特許第6837286号(P6837286)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ キヤノンファインテック株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6837286-像担持体ユニットと画像形成装置 図000002
  • 特許6837286-像担持体ユニットと画像形成装置 図000003
  • 特許6837286-像担持体ユニットと画像形成装置 図000004
  • 特許6837286-像担持体ユニットと画像形成装置 図000005
  • 特許6837286-像担持体ユニットと画像形成装置 図000006
  • 特許6837286-像担持体ユニットと画像形成装置 図000007
  • 特許6837286-像担持体ユニットと画像形成装置 図000008
  • 特許6837286-像担持体ユニットと画像形成装置 図000009
  • 特許6837286-像担持体ユニットと画像形成装置 図000010
  • 特許6837286-像担持体ユニットと画像形成装置 図000011
  • 特許6837286-像担持体ユニットと画像形成装置 図000012
  • 特許6837286-像担持体ユニットと画像形成装置 図000013
  • 特許6837286-像担持体ユニットと画像形成装置 図000014
  • 特許6837286-像担持体ユニットと画像形成装置 図000015
  • 特許6837286-像担持体ユニットと画像形成装置 図000016
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6837286
(24)【登録日】2021年2月12日
(45)【発行日】2021年3月3日
(54)【発明の名称】像担持体ユニットと画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/18 20060101AFI20210222BHJP
【FI】
   G03G21/18 153
【請求項の数】12
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-79713(P2016-79713)
(22)【出願日】2016年4月12日
(65)【公開番号】特開2016-206662(P2016-206662A)
(43)【公開日】2016年12月8日
【審査請求日】2019年4月10日
(31)【優先権主張番号】特願2015-85485(P2015-85485)
(32)【優先日】2015年4月17日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000208743
【氏名又は名称】キヤノンファインテックニスカ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003133
【氏名又は名称】特許業務法人近島国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】前原 和也
(72)【発明者】
【氏名】林 英輝
(72)【発明者】
【氏名】名倉 英雄
【審査官】 佐藤 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−280012(JP,A)
【文献】 特開2010−079267(JP,A)
【文献】 特開2000−181328(JP,A)
【文献】 特開2011−186378(JP,A)
【文献】 特開2011−191427(JP,A)
【文献】 特開2013−214106(JP,A)
【文献】 特開2002−207371(JP,A)
【文献】 特開平07−160094(JP,A)
【文献】 特開2007−279175(JP,A)
【文献】 特開2004−233958(JP,A)
【文献】 特開2001−194977(JP,A)
【文献】 特開2009−157313(JP,A)
【文献】 特開2015−068865(JP,A)
【文献】 特開2011−095536(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー画像を担持する像担持体と、前記像担持体に接触して前記像担持体を帯電する帯電体と、を含み画像形成装置の装置本体に対して装着可能な画像形成ユニットと、
前記画像形成ユニットに対して取り外し可能に装着される保護ユニットと、
を有する像担持体ユニットであって、
前記画像形成ユニットは、前記保護ユニットを支持する支持部を含み、
前記保護ユニットは、
前記像担持体を保護可能であ、前記画像形成ユニットの前記装置本体への装着動作に伴って前記像担持体の保護解除される保護カバー部と、
前記像担持体と前記帯電体とを離間させることが可能であって、前記装着動作に伴って、前記像担持体と前記帯電体との離間を解除する離間と、
前記支持部に支持される被支持部と、
を含み、
前記被支持部は、前記離間部による前記像担持体と前記帯電体との離間が解除された後、前記支持部によって支持された状態となり、前記状態で、前記被支持部が前記支持部から取り外されることで、前記保護ユニットは、前記画像形成ユニットから取り外される
ことを特徴とする像担持体ユニット。
【請求項2】
前記画像形成ユニットは、前記装置本体に装着されることでシートに画像を形成することが可能であって、
前記画像形成ユニットが前記装置本体に装着される際に、前記装置本体に当接する被当接部をさらに備え、
