特許第6837544号(P6837544)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6837544打抜き用シートメタルブランクの急速加熱
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6837544
(24)【登録日】2021年2月12日
(45)【発行日】2021年3月3日
(54)【発明の名称】打抜き用シートメタルブランクの急速加熱
(51)【国際特許分類】
   F27D 11/06 20060101AFI20210222BHJP
   B21D 22/20 20060101ALI20210222BHJP
   C22F 1/04 20060101ALI20210222BHJP
   F27D 11/00 20060101ALI20210222BHJP
   H05B 6/02 20060101ALI20210222BHJP
   C22F 1/00 20060101ALN20210222BHJP
【FI】
   F27D11/06 Z
   B21D22/20 H
   C22F1/04
   F27D11/00
   H05B6/02 A
   !C22F1/00 682
   !C22F1/00 691B
   !C22F1/00 683
   !C22F1/00 631A
   !C22F1/00 673
【請求項の数】12
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2019-516458(P2019-516458)
(86)(22)【出願日】2017年9月27日
(65)【公表番号】特表2020-504278(P2020-504278A)
(43)【公表日】2020年2月6日
(86)【国際出願番号】US2017053665
(87)【国際公開番号】WO2018064138
(87)【国際公開日】20180405
【審査請求日】2019年3月26日
(31)【優先権主張番号】62/400,426
(32)【優先日】2016年9月27日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/505,948
(32)【優先日】2017年5月14日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506110243
【氏名又は名称】ノベリス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】NOVELIS INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100088801
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 宗雄
(72)【発明者】
【氏名】フリオ・マルピカ
(72)【発明者】
【氏名】セドリック・ウー
(72)【発明者】
【氏名】ラフル・ヴィラス・クルカルニ
(72)【発明者】
【氏名】ロジャー・ブラウン
(72)【発明者】
【氏名】デュエイン・イー・ベンジンスキー
【審査官】 橋本 憲一郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭64−086474(JP,A)
【文献】 特開平05−082248(JP,A)
【文献】 米国特許第03272956(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0050730(US,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第02233593(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F27D 11/00−13/00
H05B 6/00−6/80
B21D 22/20
C22F 1/00−3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の加熱器において金属基板のブランクを受容することと、
前記ブランクを、所定期間にわたって前記第1の加熱器で加熱することと、
前記所定期間の後、前記ブランクを前記第1の加熱器から取り出すことと、
前記第1の加熱器から取り出した前記ブランクを、第2の加熱器内に配置することと、
前記第2の加熱器で前記ブランクを所定温度に、又はさらに所定期間にわたり加熱することと、
前記第2の加熱器から取り出したブランクを熱間成形プレスに移動させることと、
前記熱間成形プレスによって、前記ブランクを所定の形状に熱間成形することと、を含み、
前記第1の加熱器が磁気回転子を備え、
前記第1の加熱器でブランクを加熱することが、
前記ブランクを、前記第1の加熱器の磁気回転子に隣接して配置することと、
ブランクと接触することなく、磁気回転子を回転させて、前記ブランクにおいて磁場を誘起し、前記ブランクを所定期間にわたって加熱することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記磁気回転子を回転させて、前記ブランクにおいて磁場を誘起し、前記ブランクを前記所定期間にわたって加熱することが、前記ブランクを200℃〜600℃の温度に加熱することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記磁気回転子に隣接するブランクを配置することが、前記磁気回転子の横方向位置を維持しながら、前記磁気回転子に対して、移動装置によって前記ブランクを移動させること、又は前記ブランクの横方向位置を維持しながら、前記ブランクに対して、前記磁気回転子を移動させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記磁気回転子によって誘起される熱量を調整するように前記磁場を調整することをさらに含み、前記磁場を調整することが、前記磁気回転子の回転速度を調整すること、前記磁気回転子の回転方向を調整すること、前記ブランクに対する前記磁気回転子の垂直位置を調整すること、前記ブランクに対する前記磁気回転子の横方向位置を調整すること、または前記ブランクに対する前記磁気回転子の長手方向位置を調整すること、のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記磁気回転子が、上部磁気回転子であり、前記第1の加熱器が、前記上部磁気回転子から垂直方向にオフセットした下部磁気回転子をさらに備え、前記ブランクを前記磁気回転子に隣接して通過させることが、前記ブランクを、前記上部磁気回転子と前記下部磁気回転子との間に画定された間隙を通過させることを含み、前記磁気回転子を回転させることが、前記ブランクを加熱するために、前記上部磁気回転子および前記下部磁気回転子を回転させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記所定期間が、30秒〜20分である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第2の加熱器が、ガス駆動加熱器、赤外線加熱器、ローラ炉、電気炉、または誘導加熱器を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記所定温度が、前記ブランクの固溶化温度であり、前記第2の加熱器によって前記ブランクを加熱することが、前記ブランクの温度プロファイルを制御することをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記ブランクが、アルミニウムまたはアルミニウム合金を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
熱間成形システムであって、
金属基板のブランクを加熱するようになっている第1の加熱器
前記第1の加熱器からの前記ブランクを受容し、該ブランクを加熱するようになっている第2の加熱器、
前記第2の加熱器からの前記ブランクを受容し、該ブランクを成形するようになっている熱間成形プレス、を含み、
前記第1の加熱器が磁気回転子を備え、該磁気回転子に隣接する前記ブランクを受容し、磁気回転子を回転し前記ブランク内に磁場を誘導し前記ブランクと接触することなく前記ブランクを加熱するようになっている、
熱間成形システム。
【請求項11】
前記第2の加熱器が、ガス駆動加熱器、赤外線加熱器、ローラ炉、電気炉、または誘導加熱器を備える、請求項10に記載の熱間成形システム。
【請求項12】
移動装置をさらに備え、
