(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6837410
(24)【登録日】2021年2月12日
(45)【発行日】2021年3月3日
(54)【発明の名称】発光領域を含むディスプレイ装置
(51)【国際特許分類】
H05B 33/22 20060101AFI20210222BHJP
H01L 27/32 20060101ALI20210222BHJP
H01L 51/50 20060101ALI20210222BHJP
H05B 33/14 20060101ALI20210222BHJP
H05B 33/12 20060101ALI20210222BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20210222BHJP
【FI】
H05B33/22 Z
H01L27/32
H05B33/14 A
H05B33/14 Z
H05B33/12 B
G09F9/30 365
【請求項の数】16
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-205950(P2017-205950)
(22)【出願日】2017年10月25日
(65)【公開番号】特開2018-73829(P2018-73829A)
(43)【公開日】2018年5月10日
【審査請求日】2017年10月25日
(31)【優先権主張番号】10-2016-0143897
(32)【優先日】2016年10月31日
(33)【優先権主張国】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(72)【発明者】
【氏名】沈 成 ▲ビン▼
(72)【発明者】
【氏名】崔 浩 源
(72)【発明者】
【氏名】都 義 斗
(72)【発明者】
【氏名】池 文 培
【審査官】
倉本 勝利
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2006/0290274(US,A1)
【文献】
特開2012−252783(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0001185(US,A1)
【文献】
特開2014−134659(JP,A)
【文献】
特開2000−137242(JP,A)
【文献】
特開2012−255825(JP,A)
【文献】
特開2003−167262(JP,A)
【文献】
特開2016−127003(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2014/0239266(US,A1)
【文献】
特開2009−071019(JP,A)
【文献】
韓国公開特許第10−2015−0038982(KR,A)
【文献】
特開2007−005173(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L27/32;H05B33/00−33/28;H01L51/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1発光領域と前記第1発光領域と異なる色を具現する第2発光領域を含む下部基板と、
前記下部基板の前記第1発光領域上に位置する第1発光構造物であって、前記第1発光構造物は順次積み上げられる第1下部電極、第1発光層、及び第1上部電極を含む、第1発光構造物と、
前記下部基板の前記第2発光領域上に位置する上部絶縁膜と、
前記下部基板の前記第2発光領域上に位置する第2発光構造物であって、前記第2発光構造物は前記上部絶縁膜上に順次積み上げられる第2下部電極、第2発光層、及び第2上部電極を含む、第2発光構造物とを備え、
前記下部基板と前記第2発光構造物との間の垂直距離は、前記下部基板と前記第1発光構造物との間の垂直距離より大きく、
前記第1発光層と前記第2発光層のそれぞれは、断面において、前記対応する下部電極上で全体として一定の厚さを備える線状の形を有し、
前記第1下部電極の縁は、前記上部絶縁膜によって覆われ、
前記第2下部電極の縁は、前記第2発光層によって覆われる、
ディスプレイ装置。
【請求項2】
前記第2発光構造物の厚さは、前記第1発光構造物の厚さと同一である、請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項3】
前記下部基板の前記第1発光領域及び前記第2発光領域と異なる色を具現する第3発光領域上に位置する第3発光構造物をさらに備え、
前記第2発光領域は、前記第1発光領域と前記第3発光領域との間に配置され、
前記下部基板と前記第3発光構造物との間の垂直距離は、前記下部基板と前記第1発光構造物との間の垂直距離と同一である、請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項4】
前記下部基板と前記第1発光構造物との間に位置する下部絶縁膜であって、前記下部絶縁膜は前記下部基板と前記第2発光構造物との間を延びる下部絶縁膜をさらに備える、請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項5】
前記第2下部電極は、前記上部絶縁膜の側面へ向かって延び、
前記第2下部電極の縁は、前記第2発光層と接触している、請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項6】
下部基板の第1発光領域上に配置されている第1発光構造物と、
前記下部基板の第2発光領域上に位置する第2発光構造物であって、前記第2発光領域は前記第1発光領域と異なる色に対応する、第2発光構造物と、
前記下部基板と前記第1発光構造物との間に位置する下部絶縁膜であって、前記下部絶縁膜は前記下部基板と前記第2発光構造物との間に延びる、下部絶縁膜と、
前記下部絶縁膜と前記第2発光構造物との間に位置する上部絶縁膜とを備え、
前記下部基板と前記第2発光構造物との間の垂直距離は、前記下部基板と前記第1発光構造物との間の垂直距離より大きく、
前記下部絶縁膜は、第1下部コンタクトホールと第2下部コンタクトホールを含み、