前記保護ユニットは、前記被当接部が前記装置本体に当接することによって、前記保護カバー部による前記像担持体の保護を解除する、
ことを特徴とする請求項1に記載の像担持体ユニット。
【請求項3】
前記被支持部は、前記支持部に回転可能に支持され、
前記離間は、前記保護カバー部による前記保護が解除される際の回転に伴って、前記像担持体と前記帯電体との離間を解除する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の像担持体ユニット。
【請求項4】
前記離間は、前記保護カバー部に対して回転可能に設けられ、
前記保護カバー部による前記保護が解除される際の前記保護カバー部の移動に伴って、前記像担持体と前記帯電体との離間を解除する、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の像担持体ユニット。
【請求項5】
前記離間は、前記像担持体と前記帯電体との間に進入した状態で、前記像担持体と前記帯電体とを受け入れる凹部を有している、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の像担持体ユニット。
【請求項6】
前記離間部は、前記保護カバー部の前記帯電体に対向する両端部に各々設けられて、前記装着動作に伴って前記像担持体と前記帯電体との間から抜け出るタイミングが異なる、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の像担持体ユニット。
【請求項7】
前記離間は、前記保護カバー部の前記帯電体に対向する両端部に各々設けられて、前記像担持体と前記帯電体との間に進入する部分の長さが異なる、
ことを特徴とする請求項乃至6のいずれか1項に記載の像担持体ユニット。
【請求項8】
前記離間部は、前記保護カバー部の前記帯電体に対向する両端部に、前記装着動作に伴って前記保護カバー部に対して進入する方向に移動可能に各々設けられ、前記保護カバー部に対する移動距離が異なる、
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の像担持体ユニット。
【請求項9】
前記離間は、前記像担持体と前記帯電体との間に進入する部分が弾性体で形成されている、
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の像担持体ユニット。
【請求項10】
前記保護カバー部は、前記離間が前記像担持体と前記帯電体との間に進入した状態を目視できる開口部を有している、
ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の像担持体ユニット。
【請求項11】
前記画像形成ユニットは、前記装着動作を行うための取っ手を有し、
前記保護ユニットは、前記保護ユニットを前記画像形成ユニットから取り外すための摘みを有する、
ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の像担持体ユニット。
【請求項12】
請求項1乃至1のいずれか1項に記載した像担持体ユニットと、
前記保護ユニットによる保護が解除された前記像担持体に担持されたトナー画像に基づいてシートに画像を形成する画像形成手段と、を備えた、
ことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、像担持体と帯電体等を有する像担持体ユニットと、像担持体ユニットを有してシートに画像を形成する画像形成装置とに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真プロセスを用いる複写機、レーザビームプリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置は、シートにトナー画像を転写し定着して、シートにトナー画像を形成するようになっている。そして、画像形成装置は、シートにトナー画像を転写する場合、帯電ローラ(帯電体)によって帯電された感光体ドラム(像担持体)にレーザを照射して静電潜像を形成し、その静電潜像をトナー現像してトナー画像にしてからシートに転写している。この場合、帯電ローラと感光体ドラムは、感光体カートリッジ(画像形成ユニット)としてユニット化されて、画像形成装置の装置本体に着脱自在に組み込まれている。また、帯電ローラは、感光体ドラムを帯電するため、感光体ドラムに圧接されている必要がある。
【0003】
ところが、感光体カートリッジは、工場から出荷されてユーザに開梱されるまでの間等において、長期間、使用されないことがある。このような場合、帯電ローラの感光体ドラムに圧接されている外周面が変形してしまうことで、帯電ローラが感光体ドラムに円滑に接触できなくなり、感光体ドラムに帯電不良が生じる。この状態で、感光体ドラムからシートに転写されたトナー画像は、スジ等が生じて、トナー画像の品質が低下する。また、帯電ローラが感光体ドラムに接触していると、輸送中の振動により帯電ローラと感光体ドラムの接触部分に摩擦帯電が発生し、感光体ドラム4に電荷が発生する摺擦メモリーが発生することがある。この摺擦メモリーは、トナー画像にスジとなって現れて、トナー画像の品質を低下させることになる。
【0004】
