【課題を解決するための手段】
【0008】
発明した収納袋付き折りたたみ傘の収納袋は、収納した折りたたみ傘の傘布と接する内袋と、その内袋を収納する外袋を重ね合わせた2重構造である。 前記内袋には袋口が広いポリ袋やビニール袋のような滑り易い材質で製造された遮水性を有する袋を使用する。 前記外袋には水着やタイツ、靴下のような伸び縮みする布地で製造された伸縮性を有する袋を使用する。
【0009】
発明した収納袋付き折りたたみ傘を収納袋に収納する手順を説明する。 始めに折りたたみ傘の手元部分を手で持って、折りたたみ傘の石突の方向から前記内袋に入れる。 前記内袋に入れた折りたたみ傘の状態を、前記内袋の底面を下方向として表現し、前記内袋の袋口を上方向として表現して説明すると、下方向に折りたたみ傘の石突があり、上方向に折りたたみ傘の手元がある状態で、入れた折りたたみ傘の傘布は前記内袋に包み覆われている。 次に前記内袋に入れた折りたたみ傘を石突がある前記内袋の下方向から前記外袋に入れる。 これにより折りたたみ傘は前記内袋に包み覆われた状態で前記外袋に収納される。 前記外袋に収納された前記内袋は、前記外袋に包み覆われた状態となり、前記内袋が破れないように前記外袋で保護される。
【0010】
発明した収納袋付き折りたたみ傘の前記内袋と前記外袋が1つの袋のように機能することを説明する。 前記内袋にはポリ袋やビニール袋のような滑り易い材質の袋を使用して、前記外袋には前記内袋より滑りにくい材質の袋を使用する。 くわえて伸縮性を有する前記外袋の着圧で外側から内側に向かって押え付ける圧力が付与される。 これにより、収納した折りたたみ傘の傘布と前記内袋が接する面、及び前記内袋と前記外袋が接する面は隙間が無くなるように密着された状態となり、2つの面に摩擦力の差異が生じる。 傘布と前記内袋が接する面は前記内袋と前記外袋が接する面より摩擦力が小さくて滑り易い状態が維持される。 比べて前記内袋と前記外袋が接する面は傘布と前記内袋が接する面の摩擦力より大きく滑りにくい状態が維持される。 前記外袋の袋口に近い側面部分を横方向から手で握って、その握った部分を押し下げると前記内袋も一緒に押し下げられ、前記外袋を押し上げると同様に前記内袋も押し上げられる。 傘布と前記内袋が接する面より、前記内袋と前記外袋が接する面が滑りにくい為、前記内袋と前記外袋は1つの袋のように機能する。 さらに前記外袋の内側に滑り止め用のゴムやシリコーン樹脂等を張り付けて前記内袋と前記外袋が接する面の摩擦力を増大させることもできる。
【0011】
発明した収納袋付き折りたたみ傘の手元の内部に前記内袋の袋口を格納して、傘布から染み出した雨水が漏れ出ないようにできることを説明する。 前記共袋に雨で濡れた折りたたみ傘を収納して水平に倒すと、前記共袋の袋口から雨水が漏れ出る場合がある。 漏れ出た雨水で収納した折りたたみ傘の手元が濡れる場合もある。 濡れた折りたたみ傘の手元を手で握って、折りたたみ傘を取り扱うことは不快であり、折りたたみ傘を滑り落す原因にもなる。 発明した収納袋付き折りたたみ傘は、折りたたみ傘を前記内袋に入れて、前記内袋の袋口を折りたたみ傘の中棒に袋口を閉じるように結ぶ、又は中棒に袋口を閉じるように巻き付ける。 手元の内部には中棒に結んだ前記内袋の結び目、又は中棒に巻き付けた前記内袋の巻き付け部分を露先又はダボで押し詰めて格納できる程度の空間が形成されている。 次に、この手元内部の空間に中棒に結んだ前記内袋の結び目、又は中棒に巻き付けた前記内袋の巻き付け部分を入れて詰め込むように中棒を縮める。 中棒を縮めることで、折りたたみ傘の手元内部の空間に、中棒に結んだ前記内袋の結び目、又は中棒に巻き付けた前記内袋の巻き付け部分が露先又はダボで隙間が無くなるように押し詰められて格納される。 これにより、隙間なく押し詰められた前記内袋の袋口は、中棒に固定された状態で格納された折りたたみ傘の露先又はダボに押さえ付けられて解けないように閉じられる。 雨で濡れた折りたたみ傘の傘布は前記内袋に包み覆われた状態で、前記内袋の袋口が中棒に固定され解けないように閉じられる為、濡れた折りたたみ傘を収納袋に収納して水平に倒しても、前記内袋の袋口から雨水が漏れ出ないようにできる。 収納した折りたたみ傘の手元は濡れた傘布と前記内袋で隔てられる為、傘布から染み出した雨水で折りたたみ傘の手元が濡れることはない。