前記第1発光構造物の下部電極は、前記下部絶縁膜の前記第1下部コンタクトホールの内側に延び、前記第2発光構造物の下部電極は、前記第2下部コンタクトホールの内側に延び、
前記下部絶縁膜の上面に位置する前記第2下部コンタクトホールの大きさは、前記下部絶縁膜の前記上面に位置する前記第1下部コンタクトホールの大きさより大きい、ディスプレイ装置。
【請求項7】
前記上部絶縁膜は前記第1発光構造物の前記下部電極の縁を覆う、請求項6に記載のディスプレイ装置。
【請求項8】
前記上部絶縁膜は前記第2下部コンタクトホールの内側に延びる、請求項6に記載のディスプレイ装置。
【請求項9】
前記上部絶縁膜は、前記第2発光構造物の前記下部電極で埋められる上部コンタクトホールを含み、
前記上部コンタクトホールは、前記第2下部コンタクトホールと一列に整列される、請求項8に記載のディスプレイ装置。
【請求項10】
下部基板上に位置する下部オーバーコート層と、
前記下部オーバーコート層上に順次積み上げられる第1下部電極、第1発光層、及び第1上部電極を含む第1発光構造物であって、前記第1発光構造物は互いから離れて位置する、第1発光構造物と、
前記第1発光構造物の間に位置する上部オーバーコート層と、
前記上部オーバーコート層上に順次積み上げられる第2下部電極、第2発光層、及び第2上部電極を含む第2発光構造物と
を備え、
前記第2発光層は、前記第1発光層と同じ材料で作られており、
前記第2下部電極上に位置する前記第2発光層の厚さは、前記第1下部電極上に位置する前記第1発光層の厚さと同一である、ディスプレイ装置。
【請求項11】
前記上部オーバーコート層は前記下部オーバーコート層と同じ材料を含む、請求項10に記載のディスプレイ装置。
【請求項12】
前記上部オーバーコート層の側面は逆テーパー形状を有する、請求項10に記載のディスプレイ装置。
【請求項13】
前記第2下部電極は前記第1下部電極と同じ材料で作られており、前記第2上部電極は前記第1上部電極と同じ材料で作られており、
前記第1下部電極の縁は前記第1発光層によって覆われており、前記第2下部電極の縁は前記第2発光層によって覆われている、請求項12に記載のディスプレイ装置。
【請求項14】
前記第2下部電極は前記第1下部電極から離れて位置し、前記第2発光層は前記第1発光層から離れて位置する、請求項12に記載のディスプレイ装置。
【請求項15】
下部基板上に位置する下部オーバーコート層と、
前記下部オーバーコート層上に位置する第1発光構造物であって、前記第1発光構造物は互いから離れて位置する、第1発光構造物と、
前記第1発光構造物の間に位置する上部オーバーコート層と、
前記上部オーバーコート層上に位置する第2発光構造物と、
前記第1発光構造物と重なる第1貫通ホールであって、前記第1貫通ホールは前記下部オーバーコート層を貫通する、第1貫通ホールと、
前記第2発光構造物と重なる第2貫通ホールであって、前記第2貫通ホールは前記下部オーバーコート層及び前記上部オーバーコート層を貫通する、第2貫通ホールと
を備え、
前記上部オーバーコート層の側面は、逆テーパ−形状を有し、
前記第1貫通ホール及び前記第2貫通ホールの側面は逆テーパー形状である、ディスプレイ装置。
【請求項16】
前記第1貫通ホール内に位置する第1中間絶縁膜であって、前記第1中間絶縁膜は第1コンタクトホールを含む、第1中間絶縁膜と、
前記第2貫通ホール内に位置する第2中間絶縁膜であって、前記第2中間絶縁膜は第2コンタクトホールを含む、第2中間絶縁膜と
をさらに備え、
前記第1コンタクトホールの側面及び前記第2コンタクトホールの側面は正テーパー形状を有する、請求項15に記載のディスプレイ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、互いに異なる色を具現する発光領域を含むディスプレイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、モニタ、TV、ノートパソコン、デジタルカメラなどのような電子機器は、映像を具現するためのディスプレイ装置を含む。例えば、上記ディスプレイ装置は液晶表示装置及び有機発光表示装置を含む。
【0003】
上記ディスプレイ装置は、互いに異なる色を具現する発光領域を含むことができる。例えば、上記ディスプレイ装置は、青色を具現する青色発光領域、赤色を具現する赤色発光領域、緑色を具現する緑色発光領域、及び白色を具現する白色発光領域を含むことができる。
【0004】
上記ディスプレイ装置の各発光領域上には、特定の色を具現する光を生成する発光構造物が位置し得る。例えば、それぞれの発光構造物は、順に積層された下部電極、発光層及び上部電極を含むことができる。隣接して位置する発光構造物は独立して駆動することができる。例えば、それぞれの発光構造物の下部電極は、隣接して位置する発光構造物の下部電極と離隔及び絶縁され得る。
【0005】
上記ディスプレイ装置において、隣り合っている発光領域の間の距離は解像度に反比例し得る。例えば、上記ディスプレイ装置は、隣り合っている発光領域の間に位置する非発光領域の大きさ及び面積を減らして高解像度を具現することができる。しかしながら、隣り合っている発光構造物の下部電極の間を十分に絶縁するためには、隣り合っている発光領域の間が一定以上の水平距離を維持する必要がある。したがって、上記ディスプレイ装置は、解像度を高めるために、非発光領域の大きさ及び面積を減少させるには限界があるという問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、隣り合っている発光構造物の最小絶縁距離よりも非発光領域の大きさ及び面積を減少し得るディスプレイ装置を提供することである。
【0007】
本発明が解決しようとする他の課題は、隣り合っている発光構造物が短い水平距離にもかかわらず十分に絶縁され得るディスプレイ装置を提供することである。
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、上述の課題に限定されない。ここで述べていない課題は、以下の記載から、通常の技術者にとって明確に理解されるだろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記解決しようとする課題を達成するための本発明の技術的思想によるディスプレイ装置は、下部基板の第1発光領域上に位置する第1発光構造物、及び下部基板の第1発光領域と異なる色を具現する第2発光領域上に位置する第2発光構造物を含む。下部基板と第2発光構造物との間の垂直距離は、下部基板と第1発光構造物との間の垂直距離より大きい。