そこで、従来、このような問題に対処すべく、感光体カートリッジを画像形成装置の装置本体に装着するまでの間、感光体ドラムと帯電ローラとの間に離間部材(離間)を着脱自在に装着して、感光体ドラムと帯電ローラとを離間させていた(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013−214106号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、ユーザが、感光体ドラムと帯電ローラとの間から離間部材を抜き取るのを忘れて、感光体カートリッジを装置本体に装着することがある。このような状態で、画像形成装置が起動されると、離間部材によって、感光体ドラムや帯電ローラが破損する恐れがある。
【0007】
本発明は、像担持体と帯電体との間に離間が装着された状態で、画像形成装置が起動されることを防止した像担持体ユニットを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の像担持体ユニットは、トナー画像を担持する像担持体と、前記像担持体に接触して前記像担持体を帯電する帯電体と、を含み、画像形成装置の装置本体に対して装着可能な画像形成ユニットと、前記画像形成ユニットに対して取り外し可能に装着される保護ユニットと、を有する像担持体ユニットであって、前記画像形成ユニットは、前記保護ユニットを支持する支持部を含み、前記保護ユニットは、前記像担持体を保護可能であり、前記画像形成ユニットの前記装置本体への装着動作に伴って前記像担持体の保護が解除される保護カバー部と、前記像担持体と前記帯電体とを離間させることが可能であって、前記装着動作に伴って、前記像担持体と前記帯電体との離間を解除する離間部と、前記支持部に支持される被支持部と、を含み、前記被支持部は、前記離間部による前記像担持体と前記帯電体との離間が解除された後、前記支持部によって支持された状態となり、前記状態で、前記被支持部が前記支持部から取り外されることで、前記保護ユニットは、前記画像形成ユニットから取り外されることを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明の像担持体ユニットは、像担持体と帯電体との間に離間が装着された状態で、画像形成装置が起動されることを防止することができる。
【0010】
本発明の像担持体ユニットは、像担持体保護ユニットの離間が像担持体と帯電体との間に進入したままで、使用されるのが防止されて、離間によって損傷を受けることが防止される。
【0011】
本発明の画像形成装置は、像担持体ユニットの離間によって損傷を受けることを防止された像担持体ユニットを有する画像形成手段によって、シートに画像を形成するのでシートに品質の良いトナー画像を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】画像形成装置のシート搬送方向に沿った断面概略図である。
図2】画像形成装置の左側面の開閉扉を開いた図である。
図3】像担持体ユニットの外観斜視図であり、画像形成ユニットとしての感光体カートリッジに感光体保護ユニットが装着されている図である。
図4図3の感光体カートリッジを後下側から見た図である。
図5図3の感光体カートリッジを下側から見た図である。
図6図3のC−C矢視断面図であり、感光体保護ユニットを取外した感光体カートリッジの図である。
図7】感光体保護ユニットの外観斜視図である。
図8図7のD−D矢視断面図である。
図9図8の感光体保護ユニットを図6の感光体カートリッジに装着した図である。
図10図9の状態から保護カバーで感光体ドラムを覆った図である。
図11】感光体カートリッジを画像形成装置の装置本体に装着しているときの図である。
図12】感光体カートリッジを画像形成装置の装置本体に装着した図である。
図13図7に示す離間部材と異なる形状の離間部材の図である。(A)は、長さが短い離間部材の図である。(B)は、長さが長い離間部材の図である。
図14図7図13に示す離間部材と異なる形状の離間部材の図である。(A)は、長孔が短い離間部材の図である。(B)は、長孔が長い離間部材の図である。
図15図7図13図14に示す離間部材と異なる形状の離間部材の図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態の感光体カートリッジ(画像形成ユニット)が装着された画像形成装置を図1に基づいて説明する。
【0014】
(画像形成装置)
図1は、画像形成装置60のシート搬送方向に沿った断面概略図である。画像形成装置60は、シートPにトナー画像を転写し定着して、シートにトナー画像を形成するようになっている。画像形成装置には、電子写真プロセスを用いる複写機、レーザビームプリンタ、ファクシミリ等がある。
【0015】
画像形成装置60の装置本体60Aの下部に設けられた給紙カセット50内のシートPは、ピックアップローラ59によって送り出されて、給紙ローラ対51によって、レジストローラ対53に搬送される。
【0016】
一方、感光体ドラム4は、矢印A方向に回転しながら、帯電ローラ5によって帯電され、レーザスキャナ54によって画像情報に応じたレーザLを照射されて静電潜像を形成される。静電潜像は、現像スリーブ7によってトナー現像されてトナー画像になる。
【0017】
レジストローラ対53は、シートの斜行を真っ直ぐに修正した後、感光体ドラム4上のトナー画像の位置に合わせて、シートを感光体ドラム4と転写ローラ8との転写ニップNPに送り込む。転写ローラ8は、感光体ドラム4上のトナー画像をシートに転写して、感光体ドラム4とでシートを定着器55に送り込む。定着器55は、シートを加熱加圧してトナー画像をシートに定着し、排紙ローラ対56に送り込む。排紙ローラ対56は、シートをシート排紙トレイ57に排出する。ピックアップローラ59から排紙ローラ対56までには、シートPを案内する搬送ガイド52が設けられている。以上の構成において、感光体ドラム4及び帯電ローラ5を有する感光体カートリッジ1、現像スリーブ7、転写ローラ8等は画像形成部(画像形成手段)62を構成している。
