(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記キャップユニットは、前記蓋体が前記通液口を閉塞する方向に、前記回動部材、前記スライド部材、又は前記蓋体の何れかを付勢する付勢部材を備えることを特徴とする請求項1に記載の卓上ポット。
前記蓋開閉機構は、前記蓋体が前記通液口を閉塞した状態から更に、前記スライド部材が前記スライド方向の一方側にスライドされることによって、前記蓋体と前記スライド部材とのうち、何れか一方に設けられた係止部が、何れ他方に設けられた被係止部に係止され、前記蓋体の前記通液口を開放する方向への回動が阻止される構造を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の卓上ポット。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施形態)
先ず、本発明の第1の実施形態として、例えば
図1〜
図8に示すキャップユニット1Aを備えた卓上ポット100について説明する。
【0011】
なお、
図1は、卓上ポット100が備えるキャップユニット1Aの閉塞状態を示す側面図である。
図2は、キャップユニット1Aの閉塞状態を示す断面図である。
図3は、キャップユニット1Aの閉塞状態を示す上面図である。
図4は、キャップユニット1Aが備える蓋開閉機構19の閉塞状態を示す断面図である。
図5は、キャップユニット1Aの開放状態を示す側面図である。
図6は、キャップユニット1Aの開放状態を示す断面図である。
図7は、キャップユニット1Aの開放状態を示す上面図である。
図8は、キャップユニット1Aが備える蓋開閉機構19の開放状態を示す断面図である。なお、
図2は、
図3中の線分I−Iに示す位置における断面を表し、
図4は、
図3中の線分II−IIに示す位置における断面を表している。また、
図6は、
図7中の線分III−IIIに示す位置における断面を表し、
図8は、
図7中の線分IV−IVに示す位置における断面を表している。
【0012】
本実施形態の卓上ポット100は、
図1〜
図8に示すように、本実施形態のキャップユニット1Aと、このキャップユニット1Aが着脱自在に取り付けられる容器本体2とを備えている。卓上ポット100は、真空断熱構造を有する容器本体2によって、この容器本体2に収容された飲料(内容物)を保温又は保冷することが可能なキャップ付き容器である。
【0013】
具体的に、この容器本体2は、例えばステンレス等からなる有底筒状の外容器3及び内容器4を有し、外容器3の内側に内容器4を収容した状態で互いの口元部を接合した二重構造の容器により構成されている。また、外容器3と内容器4との間には、真空断熱層5が設けられている。真空断熱層5は、例えば、高真空に減圧(真空引き)されたチャンバー内で、外容器3の底面中央部に設けられた脱気孔を塞ぐことによって形成することができる。
【0014】
容器本体2は、略円形状の底面部2aと、底面部2aの外周から略筒状に起立した胴部2bと、胴部2bの上部側において縮径された略円筒状の口頸部2cとを有している。また、口頸部2cの上端部は、容器本体2の上部開口部2dとして、円形状に開口している。また、口頸部2cの内周面は、胴部2bの内周面よりも縮径されている。さらに、口頸部2cの内周面には、リング状の張出部6が全周に亘って突出して設けられている。
【0015】
なお、本実施形態の卓上ポット100は、全体として寸胴且つ胴部2bの上部側において縮径された略円筒状の外観形状を有しているが、卓上ポット100の外観形状については、特に限定されるものではなく、サイズやデザイン等に合わせて、適宜変更を加えることが可能である。また、容器本体2の外周面には、塗装や印刷等が施されていてもよい。
【0016】
本実施形態のキャップユニット1Aは、容器本体2の上部開口部2dを閉塞する栓体を構成するものである。具体的に、このキャップユニット1Aは、キャップ本体7と、キャップ本体7に第1のヒンジ部8を介して回動自在に取り付けられた蓋体9とを備えている。なお、キャップユニット1Aでは、図示を省略するものの、キャップ本体7の上部を覆うカバー部材を設けた構成としてもよい。
【0017】