【0010】
第2発光構造物の垂直長さは第1発光構造物の垂直長さと同一であってもよい。
【0011】
前記下部基板の前記第1発光領域及び前記第2発光領域と異なる色を具現する第3発光領域上には第3発光構造物が位置してもよい。下部基板と第3発光構造物との間の垂直距離は、下部基板と第1発光構造物との間の垂直距離と同一であってもよい。
【0012】
第2発光領域は第1発光領域と第3発光領域との間に位置してもよい。
【0013】
前記下部基板と前記第1発光構造物との間には下部絶縁膜が位置してもよい。下部絶縁膜は下部基板と第2発光構造物との間に延びてもよい。下部絶縁膜と第2発光構造物との間には上部絶縁膜が位置してもよい。
【0014】
上部絶縁膜は下部絶縁膜と異なる物質を含んでもよい。
【0015】
下部絶縁膜は、第1発光構造物の下部電極が延びる第1下部コンタクトホール、及び第2発光構造物の下部電極が延びる第2下部コンタクトホールを含んでもよい。第2下部コンタクトホールの大きさは第1下部コンタクトホールの大きさより大きくてもよい。
【0016】
上部絶縁膜は第1発光構造物の下部電極の縁を覆ってもよい。
【0017】
上部絶縁膜は第2下部コンタクトホールの内側に延びてもよい。
【0018】
上部絶縁膜は第2発光構造物の下部電極で埋められる上部コンタクトホールを含んでもよい。上部コンタクトホールは第2下部コンタクトホールの内側に延びてもよい。
【0019】
前記解決しようとする他の課題を達成するための本発明の技術的思想によるディスプレイ装置は、下部基板上に位置する下部オーバーコート層を含む。下部オーバーコート層上には第1発光構造物が位置する。第1発光構造物は互いに離隔する。第1発光構造物の間には上部オーバーコート層が位置する。上部オーバーコート層上には第2発光構造物が位置する。
【0020】
上部オーバーコート層は下部オーバーコート層と同じ物質を含んでもよい。
【0021】
上部オーバーコート層の側面は逆テーパー形状を有してもよい。
【0022】
それぞれの第1発光構造物は第1下部電極、第1発光層及び第1上部電極を含んでもよい。それぞれの第2発光構造物は第2下部電極、第2発光層及び第2上部電極を含んでもよい。第2下部電極、第2発光層及び第2上部電極はそれぞれ、第1下部電極、第1発光層及び第1上部電極と同じ物質を含んでもよい。
【0023】
第2下部電極及び第2発光層はそれぞれ第1下部電極及び第1発光層と離隔してもよい。
【0024】
第1発光構造物と重なる第1貫通ホールが下部オーバーコート層を貫通してもよい。第2発光構造物と重なる第2貫通ホールが下部オーバーコート層及び上部オーバーコート層を貫通してもよい。第1貫通ホールの側面及び第2貫通ホールの側面は逆テーパー形状を有してもよい。
【0025】
第1貫通ホール内には第1中間絶縁膜が位置してもよい。第1中間絶縁膜は第1コンタクトホールを含んでもよい。第2貫通ホール内には第2中間絶縁膜が位置してもよい。第2中間絶縁膜は第2コンタクトホールを含んでもよい。第1コンタクトホールの側面及び第2コンタクトホールの側面は正テーパー形状を有してもよい。
【発明の効果】
【0026】
本発明の技術的思想によるディスプレイ装置は、隣り合っている発光構造物が最小絶縁距離より短い水平距離でも十分に絶縁され得る。これによって、本発明の技術的思想によるディスプレイ装置では非発光領域の大きさ及び面積を発光構造物の間の最小絶縁距離よりさらに減少させることができる。したがって、本発明の技術的思想によるディスプレイ装置では解像度を大きく向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の実施例に係るディスプレイ装置を概略的に示す図である。
【
図2】本発明の他の実施例に係るディスプレイ装置を示す図である。
【
図3】本発明の他の実施例に係るディスプレイ装置を示す図である。
【
図4】本発明の他の実施例に係るディスプレイ装置を示す図である。
【
図5A】本発明の実施例に係るディスプレイ装置の形成方法を順次に示す図である。
【
図5B】本発明の実施例に係るディスプレイ装置の形成方法を順次に示す図である。
【
図5C】本発明の実施例に係るディスプレイ装置の形成方法を順次に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の上述した目的と技術的構成及びそれによる作用効果に関する詳細な事項は、本発明の実施例を示す図面を参照している以下の詳細な説明によって一層明確に理解できるだろう。ここで、本発明の実施例は、当業者に本発明の技術的思想が十分に伝達され得るようにするために提供するものであるから、本発明は以下に説明する実施例に限定されないように他の形態として具体化してもよい。
【0029】
また、明細書全体にわたって同一の参照番号で表示された部分は同一の構成要素を意味し、図中、層又は領域の長さ及び厚さは便宜のために誇張して表現されることがある。なお、第1構成要素が第2構成要素“上”にあると記載される場合は、上記第1構成要素が上記第2構成要素と直接接触する上側に位置する場合だけでなく、上記第1構成要素と上記第2構成要素との間に第3構成要素が位置する場合も含む。
【0030】
ここで、上記第1、第2などの用語は様々な構成要素を説明するためのものであり、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的で使われる。ただし、本発明の技術的思想から逸脱しない範囲では第1構成要素と第2構成要素を当業者の便宜によって任意に命名することができる。
【0031】
