(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記X変調器および前記Y変調器は、マッハツェンダ変調器(MZM)、電界吸収型(EA)変調器、または同相および直交位相(IQ)変調器の任意の組み合わせである請求項6に記載のシステム。
前記第1のPBSを前記入力ポートに、前記第1のPSを前記第1のPBSに、前記第1のPRを前記第1のPBSに、前記第1のBSを前記第1のPSおよび前記第1のPRに、前記第1の出力ポートを前記第1のBSに、および前記第2の出力ポートを前記第1のBSに結合する導波路媒体をさらに備える請求項1乃至9のいずれかに記載のシステム。
【発明を実施するための形態】
【0009】
最初に、1つまたは複数の実施形態の例示的実装形態が以下に与えられるが、開示されるシステムおよび/または方法は、現在知られているかまたは存在するかどうかにかかわらず、任意の数の技法を用いて実施され得ることが理解されるべきである。本開示は、本明細書に示され述べられる例示的設計および実装形態を含み以下に示される実装形態、図面、および技法に全く限定されるべきではなく、それらの等価物の完全な範囲と共に、添付の特許請求の範囲の範囲内において変更され得る。
【0010】
高速光トランシーバは、光通信システムにおける主要な構成要素である。より高次の直交振幅変調(QAM)などの先進型変調形式をコヒーレント検出と組み合わせたシステムは、高性能および大容量を示している。この関連において、コヒーレント検出とは、信号を復元するための振幅情報および位相情報の両方の検出を指す。
【0011】
このような先進型変調形式は、送信器および受信器の両方において実施される。送信器において、同相および直交位相(IQ)変調器などの変調器は、連続波(CW)光上にデータを変調して、変調された光信号を発生する。このような変調は偏光に依存するので、CWレーザと変調器とは、一致した偏光を有する必要がある。受信器において、集積化コヒーレント受信器(ICR)は、変調された光信号および局部発振器(LO)光信号を受け、LO光信号は、ICRが位相情報を復元するために、変調された光信号とのビートを生じる。このような復元は偏光に依存するので、LO光信号とICRとは、一致した偏光を有する必要がある。したがって、送信器および受信器は共に、それらのそれぞれの構成要素の間で偏光整合を必要とする。
【0012】
参照により組み込まれている非特許文献1では、偏光維持ファイバ(PMF)を使用して、CWレーザを変調器に接続する。同様に、参照により組み込まれている非特許文献2では、PMFを使用して、LO光信号源をコヒーレント受信器に接続する。PMFは、標準シングルモードファイバ(SSMF)、および偏光維持型ではない他のファイバと比べてはるかに高価である。従来の手法において、CWレーザが送信器内で変調器に比較的近く、LO源が受信器内でコヒーレント受信器に比較的近い場合、ファイバ長は比較的短いのでPMFの追加コストは問題になり得ない。しかし、ファイバ長が長い他の用途では、PMFの追加コストは問題になり得る。したがって、PMFを用いずに、送信器および受信器において偏光を一致させる必要性がある。
【0013】
本明細書において、PSAに対する実施形態が開示される。PSAは、ファイバまたは他の光学構成要素から光ビームまたは信号を受け、光ビームまたは信号の偏光を、オプトエレクトロニクス回路の所望の偏光に調整し、光ビームまたは信号をオプトエレクトロニクス回路に渡す。オプトエレクトロニクス回路はIQ変調器、ICR、または他の構成要素を備える。PSAは、これらの構成要素の偏光依存性に対処する。PSAは光の偏光を所望の偏光に調整するので、PSAは、PMFの代わりに、偏光維持型ではないSSMFまたは他のファイバの使用を可能にする。PSAは、特に構成要素を結合するために長いファイバが必要なとき、コストを低減する。データセンタ送信器用途に対しては、複数のレーザ源はエンドオブロー(EoR)スイッチ内にあることがあり、レーザ源に対応する変調器は比較的遠く離れてトップオブラック(ToR)スイッチ内にあることがあり、SSMFによってレーザ源に結合され得る。フロントホール送信器用途に対しては、複数のレーザ源はベースバンドユニット(BBU)内にあることがあり、レーザ源に対応する変調器は、比較的遠く離れてリモート無線ユニット(RRU)にあることがあり、SSMFによってレーザ源に結合され得る。同様に受信器システム用途に対しては、LO光信号源は比較的遠く離れていることがあり、SSMFによってコヒーレント受信器に結合され得る。この関連において、比較的遠く離れているとは、少なくとも数メートル(m)、および数十キロメートル(km)までを意味し得る。PSAは特に短距離用途に対してコストを低減するが、PSAはメトロ用途に用いられてもよい。