前記移動装置が、前記ブランクを、 第2の加熱器から前記熱間成形プレスに移動させるように構成される、請求項10に記載の熱間成形システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2016年9月27日出願の米国仮特許出願第62/400,426号、発明の名称「ROTATING MAGNET HEAT INDUCTION」、および2017年5月14日出願の米国仮特許出願第62/505,948号、発明の名称「ROTATING MAGNET HEAT INDUCTION」の利益を主張し、これらの開示内容は、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
【0002】
さらに、本出願は、2017年9月27日出願のDavid Anthony Gaensbauerらに対する米国仮特許出願第15/716,692号、発明の名称「MAGNETIC LEVITATION HEATING OF METAL WITH CONTROLLED SURFACE QUALITY」、および2017年9月27日出願のAntoine Jean Willy Pralongらに対する米国仮特許出願第15/716,887号、発明の名称「ROTATING MAGNET HEAT INDUCTION」に関連し、これらの開示内容は、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
【0003】
本出願は金属加工に関し、より具体的には、熱間成形用の金属ブランクを急速加熱するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0004】
多くの用途は、金属製品、例えばアルミニウムまたはアルミニウム合金を利用し得る。一例として、金属製品は、自動車、航空機、および鉄道用途を含む輸送用途に使用され得る。例えば、金属製品は、自動車用構造部品、例えばバンパー、サイドビーム、ルーフビーム、クロスビーム、ピラー補強、インナーパネル、アウターパネル、サイドパネル、インナーフード、アウターフード、またはトランクリッドパネルを作製するために使用され得る。別の例として、金属製品は、電子機器用途に使用され得る。例えば、金属製品を使用して、携帯電話およびタブレットコンピュータを含む電子デバイス用のハウジングを作製することができる。いくつかの例では、金属製品を使用して、携帯電話(例えば、スマートフォン)、タブレットボトムシャーシ、および他のポータブル電子機器の外部ケーシング用のハウジングを作製することができる。
【0005】
特定の形状を有する金属製品を成形するために、様々な形成技術が用いられ得る。1つのそのような形成技術は、熱間成形またはプレス成形である。熱間成形を使用して、アルミニウムまたは高強度鋼のブランク等の様々なブランクを成形することができるが、生産性を増大させ、熱間成形プロセスに関連するコストを低減させるために、短いサイクル時間を有する熱間成形プロセスが所望される可能性がある。
【発明の概要】
【0006】
本特許で使用される「発明(invention)」、「本発明(the invention)」、「本発明(this invention)」、および「本発明(the present invention)」という用語は、本特許の主題のすべておよび以下の特許請求の範囲を広範に指すことが意図される。これらの用語を含む言明は、本明細書に記載された主題を限定するものではなく、または以下の特許請求の範囲の意味もしくは範囲を限定するものではないことが理解されるべきである。本特許によって網羅される本発明の実施形態は、本概要ではなく、以下の特許請求の範囲によって定義される。本概要は、本発明の様々な実施形態の上位の概観であり、以下の詳細な説明のセクションでさらに説明される概念のいくつかを紹介するものである。本概要は、特許請求された主題の重要な、または本質的な特徴を特定することを意図するものではなく、特許請求された主題の範囲を決定するために単独で使用されることも意図していない。主題は、本特許の明細書全体の適切な部分、いずれかのまたはすべての図面、および各請求項を参照することによって理解されるべきである。
【0007】
いくつかの例によれば、熱間成形システムは、磁気回転子を有する加熱器を備える。様々な例では、加熱器は、磁気回転子に隣接する金属基板のブランクを受容し、磁気回転子を回転させてブランク内に磁場を誘起し、ブランクを加熱するように構成される。
【0008】
特定の例によれば、方法は、加熱器において金属基板のブランクを受容することと、加熱器の磁気回転子に隣接してブランクを配置することとを含む。いくつかの例では、該方法は、磁気回転子を回転させて、ブランクにおいて磁場を誘起し、ブランクを所定期間にわたって加熱することを含む。
【0009】
特定の例によれば、方法は、加熱器において金属基板のブランクを受容することを含む。特定の例では、加熱器は、磁気回転子を含む。いくつかの例では、該方法は、ブランクを、加熱器の磁気回転子に隣接して配置することを含む。様々な例では、該方法は、磁気回転子を回転させて、ブランクにおいて磁場を誘起し、ブランクを加熱することを含む。いくつかの場合において、該方法は、ブランクが所定温度になったときに、加熱器からブランクを取り出すことを含む。
【0010】
本開示に記載された様々な実施は、付加的なシステム、方法、特徴、および利点を含むことができ、これらは、必ずしも本明細書に明白に開示することができるわけではないが、以下に続く詳細な説明および添付の図面を考察した場合、当業者には明らかであろう。すべてのそのようなシステム、方法、特徴、および利点は、本開示内に含まれ、添付の請求項によって保護されることが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
以下の図面の特徴および構成要素は、本開示の一般的な原則を強調するために図示される。図面全体にわたって、対応する特徴および構成要素は、整合性および明瞭性のために、参照番号を一致させることによって示すことができる。
【0012】
図1】本開示の態様による加熱器を含む熱間成形システムの概略斜視図である。
図2図1のシステムの側面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の例の主題は、本明細書においては、法定要件を満たすために限定的に記載されるが、本記述は、必ずしも特許請求の範囲を限定することは意図されていない。特許請求された主題は、他の方法で具体化されてもよく、異なる要素またはステップを含んでもよく、かつ他の既存または将来の技術と併用されてもよい。本記述は、個々のステップまたは要素の配置の順序が明示的に記載されている場合を除き、様々なステップまたは要素の間の任意の特定の順序または配置を含意するとして解釈されるべきではない。
【0014】
様々な用途、例えば輸送および自動車、電子機器、ならびに他の様々な用途のために、多くの金属加工技術を使用して、材料のブランクまたはストリップを、最終的な所望の形状に形成し得る。高強度鋼およびアルミニウム等の材料のブランクまたはストリップのためのかかる金属加工技術の1つは、熱間成形である。熱間成形の間、ブランク、例えば鋼またはアルミニウムもしくは他の材料のブランクは、熱間成形プレス内部に配置され、ブランクが熱間成形プレスによってプレスされると、ダイ表面がブランクを成形する。しばしば、熱間成形プロセスを容易にするために、ブランクは、プレスの前に加熱される。しかしながら、従来の加熱器は、金属ブランクを十分に加熱するために、より長いサイクル時間を必要とする。例えば、従来の加熱器は、アルミニウムブランクのサイズおよび厚さに依存して、典型的には、アルミニウムブランクを加熱するために約10〜20分を必要とする。この長時間の加熱時間は、結果としてブランクのサイクル時間全体をより長くし、これは、熱間成形プロセスに関連するコストを増加させる。
【0015】
ブランクを熱間成形し、熱間成形のためのブランクを作製するためのシステムおよび方法が開示される。いくつかの例では、システムおよび方法は、熱間成形の前にブランクを予熱するために、磁気加熱を使用することを含む。本開示の態様および特徴は、様々な好適な金属ブランクと併用され得、アルミニウムまたはアルミニウム合金の金属ブランクとの併用が特に有用であり得る。具体的には、金属ブランクが2xxxシリーズ、3xxxシリーズ、4xxxシリーズ、5xxxシリーズ、6xxxシリーズ、7xxxシリーズ、または8xxxシリーズのアルミニウム合金等の合金であるときに、望ましい結果を達成することができる。アルミニウムおよびその合金の命名および識別に最も一般的に使用される番号指定システムの理解に関しては、ともにThe Aluminum Associationにより出版されている、「International Alloy Designations and Chemical Composition Limits for Wrought Aluminum and Wrought Aluminum Alloys」または「Registration Record of Aluminum Association Alloy Designations and Chemical Compositions Limits for Aluminum Alloys in the Form of Castings and Ingot」を参照されたい。
