特許第6837472号(P6837472)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6837472-透明導電膜 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6837472
(24)【登録日】2021年2月12日
(45)【発行日】2021年3月3日
(54)【発明の名称】透明導電膜
(51)【国際特許分類】
   H01B 5/14 20060101AFI20210222BHJP
   H01B 13/00 20060101ALI20210222BHJP
   B32B 27/18 20060101ALI20210222BHJP
   H05K 1/09 20060101ALI20210222BHJP
   C08L 101/00 20060101ALI20210222BHJP
   C08K 3/01 20180101ALI20210222BHJP
   C08K 3/04 20060101ALI20210222BHJP
【FI】
   H01B5/14 A
   H01B13/00 503B
   H01B13/00 503D
   B32B27/18 J
   H05K1/09 A
   C08L101/00
   C08K3/01
   C08K3/04
【請求項の数】35
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2018-506797(P2018-506797)
(86)(22)【出願日】2016年4月21日
(65)【公表番号】特表2018-524788(P2018-524788A)
(43)【公表日】2018年8月30日
(86)【国際出願番号】US2016028598
(87)【国際公開番号】WO2016172315
(87)【国際公開日】20161027
【審査請求日】2019年4月19日
(31)【優先権主張番号】62/150,749
(32)【優先日】2015年4月21日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517369416
【氏名又は名称】キャズム テクノロジーズ,インク.
【氏名又は名称原語表記】CHASM TECHNOLOGIES,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100075557
【弁理士】
【氏名又は名称】西教 圭一郎
(72)【発明者】
【氏名】プライノ,ロバート エフ.ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】アーサー,ショーン ピー.
(72)【発明者】
【氏名】アーサー,デイヴィッド ジェー.
【審査官】 和田 財太
(56)【参考文献】
【文献】 特表2015−508556(JP,A)
【文献】 特表2010−507727(JP,A)
【文献】 特開2012−190780(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01B 5/14
B32B 27/18
C08K 3/01
C08K 3/04
C08L 101/00
H01B 13/00
H05K 1/09
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面を有する基板と、
前記基板の前記表面の1以上の部分に亘ったナノワイヤ層と、
前記ナノワイヤ層を含む部分上の導電層とを含み、前記導電層は、カーボンナノチューブ(CNT)とバインダとを含み、
前記基板上に、ナノワイヤおよびCNTの少なくとも一方の前記基板への接着を促進する結合層をさらに含むことを特徴とする透明導電膜(TCF)。
【請求項2】
ナノワイヤは、銀または銅ナノワイヤを含むことを特徴とする、請求項1に記載の透明導電膜。
【請求項3】
前記ナノワイヤ層は、ナノワイヤバインダを含むことを特徴とする、請求項1に記載の透明導電膜。
【請求項4】
前記ナノワイヤ層は、前記ナノワイヤ層の光学特性を変更するように構成されてなる添加剤を含むことを特徴とする、請求項1に記載の透明導電膜。
【請求項5】
前記添加剤は、蛍光増白剤を含むことを特徴とする、請求項4に記載の透明導電膜。
【請求項6】
前記ナノワイヤ層は、約10mg/m〜約100mg/mのナノワイヤを含むことを特徴とする、請求項1に記載の透明導電膜。
【請求項7】
前記ナノワイヤ層は、前記基板の前記表面のいくつかの部分であって、全部合わせても全部より少ない部分上にあることを特徴とする、請求項1に記載の透明導電膜。
【請求項8】
前記導電層のバインダは、ポリマを含むことを特徴とする、請求項1に記載の透明導電膜。
【請求項9】
前記導電層のバインダは、イオノマを含むことを特徴とする、請求項8に記載の透明導電膜。
【請求項10】
前記導電層のバインダは、スルホン化テトラフルオロエチレン系フルオロポリマ共重合体を含むことを特徴とする、請求項9に記載の透明導電膜。
【請求項11】
前記導電層のバインダは、約1.5以下の屈折率を有することを特徴とする、請求項1に記載の透明導電膜。
【請求項12】
前記導電層は、粘度調整剤をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の透明導電膜。
【請求項13】
前記導電層は、導電性ナノ粒子およびグラフェンの少なくとも一方をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の透明導電膜。
【請求項14】
前記結合層は、前記結合層の光学特性を変更するように構成されてなる添加剤を含むことを特徴とする、請求項に記載の透明導電膜。
【請求項15】
前記結合層は、ポリマを含むことを特徴とする、請求項に記載の透明導電膜。
【請求項16】
前記ポリマは、メチルメタクリレート共重合体を含むことを特徴とする、請求項15に記載の透明導電膜。
【請求項17】
前記基板は2つの対向する表面を有し、各々は、各表面の1以上の部分上に2つのナノワイヤ層、およびその両方のナノワイヤ層上に導電層があることを特徴とする、請求項1に記載の透明導電膜。
【請求項18】
表面を有する基板を提供することと、
前記基板の前記表面の1以上の部分に亘ってナノワイヤ層を堆積させることと、
前記ナノワイヤ層を含むそれらの部分の上に導電層をパターニングすることとを含み、前記導電層はカーボンナノチューブ(CNT)とバインダとを含み、
堆積工程の前に、前記基板の前記表面上に、ナノワイヤおよびCNTの少なくとも一方の前記基板への接着を促進する結合層を形成することをさらに含むことを特徴とする透明導電膜(TCF)を製造する方法。
【請求項19】
ナノワイヤは、銀または銅ナノワイヤを含むことを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記ナノワイヤ層は、ナノワイヤバインダを含むことを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記ナノワイヤ層は、前記ナノワイヤ層の光学特性を変更するように構成されてなる添加剤を含むことを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記添加は、蛍光増白剤を含むことを特徴とする、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記ナノワイヤ層は、約10mg/m〜約100mg/mのナノワイヤを含むことを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項24】
前記ナノワイヤ層は、前記基板の前記表面のいくつかの部分であって、全部合わせても全部より少ない部分上にあることを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項25】