【0018】
(像担持体ユニット)
図2は、図1の画像形成装置の左側面の開閉扉58を開いた図である。図3は、像担持体ユニット100の外観斜視図であり、画像形成ユニットとしての感光体カートリッジ1に感光体保護ユニット70が装着されている図である。図4は、図3の感光体カートリッジ1を後下側から見た図である。図5は、図3の感光体カートリッジ1を下側から見た図である。図6は、図3のC−C矢視断面図であり、感光体保護ユニット70を取外した感光体カートリッジ1の図である。
【0019】
画像形成装置60において、トナー画像を担持する像担持体としての感光体ドラム4と、感光体ドラム4に接離可能に設けられ、接触して感光体ドラム4を帯電する帯電体としての帯電ローラ5等は、ユニット化されて、感光体カートリッジ1を形成している。感光体カートリッジ1は、画像形成装置60の装置本体60Aに着脱されるようになっている。図1における装置本体60Aの左側壁は、図2に示すように、開閉扉58によって開閉されるようになっている。感光体カートリッジ(画像形成ユニット)1は、開閉扉58を開いた状態で、後述する案内溝に案内されて、矢印B、J方向に移動可能となっており、装置本体60Aに対して着脱可能となっている。
【0020】
像担持体ユニット100(図3)は、感光体カートリッジ(画像形成ユニット)1と感光体保護ユニット70とを備えている。感光体カートリッジ1は、フレーム80、感光体ドラム4、帯電ローラ5、クリーニングブレード6及び加圧ばね9等を備えている。また、感光体カートリッジ1には、後述する取外し可能な感光体保護ユニット70が装着されている。
【0021】
フレーム80は、右側壁81、左側壁82、右側壁81と左側壁82とを接続する天板83等で形成されている。右側壁81と左側壁82とには、感光体カートリッジ1を持つための取手(取っ手)81a,82aが設けられている。図6において、天板83の下側には、残留トナー回収箱84が設けられている。図6において、残留トナー回収箱84の左側の入口84aには、左側に延びたクリーニングブレード6が設けられている。クリーニングブレード6は、感光体ドラム4の外周に接触し、矢印A方向に回転する感光体ドラム4の外周に残留したトナーを感光体ドラム4から除去して、残留トナー回収箱84に案内するようになっている。残留トナーは、感光体ドラム4にトナー画像を転写した後、感光体ドラム4の外周に残っているトナーである。
【0022】
図5において、右側壁81と左側壁82との外側には、外側に向けて第1の案内片13と、第2の案内片14(右側壁81の第2の案内片14は不図示)とが突設されている。第1の案内片13は、後述する装置本体60Aに設けられたガイド部材40(図2図11)に形成された第1の案内溝42に係合するようになっている。また、第2の案内片14は、ガイド部材40(図1図11)に形成された第2の案内溝43に係合するようになっている。
【0023】
図5において、感光体ドラム4と帯電ローラ5は、右側壁81と左側壁82とに回転自在に設けられている。帯電ローラ5の長手方向の両端の金属軸11は、右側壁81と左側壁82とに設けられた帯電ローラ軸受10に保持されている。帯電ローラ軸受10(後述する図10)は、感光体ドラム4に対して接近離間する方向に移動するように右側壁81と左側壁82とに設けられて、帯電ローラ加圧ばね9によって、感光体ドラム4に接近する方向に押圧されている。これによって、帯電ローラ5は、感光体ドラム4に常時押圧されている。
【0024】
ここで、図1図5図6に基づいて、画像形成装置60の装置本体60Aに装着された感光体カートリッジ1の動作を説明する。
【0025】
帯電ローラ加圧ばね9によって感光体ドラム4に当接している帯電ローラ5は、感光体ドラム4に従動回転して、帯電ローラ軸受け10と帯電ローラ加圧ばね9を介して、作像高圧基板(図示せず)より電圧を印加されている。高電圧が印加された帯電ローラ5は、感光体ドラム4の外周に電位を与える。帯電された感光体ドラム4は、レーザスキャナ54によりレーザLが照射されて、露光された部分のみ、電位が下がり静電潜像が形成される。静電潜像は、感光体ドラム4に対して所定の間隔を持って配置された現像スリーブ7より供給されたトナーによって現像されて、トナー画像となる。
【0026】
回転する感光体ドラム4と転写ローラ8とが接触する転写ニップNPには、シートが進入して挟まれて搬送される。転写ローラ8には、所定の高電圧が印加されている。このため、感光体ドラム4上のトナー画像は、シートに転写される。転写後、感光体ドラム4に残っている残留トナーは、クリーニングブレード6により掻き落とされる。残留トナーが掻き落とされた感光体ドラム4は、電位が下がり初期状態になり、次のトナー画像の形成のため、帯電ローラ5によって帯電される。なお、以上の感光体カートリッジ1における帯電ローラ5は、感光体ドラム4に従動回転するようになっているが、モータ等の駆動源の回転力を受けて回転するようになっていてもよい。
【0027】
(感光体保護ユニット70)
図7は、感光体保護ユニット70の外観斜視図である。図8は、図7のD−D矢視断面図である。図9は、図8の感光体保護ユニット70を図6の感光体カートリッジ1に装着した図である。図10は、図9の状態から保護カバー2で感光体ドラム4を覆った図である。
【0028】
