特許第6837637号(P6837637)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6837637
(24)【登録日】2021年2月15日
(45)【発行日】2021年3月3日
(54)【発明の名称】収納袋付き折りたたみ傘
(51)【国際特許分類】
   A45B 25/24 20060101AFI20210222BHJP
【FI】
   A45B25/24 C
   A45B25/24 A
【請求項の数】3
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2019-207346(P2019-207346)
(22)【出願日】2019年11月15日
【審査請求日】2019年11月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】519409637
【氏名又は名称】コラボ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】305055390
【氏名又は名称】近藤 俊彦
(72)【発明者】
【氏名】近藤 俊彦
【審査官】 永冨 宏之
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭58−001326(JP,U)
【文献】 特開2001−353013(JP,A)
【文献】 実開平04−066912(JP,U)
【文献】 実開昭58−077519(JP,U)
【文献】 特開2003−009922(JP,A)
【文献】 実開昭62−011415(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0205937(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45B 25/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
折りたたみ傘を収納する傘用袋であって、遮水性を有する内袋と前記内袋より伸縮率の高い外袋を重ね合わせた2重構造であり、折りたたみ傘が前記内袋に包み覆われて前記外袋に収納され、前記内袋の内面と傘布が接する面の摩擦力が前記内袋の外面と前記外袋の内面が接する面の摩擦力より小さくなることを特徴とする傘用袋。
【請求項2】
有底筒状の手元の開口部から手元の内部空間に、前記内袋の袋口を露先又はダボで押し詰めて格納可能に形成されていることを特徴とする請求項1記載の傘用袋と前記傘用袋に収納される折りたたみ傘。
【請求項3】
有底筒状の手元の外周部に周方向に伸びる凹部が形成され、この凹部に装着する弾性を有するリング状の係止部材を備えることを特徴とする請求項1記載の前記傘用袋に収納される折りたたみ傘。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は収納袋を付属する折りたたみ傘に関する。
【背景技術】
【0002】
折りたたみ傘を収納する傘収納袋は、折りたたみ傘を購入した時に付属されている共袋を使用するのが一般的である。 この共袋は傘布と同じ布地で縫製された筒状の袋体であり、収納する折りたたみ傘より僅かに大きい程度である。 伸び縮みする布地で遮水することは困難である為、伸び縮みする布地で遮水できるコンパクトな傘収納袋は提供されていない。 遮水性のあるフィルムを折り込んだ布地もあるが価格が高くて、遮水機能に耐久性がない為、傘収納袋に適合しない。
【0003】
傘収納袋の内側に防水性のあるシートまたは生地を使った袋を縫い付けた傘収納袋もある。(特許文献1参照) しかしながら、この傘収納袋は傘布から染み出した雨水の漏水を軽減することを目的としており、収納した折りたたみ傘を水平に倒すと傘収納袋の袋口や縫い目から雨水が漏れ出す問題がある。 また、雨に濡れた傘布と手元が防水性のあるシートまたは生地で隔てられない為、傘布から染み出した雨水で手元が濡れてしまう問題もある。
【0004】
折りたたみ傘の折り畳み方法には、2つ折り、3つ折り、4つ折り、5つ折りがあり、折り畳み方法の違いにより、露先を折りたたみ傘の手元に格納して折り畳む方法とダボを折りたたみ傘の手元に格納して折り畳む方法がある。 本発明に於ける説明では露先又はダボと記載しており、いずれの方法にも対応できることを示す。
【0005】
折りたたみ傘の手元は、主にプラスチックや金属、木材で製造されており、その表面は硬くて滑り易い為、手袋をして折りたたみ傘を開く時、閉じる時、持ち歩く時、収納する時に手元が滑り、取り扱いに苦労する。 折りたたみ傘を雨で濡れた地面に滑り落すこともある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実用新案登録第3178513号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