【0016】
本出願では、合金の調質または状態について言及する。最も一般的に使用される合金調質の説明の理解に関しては、「American National Standards(ANSI) H35 on Alloy and Temper Designation Systems」を参照されたい。F状態または調質は、製造されたアルミニウム合金を指す。O状態または調質は、アニーリング後のアルミニウム合金を指す。T4状態または調質は、固溶化熱処理(すなわち、固溶化)と、それに続く自然時効との後のアルミニウム合金を指す。T6状態または調質は、固溶化熱処理、それに続く人工時効の後のアルミニウム合金を意味する。T7状態または焼き戻しは、固溶化熱処理後、およびそれに続く過時効または安定化との後のアルミニウム合金を指す。T8状態または焼き戻しは、固溶化熱処理と、それに続く冷間加工と、その後の人工時効との後のアルミニウム合金を指す。T9状態または焼き戻しは、固溶化熱処理と、それに続く人工時効と、その後の冷間加工との後のアルミニウム合金を指す。H1状態または調質は、歪み硬化後のアルミニウム合金を指す。H2状態または調質は、歪み硬化と、それに続く部分的アニーリングと後のアルミニウム合金を指す。H3状態または調質は、歪み硬化および安定化後のアルミニウム合金を指す。HX条件または調質に続く2桁目(例えば、H1X)は、最終的な歪み硬化の度合いを示す。
【0017】
本開示の態様および特徴は、ブランクを通して移動するかまたは経時変化する磁場を誘起するように、ブランクの上方および/または下方に配置された1つ以上の磁気回転子を含む加熱器を有する熱間成形システムおよび方法を含む。変化する磁場は、ブランク内部に電流(例えば、渦電流)を発生させ、それによってブランクを加熱することができる。
【0018】
いくつかの場合において、本明細書に開示される磁気回転子は、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム系材料、チタン、チタン系材料、銅、銅系材料、スチール、スチール系材料、ブロンズ、ブロンズ系材料、真鍮、真鍮系材料、複合材料、複合材料に使用されるシート、または他の好適な金属、非金属、または材料の組み合わせを含む、非鉄材料とともに使用されてもよい。この物品は、モノリシック材料に加えて、非モノリシック材料、例えばロールボンド材料、クラッド材料、複合材料(例えば、炭素繊維含有材料であるが、これに限定されない)、または他の様々な材料を含み得る。非限定的な一例では、磁気回転子を使用して、アルミニウム金属ストリップ、スラブ、ブランク、または鉄を含有するアルミニウム合金を含むアルミニウム合金から製造された他の物品などの金属物品を加熱することができる。
【0019】
各磁気回転子は、1つ以上の永久磁石または電磁石を含む。いくつかの例では、ブランクのパスラインの両側に、一対の整合磁気回転子を配置することができる。他の例では、パスラインの上方または下方に、1つ以上の磁気回転子が配置されている。磁気回転子は、順方向または逆方向に回転可能であり、電気モータ、空気圧モータ、別の磁気回転子、または他の様々な好適な機構を含むが、これらに限定されない、様々な好適な方法によって回転させ得る。磁気回転子の方向および回転速度は、必要に応じて調整および制御され得る。いくつかの例では、磁気回転子は、パスラインから所定の距離に配置される。一定の場合において、磁気回転子とパスラインとの間の距離は、必要に応じて調整および制御され得る。
【0020】
熱間成形処理のための精密な加熱制御は、加熱器を使用するときに達成することができる。そのような精密な制御は、回転子内の磁石の強度、回転子内の磁石の数、回転子内の磁石の配向、回転子内の磁石のサイズ、回転子の速度、順方向または逆方向への回転方向、回転子のサイズ、単一の回転子セットにおける垂直にオフセットされた回転子間の垂直方向の間隙、単一の回転子セットにおける回転子の横方向オフセット配置、隣接する回転子セット間の長手方向の間隙、加熱されているブランクの厚さ、回転子とブランクとの間の距離、加熱されているブランクの前進速度、および使用される回転子セットの数を含む、様々な要因の操作を通して達成することができる。他の要因も同様に制御することができる。いくつかの場合において、加熱器は、高速応答加熱器であるが、これは、金属ブランクを急速に加熱するために加熱器内部にあるか、または加熱するのを停止するかに依存して、磁石の回転が停止および開始され得るためである。いくつかの場合において、とりわけ、前述の要因のうちの1つ以上の制御は、コンピュータモデル、オペレータフィードバック、または自動フィードバックに基づく(例えば、リアルタイムセンサからの信号に基づく)ことができる。
【0021】
本明細書では、「上方(above)」、「下方(below)」、「垂直(vertical)」、および「水平(horizontal)」という用語は、あたかも金属ストリップまたはブランクが、その上面および底面が地面とほぼ平行である状態で水平方向に移動しているかのように、金属ストリップまたはブランクに対する相対的な配向を説明するために使用される。本明細書で使用される「垂直」という用語は、金属ストリップまたはブランクの配向に関わらず、金属ストリップまたはブランクの表面(例えば、上面または底面)に対して直角の方向を指すことができる。本明細書で使用される用語「水平」は、金属ストリップまたはブランクの配向に関わらず、金属ストリップまたはブランクの表面(例えば上面または底面)に平行な方向、例えば移動する金属ストリップまたはブランクの進行方向に平行な方向を指すことができる。用語「上方」および「下方」は、金属ストリップまたはブランクの配向に関わらず、金属ストリップの上面または底面を超えた場所を指すことができる。
【0022】
ブランク102のための熱間成形システム100の一例が、図1および図2に概略的に示されている。システム100は、熱間成形システムとして説明されているが、当然ながら、システム100は、成形温度が熱間成形システムほど高くない温間成形システムであってもよい。
【0023】
図1および図2に図示されるように、熱間成形システム100は、加熱器104と、熱間成形プレス106とを含む。いくつかの例では、熱間成形システム100は、ブランク移動装置108を含む。加熱器104は、地面に対して様々な方向、例えば垂直に、斜めに、または水平に配向されてもよく、図1および図2に示される配向に限定されない。例えば、加熱器104は、垂直に(また、ブランク102は加熱器104を垂直に通過する)、斜めに(また、ブランク102は地面に対して一定の角度で加熱器104を通過する)、水平に、または様々な他の配向もしくは配向の組み合わせに配向されてもよい。
【0024】
いくつかの例では、熱間成形システム100は、任意に、第2の加熱器110をさらに備える。熱間成形プロセスの間、ブランク102は、加熱器104によって加熱され、任意に第2の加熱器110によって加熱され、ブランク移動装置108によって熱間成形プレス106に移動され、熱間成形プレス106を用いて所定の形状に成形される。
【0025】
図1および図2に図示されるように、加熱器104は、少なくとも1つの磁気回転子112を含み、特定の例では、加熱器104は複数の磁気回転子112を含む。例えば、加熱器104は、1つの磁気回転子112、2つの磁気回転子112、3つの磁気回転子112、4つの磁気回転子112、5つの磁気回転子112、6つの磁気回転子112、または6つより多くの磁気回転子112を含み得る。このように、磁気回転子112の数は本開示を限定すると見なされるべきではない。図1および図2に示す非限定的な例では、加熱器104は2つの磁気回転子112を含む。
【0026】
各磁気回転子112は、1つ以上の永久磁石または電磁石を含む。磁気回転子112は、順方向(図2の時計方向)または逆方向(図2の反時計方向)に回転可能である(図2の矢印122参照)。様々な例では、磁気回転子112は、電気モータ、空気圧モータ、他の磁気回転子、または様々な他の好適な機構を含むがこれらに限定されない様々な好適な方法を通して回転させ得る。
【0027】