前記導電層のバインダは、ポリマを含むことを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項26】
前記導電層のバインダは、イオノマを含むことを特徴とする、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記導電層のバインダは、スルホン化テトラフルオロエチレン系フルオロポリマ共重合体を含むことを特徴とする、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記導電層のバインダは、約1.5以下の屈折率を有することを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項29】
前記導電層は、粘度調整剤をさらに含むことを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項30】
前記粘度調整剤は、一時的材料であることを特徴とする、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記導電層は、導電性ナノ粒子およびグラフェンの少なくとも一方をさらに含むことを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項32】
前記結合層は、前記結合層の光学特性を変更するように構成されてなる添加剤を含むことを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項33】
前記結合層は、ポリマを含むことを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項34】
前記ポリマは、メチルメタクリレート共重合体を含むことを特徴とする、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記基板は2つの対向する表面を有し、各々は、前記各表面の1以上の部分上に2つのナノワイヤ層、およびその両方のナノワイヤ層上に導電層があることを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、透明導電膜に関する。
【背景技術】
【0002】
今日使用されている、市場で入手可能な透明導電膜の多くは、必要な導電性を提供するために無機化合物に頼っている。所望の透明性を提供するために、総フィルム厚さは、約50〜100nmに制限される。一般的な導電性薄膜化合物は、インジウム錫酸化物(ITO)である。ITOベースの薄膜は、上記の透明範囲において、約100〜約300Ω/□のシート抵抗を示す。しかしながら、ITOベースの薄膜は、脆いこと、高コストになるいう弱点がある。
【発明の概要】
【0003】
以下のすべての例および特徴は、技術的に可能な方法のいずれにも組合わせ可能である。
【0004】
一態様において、透明導電膜(TCF)は、表面を有する基板と、前記基板の表面の1つ以上の部分に亘ったナノワイヤ層と、前記ナノワイヤ層を含む部分上の導電層とを含み、前記導電層は、カーボンナノチューブ(CNT)およびバインダを含む。
【0005】
各実施形態は、以下の特徴の1つ、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。ナノワイヤは、銀または銅ナノワイヤであってもよい。ナノワイヤ層は、ナノワイヤバインダを含むことができる。ナノワイヤ層は、ナノワイヤ層の光学特性を変更するように構成されてなる添加剤を含むことができ、1つの非限定的な例においては蛍光増白剤である。ナノワイヤ層は、約10mg/m〜約100mg/mのナノワイヤを有していてもよい。ナノワイヤ層は、基板の表面の部分であって、全部合わせても、基板表面の全部より少ない表面部分上にあってもよい。
【0006】
各実施形態は、以下の特徴の1つ、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。導電層バインダは、ポリマを含んでもよく、該ポリマは、1つの非限定的な例においてはイオノマである。イオノマは、非限定的な一例においては、スルホン化テトラフルオロエチレン系フルオロポリマ共重合体であってもよい。導電層バインダは、約1.5以下の屈折率を有することができる。
【0007】
各実施形態は、以下の特徴の1つ、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。導電層はさらにまた、粘度調整剤をさらに含んでもよい。導電層は、導電性ナノ粒子およびグラフェンのうちの少なくとも一方をさらに含むことができる。TCFはまた、ナノワイヤおよびCNTの少なくとも1方の基板への接着を促進する基板上の結合層を含むことができる。結合層は、メチルメタクリレートコポリマなどのポリマを含むことができる。結合層は、結合層の光学特性を変更するように構成されてなる添加剤を有することができる。基板は、2つの対向する表面を有することができ、2つのナノワイヤ層があり、その各々は、そのそれぞれの表面の1つ以上の部分上にある。両方のナノワイヤ層上に導電層が存在する。
【0008】
本明細書においては、透明導電膜(TCF)を製造する方法は、表面を有する基板を提供することと、基板の表面の1つ以上の部分に亘ってナノワイヤ層を堆積させることと、ナノワイヤ層を含むそれらの部分の上に導電層をパターニングすることとを含み、導電層はカーボンナノチューブ(CNT)とバインダとを含むことを特徴とする。
【0009】
各実施形態は、以下の特徴の1つ、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。ナノワイヤは、銀または銅ナノワイヤであればよい。ナノワイヤ層は、ナノワイヤバインダを有することができる。ナノワイヤ層は、ナノワイヤ層の光学特性を変更するように構成されてなる添加剤を含んでもよい。添加剤は、蛍光増白剤であればよい。ナノワイヤ層は、約10mg/m〜約100mg/mのナノワイヤを有していればよい。ナノワイヤ層は、基板の表面のいくつかの部分であって、全部合わせても、基板表面の全部より少ない部分上にあってもよい。
【0010】
各実施形態は、以下の特徴の1つ、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。導電層バインダは、ポリマを含んでもよく、該ポリマは、スルホン化テトラフルオロエチレン系フルオロポリマ共重合体などのイオノマであってもよいが、それに限定されるものではない。導電層バインダは、約1.5以下の屈折率を有してもよい。
【0011】
各実施形態は、以下の特徴の1つ、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。導電層は、粘度調整剤をさらに含むことができる。粘度調整剤は、一時的材料であってもよい。導電層は、導電性ナノ粒子およびグラフェンの少なくとも一方を含んでもよい。基板は、2つの対向する表面を有していてもよく、各々は、前記各表面の1以上の部分上に2つのナノワイヤ層、およびその両方のナノワイヤ層上に導電層があってもよい。
【0012】
各実施形態は、以下の特徴の1つ、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。この方法はさらに、堆積工程の前に、基板の上面上に、ナノワイヤおよびCNTの少なくとも一方の基板への接着を促進する結合層を形成する工程を含んでもよい。結合層は、結合層の光学特性を変更するように構成されてなる添加剤を含んでもよい。結合層は、メチルメタクリレート共重合体などのポリマを含んでもよい。導電層は、露出したナノワイヤは別として、全部よりも少ないナノワイヤ層上にパターン形成してもよく、次いで露出したナノワイヤは除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】カーボンナノチューブ(CNT)とバインダとを含む導電層で上塗りされた第1金属ナノワイヤ層を含む、透明導電膜の平面図である。
