特許第6837565号(P6837565)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6837565鉄道車両の電力変換装置および電力変換装置を搭載した鉄道車両
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6837565
(24)【登録日】2021年2月12日
(45)【発行日】2021年3月3日
(54)【発明の名称】鉄道車両の電力変換装置および電力変換装置を搭載した鉄道車両
(51)【国際特許分類】
   B61C 17/00 20060101AFI20210222BHJP
   H01L 23/427 20060101ALI20210222BHJP
   F28D 15/02 20060101ALI20210222BHJP
【FI】
   B61C17/00 E
   H01L23/46 B
   F28D15/02 L
   F28D15/02 101A
   F28D15/02 102H
【請求項の数】13
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-540752(P2019-540752)
(86)(22)【出願日】2018年3月27日
(86)【国際出願番号】JP2018012293
(87)【国際公開番号】WO2019049405
(87)【国際公開日】20190314
【審査請求日】2020年3月6日
(31)【優先権主張番号】特願2017-172833(P2017-172833)
(32)【優先日】2017年9月8日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000062
【氏名又は名称】特許業務法人第一国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】舟越 砂穂
(72)【発明者】
【氏名】安田 陽介
(72)【発明者】
【氏名】西原 淳夫
(72)【発明者】
【氏名】寺門 秀一
(72)【発明者】
【氏名】堀内 敬介
(72)【発明者】
【氏名】畑 邦彦
【審査官】 諸星 圭祐
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−229500(JP,A)
【文献】 国際公開第2016/110977(WO,A1)
【文献】 特開2014−8852(JP,A)
【文献】 特開2011−50166(JP,A)
【文献】 特開2015−172474(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0133871(US,A1)
【文献】 特開2018−88744(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B61C 17/00
F28D 15/02
H01L 23/427
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のパワー半導体素子により構成される鉄道車両の電力変換装置であって、
前記パワー半導体素子を冷却する自励振動型ヒートパイプを備え、
前記自励振動型ヒートパイプは、冷却風が当たるヒートシンク部材の内部に作動流体を封入した密閉の流路を有する構造であり、
前記冷却風の入口部分または出口部分にそれぞれ接する前記自励振動型ヒートパイプの端部隔壁の厚さを、前記流路の間を隔てる内部隔壁の厚さよりも厚くする
ことを特徴とする鉄道車両の電力変換装置。
【請求項2】
請求項1に記載の鉄道車両の電力変換装置であって、
前記自励振動型ヒートパイプは、前記流路の間を隔てる内部隔壁が冷却風の方向に順に並ぶ
ことを特徴とする鉄道車両の電力変換装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の鉄道車両の電力変換装置であって、
前記自励振動型ヒートパイプは、平板形状の前記ヒートシンク部材を、前記冷却風の方向に略直交する方向に1回以上折り曲げられた形状に形成して構成され、当該折り曲げられた形状の間に放熱フィンを設けた
ことを特徴とする鉄道車両の電力変換装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の鉄道車両の電力変換装置であって、
前記端部隔壁の厚さは、前記内部隔壁の厚さと、前記冷却風の方向の前記流路の幅とを合わせた厚さ以上である
