特許第6837446号(P6837446)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6837446
(24)【登録日】2021年2月12日
(45)【発行日】2021年3月3日
(54)【発明の名称】漏液検出システム及び漏液検出方法
(51)【国際特許分類】
   G01M 3/20 20060101AFI20210222BHJP
【FI】
   G01M3/20 N
【請求項の数】14
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-17095(P2018-17095)
(22)【出願日】2018年2月2日
(65)【公開番号】特開2019-117177(P2019-117177A)
(43)【公開日】2019年7月18日
【審査請求日】2019年9月17日
(31)【優先権主張番号】特願2017-252104(P2017-252104)
(32)【優先日】2017年12月27日
(33)【優先権主張国】JP
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成29年度、経済産業省、「福島沖での浮体式洋上風力発電システムの実証研究事業」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】誠真IP特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】井上 観大
(72)【発明者】
【氏名】岩下 信治
(72)【発明者】
【氏名】窪田 隆博
(72)【発明者】
【氏名】西宮 立享
(72)【発明者】
【氏名】湯下 篤
(72)【発明者】
【氏名】丸山 竜宏
【審査官】 瓦井 秀憲
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−101474(JP,A)
【文献】 特開平07−286931(JP,A)
【文献】 特開2005−025328(JP,A)
【文献】 特開2009−146133(JP,A)
【文献】 特開2005−156195(JP,A)
【文献】 特開2015−072267(JP,A)
【文献】 特開2017−026316(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2017/0016796(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01M 3/00− 3/40
G06T 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器からの液漏れを検出するための漏液検知システムであって、
前記機器から漏洩した漏液を撮像するための撮像装置と、
前記撮像装置によって取得された画像データを用いて前記液漏れの発生を検出するためのコントローラと、を備え、
前記コントローラは、
前記画像データ中において、前記機器外において変色剤との接触により変色した前記漏液の色に対応する画素数が閾値以上であるか否かを判定し、
前記画素数が前記閾値以上である場合に前記液漏れが発生したと判定する
ように構成されるとともに、
前記撮像装置は、第1対象物および該第1対象物よりも前記撮像装置からの距離が遠い第2対象物を含む被写体が撮像範囲に含まれるように、前記被写体に対して斜め方向から前記漏液の撮像が可能に配置され、
前記コントローラは、前記撮像装置からの距離に応じて設定された距離係数を用いて前記画素数を補正するように構成される
ことを特徴とする漏液検知システム。
【請求項2】
前記距離係数は、前記撮像装置からの距離が大きいほど大きな値に設定される
ことを特徴とする請求項1に記載の漏液検知システム。
【請求項3】
前記コントローラは、撮像領域毎に各々独立に設定された重要度係数を用いて前記画素数を補正するように構成される
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の漏液検知システム。
【請求項4】
前記重要度係数は、前記機器からの前記液漏れのリスクが高い前記撮像領域ほど大きい値に設定される
ことを特徴とする請求項3に記載の漏液検知システム。
【請求項5】
前記コントローラは、前記液漏れの判定に関する除外領域以外の前記撮像領域で検出された画素値のみに基づき、前記液漏れの発生を判定するように構成される
ことを特徴とする請求項3又は4に記載の漏液検知システム。
【請求項6】
前記液漏れがないときの前記画素数をオフセット量として設定するための設定部をさらに備え、
前記コントローラは、前記設定部により設定された前記オフセット量を用いて前記画素数をオフセット処理するように構成される
ことを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の漏液検知システム。
