特許第6837382号(P6837382)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6837382
(24)【登録日】2021年2月12日
(45)【発行日】2021年3月3日
(54)【発明の名称】手摺開口幅測定装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   B66B 31/00 20060101AFI20210222BHJP
   B66B 31/02 20060101ALI20210222BHJP
   G01B 5/14 20060101ALI20210222BHJP
【FI】
   B66B31/00 D
   B66B31/02 Z
   G01B5/14
【請求項の数】8
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-93291(P2017-93291)
(22)【出願日】2017年5月9日
(65)【公開番号】特開2018-188280(P2018-188280A)
(43)【公開日】2018年11月29日
【審査請求日】2020年2月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルテクノサービス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】元木 喬介
【審査官】 有賀 信
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−043713(JP,A)
【文献】 実開平06−082503(JP,U)
【文献】 特開2002−211872(JP,A)
【文献】 特開2000−346603(JP,A)
【文献】 米国特許第07404477(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 21/00─31/02
G01B 5/00─ 5/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗客コンベアにおける断面略C字状の手摺の開口幅を測定するのに用いられる手摺開口幅測定装置であって、
前記手摺の幅方向に対向するように配置され、前記手摺の開口部を規定する一対の側面上を直接又は部材を介して前記手摺の延在方向に相対移動する一対のローラと、
前記一対のローラを回動自在かつ前記幅方向に移動自在に連結し、前記一対のローラを前記一対の側面に付勢する付勢部材を含む連結構造と、
前記一対のローラが前記一対の側面上を移動しているときに前記開口幅を計測する計測部と、
前記計測部が計測した前記開口幅が基準寸法以上であるか否かを判定するための判定部と、
一端部が前記連結構造に連結され、他端部に取手が設けられた取手構造、及び前記連結構造を前記乗客コンベアの静止部に取り付ける取付構造のうちの一方と、を備え
前記取手構造及び前記取付構造のうちの一方は、前記ローラの軸方向と略平行に延在する高さ方向延在部と、前記高さ方向延在部に対して自在に調整可能な傾斜角をなして傾斜する傾斜方向延在部とを有し、
前記高さ方向延在部及び前記傾斜方向延在部の夫々は、伸縮可能になっている、手摺開口幅測定装置。
【請求項2】
乗客コンベアにおける断面略C字状の手摺の開口幅を測定するのに用いられる手摺開口幅測定装置であって、
前記手摺の幅方向に対向するように配置され、前記手摺の開口部を規定する一対の側面上を直接又は部材を介して前記手摺の延在方向に相対移動する一対のローラと、
前記一対のローラを回動自在かつ前記幅方向に移動自在に連結し、前記一対のローラを前記一対の側面に付勢する付勢部材を含む連結構造と、
前記一対のローラが前記一対の側面上を移動しているときに前記開口幅を計測する計測部と、
前記計測部が計測した前記開口幅が基準寸法以上であるか否かを判定するための判定部と、
一端部が前記連結構造に連結され、他端部に取手が設けられた取手構造、及び前記連結構造を前記乗客コンベアの静止部に取り付ける取付構造のうちの一方と、を備え
前記連結構造は、レール部と、前記レール部上を移動可能になっているスライダと、一方側ローラ支持部と、他方側ローラ支持部とを有し、
前記一方側ローラ支持部は、前記レール部の一方側先端部から前記レール部の延在方向に略直交する方向に延在して、一方側のローラが前記一方側ローラ支持部の先端側に回転自在に取り付けられ、
前記他方側ローラ支持部は、前記スライダの一方側先端部から前記レール部の延在方向に略直交する方向に延在して、他方側のローラが前記他方側ローラ支持部の先端側に回転自在に取り付けられ、
前記計測部は、前記スライダの前記レール部に対する移動変位量を電気信号として検出す手摺開口幅測定装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の手摺開口幅測定装置において、