折りたたみ傘に付属されている共袋(収納袋)は、傘布と同じ布地で縫製された筒状の袋体であり、袋口を閉じることができない為、雨に濡れた折りたたみ傘の収納に相応しない。 雨に濡れた折りたたみ傘を収納すると、濡れた傘布から染み出した雨水が漏れ出す場合があり、収納した折りたたみ傘の手元が濡れる為、滑り落すこともある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
発明した収納袋付き折りたたみ傘の収納袋は、収納した折りたたみ傘の傘布と接する内袋と、その内袋を収納する外袋を重ね合わせた2重構造である。 前記内袋には袋口が広いポリ袋やビニール袋のような滑り易い材質で製造された遮水性を有する袋を使用する。 前記外袋には水着やタイツ、靴下のような伸び縮みする布地で製造された伸縮性を有する袋を使用する。
【0009】
発明した収納袋付き折りたたみ傘を収納袋に収納する手順を説明する。 始めに折りたたみ傘の手元部分を手で持って、折りたたみ傘の石突の方向から前記内袋に入れる。 前記内袋に入れた折りたたみ傘の状態を、前記内袋の底面を下方向として表現し、前記内袋の袋口を上方向として表現して説明すると、下方向に折りたたみ傘の石突があり、上方向に折りたたみ傘の手元がある状態で、入れた折りたたみ傘の傘布は前記内袋に包み覆われている。 次に前記内袋に入れた折りたたみ傘を石突がある前記内袋の下方向から前記外袋に入れる。 これにより折りたたみ傘は前記内袋に包み覆われた状態で前記外袋に収納される。 前記外袋に収納された前記内袋は、前記外袋に包み覆われた状態となり、前記内袋が破れないように前記外袋で保護される。
【0010】
発明した収納袋付き折りたたみ傘の前記内袋と前記外袋が1つの袋のように機能することを説明する。 前記内袋にはポリ袋やビニール袋のような滑り易い材質の袋を使用して、前記外袋には前記内袋より滑りにくい材質の袋を使用する。 くわえて伸縮性を有する前記外袋の着圧で外側から内側に向かって押え付ける圧力が付与される。 これにより、収納した折りたたみ傘の傘布と前記内袋が接する面、及び前記内袋と前記外袋が接する面は隙間が無くなるように密着された状態となり、2つの面に摩擦力の差異が生じる。 傘布と前記内袋が接する面は前記内袋と前記外袋が接する面より摩擦力が小さくて滑り易い状態が維持される。 比べて前記内袋と前記外袋が接する面は傘布と前記内袋が接する面の摩擦力より大きく滑りにくい状態が維持される。 前記外袋の袋口に近い側面部分を横方向から手で握って、その握った部分を押し下げると前記内袋も一緒に押し下げられ、前記外袋を押し上げると同様に前記内袋も押し上げられる。 傘布と前記内袋が接する面より、前記内袋と前記外袋が接する面が滑りにくい為、前記内袋と前記外袋は1つの袋のように機能する。 さらに前記外袋の内側に滑り止め用のゴムやシリコーン樹脂等を張り付けて前記内袋と前記外袋が接する面の摩擦力を増大させることもできる。
【0011】
発明した収納袋付き折りたたみ傘の手元の内部に前記内袋の袋口を格納して、傘布から染み出した雨水が漏れ出ないようにできることを説明する。 前記共袋に雨で濡れた折りたたみ傘を収納して水平に倒すと、前記共袋の袋口から雨水が漏れ出る場合がある。 漏れ出た雨水で収納した折りたたみ傘の手元が濡れる場合もある。 濡れた折りたたみ傘の手元を手で握って、折りたたみ傘を取り扱うことは不快であり、折りたたみ傘を滑り落す原因にもなる。 発明した収納袋付き折りたたみ傘は、折りたたみ傘を前記内袋に入れて、前記内袋の袋口を折りたたみ傘の中棒に袋口を閉じるように結ぶ、又は中棒に袋口を閉じるように巻き付ける。 手元の内部には中棒に結んだ前記内袋の結び目、又は中棒に巻き付けた前記内袋の巻き付け部分を露先又はダボで押し詰めて格納できる程度の空間が形成されている。 次に、この手元内部の空間に中棒に結んだ前記内袋の結び目、又は中棒に巻き付けた前記内袋の巻き付け部分を入れて詰め込むように中棒を縮める。 中棒を縮めることで、折りたたみ傘の手元内部の空間に、中棒に結んだ前記内袋の結び目、又は中棒に巻き付けた前記内袋の巻き付け部分が露先又はダボで隙間が無くなるように押し詰められて格納される。 これにより、隙間なく押し詰められた前記内袋の袋口は、中棒に固定された状態で格納された折りたたみ傘の露先又はダボに押さえ付けられて解けないように閉じられる。 雨で濡れた折りたたみ傘の傘布は前記内袋に包み覆われた状態で、前記内袋の袋口が中棒に固定され解けないように閉じられる為、濡れた折りたたみ傘を収納袋に収納して水平に倒しても、前記内袋の袋口から雨水が漏れ出ないようにできる。 収納した折りたたみ傘の手元は濡れた傘布と前記内袋で隔てられる為、傘布から染み出した雨水で折りたたみ傘の手元が濡れることはない。
【0012】