本発明の明細書で使う用語は単に特定の実施例を説明するためのものであり、本発明を限定しようとする意図ではない。例えば、単数で表現された構成要素は、文脈において明白に単数だけを意味しない限り、複数の構成要素をも含む。また、本発明の明細書において、「含む」又は「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部分品又はそれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであり、一つ又はそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部分品又はそれらを組み合わせたものの存在又は付加の可能性をあらかじめ排除しないものと理解すべきである。
【0032】
なお、別に定義されない限り、技術的又は科学的な用語を含めてここで使われる全ての用語は、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者にとって一般的に理解される意味と同じ意味をもつ。一般に使われる辞書に定義されているのと同じ用語は、関連技術の文脈上で有する意味と一致する意味があるものと解釈しなければならず、本発明の明細書で明白に定義しない限り、理想的又は過度に形式的な意味として解釈してはならない。
【0033】
(実施例)
図1は、本発明の実施例に係るディスプレイ装置を概略的に示す図である。
【0034】
図1を参照すると、本発明の実施例に係るディスプレイ装置は、下部基板110、オーバーコート層130、薄膜トランジスタ200、発光構造物300B,300R,300G,300W、及びバンク絶縁膜350を含むことができる。
【0035】
上記下部基板110は、上記薄膜トランジスタ200及び上記発光構造物300B,300R,300G,300Wを支持することができる。上記下部基板110は絶縁性物質を含むことができる。例えば、上記下部基板110は、ガラス又はプラスチックを含むことができる。
【0036】
上記下部基板110は、発光領域BEA,REA,GEA,WEA及び非発光領域NEAを含むことができる。上記非発光領域NEAは、上記発光領域BEA,REA,GEA,WEAの間に位置し得る。上記発光領域BEA,REA,GEA,WEAを上記非発光領域NEAによって分離することができる。
【0037】
上記下部基板110は、互いに異なる色を具現する発光領域BEA,REA,GEA,WEAを含むことができる。例えば、上記下部基板110は、青色を具現する青色発光領域BEA、赤色を具現する赤色発光領域REA、緑色を具現する緑色発光領域GEA、及び白色を具現する白色発光領域WEAを含むことができる。上記発光領域BEA,REA,GEA,WEAは同じ水平長さを有し得る。
【0038】
上記薄膜トランジスタ200は上記下部基板110上に位置し得る。例えば、それぞれの薄膜トランジスタ200は、半導体パターン210、ゲート絶縁膜220、ゲート電極230、層間絶縁膜240、ソース電極250、及びドレイン電極260を含むことができる。
【0039】
上記半導体パターン210は、上記下部基板110の近くに位置し得る。上記半導体パターン210は半導体物質を含むことができる。例えば、上記半導体パターン210は非晶質シリコン又は多結晶シリコンを含むことができる。例えば、上記半導体パターン210はIGZOのような酸化物半導体物質を含むことができる。
【0040】
上記半導体パターン210は、ソース領域、ドレイン領域、及びチャネル領域を含むことができる。上記チャネル領域は上記ソース領域と上記ドレイン領域との間に位置し得る。上記チャネル領域の伝導率(conductivity)を上記ソース領域の伝導率及び上記ドレイン領域の伝導率より低くできる。例えば、上記ソース領域及び上記ドレイン領域は導電型不純物を含むことができる。
【0041】
本発明の実施例に係るディスプレイ装置は、各薄膜トランジスタ200の半導体パターン210が下部基板110と直接接触するとして説明される。しかし、本発明の他の実施例に係るディスプレイ装置は、下部基板110と薄膜トランジスタ200との間に位置するバッファ層をさらに含んでもよい。上記バッファ層は絶縁性物質を含むことができる。例えば、上記バッファ層はシリコン酸化物を含むことができる。
【0042】
上記ゲート絶縁膜220は上記半導体パターン210上に位置し得る。上記ゲート絶縁膜220は上記半導体パターン210の外側に延在し得る。例えば、各薄膜トランジスタ200のゲート絶縁膜220は互いにつながり得る。上記ゲート絶縁膜220は絶縁性物質を含むことができる。例えば、上記ゲート絶縁膜220はシリコン酸化物及び/又はシリコン窒化物を含むことができる。上記ゲート絶縁膜220はHigh−K(高誘電率)物質を含むことができる。例えば、上記ゲート絶縁膜220はハフニウム酸化物又はチタニウム酸化物を含むことができる。上記ゲート絶縁膜220は多重層構造であってもよい。
【0043】
上記ゲート電極230は上記ゲート絶縁膜220上に位置し得る。上記ゲート電極230は上記半導体パターン210の上記チャネル領域と重なり得る。上記ゲート電極230は導電性物質を含むことができる。例えば、上記ゲート電極230はアルミニウム(Al)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)などのような金属を含むことができる。
【0044】
上記層間絶縁膜240は、上記ゲート絶縁膜220及び上記ゲート電極230上に位置し得る。上記ゲート電極230は上記層間絶縁膜240によって完全に覆われ得る。上記層間絶縁膜240は上記半導体パターン210の外側に延在し得る。例えば、各薄膜トランジスタ200の層間絶縁膜240は互いにつながり得る。上記層間絶縁膜240は絶縁性物質を含むことができる。例えば、上記層間絶縁膜240はシリコン酸化物及び/又はシリコン窒化物を含むことができる。上記層間絶縁膜240は多重層構造であってもよい。
【0045】
上記ソース電極250及び上記ドレイン電極260は、上記層間絶縁膜240上に位置し得る。上記ソース電極250は上記半導体パターン210の上記ソース領域と電気的に連結され得る。上記ドレイン電極260は上記半導体パターン210の上記ドレイン領域と電気的に連結され得る。例えば、上記ゲート絶縁膜220及び上記層間絶縁膜240は、各薄膜トランジスタ200の半導体パターン210のソース領域を露出するコンタクトホール、及びドレイン領域を露出するコンタクトホールを含むことができる。上記ドレイン電極260は上記ソース電極250と離隔し得る。
