特許第6837497号(P6837497)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6837497フォトレジストパターン縮小組成物及びパターン縮小方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6837497
(24)【登録日】2021年2月12日
(45)【発行日】2021年3月3日
(54)【発明の名称】フォトレジストパターン縮小組成物及びパターン縮小方法
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/40 20060101AFI20210222BHJP
   G03F 7/20 20060101ALI20210222BHJP
【FI】
   G03F7/40 511
   G03F7/20 521
【請求項の数】2
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-560953(P2018-560953)
(86)(22)【出願日】2017年6月20日
(65)【公表番号】特表2019-518991(P2019-518991A)
(43)【公表日】2019年7月4日
(86)【国際出願番号】KR2017006461
(87)【国際公開番号】WO2017222275
(87)【国際公開日】20171228
【審査請求日】2018年11月20日
(31)【優先権主張番号】10-2016-0079357
(32)【優先日】2016年6月24日
(33)【優先権主張国】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】516210942
【氏名又は名称】ヨンチャン ケミカル カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】YOUNG CHANG CHEMICAL CO.,LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100083138
【弁理士】
【氏名又は名称】相田 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100189625
【弁理士】
【氏名又は名称】鄭 元基
(74)【代理人】
【識別番号】100196139
【弁理士】
【氏名又は名称】相田 京子
(72)【発明者】
【氏名】イ スンフン
(72)【発明者】
【氏名】イ スンヒョン
(72)【発明者】
【氏名】イ スジン
(72)【発明者】
【氏名】キム ジホン
【審査官】 外川 敬之
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭60−037552(JP,A)
【文献】 特開2008−166475(JP,A)
【文献】 特開2015−079261(JP,A)
【文献】 特開2011−028281(JP,A)
【文献】 特開2011−033841(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 7/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォトレジストパターンを縮小させることが可能な物質20〜80重量%;溶媒20〜80重量%;及び界面活性剤0〜2重量%;から構成されたフォトレジストパターン縮小用組成物であって、
パターンを縮小させることが可能な物質は、炭素数1〜10のケトン系溶剤としてのアセチルカルビトール;炭素数1〜10のエーテル系溶剤としてのエチレングリコール、トリエチレングリコールモノエチルエーテル;炭素数1〜10のエステル系溶剤としての酢酸メチル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート;から選ばれた1種またはこれらの2種以上の混合物よりなる群から選択され、
溶媒は、2−ヘプタノールであり、
界面活性剤は、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルであることを特徴とする、ネガティブトーンフォトレジスト工程に使用されるフォトレジストパターン縮小用組成物。
【請求項2】
請求項1に記載のネガティブトーンフォトレジスト工程に使用されるフォトレジストパターン縮小用組成物を用いてフォトレジストパターン形成工程でパターンを縮小させるために、現像工程後に連続工程によって、パターニングされたウエハー上に
1)組成物を噴射し、
2)一定時間静置し、