発明した収納袋付き折りたたみ傘を収納袋から取り出す手順を説明する。 始めに前記外袋に収納されている前記内袋の袋口が折りたたみ傘の手元内部の空間に格納されている場合は、手元を指先でつまんで中棒を伸ばして、中棒に結んだ前記内袋の結び目、又は中棒に巻き付けた前記内袋の巻き付け部分を解いて袋口を開く。 次に前記外袋の袋口に近い側面部分を横方向から手で握って、その握った部分を押し下げる。 前記内袋と前記外袋は接する面の摩擦力により1つの袋のように機能する為、前記内袋の袋口も前記外袋と一緒に押し下げられる。 これにより収納した折りたたみ傘の手元は、前記内袋の外に出る。 次に前記内袋の外に出た手元を、もう一方の手で持って、刀を鞘から引き抜くように、折りたたみ傘を収納袋から取り出すことができる。 収納した折りたたみ傘と接する前記内袋には滑り易い特性がある為、折りたたみ傘は容易に取り出すことができる。
【0013】
以下に前記共袋を使用することで生じる不都合を解決する手段を示す。 前記共袋に雨で濡れた折りたたみ傘を収納すると、前記共袋の縫い目から雨水が漏れ出たり、前記共袋の布地から雨水が染み出たりする場合がある。 発明した収納袋付き折りたたみ傘は、雨で濡れた折りたたみ傘を収納袋に収納した場合であっても、濡れた傘布は遮水性を有する前記内袋に包み覆われた状態になる為、濡れた傘布から染み出た雨水が前記内袋の外部に漏れ出すことはない。
【0014】
前記共袋は、収納する折りたたみ傘より僅かに大きい程度の筒状袋体である為、折りたたみ傘の傘布を丁寧に折り畳まないと収納できない。 発明した収納袋付き折りたたみ傘は、前記内袋に袋口の広いポリ袋やビニール袋のような滑り易い材質の袋を使用する為、折りたたみ傘の傘布を丁寧に折り畳まなくても、スムーズに前記内袋に入れることができる。 前記外袋は伸縮性を有する袋である為、前記内袋に入れられた折りたたみ傘はスムーズに前記外袋に収納できる。 くわえて前記外袋の着圧で外側から内側に向かって押え付ける圧力が付与され、収納した折りたたみ傘の傘布と前記内袋、及び折り畳んだ傘布同士の隙間を無くすことができる。 傘布が丁寧に折り畳まれていない場合であっても、前記外袋より着圧が付与される為、折りたたみ傘は小さく纏めて収納できる。
【0015】
前記共袋は収納する折りたたみ傘より僅かに大きい程度の筒状袋体である為、折りたたみ傘を収納する時や取り出す時に、傘布と前記共袋が擦れて傘布の撥水加工が損傷して撥水性能が低下する。 発明した収納袋付き折りたたみ傘は、前記内袋に袋口の広いポリ袋やビニール袋のような滑り易い材質の袋を使用する為、折りたたみ傘を傘収納袋に入れる時や取り出す時に生じる傘布と前記内袋の擦れを低減できる。 前記内袋に入れた折りたたみ傘を前記外袋に収納する時は、折りたたみ傘が前記内袋に包み覆われた状態である為、傘布は擦れない。 これにより折りたたみ傘を傘収納袋に収納する時や取り出す時に生じる傘布の撥水加工の損傷を防ぐことができる。
【0016】
前記共袋は袋口を閉じることができない為、前記共袋に収納した折りたたみ傘を鞄に入れて持ち歩くと、収納した折りたたみ傘が前記共袋から滑り出る場合があり、滑り出た折りたたみ傘の露先やダボ、石突が鞄と擦れて鞄に傷が付くことがある。 発明した収納袋付き折りたたみ傘は、前記外袋に収納した折りたたみ傘の露先やダボ、石突は前記内袋に包み覆われている為、前記外袋から前記内袋に包み覆われた折りたたみ傘が滑り出た場合であっても鞄を傷付けることはない。
【0017】
前記共袋は傘布と同じ布地で縫製されている為、収納した折りたたみ傘を鞄に入れて持ち歩くと、収納した折りたたみ傘の傘布と前記共袋、及び収納した折りたたみ傘の折り畳んだ傘布同士が擦れて、傘布の撥水加工が損傷して撥水性能が低下する。 発明した収納袋付き折りたたみ傘は、収納した折りたたみ傘の傘布はポリ袋やビニール袋のような滑り易い材質の前記内袋に包み覆われた状態で前記外袋に収納される為、傘布の擦れを低減できる。 さらに前記外袋の着圧で前記内袋に包み覆われた折りたたみ傘に、外側から内側に向かって押え付ける圧力が付与され、収納した折りたたみ傘の傘布と前記内袋、及び収納した折りたたみ傘の折り畳んだ傘布同士の隙間を無くすことができる為、傘布の擦れを低減できる。 これにより折りたたみ傘を鞄に入れて持ち歩く時に生じる傘布の撥水加工の損傷を防ぐことができる。
【0018】
以下に吸水機能がある傘収納袋を使用することで生じる不都合を解決する手段を示す。 傘収納袋の内側にマイクロファイバー等を用いた吸水機能がある傘収納袋は、収納する折りたたみ傘より著しく大きくて重い為、持ち運ぶには不便である。 発明した収納袋付き折りたたみ傘は、前記内袋の中にキッチンペーパー等の吸水シートを折り畳んで入れることができる為、収納する折りたたみ傘と同程度の大きさで軽い傘収納袋を提供できる。 さらに前記内袋にコンビニやスーパー等で購入した商品を入れるレジ袋のような形状の持ち手の付いた袋を使用することで、雨で濡れた折りたたみ傘を鞄に入れずに、前記内袋の持ち手を持って、持ち運ぶことができるようになる。 濡れた折りたたみ傘を鞄に入れて持ち運ぶ必要が無くなる為、鞄の中に雨水が漏れ出す心配が不要になる。