キャップ本体7は、取手部10が設けられた外側キャップ11と、注ぎ口となる通液口12が設けられた内側キャップ13とを備えている。なお、以下の説明では、キャップ本体7の取手部10が設けられた側を卓上ポット100の「後側(背面側)」とし、それとは反対側を卓上ポットの「前側(正面側)」として説明する。
【0018】
外側キャップ11は、例えばポリプロピレン等の耐熱性樹脂からなる。外側キャップ11は、容器本体2の胴部2bと連続するように略円筒状に形成された周壁部11aを有している。取手部10は、この周壁部11aの外周部から突出し、下方に延長して設けられている。
【0019】
外側キャップ11(キャップ本体7)は、容器本体2の口頸部2cに密閉パッキン14を介して着脱自在に取り付けられている。密閉パッキン14は、リング状のシール部材であり、例えばシリコーンゴム等の耐熱性を有するゴムやエラストマーなどの弾性部材からなる。密閉パッキン14は、周壁部11aの内側に設けられたリング状の溝部11bに嵌め付けられている。また、密閉パッキン14は、この溝部11bの内面に沿った形状を有している。
【0020】
外側キャップ11(キャップ本体7)は、密閉パッキン14を介して周壁部11aの溝部11bに口頸部2cの上端部が嵌め付けられることによって、容器本体2の口頸部2cに取り付けられている。
【0021】
なお、外側キャップ11(キャップ本体7)は、上述した容器本体2の口頸部2cに嵌め付けにより着脱自在に取り付けられる構成に限らず、周壁部11aの内周面に設けられた雌ネジ部と、口頸部2cの外周面に設けられた雄ネジ部との螺合によって、容器本体2に対して着脱自在に取り付けられる構成としてもよい。
【0022】
また、キャップ本体7は、外側キャップ11と内側キャップ13とに分割可能な構成となっているが、外側キャップ11と内側キャップ13とを一体化に形成することも可能である。
【0023】
内側キャップ13は、例えばポリプロピレン等の耐熱性樹脂からなる。内側キャップ13は、周壁部11a(外側キャップ11)の上部を覆う略円板状の上壁部13aと、周壁部11a(外側キャップ11)の内側を閉塞する略円筒状の中栓13bとを有している。
【0024】
内側キャップ13は、外側キャップ11の周壁部11aに螺合により着脱自在に取り付けられている。このため、周壁部11aの内周面には、雌ネジ部15が設けられている。一方、中栓13bの外周面には、雌ネジ部15と螺合される雄ネジ部16が設けられている。
【0025】
通液口12は、キャップ本体7の上部(内側キャップ13の上壁部13a)における前側付近を貫通する断面円形状の孔部12aを有している。また、通液口12は、この孔部12aから上方に向けて漸次拡径されたテーパー状の広口部12bを有している。さらに、通液口12は、この広口部12bの一端(前端)側から上壁部13aよりも上方且つ周壁部11aよりも前方に突出された鍔部12cを有している。キャップユニット1Aでは、このような形状の通液口12を設けることによって、容器本体2から通液口12を通して流出される飲料(内容物)を注ぎ易くすることができる。
【0026】
一方、中栓13bには、容器本体2内の飲料(内容物)を通液口12(孔部12a)へと導く通液路13cが設けられている。通液路13cは、通液口12(孔部12a)から中栓13bの下端に向かって拡径された形状を有している。
【0027】
中栓13bの下端部には、止水パッキン17が着脱自在に取り付けられている。止水パッキン17は、リング状のシール部材であり、上記密閉パッキン14と同様に、例えばシリコーンゴム等の耐熱性を有するゴムやエラストマーなどの弾性部材からなる。一方、中栓13bの下端部には、フランジ部13dが拡径方向に突出して設けられている。止水パッキン17は、このフランジ部13dに全周に亘って嵌め付けられている。
【0028】
また、止水パッキン17の外周面には、弾性フランジ部17aが拡径方向に突出して設けられている。止水パッキン17は、外側キャップ11に内側キャップ13が取り付けられた際に、弾性フランジ部17aが弾性変形しながら、容器本体2の張出部6に全周に亘って密着した状態となる。これにより、張出部6(容器本体2)と内側キャップ13(キャップ本体7)との間を密閉することが可能となっている。
【0029】
一方、止水パッキン17は、それ自体を弾性変形させる(引っ張り伸ばす)ことによって、フランジ部13dから取り外すことが可能である。これにより、止水パッキン17と内側キャップ13とをそれぞれ別々に洗浄することができ、止水パッキン17とフランジ部13dとの間を衛生的に保つことができる。