前記判定部は、前記計測部が計測した前記開口幅が前記基準寸法以上であることを報知する報知部である、手摺開口幅測定装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1つに記載の手摺開口幅測定装置において、
前記基準寸法を入力する基準寸法入力部を備える、手摺開口幅測定装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1つに記載の手摺開口幅測定装置において、
前記ローラが移動した距離を特定可能な距離特定部を備える、手摺開口幅測定装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1つに記載の手摺開口幅測定装置において、
前記一対のローラが、その軸方向にずれて前記一対の側面から離脱することを抑制する離脱抑制部を備える、手摺開口幅測定装置。
【請求項7】
請求項1又は2に記載の手摺開口幅測定装置であって、更に、前記取付構造を備える手摺開口幅測定装置を用いて乗客コンベアにおける断面略C字状の手摺の開口幅を測定する手摺開口幅測定方法であって、
前記一対のローラが、前記手摺の開口部を規定する一対の側面を直接又は部材を介して前記手摺の延在方向に移動可能な状態で、前記取付構造を、前記乗客コンベアの静止部に取り付ける装置取付ステップと、
前記装置取付ステップの後に、前記乗客コンベアの手摺移動装置を駆動させることで、前記手摺を一対のローラに対して機械的に相対移動させる手摺移動ステップと、
を含む、手摺開口幅測定方法。
【請求項8】
請求項7に記載の手摺開口幅測定方法において、
前記判定部は、前記計測部が計測した前記開口幅が基準寸法以上であることを報知する報知部であり、
前記手摺移動ステップの実行時において、前記報知部が、計測部が計測した前記開口幅が基準寸法以上であることを報知すると、前記手摺移動装置を停止させる、手摺開口幅測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗客コンベア(動く歩道、エスカレーター)の断面略C字状の手摺の開口幅を測定する手摺開口幅測定装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されているように、エスカレーターの手摺は、断面略C字状に構成されて開口部(間隙)を有し、レールは手摺の内部スペースに配置される。ここで、手摺の開口幅は、レールに対する摺動や経年劣化等により広がる。開口幅が基準寸法以上になったとき、手摺は矯正されるか、取り替えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−241591号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
手摺の開口幅は、例えば次のように測定される。先ず、エスカレーター1の乗場又は降場の床板を1枚以上取り外し、保守作業員等が開口部を上に向けた状態の手摺にアクセス可能にする。その後、保守作業員等が、トラス外から床板を取り外した箇所を介して開口部付近まで手を伸ばし、手摺の延在方向の多数個所においてノギスで開口幅を測定する。
【0005】
この開口幅の測定では、ノギスで多数箇所の測定を行わなければならず、測定労力及び時間が大きくなる。更には、身を屈めた状態でのノギス測定が必要になり、測定が容易でなく誤差が生じ易い。
【0006】
そこで、本発明の目的は、手摺の開口幅が基準寸法以上であるか否かを容易かつ正確に判定できる手摺開口幅測定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る手摺開口幅測定装置は、乗客コンベアにおける断面略C字状の手摺の開口幅を測定するのに用いられる手摺開口幅測定装置であって、前記手摺の幅方向に対向するように配置され、前記手摺の開口部を規定する一対の側面上を直接又は部材を介して前記手摺の延在方向に相対移動する一対のローラと、前記一対のローラを回動自在かつ前記幅方向に移動自在に連結し、前記一対のローラを前記一対の側面に付勢する付勢部材を含む連結構造と、前記一対のローラが前記一対の側面上を移動しているときに前記開口幅を計測する計測部と、前記計測部が計測した前記開口幅が基準寸法以上であるか否かを判定するための判定部と、一端部が前記連結構造に連結され、他端部に取手が設けられた取手構造、及び前記連結構造を前記乗客コンベアの静止部に取り付ける取付構造のうちの一方と、を備え、前記取手構造及び前記取付構造のうちの一方は、前記ローラの軸方向と略平行に延在する高さ方向延在部と、前記高さ方向延在部に対して自在に調整可能な傾斜角をなして傾斜する傾斜方向延在部とを有し、前記高さ方向延在部及び前記傾斜方向延在部の夫々は、伸縮可能になっている。
【0008】