【0019】
前記吸水機能がある傘収納袋は、雨で濡れた折りたたみ傘を傘収納袋に収納した後に、傘収納袋のマイクロファイバー等の吸水機能を有した布地から、生乾きの異臭がする場合がある。 発明した収納袋付き折りたたみ傘は、前記内袋の中にキッチンペーパー等の吸水性を有する吸水シートを入れることができる。 この吸水シートは、雨で濡れた折りたたみ傘を収納の都度、新しい吸水シートに交換できる為、生乾きの異臭の原因となる雑菌の繁殖を防ぐことができる。
【0020】
前記吸水機能がある傘収納袋は、汚れたり生乾きの匂いが染み付いたりした場合に洗濯機で洗うことができない。 発明した収納袋付き折りたたみ傘は、前記内袋にポリ袋やビニール袋のように安価で交換可能な袋を使用する。 前記内袋が汚れたり破れたりした場合に使用者は僅かな金銭の負担で、新しい前記内袋に交換できる。 前記外袋は一般的な水着やタイツ、靴下のような布地で製造されている為、汚れた場合は洗濯機で洗うことができる。
【0021】
前記吸水機能がある傘収納袋に、折りたたみ傘を収納して持ち歩くと、収納した折りたたみ傘の石突やダボ、露先、手元などの硬くて凹凸がある部分が、傘収納袋の内側にあるマイクロファイバー等の吸水機能を有した布地と擦れる為、マイクロファイバー等の吸水機能を有した布地が損傷する。 また収納した折りたたみ傘の傘布とマイクロファイバー等の吸水機能を有した布地が擦れて、マイクロファイバー等の吸水機能を有した布地の表面が擦り切れる場合もある。 これにより損傷したマイクロファイバー等の吸水機能を有した布地から擦り切れて抜け出た細かな繊維(糸くず)が、収納した折りたたみ傘の傘布に付着する為、傘布の撥水性能が低下する。 発明した収納袋付き折りたたみ傘は、 前記内袋にポリ袋やビニール袋のような滑り易い袋を使用する為、傘布と前記内袋が擦れた場合であっても、細かな繊維(糸くず)が傘布に付着することはない。
【0022】
前記吸水機能がある傘収納袋は、折りたたみ傘の傘布に撥水スプレーで撥水剤を塗布した折りたたみ傘を収納した場合に、マイクロファイバー等の吸水機能を有した布地で塗布した撥水剤が絡め取られる為、傘布の撥水性能が直ぐに低下する。 発明した収納袋付き折りたたみ傘は、傘布に撥水スプレーで撥水剤を塗布した折りたたみ傘を収納する場合であっても、前記内袋にポリ袋やビニール袋のような滑り易い袋を使用する為、収納した折りたたみ傘の傘布と前記内袋の擦れを低減できる。 傘布に撥水スプレーで塗布した撥水剤が前記内袋で絡め取られることが無い為、塗布した撥水剤の効果が長く保たれる。
【0023】
以下に既存の折りたたみ傘を使用することで生じる不都合を解決する手段を示す。 折りたたみ傘の手元は、主にプラスチックや金属、木材で製造されており、その表面は硬くて滑り易い為、手袋をして折りたたみ傘を開く時、閉じる時、持ち歩く時、収納する時に手元が滑り、取り扱いに苦労する。 近年は折りたたみ傘の手元に傘を開閉するボタンがある自動開閉機能を有する折りたたみ傘も多く使用されている。 この自動開閉機能を有する折りたたみ傘は、傘を開く時、閉じる時に、折りたたみ傘の手元を片手で握って、握った方の手で傘を開閉するボタンを押す操作をする為、手袋をしていると傘を開閉するボタンを押す時に、握った折りたたみ傘の手元が滑り、折りたたみ傘を濡れた地面に滑り落すこともある。 また中棒を縮める時は中棒に内蔵されているバネの押し縮められたバネが伸びようとする力に逆らって強い力で中棒を押し縮める必要があり、途中で手元が滑って手を放すと縮められたバネの力で手元が飛び出し、顔や身体に衝突して負傷する危険性がある。 発明した収納袋付き折りたたみ傘は、折りたたみ傘の手元の外周部に合成ゴム又は合成樹脂の素材をリング状に形成したリング状係止部材を装着して固定する為の周方向に伸びる溝状凹部が形成されている。 前記溝状凹部に装着する前記リング状係止部材は自分の傘を見つける為の目印及び滑り止め手段を施することを備える。
【0024】
滑り止め用のゴムや樹脂でコーティングされている折りたたみ傘の手元は、コーティングが劣化して剥がれた場合に、使用者は自分で容易にコーティングし直すことができない。 発明した収納袋付き折りたたみ傘は、前記溝状凹部に装着した前記リング状係止部材が劣化した場合に、使用者は自分で新しい前記リング状係止部材に交換できる。
【0025】
折りたたみ傘を電車やバスに忘れた時に、忘れ物を保管しているセンターに連絡しても、折りたたみ傘には特徴が少ない為、見つからない場合が多くある。 発明した収納袋付き折りたたみ傘の手元にある前記溝状凹部に装着する前記リング状係止部材は様々な色に彩色されており、使用者は自分の好みに合わせて色を選んで装着できる。 さらに前記リング状係止部材は暗い場所でも光る蓄光機能や光の刺激を受けて発光する蛍光機能を有することもできる。 装着した前記リング状係止部材が自分の傘を見つける目印になる為、自分の折りたたみ傘を容易に見つけることができる。 折りたたみ傘の手元に装着した前記リング状係止部材は、傘を閉じた状態で探せる目印である為、電車やバスなどに折りたたみ傘を忘れた場合にも、忘れた折りたたみ傘が見つかり易くなる。