【請求項7】
前記コントローラは、前記画素数が前記閾値以上の場合に前記液漏れの発生を報知する報知部をさらに備える
ことを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の漏液検知システム。
【請求項8】
前記変色剤は空気中の酸素である
ことを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の漏液検知システム。
【請求項9】
前記変色剤は前記漏液との接触により変色する顔料を含み、
前記撮像装置の撮像範囲には、前記機器の外周又は下方の少なくとも一部において前記顔料が塗布された顔料塗布領域が含まれる
ことを特徴とする請求項1〜8の何れか一項に記載の漏液検知システム。
【請求項10】
前記撮像装置の撮像範囲には、前記機器の下方に配置された吸液部材が含まれる
ことを特徴とする請求項1〜9の何れか一項に記載の漏液検知システム。
【請求項11】
前記撮像装置で撮像された画像と、前記画素数の経時変化履歴又は前記コントローラによる判定結果との少なくとも一方を表示する表示部をさらに備える
ことを特徴とする請求項1〜10の何れか一項に記載の漏液検知システム。
【請求項12】
機器からの液漏れを検出するための漏液検知方法であって、
前記機器からの漏液を撮像装置により撮像する撮像ステップと、
前記撮像ステップで取得された画像データを用いて前記液漏れの発生を検出する検出ステップと、を備え、
前記撮像装置は、第1対象物および該第1対象物よりも前記撮像装置からの距離が遠い第2対象物を含む被写体が撮像範囲に含まれるように、前記被写体に対して斜め方向から前記漏液の撮像が可能に配置され、
前記検出ステップでは、
画像データ中において、前記機器外において変色剤との接触により変色した前記漏液の色に対応する画素数が閾値以上であるか否かを判定し、
前記画素数が前記閾値以上である場合に前記液漏れが発生したと判定するとともに、
前記撮像装置からの距離に応じて設定された距離係数を用いて前記画素数を補正する
ことを特徴とする漏液検知方法。
【請求項13】
前記画素数が前記閾値以上の場合に液漏れの発生を報知する報知ステップをさらに備える
ことを特徴とする請求項12に記載の漏液検知方法。
【請求項14】
前記撮像ステップで撮像された画像と、前記画素数の経時変化履歴又は前記検出ステップにおける判定結果との少なくとも一方を表示する表示ステップをさらに備える
ことを特徴とする請求項12又は13に記載の漏液検知方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、漏液検出システム及び漏液検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、油圧機器や配管等からの漏油を検知するための種々の方法が知られている。例えば、特許文献1には、片面に黒色微粉末層を有する白色系布テープを、上記微粉末層を内側にして油配管等に巻き付け、カメラで監視する漏油検知方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平2−306132号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献1に記載の漏液検知方法は、油圧機器や油配管からの漏油に限らず、例えばテープの外側から付着した水滴等によっても毛細管現象によって黒色微粉末がテープの外側に滲みだす可能性がある。このため、選択的に油圧機器等の機器や配管からの漏液のみを検出し、機器に液漏れが発生しているか否かを判定することが難しいという問題があった。
【0005】
上記事情に鑑み、本発明の少なくとも一実施形態は、機器からの液漏れを高精度に検出することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る漏液検知システムは、
機器からの液漏れを検出するための漏液検知システムであって、
前記機器から漏洩した漏液を撮像するための撮像装置と、
前記撮像装置によって取得された画像データを用いて前記液漏れの発生を検出するためのコントローラと、を備え、
前記コントローラは、
前記画像データ中において、前記機器外において変色剤との接触により変色した前記漏液の色に対応する画素数が閾値以上であるか否かを判定し、
前記画素数が前記閾値以上である場合に前記液漏れが発生したと判定するように構成されている。