また、本発明の別の態様に係る手摺開口幅測定装置は、乗客コンベアにおける断面略C字状の手摺の開口幅を測定するのに用いられる手摺開口幅測定装置であって、前記手摺の幅方向に対向するように配置され、前記手摺の開口部を規定する一対の側面上を直接又は部材を介して前記手摺の延在方向に相対移動する一対のローラと、前記一対のローラを回動自在かつ前記幅方向に移動自在に連結し、前記一対のローラを前記一対の側面に付勢する付勢部材を含む連結構造と、前記一対のローラが前記一対の側面上を移動しているときに前記開口幅を計測する計測部と、前記計測部が計測した前記開口幅が基準寸法以上であるか否かを判定するための判定部と、一端部が前記連結構造に連結され、他端部に取手が設けられた取手構造、及び前記連結構造を前記乗客コンベアの静止部に取り付ける取付構造のうちの一方と、を備え、前記連結構造は、レール部と、前記レール部上を移動可能になっているスライダと、一方側ローラ支持部と、他方側ローラ支持部とを有し、前記一方側ローラ支持部は、前記レール部の一方側先端部から前記レール部の延在方向に略直交する方向に延在して、一方側のローラが前記一方側ローラ支持部の先端側に回転自在に取り付けられ、前記他方側ローラ支持部は、前記スライダの一方側先端部から前記レール部の延在方向に略直交する方向に延在して、他方側のローラが前記他方側ローラ支持部の先端側に回転自在に取り付けられ、前記計測部は、前記スライダの前記レール部に対する移動変位量を電気信号として検出する。
【0009】
なお、上記「開口幅を計測する計測部」との文言には、計測部が開口幅そのものを計測する場合が含まれるのは勿論、計測部が開口幅を特定可能な長さを計測することによって、開口幅が結果的に計測される場合も含まれる。また、一対のローラの中心軸間の長さは、手摺の開口幅に一対一に対応し、一対のローラの中心軸間の長さがわかれば、手摺の開口幅がわかる。
【0010】
本発明は、手摺に対し手動で相対移動しながら開口幅を測定する装置であってもよく、手摺に対し機械で自動的に相対移動しながら開口幅を測定する装置であってもよい。本発明によれば、取手構造を用いて手摺開口幅測定装置を移動させるか、又は、取付構造で手摺開口幅測定装置を乗客コンベアの静止部に取り付けた後に、手摺移動装置で手摺を回動させるだけで、一対のローラを手摺の開口部を規定する一対の側面上を連続的かつ相対的に移動させることができる。したがって、一対のローラが移動した手摺部分の全領域で計測部が計測した開口幅が基準寸法以上である否かを判定できる。よって、ローラが移動した手摺部分において、開口幅が許容範囲以内であるか否かを正確かつ簡単に判定できる。
【0011】
また、本発明において、前記判定部は、前記計測部が計測した前記開口幅が前記基準寸法以上であることを報知する報知部であってもよい。
【0012】
なお、報知部は、例えば、音で報知を行ってもよく、光を出射することで報知を行ってもよい。
【0013】
上記構成によれば、手摺を、手摺開口幅測定装置に対して相対移動させて、報知部による報知があるか否かを判断するだけで、手摺開口幅測定装置を相対的に通過した手摺部分において、開口幅が許容範囲以内であるか否かを正確かつ簡単に判定できる。
【0014】
また、本発明において、前記基準寸法を入力する基準寸法入力部を備えてもよい。
【0015】
乗客コンベアの仕様によって、開口幅の許容限界値が異なる場合がある。また、最初に開口幅の許容限界値よりも短い寸法で検査を行いたい場合もある。
【0016】
上記構成によれば、基準寸法を自在に変動させることができる。したがって、手摺開口幅測定装置の汎用性を高くでき、手摺開口幅測定装置による検査の自由度も大きくできる。
【0017】
また、本発明において、前記ローラが移動した距離を特定可能な距離特定部を備えてもよい。
【0018】
上記構成によれば、開口幅が許容範囲外となった箇所を特定し易い。
【0019】
また、本発明において、前記一対のローラが、その軸方向にずれて前記一対の側面から離脱することを抑制する離脱抑制部を備えてもよい。
【0020】
上記構成によれば、検査を確実に行うことができる。
【0021】
また、本発明に係る手摺開口幅測定方法は、上記手摺開口幅測定装置であって、更に、前記取付構造を備える手摺開口幅測定装置を用いて乗客コンベアにおける断面略C字状の手摺の開口幅を測定する手摺開口幅測定方法であって、前記一対のローラが、前記手摺の開口部を規定する一対の側面を直接又は部材を介して前記手摺の延在方向に移動可能な状態で、前記取付構造を、前記乗客コンベアの静止部に取り付ける装置取付ステップと、前記装置取付ステップの後に、前記乗客コンベアの手摺移動装置を駆動させることで、前記手摺を一対のローラに対して機械的に相対移動させる手摺移動ステップと、を含む。
【0022】
本発明によれば、取付構造で手摺開口幅測定装置を乗客コンベアの静止部に取り付けた後に、手摺移動装置で手摺を回動させるだけで、手摺移動装置を通過した手摺部分の検査を連続的かつ容易に実行できる。更には、取付構造で手摺開口幅測定装置を乗客コンベアの静止部に取り付けた後に、手摺移動装置で手摺を一周させるだけで、手摺の全ての部分の検査を実行できる。よって、検査を格段に正確かつ簡単に実行できる。