ことを特徴とする鉄道車両の電力変換装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の鉄道車両の電力変換装置であって、
前記自励振動型ヒートパイプは、前記冷却風の方向に1以上分割した構成である
ことを特徴とする鉄道車両の電力変換装置。
【請求項6】
複数のパワー半導体素子により構成される鉄道車両の電力変換装置であって、
前記パワー半導体素子を冷却する自励振動型ヒートパイプを備え、
前記自励振動型ヒートパイプは、冷却風が当たるヒートシンク部材の内部に作動流体を封入した密閉の流路を有し、当該流路の間を隔てる内部隔壁が冷却風の方向に順に並ぶ構造であり、
前記冷却風の入口部分または出口部分に最も近い前記流路は、当該流路より内側にある前記流路から仕切り壁によって分離独立している
ことを特徴とする鉄道車両の電力変換装置。
【請求項7】
請求項6に記載の鉄道車両の電力変換装置であって、
前記自励振動型ヒートパイプは、平板形状の前記ヒートシンク部材を、前記冷却風の方向に略直交する方向に1回以上折り曲げられた形状に形成して構成され、当該折り曲げられた形状の間に放熱フィンを設けた
ことを特徴とする鉄道車両の電力変換装置。
【請求項8】
請求項6または7に記載の鉄道車両の電力変換装置であって、
前記自励振動型ヒートパイプは、前記冷却風の方向に1以上分割した構成である
ことを特徴とする鉄道車両の電力変換装置。
【請求項9】
複数のパワー半導体素子により構成される鉄道車両の電力変換装置であって、
前記パワー半導体素子を冷却する自励振動型ヒートパイプを備え、
前記自励振動型ヒートパイプは、冷却風が当たるヒートシンク部材の内部に作動流体を封入した密閉の流路を有し、当該ヒートシンク部材の間に放熱フィンを設け、
前記放熱フィンは、前記冷却風の入口部分または出口部分を前記自励振動型ヒートパイプの前記冷却風の入口部分または出口部分よりも外側に突出させた構造を有する
ことを特徴とする鉄道車両の電力変換装置。
【請求項10】
請求項9に記載の鉄道車両の電力変換装置であって、
前記自励振動型ヒートパイプは、平板形状の前記ヒートシンク部材を、前記冷却風の方向に略直交する方向に1回以上折り曲げられた形状に形成して構成され、当該折り曲げられた形状の間に前記放熱フィンを設けた
ことを特徴とする鉄道車両の電力変換装置。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1項に記載の鉄道車両の電力変換装置であって、
前記自励振動型ヒートパイプは、前記パワー半導体素子を取り付けた受熱部材の下側に配置されている
ことを特徴とする鉄道車両の電力変換装置。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか1項に記載の鉄道車両の電力変換装置であって、
前記自励振動型ヒートパイプで構成される放熱部の周囲にカバーを設ける
ことを特徴とする鉄道車両の電力変換装置。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか1項に記載の鉄道車両の電力変換装置を搭載した鉄道車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道車両の電力変換装置に関し、特にその電力変換装置の冷却構造に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道車両の電力変換装置は、電気鉄道車両等を駆動する電動機を制御するためのもので、鉄道車両の床下等に設置されている。鉄道車両の床下等のスペースは限られているため、できるだけ小型の冷却構造で効率的に電力変換装置のパワー半導体素子を冷却することが望まれている。
【0003】
従来の鉄道車両の電力変換装置における冷却構造としては、特許文献1に示されるように、受熱部材を車体下部に鉛直方向に設置し、半導体素子を受熱部材の一方の側に取付け、ヒートパイプを受熱部材の反対側に取付け、鉄道車両の走行により生じる風をヒートパイプに取り付けられたフィンに当てることによって半導体素子の熱を空気に放熱する構造が知られている。
【0004】
また、中央演算装置のような半導体素子の冷却に自励振動式のヒートパイプを適用した例として、特許文献2に示される素子放熱器のように、発熱素子の上部に受熱板を設け、その上部に蛇行した穴の開いたプレート状の板を接続した冷却構造が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−50166号公報