【0014】
図1は、本開示の実施形態によるPSA100の概略図である。PSA100は、入力ポート110、偏光ビームスプリッタ(PBS)120、位相シフタ(PS)130、偏光回転子(PR)140、ビームスプリッタ(BS)150、出力ポート160、および出力ポート170を備える。それらの構成要素を接続する直線は、光ビームまたは信号を表す。光ビームまたは信号は文字「E」の変化形としてラベルが付けられ、これはワットの平方根(W
1/2)での光フィールドを示す。さらに光ビームまたは信号は、様々な点におけるそれらの偏光によってラベルが付けられる。偏光は、横電界(TE)および横磁界(TM)を含む。図に示されないが、光は、自由空間オプティクス用途では空気を通って、または導波路用途ではシリコン(Si)、二酸化シリコン(SiO
2)、インジウム燐(InP)、または他の適切な材料を備えた光導波路媒体を通って進行する。PS130は、PSA100の上部枝路内に示されるが、PS130は代わりに、PSA100の下部枝路内、またはPSA100の上部枝路および下部枝路の両方にあってよい。
【0015】
動作時に、入力光E
inは、入力ポート110を通ってPSA100に入る。E
inはSSMFから入ってよく、したがって不定の偏光を有する。E
inは、入力ポート110からPBS120に進む。PBS120はE
inを、TE偏光を有する第1の光E
1と、TM偏光を有する第2の光E
2とに分割する。次いでPBS120は、E
1をPS130に、およびE
2をPR140に渡す。PS130は、以下で述べられるようにE
1の位相シフトを行い、E
1をBS150に渡す。E
1の位相シフトの後、E
1とE
2との間の位相の差は、位相遅延と呼ばれる。PR140は、E
2がTE偏光を有するようにE
2を90度(°)回転させ、PR140はE
2をBS150に渡す。最後にBS150は、E
1およびE
2の両方を受け、E
1およびE
2を結合し、E
out,1を出力ポート160に、E
out,2を出力ポート170に渡す。位相シフトが特定の値であるとき、E
1およびE
2は同じパワーを有する。さらにE
1およびE
2は同じTE偏光を有し、これは後続のオプトエレクトロニクス回路の所望の偏光であり得る。したがってE
inがどのような不定の偏光を有しても、E
out,1およびE
out,2は同じTE偏光を有し、同じパワーを有する。
【0016】
E
1およびE
2がBS150に入るとき、それらは以下のように表され得る。
E
1=E
0e
j[ωt+ψ(t)]cosθ (1)
E
2=E
0e
j[ω(t-τ)+ψ(t)+Δφ]sinθ (2)
ただし、E
1はPSA100の上部枝路からBS150に入る光の光フィールドであり、E
0はE
inの光フィールドの振幅であり、eは指数関数であり、jは虚数であり、ωはヘルツ(Hz)の単位での光キャリア周波数であり、tは秒(s)の単位での時間であり、ψは位相ノイズを含み得るラジアンの単位での光位相であり、θはE
inの偏光とPBS120のTE偏光との間の相対角度で、度(°)の単位であり、E
2はPSA100の下部枝路からBS150に入る光の光フィールドであり、τはE
1とE
2との間の時間遅延で、秒(s)の単位であり、ΔφはE
1とE
2との間に導入された位相遅延で、ラジアンの単位である。E
out,1およびE
out,2は以下のように表される。
【0019】
Φ
1およびΦ
2は、それぞれラジアンの単位でのE
out,1およびE
out,2の位相であり、以下のように表される。
【0021】
それぞれワット(W)の単位でのE
1およびE
2のパワーは、以下の通りである。
【0024】
ただしΔψ=−ωτ+ΔφはE
1とE
2との間の総位相遅延であり、およびP
0はワットの単位でのE
inのパワーである。式(5)および(6)は、kを整数としてΔψ=kπの場合、P
1およびP
2のθに対する依存性は除去されることができ、それによりP