磁気回転子112は、処理中に磁気回転子112がブランク102と非接触構成になるように、ブランク102のパスラインから離間して間隔を置かれている。様々な例では、磁気回転子112は、垂直方向に調整可能であり、それによって、特定の磁気回転子112とブランク102(またはブランク102のパスライン)との間の距離が調整および制御され得る。
【0028】
いくつかの例では、磁気回転子112は、パスラインの上方に配置された上部磁気回転子112Aと、パスラインの下方に配置された下部磁気回転子112Aとを有するセットとして設けられる。他の例では、加熱器104は、下部磁気回転子112Bのみ、上部磁気回転子112Aのみ、または上部磁気回転子112Aと下部磁気回転子112Bとの様々な組み合わせを含む。いくつかの例では、少なくとも1つの上部磁気回転子112Aは、対応する下部磁気回転子112Bと水平方向に整列しているが、そうである必要はない。特定の例では、上部磁気回転子112Aは、対応する下部磁気回転子112Bから垂直方向にオフセットされ、それによって、間隙128(図2)が、磁気回転子112A〜B間に画定されるようにされる。図1および図2に図示されるように、ブランク102は、処理中に間隙128を通過する。他の場合において、上部磁気回転子112Aは、下部磁気回転子112Bに対して水平方向にオフセットされ得る。
【0029】
様々な例では、上部磁気回転子112Aおよび下部磁気回転子112Bは、垂直方向に調整可能であり、それによって、上部磁気回転子112Aから下部磁気回転子112Bまでの距離である間隙128のサイズを調整および制御し得るようにされる(図2の矢印126を参照)。様々な例では、間隙128は、油圧ピストン、スクリュー駆動装置、または他の好適な例を含むがこれらに限定されない様々なアクチュエータを通して制御され得る。特定の例では、間隙128は、最小間隙サイズと最大間隙サイズとの間で変動し得る。いくつかの場合において、磁場の強度、したがってブランク102に与えられる熱の量は、磁気回転子112A〜Bとブランク102との間の距離を変化させることによって制御され得る。様々な例では、上部磁気回転子112Aは、下部磁気回転子112Bから独立して、またはそれとともに垂直方向に調整可能であり得る。上述のように、磁場の強度、およびひいてはブランク102に与えられる熱量は、他の方法または追加の方法で調整することができる。
【0030】
特定の例では、磁気回転子112A〜Bは、横方向に調整され得る(図1の矢印120参照)。横方向の動きは、特定の回転子112A〜Bによってカバーされるブランク102の表面の割合、およびひいてはブランク102に与えられる熱の量および位置を制御することができる。特定の例では、磁気回転子112A〜Bは、ブランク102における温度プロファイルを制御するように、横方向に調整され得る。例えば、いくつかの場合において、ブランク102の縁部は、ブランク102の非縁部よりも急速に加熱され得、磁気回転子112A〜Bは、横方向に調整され得、それによって、ブランク102内の温度変動を低減させるようにする。様々な例では、磁気回転子112A〜Bは、隣接する磁気回転子112のセット間の間隙を制御し(図2の矢印124を参照)、および/またはブランク102に対する磁気回転子112の長手方向位置を制御するように、長手方向に調整可能である。
【0031】
いくつかの例では、上部磁気回転子112Aおよび下部磁気回転子112Bは、同じ方向に回転するが、そうである必要はない。例えば、いくつかの場合において、上部磁気回転子112Aおよび下部磁気回転子112Bは、反対方向に回転し得る。様々な例では、一組の磁気回転子の磁気回転子112A〜Bは、別の組の磁気回転子の対応する磁気回転子112A〜Bと同じ方向または異なる方向に回転し得る。磁気回転子112A〜Bは、様々な回転速度、例えば約100rpm〜約5000rpmで回転し得る。非限定的な一例では、磁気回転子112A〜Bは、毎分約1800回転で回転するが、他の様々な回転速度を利用してもよい。磁気回転子112A〜Bが回転すると、磁石は、ブランク102内に磁場を誘起し、それによって、ブランク102が加熱される。様々な例では、加熱器104は、磁気回転子112の回転を通して、ブランク102を加熱するように構成される。
【0032】
複数の磁気回転子112A〜Bを有する特定の例では、磁気回転子112A〜Bは、各磁気回転子112A〜Bによって与えられるブランク102の温度上昇量が制限されるように任意に制御されてもよい。いくつかの例では、ブランク102を加熱することに加えて、磁気回転子112A〜Bを回転させることによって、磁気回転子112A〜Bに接触することなく、ブランク102が磁気回転子112の上を、および/またはそれらの間を通過することができる垂直の安定化をさらに提供し得る(例えば、磁気回転子112A〜Bがブランク102を浮上または浮揚させる)。例えば、いくつかの場合において、磁気回転子112A〜Bは、ブランク102の表面に対して直角方向または実質的に直角方向の力を与え、ブランク102を浮揚させ、回転子112A〜Bとブランク102との間の接触を最小限にし、および/または排除する。
【0033】
他の場合において、ブランク102は、加熱器104の支持体118によって支持され得る。支持体118は、プラットフォーム、ブラケット、コンベヤ、または他の様々な好適な支持構造であってもよい。いくつかの場合において、支持体118は、加熱器104、第2の加熱器110、または加熱器104および110の両方に対してブランク102を横方向に配置するように構成される。特定の場合において、支持体118は、加熱器104を通して、かつ任意に第2の加熱器110を通して、ブランク102を前進させ得るが、そうである必要はない。
【0034】
様々な例では、加熱器104は、ブランク102を所定期間にわたって加熱するように構成されている。様々な例では、所定期間は、加熱時間および浸漬時間を含むことができるが、そうである必要はない。いくつかの非限定的な例では、加熱器104は、ブランク102を約30秒〜20分間加熱する。非限定的な一例では、所定期間は、約30秒〜約6分である。他の例では、所定期間は、20分を超えてもよい。加熱器104が装置全体である(例えば、第2の加熱器110が省略される)非限定的な一例では、所定期間は、加熱時間および浸漬時間を含み得る。他の例では、第2の加熱器110が含まれる場合、所定期間は、ブランク102が加熱器104および第2の加熱器110の両方によって加熱される時間を含み得るが、そうである必要はない。
【0035】
様々な例では、加熱器104は、ブランク102を所定温度まで加熱する。いくつかの非限定的な例では、所定温度は、ブランク102の固溶化温度であるが、そうである必要はない。例えば、他の非限定的な場合において、所定温度は加温温度または他の様々な温度であり得る。他の例では、所定温度は、ブランクの固溶化温度を下回る。特定の非限定的な例では、加熱器104は、ブランク102を約200℃〜約600℃の温度まで加熱する。他の例では、加熱器104は、特定の用途に依存して、200℃を下回るか、または600℃を上回る温度まで、ブランク102を加熱し得る。非限定的な一例として、加熱器104は、7xxxシリーズアルミニウム合金ブランク102を、約400℃〜約500℃の温度まで加熱し得る。別の非限定的な例として、加熱器104は、6xxxシリーズアルミニウム合金ブランクを、約400℃〜約600℃の温度まで加熱し得る。さらなる非限定的な例として、加熱器104は、様々な調質を有する金属ブランクまたはシートの温間成形のために提供されてもよい。非限定的な一例として、加熱器104は、シートの特定の合金に依存して、T6シートを約200℃または300℃の温度まで加熱し得る。
【0036】
様々な例では、ブランク102は、複数回、加熱器104を通過(または、加熱器104の磁気回転子112A〜Bの各セットを通過)させることができる。様々な例では、ブランク102は、加熱器104(または、加熱器104の磁気回転子112A〜Bの各セット)を奇数回通過させることができる。例えば、ブランク102は、加熱器104を1回通過するか、加熱器104を3回通過するか、加熱器104を5回通過するか、加熱器104を7回通過するか、または加熱器104を7回を超えて通過することができる。特定の例では、2組以上の磁気回転子112A〜Bを様々な好適な構成で配置することができる。それによって、ブランク102が加熱器104を1回(または、任意の所望の回数)通過するようにされる。他の例では、ブランク102は、磁気回転子112A〜Bの構成および配置に依存して、加熱器104(または加熱器104の磁気回転子112A〜Bの各セット)を偶数回通過させることができる。
【0037】