感光体保護ユニット(保護ユニット)70は、主に、保護カバー(保護カバー部)2と、離間部材(離間部)3とを備えて、感光体カートリッジ1に対して着脱可能に装着されている。
【0029】
保護カバー(保護手段、保護部材)2は、断面半円状に湾曲した長尺の樋状の部材である。図10に示すように、保護カバー2は、図6に示す感光体ドラム4の転写ローラ8と現像スリーブ7とが当接する周辺の領域を覆うように形成され、感光体ドラム4が傷つけられたり、外光に晒されたりしないように感光体ドラム4を保護する部材である。すなわち、保護カバー2は、感光体ドラム4を保護可能になっている。なお、感光体ドラム4の保護カバー2に覆われていない領域は、図6に示すように、天板83、残留トナー回収箱84、クリーニングブレード6等によって覆われて保護されている。
【0030】
図7において、保護カバー2の両端の上側角部には、保護カバー2を感光体カートリッジ1に着脱可能に取付けるための保護カバー軸受部(被支持部)21が保護カバー2と一体に形成されている。保護カバー軸受部21は、保護カバー2の長手方向に対して交差する向きで、かつ内側に向けて互いに平行に延びた1対の弾性片21aを有している。1対の弾性片21aの間には、スリット27が形成されている。図8に示すように、1対の弾性片21aの先端部の対向した部分には、凹部21bが形成されている。この凹部21bは、図9に示すように、感光体カートリッジ1の右側壁81と左側壁82との対向する面に互いに接近する方向に突出した軸(支持部)12を受け入れて、1対の弾性片21aの弾力によって挟持するようになっている。1対の弾性片21aが軸12に装着された状態で、弾性片21aが延びる方向は、軸12が延びる方向に対して直交する方向となっている。保護カバー2は、1対の弾性片21aを軸12から着脱することによって、感光体カートリッジ1に対して着脱することができるようになっている。この結果、感光体保護ユニット70は、感光体カートリッジ1に着脱できるようになっている。
【0031】
図7において、保護カバー2の長手方向の両端部の円弧部の中央付近には、該両端部から該長手方向に突出した突起部23が設けられている。突起部(被当接部)23は、装置本体60Aに形成された後述するストッパ部41(後述する図11図12)に当接するようになっている。保護カバー2の長手方向の両端部の保護カバー軸受部21と突起部23との間の位置には、保護カバー2から離れて保護カバー軸受部21から突起部23に向けて延びた弾性を有する舌片28が設けられている。舌片28の先端部には、突起22が突起部23と同じ向きに突設されている。突起22は、保護カバー2によって感光体ドラム4を保護する際に、右側壁81、左側壁82(図6)に形成された貫通孔である被係合孔29に係合するようになっている。保護カバー2の長手方向の中央部分の外側には、外側に向けて突出した平板状の摘み24が突設してある。摘み24は、保護カバー2を感光体カートリッジ1から取外すとき、ユーザが掴む部分である。図7において、保護カバー2の下側両端部に付近には、後述する離間部材3が感光体ドラム4と帯電ローラ5との間に進入したか否かを確認する確認窓25が形成されている。確認窓25は、保護カバー2に形成された貫通孔である。
【0032】
離間部材(離間手段)3は、図7において保護カバー2の回転端部2aの両端部に設けられている。離間部材3は、図10に示すように、加圧ばね9に抗して感光体ドラム4と帯電ローラ5の帯電ローラの金属軸11との間に進入して、図11に示すように感光体ドラム4と帯電ローラ5とを約1mm離間させるようになっている。1mmは、参考数値であって、本発明を限定する数値ではない。図8において、離間部材3は、保護カバー2の回転端部2aの両角近くに形成された支持軸71に支持される軸受部33を有している。軸受部33は、弾性を備えて支持軸71を囲むようにして形成され、離間部材3を支持軸71に対して着脱できるように開口部33aが形成されている。このため、離間部材3は、支持軸71を中心にして、保護カバー2の回転方向E1、E2と同じ方向E1、E2に回転するようになっている。また、支持軸71に対して軸受部33は遊嵌されているため、保護カバー2および離間部材3の回転(保護解除)時に伴う離間部材3の感光体ドラム4への当接力を小さくすることで感光体ドラム4の表面への傷等を防止している。離間部材3の回転方向E1、E2の前後には、凹部31,32が形成されている。凹部31,32は、離間部材3が、感光体ドラム4と帯電ローラ5の金属軸11との間に進入しとき、感光体ドラム4と金属軸11とを受け入れる部分である。凹部31は、感光体ドラム4を受け入れる部分であり、感光体ドラム4の外周に合った円弧面に形成されている。凹部32は、帯電ローラの金属軸11を受け入れる部分であり、金属軸11の外周に合った円弧面に形成されている。凹部31,32は、感光体ドラム4と金属軸11を受け入れて、感光体カートリッジ1の搬送中或いは取り扱い中の振動によって、離間部材3が感光体ドラム4と金属軸11との間から抜け出るのを防止するために形成されている。しかも、帯電ローラ5の金属軸11には、加圧ばね9の弾力が感光体ドラム4側に加わっているため、離間部材3は、抜けにくくなっている。
【0033】
次に、感光体保護ユニット70を感光体カートリッジ1に装着する動作を説明する。
【0034】
先ず、図6に示す軸12に、図7図8に示す保護カバー軸受部21の1対の弾性片21aの間を挿入し、凹部21bを係合させて、保護カバー軸受部21を支持させる。これによって、感光体保護ユニット70は、右側壁81と左側壁82との間で、軸12に支持されて、図9に示すように軸12を中心にして矢印E1、E2方向に回転自在に感光体カートリッジ1に装着されることになる。なお、軸12は、右側壁81と左側壁82とに互いに向き合う向きに突設されているが、右側壁81の軸12は、図示省略してある。