【0012】
発明した収納袋付き折りたたみ傘を収納袋から取り出す手順を説明する。 始めに前記外袋に収納されている前記内袋の袋口が折りたたみ傘の手元内部の空間に格納されている場合は、手元を指先でつまんで中棒を伸ばして、中棒に結んだ前記内袋の結び目、又は中棒に巻き付けた前記内袋の巻き付け部分を解いて袋口を開く。 次に前記外袋の袋口に近い側面部分を横方向から手で握って、その握った部分を押し下げる。 前記内袋と前記外袋は接する面の摩擦力により1つの袋のように機能する為、前記内袋の袋口も前記外袋と一緒に押し下げられる。 これにより収納した折りたたみ傘の手元は、前記内袋の外に出る。 次に前記内袋の外に出た手元を、もう一方の手で持って、刀を鞘から引き抜くように、折りたたみ傘を収納袋から取り出すことができる。 収納した折りたたみ傘と接する前記内袋には滑り易い特性がある為、折りたたみ傘は容易に取り出すことができる。
【0013】
以下に前記共袋を使用することで生じる不都合を解決する手段を示す。 前記共袋に雨で濡れた折りたたみ傘を収納すると、前記共袋の縫い目から雨水が漏れ出たり、前記共袋の布地から雨水が染み出たりする場合がある。 発明した収納袋付き折りたたみ傘は、雨で濡れた折りたたみ傘を収納袋に収納した場合であっても、濡れた傘布は遮水性を有する前記内袋に包み覆われた状態になる為、濡れた傘布から染み出た雨水が前記内袋の外部に漏れ出すことはない。
【0014】
前記共袋は、収納する折りたたみ傘より僅かに大きい程度の筒状袋体である為、折りたたみ傘の傘布を丁寧に折り畳まないと収納できない。 発明した収納袋付き折りたたみ傘は、前記内袋に袋口の広いポリ袋やビニール袋のような滑り易い材質の袋を使用する為、折りたたみ傘の傘布を丁寧に折り畳まなくても、スムーズに前記内袋に入れることができる。 前記外袋は伸縮性を有する袋である為、前記内袋に入れられた折りたたみ傘はスムーズに前記外袋に収納できる。 くわえて前記外袋の着圧で外側から内側に向かって押え付ける圧力が付与され、収納した折りたたみ傘の傘布と前記内袋、及び折り畳んだ傘布同士の隙間を無くすことができる。 傘布が丁寧に折り畳まれていない場合であっても、前記外袋より着圧が付与される為、折りたたみ傘は小さく纏めて収納できる。
【0015】
前記共袋は収納する折りたたみ傘より僅かに大きい程度の筒状袋体である為、折りたたみ傘を収納する時や取り出す時に、傘布と前記共袋が擦れて傘布の撥水加工が損傷して撥水性能が低下する。 発明した収納袋付き折りたたみ傘は、前記内袋に袋口の広いポリ袋やビニール袋のような滑り易い材質の袋を使用する為、折りたたみ傘を傘収納袋に入れる時や取り出す時に生じる傘布と前記内袋の擦れを低減できる。 前記内袋に入れた折りたたみ傘を前記外袋に収納する時は、折りたたみ傘が前記内袋に包み覆われた状態である為、傘布は擦れない。 これにより折りたたみ傘を傘収納袋に収納する時や取り出す時に生じる傘布の撥水加工の損傷を防ぐことができる。
【0016】
前記共袋は袋口を閉じることができない為、前記共袋に収納した折りたたみ傘を鞄に入れて持ち歩くと、収納した折りたたみ傘が前記共袋から滑り出る場合があり、滑り出た折りたたみ傘の露先やダボ、石突が鞄と擦れて鞄に傷が付くことがある。 発明した収納袋付き折りたたみ傘は、前記外袋に収納した折りたたみ傘の露先やダボ、石突は前記内袋に包み覆われている為、前記外袋から前記内袋に包み覆われた折りたたみ傘が滑り出た場合であっても鞄を傷付けることはない。
