特許第6837345号(P6837345)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6837345セキュリティゲートおよびセキュリティゲートユニット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6837345
(24)【登録日】2021年2月12日
(45)【発行日】2021年3月3日
(54)【発明の名称】セキュリティゲートおよびセキュリティゲートユニット
(51)【国際特許分類】
   G07B 15/00 20110101AFI20210222BHJP
   E05F 15/77 20150101ALI20210222BHJP
   E05F 15/75 20150101ALI20210222BHJP
   E05F 15/611 20150101ALI20210222BHJP
【FI】
   G07B15/00 L
   E05F15/77
   E05F15/75
   E05F15/611
   G07B15/00 A
【請求項の数】8
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2017-22273(P2017-22273)
(22)【出願日】2017年2月9日
(65)【公開番号】特開2018-128918(P2018-128918A)
(43)【公開日】2018年8月16日
【審査請求日】2019年8月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】307011510
【氏名又は名称】株式会社熊平製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】岡野 智秀
【審査官】 毛利 太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−055366(JP,A)
【文献】 特開2013−003998(JP,A)
【文献】 特開2017−014683(JP,A)
【文献】 特開平10−240985(JP,A)
【文献】 特開2011−034338(JP,A)
【文献】 特開2003−091749(JP,A)
【文献】 特開2010−039821(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07B 15/00−15/06
G07C 9/00− 9/38
E05F 15/611
E05F 15/75
E05F 15/77
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の施設の床に配置されるプレートと、
上記プレートに立てられる支柱と、を備えており、
上記プレートにおける上記支柱が取付けられる側の面には、上記所定の施設の利用者の、上記プレートおよび上記支柱により形成された通路の通行可否に係る判定結果を表示する第1表示部が設けられており、
上記支柱には、上記判定結果が通行可能であった場合に上記所定の施設における窓口の窓口番号を表示する第2表示部が設けられていることを特徴とするセキュリティゲート。
【請求項2】
上記第2表示部は、上記判定結果を表示することを特徴とする請求項1に記載のセキュリティゲート。
【請求項3】
上記支柱には、回動することにより上記通路を開閉するフラップが設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のセキュリティゲート。
【請求項4】
上記支柱には、上記判定結果として通行可能情報を受信することにより、上記第2表示部に上記窓口番号を表示させる制御部が設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のセキュリティゲート。
【請求項5】
上記第2表示部は、上記判定結果を表示し、
上記支柱には、回動することにより上記通路を開閉するフラップがさらに設けられており、
上記判定結果に係る通行可否情報を受信することにより、上記第1表示部および上記第2表示部のそれぞれに上記判定結果を表示させるとともに、上記通行可否情報に基づいて、上記フラップの回動を制御する制御部をさらに備えており、
上記制御部は、上記判定結果として通行可能情報を受信することにより、上記第2表示部に上記窓口番号を表示させることを特徴とする請求項1に記載のセキュリティゲート。
【請求項6】
上記第2表示部は、上記通路の通行後に上記利用者が進行すべき方向を表示することを特徴とする請求項またはに記載のセキュリティゲート。
【請求項7】
上記プレートには、
上記セキュリティゲートと外部電源とを電気的に接続するための電源接続部と、
上記支柱が連結される第1連結部と、が設けられており、
上記第1連結部、および上記支柱における上記第1連結部と連結する第2連結部のそれぞれには、上記プレートと上記支柱とを導通させるための導通部位が設けられていることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載のセキュリティゲート。
【請求項8】
請求項に記載のセキュリティゲートを複数含んだセキュリティゲートユニットであって、
上記床に配置された状態において隣り合う2つの上記プレートが、互いに連結可能であることを特徴とするセキュリティゲートユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セキュリティゲートおよびセキュリティゲートユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、大勢の人が通行する駅の改札口では、時間帯等によっては人が過度に集中し、改札ゲート通過時の乗車券(ICカード)のチェックに起因して駅が混雑するという問題が生じていた。そこで、この問題を解決すべく、様々な技術の研究・開発が進められている。例えば、特許文献1には、表示部および改札情報送受信部を具備する、駅のコンコースの特定エリアの床に敷設される床ユニットと、改札情報送受信部との通信が可能な改札情報記録媒体とが設けられたフリーゲート改札システムが開示されている。このフリーゲート改札システムにおいて、床ユニットの表示部は、改札情報記録媒体が有効であれば青色光または緑色光で表示し、有効でなければ赤色光または黄色光で表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5762988号明細書(2015年8月12日発行)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されたフリーゲート改札システムにおいては、駅の改札口に導入することを前提に開発されたものであり、利用者が乗車券等の改札情報記録媒体を所持していることが必要となる。換言すれば、本システムは改札情報記録媒体が必須の構成要素となる。したがって、本システムを、改札情報記録媒体を所持する必要がない、駅の各窓口または駅以外の施設に適用することは困難である。それゆえ、上記改札口以外の場所・施設においては混雑が依然として解消されず、利用者が快適・便利に利用できないという問題点があった。
【0005】
