(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献3に開示されたディスプレイフックは、ディスプレイパネルにしっかり固定することは容易ではなく、横方向にはディスプレイフックとディスプレイパネルの厚み分しか保持する形状部がないことから、取り付けられたディスプレイフックはぐらぐらして不安定になる。また、先行技術文献3に示した形状では、ディスプレイフックに下側からの負荷がかかると、ディスプレイフックが上方に浮き上がって、ディスプレイパネルからはずれてしまう可能性がある。
【0007】
また、近年、物品吊下げ用のディスプレイセットでは、従来、ボードが合紙でディスプレイフックがプラスチック製のものが主流であるが、ごみとして処分する場合に分別が必要となり取扱いが煩雑である。また、プラスチック製のディスプレイフックは、マイクロプラスチックによる海洋汚染や地球温暖化など環境問題の観点から、脱プラスチックが重要視されており、ディスプレイフックとディスプレイパネルをともに紙材料等の強度が弱い材料で平板状に構成する必要性が高まっている。
【0008】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、ディスプレイフック本体の基端部と、係止部材が、平板状に形成されていても、ディスプレイパネルに安定的に取り付けることが可能な
ディスプレイセットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
(1)本発明の第1態様は、パネル本体に長穴部を有し厚さ方向に貫通するフック取付穴が形成されたディスプレイパネルに取付けられてディスプレイセットを構成するディスプレイフックであって、対象物を保持するフック本体部と、平板状に形成され前記フック本体部の基端側に接続され前記ディスプレイパネルに取付けられる基端部と、を有するディスプレイフック本体と、平板状に形成され前記基端部と係合して前記ディスプレイフック本体を前記ディスプレイパネルに装着する係止部材と、を備え、前記基端部及び前記係止部材は、前記フック取付穴に挿入された状態で前記ディスプレイパネルを支持するとともに前記基端部の面及び前記係止部材の面は前記ディスプレイパネルの面と直交して配置され、かつ前記ディスプレイパネルの厚さ方向の軸線に沿って見たときに、前記基端部の面と前記係止部材の面は互いに交差して配置されていることを特徴とする。
【0010】
この発明に係るディスプレイフックによれば、ディスプレイフック本体の基端部及び係止部材が、フック取付穴に挿入された状態でディスプレイパネルを支持するとともに基端部の面及び係止部材の面がディスプレイパネルの面と直交して配置され、かつディスプレイパネルの厚さ方向の軸線に沿って見たときに、基端部の面と係止部材の面は互いに交差(例えば、互いに直交)して配置されているので、ディスプレイパネル、基端部、係止部材が、互いの面に対して面外変形(面と直交する方向の変形)を抑制するように支え合い、基端部と係止部材を組み合わせた強度が向上するとともに、ディスプレイフックがディスプレイパネルにしっかりと固定される。
その結果、ディスプレイフック本体の基端部と、係止部材が、平板状に形成されていても、ディスプレイパネルに安定的に取り付けることができる。
【0011】
ここで、フック本体部の構成は、平板状、丸棒、多角形の棒状、J字形、U字形、基端部と一体に形成された凹部等、任意に設定してもよい。
また、フック本体部と基端部を一体とするか別々に形成したものを連結して接続するかや、フック本体部、基端部、係止部材を同材料で形成するか異なる材料で形成するかについては任意に設定してもよい。
また、フック本体部の基端側は、対象物を保持する部分以外であれば任意に設定してもよい。具体的には、対象物の保持(例えば、吊り掛け)に支障が生じない部位に任意に設定してもよく、長尺な形状の端部、J字形、U字形等の端部や軸の周面であってもよいし、基端部と一体に形成された保持部(例えば、吊掛凹部)の周縁部等とされてもよい。
【0012】
(2)上記(1)項に記載のディスプレイフックは、前記基端部と前記係止部材のいずれか一方が、前記ディスプレイパネルの厚さ方向における一方側の面から挿入されて前記ディスプレイパネルの厚さ方向に沿った軸線の周りに回動された状態で、前記ディスプレイパネルの一方側に配置される第1壁部と、前記第1壁部の他方側に形成され前記ディスプレイパネルの一方側の面を支持する第1支持部と、前記ディスプレイパネルの他方側に配置される第2壁部と、前記第2壁部の一方側に形成され前記ディスプレイパネルの他方側の面を支持する第2支持部と、前記第1壁部と前記第2壁部とを連結する第1連結部と、前記第2壁部の他方側に開口する第1係合部と、を有し、前記基端部と前記係止部材の他方は、前記ディスプレイパネルの他方側の面から挿入された状態で、前記ディスプレイパネルの一方側に配置される第3壁部と、前記第3壁部の他方側に形成され前記ディスプレイパネルの一方側の面を支持する第3支持部と、前記第3支持部と接続され前記第3支持部を変位させる弾性変形部と、前記ディスプレイパネルの他方側に配置される第4壁部と、前記第4壁部の一方側に形成され前記ディスプレイパネルの他方側の面を支持する第4支持部と、前記第3壁部と前記第4壁部とを連結する第2連結部と、前記第3壁部の一方側に開口し、前記ディスプレイパネルの厚さ方向の軸線に沿って見たときに前記第2壁部と交差する向きに前記第1係合部と係合する第2係合部と、を有していてもよい。
【0013】