【0017】
前記共袋は傘布と同じ布地で縫製されている為、収納した折りたたみ傘を鞄に入れて持ち歩くと、収納した折りたたみ傘の傘布と前記共袋、及び収納した折りたたみ傘の折り畳んだ傘布同士が擦れて、傘布の撥水加工が損傷して撥水性能が低下する。 発明した収納袋付き折りたたみ傘は、収納した折りたたみ傘の傘布はポリ袋やビニール袋のような滑り易い材質の前記内袋に包み覆われた状態で前記外袋に収納される為、傘布の擦れを低減できる。 さらに前記外袋の着圧で前記内袋に包み覆われた折りたたみ傘に、外側から内側に向かって押え付ける圧力が付与され、収納した折りたたみ傘の傘布と前記内袋、及び収納した折りたたみ傘の折り畳んだ傘布同士の隙間を無くすことができる為、傘布の擦れを低減できる。 これにより折りたたみ傘を鞄に入れて持ち歩く時に生じる傘布の撥水加工の損傷を防ぐことができる。
【0018】
以下に吸水機能がある傘収納袋を使用することで生じる不都合を解決する手段を示す。 傘収納袋の内側にマイクロファイバー等を用いた吸水機能がある傘収納袋は、収納する折りたたみ傘より著しく大きくて重い為、持ち運ぶには不便である。 発明した収納袋付き折りたたみ傘は、前記内袋の中にキッチンペーパー等の吸水シートを折り畳んで入れることができる為、収納する折りたたみ傘と同程度の大きさで軽い傘収納袋を提供できる。 さらに前記内袋にコンビニやスーパー等で購入した商品を入れるレジ袋のような形状の持ち手の付いた袋を使用することで、雨で濡れた折りたたみ傘を鞄に入れずに、前記内袋の持ち手を持って、持ち運ぶことができるようになる。 濡れた折りたたみ傘を鞄に入れて持ち運ぶ必要が無くなる為、鞄の中に雨水が漏れ出す心配が不要になる。
【0019】
前記吸水機能がある傘収納袋は、雨で濡れた折りたたみ傘を傘収納袋に収納した後に、傘収納袋のマイクロファイバー等の吸水機能を有した布地から、生乾きの異臭がする場合がある。 発明した収納袋付き折りたたみ傘は、前記内袋の中にキッチンペーパー等の吸水性を有する吸水シートを入れることができる。 この吸水シートは、雨で濡れた折りたたみ傘を収納の都度、新しい吸水シートに交換できる為、生乾きの異臭の原因となる雑菌の繁殖を防ぐことができる。
【0020】
前記吸水機能がある傘収納袋は、汚れたり生乾きの匂いが染み付いたりした場合に洗濯機で洗うことができない。 発明した収納袋付き折りたたみ傘は、前記内袋にポリ袋やビニール袋のように安価で交換可能な袋を使用する。 前記内袋が汚れたり破れたりした場合に使用者は僅かな金銭の負担で、新しい前記内袋に交換できる。 前記外袋は一般的な水着やタイツ、靴下のような布地で製造されている為、汚れた場合は洗濯機で洗うことができる。
【0021】
前記吸水機能がある傘収納袋に、折りたたみ傘を収納して持ち歩くと、収納した折りたたみ傘の石突やダボ、露先、手元などの硬くて凹凸がある部分が、傘収納袋の内側にあるマイクロファイバー等の吸水機能を有した布地と擦れる為、マイクロファイバー等の吸水機能を有した布地が損傷する。 また収納した折りたたみ傘の傘布とマイクロファイバー等の吸水機能を有した布地が擦れて、マイクロファイバー等の吸水機能を有した布地の表面が擦り切れる場合もある。 これにより損傷したマイクロファイバー等の吸水機能を有した布地から擦り切れて抜け出た細かな繊維(糸くず)が、収納した折りたたみ傘の傘布に付着する為、傘布の撥水性能が低下する。 発明した収納袋付き折りたたみ傘は、 前記内袋にポリ袋やビニール袋のような滑り易い袋を使用する為、傘布と前記内袋が擦れた場合であっても、細かな繊維(糸くず)が傘布に付着することはない。
【0022】