図2図1の透明導電膜の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示は、透明導電膜(TCF)に関する。透明導電膜は、金属ナノワイヤ、典型的には、銀ナノワイヤ(AgNW)と、多様な基板によって実施されるカーボンナノチューブ(CNT)とを含んでなる。
【0015】
図1および図2を参照すると、TCF10は、基板14の1以上の部分上の金属ナノワイヤ層12であって、導電CNT層16で表面被覆された金属ナノワイヤ層12を含む。TCFは、典型的には、優れた電気導電性、高い可視光透過性(VLT)、およびナノワイヤ層12のCNT層16への優れた接着性を有している。図面は非常に概略的なものであり、寸法どおりではない。特に、層の厚さは、図を分かりやすくするために大きく誇張されている。
【0016】
図1のTCF10は、以下の方法により製造することができる。典型的には、金属ナノワイヤ(たとえば、AgNW)は、たとえば、しかしそれらに限定されるわけではないが、マイヤロッド、スプレ、グラビア、ロール、スロットダイ、カーテン、およびスライドなどの被覆プロセスで、基板14の表面(たとえば表面14a)に塗布される。ナノワイヤ層12は、任意の方法で、基板に亘って分布された金属ナノワイヤを含む。以下で説明するが、任意の結合層18は、ナノワイヤ層の前に基板上に設けることが可能である。導電層16は、たとえば、しかしそれらに限定されるわけではないが、スクリーンプリント(ロータリおよびシート)、エアロゾルジェット、パッド、グラビア、スロットダイパッチ、スライドパッチなどの印刷方法によって、(領域21,22,23のような、ナノワイヤのいくつか、または全部を覆う1または複数の領域を含む)所望のパターンにおいて、金属ナノワイヤ層に亘って、所望のパターンで一緒に塗布されるCNTおよびバインダで作製される。続いて塗布されるCNTのパターンに制限された導電性を有するTCFを提供するために、(もしあるなら)露出された金属ナノワイヤ、すなわち、CNYで被覆されていないナノワイヤを取り除いて、所望の電気導電性パターンを有するTCFを提供する。
【0017】
その結果として作製されたTCFは、導電性、可撓性、伸縮性を有する材料である。さらに、金属ナノワイヤおよびCNTの両方で被覆された領域は、約85%〜約97%の範囲で可視光透過性(VLT)を有してもよく、最も好ましくは、98%以上のVLTを有してもよい。可視光透過値は、金属ナノワイヤおよびCNTの被覆にのみ関係しており、可視光透過値は、基板を含んだものではない。
【0018】
TCF10においての使用に適した基板は、限定されるわけではないが、光透過性、機械的寸法安定性、耐化学物資および耐溶剤性、伸縮性、熱成形性、表面処理(親水性または疎水性)、表面平滑性、温度安定性を含み得る属性を有することになる。基板の例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、ポリオレフィンポリエチレン、プロピレン(PP)、ポリ−1−ブテン(PB)の共重合体、メチルペンテン(TPX)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリノルボネン、ポリイミド、シクロアルケン、およびガラスが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。基板の厚さは、典型的には、しかし必ずしもそうでなければならないわけではないが、約0.5ミクロンから約20ミクロンの範囲とすることが可能である。
【0019】
TCF10のナノワイヤ層における使用に適したナノワイヤは、電気導電性を有し、溶媒に分散するものであって、安定したインクまたは被覆液の生成を可能とし、少なくとも1次元において、サブミクロンの特徴を有し、アスペクト比が1より大きく、稠密または中空のいずれでもよく、被覆されると、基板上に電気導電性ネットワークを形成し、処理(これには配合物へのバインダの添加を含み得る)のために基板に対して十分な接着性を有し、(被覆されていないならば)拭きとることで基材から除去可能である。適切なナノワイヤは、AgNW、銅ナノワイヤ、またはその他の適切な金属ナノワイヤを含み得るが、しかし、それらに限定されるわけではない。TCFに用いられるAgNWは、典型的には、約31nm〜約50nmの範囲の直径を有し(より一般的には、約5nm〜約150nm)、そして典型的には、約11.4μm〜約20μmの長さ(より一般的には、約5μmから約70μm)を有している。1平方メートルあたりの金属ナノワイヤの濃度は、典型的には、約30mg/m〜約55mg/mの範囲、より一般的には、約1mg/m〜約100mg/mとすることが可能である。AgNWを使用する場合、ナノワイヤ層を印刷するための溶媒中におけるその濃度は、典型的には約0.1mg/mlから約10mg/mlまでとなる。ナノワイヤ層、また、ナノワイヤの基板への結合を助けるバインダを含んでもよい。候補のバインダとしては、ポリビニルピロリドン、セルロースエステル、アクリルポリマ、ポリビニルアルコールなどの水溶性ポリマがあるが、これらに限定されるものではない。ナノワイヤ層は、また、AGNWに関連し得る黄色の色相を減少させるように、ナノワイヤ層の光学特性を変更する蛍光増白剤を含んでもよい。候補の蛍光増白剤を以下に記載する。
【0020】
TCF10の導電層における使用に適したカーボンナノチューブは、導電性を有し、電気堆積された場合、導電性網を形成し、溶媒中で分散されて安定したインクまたは被覆液を作ることが可能であり、少なくとも一次元においてサブミクロンの特徴を有し、2nmより小さい寸法を有し、1より大きいアスペクト比を有し、処理のために適切な、ナノワイヤ層および基板への接着性を有し、拭きとることで基材から除去可能である。適切なカーボンナノチューブは、単層ナノチューブ、数層ナノチューブ、および多層ナノチューブを含む。(たとえば、銀または他の金属ナノ粒子などの)グラフェンまたは金属ナノ粒子を、チューブ間の接触抵抗を低減するために添加することができる。ここで使用されている、CNTとは、単層チューブ、多層チューブ、および数層チューブをいう。数層チューブとは、典型的には、平均して2〜3の層のCNTであり、すなわち、数層CNTバッチは、3層よりも多いCNTもいくつか含まれていてもよいが、数層CNTの主要構成は、2〜3層のものである。本明細書の実施例において使用されているCNTは、平均直径が約0.84nmであり、そして、限定されるというわけではないが、直径が約0.7nm〜約1.4nmであり、そして、限定されるわけではないが、長さが約0.3μm〜約3μmの範囲の単層CNTである。CNT/mの濃度は典型的には、約1mg/m〜約25mg/mの範囲であればよい。典型的には、CNT/mの濃度は、約0.5mg/m〜5mg/mの範囲である。
【0021】
導電層はまた、バインダであって、典型的には有機またば無機ポリマであり、電子移動を可能にし、機械的に安定であり、処理のためにナノワイヤ層および基板に対して適切な接着性を提供し、導電層の結合力を向上してもよく、低屈折率および高可視光透過性を有してもよく、化学的に安定であり、安定したインクまたは被覆流体のために導電層に配合することができる、バインダを含む。適切なバインダは、たとえばイオノマなどの導電性ポリマを含む。適切なバインダは、「ナフィオン」(スルホン化テトラフルオロエチレン系フルオロポリマ共重合体イオノマ);ポリ(アリレンエーテルスルホン)または「BPS」;スルホン化ポリ(アリレンチオエーテルスルホン)または「PATS」;亜鉛、ナトリウムなどの金属塩を用いて部分的に中和された酸基を含むエチレン共重合体、または「サーリン」、デュポン社から入手可能なエチレンおよびメタクリル酸の共重合体を含む。当業者に知られているように、ナフィオンはデュポン社のワルサーグロットによって1960年代後半に発見された、CAS登録番号66796−30−3として識別されるスルホン化テトラフルオロエチレン系フルオロポリマ共重合体である。ナフィオンバインダは、インク溶液に添加する前に、イソプロパノールで溶解可能である。適切な粘度調整剤(たとえばアミン酸付加物)は、米国特許出願公開番号第2005/0276924号明細書に記載され、その開示は参照によって本明細書に組み込まれる。インクに分散したCNTは、約0.1〜約1.5g/Lの範囲にあってもよい。CNTのバインダに対する比は、約1:0.5〜約1:50の範囲にあってもよい。約0.3g/Lの単層CNTを用いるとき、CNT含有インクの粘度は、ブルックフィールド粘度計を用いてLV4スピンドルで測定したとき、5rpmで約15,000cPであり、40rpmで9,000cPである。インクは、必要に応じて、限定されるわけではないが、1−プロパノールなどのアルコールで希釈して所望の粘度を達成する。