この発明に係るディスプレイフックによれば、基端部と係止部材のいずれか一方が、ディスプレイパネルの厚さ方向の一方側の面から挿入されてディスプレイパネルを厚さ方向に横切るとともに、軸線の周りに回動されてフック取付穴の長手方向と交差する位置で、第1壁部に形成された第1支持部がディスプレイパネルの一方側の面を支持し、第2壁部に形成された第2支持部がディスプレイパネルの他方側の面を支持する。また、基端部と係止部材の他方が、第3壁部に形成された第3支持部が弾性変形部により変位されてディスプレイパネルの他方側の面から挿入されて、第3支持部がディスプレイパネルの一方側の面を支持し、第4壁部に形成された第4支持部がディスプレイパネルの他方側の面を支持する。また、その状態で、第1係合部と第2係合部が、ディスプレイパネルの厚さ方向の軸線に沿って見たときに交差する向きに係合するので、ディスプレイフックがディスプレイパネルに容易かつしっかりと取り付けられる。
その結果、ディスプレイフックをディスプレイパネルに容易かつ安定的に取り付けることができる。
【0014】
ここで、ディスプレイパネルの一方側と他方側のいずれの面をディスプレイセットの表面(ディスプレイ本体が位置される側の面)とするかは任意に設定することができる。
【0015】
(3)上記(2)項に記載のディスプレイフックは、前記第1壁部に形成され、厚さ方向に貫通する係止穴と、前記第3壁部に形成され、前記係止穴と係合する係合突部と、前記係合突部の位置を変位させる係合突部弾性変形部と、を備えていてもよい。
【0016】
この発明に係るディスプレイフックによれば、第1壁部に係止穴が形成され、第3壁部に係止穴と係合する係合突部が形成され、係合突部弾性変形部によって係合突部の位置が変位可能とされているので、係合突部が係止穴と係合するまでは係合突部弾性変形部によって、係合突部が基端部の表面に沿って移動することが可能となり、係合突部の位置が係止穴と一致することで、係合突部と係止穴が係合する。
その結果、基端部と係止部材が、ディスプレイパネルの厚さ方向に沿った軸線方向に移動することが抑制されて、基端部と係止部材がしっかりと固定される。
【0017】
(4)上記(3)項に記載のディスプレイフックは、前記係止穴と前記第1壁部の外周縁とを接続する接続溝を備えていてもよい。
【0018】
この発明に係るディスプレイフックによれば、係止穴と第1壁部の外周縁とを接続する(係止穴と一体的に形成された)接続溝を備えているので、打ち抜きによって第1壁部の外周縁を形成する際に、係合穴を一つの工程で形成することができる。
【0019】
(5)上記(1)〜(4)のいずれか一項に記載のディスプレイフックは、前記ディスプレイフック本体と、前記係止部材は、紙材料により形成されていてもよい。
【0020】
この発明に係るディスプレイフックによれば、ディスプレイフック本体と、係止部材が、紙材料により形成されているので、ディスプレイパネルが紙材料で形成されて場合には、分別することなく、ごみとして処分することができる。
また、脱プラスチックにより、マイクロプラスチックによる海洋汚染や地球温暖化など環境問題に対応することが可能である。
【0021】
ここで、紙材料とは、植物繊維その他の繊維を膠着させることにより、植物などの繊維を絡ませながら薄く平(たいら)に成形したものをいう。例えば、合紙やバルガナイズドファイバー、紙紛を合成樹脂と混錬し作成するシート状の素材等を含むものとする。
また、バルガナイズドファイバーとは、紙を薬品処理することでセルロースをナノオーダーまで解繊後、強固に結び付けて圧縮固化したものをいう。
【0022】
(6)本発明の第2態様は、ディスプレイセットであって、上記(1)〜(5)のいずれか一項に記載のディスプレイフックと、パネル本体に長穴部を有し厚さ方向に貫通するフック取付穴が形成されたディスプレイパネルと、を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
この発明に係るディスプレイフック、ディスプレイパネルによれば、ディスプレイフック本体の基端部と、係止部材が、平板状に形成されていても、ディスプレイパネルに容易かつ安定的に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の第1実施形態に係るディスプレイセットの概略構成を説明する斜視図である。
【
図2】第1実施形態に係るディスプレイセットの概略構成を説明するディスプレイフックを分解した斜視図である。
【
図3A】第1実施形態に係るディスプレイセットの概略構成を説明する表面側(一方側)から見た斜視図である。
【
図3B】第1実施形態に係るディスプレイセットの概略構成を説明する表面側(一方側)からパネル本体の厚さ方向に沿って見た図である。
【
図4A】第1実施形態に係るディスプレイセットの概略構成を説明する裏面側(他方側)から見た斜視図である。
【
図4B】第1実施形態に係るディスプレイセットの概略構成を説明する裏面側(他方側)からパネル本体の厚さ方向に沿って見た図である。
【
図5】第1実施形態に係るディスプレイセットの概略構成を説明する上方から見た図である。
【
図6】第1実施形態に係るディスプレイセットの概略構成を説明する側面から見た図である。
【
図7】第1実施形態に係るディスプレイパネルの概略構成を説明する図であり、フック取付穴をパネル本体の厚さ方向に沿って見た図である。
【
図8A】第1実施形態に係るディスプレイフック本体の概略構成を説明する側面図である。
【
図8B】第1実施形態に係るディスプレイフック本体の詳細を説明する基端部の拡大図である。
【
図9】第1実施形態に係る係止部材の概略構成を説明する上方から見た図である。
【
図10A】第1実施形態に係るディスプレイパネルのフック取付穴の寸法を説明する図である。
【
図10B】第1実施形態に係るディスプレイフック本体の基端部の寸法を説明する図である。
【