【0030】
なお、止水パッキン17については、上述した形状のものに必ずしも限定されるものではなく、例えば、弾性フランジ部17aの数については、上述した1つに限らず、複数とすることも可能である。また、止水パッキン17は、上述した弾性フランジ部17aが設けられた構成に必ずしも限定されるものではなく、その形状等について適宜変更を加えることが可能である。
【0031】
第1のヒンジ部8は、キャップ本体7(内側キャップ13)の後側の上面(上壁部13a)に設けられている。第1のヒンジ部8は、キャップ本体7の前後方向に沿って配置された蓋体9の基端(後端)側を回動自在に支持している。
【0032】
蓋体9は、通液口12を開閉するものであり、例えばポリプロピレン(PP)等の耐熱性樹脂からなる。蓋体9は、通液口12の上部を覆う蓋部9aと、通液口12の内側を閉塞する栓部9bとを有している。蓋部9aは、略矩形平板に形成されている。栓部9bは、蓋部9aの先端側から下方に突出して設けられている。
【0033】
栓部9bの先端(下端)には、蓋パッキン18が着脱自在に取り付けられている。蓋パッキン18は、有底筒状のシール部材であり、上記密閉パッキン14や止水パッキン17と同様に、例えばシリコーンゴム等の耐熱性を有するゴムやエラストマーなどの弾性部材からなる。蓋パッキン18の内周面には、リング状の突部18aが全周に亘って設けられている。また、蓋パッキン18の下面は、ドーム状に形成されている。一方、栓部9bの外周面には、リング状の溝部9cが全周に亘って設けられている。
【0034】
蓋パッキン18は、その内側に栓部9bを嵌め込むことによって、溝部9cに突部18aが係合された状態となる。これにより、栓部9bの先端(下端)に蓋パッキン18を取り付けることが可能となっている。
【0035】
蓋パッキン18は、蓋体9が通液口12を閉塞したときに、弾性変形しながら、通液口12の孔部12aの周囲に密着した状態となる。これにより、通液口12と栓部9bとの間を密閉(閉栓)することが可能となっている。
【0036】
一方、蓋パッキン18は、栓部9b(蓋体9)から取り外すことも可能である。これにより、蓋パッキン18と栓部9b(蓋体9)とをそれぞれ別々に洗浄することができ、蓋パッキン18と栓部9b(蓋体9)との間を衛生的に保つことができる。
【0037】
キャップユニット1Aは、取手部10の上端側に位置して、蓋体9を手動で開閉操作するための蓋開閉機構19を備えている。蓋開閉機構19は、キャップ本体7に第2のヒンジ部20を介して回動自在に取り付けられた回動部材21と、キャップ本体7にガイド部22を介してスライド自在に取り付けられたスライド部材23とを有している。
【0038】
第2のヒンジ部20は、内側キャップ13の後端から取手部10の上端に向かって延長された延長部13eに設けられている。第2のヒンジ部20は、取手部10の上下方向に沿って配置された回動部材21の中間部を回動自在に支持している。
【0039】
回動部材21は、例えばポリプロピレン(PP)等の耐熱性樹脂からなり、略矩形平板状に形成されている。第2のヒンジ部20は、この回動部材21における両側端の中間部に設けられている。これにより、回動部材21は、取手部10の上端の背面側に位置して、その上端(一端)側と下端(他端)側との間が第2のヒンジ部20を介して回動自在に支持されている。
【0040】
ガイド部22は、上壁部13aに位置する一対の前側ガイド部22aと、延長部13eに位置する一対の後側ガイド部22bとを有している。ガイド部22は、前側ガイド部22aと後側ガイド部22bとの間で、スライド部材23の両側端を保持しながら、キャップ本体7の前後方向にスライド部材23をスライド自在に支持している。
【0041】
スライド部材23は、例えばポリプロピレン(PP)等の耐熱性樹脂からなる。スライド部材23は、互いに平行に並んで配置された一対の前側ラック部23aと、一対の前側ラック部23aの後端側を連結すると共に、その連結位置から延長部13eに沿って延長されたスライド部23bと、スライド部23bの後端側の両側端に配置された一対の後側ラック部23cとを有している。
【0042】
スライド部材23は、一対の前側ガイド部22aに一対の前側ラック部23aが保持され、一対の後側ガイド部22bに一対の後側ラック部23cが保持されることによって、キャップ本体7の前後方向にスライド可能となっている。