本発明の一態様は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、施設の窓口付近等における混雑を低減し、利用者が快適・便利に施設を利用できるセキュリティゲートを実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るセキュリティゲートは、所定の施設の床に配置されるプレートと、上記プレートに立てられる支柱と、を備えており、上記プレートにおける上記支柱が取付けられる側の面には、上記所定の施設の利用者の、上記プレートおよび上記支柱により形成された通路の通行可否に係る判定結果を表示する第1表示部が設けられている。
【0007】
近年では、例えば各種施設の窓口付近で順番待ちしているほとんどの利用者は、待機している間、スマートフォンをはじめとする携帯端末を操作している。このような場合、利用者の視線は、上記各種施設の床に向けられていることが多い。その点、上記構成によれば、プレートに設けられた第1表示部には、所定の施設の利用者の、プレートおよび支柱により形成された通路の通行可否に係る判定結果が表示される。この場合、該判定結果が判明するのを待つ利用者は、プレートの上、もしくは近傍に立って待機することとなる。
【0008】
したがって、例えば、利用者が視線を施設の床に向けて携帯端末を操作しつつ、通路の通行可否に係る判定結果が判明するのを待っている場合でも、判定結果が第1表示部に表示されることで、利用者は高い確率で判定結果を視認することができる。それゆえ、利用者が通路の通行可否に係る判定結果が判明したことに気付かないケースを効果的に低減することができ、利用者の無駄な待機時間を削減することができる。
【0009】
以上より、施設の窓口付近等における混雑を低減し、利用者が快適・便利に施設を利用できるセキュリティゲートを実現することができる。
【0010】
また、上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るセキュリティゲートにおいて、上記支柱には、ポールパーテーションのロープ、ベルトまたはチェーンを引っ掛けるための係止部が設けられている。
【0011】
上記構成によれば、ポールパーテーションのロープ(またはベルト、チェーン)を支柱の係止部に引っ掛けてポールパーテーションを施設の床に設置することにより、プレートおよび支柱により形成された通路と、該通路と隣り合う領域とを物理的に仕切ることができる。それゆえ、セキュリティゲート付近にできる複数の利用者の行列を効果的に整理・誘導することができることから、施設の窓口付近等における混雑がより低減され、利用者がより快適・便利に施設を利用することができる。
【0012】
また、上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るセキュリティゲートにおいて、上記支柱には、上記判定結果を表示する第2表示部が設けられている。
【0013】
上記構成によれば、例えば、第1表示部の表示によって通行可能の判定結果を認識した利用者が通路通行後の行先を探している場合、該行先を認識し易いように施設の窓口番号等を第2表示部に表示させることで、利用者はより円滑に行先に進行できるようになる。
【0014】
また、上記の課題を解決するために、本発明の一態様において、上記支柱には、回動することにより上記通路を開閉するフラップが設けられている。
【0015】
上記構成によれば、例えば、通路の通行可否に係る判定結果が判明しているにも拘らず、利用者が第1表示部および第2表示部を見なかった場合でも、利用者はフラップの開閉状態を見て通路の通行可否を認識することができる。それゆえ、施設の窓口付近等における混雑がより低減され、利用者がより快適・便利に施設を利用することができる。
【0016】
さらには、利用者が通行不可であることを認識することなく誤って通路を通行しようとしても、フラップが閉じた状態になっていることから、利用者の誤った通路進入を物理的に阻止することができる。
【0017】
また、上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るセキュリティゲートにおいて、上記支柱には、上記判定結果を表示する第2表示部と、回動することにより上記通路を開閉するフラップと、が設けられており、上記判定結果に係る通行可否情報を受信することにより、上記第1表示部および上記第2表示部のそれぞれに上記判定結果を表示させるとともに、上記通行可否情報に基づいて、上記フラップの回動を制御する制御部をさらに備えている。
【0018】
上記構成によれば、制御部は、通行可否情報として、例えば施設窓口の係員が操作する通信装置から無線送信された窓口番号情報(係員対応可能な窓口の窓口番号を含む)を受信することにより、第1・2表示部に通行許可を示す表示を表示させることができる。また、制御部は、上記窓口番号情報の受信によって自動的にフラップが開くよう、該フラップの回動を制御することができる。
【0019】
それゆえ、例えば、係員が窓口の混雑状況を見極めながら適切なタイミングで窓口番号情報を送信することにより、施設の窓口付近等における混雑を効果的に低減させることができる。
【0020】
また、上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るセキュリティゲートにおいて、上記第2表示部は、上記通路の通行後に上記利用者が進行すべき方向を表示する。
【0021】
上記構成によれば、第1表示部に通行可能の判定結果が表示された場合において、利用者が通路通行後に進行すベき行先の場所が分からなくても、利用者は、第2表示部を見ることで進行すべき方向を認識することができる。それゆえ、通行可能の判定結果を認識した利用者が行先に確実に向かうことができることから、施設の窓口付近等における混雑がより低減され、利用者がより快適・便利に施設を利用することができる。
【0022】
また、上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るセキュリティゲートは、上記支柱には、上記利用者が上記所定の施設に入場する権利を有しているか否かを確認するための認証部が設けられている。
【0023】
上記構成によれば、認証部を介して得られた、利用者がイベント会場に入場する権利を有しているか否の確認結果に基づいて、通路の通行可否を判定することができる。それゆえ、支柱に認証部を設けることで、上記確認結果に基づいて少なくとも第1表示部に通路の通行可否の判定結果を表示させることができる。
【0024】
また、上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るセキュリティゲートにおいて、上記プレートから、上記支柱を取り外すことが可能である。
【0025】
上記構成によれば、プレートから支柱を取り外した上で、これらをまとめて運搬することができる。それゆえ、運搬が容易であるとともに、様々な施設に設置することができるセキュリティゲートを実現することができる。また、プレートおよび支柱をまとめることで、これらをコンパクトなスペースにも保管できることから、様々な広さのスペースに保管できるセキュリティゲートを実現することができる。
【0026】
また、上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るセキュリティゲートにおいて、上記プレートには、上記セキュリティゲートと外部電源とを電気的に接続するための電源接続部と、上記支柱が連結される第1連結部と、が設けられており、上記第1連結部、および上記支柱における上記第1連結部と連結する第2連結部のそれぞれには、上記プレートと上記支柱とを導通させるための導通部位が設けられている。