図10C】第1実施形態に係る係止部材の寸法を説明する図である。
【
図11A】第1実施形態に係るディスプレイフック取付方法の概略を説明するディスプレイフックを取付穴に挿入する状態を示す斜視図である。
【
図11B】第1実施形態に係るディスプレイフック取付方法の概略を説明するディスプレイフックが取付穴に挿入された状態を示す斜視図である。
【
図11C】第1実施形態に係るディスプレイフック取付方法の概略を説明するディスプレイフックを取付穴に対して回動した状態を示す斜視図である。
【
図11D】第1実施形態に係るディスプレイフック取付方法の概略を説明するディスプレイフックに対して係止部材を装着する状態を示す斜視図である。
【
図11E】第1実施形態に係るディスプレイフック取付方法の概略を説明するディスプレイセットの組立てが完了した状態を示す斜視図である。
【
図12】本発明の第2実施形態に係るディスプレイフック本体の概略構成を説明する概略構成図である。
【
図13】本発明の第3実施形態に係るディスプレイフックの概略構成を説明する分解した斜視図である。
【
図14A】第3実施形態に係るディスプレイセットの概略構成を説明する表面側(他方側)から見た斜視図である。
【
図14B】第3実施形態に係るディスプレイセットの概略構成を説明する表面側(他方側)からパネル本体の厚さ方向に沿って見た図である。
【
図15A】第3実施形態に係るディスプレイセットの概略構成を説明する裏面側(一方側)から見た斜視図である。
【
図15B】第3実施形態に係るディスプレイセットの概略構成を説明する裏面側(一方側)からパネル本体の厚さ方向に沿って見た図である。
【
図16】第3実施形態に係るディスプレイセットの概略構成を説明する上方から見た図である。
【
図17】第3実施形態に係るディスプレイセットの概略構成を説明する側面から見た図である。
【
図18】第3実施形態に係るディスプレイフック本体の概略構成を説明する側面図である。
【
図19】第3実施形態に係る係止部材の概略構成を説明する上方から見た図である。
【
図20A】第3実施形態に係るディスプレイフック取付方法の概略を説明する係止部材を裏面側(一方側)から取付穴に挿入する状態を示す斜視図である。
【
図20B】第3実施形態に係るディスプレイフック取付方法の概略を説明する取付穴に挿入された係止部材が回動される状態を示す斜視図である。
【
図20C】第3実施形態に係るディスプレイフック取付方法の概略を説明する係止部材に対してディスプレイフックを装着する状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
<第1実施形態>
以下、
図1〜
図10及び
図11A〜
図11Eを参照して、本発明の第1実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態に係るディスプレイセットの概略構成を説明する斜視図であり、
図2は、ディスプレイセットの概略構成を説明するディスプレイフックを分解した斜視図であり、
図3A〜
図6は、第1実施形態に係るディスプレイセットにおけるディスプレイフックの概略構成を説明する拡大した図である。なお、
図2に示したディスプレイフック本体11は、ディスプレイパネル2に取付けられた状態における向きに示している。
【0026】
図1〜
図11Bにおいて、符号1はディスプレイセットを、符号2はディスプレイパネルを、符号21はパネル本体(ボード)を、符号10はディスプレイフックを、符号11はディスプレイフック本体を、符号15は係止部材を示している。また、符号Aは表面側(一方側)を、符号Bは裏面側(他方側)を、符号Lは表面(一方)側から見たときの左側を、符号Rは右側を示している。また、符号O1は、パネル本体21のフック取付穴22の上下方向及び幅方向に配置された厚さ方向に沿った軸線を示している。
【0027】
ディスプレイセット1は、
図1に示すように、例えば、ディスプレイパネル2と、ディスプレイパネル2に取付けられた複数のディスプレイフック10と、を備えている。
ディスプレイフック10の数、配置については任意に設定することが可能であるが、この実施形態では、例えば、9個(上下方向3列、横方向3列)のディスプレイフック10が配列されている。なお、ディスプレイフック10を1個だけ備えた構成としてもよい。
【0028】
ディスプレイパネル2は、
図2に示すように、例えば、パネル本体21と、パネル本体21を厚さ方向に貫通するフック取付穴22とを備え、外形が矩形に形成されている。
なお、ディスプレイパネル2は、例えば、フック取付穴22から離れていてディスプレイフック10と接さない領域については、凹凸面(例えば、曲面等)が形成されていてもよい。
【0029】
ディスプレイフック10は、
図2に示すように、例えば、ディスプレイフック本体11と、係止部材15と、を備えている。
ディスプレイフック本体11は、例えば、フック本体部12と、フック本体部12の基端側12Eと一体的に接続された基端部14と、を備えている。
【0030】
ディスプレイフック本体11は、ディスプレイパネル2の表面側(一方側A)からフック取付穴22に挿入されて、フック取付穴22の厚さ方向に沿った軸線O1周りに回動されている。
また、係止部材15は、ディスプレイパネル2の裏面側(他方側B)からフック取付穴22に挿入されている。
そして、ディスプレイフック本体11と係止部材が互いに係合されることによりディスプレイパネル2に取付けられている。
【0031】
ディスプレイフック本体11は、
図3A〜
図6に示すように、基端部14がフック取付穴22に挿入された状態で、基端部14の平板をなす面方向がディスプレイパネル2をなす平板の面方向と直交して配置されるとともに、ディスプレイパネル2の表面側A及び裏面側Bを支持する。
