項1記載の設定方法。
【請求項3】
前記受信部は、無線光源である、請求項1または2記載の設定方法。
【請求項4】
前記無線光源は、無線LEDである、請求項記載の設定方法。
【請求項5】
請求項1からのいずれか一項に記載のエリアにおける各発光ツールの発光制御の設定方法により設定された、エリア内における発光ツール(E)の位置と、対応するID信号(S)とを関連付けた情報に基づいて、前記エリア内の任意の位置の発光ツールを発光させることを特徴とする、発光制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エリアにおける各発光ツールの発光制御の設定方法、および発光制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な電光掲示板は、基板の上に、発光体(例えば、電球、LED等)をマトリクス状に配置し、表示したい文字等に対応する箇所にある発光体を発光させることで、文字等を表示している。このような一般的な電光掲示板は、決められた箇所に前記発光体とそれを発光させるための電極とが配置され、固定されているため、所望の文字を表示するための発光の制御は、容易である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記発光体を発光させるための電極が、規則的に配置されずランダムな配置であったり、前記発光体が、規則的に配置されるランダムな配置であったりした場合、特定の箇所の発光体を発光させるのは、非常に手間がかかる。
【0004】
そこで、本発明は、エリアにおける各発光ツールの発光を、より簡便に制御するための設定方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するために、本発明の設定方法は、エリアにおける各発光ツールの発光制御の設定方法であって、
エリア内にランダムに配置された、対応するID信号の受信により発光する複数の発光ツールに対して、任意のID信号(S)を送信し、前記ID信号(S)を受信した発光ツール(E)を発光させる発光工程、
前記ID信号(S)送信後の前記エリアの発光画像(E)を取得する撮像工程、
前記発光画像(E)から、前記エリア内における、前記ID信号(S)の受信により発光した発光ツール(E)の位置を決定する決定工程、および、
前記エリア内における前記発光ツール(E)の位置と、対応する前記ID信号(S)とを、関連付けて記憶する記憶工程とを含むことを特徴とする。
【0006】
本発明の発光制御方法は、前記本発明のエリアにおける各発光ツールの発光制御の設定方法により設定された、エリア内における発光ツール(E)の位置と、対応するID信号(S)とを関連付けた情報に基づいて、前記エリア内の任意の位置の発光ツールを発光させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、簡便に、エリアにおける各発光ツールの発光を制御するための設定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明の実施形態1における設定工程の一例を示す概略図である。
図2図2は、本発明の実施形態1における設定工程の一例を示す概略図である。
図3図3は、本発明の実施形態1におけるIDテーブルの一例を示す模式図である。
図4図4は、本発明の実施形態1における発光制御の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<設定方法>
本発明の設定方法は、前述のように、エリアにおける各発光ツールの発光制御の設定方法であって、
エリア内にランダムに配置された、対応するID信号の受信により発光する複数の発光ツールに対して、任意のID信号(S)を送信し、前記ID信号(S)を受信した発光ツール(E)を発光させる発光工程、
前記ID信号(S)送信後の前記エリアの発光画像(E)を取得する撮像工程、
前記発光画像(E)から、前記エリア内における、前記ID信号(S)の受信により発光した発光ツール(E)の位置を決定する決定工程、および、
前記エリア内における前記発光ツール(E)の位置と、対応する前記ID信号(S)とを、関連付けて記憶する記憶工程とを含むことを特徴とする。
【0010】
本発明の設定方法によれば、画像によって、任意のID信号で発光する発光ツールの位置を特定することで、前記発光ツールの位置とID信号とを関連付けることができる。このため、例えば、前記エリアに複数の発光ツールをランダムに配置しても、また、前記エリア内における各発光ツールの位置が不明であり、また、前記各発光ルーツと、前記各発光ツールを発光させるためのID信号との関係が不明であっても、各発光ツールの発光制御の設定を容易に行うことができる。また、この方法によれば、例えば、エリアが広範囲となっても、対応することができる。