【0027】
上記構成によれば、プレートの第1連結部に支柱の第2連結部を連結させ、プレートの電源接続部に外部電源を接続するだけでセキュリティゲートは作動可能となる。それゆえ、簡易な設置作業で作動可能となるセキュリティゲートを実現することができる。
【0028】
また、上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るセキュリティゲートユニットは、本発明の一態様に係るセキュリティゲートを複数含んだセキュリティゲートユニットであって、上記床に配置された状態において隣り合う2つの上記プレートが、互いに連結可能である。
【0029】
上記構成によれば、運搬が容易であるとともに様々な施設に設置することができ、かつ様々な広さのスペースに保管できるセキュリティゲートユニットを実現することができる。また、多数の利用者を収容可能な大規模施設においても、該大規模施設の窓口付近等における混雑を低減し、利用者が快適・便利に大規模施設を利用できるセキュリティゲートを実現することができる。
【0030】
さらに、上記構成によれは、床に配置された状態において隣り合う2つのプレートが互いに連結可能である。それゆえ、複数のプレートを全て連結させるとともに該複数のプレートの全てに支柱を取付けるだけでセキュリティゲートの組み立てが完了することから、簡易な作業で組み立てることができるセキュリティゲートユニットを実現することができる。
【0031】
また例えば、連結する2つのプレートのそれぞれの連結面に導通部位を設け、組立後のセキュリティゲートユニットにおいて最も端に配置されるプレートに電源接続部を設けることで、簡易な作業で作動可能となるセキュリティゲートユニットを実現することができる。すなわち、セキュリティゲートユニットを組み立てた後に電源接続部に外部電源を接続するだけで、セキュリティゲートユニットは作動可能となる。
【発明の効果】
【0032】
本発明の一態様によれば、プレートに設けられた第1表示部が通路の通行可否に係る判定結果を表示することから、施設の窓口付近等における混雑を低減し、利用者が快適・便利に施設を利用できるセキュリティゲートを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本発明の実施形態1に係るセキュリティゲートユニットの概略図である。
図2】本発明の実施形態1に係るセキュリティゲートの機能的構成を示す機能ブロック図である。
図3】上記セキュリティゲートの機能的構成の他の例を示す機能ブロック図である。
図4】(a)は、上記セキュリティゲートユニットの保管場所の一例を示す図である。(b)は、上記セキュリティゲートユニットの収納態様の一例を示す図である。(c)は、上記セキュリティゲートユニットの組み立て方法の一例を示す図である。
図5】(a)は、上記セキュリティゲートが通行可能となった場合における、通行プロセス毎の第1・第2表示部の表示態様の一例を示す表である。(b)は、上記セキュリティゲートが通行不可の場合における、通行プロセス毎の第1・第2表示部の表示態様の一例を示す表である。
図6】上記セキュリティゲートの特徴的な動作の流れの一例を示すフローチャートである。
図7】本発明の実施形態2に係るセキュリティゲートの概略図である。
図8】上記セキュリティゲートにおける、各表示部の表示態様およびフラップの回動態様の一例を示す図である。
図9】上記セキュリティゲートの機能的構成を示す機能ブロック図である。
図10】上記セキュリティゲートが通行可能となった場合における、通行プロセス毎の第1表示部、第2メイン表示部および第2サブ表示部の表示態様の一例を示す表である。
図11】上記セキュリティゲートの特徴的な動作の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0034】
〔実施形態1〕
以下、本発明の実施の形態について、図1図6に基づいて詳細に説明する。説明の便宜上、特定の項目にて説明した構成と同一の機能を有する構成については、同一の符号を付記し、その説明を省略する。
【0035】
なお、以下の説明では、実施形態1に係るセキュリティゲートユニット100がイベント用施設のイベント会場出入口に設置された場合を例に挙げて説明する。また、実施形態2に係るセキュリティゲート2が駅における所定の窓口付近に設置された場合を例に挙げて説明する。但し、本発明の一態様に係るセキュリティゲートおよびセキュリティゲートユニットを設置可能な場所・施設は、上記の場合に限定されない。設置可能なその他の場所・施設の例としては、展望台・映画館等のチケット売り場、銀行のATM(Automatic Teller Machine:現金自動預け払い機)、空港の入国審査前エリアなどが想定される。
【0036】
<セキュリティゲートおよびセキュリティゲートユニットの概要>
まず、図1を参照して、本発明の一実施形態に係るセキュリティゲート1およびセキュリティゲートユニット100の概要について説明する。図1は、セキュリティゲートユニット100の概略図である。
【0037】
セキュリティゲート1は、通行を許可されたイベント用施設(所定の施設)の利用者700だけが通行できるような機能・構造を有するゲートであり、不正入場を防止するためのものである。後述のセキュリティゲート2についても同様である。図1に示すように、セキュリティゲート1は、プレート10および円柱形状のポール20を備えている。このプレート10およびポール20(支柱)と、後述する円柱形状のベルトパーテーション200(ポールパーテーション)およびベルト201とによって、利用者700が通行する通路300が形成される。
【0038】
セキュリティゲートユニット100は、多数の利用者700が利用する大規模イベント施設等での不正入場を防止するためのユニットである。図1に示すように、セキュリティゲートユニット100は、6体のセキュリティゲート1で構成されている。また、セキュリティゲートユニット100は、6体のセキュリティゲート1に分解することが可能であり、かつプレート10からポール20を取り外すことが可能である。それゆえ、セキュリティゲートユニット100は、分解し、コンパクトにまとめて保管・収納することができる。
【0039】
なお、本実施形態にて説明したセキュリティゲート1の個数(6体)はあくまで一例である。セキュリティゲートユニット100を構成するセキュリティゲート1の個数は、施設の規模・利用者700の多少に応じて任意に変更できる。
【0040】
セキュリティゲートユニット100の組み立てにおいては、床500の上に配置された状態において隣り合う2つのプレート10を、該2つのプレート10における長手方向の側面を互いに接触させることで連結させる。このようにして6つのプレート10を全て連結し、各プレート10にポール20を立てることで、セキュリティゲートユニット100の組み立てが完了する。
【0041】
また、連結する2つのプレート10のそれぞれの連結面(長手方向の側面)には導通部位(不図示)が設けられており、セキュリティゲートユニット100において最も端に配置されるプレート10の長手方向の端面には電源接続部101が設けられている。セキュリティゲートユニット100を組み立てた後、電源接続部101と外部電源(不図示)と電気的に接続することにより、セキュリティゲートユニット100は作動可能となる。