3)スピンドライ方式で乾燥させる過程を行ってパターンを縮小させる方法において、静置時間は20〜120秒であることを特徴とする、パターンを縮小させる方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体製造プロセスにおけるフォトレジストを用いたフォトレジストパターンの縮小方法及び組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体デバイスの小型化及び集積化に伴い、微細パターンの実現が要求されており、このような微細パターンを形成する方法としては、露光装備の開発または追加工程の導入を用いたフォトレジストパターンの微細化が効率的である。
【0003】
半導体装置の集積密度を増加させ、より微細なナノメートル範囲の寸法を有する構造の形成を可能にするための方法として、高解像能を有するフォトレジスト及びフォトリソグラフィー工程ツールが開発されているところである。
【0004】
半導体を製造するプロセスにおいて、過去には波長365nmのi−line光源を用いて半導体基板にパターンを形成したが、さらに微細なパターンを形成するにはより小さな波長帯の光源を必要とするようになった。
【0005】
実際に、KrF(248nm)を始めとしてArF(198nm)、EUV(extreme ultra violet−極紫外線、13.5nm)光源を用いたリソグラフィー(lithography)技術が開発され、現在商用化済みまたは商用化中であり、これを用いてさらに微細な波長を実現することができるようになった。現在、スペースを基準に30nm乃至50nmレベルのパターンを形成しており、さらに小型化及び集積化された技術を必要としており、より微細なパターンサイズ(5nmレベル)までのパターン縮小が必要である。
【0006】
フォトレジストパターン形成方法としては、アルカリ現像液を用いてパターンを形成するポジティブトーン現像(PTD)工程と、有機溶剤を用いてパターンを形成するネガティブトーン現像(NTD)工程がある。前記ポジティブトーン現像液を用いたパターン形成方法は、フォトレジスト膜の露光領域をアルカリ現像液で選択的に溶解及び除去してパターンを形成する方法であり、ネガティブトーン現像液を用いたパターン形成方法は、ポジティブトーン現像液を用いたパターン形成方法よりもパターン形成が容易で、露光されない部分を除去するため、より効果的にフォトレジストパターンを形成することができる。
【0007】
前記ポジティブトーン現像またはネガティブトーン現像レジストパターン化技術で形成されるパターンをさらに微細化するために、パターン縮小のための様々な工程が提案されており、その例として、レジストフロー工程及びRELACS(Resolution Enhancement Lithography Assisted by Chemical Shrink)工程などがある。
【0008】
レジストフロー工程とは、露光工程と現像工程を行って露光装備の分解能程度の感光膜パターンを形成した後、感光剤のガラス転移温度以上に熱エネルギーを印加して感光剤が熱流動(thermal flow)されるようにする工程を意味する。この時、既に形成されたパターンは、供給された熱エネルギーによって元のサイズを減少させる方向に熱流動して、最終的に集積工程に要求される微細パターンを得る。このようなレジストフロー工程を導入することにより、露光装備の解像力以下の微細なパターンを形成することができるようになったが、レジストフロー工程では、特定の温度、特にフォトレジスト樹脂のガラス転移温度以上の温度で感光剤の流れが急激に発生してパターンのプロファイル(profile)が歪んだり崩壊したりするおそれがあり、過剰な流動が発生したときにパターンが埋め込まれてしまう現象(over flow)が現れるという問題点などがある。これは、ほとんどの感光剤が熱に非常に敏感に反応して温度調節が間違ってしまうか、或いは流動時間が設定値よりも長くなるときに過剰な熱流動が発生するからである。このような現象は、形成されたコンタクトホール(Contact hole)における上層部、中央部及び下層部に存在する流動可能なポリマーの量が異なるために発生するが、上層部及び下層部では流動可能なポリマーの量が中央よりも相対的に少ないので、同じ熱エネルギーの伝達の際に流動が少なく発生して、流動後に形成されたパターンが歪むのである。かかる問題点を解決するために、従来では、熱を印加するベークオーブン(bake oven)の温度均一性を増加させる方法や、ベークオーブンで維持される時間を正確に調節する方法を採用しているが、オーブン工程の改善程度がオーバーフロー問題を解決できるレベルではなく、また、オーブンを調節するだけでは上記の歪んだパターン模様を改善させることができないなどの問題点は依然として残っている。
【0009】