【0022】
一実施形態において、ここに開示されたTCFは、上述の印刷処理によって調製されてもよい。典型的には、金属ナノワイヤは、エタノールまたは印刷処理における使用に適した他の溶媒(たとえばメタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、ブタノールまたは水)などの溶媒に分散される。分散液中の金属ナノワイヤの量は、典型的には、全分散液の約0.15〜約1重量%、より一般的には約0.05重量%〜約5重量%の範囲にあってもよい。1つの非限定的な例において、エタノール中のAgNWの0.25重量%分散液が使用された。金属ナノワイヤの分散液は、基板の表面に印刷され、さもなければ塗布される。金属ナノワイヤの分散液を塗布する前に、基板は粒子汚染を除去するために洗浄されるべきである。洗浄に続いて、NW分散液が基板の表面に塗布され、約25μmの湿潤被覆厚さまで引き伸ばされる。引き伸ばし工程は、滑らかなロッドコータと一定のギャップとを用いてもよい。あるいは、マイヤロッドが用いられてもよい。金属ナノワイヤの分散液は、通常、周囲条件下で数秒間乾燥させる。その後、追加の乾燥が、たとえば350°F出力での携帯型乾燥機による約30秒間の加熱によって行われる。
【0023】
CNTを塗布する前に、TCF導電性領域の所望のパターンが決定される。
ナノワイヤ層を担持する基板の1以上の領域は、CNTで被覆されるべき領域だけを露出させるためにテープまたはマスクされていてもよい。あるいは、インクとして塗布されるCNTは、NW層を事前にマスキングすることなく金属ナノワイヤ上に亘って所望のパターンで印刷されてもよい。所望のパターンは、ナノワイヤで被覆された全領域を含んでもよく、基板の全領域であってもよく、なくてもよい。
【0024】
適切なインクに分散したCNTは、ナノワイヤ層を担持する基板の露出領域を被覆するように使用される。CNTを金属ナノワイヤで被覆された基板に塗布する際に使用するのに適切なインクは、限定されるわけではないが、溶媒系の界面活性剤のないスクリーン印刷可能なインクを含む。また、インクは、接着を促進するためのバインダ、および被覆処理を支援するための粘度調整剤を含むべきである。
【0025】
CNT、バインダ(および随意に粘度調整剤)含有インクの、ナノワイヤ層を担持する基板の所望の領域への塗布は、好ましくは、印刷処理を介して生じる。たとえば、1つの適切な処理は、3mmのスナップオフ距離を有する355ポリエステルメッシュスクリーンを利用する。ナノワイヤ層を担持する基板は、滑らかで平坦な表面を提供するように固定される。CNTを担持するインクは、スクリーンにインクを溢れさせ、スキージで所望のパターン上に亘って流体を引き込むことによって塗布される。好ましくは、75°のスキージ角、均一な圧力および速度を用いて、インクは基板上にスクリーンを介してせん断される。インクの塗布に続いて、TCFが350°Fに設定された空気温度での約30秒間の携帯型対流乾燥機による加熱によって乾燥される。最後の乾燥は、流れる空気環境における105℃、10分間の条件の下、たとえば105℃に設定された対流オーブンで10分間、生じてもよい。
【0026】
CNTインクのナノワイヤ層の所望の領域にわたる塗布およびインクの乾燥に続いて、CNTインクのない領域が露出した金属ナノワイヤを除去するように処理される。金属ナノワイヤの除去は、水で湿らせた布で表面を拭きとることによって達成することができる。あるいは、布は、イソプロピルアルコールで湿らせてもよい。あるいは、表面を、水/アルコール混合物で湿らせた布で拭くことができる。あるいは、十分な濃度のナフィオンバインダによって、TCF表面全体を、CNT成分を有害に除去することなく拭いてもよい。
【0027】
いくつかの装置適用において、所望の光電子性能を提供するように同様のまたは異なる導電膜構造を有する別の基板を有する装置に組み合わされてもよい、基板の一方側に導電膜構造を有する必要がある。他の装置適用において、基板の各側に導電膜構造を有することによって、2つの導電膜構造が、所望の光電子性能を提供するように同様であってもよく、または異なっていてもよいことは有利であり得る。簡略化された非限定的な例が図2に示される。基板14は、上面14aと、反対側の底面14bとを有する。随意の結合層18および18aが、これらの表面に塗布されてもよい。ナノワイヤ層12および12aが塗布され、その後導電層16および16aが続く。この例において、基板14の一方側14aの導電領域21〜23は一方向に延び、反対側14bの導電領域24は異なる(たとえば直交)方向に延びる。他のところで述べたように、基板の両面の導電領域の配置およびパターンは、設計上の選択事項である。
【0028】
両面TCFを形成するための処理は、限定されるわけではないが、まず基板の各側のナノワイヤ層を被覆し、次いで基板の各側の導電性CNT層を印刷することを含む。この処理は、限定されるわけではないが、一方側の第1ナノワイヤを被覆し、その後第1ナノワイヤ層上に導電性CNT層を印刷することが続き、その後この処理を基板の他方側で繰り返すことを含むこともできる。塗布されたCNT層で被覆されていないナノワイヤは、各TCF構造が基板の各側に被覆/印刷された後、または両方のTCF構造が基板の両側に被覆/印刷された後に除去することができる。
【0029】
1つの非限定的な例において、基板は、インクの接着を促進する結合層を形成するように処理されたPETである。適切なPETは、PET ST505として識別される、ウィスコンシン州 53151 ニューベルリン ウェスト リンカーン アベニュー 16700所在のテクラ,エーディビジョン オブ エーアイエス,インク.から入手可能である。PET ST505は、約125μmの厚さを有する。
【0030】
別の非限定的な場合において、基板はポリカーボネート(PC)膜である。適切なPCは、ドイツ国 51368 レーバークーゼン カイザーウィルヘルムアレー 1所在のバイエル マテリアルサイエンス,バイエル アーゲーから入手可能であり、マクロフォル DE−1−1HCである。商業的に入手可能なPC膜は、一般的に結合層を有していないので、追加の層がナノワイヤ層の前に構造に追加されてもよい。結合層は、1つの非限定的な例において、適切な溶媒に溶解されるメチルメタクリレート共重合体を含む。共重合体の濃度は、典型的には0.25重量%であり、典型的には0.1重量%〜10重量%の範囲であってもよい。溶媒は、限定されるわけではないが、酢酸エチルまたは酢酸プロピルを含んでもよい。溶媒は、PC基板に化学的に溶解してはならず、または実質的に吸収してはならない。結合層は、一例において、7μmの湿潤厚さでマイヤロッドによって被覆され、5μm〜15μmの範囲で被覆されてもよい。結合被覆の乾燥厚さは、典型的には0.018ミクロンであり、0.01μm〜1ミクロンの範囲に被覆されてもよい。結合層ポリマは、限定されるわけではないが、メチルメタクリレート共重合体、エチルメタクリレート共重合体、イソブチル/n−ブチルメタクリレート共重合体、n−ブチルメタクリレート共重合体、モノ,ジ−および多官能アクリレートモノマおよびオリゴマ、リン酸塩またはカルボン酸基を有する機能性添加剤、酸、アミン、水酸基、多官能有機シランなどの官能基を有するモノマを含んでもよい。