【0035】
その後、図10に示すように、保護カバー2を矢印E1の方に回転させて、感光体ドラム4に接近させながら、離間部材3も矢印E1方向に回転させて、離間部材3を感光体ドラム4と金属軸11との間に加圧ばね9の弾力に抗して進入させる。離間部材3は、凹部31が感光体ドラム4に係合し、凹部32が金属軸11に係合した状態で、加圧ばね9の弾力によって、感光体ドラム4と金属軸11との間に挟まれた状態になる。このため、離間部材3は、感光体ドラム4と金属軸11との間から抜け出るのを防止される。また、保護カバー2が矢印E1方向に回転したとき、保護カバー2に設けられている舌片28の突起22が右側壁81と左側壁82とのそれぞれの被係合孔29に係合する。このため、保護カバー2は、感光体ドラム4から離れる矢印E2の方向への回転を防止される。このようにして、離間部材3が抜け止めされ、かつ保護カバー2が矢印E2の方向に回転するのを防止されることによって、感光体カートリッジ1の搬送中或いは取り扱い中の振動によって、感光体保護ユニット70が感光体ドラム4から離れることを防止される。離間部材3が感光体ドラム4と金属軸11との間に確実に装着されているか否かは、確認窓(開口部)25から目視によって確認することができる。確認窓25は、切欠きであってもよい。
【0036】
次に、感光体保護ユニット70を装着された感光体カートリッジ1を画像形成装置60の装置本体60Aに装着する動作を説明する。図11は、感光体カートリッジ1を画像形成装置60の装置本体60Aに装着する前の図である。図12は、感光体カートリッジ1を画像形成装置60の装置本体60Aに装着した図である。
【0037】
図5において、感光体カートリッジ1の右側壁81と左側壁82との外側には、外側に向けて第1の案内片13と、第2の案内片14(右側壁81の第2の案内片14は不図示)とが突設されている。画像形成装置の装置本体60Aに設けられたガイド部材40(図1図11)には、第1の案内溝42と第2の案内片14とが、図1において、装置本体60Aの左側面側から右側面側に延びて形成されている。
【0038】
感光体カートリッジ1を装置本体60Aに装着する前に転写ローラ8を装置本体60Aから外しておく。そして、ユーザは、図3に示す取手81a,82aを掴んで、第1の案内片13を第1の案内溝42に進入させ、第2の案内片14を第2の案内溝43に進入させる。図5に示すように、第1の案内片13と第2の案内片14は、それぞれ2つ(図5の右側の第2の案内片14は図示省略)、都合4つ設けられている。このため、感光体カートリッジ1は、装置本体60Aに対して4点支持されながら、矢印B方向に押し込まれる。
【0039】
感光体カートリッジ1は、装置本体60Aに対して、矢印B方向に押し込まれている途中において、図11に示すように、感光体保護ユニット70に設けられている突起部23が、ガイド部材40に突設されたストッパ部41に当接する。
【0040】
突起部23がストッパ部41に当接したままで、感光体カートリッジ1がさらに装置本体60A内に押し込まれると、図12に示すように、保護カバー2が軸12を中心にして、矢印E2の方向に回転する。この保護カバー2の矢印E2方向への回転に伴って、離間部材3は、感光体ドラム4と金属軸11との間から、引っ張られて抜き取られる。ここで、金属軸11は、加圧ばね9によって感光体ドラム4側に常時押圧されている。このため、離間部材3が抜き取られると、金属軸11を有している帯電ローラ5が感光体ドラム4に、圧接される。また、保護カバー2が矢印E2の方向に回転すると、突起22が被係合孔29から抜け出る。保護カバー2は、矢印E2方向の回転に伴って、離間部材3が感光体ドラム4と金属軸11との間から抜け出ることと、突起22が被係合孔29から抜け出ることとによって、感光体カートリッジ1に対して回転自在(回転可能)の状態になる。
【0041】
その後、ユーザは、取手81a,82aを掴んだまま、感光体カートリッジ1を、感光体ドラム4が図6に示す現像スリーブ7に接近した位置まで押し込む。この状態から、ユーザが、図2乃至図4に示す摘み24を摘まんで、矢印Bと反対方向の矢印J方向に引くと、保護カバー軸受部21が軸12から抜き取られて、感光体保護ユニット70が感光体カートリッジ1から外される。このとき、保護カバー軸受部21の1対の弾性片21aの先端部が、押し込み方向Bに沿った向きに向いているため、感光体保護ユニット70が感光体カートリッジ1に対して容易に外れる構成となっている。また、感光体カートリッジ1に対して感光体保護ユニット70が外される前の状態では、1対の弾性片21aの先端部が押し込み方向Bと交差する方向を向いている。そのため、保護カバー2の回転時には軸12から1対の弾性片21aが外れにくい構成となっている。その後、転写ローラ8を装置本体60Aに装着して感光体ドラム4に圧接させることで、画像形成装置60による画像形成動作が可能となる。
【0042】
なお、感光体カートリッジ1を装置本体60Aに着脱するとき、開閉扉58の開閉にともなって、感光体ドラム4(図3)の三角形状の接続部4aに着脱される不図示のアダプターが接続部4aに着脱して、感光体ドラム4に回転が伝達されるようになっている。
【0043】