【特許文献2】特開2006−80471号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願発明者が、鉄道車両の電力変換装置を小型化することについて鋭意検討した結果、次の知見を得るに至った。
【0007】
鉄道車両の電力変換装置を鉄道車両の床下のスペースに設置する構造であっても、例えば一部の地下鉄車両のように、床下の高さを十分に取れない場合がある。そのような場合には、従来のようにパワー半導体素子を鉛直方向の受熱部材に配置すると、素子の大きさから決まる全体の高さが高くなり過ぎる。それに対処するために、受熱部材を水平に設置し、その上側にパワー半導体素子を設置して、受熱部材の下側に冷却器を設置することにより、電力変換装置の高さを低減することができると考えられる。
【0008】
しかし、従来のヒートパイプ冷却器では、重力によってヒートパイプ内の凝縮液が還流するため、放熱部を受熱部材より下側に設置する、いわゆるトップヒートの配置ができない。また、単なるプレートフィンを受熱部材に設けた構造で冷却した場合には、ヒートパイプと比べて冷却性能が低く、十分にパワー半導体素子を冷却できない。
【0009】
一方、トップヒート配置が可能な自励振動型ヒートパイプを鉄道車両に適用した場合は、鉄道車両が屋外を走行するため、バラストやその他の小さな飛来物が車両の下部に衝突する可能性がある。自励振動型ヒートパイプは細く脆弱であるため、上記の従来構造では、自励振動型ヒートパイプに飛来物が衝突すると、衝撃によりヒートパイプに穴が開いて中の流路の作動流体が漏れ出す恐れがある。作動流体が漏れると、冷却性能が不足し、電力変換装置のパワー半導体の温度が上昇し、最悪の場合は半導体が破損することにつながる。
【0010】
本発明の目的は、小型で構成されかつ飛来物等の衝突によっても冷却性能が低下することのない鉄道車両の電力変換装置の冷却器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決するために、本発明に係る鉄道車両の電力変換装置は、パワー半導体素子を冷却する自励振動型ヒートパイプを備え、当該自励振動型ヒートパイプは、例えば、冷却風が当たるヒートシンク部材の内部に作動流体を封入した密閉の流路を有する構造であり、冷却風の入口部分または出口部分にそれぞれ接する自励振動型ヒートパイプの端部隔壁の厚さを、流路の間を隔てる内部隔壁の厚さよりも厚くする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、飛来物等の衝突によって自励振動型ヒートパイプの脆弱な流路に穴が開き、作動流体が漏れ出して冷却性能が低下する事態が回避できるので、信頼性の高い、鉄道車両の電力変換装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、実施例1に係る電力変換装置の冷却器を進行方向から見た図である。
図2図2は、図1に示す冷却器の斜視図である。
図3図3は、実施例1に係る冷却器に用いる平板状の自励振動型ヒートパイプの構造を示す図である。
図4図4は、実施例1に係る冷却器に用いる平板状の自励振動型ヒートパイプを折り曲げた構造を示す図である。
図5図5は、実施1に係る冷却器に用いる自励振動型ヒートパイプの厚さ方向の断面を示す図である。
図6図6は、複数の自励振動型ヒートパイプを走行風方向に並べた放熱部の構造を示す図である。
図7図7は、本発明の各実施例に係る電力変換装置を鉄道車両に搭載したときの配置構成を示す図である。
図8図8は、本発明に係る電力変換装置を鉄道車両に搭載したときの他の配置構成を示す図である。
図9図9は、本発明に係る電力変換装置を鉄道車両に搭載したときのさらに他の配置構成を示す図である。
図10図10は、本発明の実施例2に係る電力変換装置の自励振動型ヒートパイプによる放熱部の構造を示す図である。
図11図11は、本発明の実施例3に係る電力変換装置の放熱部の構造を示す斜視図である。
図12図12は、実施例3に係る電力変換装置の放熱部の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施の形態として、実施例1〜3について、図面を用いて以下に説明する。