【0023】
また、本発明の手摺開口幅測定方法において、前記判定部は、前記計測部が計測した前記開口幅が基準寸法以上であることを報知する報知部であり、前記手摺移動ステップの実行時において、前記報知部が、計測部が計測した前記開口幅が基準寸法以上であることを報知すると、前記手摺移動装置を停止させてもよい。
【0024】
上記構成によれば、報知部が、計測部が計測した開口幅が基準寸法以上であることを報知すると、手摺移動装置が停止する。したがって、開口幅が許容範囲後である箇所を特定し易い。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係る手摺開口幅測定装置によれば、手摺の開口幅が基準寸法以上であるか否かを容易かつ正確に判定できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】第1実施形態に係る手摺開口幅測定装置で手摺の開口幅が検査されるエスカレーターの概略図である。
図2】上記手摺開口幅測定装置の概略構成図である。
図3】上記手摺開口幅測定装置の制御ブロック図である。
図4】第2実施形態に係る手摺開口幅測定装置の取付構造の概略構成図である。
図5】変形例の手摺開口幅測定装置のローラ周辺の構造について説明する図である。
図6】他の変形例の手摺開口幅測定装置のローラの配置を説明する模式平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に、本発明に係る実施の形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下において複数の実施形態や変形例などが含まれる場合、それらの特徴部分を適宜に組み合わせて新たな実施形態を構築することは当初から想定されている。また、下記の実施形態では、手摺を検査される乗客コンベアが、降り側が乗り込み側よりも上方にある昇りエスカレーター1を例に説明を行う。しかし、手摺が検査される乗客コンベアは、降り側が乗り込み側よりも下方にある降りエスカレーターでもよく、ステップの踏み面が階段状にならない動く歩道でもよい。
【0028】
図1は、第1実施形態に係る手摺開口幅測定装置(以下、単に、開口幅測定装置という)10で手摺2の開口幅が検査されるエスカレーター1の概略図である。エスカレーター1は、駆動機(図示せず)、手摺駆動装置(図示せず)、及び一対の手摺2を備え、手摺駆動装置が、駆動機からの動力によって手摺2を移動させる。一対の手摺2は、図示しないステップの幅方向両側に配設される。本実施例では、エスカレーター1が昇りエスカレーターであるため、手摺2は、下側から上側に欄干3の周縁部に沿うように矢印Aで示す方向に降口まで移動し、その後、下側に反転し、上下方向の向きが反転した状態でスカートガード4に設けられた入込部7内に進入する。その後、トラス内を上側から下側に移動した後、下側の乗場付近でスカートガード4から外部に移動し、上側に反転して、再度、欄干3の周縁部に沿うように矢印Aで示す方向に下側から上側に移動する。開口幅測定装置10は、トラス5内の領域Rで手摺2に取り付けられる。
【0029】
図2は、開口幅測定装置10の概略構成図である。図2に示すように、手摺2は、延在方向に直交する断面において略C字状の形状を有し、開口部(間隙)21を上側に向けた状態になっている。開口幅測定装置10は、開口部21の幅寸法(開口幅)Bを測定するのに用いられる。開口幅測定装置10は、一対のローラ31a,31b、連結構造35、計測部37、基準寸法入力部40、基準寸法表示部45、判定部を構成する報知部の一例としての音出力装置50、距離特定部としての移動距離表示部55、電源スイッチ68、データロガー65、取手構造80、及び制御部85を備える。基準寸法表示部45、及び移動距離表示部55は、例えば液晶パネルや有機ELパネル等を含む。
【0030】
一対のローラ31a,31bは、手摺2の幅方向に対向するように配置され、手摺2の開口部21を規定する一対の側面21a,21b上を手摺2の延在方向に相対移動する。連結構造35は、一対のローラ31a,31bを回動自在かつ幅方向に移動自在に連結する。連結構造35は、スライダ60と、レール部61を含み、スライダ60は、ノギス(デジタルノギス)の摺動構造と同様な構造でレール部61上を移動可能になっている。
【0031】
連結構造35は、一方側ローラ支持部70を有し、一方側ローラ支持部70は、レール部61の一方側先端部からレール部61の延在方向に直交する方向に延在する。一方側ローラ支持部70は、先端側に丸棒状の軸部70aを含む。一方側のローラ31aは、軸部70aに軸受を介して回動自在に取り付けられる。また、連結構造35は、他方側ローラ支持部71を有し、他方側ローラ支持部71は、スライダ60の一方側先端部からレール部61の延在方向に直交する方向に延在する。他方側ローラ支持部71は、一方側ローラ支持部70と略平行に延在する。他方側ローラ支持部71も、先端側に丸棒状の軸部71aを含む。他方側のローラ31bは、軸部71aに軸受を介して回動自在に取り付けられる。