【0031】
結合層は、結合層の光学特性を変更するように構成されてなる添加剤を含んでもよい。ナノワイヤ層は、透過光にわずかな黄色の色相を加えることが可能である。物体からの黄色の色調の影響を最小限に抑えるために一般的に使用される方法は、材料に蛍光増白剤を添加することである。一般的に知られているように、光学増白剤(OBA)、蛍光増白剤(FBA)、または蛍光白色化剤(FWA)は、電磁スペクトルの紫外および紫色の領域(通常340〜370nm)の光を吸収し、蛍光性によって、青領域(典型的には420〜470nm)の光を再放射する化合物である。このような材料は、溶媒に可溶性であり、青色の関連した添加と共に 結合層中にOBAを取り込むことは、黄色の色相をオフセットすることが予測される。
【0032】
TCFにとって重要な特性は、シート抵抗(Rs)、光透過率(%VLT)、耐薬品性、環境安定性、機械的堅牢性を含む。 これらの特性の典型的な値としては、しかしそれらに限定されるわけではないが、25Ω/□〜450Ω/□のRs、90%〜99%のVLT(基板なし)であり、有機溶媒および洗浄剤に対する耐性、高温/乾燥(85C/<20%RH)および高温/多湿(65C/85%RH)時の安定性、および曲げ試験(張力下で1000回の繰り返し屈曲における2または4mmの曲げ半径)を含む。
【0033】
以下は、テープ試験に合格するために、基板への十分な接着性を有していなかった実施例を含む、本開示に従うTCFのいくつかの非限定的な実施例である。
【0034】
実施例1
TCFは、基板としてPET ST505を用いて調製し、エタノールの0.5重量%のAgNWの分散液で被覆し、その後0.3g/Lの単層CNTと、単層CNTに対して50:1の割合のナフィオンバインダとを含有するCNTインクで被覆した。
【0035】
本実施例のTCFは、2つの異なる被覆率のCNTで印刷した。10mg/mの単層CNTの被覆率は、約85%の可視光透過性(VLT)をもたらした。3mg/mの単層CNTの被覆率は、約95〜97%のVLTをもたらした。非CNT印刷領域からのAgNWの選択的除去は、CNT印刷領域の電気的絶縁をもたらした。CNT印刷領域間の拭きとり前に、抵抗率は40〜100Ω/□の範囲であった。拭きとり後、これらの領域の抵抗率の読み値は無限大であり、したがってCNT印刷領域を絶縁した。
【0036】
3mg/mで印刷し約95〜97%のVLT(基板値をVLTに含まず)を有するTCFに対する抵抗率測定が決定された。被覆されないAgNWを除去する前に、この領域は40Ω/□から無限大のシート抵抗を有した(これらの領域を試験することによって困難に遭遇した)。所望のTCFとCNTだけで被覆された基板との間の比較を提供するために、CNT処理基板も調製された。この基板の抵抗率は、10,000Ω/□であった。対照的に、上述のように単層CNTで上塗りされたAgNWを担持する所望のTCFは、VLTの測定において基板を含むとき、約40〜約100Ω/□の範囲のシート抵抗と、約88〜93%のVLTとを有した。
【0037】
また、TCFは、CNT被覆領域の安定性とAgNWの除去とを決定するために試験された。CNT被覆領域の接着性を決定するために、3Mから得られた接着テープ(3M 510テープ)がCNT被覆領域に貼り付けられ、除去された。CNT被覆領域は、良好な接着性を示し、すなわち基板から除去されなかった。CNT非被覆AgNWに対する機構も試験された。接着テープと、水、イソプロピルアルコールおよび水/イソプロピルアルコールだけによる液体すすぎとは、AgNWを除去しなかった。水またはイソプロピルアルコールによる湿式払拭は、AgNWを成功裏に除去した。湿式払拭中の過剰な力はまた、CNT被覆の一部を除去した。
【0038】
実施例2
ポリエステル(PET)膜、メリネックスST505(125μm)を基板として用いた。銀ナノワイヤ(AgNW)(直径約20nm、長さ20μm)分散液が調製されて、バインダ(ポリビニルピロリドン(PVP):MW40,000、シグマアルドリッチ、CAS9003−39−8)に対するAgNWの比5.24:1を有するイソプロピルアルコール(IPA)に0.55重量%のAgNW流体を生じた。AgNW被覆は約5インチの幅であった。流体を、#6マイヤロッド(約55mg/m2のAgNW)を用いてPET膜上に被覆した。被覆を、出口空気温度が177Cに設定された携帯型対流乾燥機で約30秒間乾燥した。AgNWを、3インチ角のブロックパターンを有する355メッシュポリエステルスクリーンを用いて、カーボンナノチューブインク(キャズム テクノロジーズ インク製のVC101単層CNTインク)で刷り重ねた。インクを、約0.3g/リットルのCNT濃度に改質し、ナフィオン/CNTの比50:1でナフィオン(アルドリッチ510211)を含むように改質した。印刷されたCNT層を、出口空気温度177Cに設定された携帯型対流乾燥機で約15秒間乾燥した。次いで、被覆構造を、標準実験室対流オーブン内に105Cで10分間置いた。試料を周囲温度(約25C)まで冷却させた。試料を、単一パス払拭としてDI水で湿らせた柔らかいフェルト布で拭いた。最小圧力が膜を拭くのに用いられた。膜を、出口空気温度177Cに設定された携帯型対流乾燥機で約30秒間乾燥してすべての水を除去した。AgNW被覆の後、%VLT(可視光透過性)は約98〜99%(基板VLTを差し引く)であり、約0.7%のヘイズ値を有し、約100〜150Ω/□のシート抵抗を有した。PET基板上にだけある印刷されたCNT層は、約99〜100%(基板VLTを差し引く)の%VLT(可視光透過性)を有し、約50,000Ω/□のシート抵抗を有した。CNT印刷および湿式払拭が完了した後、完全構造は、約99%(基板のVLTを差し引く)の%VLT(可視光透過性)を有し、約75Ω/□のシート抵抗を有した。3M 510テープを用いた接着性試験に合格した。
【0039】
実施例3
ポリエステル(PET)膜、メリネックスST505(125μm)を基板として用いた。銀ナノワイヤ(AgNW)(直径約20nm、長さ20μm)分散液が調製されて、バインダ(ポリビニルピロリドン(PVP):MW40,000、シグマアルドリッチ、CAS9003−39−8)に対するAgNWの比5.24:1を有するイソプロピルアルコール(IPA)に0.55重量%のAgNW流体を生じた。AgNW被覆は約5インチの幅であった。流体を、#6マイヤロッド(約55mg/m2のAgNW)を用いてPET膜上に被覆した。被覆を、出口空気温度が177Cに設定された携帯型対流乾燥機で約30秒間乾燥した。AgNWを、3インチ角のブロックパターンを有する355メッシュポリエステルスクリーンを用いて、カーボンナノチューブインク(キャズム テクノロジーズ インク製のVC101単層CNTインク)で刷り重ねた。インクを、約0.3g/リットルのCNT濃度に改質し、ナフィオン/CNTの比20:1でナフィオン(アルドリッチ510211)を含むように改質した。印刷されたCNT層を、出口空気温度177Cに設定された携帯型対流乾燥機で約15秒間乾燥した。次いで、被覆構造を、標準実験室対流オーブン内に105Cで10分間置いた。試料を周囲温度(約25C)まで冷却させた。試料を、単一パス払拭としてDI水で湿らせた柔らかいフェルト布で拭いた。最小圧力が膜を拭くのに用いられた。膜を、出口空気温度177Cに設定された携帯型対流乾燥機で約30秒間乾燥してすべての水を除去した。AgNW被覆の後、%VLT(可視光透過性)は約98〜99%(基板VLTを差し引く)であり、期待されるヘイズ値は約0.7%(目視比較)であり、約100〜150Ω/□のシート抵抗を有した。PET基板上にだけある印刷されたCNT層は、約97〜98%(基板VLTを差し引く)の%VLT(可視光透過性)を有し、約4,500,000Ω/□のシート抵抗を有した。CNT印刷および湿式払拭が完了した後、完全構造は、約96%(基板のVLTを差し引く)の%VLT(可視光透過性)を有し、約75Ω/□のシート抵抗を有した。3M 510テープを用いた接着性試験に合格した。