【0032】
また、係止部材15は、フック取付穴22に挿入された状態で、係止部材15の平板をなす面方向がディスプレイパネル2をなす平板の面方向と直交して配置されるとともに、ディスプレイパネル2の表面側A及び裏面側Bを支持する。
【0033】
さらに、基端部14の面方向と係止部材15の面方向は、軸線O1に沿って見たときに、互いに直交(交差)して配置されて、基端部14と係止部材が互いに支持する。
【0034】
このようにして、ディスプレイパネル2、ディスプレイフック本体11、係止部材15が、互いの面に対して面外変形(面と直交する方向の変形)を抑制するように支え合い、ディスプレイフック本体11と係止部材15を組み合わせた強度が向上するとともに、ディスプレイフック10がディスプレイパネル2にしっかりと固定される。
その結果、ディスプレイフック本体11の基端部14と、係止部材15が、平板状に形成されていても、ディスプレイパネル2に安定的に取り付けることができる。
【0035】
この実施形態において、ディスプレイパネル(パネル本体21)2、ディスプレイフック本体11、係止部材15は、
図2に示すように、例えば、ディスプレイパネル2が厚さt0、ディスプレイフック本体11が厚さt1、係止部材15が厚さt2の平板状に形成されている。
【0036】
ディスプレイパネル2、ディスプレイフック本体11、係止部材15は、この実施形態において、例えば、紙材料により形成されている。ディスプレイパネル2、ディスプレイフック本体11、係止部材15を形成する材料については任意に設定することが可能であるが、環境問題等の観点から、例えば、バルガナイズドファイバー等の紙材料により形成することが好適である。なお、プラスチック材料や木材等、金属を用いて形成してもよいし、これらを組み合わせて構成してもよい。
また、ディスプレイパネル2、ディスプレイフック本体11、係止部材15を別の材料で形成してもよいし、異なる紙材料で形成してもよい。
【0037】
以下、
図7〜
図10Cを参照して、第1実施形態に係るフック取付穴、ディスプレイフック本体、係止部材の概略構成について説明する。
図7は、第1実施形態に係るフック取付穴をパネル本体、
図8A、
図8Bは、ディスプレイフック本体、
図9は、係止部材の概略構成を説明する図である。
【0038】
フック取付穴22は、
図7に示すように、例えば、パネル本体21を表面(一方側A)から厚さ方向の軸線O1に沿って見たときに、横方向(左右LR方向)に伸びる長尺の長穴部23と、円形穴部24とを備えている。
円形穴部24は、例えば、長穴部23の長手方向(横方向)及び幅方向(上下方向)の中央部に配置され、軸線O1を中心とする円形状に形成されている。
フック取付穴22が円形穴部24を備えるかどうかは任意に設定可能であるが、後述するディスプレイフック10の第1連結部143を大きくして安定的に取り付けるうえで、円形穴部24を備えていることが好適である。
【0039】
ディスプレイフック本体11は、
図8A、
図8Bに示すように、例えば、フック本体部12と、フック本体部12の基端側12Eに一体的に接続された基端部14と、を備えている。この実施形態において、フック本体部12の基端側12Eは、基端部14の一方側Aに配置された仮想外縁部141Dに接続されている。具体的には、仮想外縁部141Dのうち、軸線O1の近傍に接続されている。ここで、仮想外縁部141Dとは、第1壁部141のうち、パネル本体21に装着された状態でパネル本体21の一方側A(表面側)に露出する部分の外周縁であり、フック本体部12が接続されていない基端部14単体における外縁部を概念的に示すものとする。したがって、フック本体部12がない状態で、外縁部という場合がある。
【0040】
フック本体部12は、
図8Aに示すように、例えば、長尺平板状に形成されている。そして、先端側12Fに向かうにしたがって上方(例えば、軸線O1に対して)に傾斜するとともに先端部に上方に屈曲する屈曲部121が形成されている。
そして、フック本体部12には、展示品等の対象物を保持可能とされている。ここで、保持とは、吊り掛けることのほか、フック本体部12に配置されたクリップで把持すること等を含む。
【0041】
基端部14は、
図8Bに示すように、例えば、第1壁部141と、第1壁部141の他方側Bに配置された第2壁部142と、第1支持部141Sと、第2支持部142Sと、第1壁部141と第2壁部142とを連結する第1連結部143と、第2壁部142の他方側Bに開口する第1係合部145と、第1壁部141に形成され厚さ方向に貫通する係止穴146と、係止穴146と第1壁部141の外周縁とを接続する接続溝147と、を備えている。
また、第1壁部141と第2壁部142は、第1溝部143Uを挟んで配置されている。
【0042】
第1支持部141Sは、例えば、第1壁部141の他方側Bに形成されている。具体的には、第1壁部141の第1溝部143Uと対向する位置(端面)に形成されている。
そして、第1支持部141Sは、ディスプレイパネル2に装着した状態で、ディスプレイパネル2の表面(一方側Aの面)と当接して、表面を支持するように構成されている。
【0043】
第2支持部142Sは、例えば、第2壁部142の一方側Aに形成されている。具体的には、第2壁部142の第1溝部143Uと対向する位置(端面)に形成されている。
そして、第2支持部142Sは、ディスプレイパネル2に装着した状態で、ディスプレイパネル2の裏面(他方側Bの面)と当接して、裏面を支持するように構成されている。
【0044】
第1連結部143は、
図8Bに示すように、第1溝部143Uと第1溝部143Uの間に形成され、第1壁部141の中央部と第2壁部142の中央部を連結している。