機器から漏洩した漏液は、種々の変色剤と接触することで特定の色に変色し、周囲と識別し得る程度に変色するとその存在が視覚的に認識され得る。このように、変色剤との接触で変色する漏液の性質を利用し、上記(1)の構成では、撮像装置で取得された画像データ中において、変色した漏液の色に対応する画素数が閾値以上であることをコントローラが判定することにより、液漏れの発生を検出することができる。このように構成された漏液検知システムを用いれば、機器からの液漏れを無人で常時監視することができ、オペレータは随時、機器からの液漏れの有無を遠隔地で監視できる。そして、仮に液漏れが発生した際には自動的に液漏れ警報を通知することでその後の対応を迅速に行うことができる。例えば油や水との接触で変色する変色材の色に対応する画素数が閾値以上であることをコントローラが判定することにより、油漏れ又は水漏れの発生を検出することができる。
【0007】
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)に記載の構成において、
前記コントローラは、前記撮像装置からの距離に応じて設定された距離係数を用いて前記画素数を補正するように構成される。
撮像装置の配置により、被写体には遠近何れの対象物も含まれ得る。そして、取得された画像データにおいては、撮像装置の設置場所から遠くの対象物が小さく、近くの対象物が大きな領域を占めて描写される。この点に鑑み、上記(2)の構成によれば、撮像装置からの距離に応じて設定された距離係数を用いて画素数が補正されるから、撮像装置から近い位置に対応する画像領域で計数された画素数と、撮像装置から遠い位置に対応する画像領域で計数された画素数とが相対的に同程度の尺度で扱われるように補正することができる。これにより、液漏れ検出の判定精度を向上させることができる。
【0008】
(3)幾つかの実施形態では、上記(2)に記載の構成において、
前記距離係数は、前記撮像装置からの距離が大きいほど大きな値に設定される。
上記(2)で述べたように、液漏れの発生をより正確に判定するには、画像データ中で近くの対象物が占める画素数すなわち面積と、遠くの対象物が占める画素数(面積)とが、実際の寸法に則して扱われるように補正することが好ましい。
この点、上記(3)の構成によれば、撮像装置からの距離が大きいほど距離係数が大きな値に設定されるから、撮像装置から遠い対象物ほど画像中の画素数(面積)を大きな値で補正することができる。そして、このように、実際の面積比に近づけるようにして補正された画素数を用いて液漏れを判定することにより、液漏れ検出の判定精度を向上させることができる。
【0009】
(4)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(3)の何れか一つに記載の構成において、
前記コントローラは、前記画像データの撮像領域毎に各々独立に設定された重要度係数を用いて前記画素数を補正するように構成される。
上記(4)の構成によれば、撮像領域毎に各々独立に重要度係数を設定することができる。すなわち、一の撮像領域について他の撮像領域の影響を考慮せず任意に重要度係数を設定することができる。例えば、撮像装置で撮像された画像データの中に、液漏れの可能性が高い撮像領域や、逆に液漏れが発生する可能性が低い撮像領域が含まれる場合などに、各撮像領域内で検出された画素数を、各々の撮像領域について独立に設定された重要度係数を用いて補正することができる。
【0010】
(5)幾つかの実施形態では、上記(4)に記載の構成において、
前記重要度係数は、前記機器からの前記液漏れのリスクが高い前記撮像領域ほど大きな値に設定される。
液漏れのリスクが高い撮像領域において、変色した漏液の色に対応する画素が検出された場合、仮に現時点で検出された画素数が少なくてもその後に液漏れが継続する可能性も考えられる。よって、このような撮像領域で液漏れが検出された場合は早期に対応する必要性が高いといえる。
この点、上記(5)の構成によれば、機器からの液漏れのリスクが高い撮像領域ほど重要度係数が大きい値に設定されるから、このような撮像領域で変色した漏液の色に対応する画素が検出された場合は、液漏れが発生していることを早期に判定することができる。
【0011】
(6)幾つかの実施形態では、上記(4)及び(5)の何れか一方に記載の構成において、
前記コントローラは、前記液漏れの判定に関する除外領域以外の前記撮像領域で検出された画素値のみに基づき、前記液漏れの発生を判定するように構成される。
上記(6)の構成によれば、撮像された画像において、例えば、無視し得る不要な領域や重要度の低い領域については液漏れの判定対象領域から除外される除外領域に設定することができる。これにより、検出対象を、着目したい撮像領域で生じた液漏れだけに絞り込むことができるので、例えば、上記液漏れと同系統の色が除外領域に存在する場合等の誤検知を低減して、液漏れの検出精度を向上させることができる。
【0012】
(7)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(6)の何れか一つに記載の構成において、
前記液漏れがないときの前記画素数をオフセット量として設定するための設定部をさらに備え、