【0032】
連結構造35は、コイルバネで好適に構成される付勢部材78を含む。付勢部材78は、一方側ローラ支持部70と他方側ローラ支持部71の間に配設される。付勢部材78の一端部は、一方側ローラ支持部70における他方側ローラ支持部71側の側面70bに溶接等で固定され、付勢部材78の他端部は、他方側ローラ支持部71における一方側ローラ支持部70側の側面71bに溶接等で固定される。付勢部材78は、他方側ローラ支持部71を一方側ローラ支持部70から離れる方向に付勢する。付勢部材78による付勢によって、一方側ローラ支持部70に取り付けられたローラ31aが開口部21の側面21aに押圧され、他方側ローラ支持部71に取り付けられたローラ31bが開口部21の側面21bに押圧される。各ローラ31a,31bが一対の側面21b,21bに押圧されている状態で、各ローラ31a,31bの中心軸は手摺2の開口部21の幅方向に略直交する。
【0033】
各ローラ31a,31bの外周面は、鼓状の形状を有し、軸方向の中央部の外径が最も小さい。各ローラ31a,31bは、その中央部が開口部21の側面21a,21bに摺接する。外径が小さい中央部が開口部21の側面21a,21bに摺接することで、各ローラ31a,31bが側面21a,21bから離脱するのが抑制される。離脱抑制部は、各ローラ31a,31bの鼓状の形状を含む。
【0034】
計測部37は、デジタルノギスの計測部と同様の構成を有し、エンコーダ37aを含む。エンコーダ37aは、スライダ60のレール部61に対する移動変位量を電気信号として検出し、移動変位量を表す信号を制御部85に出力する。計測部37は、直接的には一対のローラ31a,31b間の距離を計測するが、一対のローラ31a,31b間の距離は開口幅Bに一対一に対応するので、計測部37は、結果的に開口幅Bを計測していることになる。また、基準寸法入力部40は、スライダ60に設けられ、ダイヤルで構成される。ユーザは、ダイヤルを矢印Cで示す方向に回転させることで基準寸法を入力でき、基準寸法を表す信号は、基準寸法入力部40から制御部85に出力される。なお、一対のローラを取り付けるため、開口幅測定装置10では零点の較正が難しい。そこで、基準となる開口幅を持つ治具を用意し、この治具の開口に開口幅測定装置10の一対のローラをセットすることで、開口幅測定装置10を較正することができ、開口幅の絶対値を測定することができる。
【0035】
音出力装置50は、例えば、アンプ内蔵の小型スピーカーを含み、振動板が振動することで警告音を出力する。開口幅測定装置10は、更に回転数検出センサ75(図3参照)を有する。回転数検出センサ75は、例えば、ローラ31aが取り付けられた軸受の静止輪である内輪に取り付けられたパルス検出用センサ、及び回転輪である外輪に取り付けられたパルサーリングを含む。回転数検出センサ75は、パルサーリングが生成する磁場の変化をパルス検出用センサで検出することで、ローラ31aの回転数を検出し、ローラ31aの回転数を表す信号を、制御部85に出力する。
【0036】
データロガー65は、例えばフラッシュメモリやメモリカード等で構成され、スライダ60に着脱可能に取り付けられる。データロガー65は、制御部85からの信号により、データを記憶する。データロガー65が記憶するデータについては、後で図3を用いて説明する。また、開口幅測定装置10には、電池が着脱可能に取り付け可能になっている。電源スイッチ68をオンにすると、電池の直流電力が開口幅測定装置10に供給される。
【0037】
制御部85は、CPU(Central Processing Unit)と、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等の記憶部とを備える。CPUは、記憶部に予め記憶されたプログラム等を読み出して実行する機能を有する。RAMは、読み出したプログラムや処理データを一時的に記憶する機能を有する。また、ROMは、制御プロラムや所定の閾値等を予め記憶する機能を有する。制御部85は、マイクロコンピュータによって実行されるソフトウエアによって実現できるが、その一部がハードウエアによって構成されてもよい。
【0038】
取手構造80は、一端部が連結構造35に連結され、他端部に取手90を有する。取手構造80は、高さ方向延在部86と、傾斜方向延在部87を含む。高さ方向延在部86は、一端部が連結構造35の上部に溶接や締結部材等で接合され、連結構造35の上部から一方側ローラ支持部70に略平行に延在する。また、傾斜方向延在部87は、高さ方向延在部86にボルト88及びナット(図示せず)で相対移動不可に固定される。高さ方向延在部86に対する傾斜方向延在部87の傾斜角θ1は、自在に調整可能になっている。取手90は、傾斜方向延在部87の先端側に設けられる。高さ方向延在部86及び傾斜方向延在部87の夫々は、伸縮可能になっている。係る伸縮可能な構造は、例えば、後で図4を用いて説明する長孔を用いた構造で容易に実現できる。