【0043】
蓋開閉機構19では、蓋体9の後端(基端)側とスライド部材23の前端(一端)側とのうち、何れか一方(本実施形態では蓋体9の後端側)に設けられた第1の係合部24と、何れか他方(本実施形態ではスライド部材23の前端側)に設けられた第1の被係合部25とが互いに係合されることによって、蓋体9の後端側とスライド部材23の前端側とが連結されている。
【0044】
第1の係合部24は、蓋体9の両側端から外側に突出された一対のガイドピン24aからなる。一対のガイドピン24aは、蓋体9が閉状態(例えば
図2を参照。)において、蓋体9の回動中心(第1のヒンジ部8)よりも僅かに前側に位置して設けられている。一方、第1の被係合部25は、一対の前側ラック部23a(スライド部材23)の互いに対向する側面(内側面)において、一対のガイドピン24aが係合される一対のガイドスリット25aからなる。一対のガイドスリット25aは、蓋体9が回動したときに一対のガイドピン24aを案内するため、これら一対のガイドピン24aが移動する軌跡に合わせて切り欠き形成されている。
【0045】
これにより、蓋体9は、スライド部材23のスライドに連動して、一対のガイドスリット25a内を一対のガイドピン24aが相対移動することによって、通液口12を閉塞する位置と通液口12を開放する位置との間で回動可能となっている。
【0046】
なお、本実施形態では、上述した蓋体9の後端(基端)側に第1の係合部24(ガイドピン24a)を設け、スライド部材23の前端(一端)側に第1の被係合部25(ガイドスリット25a)を設けた構成となっているが、それとは逆の構成、すなわち、蓋体9の後端(基端)側に第1の被係合部25(ガイドスリット25a)を設け、スライド部材23の前端(一端)側に第1の係合部24(ガイドピン24a)を設けた構成とすることも可能である。また、第1の係合部24と第1の被係合部25とは、上述したガイドピン24aがガイドスリット25aに係合される構成に限らず、互いの係合構造を適宜変更することが可能である。
【0047】
また、蓋開閉機構19では、回動部材21の上端(一端)側とスライド部材23の後端(他端)側とのうち、何れか一方(本実施形態では回動部材21の上端側)に設けられた第2の係合部26と、何れか他方(本実施形態ではスライド部材23の後端側)に設けられた第2の被係合部27とが互いに係合されることによって、回動部材21の上端側とスライド部材23の後端側とが連結されている。
【0048】
第2の係合部26は、回動部材21の両側端の上部から外側に突出された一対のガイド片26aからなる。一方、第2の被係合部27は、一対の後側ラック部23c(スライド部材23)の互いに対向する側面(内側面)において、一対のガイド片26aが係合される一対のガイド溝27aからなる。一対のガイド溝27aは、回動部材21が回動したときに一対のガイド片26aを案内するため、これら一対のガイド片26aが移動する軌跡に合わせて切り欠き形成されている。
【0049】
これにより、スライド部材23は、回動部材21の回動に連動して、一対のガイド溝27a内を一対のガイド片26aが相対移動することによって、キャップ本体7の前後方向にスライド可能となっている。
【0050】
なお、本実施形態では、上述した回動部材21の上端(一端)側に第2の係合部26(ガイド片26a)を設け、スライド部材23の後端(他端)側に第2の被係合部27(ガイド溝27a)を設けた構成となっているが、それとは逆の構成、すなわち、回動部材21の上端(一端)側に第2の被係合部27(ガイド溝27a)を設け、スライド部材23の後端(他端)側に第2の係合部26(ガイド片26a)を設けた構成とすることも可能である。また、第2の係合部26と第2の被係合部27とは、上述したガイド片26aがガイド溝27aに係合される構成に限らず、互いの係合構造を適宜変更することが可能である。
【0051】
蓋開閉機構19では、回動部材21の下端(他端)側を押圧しながら一の方向に回動操作することによって、回動部材21の回動に連動して、スライド部材23がスライド方向の後方(一方)側に向けてスライドされると共に、スライド部材23のスライドに連動して、蓋体9が通液口12を開放する方向(以下、開方向という。)に回動される。
【0052】