【0045】
第1係合部145は、第2壁部142の他方側Bに開口し一方側Aに向かって伸びる第1係合溝部145Uと、第1係合溝部145Uの一方側Aに位置される平坦壁部145Pにより構成されている。
【0046】
係止穴146は、第1壁部141の幅方向(装着した状態の上下方向)における中央に形成されている。具体的には、基端部14が円形穴部24に対して回動されたときに、フック取付穴22の軸線O1と対応して(軸線O1上)に形成されている。
【0047】
接続溝147は、係止穴146と第1壁部141の外周縁とを接続している。具体的には、外方に向かって突出する略L字形の溝からなり、係止穴146と第1溝部143Uとを接続する。
【0048】
係止部材15は、
図9に示すように、例えば、第3壁部151と、第3壁部151の他方側Bに第4壁部152と、第3壁部151と第4壁部152とを連結する第2連結部153と、第3支持部151Sと、第4支持部152Sと、第3支持部151Sと接続され第3支持部151Sの位置を左右LR方向に変位させる弾性変形部154と、第3壁部151の一方側Aに開口する第2係合部155と、第3壁部151に形成され、基端部14の係止穴146と係合する係合突部156と、係合突部156の位置を変位させる係合突部弾性変形部157と、を備えている。また、第4壁部152の他方側Bには外縁部152Dが形成されている。外縁部152Dは仮想外縁部(外縁部)141Dと同様である。
【0049】
第3支持部151Sは、例えば、第3壁部151の他方側Bに形成されている。具体的には、第3壁部151の他方側Bにおけるフック取付穴22の長手方向よりも外方に位置される端面に形成されている。
そして、第3支持部151Sは、ディスプレイパネル2に装着した状態で、ディスプレイパネル2の表面(一方側Aの面)と当接して、表面を支持するように構成されている。
また、第3支持部151Sの左右LR方向の内方には、フック取付穴22に引っかかり、軸線O1周りの回動を抑制するための引掛り突部151Tが形成されている。なお、引掛り突部151Tを形成するかどうかは任意に設定してもよい。
【0050】
第4支持部152Sは、例えば、第4壁部152の一方側Aに形成されている。具体的には、第4壁部152の一方側Aにおけるフック取付穴22の長手方向よりも外方に位置される端面に形成されている。
そして、第4支持部152Sは、ディスプレイパネル2に装着した状態で、ディスプレイパネル2の裏面(他方側Bの面)と当接して、裏面を支持するように構成されている。
【0051】
弾性変形部154は、第3壁部151の一方側A(先端側)と第3支持部151Sを接続する接続壁部154Aと、溝部154Uとを備えている。そして、溝部154Uの幅が縮小されることにより、第3支持部151Sの位置が左右LR方向の内方に変位して第3支持部151Sがフック取付け穴22を通過可能に構成されている。
【0052】
第2係合部155は、
図9に示すように、第3壁部151の一方側Aに開口し他方側Bに向かって伸びる第2係合溝部155Uと、第2係合溝部155Uの他方側Bに位置される平坦壁部155Pにより構成されている。
また、第2係合溝部155Uは、第3壁部151、第2連結部153、第4壁部152の一部を、左右LR方向に分離している。
【0053】
係合突部156は、例えば、前後AB方向における基端部14の係止穴146と対応する位置に配置され、第2係合溝部155U内に突出して形成されている。
そして、係合突部156は、係止穴146に挿入されて係合することで、基端部14と係止部材15を前後AB方向で係止するようになっている。
【0054】
係合突部弾性変形部157は、係合突部156と第3壁部151の先端側(一方側A)と第3支持部151Sを接続する接続壁部157Aと、溝部157Uとを備えている。そして、溝部157Uの左右LR方向の幅が縮小(変化)することにより、係止突部156の位置が左右LR方向の外方(軸線O1から離れる側)に変位し、係合突部156が係止穴146に挿入されるまで、基端部14の表面を移動可能とされている。
【0055】
次に、
図10A〜
図10Cを参照して、フック取付穴22、基端部14、係止部材15の相互の寸法関係について説明する。
図10A〜
図10Cは、それぞれフック取付穴22、基端部14、係止部材15の寸法を示す図である。
上述のように、第1実施形態において、ディスプレイパネル(パネル本体21)2は厚さt0、ディスプレイフック本体11は厚さt1、係止部材15は厚さt2の平板状に形成されている。なお、ディスプレイフック本体11の厚さt1、係止部材15の厚さt2は、任意に設定することが可能であり、同じ厚さとしてもよいし、異なる厚さとしてもよい。ディスプレイパネル2の厚さt0についても同様である。
【0056】
フック取付穴22は、
図10Aに示すように、例えば、長穴部23の左右LR方向は長さL1、上下方向は幅L2、円形穴部24は直径L3に形成されている。そして、幅L2が基端部14の厚さt1、係止部材15の厚さt2と対応する寸法に形成されている。基端部14の厚さt1、係止部材15の厚さt2が異なる場合には、係止部材15の厚さt2(>t1)と対応させる。
ここで、寸法を対応させるとは、挿入が可能でかつぐらつかない程度(例えば、クリアランスがゼロ)の寸法であることをいう。
【0057】
基端部14は、
図10Bに示すように、第2壁部142の上下方向幅L11、第1壁部141の上下方向幅L12、第1溝部143Uの幅(第1支持部141Sと第2支持部142Sの間隔)L13、係合穴146の上下方向幅L14、第1係合溝145Uの上下方向幅L15、第1連結部143の上下方向幅L16に設定されている。
【0058】