【0042】
(プレート)
プレート10は、イベント用施設の床500の上に配置される部材であり、2つの第1本体部10a−1、第2本体部10a−2、4つの第1昇降部10b−1および2つの第2昇降部10b−2に分解することができる(図3の(c)参照)。プレート10は、一旦床500に設置した後でも、適宜取り外して分解することが可能である。
【0043】
第1本体部10a−1は板状の部材であり、その上面(プレート10を床500の上に配置した状態において鉛直上側を向く面)には進行方向表示部10eが設けられている。進行方向表示部10eは、平面視で三角形状の3つの表示部位で構成されており、これら3つの表示部位の頂点が全て同一方向を向くように、該3つの表示部位が第1本体部10a−1の上面において長手方向に直列的に配置されている。プレート10を床500に設置する際は、3つの表示部位の頂点が利用者700の進行すべき方向を向くように、第1本体部10a−1を床500の上に配置する。
【0044】
第2本体部10a−2も板状の部材であり、第1本体部10a−1と同一の外形・大きさとなっている。第2本体部10a−2の上面には、ポール20の一端に設けられた円柱形状の第2連結部20aが差し込まれる(支柱が連結される)、穴状の第1連結部10dが形成されている。
【0045】
第1昇降部10b−1は略板状の部材であり、側面視で略直角三角形状となっている。また、第1昇降部10b−1の上面(プレート10におけるポール20が取付けられる側の面)には第1表示部10cが設けられている。第2昇降部10b−2は第1昇降部10b−1と同一の外形・大きさの部材である。
【0046】
プレート10を組み立てる際は、第1本体部10a−1における短手方向の側面のそれぞれに第1昇降部10b−1を連結させ、第2本体部10a−2における短手方向の側面のそれぞれに第2昇降部10b−2を連結させる。
【0047】
第1表示部10cは、通路300の通行可否に係る判定結果を表示する。第1表示部10cは、平面視で円形状の3つの表示部位で構成されており、これら3つの表示部位が第1昇降部10b−1の上面において短手方向に直列的に配置されている。また、3つの表示部位は光源としてLEDを備えており、利用者700の通行プロセスに応じて、適宜3つの表示部位のLEDが緑色あるいは赤色に点灯する。
【0048】
なお、第1表示部10cの形状・光源の種類・表示態様等は上述の場合に限定されず、通路300の通行可否に係る判定結果を利用者700が認識できるのであれば任意に設計変更することができる。このことは、後述の第2表示部20c、第2メイン表示部21c−1および第2サブ表示部21c−2についても同様である。
【0049】
また、第1表示部10cのみならず、進行方向表示部10eについても通路300の通行可否に係る判定結果が表示されるようにしてもよい。例えば、進行方向表示部10eを構成する3つの表示部位のそれぞれに光源を設け、通行可能の場合は光源が緑色に点灯し、通行不可の場合は光源が赤色に点灯するようにしてもよい。
【0050】
(ポール)
ポール20は、上述のように第2連結部20aを第2本体部10a−2の第1連結部10dの差し込むことで第2本体部10a−2と連結し、プレート10に立てられる。ポール20には第2連結部20aの他、係止部20b、第2表示部20c、認証部20dおよびフラップ30が設けられている(図3の(c)参照)。
【0051】
係止部20bは、ベルトパーテーション200のベルト201を引っ掛けるための部位である。具体的には、ベルトパーテーション200を床500に設置し、該ベルトパーテーション200から繰り出したベルト201の先端を係止部20bに引っ掛ける。これにより、特定のセキュリティゲート1の通路300と、該特定のセキュリティゲート1と隣り合う別のセキュリティゲート1の通路300とを物理的に仕切ることができる。
【0052】
なお、上述のように、セキュリティゲート1とベルトパーテーション200との組合せで通路300を形成する必要は必ずしもない。ベルトパーテーション200の代わりに、例えば、ロープまたはチェーンを備えたポールパーテーションを通路300の形成に用いてもよい。これらの場合、係止部20bは、ロープの先端またはチェーンの先端が引っ掛かるような形状・構造となる。
【0053】
第2表示部20cは、第1表示部10cと同様に通路300の通行可否に係る判定結果を表示するものであり、ポール20における、第2連結部20aが設けられている側の端部と反対側の端部の側面に設けられている。通行可能の場合は第2表示部20cの表示画面に矢印(矢印の先端が紙面向かって左方向を向く:図5参照)が表示され、通行不可の場合は上記表示画面に「×」印が表示される。また、認証部20dでの認証操作が可能な状態の場合には、第2表示部20cの表示画面にチケットを表す図形(四角形)が表示される。
【0054】
認証部20dは、利用者700がイベント会場に入場する権利(以下、「入場権」と略記する)を有しているか否かを確認するものであり、ポール20における、第2連結部20aが設けられている側の端部と反対側の端部の端面に設けられている。具体的には、認証部20dとしてバーコードリーダが用いられており、利用者700が所持しているチケットのバーコードを認証部20dにかざすことで認証部20dがバーコードを読み取り、入場権の有無を確認する。
【0055】
利用者700が入場権を有していることを確認した場合、認証部20dは、確認結果(判定結果)を通行可能情報として制御部40に送信する。一方、利用者700が入場権を有していないことを確認した場合、認証部20dは、確認結果(判定結果)を通行不可情報として制御部40に送信する。ここで、通行可能情報と通行不可情報とで通行可否情報が構成される。
【0056】
なお、認証部20dは、利用者700が入場権を有しているか否かの判定と併せて、通路300の通行可否に係る判定結果を表示してもよい。例えば、認証部20dにおけるバーコードリーダの配置箇所付近に表示画面(不図示)を設け、利用者700が入場権を有していることを確認した場合、第2表示部20cの表示画面に表示されるのと同様の矢印を認証部20dの表示画面に表示させてもよい。あるいは、認証部20dの表示画面にLEDを設け、第1表示部10cと同様に緑色点灯させてもよい。
【0057】
一方、利用者700が入場券を有していないことを確認した場合、第2表示部20cの表示画面に表示されるのと同様の「×」印を認証部20dの表示画面に表示させてもよい。あるいは、認証部20dの表示画面に設けられたLEDを、第1表示部10cと同様に赤色点灯させてもよい。
【0058】
フラップ30は、利用者700の誤った通路進入を物理的に阻止するための板状の部材であり、ポール20の側面に回動可能に設けられている。また、フラップ30は、ポール20から取り外すことが可能である。フラップ30は、通行可否情報を受信した制御部40の回動制御によって通路300を開閉する。
【0059】
なお、認証部20dとしてバーコードリーダを用いることは必須ではなく、利用者700が所持している情報記録媒体の種類に応じて適宜変更してもよい。例えば、バーコードリーダの代わりにカードリーダを用いてもよい。
【0060】
<セキュリティゲートの機能的構成>