【0040】
実施例4
ポリエステル(PET)膜、メリネックスST505(125μm)を基板として用いた。銀ナノワイヤ(AgNW)(直径約20nm、長さ20μm)分散液が調製されて、バインダ(ポリビニルピロリドン(PVP):MW40,000、シグマアルドリッチ、CAS9003−39−8)に対するAgNWの比5.24:1を有するイソプロピルアルコール(IPA)に0.55重量%のAgNW流体を生じた。AgNW被覆は約5インチの幅であった。流体を、#6マイヤロッド(約55mg/m2のAgNW)を用いてPET膜上に被覆した。被覆を、出口空気温度が177Cに設定された携帯型対流乾燥機で約30秒間乾燥した。AgNWを、3インチ角のブロックパターンを有する355メッシュポリエステルスクリーンを用いて、カーボンナノチューブインク(キャズム テクノロジーズ インク製のVC101単層CNTインク)で刷り重ねた。インクを、約0.3g/リットルのCNT濃度に改質し、ナフィオン/CNTの比10:1でナフィオン(アルドリッチ510211)を含むように改質した。印刷されたCNT層を、出口空気温度177Cに設定された携帯型対流乾燥機で約15秒間乾燥した。次いで、被覆構造を、標準実験室対流オーブン内に105Cで10分間置いた。試料を周囲温度(約25C)まで冷却させた。試料を、単一パス払拭としてDI水で湿らせた柔らかいフェルト布で拭いた。最小圧力が膜を拭くのに用いられた。膜を、出口空気温度177Cに設定された携帯型対流乾燥機で約30秒間乾燥してすべての水を除去した。AgNW被覆の後、%VLT(可視光透過性)は約98〜99%(基板VLTを差し引く)であり、期待されるヘイズ値は約0.7%(目視比較)であり、約100〜150Ω/□のシート抵抗を有した。PET基板上にだけある印刷されたCNT層は、約97〜98%(基板VLTを差し引く)の%VLT(可視光透過性)を有し、約20,000Ω/□のシート抵抗を有した。CNT印刷および湿式払拭が完了した後、完全構造は、約96%(基板のVLTを差し引く)の%VLT(可視光透過性)を有し、約75Ω/□のシート抵抗を有した。3M 510テープを用いた接着性試験は不合格であった。
【0041】
実施例5
ポリエステル(PET)膜、メリネックスST505(125μm)を基板として用いた。銀ナノワイヤ(AgNW)(直径約20nm、長さ20μm)分散液が調製されて、バインダ(ポリビニルピロリドン(PVP):MW40,000、シグマアルドリッチ、CAS9003−39−8)に対するAgNWの比5.24:1を有するイソプロピルアルコール(IPA)に0.55重量%のAgNW流体を生じた。AgNW被覆は約5インチの幅であった。流体を、#12マイヤロッド(約100mg/m2のAgNW)を用いてPET膜上に被覆した。被覆を、出口空気温度が177Cに設定された携帯型対流乾燥機で約30秒間乾燥した。AgNWを、3インチ角のブロックパターンを有する355メッシュポリエステルスクリーンを用いて、カーボンナノチューブインク(キャズム テクノロジーズ インク製のVC101単層CNTインク)で刷り重ねた。インクを、約0.3g/リットルのCNT濃度に改質し、ナフィオン/CNTの比50:1でナフィオン(アルドリッチ510211)を含むように改質した。印刷されたCNT層を、出口空気温度177Cに設定された携帯型対流乾燥機で約15秒間乾燥した。次いで、被覆構造を、標準実験室対流オーブン内に105Cで10分間置いた。試料を周囲温度(約25C)まで冷却させた。試料を、単一パス払拭としてDI水で湿らせた柔らかいフェルト布で拭いた。最小圧力が膜を拭くのに用いられた。膜を、出口空気温度177Cに設定された携帯型対流乾燥機で約30秒間乾燥してすべての水を除去した。AgNW被覆の後、%VLT(可視光透過性)は約96〜97%(基板VLTを差し引く)であり、約1.5%のヘイズ値を有し、約40Ω/□のシート抵抗を有した。PET基板上にだけある印刷されたCNT層は、約99〜100%(基板VLTを差し引く)の%VLT(可視光透過性)を有し、約50,000Ω/□のシート抵抗を有した。CNT印刷および湿式払拭が完了した後、完全構造は、約97%(基板のVLTを差し引く)の%VLT(可視光透過性)を有し、約25Ω/□のシート抵抗を有した。3M 510テープを用いた接着性試験に合格した。
【0042】
実施例6
ポリエステル(PET)膜、メリネックスST505(125μm)を基板として用いた。銀ナノワイヤ(AgNW)(直径約20nm、長さ20μm)分散液が調製されて、バインダ(ポリビニルピロリドン(PVP):MW40,000、シグマアルドリッチ、CAS9003−39−8)に対するAgNWの比5.24:1を有するイソプロピルアルコール(IPA)に0.25重量%のAgNW流体を生じた。AgNW被覆は約5インチの幅であった。流体を、#6マイヤロッド(約25mg/m2のAgNW)を用いてPET膜上に被覆した。被覆を、出口空気温度が177Cに設定された携帯型対流乾燥機で約30秒間乾燥した。AgNWを、3インチ角のブロックパターンを有する355メッシュポリエステルスクリーンを用いて、カーボンナノチューブインク(キャズム テクノロジーズ インク製のVC101単層CNTインク)で刷り重ねた。インクを、約0.3g/リットルのCNT濃度に改質し、ナフィオン/CNTの比50:1でナフィオン(アルドリッチ510211)を含むように改質した。印刷されたCNT層を、出口空気温度177Cに設定された携帯型対流乾燥機で約15秒間乾燥した。次いで、被覆構造を、標準実験室対流オーブン内に105Cで10分間置いた。試料を周囲温度(約25C)まで冷却させた。試料を、単一パス払拭としてDI水で湿らせた柔らかいフェルト布で拭いた。最小圧力が膜を拭くのに用いられた。膜を、出口空気温度177Cに設定された携帯型対流乾燥機で約30秒間乾燥してすべての水を除去した。AgNW被覆の後、%VLT(可視光透過性)は約98〜100%(基板VLTを差し引く)であり、期待されるヘイズ値は約0.3%(目視比較)であり、約700Ω/□のシート抵抗を有した。PET基板上にだけある印刷されたCNT層は、約99〜100%(基板VLTを差し引く)の%VLT(可視光透過性)を有し、約50,000Ω/□のシート抵抗を有した。CNT印刷および湿式払拭が完了した後、完全構造は、約99%(基板のVLTを差し引く)の%VLT(可視光透過性)を有し、約450Ω/□のシート抵抗を有した。3M 510テープを用いた接着性試験に合格した。
【0043】
実施例7
ポリエステル(PET)膜、メリネックスST505(125μm)を基板として用いた。銀ナノワイヤ(AgNW)(直径約20nm、長さ20μm)分散液が調製されて、バインダ(ポリビニルピロリドン(PVP):MW40,000、シグマアルドリッチ、CAS9003−39−8)に対するAgNWの比5.24:1を有するイソプロピルアルコール(IPA)に0.55重量%のAgNW流体を生じた。AgNW被覆は約5インチの幅であった。流体を、#6マイヤロッド(約55mg/m2のAgNW)を用いてPET膜上に被覆した。被覆を、出口空気温度が177Cに設定された携帯型対流乾燥機で約30秒間乾燥した。AgNWを、3インチ角のブロックパターンを有する355メッシュポリエステルスクリーンを用いて、カーボンナノチューブインク(キャズム テクノロジーズ インク製のVC101単層CNTインク)で刷り重ねた。インクを、約0.1g/リットルのCNT濃度に改質し、ナフィオン/CNTの比50:1でナフィオン(アルドリッチ510211)を含むように改質した。印刷されたCNT層を、出口空気温度177Cに設定された携帯型対流乾燥機で約15秒間乾燥した。次いで、被覆構造を、標準実験室対流オーブン内に105Cで10分間置いた。試料を周囲温度(約25C)まで冷却させた。試料を、単一パス払拭としてDI水で湿らせた柔らかいフェルト布で拭いた。最小圧力が膜を拭くのに用いられた。膜を、出口空気温度177Cに設定された携帯型対流乾燥機で約30秒間乾燥してすべての水を除去した。AgNW被覆の後、%VLT(可視光透過性)は約98〜99%(基板VLTを差し引く)であり、期待されるヘイズ値は約0.7%(目視比較)であり、約100〜150Ω/□のシート抵抗を有した。PET基板上にだけある印刷されたCNT層は、約99〜100%(基板VLTを差し引く)の%VLT(可視光透過性)を有し、約5,500,000Ω/□のシート抵抗を有した。CNT印刷および湿式払拭が完了した後、完全構造は、約99%(基板のVLTを差し引く)の%VLT(可視光透過性)を有し、約110Ω/□のシート抵抗を有した。3M 510テープを用いた接着性試験は不合格であった。