RELACS工程(参照:L. Peters.“Resists Join Sub− Revolution”、Semiconductor International、1999.9)は、形成しようとする最終的なコンタクトホールパターンサイズよりも大きいサイズのコンタクト開口を有する通常のコンタクトホールフォトレジストパターンを再び形成することにより、微細パターンを形成する。その後、上述のように形成された初期のフォトレジストパターン上に水溶性ポリマーをコーティングする。前記水溶性ポリマーは、前記フォトレジストパターンと反応してその表面に沿って不溶性架橋層を形成する。その後、前記フォトレジストパターンを洗浄して未反応のポリマーを除去し、結果的に、前記架橋層によってフォトレジストパターンの有効サイズが増加してコンタクト開口またはライン/スペース(L/S)パターンにおける空間サイズを減少させる。しかし、上記の工程は、一定のサイズを均一に減らすことができるという利点はあるものの、水溶性ポリマーの不完全な除去により、パターンに斑または膜質などの現像残渣が残っており、このような現像残渣は、後続のエッチング工程で最終素子における欠陥発生の可能性を増加させて歩留まり及び信頼性を低下させるという問題点がある。また、ウエハーを第1溶液で洗浄した後、水で洗浄する2段階の洗浄工程を適用すると、ウエハー上に残っている現像残渣の量を減少させることはできるが、こうする場合、工程が複雑になり、コストがアップするなどの欠点がある。
【0010】
一方、従来の微細パターン形成方法上の問題点を解決するために、さらに新規プロセスの開発についての研究によって、さらに微細なパターンを実現することができる作業が盛んに行われており、フォトレジストパターンの縮小を改善することができる技術の開発が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、半導体製造プロセスにおける、フォトレジストパターンを縮小(Shrink)させることが可能な従来の前記複雑な工程を大幅に減らして製造工程時間を短縮することができるだけでなく、製造コストを削減することもできるパターン縮小が可能な新規の組成物と、この組成物を用いたパターン縮小工程方法を提供することを目的とする。
【0012】
また、本発明は、パターン縮小のサイズを自由に調整することができるパターン縮小組成物と工程方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
そこで、本発明の組成物は、好適な第1実施形態として、フォトレジストパターンを縮小させることが可能な物質1〜100重量%、及び溶媒0〜99重量%を含む、フォトレジストパターンの縮小改善用工程液組成物を提供する。
【0014】
パターン縮小改善用工程液組成物には、界面活性剤0〜2重量%を追加できる。
前記実施形態に係るフォトレジストパターンを縮小させることが可能な物質は、アルコール及びアルコール誘導体、アミド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、炭化水素系溶剤、及びこれらの混合物よりなる群から選択されるものであってもよい。
【0015】
前記実施形態に係る溶媒は、レジストパターンを溶解しなければ特に制限はなく、前述したパターン縮小機能物質とよく混合され、一般的な有機溶剤を含む溶液を使用することができる。1−ペンタノール、2−ペンタノール、1−ヘキサノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、2−ヘキサノール、2−ヘプタノール、2−オクタノール、3−ヘキサノール、3−オクタノール、4−オクタノール、1−ブタノール、2−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、tert−ブチルアルコールなどの1価アルコール、酢酸ブチル、酢酸アミル、エチル−3−エトキシプロピオネート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、ギ酸ブチル、ギ酸プロピル、乳酸エチル、乳酸ブチルなどのエステル系溶剤、及びこれらの混合物よりなる群から選択されるものであってもよい。
【0016】
前記実施形態に係る界面活性剤は非イオン性界面活性剤であってもよい。
【0017】
前記実施形態に係る非イオン性界面活性剤は、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン類、ポリオキシエチレンラウリルエーテル類、ポリオキシエチレンソルビタン類、及びこれらの混合物よりなる群から選択されるものであってもよい。
【0018】
そこで、本発明においてパターンの縮小を改善するための工程方法の好適な実施形態は、フォトレジスト現像工程の後に連続して、上記の条件で製造された組成物を、1)一定量噴射(dispense)し、2)一定時間静置(puddle)させた後、3)スピン(spin)方式で乾燥させる。
