(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記成分(A)が炭素数10以上20以下のアルキル基を有する、カルボン酸又はその塩、硫酸塩及びスルホン酸塩から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1に記載の洗浄剤組成物。
前記成分(A)が炭素数12以上18以下から選択される高級脂肪酸と、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン及びアルギニンとの塩から選択される脂肪酸石けんから選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の洗浄剤組成物。
前記成分(A)が前記炭素数12以上18以下から選択される高級脂肪酸及びそのカリウム塩を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の洗浄剤組成物。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、洗浄成分として汎用されるアニオン性界面活性剤からなる洗浄料に保湿感を付与するために、さらには細かくクリーミーな泡質を得るためにワセリンや軽質流動パラフィンに代表される油剤を配合することが知られている。しかしながら、この油剤により洗浄剤組成物の泡立ちが阻害されたり、クリーミーな泡質になるまでに時間がかかるという問題点を有していた。したがって、本発明は、上記の課題に鑑みなされたものであり、油剤を含みながら、少ない泡立て回数であっても、クリーミーな泡質を有し、洗浄後の感触に優れる洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意研究を行った。その結果、アニオン性界面活性剤と特定の水添ポリイソブテンとを配合した洗浄剤組成物は、特定の水添ポリイソブテンがアニオン性界面活性剤の泡立ちを阻害することなく、少ない泡立て回数であっても、クリーミーな泡質が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は、以下のものを提供する。
【0007】
(1)本発明の第1の態様は、以下の成分を含有することを特徴とする洗浄剤組成物である。
(A)アニオン性界面活性剤
(B)数平均分子量が1000以上3000以下である水添ポリイソブテン
【0008】
(2)本発明の第2の態様は、(1)に記載の洗浄剤組成物であって、成分(A)が炭素数10以上20以下のアルキル基を有する、カルボン酸又はその塩、硫酸塩及びスルホン酸塩から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とするものである。
【0009】
(3)本発明の第3の態様は、(1)又は(2)に記載の洗浄剤組成物であって、成分(A)が炭素数12以上18以下から選択される高級脂肪酸と、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン及びアルギニンとの塩から選択される脂肪酸石けんから選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とするものである。
【0010】
(4)本発明の第4の態様は、(1)から(3)のいずれかに記載の洗浄剤組成物であって、成分(A)が炭素数12以上18以下から選択される高級脂肪酸及びそのカリウム塩を含むことを特徴とするものである。
【0011】
(5)本発明の第5の態様は、(1)から(4)のいずれかに記載の洗浄剤組成物であって、更に、成分(C)カチオン性又は両性ポリマーを含有することを特徴とするものである。
【0012】
(6)本発明の第6の態様は、(1)から(5)のいずれかに記載の洗浄剤組成物であって、成分(C)の構成モノマーの少なくとも1種が塩化ジメチルジアリルアンモニウムであることを特徴とするものである。
【0013】
(7)本発明の第7の態様は、(1)から(6)のいずれかに記載の洗浄剤組成物であって、成分(A)の含有量が10.0重量%以上50.0重量%以下であることを特徴とするものである。
【0014】
(8)本発明の第8の態様は、(1)から(7)のいずれかに記載の洗浄剤組成物であって、成分(B)の含有量が0.1重量%以上20.0重量%以下であることを特徴とするものである。
【0015】
(9)本発明の第9の態様は、(5)から(8)のいずれかに記載の洗浄剤組成物であって、成分(C)の含有量が0.09重量%以上1.0重量%以下であることを特徴とするものである。
【0016】
(10)本発明の第10の態様は、(1)から(9)のいずれかに記載の洗浄剤組成物であって、成分(A)及び成分(B)の含有量比が(A)/(B)=0.5以上500.0以下であることを特徴とするものである。
【0017】
(11)本発明の第11の態様は、(1)から(10)のいずれかに記載の洗浄剤組成物からなる皮膚用洗浄剤組成物である。
【発明の効果】
【0018】
本発明の洗浄剤組成物は、アニオン性界面活性剤と特定の水添ポリイソブテンとを配合することで、アニオン性界面活性剤の泡立ちを阻害することなく、少ない泡立て回数であっても、クリーミーな泡質が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の洗浄剤組成物は、(A)アニオン性界面活性剤、(B)数平均分子量が1000以上3000以下である水添ポリイソブテン、を含有する。以下、各成分について説明する。