前記コントローラは、前記設定部により設定された前記オフセット量を用いて前記画素数をオフセット処理するように構成される。
上記(7)の構成によれば、例えば、漏液が変色した際の色と同系色の部材や、機器からの油漏れとは無関係に誤って付着させてしまった液等が画像内に含まれる場合に、それらを液漏れの判定対象から除くように設定部で予め設定することができる。これにより、検出対象としたい機器からの実際の液漏れのみに対応する画素数を用いて判定することができるから、誤検知を低減して検出精度を向上させることができる。
【0013】
(8)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(7)の何れか一つに記載の構成において、
前記コントローラは、前記画素数が前記閾値以上の場合に前記液漏れの発生を報知する報知部をさらに備える。
上記(8)の構成によれば、液漏れが検出された際にその旨を種々の方式で上記漏洩検知システムのオペレータ等に報知することができる。これにより、例えば液漏れ発生後の対応等を迅速に行うことができる。
【0014】
(9)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(8)の何れか一つに記載の構成において、
前記変色剤は空気中の酸素である。
上記(9)の構成によれば、機器からの漏液が空気中の酸素との反応により酸化されて変色し、変色した漏液が撮像装置によって撮像される。従って、空気中の酸素以外の変色剤を必要とすることなく、機器からの液漏れを検出することができる。
【0015】
(10)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(9)の何れか一つに記載の構成において、
前記変色剤は前記漏液との接触により変色する顔料を含み、
前記撮像装置の撮像範囲には、前記機器の外周又は下方の少なくとも一部において前記顔料が塗布された顔料塗布領域が含まれる。
上記(10)の構成によれば、機器の外周又は下方の少なくとも一部に顔料塗布領域を備えることにより、機器からの漏液が発生した際には漏液が顔料と接触して変色する。つまり、漏液の酸化による変色を待つことなく、液漏れが発生してから変色するまでのタイムラグを低減することができるから、液漏れ発生から該液漏れの発生を検知するまでの時間を大幅に短縮することができる。例えば、液漏れの発生をリアルタイムに検出することもできる。また、機器に使用されている特定の液と反応した際にのみ発色するような顔料を選択的に用いることにより、撮像された画像内で液漏れを特定し易くなり、液漏れ発生の検出精度を向上させることができる。
【0016】
(11)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(10)の何れか一つに記載の構成において、
前記撮像装置の撮像範囲には、前記油圧機器の下方に配置された吸液部材が含まれる。
上記(11)の構成によれば、機器からの漏液は概して下方に落下するから、機器の下方に吸液部材を配置し、該吸液部材に付着した漏液の色を撮像装置で撮像することにより、機器からの液漏れの発生をより適切に検出することができる。さらに、例えば、機器自体やその周囲に死角がある場合でも、吸液部材を撮像し得る位置に撮像装置を配置することで液漏れを検出できるから、少ない数の撮像装置で適切に漏液を検出可能な漏液検知システムを低コストで構成することができる。
【0017】
(12)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(11)の何れか一つに記載の構成において、
前記撮像装置で撮像された画像と、前記画素数の経時変化履歴又は前記コントローラによる判定結果との少なくとも一方を表示する表示部をさらに備える。
上記(12)の構成によれば、機器からの漏液を含む画像と、画素数の経時変化履歴又はコントローラによる判定結果との何れかの組み合わせを表示部に表示することができるから、機器からの液漏れの発生の有無やその程度、進行速度などをオペレータが視覚的に監視することができる。
【0018】
(13)本開示の少なくとも一実施形態に係る漏液検知方法は、
機器からの液漏れを検出するための漏液検知方法であって、
前記機器からの漏液を撮像する撮像ステップと、
前記撮像ステップで取得された画像データを用いて前記液漏れの発生を検出する検出ステップと、を備え、
前記検出ステップでは、
画像データ中において、前記機器外において変色剤との接触により変色した前記漏液の色に対応する画素数が閾値以上であるか否かを判定し、
前記画素数が前記閾値以上である場合に前記液漏れが発生したと判定する。
上記(13)の方法によれば、上記(1)で述べたように、撮像ステップで取得された画像データ中において、変色した漏液の色に対応する画素数が閾値以上であることを検出ステップで判定することにより、液漏れの発生を検出することができる。