【0011】
本発明の設定方法は、例えば、前記発光工程、前記撮像工程、前記決定工程および記憶工程を繰り返し行う。
【0012】
本発明の設定方法において、前記発光ツールは、本体部と受信部とを有する形態があげられる。この場合、例えば、前記本体部に前記受信部が装着されており、前記本体部は、励起光によって発光する部材であり、前記受信部は、対応するID信号によって励起光を発する部材である。
【0013】
前記受信部は、例えば、無線光源であり、具体例として、無線LEDがあげられる。LEDは、例えば、LEDブラックライト等があげられる。
【0014】
前記本体部としては、例えば、励起光によって発光する植物個体があげられる。前記植物個体は、例えば、花をつける植物があげられる。前記発光する植物としては、例えば、蛍光タンパク質を生成する植物があげられ、特開2008−022817号公報等が参照できる。
【0015】
前記本体部としては、例えば、励起光によって発光するペンライト等があげられる。
【0016】
つぎに、本発明の実施形態について、図を用いて説明する。本発明は、下記の実施形態によって何ら限定および制限されない。以下の各図において、同一部分には、同一符号を付している。各実施形態の説明は、特に言及がない限り、互いの説明を援用できる。さらに、各実施形態の構成は、特に言及がない限り、組合せ可能である。
【0017】
[実施形態1]
実施形態1は、前記発光ツールの本体部が、励起光によって発光する植物個体であり、前記発光ツールの受信部が、無線LEDである例を示す。
【0018】
近年、蛍光タンパク質の発現系の導入により、励起光の照射により発光する植物(以下、「光る植物」ともいう)の開発が進められ、実際に実現されている。このため、本発明者らは、花壇に光る植物を植え、各個体に、ID信号の受信によって光を照射する無線LEDを、クリップ等により取り付ければ、花壇を表示部、植物個体を素子として、文字等の表示が可能になると考えた。しかしながら、花壇における植物個体の位置と、各植物個体に取り付けられた無線LEDに対応するID信号とを関連付けて管理するため、花壇に植えた植物個体のそれぞれに、決まったID信号で光を照射する無線LEDを順番に取り付けていくことは、現実的ではない。しかし、本発明によれば、発光ツールである植物個体の位置と、各植物個体に対応するID信号との関連がわからない状態でも、前述のような理由から、発光制御の設定を行うことができる。
【0019】
本実施形態の概略を、図1図4を用いて説明する。まず、図1に示すように、花壇10にランダムに植えられた複数の花のそれぞれに、ID信号で光を照射する無線LEDをランダムに取り付けて、発光ツール20とする。
【0020】
つぎに、図2に示すように、花壇10に対して、任意のID信号(例えば、ID:90)を送信する。これにより、花壇10内の発光ツール20のうち、発光ツール20Aが発光する。そこで、花壇10の画像を撮像し、花壇10における発光ツール20Aの位置と、ID信号(ID:90)とを関連付ける。異なるID信号を送信して、以上の処理を繰り返すことによって、花壇10内の全ての発光ツール20を、それぞれのID信号と関連付けることができる。
【0021】
発光ツール20の位置と、各発光ツール20に対応するID信号との関係は、例えば、図3に示すように、IDテーブルとして表すことができる。IDテーブルは、例えば、データベース化することができる。図2において、ID信号(ID:90)で発光した発光ツール20Aは、例えば、図3において、網掛けで示される位置となる。
【0022】
このIDテーブルに基づけば、例えば、アルファベットの「X」を表記する場合、ID:26、ID:30、ID:45、ID05、ID:12のID信号を送信することにより、図4に示すように、「X」を表記することができる。
【0023】
例えば、位置3−1の発光ツールについて、植物個体が枯れたり、無線LEDが故障した場合、位置3−1には、新たな植物個体を植え、異なるID信号の無線LEDが取り付けられる。このように、各部位の発光ツールは、例えば、植物個体の植え替えや無線LEDの取り換えにより、はじめに作成したテーブルでは、発光制御が行えない。しかしながら、このような取り換えがあっても、あらためて、発光ツールとID信号との関連付けを行うことによって、新たなテーブルを作成し、発光の制御を行うことができる。
【0024】
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をできる。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明によれば、本発明によれば、簡便に、エリアにおける各発光ツールの発光を制御するための設定を行うことができる。
【符号の説明】
【0026】
10 花壇
20 発光ツール
図1
図2
図3
図4