次に、図2および図3を参照して、本発明の一実施形態に係るセキュリティゲート1の機能的構成について説明する。図2は、セキュリティゲート1の機能的構成を示す機能ブロック図である。図3は、セキュリティゲート1の機能的構成の他の例を示す機能ブロック図である。図2に示すように、セキュリティゲート1のポール20には、制御部40が内蔵されている。
【0061】
制御部40は、セキュリティゲート1の各部を統括的に制御する。また、制御部40は、認証部20dから通行可否情報(通行可能情報および通行不可情報)を受信することにより、第1表示部10cおよび第2表示部20cのそれぞれに通行可否に係る判定結果を表示させる。さらには、通行可否情報に基づいてフラップ30の回動を制御する。
【0062】
具体的には、認証部20dから通行可能情報を受信した場合、制御部40は、イベント会場入口側に設置された第1昇降部10b−1の第1表示部10cが緑色に発光するよう、LEDの点灯を制御する。同様に、イベント会場出口側に設置された第1昇降部10b−1の第1表示部10cについても緑色に発光するよう、LEDの点灯を制御する。また、制御部40は、ポール20に設けられた第2表示部20cの表示画面に矢印が表示されるよう、第2表示部20cの表示を制御する。さらに、制御部40は、フラップ30が開いて通路300が開放されるよう、フラップ30の回動を制御する。
【0063】
一方、認証部20dから通行不可情報を受信した場合、制御部40は、イベント会場入口側に設置された第1昇降部10b−1の第1表示部10cが赤色に発光するよう、LEDの点灯を制御する。同様に、イベント会場出口側に設置された第1昇降部10b−1の第1表示部10cについても赤色に発光するよう、LEDの点灯を制御する。また、制御部40は、ポール20に設けられた第2表示部20cの表示画面に「×」印が表示されるよう、第2表示部20cの表示を制御する。さらに、制御部40は、フラップ30が閉じて通路300が塞がれるよう、フラップ30の回動を制御する。
【0064】
また、認証部20dから通行可否情報を受信しない状態においては、制御部40は、イベント会場入口側に設置された第1昇降部10b−1の第1表示部10cが緑色に発光するよう、LEDの点灯を制御する。一方、イベント会場出口側に設置された第1昇降部10b−1の第1表示部10cについては赤色に発光するよう、LEDの点灯を制御する。また、制御部40は、ポール20に設けられた第2表示部20cの表示画面に図形(四角形)が表示されるよう、第2表示部20cの表示を制御する。さらに、制御部40は、フラップ30が回動しないようにして、フラップ30が閉じた状態すなわち通路300が塞がれた状態を維持する。
【0065】
なお、制御部40は、図3に示すように外部の入退出管理装置900と無線/有線接続されることで、入退出管理装置900から送信された通行可否情報に基づいて、第1・第2表示部10c・20cの表示、およびフラップ30の回動を制御してもよい。具体的には、入退出管理装置900は認証部20dとも無線/有線接続され、認証部20dが読み取った入場チケットやICカードなどの識別情報を認証部20dから受信することで利用者700の通行可否を判断する。そして、判断結果すなわち通行可否情報が制御部40に送信されることにより、制御部40は上記の各制御を行う。この場合、認証部20dは入場チケット等の有効性(利用者700の入場権)を判断しない。入退出管理装置900は、セキュリティゲート1を構成するいずれかの部に内蔵されていてもよい。
【0066】
上述のように、認証部20dは、該認証部20d自体で利用者700の入場権の有無を確認してもよいし、認証部20d自体は識別情報を読み取るのみで、利用者700の入場権の有無の確認を入退出管理装置900などの外部通信装置が行ってもよい。換言すれば、認証部20dは、利用者700がイベント会場(所定の施設)に入場する権利を有しているか否かを確認するために用いられる部位であればよい。
【0067】
また、図2および図3では、制御部40はポール20に内蔵されているが、例えばプレート10に内蔵されていてもよい。また例えば、セキュリティゲート1のいずれかの部に取付けられた外部装置、あるいはセキュリティゲート1の通信部(不図示)を介して利用するネットワークサーバーであっても構わない。さらには、セキュリティゲート1に制御部40が設けられている必要もなく、例えば、外部の情報処理装置とセキュリティゲート1との間での通行可否情報の送受信によって、各表示部の表示およびフラップ30の回動が制御されてもよい。これらのことは、後述の制御部41についても同様である。
【0068】
<セキュリティゲートユニットの使用方法>
次に、図4を参照して、セキュリティゲートユニット100の使用方法について説明する。図4の(a)は、セキュリティゲートユニット100の保管場所の一例を示す図である。図4の(b)は、セキュリティゲートユニット100の収納態様の一例を示す図である。図4の(c)は、セキュリティゲートユニット100の組み立て方法の一例を示す図である。
【0069】
セキュリティゲートユニット100を使用しない場合、図4の(a)および(b)に示すように、セキュリティゲートユニット100を構成する各部品は、3つの収納用ボックス102に分けて収納されている。具体的には、1つの収納用ボックス102につき、2体分のセキュリティゲート1の部品(4つの第1本体部10a−1、2つの第2本体部10a−2、8つの第1昇降部10b−1、4つの第2昇降部10b−2、2本のポール20、2枚のフラップ30)が収納されている。
【0070】
そして、上記部品が収納された収納用ボックス102を3段に重ねて、所定の保管場所に保管する。セキュリティゲートユニット100は、このように各部品をコンパクトにまとめて収納できることから、図4の(a)に示すような比較的狭いスペースに保管しておくことができる。
【0071】
セキュリティゲートユニット100を使用する場合、まず6体分のセキュリティゲート1を図4の(c)に示す方法で組み立てる。すなわち、2つの第1本体部10a−1について、それぞれの長手方向の側面を接触させることで連結させ、2つの第1本体部10a−1について、それぞれの短手方向の側面に第1昇降部10b−1を取り付ける。また、第1本体部10a−1における長手方向の他の側面に第2本体部10a−2の長手方向の側面を接触させることで、第1本体部10a−1と第2本体部10a−2とを連結させる。
【0072】
さらに、第2本体部10a−2の短手方向の側面に第2昇降部10b−2を取り付け、第2本体部10a−2の第1連結部10dにポール20の第2連結部20aを差し込むことで、セキュリティゲート1の組み立てが完了する。そして、このようなセキュリティゲート1の組み立てを6体分行い、完成した6体分のセキュリティゲート1を上述のように連結させることで、セキュリティゲートユニット100の組み立てが完了する。
【0073】
<第1表示部および第2表示部の表示態様>
次に、図5を参照して、第1表示部10cおよび第2表示部20cの表示態様について説明する。図5の(a)は、セキュリティゲート1が通行可能となった場合における、通行プロセス毎の第1・第2表示部10c・20cの表示態様の一例を示す表である。図5の(b)は、セキュリティゲート1が通行不可の場合における、通行プロセス毎の第1・第2表示部10c・20cの表示態様の一例を示す表である。