【0019】
(14)幾つかの実施形態では、上記(13)に記載の方法において、
前記画素数が前記閾値以上の場合に液漏れの発生を報知する報知ステップをさらに備える。
上記(14)の方法によれば、上記(8)で述べたように、液漏れが検出された際にその旨を種々の方式で上記漏洩検知システムのオペレータ等に報知することができる。これにより、例えば液漏れ発生後の対応等を迅速に行うことができる。
【0020】
(15)幾つかの実施形態では、上記(13)及び(14)の何れか一つに記載の方法において、
前記撮像ステップで撮像された画像と、前記画素数の経時変化履歴又は前記検出ステップにおける判定結果との少なくとも一方を表示する表示ステップをさらに備える。
上記(15)の方法によれば、上記(12)で述べたように、機器からの漏液を含む画像と、画素数の経時変化履歴又は検出ステップにおける判定結果との何れかの組み合わせを表示部に表示することができるから、機器からの液漏れの発生の有無やその程度、進行速度などをオペレータが視覚的に監視することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の幾つかの実施形態によれば、選択的に油圧機器からの液漏れを検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】一実施形態に係る漏液検知システムの構成例を示す概略図である。
図2】一実施形態に係る漏液検知システムにおける制御系の構成例を示すブロック図である。
図3】一実施形態に係る漏液検知システムによる処理を示すフローチャートである。
図4】一実施形態における制御画面の例を示す図である。
図5】一実施形態におけるオフセット処理を示す概略図である。
図6】他の実施形態に係る漏液検知システムの構成例を示す概略図である。
図7】一実施形態における漏液検知処理を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
【0024】
図1は、一実施形態に係る漏液検知システムの構成例を示す概略図である。
図1に非限定的に例示するように、本発明の少なくとも一実施形態に係る漏液検知システム1は、機器2からの液漏れを検出するための漏液検知システム1であって、機器2からの漏液6を撮像するための撮像装置3と、撮像装置3によって取得された画像データを用いて液漏れの発生を検出するためのコントローラ10と、を備えている。
【0025】
機器2には、作動流体や熱媒体として水、蒸気又は油等の液体を用いる種々の機器(例えば油圧機器を含む)が適用され得る。この機器2は、機器本体2aのほか、該機器本体2aに接続されて内部を液体が流れる配管2b等を含んでもよい。
撮像装置3には、例えば、可視光領域の光を撮像可能な可視カメラを適用し得る。図1には、説明の簡略化のため漏液検知システム1が1台の撮像装置3を備えた例を示す。幾つかの実施形態では、1台の機器2を複数の撮像装置3で監視する構成としてもよいし、複数の機器2の各々を1又は複数台の撮像装置3で監視する構成としてもよい。
【0026】
図2は、一実施形態に係る漏液検知システムにおける制御系の構成例を示すブロック図である。
図2に非限定的に例示するように、コントローラ10は、例えば、コンピュータであり、CPU11、該CPU11が実行する各種プログラムやテーブル等のデータを記憶するための記憶部としてのROM13、各プログラムを実行する際の展開領域や演算領域等のワーク領域として機能するRAM12の他、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)15、通信ネットワークに接続するための通信部としての通信インターフェース22、及び外部記憶装置が装着されるアクセス部(図示略)などを備えていてもよい。これらは全て、バス17を介して接続されており、バス17はケーブル等の信号線を介して撮像装置3と電気的に接続されている。
【0027】
そして、一実施形態におけるコントローラ10は、画像データ中において、機器2外において変色剤7との接触により変色した漏液6の色に対応する画素数が閾値以上であるか否かを判定し、画素数が閾値以上である場合に液漏れが発生したと判定するように構成されている。一実施形態におけるコントローラ10では、例えばROM13内に、上記のような処理を行うための漏液検知プログラム14が格納されていてもよい。
【0028】
図3は、一実施形態に係る漏液検知システムによる処理例を示すフローチャートである。