【0039】
手摺2の開口幅Bを測定する場合には、従来と同様にして、エスカレーター1の乗場又は降場の床板を1枚以上取り外し、保守作業員等が開口部を上に向けた状態の手摺2にアクセス可能とする。開口幅測定装置10の一対のローラ31a,31bを手摺2の開口部21に内側からセットする。高さ方向延在部86及び傾斜方向延在部87の夫々が伸縮可能で、高さ方向延在部86に対する傾斜方向延在部87の傾斜角θ1も自在に設定できるため、取手90の姿勢及び位置を自在に調整できる。したがって、一対のローラ31a,31bが手摺2の開口部21にセットされた状態で、一対の手摺2の間に位置する保守作業員等が、開口幅測定装置10を静止している手摺2に対して手摺2の延在方向に取手90を用いて移動させることができる。このため、開口幅測定装置10に対して相対移動した手摺部分の開口幅を連続的に測定することができる。なお、一部又は全部の手摺部分に関し、一対のローラ31a,31bが手摺2の開口部21にセットされた状態で、保守作業員等が取手90を持って静止し、その状態で、手摺2を手摺移動装置で機械的かつ自動的に移動させることで開口幅Bの測定を行ってもよい。また、静止している手摺2に対する保守作業員等による取手90を用いた開口幅測定装置10の移動と、静止している開口幅測定装置10に対する手摺2の機械的かつ自動的な移動とを交互に実行してもよい。
【0040】
図3は、開口幅測定装置10の制御ブロック図である。図3に示すように、制御部85には、エンコーダ37a、基準寸法入力部40、及び回転数検出センサ75からも信号が入力される。また、制御部85は、入力信号に基づいて、基準寸法表示部45、移動距離表示部55、音出力装置50、及びデータロガー65を制御する。
【0041】
詳しくは、制御部85は、エンコーダ37aからの信号に基づいて、スライダ60のレール部61に対する移動変位量を特定し、一方側ローラ支持部70の側面70bと他方側ローラ支持部71の側面71bとの支持部間距離を特定する。また、制御部85は、基準寸法入力部40からの信号を受け、入力された基準寸法を認識する。制御部85は、当該基準寸法をスライダ60に設けられた基準寸法表示部45に表示させる。
【0042】
上述のように、一方側ローラ支持部70に取り付けられたローラ31aが開口部21の側面21aに押圧され、他方側ローラ支持部71に取り付けられたローラ31bが開口部21の側面21bに押圧される。よって、上記支持部間距離は、開口幅Bと一対一に対応する。制御部85は、支持部間距離に基づいて開口幅Bを算出し、算出した開口幅Bと上記基準寸法とを比較する。制御部85は、算出した開口幅Bが上記基準寸法以上であると判定すると、音出力装置に制御信号を出力し、音出力装置に警告音を出力させる。
【0043】
また、制御部85は、回転数検出センサ75からの信号に基づいてローラ31aの回転数を特定する。制御部85は、ローラ31aにおける軸方向中央の外周の長さにローラ31aが回転した数を掛けて、開口幅測定装置10の手摺2に対する相対移動距離を算出する。制御部85は、算出した相対移動距離を移動距離表示部55に表示させる。
【0044】
制御部85は、タイマ89を内蔵する。制御部85は、所定間隔毎(例えば、1秒以下の時間毎)に算出した開口幅Bと相対移動距離をデータロガー65に出力し、データロガー65は、所定間隔毎に、時間、開口幅B及び相対移動距離を互いに関連づけた状態で記憶する。ユーザは、データロガー65の解析を所望するとき、データロガー65を取り外してデータを入手できる。
【0045】
第1実施形態の開口幅測定装置10によれば、取手構造80を用いて開口幅測定装置10を移動させるだけで、一対のローラ31a,31bを手摺2の開口部21を規定する一対の側面21a,21b上を連続的かつ相対的に移動させることができる。したがって、一対のローラ31a,31bが移動した手摺部分の全領域で計測部37が計測した開口幅Bが基準寸法以上である否かを判定できる。よって、ローラ31a,31bが移動した手摺部分において、開口幅Bが許容範囲以内であるか否かを正確かつ簡単に判定できる。
【0046】
また、判定部が、計測部37が計測した開口幅Bが基準寸法以上であることを報知する音出力装置50であるので、手摺2を開口幅測定装置10に対して相対移動させて、音出力装置50による報知があるか否かを判断するだけで、開口幅測定装置10を相対的に通過した手摺部分において、開口幅Bが許容範囲以内であるか否かを正確かつ簡単に判定できる。
【0047】
更には、エスカレーター1の仕様によって、開口幅Bの許容限界値が異なる場合がある。また、最初に開口幅Bの許容限界値よりも短い寸法で検査を行いたい場合もある。第1実施形態によれば、音出力装置50に報知させる基準寸法を自在に変動させることができる。よって、開口幅測定装置10の汎用性を高くでき、開口幅測定装置10による検査の自由度も大きくなる。