【0074】
(セキュリティゲートが通行可能となった場合)
図5の(a)に示すように、イベント会場に入場しようとする利用者700が認証部20dにチケットをかざす前の状態(以下、「利用者待ち状態」と表現する)、すなわち制御部40が認証部20dから通行可否情報を受信しない状態では、イベント会場入口側に設置された第1昇降部10b−1の第1表示部10cは、緑色に発光する。一方、イベント会場出口側に設置された第1昇降部10b−1の第1表示部10cは、赤色に発光する。また、ポール20に設けられた第2表示部20cの表示画面には、図形(四角形)が表示される。
【0075】
次に、利用者700が認証部20dにチケットをかざしてから認証部20dが該チケットの有効性を確認するまでの状態(以下、「利用者認証待ち状態」と表現する)では、上記2つの第1表示部10cおよび第2表示部20cの表示態様は、「利用者待ち状態」の表示態様と同様となる。
【0076】
次に、認証部20dによってチケットが有効であることが確認された場合、すなわち制御部40が認証部20dから通行可能情報を受信した状態(以下、「有効確認状態」と表現する)では、イベント会場入口側に設置された第1昇降部10b−1の第1表示部10cは、緑色に発光したままとなる。イベント会場出口側に設置された第1昇降部10b−1の第1表示部10cについても、緑色に発光する。また、第2表示部20cの表示画面には、矢印が表示される。
【0077】
次に、フラップ30が開く方向に回動している最中(以下、「第1回動状態」と表現する)、および前記フラップ30の回動が終了した後から利用者700が通路300の通行を終えるまでの状態(以下、「通行状態」)では、上記2つの第1表示部10cおよび第2表示部20cの表示態様は、「有効確認状態」の表示態様と同様となる。
【0078】
なお、利用者700が通路300の通行を終えた否かは、例えばプレート10の上面の略全ての領域に感圧センサ(不図示)を配置することによって検知することができる。検知結果は制御部40に送信される。利用者700が通路300の通行を終えたことは、感圧センサの他、例えば、ポール20に反射型の光電センサ(不図示)を設け、通路300における所定の空間エリアに利用者700が存在しなくなったことを検知することで判断してもよい。また例えば、投受光の光電センサ(不図示)を2つのポール20に対で設け、上記所定の空間エリアに利用者700が存在しなくなったことを検知することで判断してもよい。
【0079】
次に、開いたフラップ30が閉じる方向に回動している最中(以下、「第2回動状態」と表現する)では、イベント会場入口側に設置された第1昇降部10b−1の第1表示部10cは、赤色に発光する。イベント会場出口側に設置された第1昇降部10b−1の第1表示部10cについても、赤色に発光する。また、第2表示部20cの表示画面には、「×」印が表示される。第2回動状態終了後、所定時間経過することで、上記2つの第1表示部10cおよび第2表示部20cの表示態様は再び「利用者待ち状態」の表示態様となる。
【0080】
(セキュリティゲートが通行不可の場合)
図5の(b)に示すように、「利用者待ち状態」および「利用者認証待ち状態」における、イベント会場入口側に設置された第1昇降部10b−1の第1表示部10c、イベント会場出口側に設置された第1昇降部10b−1の第1表示部10c、およびポール20に設けられた第2表示部20cの表示態様は、図5の(a)と同様である。
【0081】
次に、認証部20dによってチケットが無効であることが確認された場合、すなわち制御部40が認証部20dから通行不可情報を受信した状態(以下、「無効確認状態」と表現する)では、イベント会場入口側に設置された第1昇降部10b−1の第1表示部10cは、赤色に発光する。
【0082】
一方、イベント会場出口側に設置された第1昇降部10b−1の第1表示部10cは、赤色に発光したままとする。また、第2表示部20cの表示画面には、「×」印が表示される。フラップ30は閉じた状態、すなわち通路300を塞いだ状態を維持する。無効確認状態終了後、所定時間経過することで、上記2つの第1表示部10cおよび第2表示部20cの表示態様は再び「利用者待ち状態」の表示態様となる。
【0083】
<セキュリティゲートの特徴的な動作>
次に、図6を参照して、セキュリティゲート1の特徴的な動作について説明する。図6は、セキュリティゲート1の特徴的な動作の流れの一例を示すフローチャートである。
【0084】
なお、図6に示すフローチャートにおいて、イベント会場入口側に設置された第1昇降部10b−1の第1表示部10cが緑色発光、イベント会場出口側に設置された第1昇降部10b−1の第1表示部10cが赤色発光、ポール20に設けられた第2表示部20cの表示画面が図形(四角形)の場合を第1態様とする。また、上記2つの第1表示部10cが緑色発光、第2表示部20cの表示画面が矢印の場合を第2態様とする。さらに、上記2つの第1表示部10cが赤色発光、第2表示部20cの表示画面が「×」印の場合を第3態様とする。
【0085】
まず、利用者700がセキュリティゲート1のプレート10上、あるいは該プレート10付近で入場待ちすることにより、図6に示すフローチャートの動作が開始される(START)。ステップS101(以下、「ステップ」を省略する)では、「利用者待ち状態」であることから、第1・第2表示部10c・20cの各表示態様は第1態様となっている。
【0086】
次に、利用者700が認証部20dにチケットをかざすことにより(S102:「利用者認証待ち状態」)、認証部20dがチケットの有効性を確認する(S103:「利用者認証待ち状態」)。S103でYESと判定した場合、認証部20dから通行可能情報を受信した制御部40は、第1・第2表示部10c・20cの各表示態様を第1態様から第2状態に切り替える(S104:「有効確認状態」)。制御部40は、通行状態が終わるまで第2態様を維持する。
【0087】
一方、S103でNOと判定した場合、認証部20dから通行不可情報を受信した制御部40は、第1・第2表示部10c・20cの各表示態様を第1態様から第3状態に切り替える(S110:「無効確認状態」)。第3態様への切り替え後、所定時間経過することで、制御部40は第1・第2表示部10c・20cの各表示態様を再び第1態様にする。
【0088】
第2態様への切り替え後、制御部40による回動制御によってフラップ30が開く方向に回動する(S105:「第1回動状態」)。なお、S104の動作およびS105の動作について、動作の順番を入れ替えてもよい。上記フラップ30の回動が完了し、プレート10の感圧センサによって利用者700の通行終了が検知されると(S106)、感圧センサから検知結果を受信した制御部40は、第1・第2表示部10c・20cの各表示態様を第2態様から第3態様に切り替える(S107)。また、制御部40は、フラップ30が閉まる方向に回動するよう、該フラップ30の回動を制御する(S108:「第2回動状態」)。
【0089】
フラップ30が閉じてから所定時間経過後、制御部40は第1・第2表示部10c・20cの各表示態様を再び第1態様にする(S109:「利用者待ち状態」、END)。
【0090】