【0046】
上記ソース電極250及び上記ドレイン電極260は導電性物質を含むことができる。例えば、上記ソース電極250及び上記ドレイン電極260は、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)などのような金属を含むことができる。上記ドレイン電極260は上記ソース電極250と同じ物質を含むことができる。例えば、上記ドレイン電極260は上記ソース電極250と同じエッチング工程によって形成され得る。上記ゲート電極230は、上記ソース電極250及び上記ドレイン電極260と異なる物質を含むことができる。
【0047】
本発明の実施例に係るディスプレイ装置は、各薄膜トランジスタ200の半導体パターン210が下部基板110とゲート電極230との間に位置するとして説明される。しかし、本発明の他の実施例に係るディスプレイ装置は、各薄膜トランジスタ200が下部基板110と半導体パターン210との間に位置するゲート電極230を含んでもよい。
【0048】
上記オーバーコート層130は上記薄膜トランジスタ200上に位置し得る。上記オーバーコート層130は、上記薄膜トランジスタ200による段差を除去することができる。上記オーバーコート層130は絶縁性物質を含むことができる。例えば、上記オーバーコート層130は有機絶縁物質を含むことができる。
【0049】
本発明の実施例に係るディスプレイ装置は、薄膜トランジスタ200がオーバーコート層130と直接接触するとして説明される。しかし、本発明の他の実施例に係るディスプレイ装置は、薄膜トランジスタ200とオーバーコート層130との間に位置する下部保護膜をさらに含んでもよい。上記下部保護膜は絶縁性物質を含むことができる。上記下部保護膜は、上記オーバーコート層130と異なる物質を含むことができる。例えば、上記下部保護膜はシリコン酸化物及び/又はシリコン窒化物を含むことができる。上記下部保護膜は多重層構造であってもよい。
【0050】
上記発光構造物300B,300R,300G,300Wはそれぞれ特定色を具現する光を生成することができる。例えば、各発光構造物300B,300R,300G,300Wは順に積層された、下部電極310B,310R,310G,310W、発光層320、及び上部電極330を含むことができる。
【0051】
各発光構造物300B,300R,300G,300Wは、上記下部基板110の発光領域BEA,REA,GEA,WEAの中の一つと重なり得る。例えば、上記発光構造物300B,300R,300G,300Wは、上記青色発光領域BEAと重なり合う青色発光構造物300B、上記赤色発光領域REAと重なり合う赤色発光構造物300R、上記緑色発光領域GEAと重なり合う緑色発光構造物300G、及び上記白色発光領域WEAと重なり合う白色発光領域300Wを含むことができる。
【0052】
上記発光構造物300B,300R,300G,300Wは、上記薄膜トランジスタ200によって選択的に駆動し得る。例えば、各発光構造物300B,300R,300G,300Wの下部電極310B,310R,310G,310Wは、上記薄膜トランジスタ200の中の一つのドレイン電極260と電気的に連結され得る。上記発光構造物300B,300R,300G,300Wは、上記オーバーコート層130上に位置し得る。例えば、上記オーバーコート層130は、各発光構造物300B,300R,300G,300Wの下部電極310B,310R,310G,310Wが延びるコンタクトホール131h,132hを含むことができる。
【0053】
上記下部電極310B,310R,310G,310Wは、反射率の高い物質を含むことができる。例えば、上記下部電極310B,310R,310G,310Wは、アルミニウム(Al)及び銀(Ag)のような金属を含むことができる。上記下部電極310B,310R,310G,310Wは多重層構造であってもよい。例えば、上記下部電極310B,310R,310G,310Wは、ITO及びIZOなどのような透明導電性物質を含む透明電極の間に反射率の高い物質を含む反射電極が位置する構造であってもよい。
【0054】
上記発光層320は、該当の発光構造物300B,300R,300G,300Wの下部電極310B,310R,310G,310Wと上部電極330との電圧差に対応する輝度の光を生成することができる。例えば、上記発光層320は、発光物質を含む発光物質層(Emitting Material Layer;EML)を含むことができる。上記発光物質は有機物質、無機物質又はハイブリッド物質を含むことができる。例えば、本発明の実施例に係るディスプレイ装置は、有機物質の発光層320を含む有機発光表示装置であってもよい。
【0055】
上記発光層320は、発光効率を高めるために多重層構造であってもよい。例えば、上記発光層320は、正孔注入層(Hole Injection Layer;HIL)、正孔輸送層(Hole Transport Layer;HTL)、電子輸送層(Electron Tranport Layer;ETL)及び電子注入層(Electron Injection Layer;EIL)のうち少なくとも一つをさらに含むことができる。
【0056】
本発明の実施例に係るディスプレイ装置は、発光構造物300B,300R,300G,300Wが同じ色を具現することができる。例えば、各発光構造物300B,300R,300G,300Wの発光層320は、隣り合っている発光領域BEA,REA,GEA,WEA上に延び得る。隣り合っている発光構造物300B,300R,300G,300Wの発光層320は互いにつながり得る。
【0057】
上記上部電極330は導電性物質を含むことができる。上記上部電極330は上記下部電極310と異なる構造であってもよい。例えば、上記上部電極330はITO及びIZOなどのような透明な物質を含む透明電極であってもよい。上記発光層320によって生成された光は、上記上部電極330の方向に放出され得る。
【0058】