ところで、離間部材3は、図7において、保護カバー2の両端部(両端の下側角部)に帯電ローラ5に対向して設けられている。このため、上記の動作説明において、離間部材3が帯電ローラ5の金属軸11と感光体ドラム4との間から抜け出るとき、帯電ローラ5が感光体ドラム4に平行移動して接近し、帯電ローラ5のほぼ全体が感光体ドラム4に一度に線接触することが多い。このような場合、各部の構造如何によっては、感光体ドラム4が衝撃を受けることがある。
【0044】
この場合、図7に示す保護カバー2の両端部に設けられた離間部材3の代わりに、図13図14図15に示す離間部材(103A,103B),(203A,203B),303の内、いずれかの離間部材を設けて、衝撃を和らげることができる。
【0045】
図13に示す2つの離間部材103A,103Bの内、一方の離間部材(例えば、図13(A))は、図7に示す保護カバー2の一方の端部に設けられ、他方の離間部材(例えば、図13(B))は、保護カバー2の他方の端部に設けられるようになっている。この左右の離間部材103A,103Bにも、支持軸71に遊嵌する軸受部133a,133b、感光体ドラム4を受け入れる凹部131a,131b及び帯電ローラ5の金属軸11を受け入れる凹部132a,132bが形成されている。さらに、離間部材103A,103Bを支持軸71に着脱できるようにする開口部133aa,133baも形成されている。この2つの離間部材103A,103Bの特徴は、一方の離間部材103Aの凹部132aの中心OAから先端までの長さL1が、他方の離間部材103Bの中心OBから先端までの長さL2よりも短い(L1<L2)ことである。
【0046】
このように長さの異なる左右の離間部材103A,103Bが帯電ローラ5と感光体ドラム4との間から抜け出るとき、長さの短い離間部材103Aが先に抜け出ることになる。このため、加圧バネ9によって両端を感光体ドラム4側へ付勢されている帯電ローラ5は、多少斜めになって、長さの短い離間部材103Aが位置する端部から感光体ドラム4に圧接されて、最後、全体が感光体ドラム4に線接触することになる。このように、左右の離間部材103A,103Bが帯電ローラ5と感光体ドラム4との間から抜け出るタイミングがずれることによって、帯電ローラ5の全体が一度に感光体ドラム4に線接触するのを防止することができる。よって、帯電ローラ5が感光体ドラム4に圧接されるときの衝撃を和らげることができる。
【0047】
また、左右の離間部材103A,103Bは、長さが異なるため(L1<L2)、帯電ローラ5と感光体ドラム4との間に同時に進入することがなく、長さの長い離間部材103Bが先に進入した後、長さの短い離間部材103Aが後から進入することになる。このため、左右の離間部材103A,103Bを帯電ローラ5と感光体ドラム4との間に進入させるのに、図7に示す長さが同じ離間部材3を同時に進入させる場合よりも、小さい力で容易に進入させることができる。
【0048】
図14に示す、左右の離間部材203A,203Bも、図13に示す左右の離間部材103A,103Bと同様に、帯電ローラ5と感光体ドラム4との間から抜け出るタイミングがずれるようになっている。
【0049】
図14に示す2つの離間部材203A,203Bも、一方の離間部材(例えば、図14(A))が、図7に示す保護カバー2の一方の端部に設けられ、他方の離間部材(例えば、図14(B))が、保護カバー2の他方の端部に設けられるようになっている。この左右の離間部材203A,203Bにも、感光体ドラム4を受け入れる凹部231a,231b及び帯電ローラ5の金属軸11を受け入れる凹部232a,232bが形成されている。
【0050】
この2つの離間部材203A,203Bは、支持軸71に遊嵌する軸受部である長孔233a,233bが形成されており、帯電ローラ5と感光体ドラム4との間に同時に進入する方向に、保護カバー2に対して移動可能に設けられている。そして、離間部材203Aの長孔233aの長さL3が、離間部材203Bの長孔の長さL4よりも短く(L3<L4)形成されている。このため、2つの離間部材203A,203Bは、支持軸71、保護カバー2に対する移動距離が異なっており、離間部材203Bの方が、離間部材203Aよりも移動距離が長い。なお、長孔233aと凹部231aとの距離L5と、長孔233bと凹部231bとの距離L6は、同じである(L5=L6)。また、長孔233aと凹部232aとの距離L7と、長孔233bと凹部232bとの距離L8は、同じである(L7=L8)。
【0051】
このように長孔233a,233bの長さの異なる離間部材203A,203Bは、帯電ローラ5と感光体ドラム4との間に進入するとき、左右の離間部材203A,203Bに対応する支持軸71が長孔の奥側233aa,233baに当接した状態で進入する。上記距離(L5=L6)、(L7=L8)であるから、左右の離間部材203A,203Bは、帯電ローラ5と感光体ドラム4との間に同時に進入する。しかし、左右の離間部材203A,203Bは、帯電ローラ5と感光体ドラム4との間から抜け出るとき、まず、離間部材203Aに対応する支持軸71が長さの短い長孔233aの手前側233abに当接する。その後、離間部材203Bに対応する支持軸71が長さの長い長孔233bの手前側233bbに当接する。このため、長孔の長さの短い離間部材203Aが先に、帯電ローラ5と感光体ドラム4との間から抜け出ることになる。したがって、加圧バネ9によって両端を感光体ドラム4側へ付勢されている帯電ローラ5は、多少斜めになって、長さの短い離間部材203Aが位置する端部から感光体ドラム4に圧接されて、最後、全体が感光体ドラム4に線接触することになる。
【0052】