【0019】
フォトレジストでパターニングする工程は、一般なポジ型フォトレジストの場合、フォトレジスト液のコーティング、ソフトベーク(soft bake)、露光、露光後のベーク(PEB、post exposure bake)、現像、現像後の水(DI)による洗浄(rinse)段階で行われる。ネガ型フォトレジストは、ポジ型フォトレジストと比較してフォトレジスト液のコーティング、ソフトベーク(soft bake)、露光、露光後のベーク(PEB、post exposure bake)、それぞれの現像液による現像までは同一であるが、ポジ型フォトレジスト工程で最後に水による洗浄(rinse)を行って現像液と現像残渣を除去する段階とは異なり、ネガティブトーンフォトレジスト工程では、水と現像液とが混合できないので、水による洗浄が不可能であって現像液をもう少し使用して水洗段階の代わりにするか、或いは水の代わりに使用可能な有機溶媒タイプのリンス液を残渣の除去に使用している。
【0020】
引用発明(韓国特許公開番号10−2004−0088451)の内容を考察すると、パターン縮小のための方法でRELACS物質を用いてコーティング及びベーク工程を行い、残留RELACS物質を除去して1次微細コンタクトホールを形成し、その上に架橋性有機層を塗布して架橋性有機層を形成した後、前記架橋性有機層から発生する酸と架橋結合を引き起こす材料を塗布して縮小支援膜を形成する段階と、ベーキング工程を行って前記架橋性有機層と前記縮小支援膜との架橋結合による架橋結合層を形成する段階と、前記架橋結合されずに残っている縮小支援膜を除去して最終微細コンタクトホールを形成するのに対し、本発明は、パターン縮小を引き起こす可能性のある縮小物質を用いてコーティング及びベーク工程なしにリンス処理の形でウエハーを静置(puddle)させる段階のみでパターン縮小を改善することを目的としている。
【0021】
上記の方法を適用すると、従来の50nmのパターンを5nm未満まで縮小することが可能であり、噴射(dispense)後にウエハーを固定して静置させる段階で行われるので、ポジティブレジスト及びネガティブレジストと共に使用可能である。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係るフォトレジストパターンの縮小改善工程用組成物、及び該組成物を用いたパターン縮小改善工程は、フォトレジストのパターン形成において実現しようとするパターンを縮小させて、半導体製造プロセスの工程数を大幅に減少させるだけでなく、製造時間及び製造コストの削減効果も期待することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】比較実験例1及び実験例1のフォトレジストパターンを走査電子顕微鏡で観察した写真である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明をより詳細に説明する。
本発明は、フォトレジストのパターニング工程でパターンを縮小させるためのパターン縮小用組成物、及びパターンを縮小させる方法に関する。
【0025】
本発明におけるパターン縮小用組成物は、フォトレジストパターンの縮小が可能な物質1〜100重量%、溶媒0〜99重量%、及び界面活性剤0〜2重量%からなる。
【0026】
本発明におけるパターンを縮小させる方法は、5〜50mL/sの速度で1〜20秒噴射し、5〜120秒未満で静置し、スピンドライ(spin dry)方式で乾燥させる過程で行われる。
【0027】
一般に、半導体製造プロセスにおけるパターン縮小工程では、所定のパターンが形成された半導体基板上に適切なパターン縮小物質(RELACS)を塗布し、ベーキング工程を行ってRELACS層と感光膜との間に架橋結合層を形成し、前記架橋結合層の形成後に、架橋されずに残っているRELACS層を適切な洗浄物質で除去する工程を用いて、パターンの縮小を行うことができる。
【0028】
本発明では、パターン縮小のためにパターン縮小物質を噴射(dispense)し、一定時間静置させる段階を経た後、スピンドライしてパターン縮小を完了する工程液組成物を提示し、これを用いてパターンの縮小を改善しようとする。
【0029】
選択可能なパターン縮小機能のある物質としては、アルコールまたはアルコール誘導体、アミド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系、及び炭化水素系溶剤から選択される1種以上を使用することができる。
【0030】