【0026】
忘れ物を受け取る時に、遺失者本人しか知り得ない特徴を問われる場合があるが、折りたたみ傘に特徴が少ない為、応答に苦慮する。 発明した収納袋付き折りたたみ傘は手元にある前記溝状凹部の底面に名前を書いた紙を張り付けできるようになっている。 名前を書いた紙を前記溝状凹部の底面に貼り付けて、その上から名前を隠すように、前記リング状係止部材を装着する。 前記リング状係止部材の下に隠した名前は、忘れ物を受け取る時に必要な遺失者本人しか知り得ない特徴となる為、忘れ物をスムーズに受け取れる。 張り付けた紙に書いた名前を隠すことは、防犯対策にもなる。
【発明の効果】
【0027】
本発明の収納袋付き折りたたみ傘は、雨で濡れた傘布から染み出した雨水を遮水できる収納袋を付属した、手元が滑らない折りたたみ傘を提供すること。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の実施形態の前記内袋にレジ袋のような形状の持ち手の有る袋を使用した状態を示す説明図である。
図2】本発明の実施形態の前記内袋に持ち手の無い袋を使用した状態を示す説明図である。
図3】本発明の実施形態の前記内袋の袋口を折りたたみ傘の中棒に結び付けた状態を示す説明図である。
図4】本発明の実施形態の前記内袋の袋口を折りたたみ傘の中棒に巻き付けた状態を示す説明図である。
図5】本発明の実施形態の前記内袋の袋口を折りたたみ傘の手元の内部にある空間に格納した状態を示す説明図である
図6】本発明の実施形態の前記内袋の袋口を折りたたみ傘の手元の内部に格納して、水平に倒した状態を示す説明図である。
図7】本発明の実施形態の前記外袋の正面と、その前記外袋の断面(内面)を示す説明図である。
図8】本発明の実施形態の前記内袋に包み覆われた折りたたみ傘を前記外袋に収納した状態を示す説明図である。
図9】本発明の実施形態の前記内袋の持ち手を使用して収納した折りたたみ傘を持ち運べる状態を示す説明図である。
図10】本発明の実施形態の折りたたみ傘の手元を説明する正面図と断面図である。
図11】本発明の実施形態の折りたたみ傘の手元を説明する平面図と底面図である。
図12】本発明の実施形態の折りたたみ傘の手元に装着する前記リング状係止部材の説明図である。
図13】本発明の実施形態の折りたたみ傘の手元に前記リング状係止部材を装着した状態を示す説明図である。
図14】本発明の実施形態の前記外袋に収納した前記内袋に包み覆われた折りたたみ傘を取り出す手順を示す説明図である。
図15】本発明の実施形態の自動開閉機能を有する折りたたみ傘の手元に前記リング状係止部材を装着できることを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
添付図面を参照しつつ、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0030】
図1は前記内袋に持ち手の有る内袋(2a)を使用した状態を示す説明図である。 この持ち手の有る内袋(2a)はコンビニやスーパー等で購入した商品を入れるレジ袋と同様にマチがあり、袋口(4)を大きく広げることができる為、折りたたみ傘の傘布(1)を丁寧に折り畳まなくてもスムーズに前記持ち手の有る内袋(2a)へ入れることができる。 さらに前記持ち手の有る内袋(2a)には滑り易い特性があり、折りたたみ傘を収納する時に生じる折りたたみ傘の傘布(1)と前記持ち手の有る内袋(2a)の擦れを低減できる為、傘布(1)の撥水加工の損傷を防ぐことができる。
【0031】
図2は前記内袋に持ち手の無い内袋(2b)を使用した状態を示す説明図である。 この持ち手の無い内袋(2b)は、マチが無い袋であるが、袋口(4)を大きく広げることができる為、図1に示した前記持ち手の有る内袋(2a)と同様の効果が得られる。 前記内袋に使用する袋は持ち手の有無、マチの有無にかかわりなく、袋口の広い遮水性を有する袋を使用する。 前記内袋には厚さ0.01〜0.05ミリ程度の滑り易い材質のフィルムを溶着して製造した袋を使用するのが望ましい。 例えば、ポリ袋やビニール袋を前記内袋に使用できる。
【0032】
図3は前記内袋(2)の袋口を折りたたみ傘の中棒(3)に結び付けた状態を示す説明図である。 前記内袋(2)は、図1の前記持ち手の有る内袋(2a)又は図2の前記持ち手の無い内袋(2b)のいずれかを示す。 前記内袋(2)の袋口は折りたたみ傘の中棒(3)に袋口を閉じるように結ばれており、その結び目(4a)は、中棒(3)に固定される。
【0033】