いくつかの任意の場合において、熱間成形システム100は、第2の加熱器110を含む。様々な例では、第2の加熱器110は、ブランク102が最初に加熱器104によって加熱され、次いで第2の加熱器110によって加熱されるように配置される。そのような例では、第2の加熱器110は、任意に、ブランク温度、例えばブランク固溶化温度を均一化するために使用され得る。他の例では、加熱器104および第2の加熱器110の順序は、逆であってもよい。第2の加熱器110は、ブランク受容領域114を含む。いくつかの場合において、ブランクがブランク受容領域114にあるとき、支持体118は、ブランク102を支持し得る。他の例では、支持体118とは異なる支持体が、ブランク102を支持してもよい。いくつかの例では、第2の加熱器110は、ガス駆動加熱器(直接火炎衝突等の直接または間接)、ローラ炉、誘導加熱器、赤外線加熱器、電気炉、または他の様々な好適なタイプの加熱器であってもよい。他の様々な例では、第2の加熱器110は、加熱器104と同様であってもよく、1つ以上の磁気回転子112を含んでもよい。非限定的な一例として、第2の加熱器110は、磁気回転子112を含むローラ炉であってもよく、これは、ローラ炉の長さを著しく短縮し得る。様々な例では、第2の加熱器110は、ブランク102を所定期間にわたって加熱し得る。前述のように、いくつかの場合において、所定期間は、ブランク102が加熱器104および第2の加熱器110の両方によって加熱される時間を含むが、そうである必要はない。特定の例では、第2の加熱器110は、ブランク102を約30秒〜約20分の時間にわたって加熱し売る。
【0038】
特定の例では、第2の加熱器110に加熱器104を設けることによって、ブランク102内の温度プロファイルを制御することができる。例えば、いくつかの場合において、加熱器104は、固溶化温度を下回る第1の温度までブランク102を加熱し得、第2の加熱器110は、第1の温度から固溶化温度までブランク102を加熱し得る。いくつかの例では、加熱器104は、第1の期間にわたってブランク102を加熱し得、第2の加熱器110は、第2の期間にわたってブランクを加熱し得る。いくつかの例では、加熱器104がブランク102を加熱する時間量は、ブランク102のサイズおよび/または厚さ、磁気回転子112の数、加熱器104を通過するブランク102の通過数、磁気回転子112の回転速度、磁気回転子112の回転方向、磁気回転子112からブランク102までの距離を含むがこれらに限定されない様々な要因、または他の様々な要因に依存し得る。特定の例では、加熱器104は、著しい歪みがブランク102に導入されないようにブランク102を加熱する。非限定的な一例として、加熱器104は、ブランク102を約1秒〜約30秒の期間にわたって加熱し得る。他の例では、加熱器104は、30秒を上回って、ブランク102を加熱し得る。
【0039】
他の例では、ブランク102の温度プロファイルを制御するために、第2の加熱器110を設けてもよい。非限定的な一例として、いくつかの場合において、加熱器104によってブランク102を加熱することにより、ブランク102に様々な温度プロファイルを持たせ得る。例えば、いくつかの非限定的な場合において、ブランク102の縁部は、ブランク102の非縁部の温度を上回る温度を有し得る。いくつかの場合において、第2の加熱器110は、加熱器104の後にブランク102を加熱して、ブランク102の温度プロファイルを制御し得る。非限定的な一例として、第2の加熱器110は、ブランク102が均一な温度プロファイルを有するようにブランク102を加熱することができる。
【0040】
ブランク移動装置108は、ブランク102を熱間成形システム100の様々な構成要素間で移動させるように、様々な場所に設けられ得る。例えば、いくつかの場合において、ブランク移動装置108を、第2の加熱器110と熱間成形プレス106との間に設け、ブランク102を第2の加熱器110と熱間成形プレス106との間で移動させる。同様に、ブランク移動装置108(または別のブランク移動装置108)を、加熱器104と第2の加熱器110との間に設け、ブランク102を加熱器104から第2の加熱器110で移動させてもよい。
【0041】
ブランク移動装置108は、ブランク102を支持するための支持部130を含む。様々な構成要素において、ブランク移動装置108は、ブランク102を熱間成形システム100の様々な構成要素間で移動させるための様々な好適な機構またはデバイスであり得る。非限定的な一例として、ブランク移動装置108は、ブランク102を支持および移動させるロボットアームを含み得る。他の例では、他のタイプのブランク移動装置108を利用し得る。したがって、ブランク移動装置108の数および種類は、本開示を限定すると見なされるべきではない。
【0042】
熱間成形プレス106は、ダイ116およびツール117を含む。ダイ116は、ブランク102が熱間成形プレス106内部に配置されると、ツール117がダイ116に向かって移動し、ブランク102をダイ116によって画定される形状に成形するような、所定の形状を有する。いくつかの例では、熱間成形プレス106は、ブランク102を所定のプレス速度で熱間成形し得る。いくつかの非限定的な例では、所定のプレス速度は、約100mm/秒〜約400mm/秒であり得るが、他の様々なプレス速度を利用してもよい。様々な例では、熱間成形プレス106は、油圧プレス、機械プレス、サーボ制御プレス、または他の様々な好適なタイプのプレスであってもよい。いくつかの例では、ダイ116は、水冷式ダイである。いくつかの場合において、ダイ116は、温式ダイであることができ、および/または制御可能な温度プロファイルを有することができる。非限定的な一例として、鋼の成形中等のいくつかの場合において、ダイ116は、ダイ116のいくつかのゾーンで加熱され、ブランク102がダイ116によって画定される形状に形成されると、異なる部品の場所で異なる最終特性を達成するために、ダイ116の他のゾーンで冷却され得る。前述のように、いくつかの例では、システム100は、温間成形システムであってもよい。そのような場合において、プレス106は、温間成形プレスであり、成形温度は熱間成形プレスほど高くない。いくつかの場合において、システム100は、ダイ116を有する熱間成形プレス106に加えて、またはその代わりに、高温でのブロー成形を含み得る。ブロー成形の間、予熱されたブランク102は、ツールに導入され、その後様々な圧力の高温ガスによって変形される。
【0043】
特定の例では、熱間成形システム100は、加熱器104に対して様々な位置に様々なセンサまたはモニタ131を含む。これらのセンサ131は、ブランク102の位置、ブランク102の移動、ブランク102の温度、ブランク102にわたる温度分布、および/またはブランク102が処理されるときのブランク102に関する様々な他の情報を検出および監視し得る。いくつかの例では、センサによって収集された情報は、磁気回転子112A〜Bを調整するためにコントローラによって使用され(例えば、回転速度、回転方向、ブランク102からの距離等)、それによってブランク102の加熱を制御する。いくつかの例では、コントローラは、加熱器104を通るブランク102の通過数を調整し得る。
【0044】
一例として、加熱器104は、ブランク102の過熱を低減または防止するために、および/または磁気回転子112A〜Bの始動および動作停止を制御するように制御され得る。例えば、磁気回転子112A〜Bは、ブランク102が加熱器104内にない場合、ブランク102が所定期間にわたって加熱された後、ブランク102が所定温度まで加熱された後、または他の様々な要因で動作停止され得る(すなわち、回転を停止し得る)。同様に、磁気回転子112A〜Bは、ブランクが加熱器104に近接しているか、ブランク102の温度が所定温度を下回っているか、ブランク102が所定期間を下回る期間にわたって加熱されているか、または他の様々な要因に基づいて、再び回転を開始し得るかまたは回転し続け得る(およびひいては、ブランク102を再び加熱し始め得る)。よって、磁気回転子112A〜Bを通して、加熱器104は、ブランク102を急速に加熱するか、または加熱を停止し得る。
【0045】
別の例として、加熱器104および/または110は、ブランク102の均一なまたは所望の温度プロファイルを保証するように制御され得る。例えば、センサまたはモニタ131は、ブランク102が加熱器104を出るときにブランク102の温度を検出することができる。検出された温度に基づいて、磁気回転子112は、(例えば、磁気回転子112への電力入力、磁気回転子112A〜Bの速度、ブランク102からの磁気回転子112A〜Bの距離等を調整することによって)制御され得、および/または、第2の加熱器110は、ブランク102の温度および/またはブランク102全体にわたる温度を制御するように制御され得る。
【0046】