アルコールまたはアルコール誘導体として、具体的には、メタノール、エタノール、2−ブトキシエタノール、N−プロパノール、2−プロパノール、1−ブトキシ−2−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−2−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、tert−ブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ペンタノール、2−メチル−3−ペンタノール、2,3−ジメチル−3−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノールなどの炭素数1〜5のアルコール及びアルコール誘導体を使用することができる。
【0031】
アミド系溶剤として、具体的には、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどの炭素数1〜10のアミド系溶剤を使用することができる。
【0032】
ケトン系溶剤として、具体的には、1−オクタノン、2−オクタノン、1−ノナノン、2−ノナノン、1−ヘキサノン、2−ヘキサノン、4−ヘプタノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジアセトニルアルコール、アセチルカルビトールなどの炭素数1〜10のケトン系溶剤を使用することができる。
【0033】
エーテル系溶剤として、具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、モノメチルエーテル、メトキシメチルブタノール、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテルなどの炭素数1〜10のエーテル系溶剤を使用することができる。
【0034】
エステル系溶剤として、具体的には、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどの炭素数1〜10のエステル系溶剤を使用することができる。
【0035】
炭化水素系溶剤として、具体的には、ペンタン、ヘキサン、オクタン、デカンなどの炭素数1〜10の炭化水素系溶剤を使用することができる。
【0036】
前記パターン縮小機能のある物質の含有量は1〜100重量%であってもよい。
【0037】
選択可能な溶媒としては、レジストパターンを溶解しなければ特に制限はなく、前述したパターン縮小機能物質とよく混合され、一般な有機溶剤を含む溶液を使用することができる。特に好ましい溶剤としては、1−ペンタノール、2−ペンタノール、1−ヘキサノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、2−ヘキサノール、2−ヘプタノール、2−オクタノール、3−ヘキサノール、3−オクタノール、4−オクタノール、1−ブタノール、2−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、tert−ブチルアルコールなどの1価アルコール溶剤、酢酸ブチル、酢酸アミル、エチル−3−エトキシプロピオネート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、ギ酸ブチル、ギ酸プロピル、乳酸エチル、乳酸ブチルなどのエステル系溶剤などを使用することができる。
【0038】
前記溶媒の含有量は0〜99重量%であってもよい。
【0039】
選択可能な界面活性剤は、具体的に、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン類、ポリオキシエチレンラウリルエーテル類、ポリオキシエチレンソルビタン類などの非イオン性界面活性剤であって、単独或いはこれらの混合物よりなる群から選択されるものを使用することができる。
【0040】
前記界面活性剤は、表面張力を下げて広がり性や浸透力を増大させてパターンを縮小させるのに役立つ。
【0041】
前記界面活性剤の含有量は0〜2重量%であってもよい。
【0042】
前述したようなフォトレジストパターンの縮小改善用組成物を工程に適用するときに、正常パターンに形成したフォトレジストを数ナノレベルに微細に縮小させなければならないので、適切な工程方法と時間設定が不可欠である。パターン縮小の際に、意味のある縮小率は10%以上(50nmのパターンの場合は5nm以上)であるため、工程液の種類によって異なるが、300mmのウエハーを基準にフォトレジストパターンの縮小改善用工程で静置時間(puddle time)を5秒以下にすると、縮小効果が少なくてパターン縮小効果がほとんどなく、静置時間を120秒以上にすると、工程時間が多くかかるうえ、縮小が過多になってむしろパターンのCDUが悪くなるので、5秒以上120秒以下を静置時間として定めることが好ましい。