1およびP
2は共にP
0/2に等しくなる。
【0025】
以下で述べられるプロセッサは、計算を行い、計算に基づいてPS130にE
1の位相シフトを行うように命令する。PS130は、加熱器または位相変調器でよい。PS130が加熱器である場合、PS130は、プロセッサからの命令に基づいて熱を与える。PS130が位相変調器である場合、PS130はプロセッサからの命令に基づいて電圧または電流を供給する。
【0026】
図2は、
図1のPSA100に対して、様々な相対角度の値に対する位相遅延の関数としての出力のグラフ200である。x軸はxπラジアンでの位相遅延Δψを表し、xは0と2の間である。例えば値1は、位相遅延Δψが1πラジアンであることを示す。y軸は、任意のまたは一定の単位での入力パワーに対する出力パワーを表す。例えば値0.5は、P
out,1がP
0の二分の一であることを示す。相対角度はθであり、その様々な値は0°、45°、および80°である。すべてのθの値に対して、P
1およびP
2の相対パワーはΔψと共に変化し、相補的な関係を有する。図から分かるように、Δψが1πラジアンおよび2πラジアンのとき、P
1およびP
2の相対パワーは共に0.5となる。言い換えれば、P
1およびP
2はP
0の二分の一となる。上述のように、Δψがπのk倍のとき、同じことが成り立つ。相対角度θ=Nπ/2に対して、Nが整数のとき、P
1およびP
2はΔψに関わらず等しいパワーを有する。
【0027】
時間遅延τは、波長依存性を低減するために、ゼロになるように設計されることができる。しかし、製造においてτにいくらかの変化を導入することがあるので、τはゼロにならない。通常の単一波長動作に対してωτは単一の値であるが、光キャリア周波数ωは波長ドリフトにより変化し得る。波長ドリフトは、冷却されない低密度波長分割多重(CWDM)レーザに対して±6.5ナノメートル(nm)になり得るが、波長ドリフトは通常比較的ゆっくりである。したがって波長ドリフトは追跡されることができ、波長ドリフトは位相遅延Δφを調整することによって補償されることができる。波長ドリフトが比較的速いとき、遅延許容差に対する100ギガヘルツ(GHz)の自由スペクトル領域(FSR)は、波長ドリフトの追跡および補償を与える。100GHzのFSRは10ピコ秒(ps)の時間遅延τに対応し、したがってPSA100の上部枝路とPSA100の下部枝路との間の長さの差または許容差は、約4の屈折率を有するシリコン導波路に対して、約0.75ミリメートル(mm)である。この許容差は、利用可能な製造技法に対して現実的である。
【0028】
式(3)および(4)は、−ωτ+Δφ=kπである場合、Φ
1およびΦ
2は共にθに等しいことを示す。したがってΦ
1およびΦ
2の変化は遅い。したがって、Φ
1およびΦ
2の変化は追跡され補償され得る。
【0029】
図3は、本開示の実施形態による集積化PSA300の概略図である。PSA300は、基板310、入力ポート320、偏光スプリッタ回転子(PSR)330、PS340、光カプラ(OC)350、出力ポート360、および出力ポート370を備える。PSA100と異なりPSA300の構成要素は製造時に基板310の中または基板310上に集積化されるので、PSA300は集積化PSAと呼ばれる。基板310はシリコンを備える。光は、シリコンベースの光導波路を通って進行する。
【0030】
動作時に、E
inは、入力ポート320を通ってPSA100に入る。E
inはSSMFから入ってよく、したがって不定の偏光を有し得る。E
inは、入力ポート320からPSR330に進む。PSR330はE
inを、TE偏光を有する第1の光E
1と、TM偏光を有する第2の光E
2とに分割する。次いでPSR330は、E
1をOC350に渡す。さらにPSR330は、E
2がTE偏光を有するように、E
2を90°回転させ、PSR330はE
2をPS340に渡す。PS340は、上述のようにE
2の位相シフトを行い、E
2をOC350に渡す。E
1の位相シフトの後、E
1とE
2との間の位相の差は、位相遅延と呼ばれる。最後にOC350は、E
1およびE
2の両方を受け、E
1およびE
2を結合し、E
out,1を出力ポート360に、E
out,2を出力ポート370に渡す。位相シフトが特定の値のとき、E
1およびE
2は同じパワーを有する。さらにE
1およびE