さらなる例として、加熱器104は、異なるタイプのブランク102を収容するように制御されてもよい。例えば、ブランク102のタイプおよび/または所望のプロセスもしくは製品要件に依存して、ブランク102は、加熱器104および/または加熱器110によって異なる処理時間、処理温度等で加熱されてもよい。磁気回転子112A〜Bを制御することによって、従来の加熱器よりも迅速に温度を変化させることができる。
【0047】
図1および図2を参照すると、金属ブランク102を熱間成形する方法がさらに開示される。様々な例では、該方法は、加熱器104において金属基板のブランク102を受容することを含む。いくつかの非限定的な例では、ブランク102は、アルミニウムまたはアルミニウム合金を含む。
【0048】
該方法は、ブランク102を加熱器104の磁気回転子112A〜Bに隣接して配置することと、磁気回転子112A〜Bを回転させてブランク102において磁場を誘起し、ブランク102を加熱することとを含む。いくつかの例では、ブランク102は、所定期間にわたって加熱される。例えば、いくつかの非限定的な例では、ブランク102は、約30秒約20分間加熱されるいくつかの例では、所定期間は、他の要因の中でもとりわけ、ブランク102のサイズおよび/または厚さに依存し得る。他の例では、ブランク102は、所定温度まで加熱される。例えば、いくつかの非限定的な場合において、ブランク102は、約200℃〜約600℃の温度まで加熱される。いくつかの例では、所定温度は、ブランク102の固溶化温度である。固溶化温度は、ブランク102の特定の材料組成に依存し得る。非限定的な一例として、加熱器104は、7xxxシリーズアルミニウム合金ブランク102を、約400℃〜約500℃の温度まで加熱し得る。別の非限定的な例として、加熱器104は、6xxxシリーズアルミニウム合金ブランクを、約400℃〜約600℃の温度まで加熱し得る。いくつかの例では、固溶化温度は、他の要因の中でもとりわけ、ブランク102のサイズおよび/または厚さに依存し得る。
【0049】
いくつかの場合において、ブランク102を配置することは、ブランク102を支持体118上に配置することを含む。いくつかの例では、該方法は、磁気回転子112A〜Bの横方向位置を維持しながら、磁気回転子112A〜Bに対して、支持体118によってブランク102を横方向に移動させることを含む。他の例では、ブランク102を配置することは、ブランク102を支持体118上に配置することと、ブランク102の横方向位置を維持しながら、ブランク102に対して、磁気回転子112A〜Bを横方向に移動させることとを含む。
【0050】
いくつかの例では、該方法は、磁場を調整して、磁気回転子112A〜Bによってブランク102において誘起される熱量を調整することを含む。特定の例では、磁場を調整することは、磁気回転子112A〜Bの回転速度を調整すること、磁気回転子112A〜Bの回転方向を調整すること、ブランク102に対する磁気回転子112A〜Bの垂直位置を調整すること、ブランク102に対する磁気回転子112A〜Bの横方向位置を調整すること、および/またはブランク102に対する磁気回転子112A〜Bの長手方向位置を調整することを含む。様々な場合において、該方法は、センサ131等によって、ブランク102の温度を検出することと、検出された温度を所定温度と比較することと、磁気回転子112A〜Bを調整して、検出温度が所定温度と一致するように、ブランク102の加熱を調整することとを含む。様々な例において、ブランク102を配置することは、ブランク102を磁気回転子112A〜Bから所定の距離に配置することを含む。
【0051】
様々な例では、該方法は、任意に、ブランク102を加熱器104から取り外すことと、ブランク102を第2の加熱器110内に配置することと、ブランク102を第2の加熱器110によって加熱することとを含む。様々な例では、ブランク102を第2の加熱器110で加熱することは、ブランク102の温度プロファイルを制御することを含む。特定の例では、ブランク102を第2の加熱器110で加熱することは、ブランク102をブランク102の固溶化温度まで加熱することを含む。いくつかの場合において、ブランク102を加熱器104から取り外し、ブランク102を第2の加熱器110内に配置することは、ブランクを支持体118上で移動させることを含む。いくつかの例では、支持体118は、ブランク102を加熱器104から第2の加熱器110まで移動させるためのコンベヤまたは他の好適な支持体である。
【0052】
いくつかの例では、該方法は、加熱器104(または加熱器110)がブランク102を加熱した後に、加熱器104(または加熱器110)からブランク102を取り外すことを含む。特定の例では、ブランク102は、所定期間後および/またはブランク102が所定温度になった後、取り外される。いくつかの例では、該方法は、ブランク移動装置108を使用して、ブランク102を加熱器104から熱間成形プレス106に移動させることを含む。いくつかの場合において、該方法は、熱間成形プレス106によってブランク102を熱間成形することを含む。特定の場合において、ブランク102を熱間成形することは、ブランク102を熱間成形プレス106のダイ116上に配置することと、ダイ116がブランク102を成形するように熱間成形プレス106によってブランク102をプレスすることとを含む。
【0053】
本明細書に記載の概念に従って、多種多様な実施形態のタイプのさらなる説明を提供する、「EC」(例の組み合わせ)として明示的に列挙された少なくともいくつかのものを含む、例示的実施形態の集合が、以下に提供される。これらの例は、相互に排他的、包括的、または限定的であることは意図されておらず、本発明は、これらの例示の実施形態に限定されず、むしろ、発行された特許請求の範囲およびそれらの等価物の範囲内のすべての可能な修正および変形を包含する。
【0054】
EC1.方法であって、加熱器において金属基板のブランクを受容することであって、加熱器が、磁気回転子を備える、受容することと、ブランクを、加熱器の磁気回転子に隣接して配置することと、磁気回転子を回転させて、ブランクにおいて磁場を誘起し、ブランクを所定期間にわたって加熱することと、を含む、方法。
【0055】
EC2.磁気を回転させて、ブランクにおいて磁場を誘起し、ブランクを所定期間にわたって加熱することが、ブランクを所定温度に加熱することを含み、所定温度が、ブランクの固溶化温度である、先述または後述の例の組み合わせのいずれかに記載の方法。
【0056】
EC3.所定温度が、約200℃〜約600℃である、先述または後述の例の組み合わせのいずれかに記載の方法。
【0057】
EC4.所定期間の後に、加熱器からブランクを取り出すことをさらに含む、先述または後述の例の組み合わせのいずれかに記載の方法。
【0058】
EC5.ブランクを取り出すことが、移動装置を使用して、ブランクを加熱器から熱間成形プレスに取り出すことを含む、先述または後述の例の組み合わせのいずれかに記載の方法。
【0059】
EC6.熱間成形プレスによって、ブランクを所定の形状に熱間成形することをさらに含む、先述または後述の例の組み合わせのいずれかに記載の方法。
【0060】
EC7.熱間成形プレスが、水冷式ダイを備える、先述または後述の例の組み合わせのいずれかに記載の方法。
【0061】
EC8.ブランクを配置することが、磁気回転子の横方向位置を維持しながら、磁気回転子に対して、移動装置によってブランクを移動させることを含む、先述または後述の例の組み合わせのいずれかに記載の方法。
【0062】
EC9.ブランクを配置することが、ブランクの横方向位置を維持しながら、ブランクに対して、磁気回転子を移動させることを含む、先述または後述の例の組み合わせのいずれかに記載の方法。
【0063】
EC10.磁気回転子によって誘起される熱量を調整するように磁場を調整することをさらに含む、先述または後述の例の組み合わせのいずれかに記載の方法。
【0064】
EC11.磁場を調整することが、磁気回転子の回転速度を調整すること、磁気回転子の回転方向を調整すること、ブランクに対する磁気回転子の垂直位置を調整すること、ブランクに対する磁気回転子の横方向位置を調整すること、またはブランクに対する磁気回転子の長手方向位置を調整すること、のうちの少なくとも1つを含む、先述または後述の例の組み合わせのいずれかに記載の方法。
【0065】
EC12.磁場を調整することが、ブランクの温度を検出することと、ブランクの温度を検出することと、検出された温度を所定温度と比較することと、磁気回転子を調整して、検出された温度が所定温度と一致するように、ブランクの加熱を調整するようにすることと、を含む、先述または後述の例の組み合わせのいずれかに記載の方法。
【0066】
EC13.ブランクを磁気回転子に隣接して配置することが、ブランクを磁気回転子から所定の距離に配置することを含む、先述または後述の例の組み合わせのいずれかに記載の方法。