前記吸水機能がある傘収納袋は、折りたたみ傘の傘布に撥水スプレーで撥水剤を塗布した折りたたみ傘を収納した場合に、マイクロファイバー等の吸水機能を有した布地で塗布した撥水剤が絡め取られる為、傘布の撥水性能が直ぐに低下する。 発明した収納袋付き折りたたみ傘は、傘布に撥水スプレーで撥水剤を塗布した折りたたみ傘を収納する場合であっても、前記内袋にポリ袋やビニール袋のような滑り易い袋を使用する為、収納した折りたたみ傘の傘布と前記内袋の擦れを低減できる。 傘布に撥水スプレーで塗布した撥水剤が前記内袋で絡め取られることが無い為、塗布した撥水剤の効果が長く保たれる。
【0023】
以下に既存の折りたたみ傘を使用することで生じる不都合を解決する手段を示す。 折りたたみ傘の手元は、主にプラスチックや金属、木材で製造されており、その表面は硬くて滑り易い為、手袋をして折りたたみ傘を開く時、閉じる時、持ち歩く時、収納する時に手元が滑り、取り扱いに苦労する。 近年は折りたたみ傘の手元に傘を開閉するボタンがある自動開閉機能を有する折りたたみ傘も多く使用されている。 この自動開閉機能を有する折りたたみ傘は、傘を開く時、閉じる時に、折りたたみ傘の手元を片手で握って、握った方の手で傘を開閉するボタンを押す操作をする為、手袋をしていると傘を開閉するボタンを押す時に、握った折りたたみ傘の手元が滑り、折りたたみ傘を濡れた地面に滑り落すこともある。 また中棒を縮める時は中棒に内蔵されているバネの押し縮められたバネが伸びようとする力に逆らって強い力で中棒を押し縮める必要があり、途中で手元が滑って手を放すと縮められたバネの力で手元が飛び出し、顔や身体に衝突して負傷する危険性がある。 発明した収納袋付き折りたたみ傘は、折りたたみ傘の手元の外周部に合成ゴム又は合成樹脂の素材をリング状に形成したリング状係止部材を装着して固定する為の周方向に伸びる溝状凹部が形成されている。 前記溝状凹部に装着する前記リング状係止部材は自分の傘を見つける為の目印及び滑り止め手段を施することを備える。
【0024】
滑り止め用のゴムや樹脂でコーティングされている折りたたみ傘の手元は、コーティングが劣化して剥がれた場合に、使用者は自分で容易にコーティングし直すことができない。 発明した収納袋付き折りたたみ傘は、前記溝状凹部に装着した前記リング状係止部材が劣化した場合に、使用者は自分で新しい前記リング状係止部材に交換できる。
【0025】
折りたたみ傘を電車やバスに忘れた時に、忘れ物を保管しているセンターに連絡しても、折りたたみ傘には特徴が少ない為、見つからない場合が多くある。 発明した収納袋付き折りたたみ傘の手元にある前記溝状凹部に装着する前記リング状係止部材は様々な色に彩色されており、使用者は自分の好みに合わせて色を選んで装着できる。 さらに前記リング状係止部材は暗い場所でも光る蓄光機能や光の刺激を受けて発光する蛍光機能を有することもできる。 装着した前記リング状係止部材が自分の傘を見つける目印になる為、自分の折りたたみ傘を容易に見つけることができる。 折りたたみ傘の手元に装着した前記リング状係止部材は、傘を閉じた状態で探せる目印である為、電車やバスなどに折りたたみ傘を忘れた場合にも、忘れた折りたたみ傘が見つかり易くなる。
【0026】
忘れ物を受け取る時に、遺失者本人しか知り得ない特徴を問われる場合があるが、折りたたみ傘に特徴が少ない為、応答に苦慮する。 発明した収納袋付き折りたたみ傘は手元にある前記溝状凹部の底面に名前を書いた紙を張り付けできるようになっている。 名前を書いた紙を前記溝状凹部の底面に貼り付けて、その上から名前を隠すように、前記リング状係止部材を装着する。 前記リング状係止部材の下に隠した名前は、忘れ物を受け取る時に必要な遺失者本人しか知り得ない特徴となる為、忘れ物をスムーズに受け取れる。 張り付けた紙に書いた名前を隠すことは、防犯対策にもなる。