【0044】
実施例8
ポリエステル(PET)膜、メリネックスST505(125μm)を基板として用いた。銀ナノワイヤ(AgNW)(直径約20nm、長さ20μm)分散液が調製されて、バインダ(ポリビニルピロリドン(PVP):MW40,000、シグマアルドリッチ、CAS9003−39−8)に対するAgNWの比5.24:1を有するイソプロピルアルコール(IPA)に0.35重量%のAgNW流体を生じた。AgNW被覆は約5インチの幅であった。流体を、#6マイヤロッド(約35mg/m2のAgNW)を用いてPET膜上に被覆した。被覆を、出口空気温度が177Cに設定された携帯型対流乾燥機で約30秒間乾燥した。AgNWを、3インチ角のブロックパターンを有する355メッシュポリエステルスクリーンを用いて、カーボンナノチューブインク(キャズム テクノロジーズ インク製のVC101単層CNTインク)で刷り重ねた。インクを、約0.65g/リットルのCNT濃度に改質し、ナフィオン/CNTの比3:1でナフィオン(アルドリッチ510211)を含むように改質した。印刷されたCNT層を、出口空気温度177Cに設定された携帯型対流乾燥機で約15秒間乾燥した。次いで、被覆構造を、標準実験室対流オーブン内に105Cで10分間置いた。試料を周囲温度(約25C)まで冷却させた。試料を、単一パス払拭としてDI水で湿らせた柔らかいフェルト布で拭いた。最小圧力が膜を拭くのに用いられた。膜を、出口空気温度177Cに設定された携帯型対流乾燥機で約30秒間乾燥してすべての水を除去した。AgNW被覆の後、%VLT(可視光透過性)は約98〜100%(基板VLTを差し引く)であり、期待されるヘイズ値は約0.5%(目視比較)であり、約150〜300Ω/□のシート抵抗を有した。PET基板上にだけある印刷されたCNT層は、約90%(基板VLTを差し引く)の%VLT(可視光透過性)を有し、約2,000Ω/□のシート抵抗を有した。CNT印刷および湿式払拭が完了した後、完全構造は、約90%(基板のVLTを差し引く)の%VLT(可視光透過性)を有し、約100Ω/□のシート抵抗を有した。3M 510テープを用いた接着性試験に合格した。
【0045】
実施例9
ポリエステル(PET)膜、メリネックスST505(125μm)を基板として用いた。銀ナノワイヤ(AgNW)(直径約20nm、長さ20μm)分散液が調製されて、バインダ(ポリビニルピロリドン(PVP):MW40,000、シグマアルドリッチ、CAS9003−39−8)に対するAgNWの比5.24:1を有するイソプロピルアルコール(IPA)に0.55重量%のAgNW流体を生じた。AgNW被覆は約5インチの幅であった。流体を、#6マイヤロッド(約55mg/m2のAgNW)を用いてPET膜上に被覆した。被覆を、出口空気温度が177Cに設定された携帯型対流乾燥機で約30秒間乾燥した。AgNWを、3インチ角のブロックパターンを有する355メッシュポリエステルスクリーンを用いて、カーボンナノチューブインク(キャズム テクノロジーズ インク製のVC101単層CNTインク)で刷り重ねた。インクを、約0.3g/リットルのCNT濃度に改質し、ナフィオン/CNTの比50:1でナフィオン(アルドリッチ510211)を含むように改質した。印刷されたCNT層を、出口空気温度177Cに設定された携帯型対流乾燥機で約15秒間乾燥した。次いで、被覆構造を、標準実験室対流オーブン内に105Cで10分間置いた。試料を周囲温度(約25C)まで冷却させた。試料を、単一パス払拭としてDI水で湿らせた粗いフェルト布で拭いた。最小圧力が膜を拭くのに用いられた。顕著な引っかき傷が被覆構造に生じた。膜を、出口空気温度177Cに設定された携帯型対流乾燥機で約30秒間乾燥してすべての水を除去した。AgNW被覆の後、%VLT(可視光透過性)は約98〜99%(基板VLTを差し引く)であり、期待されるヘイズ値は約0.7%(目視比較)であり、約100〜150Ω/□のシート抵抗を有した。PET基板上にだけある印刷されたCNT層は、約99〜100%(基板VLTを差し引く)の%VLT(可視光透過性)を有し、約50,000Ω/□のシート抵抗を有した。CNT印刷および湿式払拭が完了した後、完全構造は、約99%(基板のVLTを差し引く)の%VLT(可視光透過性)を有し、そのシート抵抗は引っかき傷のために測定できなかった。
【0046】
実施例10
ポリエステル(PET)膜、メリネックスST505(125μm)を基板として用いた。銀ナノワイヤ(AgNW)(直径約20nm、長さ20μm)分散液が調製されて、バインダ(ポリビニルピロリドン(PVP):MW40,000、シグマアルドリッチ、CAS9003−39−8)に対するAgNWの比5.24:1を有するイソプロピルアルコール(IPA)に0.55重量%のAgNW流体を生じた。AgNW被覆は約5インチの幅であった。流体を、#6マイヤロッド(約55mg/m2のAgNW)を用いてPET膜上に被覆した。被覆を、出口空気温度が177Cに設定された携帯型対流乾燥機で約30秒間乾燥した。AgNWを、3インチ角のブロックパターンを有する355メッシュポリエステルスクリーンを用いて、カーボンナノチューブインク(キャズム テクノロジーズ インク製のVC101単層CNTインク)で刷り重ねた。インクを、約0.3g/リットルのCNT濃度に改質し、ナフィオン/CNTの比50:1でナフィオン(アルドリッチ510211)を含むように改質した。印刷されたCNT層を、出口空気温度177Cに設定された携帯型対流乾燥機で約15秒間乾燥した。次いで、被覆構造を、標準実験室対流オーブン内に105Cで10分間置いた。試料を周囲温度(約25C)まで冷却させた。試料を、単一パス払拭としてDI水で湿らせた堅いフェルト布で拭いた。最小圧力が膜を拭くのに用いられた。顕著な引っかき傷が被覆構造に生じた。膜を、出口空気温度177Cに設定された携帯型対流乾燥機で約30秒間乾燥してすべての水を除去した。AgNW被覆の後、%VLT(可視光透過性)は約98〜99%(基板VLTを差し引く)であり、期待されるヘイズ値は約0.7%(目視比較)であり、約100〜150Ω/□のシート抵抗を有した。PET基板上にだけある印刷されたCNT層は、約99〜100%(基板VLTを差し引く)の%VLT(可視光透過性)を有し、約50,000Ω/□のシート抵抗を有した。CNT印刷および湿式払拭が完了した後、完全構造は、約99%(基板のVLTを差し引く)の%VLT(可視光透過性)を有し、そのシート抵抗は引っかき傷のために測定できなかった。
【0047】
実施例11