【0048】
また、開口幅測定装置10がローラ31a,31bが移動した距離を特定可能な移動距離表示部55を備えるので、開口幅Bが許容範囲外となった箇所を特定し易い。更には、開口幅測定装置10が、一対のローラ31a,31bが一対の側面21a,21bから離脱することを抑制する離脱抑制部を備えるので、検査を確実に行うことができる。
【0049】
上記第1実施形態では、開口幅測定装置10は開口幅Bを手動で測定する構成であった。しかし、開口幅測定装置は、次の第2実施形態の開口幅測定装置110のように、開口幅を機械で自動的に測定してもよい。
【0050】
図4は、第2実施形態に係る開口幅測定装置110の取付構造150の概略構成図である。開口幅測定装置110は、第1実施形態の開口幅測定装置10との比較において、取手構造80が取付構造150に置き換わった点のみが異なる。以下では、第1実施形態と同一の構成については、同一の参照番号で表して説明及び図示を省略し、取付構造150についての説明のみを行う。
【0051】
取付構造150は、高さ方向延在部120、傾斜方向延在部130、及び取付部140を有する。高さ方向延在部120は、2つの長尺状の第1平板部125及び第2平板部126を含む。第1平板部125は、一端部が連結構造35の上部に溶接や締結部材で接合され、連結構造35の上部から一方側ローラ支持部70に略平行に延在する。第1平板部125の厚さ方向から見たとき、第2平板部126は、第1平板部125に重なり、第1平板部125と平行に延在する。第1平板部125はその延在方向に延在する長孔185を有し、第2平板部126はその延在方向に延在する長孔186を有する。第1平板部125と、第2平板部126は、2つの長孔185,186を通過する同一のボルト171と、ナットで互いに相対移動不可に固定される。ボルト171が通過する2つの長孔185,186の箇所を調整することにより、高さ方向延在部120の長さを調整できる。
【0052】
傾斜方向延在部130は、高さ方向延在部120にボルト188及びナット(図示せず)で相対移動不可に固定される。高さ方向延在部120に対する傾斜方向延在部130の傾斜角θ1は、自在に調整可能になっている。図示しないが、傾斜方向延在部130も、長尺状の2つの平板部を含み、各平板部は長孔を有する。傾斜方向延在部130の長さも、高さ方向延在部120と同様の機構によって調整できる。
【0053】
取付部140は、接合部141と、平板部142を含み、接合部141は、一方向に延在する。平板部142は、接合部141の先端部側に設けられ、当該先端部から接合部141の延在方向に直交する方向に広がる。接合部141は、平板部142側とは反対側の端部が傾斜方向延在部130の先端部にボルト198及びナット(図示せず)で相対移動不可に固定される。傾斜方向延在部130に対する接合部141の傾斜角θ2は、自在に調整可能になっている。平板部142には、1以上のねじ孔155が設けられる。
【0054】
高さ方向延在部120及び傾斜方向延在部130の長さを自在に調整でき、高さ方向延在部120に対する傾斜方向延在部130の傾斜角θ1及び傾斜方向延在部130に対する接合部141の傾斜角θ2も自在に調整できる。したがって、平板部142を、所望の姿勢で所望の位置に配置できる。その結果、ねじ孔155と、締結部材、例えばタッピンネジやボルト等を用いて、平板部142をエスカレーター1のトラス内の静止部に固定でき、取付構造150ひいては開口幅測定装置110をエスカレーター1の静止部に固定できる。
【0055】
次に、第2実施形態の開口幅測定装置110を用いた機械的で自動的な開口幅Bの測定方法について説明する。
【0056】
先ず、一対のローラ31a,31bが手摺2の開口部21を規定する一対の側面21a,21bを手摺2の延在方向に移動可能な状態で、取付構造150を、エスカレーター1の静止部に取り付ける。
【0057】
次に、例えば、開口幅測定装置110の基準寸法入力部40で基準寸法を開口幅許容寸法(開口幅として許容出来ない最小の寸法)に設定する。その後、電源スイッチ68がオンになっている状態で、エスカレーター1の手摺移動装置を駆動させることで、手摺2を一対のローラ31a,31bに対して機械的に相対移動させる。この状態で、報知部としての音出力装置50が警告音を出力するか否かを確認する。手摺2が一周する間に音出力装置50が警告音を出力しなかった場合、手摺2の全ての箇所で、開口幅Bが基準を満たしていると判定できる。
【0058】
他方、音出力装置50が警告音を出力した場合、手摺移動装置を停止させてもよい。そして、基準を満たさない手摺2の箇所を特定し易くしてもよく、基準を満たさない手摺2の箇所の周辺を更に精密に検査してもよい。より、具体的には、制御部は、計測部又は判定部からの信号に基づいて開口幅が基準寸法以上であると判断すると、手摺移動装置を停止させてもよい。
【0059】