一方、蓋開閉機構19では、回動部材21の上端(一端)側を押圧しながら他の方向に回動操作することによって、回動部材21の回動に連動して、スライド部材23がスライド方向の前方(他方)側に向けてスライドされると共に、スライド部材23のスライドに連動して、蓋体9が通液口12を閉塞する方向(以下、閉方向という。)に回動される。
【0053】
蓋開閉機構19は、蓋体9とスライド部材23とのうち、何れか一方(本実施形態では蓋体9)に設けられた係止部28と、何れ他方(本実施形態ではスライド部材23)に設けられた被係止部29とを有している。
【0054】
係止部28は、蓋部9a(蓋体9)の先端側の両側端から外側に突出された一対の係止ピン28aからなる。一方、被係止部29は、一対の前側ラック部23a(スライド部材23)の互いに対向する側面(内側面)において、一対の係止ピン28aが係止される一対の係止スリット29aからなる。一対の係止スリット29aは、蓋体9が通液口12を閉塞した位置にて一対の係止ピン28aが挿入され、この位置から更に、スライド部材23がスライド方向の前方(他方)側にスライドしたときに、一対の係止ピン28aが係止されるように、これら一対の係止ピン28aが移動する軌跡に合わせて切り欠き形成されている。
【0055】
蓋開閉機構19では、蓋体9が通液口12を閉塞した状態から更に、スライド部材23がスライド方向の前方(他方)側にスライドされることによって、係止ピン28a(係止部28)が係止スリット29a(被係止部29)に係止され、蓋体9の通液口12を開放する方向への回動が阻止される。
【0056】
なお、本実施形態では、上述した蓋体9側に係止部28(係止ピン28a)を設け、スライド部材23側に被係止部29(係止スリット29a)を設けた構成となっているが、それとは逆の構成、すなわち、蓋体9側に被係止部29(係止スリット29a)を設け、スライド部材23側に係止部28(係止ピン28a)を設けた構成とすることも可能である。また、係止部28と被係止部29とは、上述した係止ピン28aが係止スリット29に係止される構成に限らず、互いの係止構造を適宜変更することが可能である。
【0057】
以上のように、本実施形態のキャップユニット1Aでは、上述した取手部10を片手で把持しながら、取手部10の上端側に位置する回動部材21を回動操作することによって、蓋体9を手動で開閉することができる。また、このキャップユニット1Aを備える卓上ポット100では、蓋体9をゆっくりと開けたり、蓋体9を途中まで開けたりする操作を取手部10を持ちながら、片手で行うことが可能である。
【0058】
以上のようにして、本実施形態のキャップユニット1Aでは、蓋体9を開閉する際の操作性を向上させることが可能である。また、本実施形態のキャップユニット1Aでは、キャップ本体7の外側に蓋体9や蓋開閉機構19が配置されているため、通液路13cから孔部12aまでの間に閉空間がなく非常に洗浄し易くなっている。したがって、このようなキャップユニット1Aを備える卓上ポット100では、このキャップユニット1Aの洗浄性を高めると共に、使い勝手の更なる向上を図ることが可能である。
【0059】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態として、例えば
図9〜
図16に示すキャップユニット1Bを備えた卓上ポット100について説明する。なお、以下の説明では、上記キャップユニット1Aと同等の部位については、説明を省略すると共に、図面において同じ符号を付すものとする。
【0060】
なお、
図9は、卓上ポット100が備えるキャップユニット1Bの閉塞状態を示す側面図である。
図10は、キャップユニット1Bの閉塞状態を示す断面図である。
図11は、キャップユニット1Bの閉塞状態を示す上面図である。
図12は、キャップユニット1Bが備える蓋開閉機構19の閉塞状態を示す断面図である。
図13は、キャップユニット1Bの開放状態を示す側面図である。
図14は、キャップユニット1Bの開放状態を示す断面図である。
図15は、キャップユニット1Bの開放状態を示す上面図である。
図16は、キャップユニット1Bが備える蓋開閉機構19の閉塞状態を示す断面図である。なお、
図10は、
図11中の線分I−Iに示す位置における断面を表し、
図4は、
図3中の線分II−IIに示す位置における断面を表している。また、