本発明の実施例に係るディスプレイ装置は、発光層320による光が上部電極330を通過するとして説明される。しかし、本発明の他の実施例に係るディスプレイ装置は、発光層320による光が下部基板110の外側方向に進行してもよい。または、本発明の他の実施例に係るディスプレイ装置は、発光層320によって生成された光が下部電極310及び上部電極330の両方を通過してもよい。例えば、本発明の他の実施例に係るディスプレイ装置は背面発光方式又は両面発光方式であってもよい。
【0059】
上記上部電極330は上記発光層320に沿って延在し得る。例えば、各発光構造物300B,300R,300G,300Wの上部電極330は、隣り合っている発光領域BEA,REA,GEA,WEA上に延び得る。上記発光構造物300B,300R,300G,300Wは、つながっている上部電極330を含むことができる。
【0060】
上記バンク絶縁膜350は上記オーバーコート層130上に位置し得る。上記バンク絶縁膜350は、上記下部基板110の上記発光領域BEA,REA,GEA,WEAのうち一部の発光領域BEA,REA,GEA,WEA上に位置し得る。例えば、上記バンク絶縁膜350は、上記下部基板110の隣り合っている2つの発光領域BEA,REA,GEA,WEAのうち一つの発光領域BEA,REA,GEA,WEA上に位置し得る。例えば、上記バンク絶縁膜350は、上記下部基板110における並んで位置する青色発光領域BEA、赤色発光領域REA、緑色発光領域GEA、及び白色発光領域WEAのうち、上記赤色発光領域REA及び上記白色発光領域WEA上に位置し得る。
【0061】
上記バンク絶縁膜350は、上記オーバーコート層130と該当の発光構造物300B,300R,300G,300Wとの間に位置し得る。例えば、上記赤色発光構造物300R及び上記白色発光構造物300Wは、上記バンク絶縁膜350上に位置し得る。上記下部基板110と上記赤色発光構造物300R又は上記白色発光構造物300Wとの間の垂直距離を、上記下部基板110と上記青色発光構造物300B又は上記緑色発光構造物300Gとの間の垂直距離より大きくできる。
【0062】
本発明の実施例に係るディスプレイ装置は、隣り合っている2つの発光構造物300B,300R,300G,300Wの中の一つがバンク絶縁膜350上に位置し得る。すなわち、本発明の実施例に係るディスプレイ装置では、隣り合っている2つの発光構造物300B,300R,300G,300Wが異なる高さを有し得る。これによって、本発明の実施例に係るディスプレイ装置では、隣り合っている発光構造物300B,300R,300G,300Wが、短い水平距離でも十分に絶縁され得る。したがって、本発明の実施例に係るディスプレイ装置では、隣り合う発光領域BEA,REA,GEA,WEAの間に位置する非発光領域(NEA)の水平長さを減少させることができる。
【0063】
上記バンク絶縁膜350は絶縁性物質を含むことができる。例えば、上記バンク絶縁膜350は、ベンゾシクロブテン(BCB)、ポリイミド(poly−imide)及びフォトアクリル(photo acryl)などのような有機絶縁物質を含むことができる。上記バンク絶縁膜350は、上記オーバーコート層130と異なる物質を含むことができる。
【0064】
上記バンク絶縁膜350は、該当の発光領域BEA,REA,GEA,WEAに隣り合っている発光領域BEA,REA,GEA,WEA上に位置する下部電極310B,310R,310G,310Wの縁を覆うことができる。例えば、上記バンク絶縁膜350は、上記青色発光構造物300Bの下部電極310B及び上記緑色発光構造物300Gの下部電極310Gの縁を覆うことができる。
【0065】
上記バンク絶縁膜350上に位置する発光構造物300B,300R,300G,300Wの下部電極310B,310R,310G,310Wは、上記バンク絶縁膜350の間に位置する発光構造物300B,300R,300G,300Wの下部電極310B,310R,310G,310Wと異なる工程で形成することができる。例えば、上記赤色発光構造物300Rの下部電極310R及び上記白色発光構造物300Wの下部電極310Wを形成する工程は、上記青色発光構造物300Bの下部電極310B及び上記緑色発光構造物300Gの下部電極310Gを形成する工程と独立して行うことができる。上記赤色発光構造物300Rの下部電極310R及び上記白色発光構造物300Wの下部電極310Wは、上記青色発光構造物300Bの下部電極310B及び上記緑色発光構造物300Gの下部電極310Gと異なる形態を有することができる。
【0066】
上記バンク絶縁膜350上に位置する発光構造物300B,300R,300G,300Wの下部電極310B,310R,310G,310Wを形成する工程を、上記バンク絶縁膜350の間に位置する発光構造物300B,300R,300G,300Wの下部電極310B,310R,310G,310Wを形成する工程と同じ方式で行ってもよい。例えば、上記赤色発光構造物300Rの下部電極310R及び上記白色発光構造物300Wの下部電極310Wは、上記青色発光構造物300Bの下部電極310B及び上記緑色発光構造物300Gの下部電極310Gと同じ構造を有してもよい。上記赤色発光構造物300Rの垂直長さ及び上記白色発光構造物300Wの垂直長さは、上記青色発光構造物300Bの垂直長さ及び上記緑色発光構造物300Gの垂直長さと同一であってもよい。例えば、上記赤色発光構造物300Rの下部電極310R及び上記白色発光構造物300Wの下部電極310Wは、上記青色発光構造物300Bの下部電極310B及び上記緑色発光構造物300Gの下部電極310Gと同じ物質を含むことができる。
【0067】
上記バンク絶縁膜350は、該当の発光構造物300B,300R,300G,300Wの下部電極310B,310R,310G,310Wが延びるバンクコンタクトホール350hを含むことができる。上記バンクコンタクトホール350hは上記オーバーコート層130を貫通し得る。例えば、上記オーバーコート層130は、上記バンク絶縁膜350が形成されていない発光領域BEA,REA,GEA,WEA上に位置する第1オーバーコンタクトホール131h、及び上記バンク絶縁膜350が形成されている発光領域BEA,REA,GEA,WEA上に位置する第2オーバーコンタクトホール132hを含むことができる。上記バンクコンタクトホール350hは上記第2オーバーコンタクトホール132hと整列し得る。