図7は、本発明の各実施例に係る電力変換装置を鉄道車両に搭載したときの配置構成を示す図である。本発明に係る電力変換装置は、鉄道車両の床下等に設けられ、車両を駆動する電動機に供給する電力の周波数を変えることにより、電動機の回転速度の制御を行う。
【0015】
図7に示す電力変換装置500は、車体501に吊り下げられた状態で固定されている。受熱板1の上部には、パワー半導体素子2が取り付けられ、反対側である受熱板1の下部には、自励振動型ヒートパイプを用いた放熱部20が取り付けられている。パワー半導体素子2と、その他のコンデンサや制御装置等の電子部品22は、ケース21により密閉されている。
【実施例1】
【0016】
図1は、実施例1に係る電力変換装置の冷却器を進行方向から見た図であり、図2は、この冷却器の斜視図である。図1における矢印101と102は、車両の進行により生じる走行風の方向を示す。車両は前後いずれの方向にも移動するので、それに伴って、矢印101と102のいずれかの方向に走行風が生じることになる。
【0017】
図1および図2において、アルミニウム合金等の金属からなる受熱部材1の上側には、複数のIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等のパワー半導体素子を含むパワー半導体モジュール2が設置され、複数のパワー半導体モジュール2により電力変換装置を構成している。以下、これらのパワー半導体モジュールについても、パワー半導体素子と呼称する。
【0018】
パワー半導体素子2は、グリース等の部材(図示せず)を介して、受熱部材1とねじ等(図示せず)によって固定される。受熱部材1におけるパワー半導体素子の設置面の反対側には、ヒートシンク部材である放熱部20が設けられる。
【0019】
図1に示す放熱部20は、自励振動型ヒートパイプ3とアルミニウム合金等でできた波形フィン4とから構成される。受熱部材1と自励振動型ヒートパイプ3とは、ロウ付け等によって固定される。また、自励振動型ヒートパイプ3の流路長が長くなり過ぎるような場合には、図2に示すように、自励振動型ヒートパイプ3を進行方向に分割した分割タイプ31〜34とした構造でもよい。
【0020】
図3は、平板状の自励振動型ヒートパイプ(分割タイプ31)の構造を示す図で、矢印103は走行風の方向を示し、図の下部に、この走行風103方向に分断した断面を示す。また、図4は、平板状の自励振動型ヒートパイプ(分割タイプ31)を折り曲げた構造を示す図である。図1および図2に示す自励振動型ヒートパイプ(分割タイプ31)は、図3に示す構造を有する平板状の自励振動型ヒートパイプ31を図4に示すように折り曲げて構成される。
【0021】
自励振動型ヒートパイプ31の内部構造としては、図3に示すように、作動流体を封入した密閉の流路として、例えば作動流体が流れる蛇行した流路5と、該流路5を隔てる内部隔壁6とが設けられている。また、図5に、自励振動型ヒートパイプ31の厚さ方向の断面(図4におけるA−A断面)を示す。作動流体としては、水、フロリナート類、代替フロン類、アルコール類、ブタン等の炭化水素類、ハイドロフルオロエーテル類またはパーフルオロケトン類等が使われる。
【0022】
次に、本発明に係る冷却器の動作態様について説明する。
パワー半導体素子2が動作することによって生じる損失は熱となり、その熱は、受熱部材1を経て自励振動型ヒートパイプ3に伝えられる。自励振動型ヒートパイプ3の流路5に封入された作動流体が流路内で振動することにより、熱は自励振動型ヒートパイプ3の先端部側(下流側)へと伝えられる。更に、自励振動型ヒートパイプ3から波形フィン4に熱が伝えられる。車両の走行により生じる走行風101または102(図1)が波形フィン4の間を通過することにより、波形フィン4や自励振動型ヒートパイプ3の表面から熱が空気中へ放出される。
【0023】
また、自励振動型ヒートパイプ3の構造において、冷却風の入口部分(走行風方向が逆の場合は出口部分)に接する端部隔壁30の厚さを、図3および図5に示すように、内部隔壁6よりも厚くする。このような構造とすることにより、自励振動型ヒートパイプ3の冷却風が当たる付近の強度を増加させ、バラスト等の飛来物が衝突したときなどに、自励振動型ヒートパイプ3に穴等が開くことを防止する。これにより、流路5の内部を流れる作動流体が外部に漏れて、自励振動型ヒートパイプが機能せず、放熱性能が低下することを防ぐことができる。冷却風の入口部分および出口部分に接する端部隔壁30の厚さ(図3に示す「t」)は、少なくとも、内部隔壁6の厚さ(図3に示す「w」)と、冷却風の方向の流路5の幅(図3に示す「d」)とを合わせた厚さ以上の厚さ(t≧w+d)とすることにより、十分な強度を確保することが望ましい。