【0043】
通常のフォトレジストパターニング工程では、ArFに感応するフォトレジストを300mmのシリコンウエハーにスピン(spin)コーター(coater)を用いて1500rpmの速度でスピンコーティングし、120℃で60秒間ホットプレート(hot plate)にて乾燥させた後(SB:Soft bake)、ArFが発生する露光機を用いて露光させた後、120℃で60秒間ホットプレート(hot plate)にて乾燥させ(PEB:Post exposure bake)、現像液で30秒間現像する。
【0044】
本発明では、通常のフォトレジストパターニング工程の後にフォトレジストパターンの縮小改善用工程液を用いて100rpmで15mL/sの速度で10秒間噴射し、しかる後に、20秒間静置し(puddle)、4000rpmの回転数で20秒間ウエハーを回転させることにより、フォトレジストパターン形成を完了した。
【0045】
前記工程は、例示に過ぎず、工程時間を限定するものではない。
【0046】
前述したようなフォトレジストパターンの縮小改善用組成物、及びこれらの組成物を適用した工程方法は、小さなパターン面を適切に縮小させて、後続のエッチングやインプラント工程で高い工程マージンを提供するので、生産歩留まりの増大及び歩留まりの増大による製造コストの削減を期待することができる。
【0047】
以下、本発明の好適な実施例及び比較例を説明する。しかし、下記の実施例は本発明の好適な一実施例に過ぎず、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0048】
実施例1
エタノール20重量%及び2−ヘプタノール80重量%が含まれている、フォトレジストパターン縮小用組成物を次の方法で製造した。
エタノールに2−ヘプタノールを投入して6時間攪拌した後、0.02μmのフィルターに通過させてフォトレジストパターン縮小用組成物を製造した。
【0049】
実施例2〜実施例28
表1−1,1−2に記載されたような組成に応じて、実施例1と同様の方法でフォトレジストパターン縮小用組成物を製造し、表1−1,1−2に示した。
【0050】
比較例
一般に、半導体素子の製造プロセスにおけるネガティブトーン現像工程の最終洗浄液として使用される酢酸ブチルを準備した。
【0051】
実験例1
ArFに感応するフォトレジストを300mmのシリコンウエハーにスピン(spin)コーター(coater)を用いて1500rpmの速度でスピンコーティングし、120℃で60秒間ホットプレート(hot plate)にて乾燥させた後(SB:Soft bake)、ArFが発生する露光機を用いて露光し、しかる後に、120℃で60秒間ホットプレート(hot plate)で乾燥させ(PEB:Post exposure bake)、ネガティブトーン現像液(酢酸ブチル)で30秒間現像(ネガティブトーン現像)する。その後、実施例1で製造されたパターン縮小用組成物を用いて100rpmで15mL/sの速度で10秒間噴射した後、20秒間静置(puddle)し、4000rpmの回転数で20秒間ウエハーを回転させることにより、フォトレジストパターン形成を完了した。この時、形成されたパターンのサイズは50nmである。
【0052】
実験例2〜実験例59
パターン縮小用組成物として、実施例1〜実施例28でそれぞれ製造されたパターン縮小用組成物を用いること、及び実験例1のパターンを縮小させる方法における静置(puddle)時間以外は、実験例1と同様の方法でパターン形成を行った。
【0053】
比較実験例1〜2
工程液として比較例の酢酸ブチルを用いること及び静置時間以外は、実験例1と同様の方法でパターン形成を行った。
【0054】
実験例1〜実験例59及び比較実験例1〜2でパターンが形成されたシリコンウエハーに対し、パターンCD(Critical Dimension)サイズを測定してパターン縮小程度を確認し、その結果を表2−1,2−2に示した。
(1)CD(限界寸法)サイズ
走査電子顕微鏡(FE−SEM、Hitachi)を用いて、パターンのX軸とY軸との差を測定してCD値を確認した。処理の後、本実験では50nmのホールパターンを測定した。
【0055】
【表1-1】
【0056】
【表1-2】
【0057】
【表2-1】
【0058】

【表2-2】
【0059】
前記実施例及び実験例から確認できるように、本発明で提示したアルコールまたはアルコール誘導体、アミド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系または炭化水素系溶剤などのパターンを縮小させることが可能な物質の含有量や工程過程で静置(puddle)時間を調節することにより、パターンのサイズを多様に調節可能であることを確認することができる。
図1