なお、図6のフローチャートでは、認証部20dがチケットの有効性を判定し、制御部40に通行可否情報を送信する処理(S103、S104およびS110参照)となっているが、外部の入退出管理装置900が認証部20dで読み取られたチケットの識別情報から利用者700の通行可否を判断して、通行可否情報を制御部40に送信する処理を行ってもよい。
【0091】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、図7図11に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0092】
本実施形態に係るセキュリティゲート2は、第2表示部20cに代えて、第2メイン表示部21c−1および第2サブ表示部21c−2がポール20に設けられている点で、実施形態1に係るセキュリティゲート1と異なる。また、本実施形態に係るセキュリティゲート2は、制御部40に代えて制御部41がポール20に内蔵されている点でも、実施形態1に係るセキュリティゲート1と異なる。さらに、本実施形態に係るセキュリティゲート2は、ポール20に認証部20dが設けられていない点でも、実施形態1に係るセキュリティゲート1と異なる。
【0093】
<セキュリティゲートの概要>
まず、図7および図8を参照して、本発明の一実施形態に係るセキュリティゲート2の概要について説明する。図7は、セキュリティゲートユニット100の概略図である。図8は、セキュリティゲート2における、各表示部の表示態様およびフラップ30の回動態様の一例を示す図である。
【0094】
図7に示すように、セキュリティゲート2は、駅における所定の窓口付近に設置される。具体的には、セキュリティゲート2は、プレート10が上記窓口付近の床600の上に配置され、プレート10にポール20が立てられることによって上記窓口付近に設置される。
【0095】
また、ポール20の係止部20bにベルトパーテーション200から繰り出したベルト201の先端を引っ掛け、他の複数のベルトパーテーション200についてもそれぞれベルト201で繋ぐことで、平面視でコ字形状の通路400が形成されている。
【0096】
図8に示すように、ポール20における、第2連結部20aが設けられている側の端部と反対側の端部の端面には、第2メイン表示部21c−1が設けられている。第2メイン表示部21c−1の表示画面には、係員が対応可能となった窓口の窓口番号が表示される。
【0097】
また、ポール20における、第2連結部20aが設けられている側の端部と反対側の端部の側面には、第2サブ表示部21c−2が設けられている。特定の窓口で係員が対応可能となった場合、第2サブ表示部21c−2の表示画面には特定の窓口が存在する方向、換言すれば、通路400の通行後に利用者700が進行すべき方向が表示される。
【0098】
図7および図8に示す例では、第2メイン表示部21c−1の表示画面に窓口番号「2」が表示されている。ここで、窓口番号「2」の窓口はセキュリティゲート2に対して紙面向かって左側の位置にあることから、第2サブ表示部21c−2の表示画面には、紙面向かって左方向を指す矢印「←」が表示される。また、通路400の通行が可能となったことから、フラップ30は図8に示すように通路400を開く方向に回動する(図中の太線矢印参照)。
【0099】
ここで、図7および図8には図示されていないものの、プレート10にはセキュリティゲート2と外部電源(不図示)とを電気的に接続するための電源接続部が設けられている。また、プレート10の第1連結部10dの内側面、およびポール20の第2連結部20aの側面のそれぞれには、第1連結部10dと第2連結部20aとが連結した状態において互いに接触する導通部位が設けられている。この導通部位の接触によって、プレート10とポール20とが導通する。
【0100】
なお、本実施形態では、第2サブ表示部21c−2の表示画面には通路400の通行後に利用者700が進行すべき方向が表示されるが、例えば実施形態1に係る第2表示部20cと同様に、通路400が通行可能であるという事実を示す矢印(図5参照)を、上記表示画面に表示させてもよい。この場合、上記矢印が示す方向と通路400の通行後に利用者700が進行すべき方向とは、必ずしも一致していなくてもよい。
【0101】
また例えば、上述のような利用者700が進行すべき方向の表示は、第2メイン表示部21c−1でなされてもよい。この場合、係員が対応可能となった窓口の窓口番号の表示は、第2サブ表示部21c−2でなされる。
【0102】
さらには、第2メイン表示部21c−1および第2サブ表示部21c−2の両方がポール20に設けられている必要は必ずしもない。例えば、第2メイン表示部21c−1のみがポール20に設けられていてもよいし、第2サブ表示部21c−2のみがポール20に設けられていてもよい。これらの場合、第2メイン表示部21c−1の表示画面、および第2サブ表示部21c−2の表示画面のそれぞれには、係員が対応可能となった窓口の窓口番号が表示される。
【0103】
<セキュリティゲートの機能的構成>
次に、図9を参照して、本発明の一実施形態に係るセキュリティゲート2の機能的構成について説明する。図9は、セキュリティゲート2の機能的構成を示す機能ブロック図である。図9に示すように、セキュリティゲート2のポール20には、制御部41が内蔵されている。
【0104】
制御部41は、各窓口に設置された通信装置800のいずれかから通行可能情報を受信することにより、第1表示部10c、第2メイン表示部21c−1および第2サブ表示部21c−2に通行可否に係る判定結果を表示させる。さらには、通行可能情報に基づいてフラップ30の回動を制御する。ここで、通行可能情報には、該通行可能情報の送信元の通信装置800が設置されている窓口の窓口番号が含まれる。
【0105】
具体的には、制御部41は、通信装置800のいずれかから通行可能情報を受信することにより、第2メイン表示部21c−1の表示画面に該通信装置800が設置されている窓口の窓口番号を表示させる。また、制御部41は第2サブ表示部21c−2の表示画面に利用者700が進行すべき方向を示す矢印を表示させる。第1表示部10cの表示制御、およびフラップ30の回動制御については、制御部40と同様である。
【0106】
一方、通信装置800のいずれからも通行可能情報を受信しない状態、すなわち対応可能な窓口がない場合においては、制御部41は、通路400側に設置された第1昇降部10b−1の第1表示部10cが赤色に発光するよう、LEDの点灯を制御する。窓口側に設置された第1昇降部10b−1の第1表示部10cについても赤色に発光するよう、LEDの点灯を制御する。また、制御部41は、第2メイン表示部21c−1の表示画面を消灯するとともに、第2サブ表示部21c−2の表示画面に「−」印を表示させる。フラップ30の回動制御については、制御部40と同様である。
【0107】
なお、本実施形態では、通信装置800と制御部41とが無線接続されている場合を想定して説明しているが、通信装置800と制御部41とは有線接続されていてもよい。図9に示すように、通信装置800に送信部800aが内蔵されているとともに、制御部41に受信部41aが内蔵されており、無線接続および有線接続のいずれの場合においても、送信部800aと受信部41aとの間で通行可能情報の送受信が行われる。
【0108】
また、制御部41が複数の窓口から通行可能情報を順次受信した場合、制御部41は、早く受信した通行可能情報の順番で、第2メイン表示部21c−1の表示画面に窓口番号を、第2サブ表示部21c−2の表示画面に矢印をそれぞれ表示させる。窓口番号・矢印の表示切替は、利用者700が通路400を通行し終えた旨の検知結果を制御部41が受信することにより行われる。