図14は、
図15中の線分III−IIIに示す位置における断面を表し、
図16は、
図15中の線分IV−IVに示す位置における断面を表している。
【0061】
本実施形態のキャップユニット1Bは、上記キャップユニット1Aの代わりに、容器本体2に取り付けられることによって、上記卓上ポット100を構成するものである。
【0062】
具体的に、このキャップユニット1Bは、
図9〜
図16に示すように、上記キャップユニット1Aの構成に加えて、蓋体9が通液口12を閉塞する方向に付勢する付勢部材30が設けられた構成となっている。また、それ以外の構成については、上記キャップユニット1Aと基本的に同じ構成を有している。
【0063】
付勢部材30は、複数のコイルバネ30aからなり、スライド部材23をスライド方向の前方(他方)側に向けて付勢している。複数のコイルバネ30aは、スライド部材23側に設けられた一方のバネ受部31aと、キャップ本体7側に設けられた他方のバネ受部31bとの間に圧縮された状態で配置されている。
【0064】
一方のバネ受部31aは、スライド部材23の前側ラック部23aとスライド部23bとの間の上面に設けられている。他方のバネ受部31bは、上壁部13aの一方のバネ受部31aよりも後側の上面に設けられている。スライド部材23のスライド部23bには、他方のバネ受部31bを貫通させる開口部23dが設けられている。
【0065】
この構成の場合、上述した回動部材21の下端(他端)側を押圧する操作を解除することによって、複数のコイルバネ30a(付勢部材30)の付勢によりスライド部材23が前方(他方)側に向けてスライドされるため、蓋体9を閉方向に速やかに回動させることが可能である。
【0066】
すなわち、本実施形態のキャップユニット1Bでは、回動部材21の下端(他端)側を押圧する操作と、回動部材21の下端(他端)側に対する押圧を解除する操作とによって、蓋体9を手動で開閉操作することが可能である。
【0067】
なお、本実施形態では、蓋体9が通液口12を閉塞する方向に付勢するため、上述した付勢部材30によってスライド部材23をスライド方向の前方(他方)側に向けて付勢する構成となっているが、このような構成に必ずしも限定されるものではない。
【0068】
例えば、第1のヒンジ部8に設けられた付勢部材によって、蓋体9が通液口12を閉塞する方向(閉方向)に付勢する構成とすることも可能である。また、第2のヒンジ部20に設けられた付勢部材によって、回動部材21を他の方向に付勢する構成とすることも可能である。
【0069】
なお、第1のヒンジ部8や第2のヒンジ部20に設けられる付勢部材については、捻りコイルバネなどのバネ部材や、ゴム又はエラストマー等の弾性部材などを用いることができる。
【0070】
以上のように、本実施形態のキャップユニット1Bでは、上記キャップユニット1Aと同様に、取手部10を片手で把持しながら、取手部10の上端側に位置する回動部材17を回動操作することによって、蓋体9を手動で開閉することができる。また、このキャップユニット1Bを備える卓上ポット100では、蓋体9をゆっくりと開けたり、蓋体9を途中まで開けたりする操作を取手部10を持ちながら、片手で行うことが可能である。
【0071】
以上のようにして、本実施形態のキャップユニット1Bでは、蓋体9を開閉する際の操作性を向上させることが可能である。また、本実施形態のキャップユニット1Bでは、キャップ本体7の外側に蓋体9や蓋開閉機構19が配置されているため、通液路13cから孔部12aまでの間に閉空間がなく非常に洗浄し易くなっている。したがって、このようなキャップユニット1Bを備える卓上ポット100では、このキャップユニット1Bの洗浄性を高めると共に、使い勝手の更なる向上を図ることが可能である。
【0072】
なお、本発明は、上記実施形態のものに必ずしも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
すなわち、上記実施形態では、上述した真空断熱構造を有する容器本体2によって保温・保冷機能を持たせた卓上ポット100に本発明を適用した場合を例示しているが、このような真空断熱構造を有する容器本体2を備えたものに必ずしも限定されるものではない。すなわち、本発明は、キャップユニットが容器本体の口頸部に着脱自在に取り付けられる卓上ポットに対して幅広く適用することが可能である。