【0068】
上記バンクコンタクトホール350hは上記第2オーバーコンタクトホール132h内に延在し得る。上記バンクコンタクトホール350hの下端部は上記第2オーバーコンタクトホール132h内に位置し得る。上記バンクコンタクトホール350hの大きさは上記第1オーバーコンタクトホール131hの大きさと同一であってもよい。例えば、上記第2オーバーコンタクトホール132hの大きさは、上記第1オーバーコンタクトホール131hの大きさより大きくできる。上記バンク絶縁膜350は上記オーバーコート層130の上記第2オーバーコンタクトホール132hの側面上に延在し得る。
【0069】
本発明の実施例に係るディスプレイ装置は、発光構造物300B,300R,300G,300W上に位置する素子保護膜400をさらに含むことができる。上記素子保護膜400は外部衝撃及び水分から発光構造物300B,300R,300G,300Wを保護することができる。上記素子保護膜400は絶縁性物質を含むことができる。例えば、上記素子保護膜400はシリコン酸化物及び/又はシリコン窒化物を含むことができる。上記素子保護膜400は多重層構造であってもよい。
【0070】
本発明の実施例に係るディスプレイ装置は、素子保護膜400上に位置する上部基板500をさらに含むことができる。上記上部基板500は上記下部基板110と対向し得る。上記上部基板500は絶縁性物質を含むことができる。上記上部基板500は透明な物質を含むことができる。例えば、上記上部基板500はガラス又はプラスチックを含むことができる。
【0071】
上記上部基板500上にはブラックマトリックス610及びカラーフィルター620B,620R,620Gが位置し得る。上記ブラックマトリックス610は、上記下部基板110の上記非発光領域NEAと重なり得る。上記カラーフィルター620B,620R,620Gは上記ブラックマトリックス610の間に位置し得る。上記カラーフィルター620B,620R,620Gは、上記下部基板110の上記発光領域BEA,REA,GEA,WEAと重なり得る。例えば、上記カラーフィルター620B,620R,620Gは、上記青色発光領域BEAと重なり合う青色カラーフィルター620B、上記赤色発光領域REAと重なり合う赤色カラーフィルター620R、及び上記緑色発光領域GEAと重なり合う緑色カラーフィルター620Gを含むことができる。上記下部基板110の上記白色発光領域WEAと重なり合う上記上部基板500の表面上には、カラーフィルター620B,620R,620Gが位置しなくてよい。上記上部基板500は接着層700によって上記下部基板110と合着し得る。
【0072】
結果的に、本発明の実施例に係るディスプレイ装置は、隣り合っている2つの発光構造物300B,300R,300G,300Wが下部基板110からの異なる垂直長さを有し、上記隣り合っている2つの発光構造物300B,300R,300G,300Wが短い水平距離でも十分に絶縁され得るため、隣り合っている発光領域BEA,REA,GEA,WEAの間に位置する非発光領域NEAの水平長さを減少させることができる。
【0073】
本発明の実施例に係るディスプレイ装置は、オーバーコート層130上に位置するバンク絶縁膜350によって、隣り合っている2つの発光構造物300B,300R,300G,300Wの位置が異なるとして説明される。しかし、本発明の他の実施例に係るディスプレイ装置は、オーバーコート層130を用いて隣り合っている2つの発光構造物300B,300R,300G,300Wが異なる位置を有するようにしてもよい。例えば、
図2に示すように、本発明の他の実施例に係るディスプレイ装置は、オーバーコート層130が下部オーバーコート層131、及び該下部オーバーコート層131から突出する上部オーバーコート層132を含むことができる。上記上部オーバーコート層132は互いに離隔し得る。例えば、本発明の他の実施例に係るディスプレイ装置において上記下部オーバーコート層131及び上記上部オーバーコート層132を含むオーバーコート層130は、薄膜トランジスタ120を覆う有機絶縁膜を部分的にエッチングして形成することができる。上記上部オーバーコート層132は上記下部オーバーコート層131と同じ物質を含むことができる。
【0074】
本発明の他の実施例に係るディスプレイ装置において上記上部オーバーコート層132の側面132sは逆テーパー形状を有し得る。各発光構造物300B,300R,300G,300Wの発光層320は蒸発(evaporation)を用いた蒸着工程で形成されるため、上記発光層320は上記上部オーバーコート層132の逆テーパー形状を有する側面132s上に蒸着しなくて済む。これによって、本発明の他の実施例に係るディスプレイ装置では、隣り合っている発光構造物300B,300R,300G,300Wが互いに分離している発光層320を含むことができる。また、本発明の他の実施例に係るディスプレイ装置では、下部電極310B,310R,310G,310Wが蒸発を用いた蒸着工程によって形成されるため、パターニング工程無しで各発光領域BEA,REA,GEA,WEA上に、隣り合う発光領域BEA,REA,GEA,WEAと絶縁される下部電極310B,310R,310G,310Wを形成することができる。したがって、本発明の他の実施例に係るディスプレイ装置では、各発光構造物300B,300R,300G,300Wの下部電極310B,310R,310G,310W、発光層320、及び上部電極330を一つの工程チャンバーで真空状態を維持しながら形成することができ、工程時間を大幅に減らすことができる。また、本発明の他の実施例に係るディスプレイ装置では、パターニング工程無しで下部電極310B,310R,310G,310Wが形成されるため、上記下部電極310B,310R,310G,310Wに使用し得る物質を幅広く選択することができ、後続工程、例えば、リペア工程を容易に進行することができる。
【0075】
本発明の他の実施例に係るディスプレイ装置は、オーバーコート層130の上部オーバーコート層132が下部オーバーコート層131と同じ物質を含むとして説明される。しかし、