図3に非限定的に例示するように、処理が開始されると、CPU11がROM13から漏液検知プログラム14を読み出してRAM12に展開し、実行することで漏油検知処理が開始される。コントローラ10は、先ず撮像装置3を起動し、設置場所から撮像可能な機器2の撮像を開始する(ステップS1)。撮像開始に伴い、CPU11は、撮像装置3によって取得された画像データを読み込み(ステップS2)、該画像データの中から、変色した漏液6の色と同系色の画素値を有する画素(例えば、RGB等の各色成分についてそれぞれ所定範囲内の画素値を有する画素)を識別することにより、変色部を抽出する(ステップS3)。上記変色した漏液6の色と同系色の画素値については、予め設定されて、ROM13やHDD15等のメモリに記憶されていてもよい。CPU11は、このようにして抽出された画素の数(ピクセル数)を合算し、画面30内における変色部分の面積を算出する(ステップS4)。一実施形態では、該当する画素値を有する画素の数の合計値をもって変色面積としてもよい。続いて、CPU11は、ステップS4で算出された画素数が閾値を超えているか否かを判定することで、漏液6が検出されたか否かを判定する(ステップS5)。ステップS4で算出された画素数が閾値を超えていない場合(ステップS5:No)、CPU11は、ステップS2に移行して次の画像データを読み込み、処理を継続する。ステップS4で算出された画素数が閾値を超えている場合(ステップS5:Yes)、CPU11は、液漏れが発生したと判定する。
【0029】
ここで、機器2から漏洩した漏液6は、種々の変色剤7と接触することで特定の色に変色したり変色剤7を特定の色に変色させたりし、周囲と識別し得る程度に変色するとその存在が視覚的に認識され得る。このように、変色剤7との接触で変色したり変色剤7を変色させたりする漏液6の性質を利用し、上記の構成では、撮像装置3で取得された画像データ中において、変色した漏液6の色に対応する画素数が閾値以上であることをコントローラ10が判定することにより、液漏れの発生を検出することができる。このように構成された漏液検知システム1を用いれば、選択的に機器2からの液漏れを高精度に検出することができる。また、常時無人で監視することができ、オペレータは随時機器2からの液漏れの有無を遠隔地で監視できる。そして、仮に液漏れが発生した際には自動的に液漏れ警報を通知することでその後の対応を迅速に行うことができるのである。
なお、幾つかの実施形態では、ステップS4で算出された画素数が閾値を超えている場合、CPU11は、例えば、漏洩警報を通知(ステップS6)することで液漏れが発生していることを報知して処理を終了してもよい。このようにすれば、液漏れが検出された際にその旨を種々の方式でオペレータ等に報知することができる。これにより、例えば液漏れ発生後の対応等を迅速に行うことができる。
【0030】
幾つかの実施形態において、コントローラ10は、撮像装置3からの距離に応じて設定された距離係数Kを用いて画素数を補正するように構成されていてもよい。
撮像装置3の配置により、被写体には遠近何れの撮像対象物も含まれ得る。そして、取得された画像データにおいては、撮像装置3の設置場所から遠くの撮像対象物が小さく、近くの撮像対象物が大きな領域を占めて描写される。この点に鑑み、上記の構成によれば、撮像装置3からの距離に応じて設定された距離係数Kを用いて画素数が補正されるから、撮像装置3から近い位置に対応する画像領域32で計数された画素数と、撮像装置3から遠い位置に対応する画像領域32で計数された画素数とが相対的に同程度の尺度で扱われるように補正することができる。これにより、液漏れ検出の判定精度を向上させることができる。
なお、上記のような距離係数Kや該距離係数Kを用いた演算式、及びこれらを適用すべき画像30内の位置(例えば画像の縦横を示すXY座標)などは、撮像装置3から、撮像により取得される画像30内の所定の位置に表示される撮像対象物までの距離(例えば、機器2までの距離、或いは、変色した漏液6の色と同系色の画素値を有する画素が検出され得る位置までの距離)等を考慮して予め任意に設定し、例えば、ROM13やHDD15等の記憶部内に格納されていてもよい。
【0031】
幾つかの実施形態において、距離係数Kは、撮像装置3からの距離が大きいほど大きな値に設定されてもよい。
液漏れの発生をより正確に判定するには、画像データ中で近くの撮像対象物が占める画素数すなわち面積と、遠くの撮像対象物が占める画素数(面積)とが、実際の寸法に則して扱われるように補正することが好ましい。
この点、上記の構成によれば、撮像装置3からの距離が大きいほど距離係数Kが大きな値に設定されるから、撮像装置3から遠い撮像対象物ほど画像30中の画素数(面積)を大きな値で補正することができる。そして、このように、実際の面積比に近づけるようにして補正された画素数を用いて液漏れを判定することにより、液漏れ検出の判定精度を向上させることができる。
【0032】
幾つかの実施形態において、コントローラ10は、画像データの撮像領域(例えば画像領域32)毎に各々独立に設定された重要度係数Kiを用いて画素数を補正するように構成されてもよい。