図4は前記内袋(2)の袋口を折りたたみ傘の中棒(3)に巻き付けた状態を示す説明図である。 前記内袋(2)の袋口は折りたたみ傘の中棒(3)に袋口を閉じるように巻き付けて、その巻き付け部分(4b)は、中棒(3)に固定される。
【0034】
図5の(a)図面は前記内袋(2)の袋口が手元(5)の内部にある空間に格納された状態を示す正面図であり、(b)図面は(a)図面の手元(5)のA−A断面図である。 (b)図面の前記内袋(2)の袋口(4)は図3の袋口の結び目(4a)、又は図4の袋口の巻き付け部分(4b)のいずれかを示す。 図3及び図4の示す折りたたみ傘の中棒(3)を縮めることで、図5の(b)図面に示す手元内部の空間(15)に、図3の中棒(3)に結んだ前記内袋(2)の袋口の結び目(4a)、又は図4の中棒(3)に巻き付けた前記内袋(2)の袋口の巻き付け部分(4b)が図5の(b)図面に示す露先又はダボ(6)で押し詰められて格納される。 図5の(b)図面に示す手元内部の空間(15)に格納された前記内袋(2)の袋口(4)が中棒(3)に固定されて解けないように閉じられることを示す。 雨で濡れた折りたたみ傘の傘布(1)は前記内袋(2)に包み覆われた状態になり、濡れた傘布(1)から染み出た雨水が漏れ出すことを防止できる。 さらに前記内袋(2)の内部に吸水シート(7)を入れて、濡れた傘布(1)から染み出た雨水を入れた吸水シート(7)で吸水できる。 吸水シート(7)は雑菌が繁殖して生乾きの異臭がしないように、雨で濡れた折りたたみ傘を収納の都度、新しい吸水シート(7)に交換できる安価なものが望ましい。 例えば、キッチンペーパーを吸水シートに使用できる。
【0035】
図6の(a)図面は図5に示す前記内袋(2)に入れた折りたたみ傘を水平に倒した状態を示す正面図であり、(b)図面は(a)図面の手元(5)のB−B断面図である。 手元(5)の内部にある空間に隙間なく押し詰められた前記内袋(2)の袋口(4)は、水平に倒した前記内袋の下面(19)より上部に位置する為、前記内袋に収納した折りたたみ傘を水平に倒しても、濡れた傘布(1)から染み出した雨水が前記内袋(2)の外部に漏れ出すことはない。 折りたたみ傘の手元(5)は手元内部の空間(15)に押し詰められて格納された前記内袋(2)の袋口(4)で傘布(1)と隔てられる為、手元(5)が濡れた傘布(1)から染み出した雨水で濡れることはない。
【0036】
図7の(a)図面は前記外袋の正面図であり、(b)図面は(a)図面のC−C断面図である。 前記外袋(9)は伸び縮みする布地で製造されており、収納した前記内袋に包み覆われた折りたたみ傘に着圧を付与できる。 (b)図面は前記外袋(9)の内面に滑り止め用のゴムやシリコーン樹脂等(10)を貼り付けできることを示す。 前記外袋(9)の内面にゴムやシリコーン樹脂等(10)を貼り付けることで、図8の前記内袋(2)と前記外袋(9)が接する面の摩擦力を増大できる。 (b)図面は前記外袋(9)の内面の全ての領域に円形の滑り止め用のゴムやシリコーン樹脂等(10)を張り付けているが、前記内袋と前記外袋の材質や特性に合わせて、適切な摩擦力が得られるように張り付けるゴムやシリコーン樹脂の形状や張り付けする領域が(b)図面と異なる場合や滑り止め用のゴムやシリコーン樹脂等(10)の張り付けが不要になる場合もある。
【0037】
図8は前記内袋(2)に包まれた折りたたみ傘を前記外袋(9)に収納した状態を示す説明図である。 雨で濡れた折りたたみ傘の傘布(1)は、前記内袋(2)に包み覆われた状態で前記外袋(9)に収納され、前記内袋(2)が破れないように前記外袋(9)で保護される。 前記外袋(9)に収納された前記内袋(2)に包み覆われた折りたたみ傘は、前記外袋(9)の着圧により、傘布(1)と前記内袋(2)及び折り畳んだ傘布(1)同士の隙間を無くすことができる為、折りたたみ傘を鞄に入れて持ち運ぶ時に生じる傘布(1)の擦れを低減し、傘布(1)の撥水加工の損傷を防ぐことができる。 収納袋に収納した折りたたみ傘を鞄に入れて持ち運ぶ時に、前記外袋(9)から前記内袋(2)に包まれた折りたたみ傘が鞄の中に滑り出た場合であっても、折りたたみ傘の露先やダボ(6)、石突(8)は前記内袋(2)に包み覆われている為、入れた鞄が傷付けられることを防止できる。
【0038】
図9は前記持ち手の有る内袋(2a)を使用して、雨で濡れた折りたたみ傘を鞄に入れずに持ち運べることを示す説明図である。 雨で濡れた折りたたみ傘を前記持ち手の有る内袋(2a)に入れて、袋口(4)を折りたたみ傘の手元(5)の内部にある空間に格納せずに、袋口(4)を開いた状態で、前記外袋(9)に収納した状態を示す。 前記持ち手の有る内袋(2a)の持ち手(11)が、前記外袋(9)の外に出た状態で折りたたみ傘が収納される為、前記外袋(9)の外に出た前記持ち手の有る内袋(2a)の持ち手(11)を手で持って、収納した折りたたみ傘を持ち運ぶことができる。 雨で濡れた折りたたみ傘を鞄に入れる必要が無くなり、鞄の中に傘布(1)から染み出した雨水が漏れ出す心配が不要になる。