このように、左右の離間部材203A,203Bが帯電ローラ5と感光体ドラム4との間から抜け出るタイミングがずれることによって、帯電ローラ5の全体が一度に感光体ドラム4に線接触するのを防止することができる。よって、帯電ローラ5が感光体ドラム4に圧接されるときの衝撃を和らげることができる。
【0053】
図15に示す離間部材303も、図7に示す保護カバー2の両端部に設けられている離間部材3の代わりに設けられるようになっている。離間部材303にも、支持軸71に遊嵌する軸受部333a、感光体ドラム4を受け入れる凹部331及び帯電ローラ5の金属軸11を受け入れる凹部332が形成されている。さらに、離間部材303を支持軸71に着脱できるようにする開口部333aaも形成されている。この離間部材303の特徴は、感光体ドラム4と帯電ローラ5との間に進入する先端部が弾性部材(弾性体)303cで形成されていることである。
【0054】
このような離間部材303は、帯電ローラ5と感光体ドラム4から抜け出るとき、離間部材303の弾性部材303cを押し潰しながら出ることになる。したがって加圧バネ9によって両端を感光体ドラム4側へ付勢された帯電ローラ5は、離間部材3の弾性部材303cが潰れることで、感光体ドラム4に圧接されるときの衝撃を和らげることができる。なお、図13に示す離間部材103A,103Bと、図14に示す離間部材203A,203Bとの先端部も弾性部材で形成してもよい。
【0055】
以上、説明したように、感光体保護ユニット70は、感光体カートリッジ1に装着されて使用されると、次の利点が生じるようになっている。感光体カートリッジ1を部品として保管しておくとき、或いは、装置本体60Aに組み込む途中において、感光体ドラム4を覆うことができるため、感光体ドラム4に傷が付かないように感光体ドラム4を保護することができる。また、感光体ドラム4を覆うことができるため、外光によって、感光体ドラム4が不必要に露光されないように、感光体ドラム4を保護することができる。感光体カートリッジ1を装置本体60Aに組み込まれた途中までの間、離間部材3によって感光体ドラム4と帯電ローラ5とを離間させて、感光体ドラム4に帯電ローラ5の圧接跡が付かないようにするとともに、帯電ローラ5が変形するのを防止することができる。
【0056】
また、仮に、感光体保護ユニット70が感光体カートリッジ1に装着されたまま、装置本体60Aに装着されたとしても、突起部23とストッパ部41とが当接することによって、保護カバー2による感光体ドラム4の保護を解除することができる。これによって、感光体カートリッジ1の装着動作に伴って感光体保護ユニット70による感光体ドラム4の保護を解除することができる。また、感光体保護ユニット70の保護解除動作に伴って離間部材3による感光体ドラム4と帯電ローラ5との離間が解除される。そのため、ユーザは、感光体カートリッジ1を装置本体60Aに装着する動作に伴って、感光体ドラム4の保護解除および感光体ドラム4と帯電ローラ5との離間を解除することが可能となる。このような構成とすることで、ユーザの利便性を向上させることができる。また、感光体保護ユニット70による感光体ドラム4の保護が解除された後、感光体カートリッジ1から感光体保護ユニット70が取り外されない状態で開閉扉58が閉じられようとした場合は、開閉扉58が閉状態となることを妨げるようになっている。これは、保護カバー軸受部21の1対の弾性片21aが設けられていない端面が開閉扉58に当接するような構成となっているためである。そのため、感光体保護ユニット70が取り外されない状態のまま画像形成装置60を動作させてしまうことを防ぐことができる。また、ユーザは、突起部23とストッパ部41との当接によって、感光体カートリッジ1に感光体保護ユニット70が装着されたままであることが分かる。そのため、この時点で、ユーザによって感光体保護ユニット70を感光体カートリッジ1から取外させる構成としてもよい。
【0057】
以上説明した感光体カートリッジ1は、感光体保護ユニット70の離間部材3が感光体ドラム4と帯電ローラ5との間に進入した状態で、画像形成装置60が使用されることが防止される。そのため、離間部材3によって感光体ドラム4と帯電ローラが離間された状態で画像形成装置60が使用され、感光体ドラム4が損傷を受けることが防止される。
【0058】
以上説明した画像形成装置は、感光体保護ユニット70の離間部材3によって損傷を受けることを防止された感光体カートリッジ1を有する画像形成部62によって、シートに画像を形成するのでシートに品質の良いトナー画像を形成することができる。
【符号の説明】
【0059】
1:感光体カートリッジ(画像形成ユニット)、2:保護カバー(保護手段、保護部材)、3,103A,103B,203A,203B,303:離間部材(離間手段)、4:感光体ドラム(像担持体)、5:帯電ローラ(帯電体)、9:加圧ばね、10:帯電ローラ軸受け、11:帯電ローラの金属軸、12:感光体カートリッジ軸部、13:第1の案内片、14:第2の案内片、21:保護カバー軸受け部、23:突起部(被当接部)、24:摘み、25:確認窓(開口部)、26:保護部、27:スリット部、31:離間部材(離間手段)の凹部、32:離間部材(離間手段)の凹部、40:ガイド部材、41:ストッパ部、42:第1の案内溝、43:第2の案内溝、60:画像形成装置、60A:画像形成装置の装置本体、62:画像形成部(画像形成手段)、70:感光体保護ユニット、100:像担持体ユニット、233a,233b:長孔、303c:弾性部材(弾性体)、P:シート。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15