上記の構成によれば、撮像領域毎に各々独立に重要度係数Kiを設定することができる。すなわち、一の撮像領域について他の撮像領域の影響を考慮せず任意に重要度係数Kiを設定することができる。例えば、撮像装置3で撮像された画像データの中に、液漏れの可能性が高い撮像領域や、逆に液漏れが発生する可能性が低い撮像領域が含まれる場合などに、各撮像領域内で検出された画素数を、各々の撮像領域について独立に設定された重要度係数Kiを用いて補正することができる。
【0033】
幾つかの実施形態において、重要度係数Kiは、機器2からの液漏れのリスクが高い撮像領域ほど大きな値に設定されてもよい。
液漏れのリスクが高い撮像領域において、変色した漏液6の色に対応する画素が検出された場合、仮に現時点で検出された画素数が少なくてもその後に液漏れが継続する可能性も考えられる。よって、このような撮像領域で液漏れが検出された場合は早期に対応する必要性が高いといえる。
この点、上記のように構成すれば、機器2からの液漏れのリスクが高い撮像領域ほど重要度係数Kiが大きい値に設定されるから、このような撮像領域で変色した漏液6の色に対応する画素が検出された場合は、液漏れが発生していることを早期に判定することができる。
【0034】
幾つかの実施形態において、コントローラ10は、液漏れの判定に関する除外領域35(例えば図7(c)参照)以外の撮像領域(例えば画像領域32)で検出された画素値のみに基づき、液漏れの発生を判定するように構成されてもよい。
上記除外領域35は、例えば上述した距離係数Kや重要度係数Ki等の係数をゼロに設定することで規定することができる。除外領域35以外の撮像領域は、予め着目する撮像領域のみを抽出範囲とするように定め、それ以外の領域を考慮しない(すなわち無視又は除外する)ように設定することで規定してもよい。
上記の構成によれば、撮像された画像30において、例えば、無視し得る不要な領域や重要度の低い領域については液漏れの判定対象領域から除外される除外領域35に設定することができる。これにより、検出対象を、着目したい撮像領域で生じた液漏れだけに絞り込むことができるので、例えば、上記液漏れと同系統の色が除外領域35に存在する場合等の誤検知を低減して、液漏れの検出精度を向上させることができる。
【0035】
図4は、一実施形態における制御画面の例を示す図である。
図4に非限定的に例示するように、幾つかの実施形態において、漏液検知システム1は、撮像装置3で撮像された画像30と、画素数の経時変化履歴28又はコントローラ10による判定結果との少なくとも一方を表示する表示部20をさらに備えていてもよい。このようにすれば、機器2から漏洩した漏液6を含む画像30と、画素数の経時変化履歴28又はコントローラ10による判定結果との何れかの組み合わせを表示部20に表示することができるから、機器2からの液漏れの発生の有無やその程度、進行速度などをオペレータが視覚的に監視することができる。
【0036】
幾つかの実施形態において、コントローラ10は、画素数が閾値以上の場合に液漏れの発生を報知する報知部21をさらに備えていてもよい(図2参照)。
報知部21は、例えば、光、音、或いは振動等の動作等により、視覚、聴覚又は触覚等を介してオペレータに液漏れの発生を認識させ得るものであれば種々の形式を適用し得る。例えば、機器2から液漏れが発生していることを示す警報ブザーや警報灯などを個別に設けてもよいし、上述した表示部20に表示される制御画面24や携帯端末機器等に液漏れ発生の旨を表示する形式であってもよい。
このように報知部21を備えた構成とすれば、液漏れが検出された際にその旨を種々の方式で上記漏洩検知システム1のオペレータ等に報知することができる(図3、ステップS6参照)。これにより、例えば液漏れ発生後の対応等を迅速に行うことができる。
【0037】
図5は一実施形態におけるオフセット処理を示す概略図である。
図4及び図5に非限定的に例示するように、幾つかの実施形態において、漏液検知システム1は、液漏れがないときの画素数をオフセット量として設定するための設定部25をさらに備えていてもよい。この場合、コントローラ10は、設定部25により設定されたオフセット量を用いて画素数をオフセット処理するように構成されてもよい。
上記の構成によれば、例えば、漏液6が変色した際の色と同系色の部材や、機器2からの液漏れとは無関係に誤って付着させてしまった液等が画像30内に含まれる場合に、それらを液漏れの判定対象から除くように設定部で予め設定することができる。これにより、検出対象としたい機器からの実際の液漏れのみに対応する画素数を用いて判定することができるから、誤検知を低減して検出精度を向上させることができる。
【0038】
幾つかの実施形態において、変色剤7は空気中の酸素(O)であってもよい。このようにすれば、機器2から漏洩した漏液6が空気中の酸素との反応により酸化されて変色し、変色した漏液6が撮像装置3によって撮像される。従って、空気中の酸素以外の変色剤7を必要とすることなく、機器2からの液漏れを検出することができる。