【0067】
EC14.磁気回転子が、上部磁気回転子であり、加熱器が、上部磁気回転子から垂直方向にオフセットした下部磁気回転子をさらに備え、ブランクを磁気回転子に隣接して通過させることが、ブランクを、磁気回転子と下部磁気回転子との間に画定された間隙を通過させることを含み、磁気回転子を回転させることが、ブランクを加熱するために、上部磁気回転子および下部磁気回転子を回転させることを含む、先述または後述の例の組み合わせのいずれかに記載の方法。
【0068】
EC15.所定期間が、約30秒〜約20分である、先述または後述の例の組み合わせのいずれかに記載の方法。
【0069】
EC16.加熱器が第1の加熱器であり、方法が、所定期間の後、ブランクを第1の加熱器から取り出すことと、ブランクを、第2の加熱器内に配置することと、第2の加熱器によってブランクを所定温度まで加熱することと、をさらに含む、先述または後述の例の組み合わせのいずれかに記載の方法。
【0070】
EC17.第2の加熱器によってブランクを加熱することが、ブランクの温度プロファイルを制御することをさらに含む、先述または後述の例の組み合わせのいずれかに記載の方法。
【0071】
EC18.第2の加熱器が、ガス駆動加熱器、赤外線加熱器、ローラ炉、電気炉、または誘導加熱器を備える、先述または後述の例の組み合わせのいずれかに記載の方法。
【0072】
EC19.第2の加熱器によってブランクを加熱することが、ブランクを、ブランクの固溶化温度まで加熱することを含む、先述または後述の例の組み合わせのいずれかに記載の方法。
【0073】
EC20.ブランクを第1の加熱器から取り外し、ブランクを第2の加熱器内に配置することが、移動装置によってブランクを移動させることを含む、先述または後述の例の組み合わせのいずれかに記載の方法。
【0074】
EC21.移動装置が、コンベヤである、先述または後述の例の組み合わせのいずれかに記載の方法。
【0075】
EC22.ブランクが、アルミニウムを含む、先述または後述の例の組み合わせのいずれかに記載の方法。
【0076】
EC23.方法であって、加熱器において金属基板のブランクを受容することであって、加熱器が、磁気回転子を備える、受容することと、ブランクを、加熱器の磁気回転子に隣接して配置することと、磁気回転子を回転させて、ブランクにおいて磁場を誘起し、ブランクを加熱することと、ブランクが所定温度になったときに、加熱器からブランクを取り出すことと、を含む、方法。
【0077】
EC24.所定温度が、ブランクの固溶化温度である、先述または後述の例の組み合わせのいずれかに記載の方法。
【0078】
EC25.所定温度が、約200℃〜約600℃である、先行するかまたは後続の例示の組み合わせのいずれかに記載の方法。
【0079】
EC26.ブランクを取り出すことが、移動装置を使用して、ブランクを加熱器から熱間成形プレスに取り出すことを含む、先述または後述の例の組み合わせのいずれかに記載の方法。
【0080】
EC27.熱間成形プレスによって、ブランクを所定の形状に熱間成形することをさらに含む、先述または後述の例の組み合わせのいずれかに記載の方法。
【0081】
EC28.熱間成形プレスが、水冷式ダイを備える、先述または後述の例の組み合わせのいずれかに記載の方法。
【0082】
EC29.ブランクを配置することが、磁気回転子の横方向位置を維持しながら、磁気回転子に対して、移動装置によってブランクを移動させることを含む、先述または後述の例の組み合わせのいずれかに記載の方法。
【0083】
EC30.ブランクを配置することが、ブランクの横方向位置を維持しながら、ブランクに対して、磁気回転子を移動させることを含む、先述または後述の例の組み合わせのいずれかに記載の方法。
【0084】
EC31.磁気回転子によって誘起される熱量を調整するように磁場を調整することをさらに含む、先述または後述の例の組み合わせのいずれかに記載の方法。
【0085】
EC32.磁場を調整することが、磁気回転子の回転速度を調整すること、磁気回転子の回転方向を調整すること、ブランクに対する磁気回転子の垂直位置を調整すること、ブランクに対する磁気回転子の横方向位置を調整すること、またはブランクに対する磁気回転子の長手方向位置を調整すること、のうちの少なくとも1つを含む、先述または後述の例の組み合わせのいずれかに記載の方法。
【0086】
EC33.磁場を調整することが、ブランクの温度を検出することと、ブランクの温度を検出することと、検出された温度を所定温度と比較することと、磁気回転子を調整して、検出された温度が所定温度と一致するように、ブランクの加熱を調整するようにすることと、を含む、先述または後述の例の組み合わせのいずれかに記載の方法。
【0087】
EC34.ブランクを磁気回転子に隣接して配置することが、ブランクを磁気回転子から所定の距離に配置することを含む、先述または後述の例の組み合わせのいずれかに記載の方法。
【0088】
EC35.磁気回転子が、上部磁気回転子であり、加熱器が、上部磁気回転子から垂直方向にオフセットした下部磁気回転子をさらに備え、ブランクを磁気回転子に隣接して通過させることが、ブランクを、磁気回転子と下部磁気回転子との間に画定された間隙を通過させることを含み、磁気回転子を回転させることが、ブランクを加熱するために、上部磁気回転子および下部磁気回転子を回転させることを含む、先述または後述の例の組み合わせのいずれかに記載の方法。
【0089】
EC36.加熱器が第1の加熱器であり、方法が、所定期間の後、ブランクを第1の加熱器から取り出すことと、ブランクを、第2の加熱器内に配置することと、第2の加熱器によってブランクを所定温度まで加熱することと、をさらに含む、先述または後述の例の組み合わせのいずれかに記載の方法。
【0090】
EC37.第2の加熱器によってブランクを加熱することが、ブランクの温度プロファイルを制御することをさらに含む、先述または後述の例の組み合わせのいずれかに記載の方法。
【0091】
EC38.第2の加熱器が、ガス駆動加熱器、赤外線加熱器、ローラ炉、電気炉、または誘導加熱器を備える、先述または後述の例の組み合わせのいずれかに記載の方法。
【0092】
EC39.第2の加熱器によってブランクを加熱することが、ブランクを、ブランクの固溶化温度まで加熱することを含む、先述または後述の例の組み合わせのいずれかに記載の方法。
【0093】
EC40.ブランクを第1の加熱器から取り外し、ブランクを第2の加熱器内に配置することが、移動装置によってブランクを移動させることを含む、先述または後述の例の組み合わせのいずれかに記載の方法。
【0094】
EC41.移動装置が、コンベヤである、先述または後述の例の組み合わせのいずれかに記載の方法。
【0095】
EC42.ブランクが、アルミニウムを含む、先述または後述の例の組み合わせのいずれかに記載の方法。
【0096】
EC43.熱間成形システムであって、磁気回転子を備える加熱器を備え、加熱器が、磁気回転子に隣接して金属基板のブランクを受容するように、かつ磁気回転子を回転させて、ブランク内に磁場を誘起し、ブランクを加熱するように構成される、熱間成形システム。
【0097】
EC44.加熱器が、ブランクを所定期間にわたって加熱するように構成される、先述または後述の例の組み合わせのいずれかに記載の熱間成形システム。
【0098】
EC45.ブランクを加熱する所定期間が、約30秒〜約20分である、先述または後述の例の組み合わせのいずれかに記載の熱間成形システム。
【0099】
EC46.加熱器が、ブランクを所定温度に加熱するように構成される、先述または後述の例の組み合わせのいずれかに記載の熱間成形システム。
【0100】
EC47.所定温度が、ブランクの固溶化温度である、先述または後述の例の組み合わせのいずれかに記載の熱間成形システム。
【0101】
EC48.ブランクを加熱器から熱間成形プレスに移動させるように構成された移動装置をさらに備える、先述または後述の例の組み合わせのいずれかに記載の熱間成形システム。
【0102】
EC49.熱間成形プレスをさらに備える、先述または後述の例の組み合わせのいずれかに記載の熱間成形システム。
【0103】
EC50.熱間成形プレスが、水冷式ダイを備える、先述または後述の例の組み合わせのいずれかに記載の熱間成形システム。
【0104】
EC51.加熱器が、ブランクを磁気回転子に対して横方向に配置するように構成された移動装置をさらに備える、先述または後述の例の組み合わせのいずれかに記載の熱間成形システム。
【0105】
EC52.移動装置が、コンベアを備える、先述または後述の例の組み合わせのいずれかに記載の熱間成形システム。
【0106】