【0039】
図10の(a)図面は折りたたみ傘の手元(5)の正面図であり、(b)図面は(a)図面のD−D断面図である。 手元(5)の外周部に弾性を有する前記リング状係止部材を装着して固定する前記溝状凹部(12)が形成されており、前記溝状凹部(12)の底面に名前を書いた紙(13)を張り付けることができる。 (b)図面の手元内部の空間(15)は、図3に示す前記内袋の袋口の結び目(4a)、又は図4に示す前記内袋の袋口の巻き付け部分(4b)を露先又はダボで押し詰めて隙間がないように格納できる適切な大きさに形成されている。 手元内部の空間(15)は、格納した前記内袋の袋口の損傷を防ぐ為にストラップを取り付ける穴や凹凸のある部品などが取り付けられていないことを示す。 手元開口部の先端(16)は格納した前記内袋の損傷を防ぐ為に角の無い半円状に形成されている。
【0040】
折りたたみ傘の石突がある方向を下方向として表現し、手元がある方向を上方向として表現して手元(5)を説明する。 図11の(a)図面は上方向から見た手元(5)の平面図であり、(b)図面は石突がある下方向から見た手元(5)の底面図である。 手元(5)は下方向に開口部がある有底筒状に形成され、開口部の中央に中棒(3)が有ることを示す。
【0041】
図12図10の(a)図面の折りたたみ傘の手元(5)の外周部に形成された前記溝状凹部(12)に装着する前記リング状係止部材の説明図である。 図12の(a)図面は前記リング状係止部材(14)の正面図であり、(b)図面は前記リング状係止部材(14)の平面図であり、(c)図面は(a)図面のE―E断面図である。 前記リング状係止部材(14)は弾性を有する材質で製造されており、折りたたみ傘の手元の外周部に形成された前記溝状凹部に装着して固定できる適切な大きさに形成され、赤色、青色、緑色など様々な色に彩色されている。 さらに前記リング状係止部材は暗い場所でも光る蓄光機能や光の刺激を受けて発光する蛍光機能を有することもできる。
【0042】
図13の(a)図面は折りたたみ傘の手元(5)の外周部に形成された前記溝状凹部(12)に図12の前記リング状係止部材(14)を装着した状態を示す正面図であり、(b)図面は(a)図面のF−F断面図である。 赤色に彩色された前記リング状係止部材(14a)と青色に彩色された前記リング状係止部材(14b)を手元(5)の外周部に形成された前記溝状凹部(12)に装着した状態を示す。 様々な色に彩色された前記リング状係止部材を組み合せて、自分好みの目印を作成できる。 手元(5)の前記溝状凹部(12)の底面に貼り付けた名前を書いた紙(13)の上から前記リング状係止部材を装着して、貼り付けた名前を書いた紙(13)を隠すことができる。
【0043】
図14は前記外袋(9)に収納した前記内袋(2)に包まれた折りたたみ傘を取り出す手順を示す説明図である。 前記内袋(2)にはポリ袋やビニール袋のような滑り易い材質の袋を使用して、前記外袋(9)には前記内袋(2)より滑りにくい材質の袋を使用する。 くわえて前記内袋(2)より伸縮率が高い前記外袋(9)を使用することで得られる前記外袋(9)の着圧で外側から内側に向かって押え付ける圧力が付与される。 これにより、収納した折りたたみ傘の傘布(1)と前記内袋(2)が接する面、及び前記内袋(2)と前記外袋(9)が接する面は隙間が無くなるように密着された状態となり、2つの面に摩擦力の差異が生じる。 傘布(1)と前記内袋(2)が接する面は前記内袋(2)と前記外袋(9)が接する面より摩擦力が小さくて滑り易い状態が維持される。 比べて前記内袋(2)と前記外袋(9)が接する面は傘布(1)と前記内袋(2)が接する面より摩擦力が大きく滑りにくい状態が維持される。 この2つの面の摩擦力の差異により、滑りにくい面で接する前記内袋(2)と前記外袋(9)は、1つの袋のように機能する。 さらに図7に示すとおり、前記外袋(9)の内面に滑り止め用のゴムやシリコーン樹脂等を張り付けて前記内袋(2)と前記外袋(9)が接する面の摩擦力を増大させることもできる。 収納した折りたたみ傘を取り出す場合は、前記外袋(9)に収納された前記内袋(2)の袋口(4)を開いた後に、前記外袋(9)の袋口に近い側面部分を横方向から手で握って、その握った部分を押し下げると、前記内袋(2)の袋口(4)も前記外袋(9)と一緒に押し下げられる。 これにより収納した折りたたみ傘の手元(5)は、前記内袋(2)の外に出る。 次に前記内袋(2)の外に出た手元(5)を、もう一方の手で持って、刀を鞘から引き抜くように、折りたたみ傘を収納袋から取り出すことができる。 収納した折りたたみ傘と接する前記内袋(2)には滑り易い特性がある為、折りたたみ傘は容易に取り出すことができる。
【0044】