図3に示すように、本発明の更に他の実施例に係るディスプレイ装置は、オーバーコート層130が下部オーバーコート層131と異なる物質又は物理的特性を有する上部オーバーコート層133を含んでもよい。例えば、本発明の更に他の実施例に係るディスプレイ装置は、コンタクトホール131h,134hが形成されている下部オーバーコート層131上に有機絶縁膜を形成し、上記有機絶縁膜をパターニングして逆テーパー形状の側面133sを有する上部オーバーコート層133を形成して完成したオーバーコート層130を含むことができる。これによって、本発明の更に他の実施例に係るディスプレイ装置において下部オーバーコート層131のコンタクトホール131h,134hと上部オーバーコート層133のコンタクトホール135hとの関係は、
図1に示した本発明の実施例に係るディスプレイ装置と同一であり得る。
【0076】
本発明の他の実施例に係るディスプレイ装置は、上部オーバーコート層132,133の側面が逆テーパー形状を有するが、コンタクトホールの側面は正テーパー形状であるとして説明される。しかし、
図4に示すように、本発明の更に他の実施例に係るディスプレイ装置は、オーバーコート層130が逆テーパー形状の側面を有する貫通ホール136h,137hを含むことができる。本発明の更に他の実施例に係るディスプレイ装置は、オーバーコート層130の上記貫通ホール136h,137h内に位置する中間絶縁層810,820をさらに含むことができる。上記中間絶縁層810,820は、正テーパー形状の側面を有するコンタクトホール810h,820hを含むことができる。これによって、本発明の更に他の実施例に係るディスプレイ装置では、上部オーバーコート層132の側面に逆テーパー形状を形成する工程によって下部電極310B,310R,310G,310Wの電気的連結が不安定になることを防止することができる。
【0077】
図5A〜
図5Cは、
図3に示す本発明の実施例に係るディスプレイ装置の形成方法を順次に示す図である。
【0078】
図3及び
図5A〜
図5Cを参照して、本発明の実施例に係るディスプレイ装置の形成方法を説明する。まず、
図5Aに示すように、本発明の実施例に係るディスプレイ装置の形成方法は、下部基板110上に薄膜トランジスタ200を形成する工程、上記薄膜トランジスタ200を覆う下部オーバーコート層131を形成する工程、及び上記下部オーバーコート層131に下部コンタクトホール131h,134hを形成する工程を含むことができる。
【0079】
上記下部オーバーコート層131の上記下部コンタクトホール131h,134hをそれぞれ該当の発光領域BEA,REA,GEA,WEAと重なり合うように形成することができる。
【0080】
図5Bに示すように、本発明の実施例に係るディスプレイ装置の形成方法は、上記下部コンタクトホール131h,134hが形成された下部オーバーコート層131上に有機絶縁膜133aを形成してオーバーコート層130を構成する工程を含むことができる。
【0081】
上記有機絶縁膜133aは、上記下部オーバーコート層131と同じ物質を含むことができる。上記下部オーバーコート層131に上記下部コンタクトホール131h,134hを形成する工程は硬化工程を含むことができる。これによって、本発明の実施例に係るディスプレイ装置において上記有機絶縁膜133aが上記下部オーバーコート層131と物理的特性が異なるようにすることができる。上記有機絶縁膜133aは上記下部オーバーコート層131の上記下部コンタクトホール131h,134hの内側に延在し得る。上記下部オーバーコート層131の上記下部コンタクトホール131h,134hは上記有機絶縁膜133aによって埋められる。
【0082】
図5Cに示すように、本発明の実施例に係るディスプレイ装置の形成方法は、上記有機絶縁膜133aをパターニングして逆テーパー形状の側面133sを有する上部オーバーコート層133を形成してオーバーコート層130を完成する工程を含むことができる。
【0083】
上記上部オーバーコート層133を形成する工程は、上記上部オーバーコート層133に上記下部オーバーコート層131の上記下部コンタクトホール134hと整列される上部コンタクトホール135hを形成する工程を含むことができる。
【0084】
図3に示すように、本発明の実施例に係るディスプレイ装置の形成方法は、上記オーバーコート層130上に発光構造物300B,300R,300G,300Wを形成する工程、上記発光構造物300B,300R,300G,300Wが形成されている下部基板110上に、カラーフィルター620B,620R,620Gが形成されている上部基板500を整列する工程、及び接着層700を用いて上記下部基板110と上記上部基板500とを合着する工程を含むことができる。
【0085】
上記発光構造物300B,300R,300G,300Wを形成する工程は、下部電極310B,310R,310G,310Wを形成する工程、隣り合っている発光領域BEA,REA,GEA,WEAから分離された発光層320を形成する工程及び上部電極330を形成する工程を含むことができる。
【0086】
上記下部電極310B,310R,310G,310Wを形成する工程、上記発光層320を形成する工程、及び上記上部電極330を形成する工程は同じ方式の工程を含むことができる。例えば、上記下部電極310B,310R,310G,310W、上記発光層320、及び上記上部電極330を、蒸発を用いた蒸着工程で形成することができる。上記下部電極310B,310R,310G,310Wを形成する工程、上記発光層320を形成する工程、及び上記上部電極330を形成する工程を一つの工程チャンバー内で真空状態を維持しながら順次に行うことができる。
【0087】
結果的に、本発明の実施例に係るディスプレイ装置は、隣り合っている発光領域BEA,REA,GEA,WEAの間に位置する非発光領域NEAを大きく減らして解像度を向上させると同時に、発光構造物300B,300R,300G,300Wを形成するためにかかる時間を大きく短縮して全体的な生産効率を向上させることができる。
【符号の説明】
【0088】
110 下部基板
130 オーバーコート層
131 下部オーバーコート層
132 上部オーバーコート層
200 薄膜トランジスタ
300B,300R,300G,300W 発光構造物
350 バンク絶縁膜