2は同じTE偏光を有し、これは後続のオプトエレクトロニクス回路の所望の偏光となり得る。したがって、E
inが有するどのような不定の偏光に対しても、E
out,1およびE
out,2は同じTE偏光を有し、同じパワーを有する。光経路が逆であることを除いて、式(1)〜(6)は、それらが
図1のPSA100に適用するように、PSA300におけるE
1、E
2、E
out,1、およびE
out,2に当てはまる。例えば式(1)はE
2に適用し、式(2)はE
1に適用する。
【0031】
図4は、本開示の実施形態による二重偏光コヒーレント受信器システム400の概略図である。システム400は一般に、PSA100と同様のPSA405、および受信器440を備える。したがって、システム400は、PSA100の一実装形態を与える。PSA405は、他の二重偏光コヒーレント受信器システムにおけるPBSを置き換え得る。PSA405および受信器440は、シリコン基板上に集積化され得る。
【0032】
PSA405は、それぞれPSA100におけるPBS120、PS130、PR140、およびBS150と同様の、PBS410、PS415、PR420、およびBS425を備える。受信器440は、二重偏光コヒーレント受信器であり、PBS430、PR435、90°ハイブリッドミキサ445、フォトダイオード(PD)450、トランスインピーダンス増幅器(TIA)455、デジタル信号プロセッサ(DSP)460、90°ハイブリッドミキサ475、PD470、およびTIA465を備える。PD450、470、およびTIA455、465は単一の構成要素として示されるが、それらは4つまたは任意の適切な数のPDまたはTIAを表し得る。
【0033】
動作時に、PSA405はLO光信号E
LOをLO光信号源から受け、これは送信器内でシステム400から比較的遠く離れていることがある。LO光信号源がSSMFによってシステム400に結合された場合、E
LOの偏光は時間と共に変化し得る。それでもなお、PSA100に対して述べられたように、PSA405は、同じTE偏光および同じパワーを有するE
LO,XおよびE
LO,Yを供給する。E
LO,XはX偏光成分に対するLO光信号であり、E
LO,YはY偏光成分に対するLO光信号である。受信器440は変調された光信号E
Sを信号源から受け、これは同様に送信器内でシステム400から比較的遠く離れていることがある。PBS430はE
Sを、TE偏光を有するE
S,X、およびTM偏光を有するE
S,Yに分割する。PR435は、E
S,Yの偏光をTE偏光に回転させる。90°ハイブリッドミキサ445は、E
S,XとE
S,Yとの間に90°の位相シフトを導入し、PD450はこれを検出し、TIA455は増幅し、DSP460はアナログからデジタルに変換し次いで処理する。同様に90°ハイブリッドミキサ475は、E
LO,XとE
LO,Yとの間に90°の位相シフトを導入し、PD470はこれを検出し、TIA465は増幅し、DSP460はアナログからデジタルに変換し次いで処理する。
【0034】
自己ホモダイン検波(SHD)とは、LO光信号および変調された光信号が同じ波長にあることを意味する。SHDに対して、E
S,Xは以下のように表される。
【0036】
ただし、E
sig,Xは信号波形であり、t
sは秒の単位での時間であり、ψ
sigはデータによってエンコードされた位相であり、ψは位相ノイズである。E
LO,Xは以下のように表される。
【0038】
ただし、E
LO,0はE
LOの光フィールド振幅であり、t
loは秒の単位でのLO時間である。平衡検出に対して、PD450がそれぞれ同相(I)チャネルおよび直交位相(Q)チャネルに対して与える出力光電流は以下のようになる。
【0041】
ΔΦ
XIおよびΔΦ
XQは次に、以下のように表される。
ΔΦ
XI=ΔΦ
XQ=ΔΦ
ΔΦ
XI=ΔΦ
XQ=ψ
sig(t
s)+ω(t
s−t
lo)+ψ(t
s)−ψ(t
lo)+Φ
1 (11)
−ωt+Δφ=kπに設定したとき、式(9)〜(11)はそれぞれ以下のように表されることができる。
【0044】
ΔΦ
XI=ΔΦ
XQ=ψ
sig(t
s)+ω(t
s−t
lo)+ψ(t
s)−ψ(t
lo)+θ (14)
示されるように、ΔΦは、データによってエンコードされた位相ψ
sig(t
s)、キャリアによって導入される位相遅延および信号とLOとの間の時間遅延ω(t