ポリカーボネート(PC)膜、マクロフォル DE−1−1HC(175μm)を基板として用いた。銀ナノワイヤ(AgNW)(直径約20nm、長さ20μm)分散液が調製されて、バインダ(ポリビニルピロリドン(PVP):MW40,000、シグマアルドリッチ、CAS9003−39−8)に対するAgNWの比5.24:1を有するイソプロピルアルコール(IPA)に0.55重量%のAgNW流体を生じた。AgNW被覆は約5インチの幅であった。流体を、#6マイヤロッド(約55mg/m2のAgNW)を用いてPET膜上に被覆した。被覆を、出口空気温度が177Cに設定された携帯型対流乾燥機で約30秒間乾燥した。AgNWを、3インチ角のブロックパターンを有する355メッシュポリエステルスクリーンを用いて、カーボンナノチューブインク(キャズム テクノロジーズ インク製のVC101単層CNTインク)で刷り重ねた。インクを、約0.3g/リットルのCNT濃度に改質し、ナフィオン/CNTの比50:1でナフィオン(アルドリッチ510211)を含むように改質した。印刷されたCNT層を、出口空気温度177Cに設定された携帯型対流乾燥機で約15秒間乾燥した。次いで、被覆構造を、標準実験室対流オーブン内に105Cで10分間置いた。試料を周囲温度(約25C)まで冷却させた。試料を、単一パス払拭としてDI水で湿らせた柔らかいフェルト布で拭いた。最小圧力が膜を拭くのに用いられた。膜を、出口空気温度177Cに設定された携帯型対流乾燥機で約30秒間乾燥してすべての水を除去した。AgNW被覆の後、%VLT(可視光透過性)は約99%(基板VLTを差し引く)であり、期待されるヘイズ値は約0.7%(目視比較)であり、約100〜150Ω/□のシート抵抗を有した。PET基板上にだけある印刷されたCNT層は、約99〜100%(基板VLTを差し引く)の%VLT(可視光透過性)を有し、約50,000Ω/□のシート抵抗を有した。CNT印刷および湿式払拭が完了した後、完全構造は、約99%(基板のVLTを差し引く)の%VLT(可視光透過性)を有し、約75Ω/□のシート抵抗を有した。3M 510テープを用いた接着性試験は不合格であった。
【0048】
実施例12
ポリカーボネート(PC)膜、マクロフォル DE−1−1HC(175μm)を基板として用いた。5重量%のナフィオン流体を、#6マイヤロッドを用いて基板表面に被覆した。被覆を、出口空気温度が177Cに設定された携帯型対流乾燥機で約30秒間乾燥した。次いで、被覆構造を、標準実験室対流オーブン内に105Cで10分間置いた。試料を周囲温度(約25C)まで冷却させた。3M 510テープを用いた接着性試験は不合格であった。
【0049】
実施例13
ポリカーボネート(PC)膜、マクロフォル DE−1−1HC(175μm)を基板として用いた。5重量%のPSS(ポリ(スチレン−ran−エチレン)、スルホン化(アルドリッチ659401)流体を、#6マイヤロッドを用いて基板表面に被覆した。被覆を、出口空気温度が177Cに設定された携帯型対流乾燥機で約30秒間乾燥した。次いで、被覆構造を、標準実験室対流オーブン内に105Cで10分間置いた。試料を周囲温度(約25C)まで冷却させた。3M 510テープを用いた接着性試験に合格した。
【0050】
実施例14
ポリカーボネート(PC)膜、マクロフォル DE−1−1HC(175μm)を基板として用いた。銀ナノワイヤ(AgNW)(直径約20nm、長さ20μm)分散液が調製されて、バインダ(ポリビニルピロリドン(PVP):MW40,000、シグマアルドリッチ、CAS9003−39−8)に対するAgNWの比5.24:1を有するイソプロピルアルコール(IPA)に0.55重量%のAgNW流体を生じた。AgNW被覆は約5インチの幅であった。流体を、#6マイヤロッド(約55mg/m2のAgNW)を用いてPET膜上に被覆した。被覆を、出口空気温度が177Cに設定された携帯型対流乾燥機で約30秒間乾燥した。AgNWを、3インチ角のブロックパターンを有する355メッシュポリエステルスクリーンを用いて、カーボンナノチューブインク(キャズム テクノロジーズ インク製のVC101単層CNTインク)で刷り重ねた。インクを、約0.3g/リットルのCNT濃度に改質し、PSS/CNTの比50:1でPSS(ポリ(スチレン−ran−エチレン)、スルホン化(アルドリッチ659401)を含むように改質した。印刷されたCNT層を、出口空気温度177Cに設定された携帯型対流乾燥機で約15秒間乾燥した。次いで、被覆構造を、標準実験室対流オーブン内に105Cで10分間置いた。試料を周囲温度(約25C)まで冷却させた。試料を、単一パス払拭としてDI水で湿らせた柔らかいフェルト布で拭いた。最小圧力が膜を拭くのに用いられた。膜を、出口空気温度177Cに設定された携帯型対流乾燥機で約30秒間乾燥してすべての水を除去した。AgNW被覆の後、%VLT(可視光透過性)は約98〜99%(基板VLTを差し引く)であり、期待されるヘイズ値は約0.7%(目視比較)であり、約100〜150Ω/□のシート抵抗を有した。PET基板上にだけある印刷されたCNT層は、約97〜98%(基板VLTを差し引く)の%VLT(可視光透過性)を有し、約3,000,000Ω/□のシート抵抗を有した。CNT印刷および湿式払拭が完了した後、完全構造は、約96%(基板のVLTを差し引く)の%VLT(可視光透過性)を有し、約75Ω/□のシート抵抗を有した。3M 510テープを用いた接着性試験は不合格であった。
【0051】
実施例15
ポリカーボネート(PC)膜、マクロフォル DE−1−1HC(175μm)を基板として用いた。メチルメタクリレート共重合体(エルバサイト2028)の接着促進結合層を酢酸プロピルに0.25重量%まで調製した。流体を#3マイヤロッド(約0.018g/m2)で被覆した。被覆を、出口空気温度が177Cに設定された携帯型対流乾燥機で約30秒間乾燥した。
【0052】
銀ナノワイヤ(AgNW)(直径約20nm、長さ20μm)分散液が調製されて、バインダ(ポリビニルピロリドン(PVP):MW40,000、シグマアルドリッチ、CAS9003−39−8)に対するAgNWの比5.24:1を有するイソプロピルアルコール(IPA)に0.55重量%のAgNW流体を生じた。AgNW被覆は約5インチの幅であった。流体を、#6マイヤロッド(約55mg/m2のAgNW)を用いてPC/結合層膜上に被覆した。被覆を、出口空気温度が177Cに設定された携帯型対流乾燥機で約30秒間乾燥した。AgNWを、3インチ角のブロックパターンを有する355メッシュポリエステルスクリーンを用いて、カーボンナノチューブインク(キャズム テクノロジーズ インク製のVC101単層CNTインク)で刷り重ねた。インクを、約0.3g/リットルのCNT濃度に改質し、ナフィオン(アルドリッチ510211)をナフィオン/CNTの比50:1で含むように改質した。印刷されたCNT層を、出口空気温度177Cに設定された携帯型対流乾燥機で約15秒間乾燥した。次いで、被覆構造を、標準実験室対流オーブン内に105Cで10分間置いた。試料を周囲温度(約25C)まで冷却させた。試料を、単一パス払拭としてDI水で湿らせた柔らかいフェルト布で拭いた。最小圧力が膜を拭くのに用いられた。膜を、出口空気温度177Cに設定された携帯型対流乾燥機で約30秒間乾燥してすべての水を除去した。AgNW被覆の後、%VLT(可視光透過性)は約98〜99%(基板VLTを差し引く)であり、期待されるヘイズ値は約0.7%(目視比較)であり、約100〜150Ω/□のシート抵抗を有した。PET基板上にだけある印刷されたCNT層は、約99〜100%(基板VLTを差し引く)の%VLT(可視光透過性)を有し、約50,000Ω/□のシート抵抗を有した。CNT印刷および湿式払拭が完了した後、完全構造は、約99%(基板のVLTを差し引く)の%VLT(可視光透過性)を有し、約75Ω/□のシート抵抗を有した。3M 510テープを用いた接着性試験に合格した。
【0053】
実施例16
実施例2に記載されたようなTCFを、異なる環境条件で保持して、シート抵抗(Rs)の結果の変化を評価した。室温、25C/50%RHで300時間保持された試料は、Rsの変化を示さなかった。「高温/湿潤」条件、65C/85%RHで300時間保持された試料は、たった2%未満のRsの増加しか示さなかった。「高温/乾燥」条件、85C/<20%RHで300時間保持された試料は、200%を上回るRsの増加を示した。この試料がPET膜のシートで被覆されたとき、Rs値は増加しなかった。
【0054】
多数の実施が説明された。それにもかかわらず、ここに記載された発明概念の範囲から逸脱することなく追加の修正が可能であり、したがって、他の実施形態が添付の特許請求の範囲内にあることは理解されるであろう。
図1
図2