そして、この実施形態では、例えば、第2壁部142の幅L11<長穴部23の幅L1<第1壁部141の幅L12とされている。なお、第2壁部142の幅L11、第1壁部141の幅L12の寸法は、基端部14をフック取付穴部22に対して回動した状態で基端部14がパネル本体21を支持可能であれば任意に設定してもよく、例えば、第2壁部142の幅L11=第1壁部141の幅L12に設定してもよい。
また、第1溝部143Uの幅L13はディスプレイパネル2の厚さt0と対応し、係合穴146の幅L14、第1係合溝155Uの幅L15は、係止部材15の厚さt2と対応して形成されている。
また、第1連結143の上下方向幅L16は、円形穴部24の直径L3と対応している。
【0059】
係止部材15は、
図10Cに示すように、第2係合溝155Uの幅L21、第3支持部151同士の外寸法L22、内寸法L23、第3支持部151Sと第4支持部152Sの前後AB方向の間隔153Gは寸法L24に設定されている。
【0060】
そして、第2係合溝155Uの幅L21は基端部の厚さt1と対応し、第3支持部151同士の外寸法L22>長穴部23の長さL1≧内寸法L23に形成されている。
また、第3支持部151Sと第4支持部152Sの間隔153Gの寸法L24は、ディスプレイパネル2の厚さt0と対応して形成されている。
【0061】
次に、
図11A〜
図11Eを参照して、ディスプレイセット1の製造方法(ディスプレイフック取付方法)について説明する。
図11A〜
図11Eは、第1実施形態に係るディスプレイフック取付方法の概略を説明する斜視図である。
【0062】
(1)まず、
図11Aに示すように、ディスプレイパネル2の表面側(一方側A)から、矢印T1方向に、フック取付穴22にディスプレイフック11の基端部14を挿入する。
具体的には、基端部14の第2壁部142を取付穴22を介してディスプレイパネル2の裏面側(他方側B)まで挿入する。
このとき、第1連結部143は、パネル本体21の厚さ方向において、第1溝部143Uがフック取付穴22と対応するように挿入する。
【0063】
(2)次に、
図11Bに示すように、ディスプレイフック本体11を、フック取付穴22に対して矢印C1方向に回動する。
【0064】
(3)ディスプレイフック本体11は、
図11Cに示すように、取付穴22の長穴部23に対して交差する向きに回動される。具体的には、第1連結部143が、円形穴部24内で軸線O1の周りに90°回動されて、長穴部23と直交(交差)する向きに配置する。
その結果、基端部14は、ディスプレイパネル2を表面側と裏面側から支持する。
【0065】
(4)次いで、
図11Dに示すように、ディスプレイパネル2の裏面側(他方側B)から、矢印T2方向に、フック取付穴22に係止部材15を挿入する。
具体的には、係止部材15の第3壁部151を取付穴22を介してディスプレイパネル2の表面側(一方側A)まで挿入する。このとき、第3支持部151Sは、弾性変形部154によって、フック取付穴22、より具体的には長穴部23の幅よりも内方まで変位して、フック取付穴22を通過する。
また、係合突部156は、係合突部弾性変形部157によって、基端部14の表面まで位置が変位する。そして、係合突部156は、基端部14の表面を摺動して係合穴146に到達したときに、係合穴146と係合して、係止部材15は、ディスプレイフック本体に係止される。
また、第2係合部155は、ディスプレイフック本体11の第1係合部145に差し込まれて係合する。
【0066】
(5)そして、
図11Eに示すように、係止部材15とディスプレイフック本体11が、軸線O1に沿って見たときに直交する向きに配置される。
また、係止部材15は、第3壁部151及び第4壁部152によりディスプレイパネル2を表面と裏面から支持する。
【0067】
第1実施形態に係るディスプレイセット1、ディスプレイフック10によれば、第1係合部145と第2係合部155が、軸線O1に沿って見たときに直交(交差)する向きで係合し、基端部14の第1支持部141S、第2支持部142Sがディスプレイパネル2を支持するとともに、係止部材15の第3支持部151S、第4支持部152Sがディスプレイパネル2を支持する。
その結果、ディスプレイフック10がディスプレイパネル2にしっかりと固定される。
また、ディスプレイパネル2、基端部14、係止部材15が、それぞれの面に対して互いに直交配置されて面外変形が抑制されるので、組み合わせた強度が向上するとともに、ディスプレイフック10が平板状に形成されていても充分な強度を確保することができる。
【0068】
また、ディスプレイセット1、ディスプレイフック10によれば、第3支持部151Sが弾性変形部154により変位されてディスプレイパネル2の裏面側の面から挿入されるので、ディスプレイフック10をディスプレイパネル2に容易に取り付けることができる。
【0069】
また、ディスプレイセット1、ディスプレイフック10によれば、第1壁部141に係止穴146が形成され、第3壁部151に係合突部156が形成され、係合突部弾性変形部157によって係合突部146の位置が変位可能とされているので、係合突部156を係合穴156に容易に係止さ得ることができる。
その結果、ディスプレイフック11と係合部材15をしっかりと固定することができる。
【0070】
また、ディスプレイフック10によれば、係止穴146と第1溝部143Uとを接続する接続溝147を備えているので、打ち抜きによって第1壁部141
の外周縁を形成する際に、係合穴146を一工程で形成することができる。その結果、製造コストを削減することができる。
【0071】