s−t
lo)、位相ノイズによる位相差ψ(t
s)、およびLOの偏光方向による位相θを含む。θは、合計の抽出された位相差の一部となる。データ変調された位相項を除いて、他の位相寄与は比較的ゆっくり変化し、したがってそれらはDSP460によって追跡され補償されることができる。X偏光成分I
XIおよびI
XQが上記で述べられたが、同じ式がY偏光成分I
YIおよびI
YQに当てはまる。
【0045】
システム400は、単一波長、二重偏光、コヒーレント光受信器システムである。しかし、この方式は、複数波長システムに拡張されてよい。この場合、システム400の前に波長分割多重(WDM)マルチプレクサが配置され、WDMマルチプレクサはM個の波長を出力し、およびWDMマルチプレクサの後にM個のPSAが配置され、それにより各波長は別個のPSAに関連付けられる。あるいは、2つのマルチプレクサがPSA405の後に配置される。1つのマルチプレクサはX偏光成分用であり、1つのマルチプレクサはY偏光成分用である。次いで2つのマルチプレクサは、M個の波長を出力する。
【0046】
図5は、本開示の実施形態によるIQ送信器システム500の概略図である。システム500は一般に、PSA100と同様のPSA505、および変調器システム530を備える。したがって、システム500は、PSA100の実装形態を与える。PSA505および変調器システム530は、シリコン基板上に集積化され得る。
【0047】
PSA505は、それぞれPSA100におけるPBS120、PS130、PR140、およびBS150と同様の、PBS510、PS515、PR520、およびBS525を備える。変調器システム530は、I変調器535、Q変調器540、PS545、およびビームコンバイナ(BC)550を備える。I変調器535およびQ変調器5
40は、マッハツェンダ変調器(MZM)でよい。
【0048】
動作時にPSA505はE
CWをCW源から受け、これはシステム500から比較的遠く離れていることがある。CW源がSSMFによってシステム500に結合された場合、E
CWの偏光は時間と共に変化し得る。それでもなお、PSA100、405に対して述べられたように、PSA505は、同じTE偏光および同じパワーを有するE
CW,IおよびE
CW,Qを供給する。TE偏光は、I変調器535およびQ変調器540の偏光方向に対応する。I変調器535は、E
CW,Iをデータで変調してE
Iを発生し、次いでE
IをBC550に渡す。Q変調器540は、E
CW,Qをデータで変調してE
Qを発生し、次いでE
QをPS545に渡す。PS545は、E
Qに位相変化を加えて、E
IとE
Qとの間に90°の位相差を生成する。最後にBC550は、E
IおよびE
Qを単一の光E
outに結合し、次いでE
outを出力する。
【0049】
図6は本開示の実施形態による二重偏光送信器システム600の概略図である。システム600は一般に、PSA100と同様のPSA605、および変調器システム630を備える。したがって、システム600は、PSA100の実装形態を提供する。PSA605および変調器システム630は、シリコン基板上に集積化され得る。
【0050】
PSA605は、それぞれPSA100におけるPBS120、PS130、PR140、およびBS150と同様の、PBS610、PS615、PR620、およびBS625を備える。変調器システム630は、X成分(X)変調器635、Y成分(Y)変調器640、PR645、および偏光ビームコンバイナ(PBC)650を備える。X変調器635およびY変調器640は、MZM、電界吸収型(EA)変調器、またはIQ変調器でよく、非ゼロ復帰変調、四位相偏移変調、16値直交振幅変調器(16−QAM)、または他の適切な変調形式を提供し得る。
【0051】
動作時にPSA605はE
CWをCW源から受け、これはシステム600から比較的遠く離れていることがある。CW源がSSMFによってシステム600に結合された場合、E
CWの偏光は時間と共に変化し得る。それでもなお、PSA100、405、505に対して述べられたように、PSA605は、同じTE偏光および同じパワーを有するE
CW,XおよびE
CW,Yを供給する。TE偏光は、X変調器635およびY変調器640の偏光方向に対応する。X変調器635は、E
CW,Xをデータで変調してE
Xを発生し、次いでE