この方法によれば、開口幅測定装置110をエスカレーター1の静止部に固定した上で、手摺2を機械的に移動させるだけで、手摺2の全ての部分の検査を、格段に簡単で、しかも格段に短い時間で行うことができる。したがって、ノギスを用いて手摺の複数個所を手で検査する場合との比較で、手摺2の開口幅Bが基準寸法以上であるか否かを格段に容易かつ格段に正確に検査できる。
【0060】
尚、本発明は、上記実施形態およびその変形例に限定されるものではなく、本願の特許請求の範囲に記載された事項およびその均等な範囲において種々の改良や変更が可能である。
【0061】
例えば、上記実施形態では、ローラ31a,31bを手摺2に直接接触させる場合について説明した。しかし、図5、すなわち、変形例の開口幅測定装置210のローラ周辺の構造について説明する図に示すように、開口幅測定装置210が、ゴム、樹脂又は金属等で構成される一対の離脱防止部材251a,251bを含んでもよい。
【0062】
離脱防止部材251aは、手摺2の開口部21の側面21aに対応する形状の手摺取付凹部260aを有し、離脱防止部材251bは、手摺2の開口部21の側面21bに対応する形状の手摺取付凹部260bを有する。また、離脱防止部材251aは、離脱防止部材251b側の面にローラ移動溝261aを有し、離脱防止部材251bは、離脱防止部材251a側の面にローラ移動溝261bを有する。
【0063】
ローラ231aは、ローラ移動溝261aの底面に接触し、ローラ231bは、ローラ移動溝261bの底面に接触する。このようにすれば、ローラ231a,231bが手摺2から離脱する可能性を格段に低減でき、ローラ231a,231bの安定な走行も確保できる。離脱防止部材251a,251bは離脱抑制部に含まれる。なお、開口幅測定装置210が、離脱防止部材251a,251bの幅方向(手摺2の幅方向)の厚さを考慮して開口幅を算出することは言うまでもない。
【0064】
また、開口幅測定装置10が一対のローラ31a,31bを備える場合について説明した。しかし、開口幅測定装置は、2対以上のローラを備えてもよい。例えば、図6、すなわち、他の変形例の開口幅測定装置310のローラ331a,331b,332a,332bの配置を説明する模式平面図に示すように、開口幅測定装置310は、2対のローラ331a,331b,332a,332bを備えてもよい。
【0065】
この例では、ローラ331aとローラ331bとが、矢印Dで示す幅方向(手摺の幅方向)に対向し、ローラ332aとローラ332bとが、当該幅方向に対向する。一方の対のローラ331a,331bと、他方の対のローラ332a,332bは、矢印Eで示す延在方向(手摺の延在方向)に間隔をおいて配置される。
【0066】
図示しない手摺が、開口幅測定装置310に対して矢印Fで示す方向に相対移動すると、各ローラ331a,331b,332a,332bが、矢印G,H,I,Jに示す方向に回転する。この変形例によれば、手摺の延在方向に間隔をおいて複数対のローラ331a,331b,332a,332bが配設されるので、開口幅測定装置310の姿勢を安定させることができ、より正確な検査を行うことができる。
【0067】
なお、報知部を、音出力装置50で構成したが、報知部を発光装置で構成し、測定した開口幅が基準寸法以上となった場合に、発光装置が光を出射することで報知を行ってもよい。更には、計測部が計測した開口幅が基準寸法以上であるか否かを判定可能な判定部を、計測部が計測した開口幅が基準寸法以上であることを報知する報知部で構成した。しかし、判定部は、報知部で構成しなくてもよく、例えば、デジタルノギスと同様な方法で計測部が測定した開口幅を表示する表示部で構成してもよい。
【0068】
また、開口幅測定装置10が基準寸法入力部40及び基準寸法表示部45を有する場合について説明したが、基準寸法表示部が存在しなくてもよく、基準寸法入力部及び基準寸法表示部の両方が存在しなくてもよい。そして、開口幅測定装置の記憶部に最初から開口幅の基準寸法(例えば、許容寸法で構成される)が記憶されていてもよい。
【0069】
また、開口幅測定装置10が、回転数検出センサ75と、ローラ31a,31bが移動した距離を特定可能な移動距離表示部55を有する場合について説明したが、回転数検出センサ及び距離特定部は存在しなくてもよい。また、開口幅測定装置10が、一対のローラ31a,31bが一対の側面21a,21bから離脱することを抑制する離脱抑制部を備える場合について説明したが、開口幅測定装置は、一対のローラが一対の側面から離脱することを抑制する離脱抑制部を備えなくてもよい。
【符号の説明】
【0070】
1 エスカレーター、 2 手摺、 10,110,210,310 開口幅測定装置、 21 開口部、 21a,21b 一対の側面、 31a,31b 一対のローラ、 35 連結構造、 37 計測部、 40 基準寸法入力部、 50 音出力装置、 55 移動距離表示部、 78 付勢部材、 80 取手構造、 150 取付構造、 251a,251b 離脱防止部材、 B 開口幅。
図1
図2
図3
図4
図5
図6