EC53.磁気回転子が、ブランクに対して横方向に移動可能である、先述または後述の例の組み合わせのいずれかに記載の熱間成形システム。
【0107】
EC54.磁気回転子の少なくとも1つの特性が、ブランクにおいて誘起される磁場が磁気回転子によって誘起される熱量を調整するように調整可能である、先述または後述の例の組み合わせのいずれかに記載の熱間成形システム。
【0108】
EC55.少なくとも1つの特性が、磁気回転子の回転速度、磁気回転子の回転方向、ブランクに対する磁気回転子の垂直位置、ブランクに対する磁気回転子の横方向位置、またはブランクに対する磁気回転子の長手方向位置を含む、先述または後述の例の組み合わせのいずれかに記載の熱間成形システム。
【0109】
EC56.ブランクの温度を検出するように構成されたセンサと、通信している制御部と、をさらに備え、制御装置が、ブランクの検出温度に基づいて磁気回転子を調整するように構成される、先述または後述の例の組み合わせのいずれかに記載の熱間成形システム。
【0110】
EC57.磁気回転子が、上部磁気回転子であり、加熱器が、上部磁気回転子から垂直方向にオフセットした下部磁気回転子をさらに備え、それによって、磁気回転子と下部磁気回転子との間に間隙が画定され、加熱器が、間隙内にブランクを受容するように構成される、先述または後述の例の組み合わせのいずれかに記載の熱間成形システム。
【0111】
EC58.加熱器が、第1の加熱器であり、熱間成形システムが、第1の加熱器からブランクを受容するように、かつブランクを加熱するように構成される、第2の加熱器をさらに備える、先述または後述の例の組み合わせのいずれかに記載の熱間成形システム。
【0112】
EC59.第2の加熱器が、ブランクの温度プロファイルを制御するようにさらに構成される、先述または後述の例の組み合わせのいずれかに記載の熱間成形システム。
【0113】
EC60.第2の加熱器が、ガス駆動加熱器、赤外線加熱器、ローラ炉、電気炉、または誘導加熱器を備える、先述または後述の例の組み合わせのいずれかに記載の熱間成形システム。
【0114】
EC61.熱間成形プレスと、移動装置と、をさらに備え、移動装置が、ブランクを、第2の加熱器から熱間成形プレスに移動させるように構成され、熱間成形プレスが、ブランクを成形するように構成される、先述または後述の例の組み合わせのいずれかに記載の熱間成形システム。
【0115】
EC62.方法であって、加熱器において金属基板のブランクを受容することであって、加熱器が、磁気回転子を備える、受容することと、ブランクを、加熱器の磁気回転子に隣接して配置することと、磁気回転子を回転させて、ブランクにおいて磁場を誘起し、ブランクを所定期間にわたって加熱することと、を含む、方法。
【0116】
EC63.磁気を回転させて、ブランクにおいて磁場を誘起し、ブランクを所定期間にわたって加熱することが、ブランクを所定温度に加熱することを含み、所定温度が、温度が約200℃〜約600℃である、先述または後述の例の組み合わせのいずれかに記載の方法。
【0117】
EC64.所定期間の後に、加熱器からブランクを取り出し、ブランクを熱間成形プレスに移動させることと、熱間成形プレスによって、ブランクを所定の形状に熱間成形することと、をさらに含む、先述または後述の例の組み合わせのいずれかに記載の方法。
【0118】
EC65.ブランクを配置することが、磁気回転子の横方向位置を維持しながら、磁気回転子に対して、移動装置によってブランクを移動させることを含む、先述または後述の例の組み合わせのいずれかに記載の方法。
【0119】
EC66.ブランクを配置することが、ブランクの横方向位置を維持しながら、ブランクに対して、磁気回転子を移動させることを含む、先述または後述の例の組み合わせのいずれかに記載の方法。
【0120】
EC67.磁気回転子によって誘起される熱量を調整するように磁場を調整することをさらに含み、磁場を調整することが、磁気回転子の回転速度を調整すること、磁気回転子の回転方向を調整すること、ブランクに対する磁気回転子の垂直位置を調整すること、ブランクに対する磁気回転子の横方向位置を調整すること、またはブランクに対する磁気回転子の長手方向位置を調整すること、のうちの少なくとも1つを含む、先述または後述の例の組み合わせのいずれかに記載の方法。
【0121】
EC68.磁気回転子が、上部磁気回転子であり、加熱器が、上部磁気回転子から垂直方向にオフセットした下部磁気回転子をさらに備え、ブランクを磁気回転子に隣接して通過させることが、ブランクを、磁気回転子と下部磁気回転子との間に画定された間隙を通過させることを含み、磁気回転子を回転させることが、ブランクを加熱するために、上部磁気回転子および下部磁気回転子を回転させることを含む、先述または後述の例の組み合わせのいずれかに記載の方法。
【0122】
EC69.所定期間が、約30秒〜約20分である、先述または後述の例の組み合わせのいずれかに記載の方法。
【0123】
EC70.加熱器が第1の加熱器であり、方法が、所定期間の後、ブランクを第1の加熱器から取り出すことと、ブランクを、第2の加熱器内に配置することと、第2の加熱器によってブランクを所定温度まで加熱することと、をさらに含む、先述または後述の例の組み合わせのいずれかに記載の方法。
【0124】
EC71.第2の加熱器が、ガス駆動加熱器、赤外線加熱器、ローラ炉、電気炉、または誘導加熱器を備える、先述または後述の例の組み合わせのいずれかに記載の方法。
【0125】
EC72.所定温度が、ブランクの固溶化温度であり、第2の加熱器によってブランクを加熱することが、ブランクの温度プロファイルを制御することをさらに含む、先述または後述の例の組み合わせのいずれかに記載の方法。
【0126】
EC73.ブランクが、アルミニウムを含む、先述または後述の例の組み合わせのいずれかに記載の方法。
【0127】
EC74.方法であって、加熱器において金属基板のブランクを受容することであって、加熱器が、磁気回転子を備える、受容することと、ブランクを、加熱器の磁気回転子に隣接して配置することと、磁気回転子を回転させて、ブランクにおいて磁場を誘起し、ブランクを加熱することと、ブランクが所定温度になったときに、加熱器からブランクを取り出すことと、を含む、方法。
【0128】
EC75.所定温度が、約200℃〜約600℃である、先述または後述の例の組み合わせのいずれかに記載の方法。
【0129】
EC76.加熱器が第1の加熱器であり、方法が、所定期間の後、ブランクを第1の加熱器から取り出すことと、ブランクを、第2の加熱器内に配置することと、第2の加熱器によってブランクを第2の所定期間にわたって加熱することと、ブランクを第2の加熱器から取り出すことと、ブランクを熱間成形プレスによって熱間成形することと、をさらに含む、先述または後述の例の組み合わせのいずれかに記載の方法。
【0130】
EC77.第2の加熱器によってブランクを加熱することが、ブランクを、ブランクの固溶化温度まで加熱することを含む、先述または後述の例の組み合わせのいずれかに記載の方法。
【0131】
EC78.熱間成形システムであって、磁気回転子を備える加熱器を備え、加熱器が、磁気回転子に隣接して金属基板のブランクを受容するように、かつ磁気回転子を回転させて、ブランク内に磁場を誘起し、ブランクを加熱するように構成される、熱間成形システム。
【0132】
EC79.加熱器が、第1の加熱器であり、熱間成形システムが、第1の加熱器からブランクを受容するように、かつブランクを加熱するように構成される、第2の加熱器をさらに備える、先述または後述の例の組み合わせのいずれかに記載の熱間成形システム。
【0133】
EC80.第2の加熱器が、ガス駆動加熱器、赤外線加熱器、ローラ炉、電気炉、または誘導加熱器を備える、先述または後述の例の組み合わせのいずれかに記載の熱間成形システム。
【0134】
EC81.熱間成形プレスと、移動装置と、をさらに備え、移動装置が、ブランクを、加熱器から熱間成形プレスに移動させるように構成され、熱間成形プレスが、ブランクを成形するように構成される、先述または後述の例の組み合わせのいずれかに記載の熱間成形システム。
【0135】
上記の態様は、単なる実施可能な例であり、本開示の原理を明確に理解するためにのみ述べられている。本開示の本質および原理から実質的に逸脱することなく、上記の実施例(複数可)に対し、多くの変形および修正をなすことができる。かかる修正および変形のすべてが、本明細書においては、本開示の範囲内に含まれ、個々の態様または要素もしくはステップの組み合わせに対するすべての可能な請求項が、本開示によって支持されることが意図される。さらに、本明細書に加え、以下に続く特許請求の範囲において、特定の用語が使用されているが、それらは、包括的および説明的な意味でのみ使用され、記載された発明も、添付の特許請求の範囲も限定することを目的としていない。
図1
図2