【0109】
さらに、制御部41から複数の窓口から通行可能情報を同時に受信した場合、制御部41は、セキュリティゲート2からの距離が近い窓口に対応する通行可能情報の順番で、第2メイン表示部21c−1の表示画面に窓口番号を、第2サブ表示部21c−2の表示画面に矢印をそれぞれ表示させる。窓口番号・矢印の表示切替は、上述の通行可能情報を順次受信した場合と同様である。
【0110】
<第1表示部、第2メイン表示部および第2サブ表示部の表示態様>
次に、図10を参照して、第1表示部10c、第2メイン表示部21c−1および第2サブ表示部21c−2の表示態様について説明する。図10は、セキュリティゲート2が通行可能となった場合における、通行プロセス毎の第1表示部10c、第2メイン表示部21c−1および第2サブ表示部21c−2の表示態様の一例を示す表である。
【0111】
なお、図10の各通行プロセスは、いずれか1つの窓口の通信装置800から通行可能情報が送信された場合を想定している。図11のフローチャートについても同様である。
【0112】
図10に示すように、利用者700が順番待ちをしている状態(以下、「順番待ち状態」と表現する)、すなわち制御部41がいずれの通信装置800からも通行可能情報を受信しない状態では、通路400側に設置された第1昇降部10b−1の第1表示部10cは、赤色に発光する。窓口側に設置された第1昇降部10b−1の第1表示部10cについても、赤色に発光する。また、第2メイン表示部21c−1の表示画面は消灯され、第2サブ表示部21c−2には「−」印が表示される。
【0113】
次に、特定の窓口の通信装置800から通行可能情報が送信されると、通路400側に設置された第1昇降部10b−1の第1表示部10cが、緑色に発光する。窓口側に設置された第1昇降部10b−1の第1表示部10cについても、緑色に発光する。また、第2メイン表示部21c−1の表示画面には、上記特定の窓口の窓口番号(図10では「2」)が表示される。第2サブ表示部21c−2の表示画面には、上記特定の窓口が存在する方向(図10では「←」)が表示される。
【0114】
次に、第1回動状態および通行状態では、上記2つの第1表示部10c、第2メイン表示部21c−1および第2サブ表示部21c−2の表示態様は、特定の窓口の通信装置800から通行可能情報が送信された時点の表示態様と同様となる。
【0115】
次に、第2回動状態では、通路400側に設置された第1昇降部10b−1の第1表示部10cは、赤色に発光する。窓口側に設置された第1昇降部10b−1の第1表示部10cについても、赤色に発光する。また、第2メイン表示部21c−1の表示画面は消灯され、第2サブ表示部21c−2の表示画面には、「×」印が表示される。第2回動状態終了後、所定時間経過することで、上記2つの第1表示部10c、第2メイン表示部21c−1、および第2サブ表示部21c−2の表示態様は、再び「順番待ち状態」の表示態様となる。
【0116】
<セキュリティゲートの特徴的な動作>
次に、図11を参照して、セキュリティゲート2の特徴的な動作について説明する。図11は、セキュリティゲート2の特徴的な動作の流れの一例を示すフローチャートである。
【0117】
なお、図11に示すフローチャートにおいて、通路400側に設置された第1昇降部10b−1の第1表示部10cが赤色発光、窓口側に設置された第1昇降部10b−1の第1表示部10cが赤色発光、第2メイン表示部21c−1の表示画面が消灯、第2サブ表示部21c−2の表示画面が「−」の場合を第4態様とする。
【0118】
また、上記2つの第1表示部10cが緑色点灯、第2メイン表示部21c−1の表示画面が窓口番号、第2サブ表示部21c−2の表示画面が矢印の場合を第5態様とする。さらに、上記2つの第1表示部10cが赤色点灯、第2メイン表示部21c−1の表示画面が消灯、第2サブ表示部21c−2の表示画面が「×」印の場合を第6態様とする。
【0119】
まず、利用者700がセキュリティゲート1のプレート10上、あるいは該プレート10付近で順番待ちすることにより、図11に示すフローチャートの動作が開始される(START)。S201では、「順番待ち状態」であることから、第1表示部10c、第2メイン表示部21c−1および第2サブ表示部21c−2の各表示態様は第4態様となっている。
【0120】
次に、制御部41が特定の窓口の通信装置800から通行可能情報を受信すると(S202)、制御部41は、第1表示部10c、第2メイン表示部21c−1および第2サブ表示部21c−2の各表示態様を第4態様から第5態様に切り替える(S203)。制御部41は、通行状態が終わるまで第5態様を維持する。
【0121】
第5態様への切り替え後、制御部41による回動制御によってフラップ30が開く方向に回動する(S204:「第1回動状態」)。上記フラップ30の回動が完了し、プレート10の感圧センサによって利用者700の通行終了が検知されると(S205)、感圧センサから検知結果を受信した制御部41は、第1表示部10c、第2メイン表示部21c−1および第2サブ表示部21c−2の各表示態様を第5態様から第6態様に切り替える(S206)。また、制御部41は、フラップ30が閉まる方向に回動するよう、該フラップ30の回動を制御する(S207:「第2回動状態」)。
【0122】
フラップ30が閉じてから所定時間経過後、制御部41は、第1表示部10c、第2メイン表示部21c−1および第2サブ表示部21c−2の各表示態様を再び第4態様にする(S208:「順番待ち状態」、END)。
【0123】
〔ソフトウェアによる実現例〕
セキュリティゲート1・2の制御ブロック(特に制御部40・41)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0124】
後者の場合、セキュリティゲート1・2は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムおよび各種データがコンピュータ(またはCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)または記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを備えている。そして、コンピュータ(またはCPU)が上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0125】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0126】
1、2 セキュリティゲート
10 プレート
10c 第1表示部
10d 第1連結部
20、21 ポール(支柱)
20a 第2連結部
20b 係止部
20c 第2表示部
21c−1 第2メイン表示部(第2表示部)
21c−2 第2サブ表示部(第2表示部)
30 フラップ
40、41 制御部
100 セキュリティゲートユニット
200 ベルトパーテーション(ポールパーテーション)
201 ベルト
300、400 通路
500、600 床
700 利用者
図1
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