また、ディスプレイフック10によれば、ディスプレイフック本体11と、係止部材15が、紙材料により形成されているので、ディスプレイパネル2が紙材料で形成されて場合には、分別することなく、ごみとして処分することができる。また、脱プラスチックにより、マイクロプラスチックによる海洋汚染や地球温暖化など環境問題に対応することが可能である。
【0072】
<第2実施形態>
以下、
図12を参照して、本発明の第2実施形態に係るディスプレイフックについて説明する。
図12は、第2実施形態に係るディスプレイフック本体の概略構成を説明する概略構成図である。
図12において、符号11Aはディスプレイフック本体を示している。
第2実施形態が第1実施形態と異なるのは、ディスプレイフック本体11に代えてディスプレイフック本体11Aを備えていて、接続溝147が形成されていない点であり、その他は第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
このように、係合穴146を、接続溝147と接続することなく形成してもよい。
【0073】
なお、この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更をすることが可能である。
【0074】
<第3実施形態>
以下、
図13〜
図20Cを参照して、本発明の第3実施形態に係るディスプレイフックについて説明する。
図13は、第3実施形態に係るディスプレイフックを説明する分解斜視図であり、
図14A〜
図19は、ディスプレイセットにおけるディスプレイフックの概略構成を説明する拡大した図である。なお、
図13に示した係止部材14Bは、ディスプレイパネルに取付けられた状態における向きに示している。
図13〜
図20Cにおいて、符号1Aはディスプレイセットを、符号2Aはディスプレイパネルを、符号22Aはフック取付穴を、符号10Bはディスプレイフックを、符号11Bディスプレイフック本体を、符号15Bは基端部を、符号14Bは係止部材を示している。
【0075】
ディスプレイセット1Aは、
図13〜
図17に示すように、例えば、ディスプレイパネル2Aと、ディスプレイフック10Bと、を備えている。
ディスプレイパネル2Aは、例えば、パネル本体21と、フック取付穴部22Aとを備えている。フック取付穴部22Aは、
図13に示すように、例えば、長穴部23に代えて、上下方向に長尺な長穴部23Aを備えている。その他は第1実施形態と同様であるので、同じ符号を付して説明を省略する。
【0076】
ディスプレイフック10Bは、
図13〜
図17に示すように、例えば、ディスプレイフック本体11Bと、係止部材14Bと、を備えている。
ディスプレイフック本体11Bは、ディスプレイパネル2Aの表面側(他方側B)からフック取付穴22Aに挿入され、フック取付穴22Aに取付けられた係止部材14Bにより係止されディスプレイパネル2Aに装着される。
【0077】
そして、ディスプレイフック10Bは、
図13〜
図17に示すように、ディスプレイフック本体11B、係止部材14Bを、ディスプレイパネル2Aに取付けた状態で、ディスプレイフック本体11B、係止部材14Bを、ディスプレイパネル2A、ディスプレイフック本体11B、係止部材14Bをなす平板のそれぞれの面方向が互いに直交するように構成されている。
【0078】
ディスプレイフック本体11Bは、
図18に示すように、例えば、フック本体部12と、フック本体部12の基端側12Eに一体的に接続された基端部15Bと、を備えている。
ディスプレイフック本体11Bは、ディスプレイパネル2Aの表面側(他方側B)から挿入される。フック本体部12は、第1実施形態と同様であるので、同じ符号を付して説明を省略する。
【0079】
基端部15Bは、例えば、第1実施形態に係る係止部材15(例えば、
図9、
図10C参照)と同様の構成とされている。
具体的には、基端部15Bは、ディスプレイパネル2Aの表面側(他方側B)に露出する第4壁部152の仮想外縁部152Dの軸線O1近傍領域に、フック本体部12の基端側12Eが接続された構成とされている点で、第1実施形態と異なる。その他は、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0080】
係止部材14Bは、ディスプレイパネル2Aの裏面側(一方側A)からフック取付穴22Aに挿入されて、フック取付穴22Aの厚さ方向に沿った軸線O1周りに回動されている。
係止部材14Bは、
図19に示すように、第1実施形態に係る基端部14(例えば、
図8B、
図10B参照)と同様の構成とされている。
具体的には、係止部材14Bは、第1実施形態において、ディスプレイパネル2Aの表面側(一方側A)に露出した基端部14の第1壁部141の仮想外縁部141Dに接続されていたフック本体部12が接続されていない点で、第1実施形態と異なる。その他は、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0081】
このような構成により、ディスプレイパネル2A、ディスプレイフック本体11B、基端部15Bが互いの面に対して面外変形を抑制して、ディスプレイフック10Bをディスプレイパネル2Aに安定的に固定することができる。
【0082】
次に、
図20A〜
図20Cを参照して、ディスプレイフック10Bの取付方法について説明する。
図20A〜
図20Cは、第3実施形態に係るディスプレイフック取付方法の概略を説明する斜視図である。
【0083】
(1)まず、
図20Aに示すように、ディスプレイパネル2Aの裏面側(一方側B)から、矢印T3方向に、フック取付穴22Aに係止部材14Bを挿入する。
具体的には、係止部材14Bの第2壁部142を取付穴22Aを介してディスプレイパネル2Aの表面側(他方側B)まで挿入する。