【0024】
図6は、複数の自励振動型ヒートパイプを走行風103方向に並べて構成した放熱部の構造を示す図で、図の下部に、走行風103方向に分断した断面を示す。図6では、自励振動型ヒートパイプを31〜34の4つに分割した例を示し、その中で冷却風の入口部分および出口部分に接する31および34の端部隔壁30を、残る他の部分の端部隔壁35よりも厚くしている。すなわち、中間に位置する自励振動型ヒートパイプ32および33の端部隔壁35は薄くして、放熱の効果を高めるようにしている。なお、自励振動型ヒートパイプの種類を減らすために、端部隔壁の両側を厚くした1種類の自励振動型ヒートパイプから構成することも可能である。
【0025】
図8は、本発明に係る電力変換装置を鉄道車両に搭載したときの他の配置構成を示す図である。図7に示す配置構成と相違する点は、自励振動型ヒートパイプで構成される放熱部20の周囲にさらにカバー23を設けた点である。カバー23はアルミ等の金属製で、これにより、放熱部20の側面や底面にバラスト等が衝突したときに、自励振動型ヒートパイプにダメージが加わることを防止することができる。また、図示していないが、放熱部20の前後の部分にも、パンチングプレート等のカバーを設けることにより、大きな飛来物が放熱部に直接に衝突することを避けることができる。
【0026】
図9は、本発明に係る電力変換装置を鉄道車両に搭載したときのさらなる他の構成配置を示す図である。図7および図8に示す配置構成とは異なり、周囲の機器の配置やスペースによっては、受熱部材1が鉛直方向となるように電力変換装置500を設置してもよく、これにより放熱部20は水平方向に向く構造となる。なお、図9では、図8と同様に、放熱部20の周囲にカバー23を設けた構成を示す。
【0027】
以上のとおり、図8および図9に示す配置構成によれば、自励振動型ヒートパイプ3にバラスト等の飛来物が衝突した時に、自励振動型ヒートパイプに穴が開いて放熱性能が低下することを防止することができる。
【実施例2】
【0028】
図10は、本発明の実施例2に係る電力変換装置の自励振動型ヒートパイプによる放熱部の構造を示す図である。なお、図面において実施例1と同じ部分は、同じ付番とする。また、車両に搭載したときの配置構成や全体の構造は、実施例1と同様である。
【0029】
図10において、矢印103は走行風の方向であり、走行風103方向の入口部分および出口部分に位置する自励振動型ヒートパイプ31および34には、ヒートパイプの仕切り壁36および37を設け、作動流体の流路を完全に分離独立させている。この仕切り壁36および37に対して、走行風の入口部分および出口部分に最も近い側の流路51および52の長さは、本体の流路5よりも短くする。なお、流路51および52には、作動流体を封入しなくてもよい。この構造により、作動流体の流路の内で流路51および52の部分にバラスト等の飛来物が衝突し、万一、穴が開いた場合でも、仕切り壁36の反対側(ヒートパイプの内側)の本体の流路5から作動流体が外部に漏れることはない。よって、放熱性能が低下することを防止することができる。
【実施例3】
【0030】
図11は、本発明の実施例3に係る電力変換装置の放熱部の構造を示す斜視図で、図12は、その放熱部の側面図である。図11および図12に示すように、実施例3では、波形フィン4の冷却風が入る部分付近を、走行風103方向に作動流体の流路3より外側に突き出すように設置する。この構造により、バラスト等の飛来物が放熱部に衝突しても、波形フィン4の外側に突き出た部分が変形して衝撃を吸収し、作動流体の流路3に穴が開くことはない。よって、放熱性能が低下することを防止することができる。
【符号の説明】
【0031】
1…受熱部材、2…パワー半導体素子、3…自励振動型ヒートパイプ、
4…波形フィン、5(51、52)…作動流体の流路、
6…流路の内部隔壁、20…放熱部、21…ケース、22…電子部品、
23…カバー、30…冷却風の入口部分および出口部分の端部隔壁、
31〜34…自励振動型ヒートパイプの分割タイプ、
35…ヒートパイプの端部隔壁、36、37…ヒートパイプ内の仕切り壁、
101〜103…走行風の方向、500…電力変換装置、501…車体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12