【0039】
図6は、他の実施形態に係る漏液検知システムの構成例を示す概略図である。
幾つかの実施形態において、変色剤7は漏液6との接触により変色する顔料を含み、撮像装置3の撮像範囲には、機器2の外周又は下方の少なくとも一部において変色剤7としての顔料が塗布された顔料塗布領域5が含まれてもよい。
上記の構成によれば、機器2の外周又は下方の少なくとも一部に顔料塗布領域5を含むことにより、機器2から漏液6が漏洩した際には漏洩した漏液6が顔料と接触して変色する。つまり、漏洩した漏液6の酸化による変色を待つことなく、漏液6が発生してから変色するまでのタイムラグを低減することができるから、液漏れ発生から該液漏れの発生を検知するまでの時間を大幅に短縮することができる。例えば、液漏れの発生をリアルタイムに検出することもできる。また、機器2に使用されている特定の液と反応した際にのみ発色するような顔料を選択的に用いることにより、撮像された画像30内で液漏れを特定し易くなるほか、漏れた液の種類(例えば水又は油)やこれらの液が用いられている機器の部位を特定することもできるから、液漏れ発生の検出精度を向上させることができる。
【0040】
幾つかの実施形態において、撮像装置3の撮像範囲には、機器2の下方に配置された吸液部材4が含まれていてもよい(例えば図1参照)。
吸液部材4は、例えば、水や油等の液体を吸い取り可能な布や紙などであってもよく、例えば、ペーパータオル等の紙材やウエス等であってもよい。
このように吸液部材4を備えた構成とすれば、機器2から漏洩した漏液6は概して下方に落下するから、機器2の下方に吸液部材4を配置し、該吸液部材4に付着した漏液6の色を撮像装置3で撮像することにより、機器2からの液漏れの発生をより適切に検出することができる。さらに、例えば、機器2自体やその周囲に死角がある場合でも、吸液部材4を撮像し得る位置に撮像装置3を配置することで液漏れを検出できるから、少ない数の撮像装置3で適切に漏液6の漏洩を検出可能な漏液検知システム1を低コストで構成することができる。
なお、この吸液部材4に、上述した変色剤7としての顔料を予め塗布する構成としてもよい。
【0041】
本開示の少なくとも一実施形態に係る漏液検知方法は、機器2からの油漏れを検出するための漏液検知方法であって、機器2から漏洩した漏液6を撮像する撮像ステップ(S1)と、撮像ステップ(S1)で取得された画像データを用いて油漏れの発生を検出する検出ステップ(S2〜S5)と、を備えている。
検出ステップ(S2〜S5)では、画像データ中において、機器2外において変色剤7との接触により変色した漏液6の色に対応する画素数が閾値以上であるか否かを判定し、画素数が閾値以上である場合に液漏れが発生したと判定する。このようにすれば、撮像ステップ(S1)で取得された画像データ中において、変色した漏液6の色に対応する画素数が閾値以上であることをコントローラ10が判定することにより、液漏れの発生を検出することができる。
【0042】
幾つかの実施形態では、上記何れか一つに記載の方法において、撮像ステップ(S1)で撮像された画像30と、画素数の経時変化履歴28又は検出ステップ(S2〜S5)における判定結果との少なくとも一方を表示する表示ステップ(図3、ステップS7参照)をさらに備えていてもよい。このようにすれば、機器2から漏洩した漏液6を含む画像30と、画素数の経時変化履歴28又は検出ステップ(S2〜S5)における判定結果との何れかの組み合わせを表示部に表示することができるから、機器2からの液漏れの発生の有無やその程度、進行速度などをオペレータが視覚的に監視することができる。
【0043】
以上述べたように、本開示の幾つかの実施形態によれば、機器からの液漏れを高精度に検出することができる。
【0044】
本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変更を加えた形態や、これらの形態を組み合わせた形態も含む。
【符号の説明】
【0045】
1 漏洩検知システム
2 機器(油圧機器)
2a 機器本体
2b 配管
3 撮像装置(可視カメラ)
4 吸液部材(ウエス)
5 顔料塗布領域
6 漏液(油/水)
7 変色剤(顔料)
8 撮影範囲
10 コントローラ(制御部)
11 CPU
12 RAM
13 ROM
14 漏液検知プログラム
15 HDD
16 閾値
20 UI(表示部/入力部)
21 報知部
22 通信部
24 制御画面
25 設定部
28 経時変化履歴
30 画像
32 画像領域
35 除外領域
K,Kα,Kβ,Kγ,Kσ 距離係数
Ki 重要度係数
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7