このとき、第1連結部143は、パネル本体21の厚さ方向において、第1溝部143Uがフック取付穴22Aと対応するように挿入する。
【0084】
(2)次に、
図20Bに示すように、係止部材14Bを、フック取付穴22Aに対して矢印C2方向に回動する。
その結果、
図20Cに示すように、ディスプレイフック本体11Bは、第1連結部143が、円形穴部24内で軸線O1の周りに90°回動され、長穴部23Aと直交(交差)する向きに配置される。
そして、係止部材14Bは、ディスプレイパネル2Aを表面側と裏面側から支持する。
【0085】
(3)次いで、
図20Cに示すように、ディスプレイパネル2Aの表面側(他方側B)から、矢印T4方向に、フック取付穴22Aにディスプレイフック本体11Bの基端部15Bを挿入する。
具体的には、ディスプレイフック本体11Bの基端部15Bの第3壁部151を取付穴22Aを介してディスプレイパネル2の裏面側(一方側A)まで挿入する。このとき、第3支持部151Sは、弾性変形部154によって、フック取付穴22A、より具体的には長穴部23Aの幅よりも内方まで変位して、フック取付穴22Aを通過する。
そして、第2係合部155は係止部材14Bの第1係合部145に差し込まれて係合する。また、係合突部156は、係合穴146と係合する。その結果、ディスプレイフック本体11Bが係止部材15Bにより係止される。
その結果、ディスプレイフック本体11Bと係止部材15が、軸線O1に沿って見たときに直交(交差)する向きに配置される。
また、ディスプレイフック本体11Bは、第3壁部151及び第4壁部152によりディスプレイパネル2を表面と裏面から支持する。
【0086】
第3実施形態に係るディスプレイフック10Bによれば、係止部材14Bを軸線O1周りに回動するので、回動作業を行いやすい。
【0087】
また、ディスプレイフック10Bによれば、ディスプレイフック本体11Bを回動する必要がないので、フック本体部12に外力(例えば、ねじり力)が作用するのを抑制することができ、フック本体部12が強度が低い場合でも破損するのを抑制することができる。
【0088】
なお、この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更をすることが可能である。
例えば、基端部14、15B、係合部材15、14Bの構成については任意に設定することが可能であり、上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。
【0089】
また、上記実施形態においては、ディスプレイフック10、10Bを、軸線O1に沿って見たときに、基端部14と係止部材15、基端部15Bと係止部材14Bが互いに直交配置されている場合について説明したが、例えば、基端部14、15Bと係止部材15、14Bが90°以外の角度で交差する構成としてもよい。
【0090】
また、上記実施形態においては、ディスプレイフック10、10Bがバルガナイズドファイバー等の紙材料により形成されている場合について説明したが、バルガナイズドファイバー以外の紙材料で形成してもよいし、紙材料以外の材料により形成されていてもよい。また、フック本体部12と基端部14、15B、係止部材15、14Bが異なる材料により形成されていてもよく、例えば、フック本体部12だけがプラスチックや金属により形成されていてもよい。また、ディスプレイパネル2を形成する材料についても紙材料に限定されず任意に設定することができる。
【0091】
また、上記実施形態においては、フック本体部12が、長尺の平板状に形成されている場合について説明したが、フック本体部12の形状については長尺な平板状に限定されることなく任意に設定してもよい。例えば、長尺な丸棒状や多角形(例えば、四角形)棒状に形成してもよいし、U字状やJ字状に形成された構成とされてもよい。また、基端部の一部に一体的に形成された吊掛用凹部等によって構成してもよい。
【0092】
また、フック本体部の数、接続する位置については任意に設定してもよい。
例えば、上記実施形態においては、フック本体部12の基端側12Eが、基端部14、15Bの外縁部(仮想外縁部)141D、151Dにおける軸線O1の近傍に接続されている場合について説明したが、フック本体部12の基端側12Eを接続する位置、形態は任意に設定することが可能であり、外縁部(仮想外縁部)141D、151Dにおける軸線O1と離れた位置に接続してもよい。
【0093】
また、上記実施形態においては、第1壁部141に係合穴146が形成され、第3壁部151に係合突部156が形成されている場合について説明したが、これらを備えるかどうかは任意に設定してもよい。
【0094】
また、上記実施形態においては、フック取付穴22、22Aが長穴部23、23Aと円形穴部24とを備えている場合について説明したが、例えば、フック取付穴22、22Aが長穴部23、23Aだけを備えた構成とされてもよい。
【課題】ディスプレイフック本体の基端部と、係止部材が、平板状に形成されていても、ディスプレイパネルに安定的に取り付けることが可能なディスプレイフック及びディスプレイセットを提供すること。
【解決手段】ディスプレイフックであって、フック本体部12と前記フック本体部12の基端側12Eに接続される基端部14とを有するディスプレイフック本体11と、前記基端部14と係合して前記ディスプレイフック本体11をディスプレイパネル2に装着する係止部材15と、を備え、前記基端部14及び前記係止部材15は、ディスプレイパネル2に挿入された状態で前記ディスプレイパネル2を支持するとともに、前記基端部14及び前記係止部材15は前記ディスプレイパネル2と直交して配置され、かつ前記基端部14と前記係止部材15は互いに交差して配置されている。