XをPBC650に渡す。Y変調器640は、E
CW,Yをデータで変調してE
Yを発生し、次いでE
YをPR645に渡す。PR645は、E
YがE
Xと直交する偏光を有するように、E
Yを回転させる。最後にPBC650は、E
XおよびE
Yを単一の光E
outに結合し、次いでE
outを出力する。
【0052】
図7は本開示の実施形態によるPSM4送信器システム700の概略図である。システム700は一般に、PSA100と同様のPSA705、および変調器システム730を備える。したがって、システム700は、PSA100の実装形態を提供する。PSA705および変調器システム730は、シリコン基板上に集積化され得る。
【0053】
PSAは、それぞれPSA100におけるPBS120、PS130、PR140、およびBS150と同様の、PBS710、PS715、PR720、およびBS725を備える。変調器システム730は、BS735、変調器740、変調器745、BS750、変調器755、および変調器760を備える。変調器740、745、755、760は、MZMでよい。
【0054】
動作時にPSA705はE
CWをCW源から受け、これはシステム700から比較的遠く離れていることがある。CW源がSSMFによってシステム700に結合された場合、E
CWの偏光は時間と共に変化し得る。それでもなお、PSA100、405、505、605に対して述べられたように、PSA705は、同じTE偏光および同じパワーを有するE
CW,1およびE
CW,2を共有する。TE偏光は、変調器740、745、755、760の偏光方向に対応する。BS735はE
CW,1をE
in,1およびE
in,2に等しく分割し、BS750はE
CW,2をE
in,3およびE
in,4に等しく分割する。最後に変調器740はE
in,1をデータで変調してE
out,1を発生し、次いでE
out,1を出力し、変調器745はE
in,2をデータで変調してE
out,2を発生し、次いでE
out,2を出力し、変調器755はE
in,3をデータで変調してE
out,3を発生し、次いでE
out,3を出力し、変調器760はE
in,4をデータで変調してE
out,4を発生し、次いでE
out,4を出力する。変調器740、745、755、760は、それぞれE
out,1、E
out,2、E
out,3、およびE
out,4を、PSM4ファイバに出力し得る。
【0055】
図8は、本開示の実施形態による偏光状態整合の方法800を示すフローチャートである。PSA100、300、またはシステム400、500、600、700は、例えばLO光信号または光信号を供給することを望むとすぐに、任意の適切な時点で方法800を実施し得る。ステップ810で、光学構成要素から入力光が受け取られる。入力光は、入力偏光にある。例えばPSA100はE
inをSSMFから受け、E
inは不定の偏光を備える。ステップ820で、入力光が、第1の光および第2の光に分割される。第1の光はオプトエレクトロニクス回路に対応する出力偏光を備え、第2の光は第1の偏光を備える。例えば、PBS120はE
inを、TE偏光を有するE
1、およびTM偏光を有するE
2に分割する。ステップ830で、第1の偏光が、出力偏光に回転される。例えばPR140は、E
2がTE偏光を有するように、E
2の偏光を回転させる。ステップ840で、第1の光と第2の光との間の位相遅延が第1の出力光の第1のパワーを第2の出力光の第2のパワーと等しくするように、第1の光、第2の光、または両方の位相がシフトされる。例えばPS130は、E
1の位相とE
2の位相との間の位相遅延がπの整数倍になるようにE
1の位相をシフトし、それによりP
out,1およびP
out,2は等しくなる。最後にステップ850で、第1の出力光および第2の出力光が、オプトエレクトロニクス回路に供給される。第1の出力光および第2の出力光は、出力偏光を備える。例えばPSA100はE
out,1およびE
out,2を変調器システムまたは受信器に供給し、E
out,1およびE
out,2はTE偏光を備える。
【0056】