図15の(a)図面は自動開閉機能を有する折りたたみ傘の手元(17)の正面図であり、(b)図面は自動開閉機能を有する折りたたみ傘の手元(17)に、図12の前記リング状係止部材(14)を装着できることを示す説明図である。 自動開閉機能を有する折りたたみ傘の手元(17)の外周部に前記リング状係止部材を装着して固定する前記溝状凹部(12)が形成されており、前記溝状凹部(12)の底面に名前を書いた紙(13)を張り付けることができる。 (b)図面は自動開閉機能を有する折りたたみ傘の手元(17)の外周部に形成された前記溝状凹部(12)に、赤色に彩色された前記リング状係止部材(14a)と青色に彩色された前記リング状係止部材(14b)を装着した状態を示す正面図である。 様々な色に彩色された前記リング状係止部材を組み合せて、自分好みの目印を作成できる。 前記溝状凹部(12)の底面に貼り付けた名前を書いた紙(13)の上から前記リング状係止部材を装着して、貼り付けた名前を書いた紙(13)を隠すことができる。 自動開閉機能を有する折りたたみ傘は、傘を開く時、閉じる時に、自動開閉機能を有する折りたたみ傘の手元(17)を片手で握って、握った方の手で傘を開閉する自動開閉ボタン(18)を押す操作をする為、手袋をしていると自動開閉ボタン(18)を押す時に、握った自動開閉機能を有する折りたたみ傘の手元(17)が滑り、折りたたみ傘を雨で濡れた地面に滑り落すこともある。 自動開閉機能を有する折りたたみ傘の手元(17)の外周部に形成された前記溝状凹部(12)に、前記リング状係止部材を装着することで、手袋をしても滑らずに自動開閉ボタン(18)を操作できるようになる。
【0045】
尚、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0046】
伸び縮みする布地で遮水することは困難であり、伸び縮みする布地で遮水できる傘収納袋は提供されていない。 本発明は破れた時に新しいものに交換できるポリ袋やビニール袋のような遮水性を有する袋と、汚れた時に洗濯機で洗うことができる水着やタイツ、靴下のような伸び縮みする布地で製造された袋を重ね合わせることで解決している。 傘収納袋に吸水機能が必要な場合は、安価で使い捨てできるキッチンペーパー等を利用できる。 使用者に僅かな金銭の負担で伸び縮みする布地で遮水できる傘収納袋を提供できる。
【0047】
折りたたみ傘の手元は、主にプラスチックや金属、木材で製造されており、その表面は硬くて滑り易い為、手袋をして使用すると滑り落すことがある。 本発明は折りたたみ傘の手元に、滑り止め手段を施することを備えるリング状の部材を装着できる為、手袋をしても滑らずに使用できる折りたたみ傘を提供できる。 自動開閉機能を有する折りたたみ傘を収納する時に手元が滑って、折りたたみ傘の手元の先端が顔や身体に衝突して負傷する事故を防ぐ効果も期待できる。
【0048】
傘は忘れ物の定番であるが、特徴が少ない為、持ち主の特定が難しく、多くの傘が捨てられている。 本発明は折りたたみ傘の手元に、自分の傘を見つける為の目印手段を施することを備えるリング状の部材を装着できる。 この手元に装着したリング状の部材は、傘を閉じた状態でも見つけ易い目印になる為、忘れ物を保管しているセンターに手元に装着したリング状の部材の特徴を伝えるだけで、見つかり易くなる。 忘れ物の所有者が見つからずに捨てられる傘を減らす効果が期待できる。
【符号の説明】
【0049】
1 傘布
2 内袋
2a 持ち手の有る内袋
2b 持ち手の無い内袋
3 中棒
4 内袋の袋口
4a 内袋の袋口の結び目
4b 内袋の袋口の巻き付け部分
5 手元
6 露先又はダボ
7 吸水シート
8 石突
9 外袋
10 滑り止め用のゴムやシリコーン樹脂等
11 内袋の持ち手
12 溝状凹部
13 名前を書いた紙
14 リング状係止部材
14a 赤色に彩色されたリング状係止部材
14b 青色に彩色されたリング状係止部材
15 手元内部の空間
16 手元開口部の先端
17 自動開閉機能を有する折りたたみ傘の手元
18 自動開閉機能を有する折りたたみ傘の自動開閉ボタン
19 水平に倒した内袋の下面
【要約】
【課題】雨で濡れた折りたたみ傘を遮水して収納し、収納した折りたたみ傘の傘布の撥水加工の損傷を防ぐことができる収納袋付き折りたたみ傘を提供すること。 傘収納袋に折りたたみ傘を収納する時、傘収納袋から折りたたみ傘を取り出す時に手元が滑らないように工夫した収納袋付き折りたたみ傘を提供すること。
【解決手段】本発明の収納袋付き折りたたみ傘は、滑り易い材質で製造された遮水性を有する内袋と、伸び縮みする布地で製造された伸縮性を有する外袋を重ね合わせた2重構造であり、折りたたみ傘は前記内袋に包み覆われた状態で前記外袋に収納され、前記内袋の袋口を折りたたみ傘の手元の内部にある空間に格納して袋口を閉じることができる。 くわえて折りたたみ傘の手元に自分の傘を見つける為の目印及び滑り止め手段を施することを備えるリング状の部材を装着できることを特徴とする。
【選択図】図8
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15