図9は、デバイス900の概略図である。デバイス900は、開示される実施形態を実施するために適している。例えば上述のようにデバイス900は、計算を行って適切な位相シフトを決定し、その位相シフトを適用するように、PS130、340、415、515、615、715などのPSに命令する。デバイス900は、データを受けるためのイングレスポート910および受信器ユニット(Rx)920と、データを処理するためのプロセッサ、論理ユニット、または中央処理装置(CPU)930と、データを送信するための送信器ユニット(Tx)940およびイーグレスポート950と、データを記憶するためのメモリ960とを備える。デバイス900は、光または電気信号の退出または進入のための、イングレスポート910、受信器ユニット920、送信器ユニット940、およびイーグレスポート950に結合された、光から電気への(OE)構成要素および電気から光への(EO)構成要素を備えてもよい。
【0057】
プロセッサ930は、ハードウェア、ミドルウェア、およびソフトウェアの任意の適切な組み合わせによって実施される。プロセッサ930は、1つまたは複数のCPUチップ、コア(例えばマルチコアプロセッサ)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、およびデジタル信号プロセッサ(DSP)として実施され得る。プロセッサ930は、イングレスポート910、受信器ユニット920、送信器ユニット940、イーグレスポート950、およびメモリ960と通信する。
【0058】
メモリ960は、1つまたは複数のディスク、テープ装置、およびソリッドステートドライブを備え、プログラムが実行のために選択されたときにそのようなプログラムを記憶するため、およびプログラム実行時に読み出される命令およびデータを記憶するための、オーバフローデータ記憶装置として用いられ得る。メモリ960は、揮発性および不揮発性でよく、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、三値連想メモリ(TCAM)、およびスタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)でよい。
【0059】
例示の実施形態においてデバイス900は、光学構成要素から、入力偏光にて入力光を受ける光入力モジュールと、入力光を第1の光および第2の光に分割するスプリッタモジュールであって、第1の光はオプトエレクトロニクス回路に対応する出力偏光を備え、第2の光は第1の偏光を備える、スプリッタモジュールと、第1の偏光を出力偏光に回転させる回転モジュールと、第1の光と第2の光との間の位相遅延が第1の出力光の第1のパワーを第2の出力光の第2のパワーと等しくするように、第1の光、第2の光、または両方の位相をシフトする位相シフトモジュールと、第1の光および第2の光を結合するコンバイナモジュールと、第1の出力光および第2の出力光をオプトエレクトロニクス回路に供給する光出力モジュールとを含み、第1の出力光は第1の光に関連付けられ、第2の出力光は第2の光に関連付けられ、第1の出力光および第2の出力光は出力偏光を備える。いくつかの実施形態においてデバイス900は、実施形態において述べられたステップの任意の1つまたは組み合わせを行うための、他のまたは追加のモジュールを含み得る。
【0060】
用語「約」の使用は、特に明記されない限り、後続する数の±10%を含む範囲を意味する。本開示においていくつかの実施形態が提供されたが、開示されたシステムおよび方法は、本開示の趣旨または範囲から逸脱せずに、多くの他の特定の形において具体化される場合があることが理解されるべきである。本例は例示的であり非限定的であると見なされるべきであり、本明細書で述べられた詳細に限定されるものではない。例えば様々な要素または構成要素は、組み合わされ、または他のシステムに統合されてよく、またはいくつかの機能は省略され、または実施されなくてよい。
【0061】
さらに、本開示の範囲から逸脱せずに、様々な実施形態において個別または単独として述べられおよび例示された技法、システム、サブシステム、および方法は、他のシステム、モジュール、技法、または方法と組み合わされるまたは統合されてよい。互いに結合される、もしくは直接結合される、または通信するように示されたまたは述べられた他の項目は、電気的、機械的、または他の形であるかにかかわらず、何らかのインターフェース、デバイス、または中間構成要素を通じて、間接的に結合されるまたは通信し得る。本明細書で開示された趣旨および範囲から逸脱せずに、当業者によって変更、置換、および変形の他の例が確認され、行われることができる。