【0020】
[成分(A)アニオン性界面活性剤]
成分(A)アニオン性界面活性剤としては、陰イオン(アニオン)性の親水基を持つ界面活性剤であれば特に限定はなく、飽和又は不飽和のアルキル基を有する各種酸の塩が例示される。アルキル鎖は、直鎖状、分岐状のいずれであっても構わない。また、アルキル鎖のほかに、他の官能基(例えば、アミノ基、エーテル基等)あるいは鎖状構造(例えば、ポリオキシアルキレン基等)を有していてもよい。
【0021】
これらのうち、洗浄剤組成物に適した泡立ちを付与する観点から、炭素数10以上20以下のアルキル基を有する、カルボン酸又はその塩、硫酸塩、スルホン酸塩から選ばれる1種又は2種以上であることが好ましく、炭素数12以上18以下から選択される高級脂肪酸と、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン及びアルギニンとの塩から選択される脂肪酸石けんから選ばれる1種又は2種以上であることがより好ましく、炭素数12以上18以下である高級脂肪酸及びそのカリウム塩であることが更に好ましい。
【0022】
また、炭素数10以上20以下のアルキル基を有する、カルボン酸塩、硫酸塩、スルホン酸塩及びリン酸塩としては、例えば、ラウリン酸カリウム、ラウリン酸ナトリウム、ラウリン酸トリエタノールアミン、ミリスチン酸カリウム、ミリスチン酸ナトリウム、ミリスチン酸トリエタノールアミン、パルミチン酸カリウム、パルミチン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸ナトリウム、イソステアリン酸カリウム、イソステアリン酸ナトリウム、ベヘニン酸カリウム、ベヘニン酸ナトリウム、リノール酸カリウム、リノール酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、オレイン酸ナトリウム、アラキン酸カリウム、2−パルミトレイン酸カリウム、ペトロセリン酸カリウム、エライジン酸カリウム、リシノール酸カリウム、リノエライジン酸カリウム、リノレン酸カリウム、アラキドン酸カリウム、12−ヒドロキシステアリン酸カリウム等の脂肪酸(アルキルカルボン酸)塩;N−ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、N−ミリストイルグルタミン酸ナトリウム、N−ヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸ナトリウム、N−ラウロイルグルタミン酸カリウム、N−ミリストイルグルタミン酸カリウム、N−ヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸カリウム、N−ラウロイルグルタミン酸トリエタノールアミン、N−ミリストイルグルタミン酸トリエタノールアミン、N−ヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸トリエタノールアミン、N−ラウロイルグリシンナトリウム、N−ミリストイルグリシントリエタノールアミン、N−ラウロイル−β−アラニンカリウム、N−ラウロイルスレオニントリエタノールアミン、N−ラウロイルサルコシンナトリウム、N−ラウロイル−N−メチル−β−アラニンナトリウム、N−ラウロイル−N−メチル−β−アラニントリエタノールアミン等のN−アシルアミノ酸塩;ラウロイルイミノジ酢酸ナトリウム、ラウロイルイミノジ酢酸トリエタノールアミン、ヤシ油脂肪酸アシルイミノジ酢酸ナトリウム、ラウロイルイミノジ酢酸ジナトリウム、パーム核脂肪酸イミノジ酢酸ナトリウム等のアシルイミノジ酢酸塩;ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸ナトリウム、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル酢酸カリウム、ポリオキシエチレンパルミチルエーテル酢酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンステアリルエーテル酢酸ナトリウム、ポリグリセリルラウリルエーテル酢酸ナトリウム等のポリエーテルカルボン酸塩;ヤシ油脂肪酸シルクペプチド等のアシル化ペプチド;ポリオキシエチレンラウリン酸アミドエーテルカルボン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンミリスチン酸アミドエーテルカルボン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸アミドエーテルカルボン酸トリエタノールアミン等のアミドエーテルカルボン酸塩;アシル乳酸塩;アルケニルコハク酸塩等;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ミリスチル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸カリウム、セチル硫酸ナトリウム、ステアリル硫酸ナトリウム、オレイル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン等のアルキル硫酸塩;ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンセチルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンオレイルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン等のアルキルエーテル硫酸塩;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル硫酸ナトリウム等のアルキルアリールエーテル硫酸塩;ポリオキシエチレンラウリン酸アミドエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリン酸アミドエーテル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンミリスチン酸アミドエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンオレイン酸アミドエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸アミドエーテル硫酸ナトリウム、オレイン酸アミドエーテル硫酸ナトリウム等のアルキルアミド硫酸塩;硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウム等のアシルエステル硫酸塩;ラウリルスルホン酸ナトリウム、ミリスチルスルホン酸ナトリウム、ヤシ油アルキルスルホン酸ナトリウム等のアルキルスルホン酸塩、リニアドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、リニアドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン等のアルキルベンゼンスルホン酸塩;アルキルナフタレンスルホン酸塩;ナフタレンスルホン酸塩のホルマリン重縮合物等のホルマリン縮合系スルホン酸塩、スルホコハク酸ラウリル2ナトリウム、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンスルホコハク酸ラウリル2ナトリウム、オレイン酸アミドスルホコハク酸2ナトリウム等のスルホコハク酸塩;ドデセンスルホン酸ナトリウム、テトラデセンスルホン酸ナトリウム、ドデセンスルホン酸カリウム、デトラデセンスルホン酸カリウム等のα−オレフィンスルホン酸塩;α−スルホラウリン酸メチルエステル、α−スルホミリスチン酸メチルエステル、α−スルホラウリン酸(EO)nメチルエステル等のα−スルホ脂肪酸エステル塩;ヤシ油脂肪酸アシル−Nメチルタウリンカリウム、ラウロイル−Nメチルタウリンナトリウム、ラウロイル−Nメチルタウリンカリウム、ラウロイル−Nメチルタウリントリエタノールアミン、ミリストイル−Nメチルタウリンナトリウム、ミリストイル−Nメチルタウリントリエタノールアミン、ヤシ油脂肪酸アシル−Nメチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸アシル−Nメチルタウリントリエタンールアミン等のN−アシルメチル−タウリン塩;ラウロイルイセチオン酸ナトリウム、ミリストイルイセチオン酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸アシルイセチオン酸ナトリウム等のアシルイセチオン酸塩;ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンセチルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンミリスチルリン酸カリウム、ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸ナトリウム、ジポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸ナトリウム等のアルキルエーテルリン酸塩;アルキルアリ−ルエーテルリン酸塩;ポリオキシエチレンラウリルアミドエーテルリン酸ナトリウム等の脂肪酸アミドエーテルリン酸塩;ラウリルリン酸ナトリウム、ミリスチルリン酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸リン酸ナトリウム、ミリスチルリン酸カリウム、ラウリルリン酸トリエタノールアミン、オレイルリン酸ジエタノールアミン等のアルキルリン酸塩及びこれらの混合物等が挙げられる。
【0023】
高級脂肪酸のカリウム塩の起源については特に制限はなく、従来公知の方法により製造されたもので、例えば牛脂などに代表される動物油脂、ヤシ油、パーム油、パーム核油、オリーブ油、サフラワー油、大豆油、綿実油などに代表される植物油脂、あるいはカプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸等の高級脂肪酸の中から選ばれた少なくとも1種を水酸化カリウムでケン化又は中和して得られるもの等が挙げられる。このようにして得られる高級脂肪酸のカリウム塩のうち、洗浄料に適した泡立ちと優れた使用感を付与する観点から、ヤシ油脂肪酸のカリウム塩、パーム核油脂肪酸のカリウム塩、ラウリン酸のカリウム塩、ミリスチン酸のカリウム塩、パルミチン酸のカリウム塩、ステアリン酸のカリウム塩が特に好ましい。
【0024】
成分(A)アニオン性界面活性剤は、各種酸が予め塩を形成した状態で組成物中に配合していてもよく、あるいは各種酸と、塩を形成するための各種塩基性物質とをそれぞれ個別に組成物中に配合し、製造時に塩を形成してもよい。成分(A)アニオン性界面活性剤は、洗浄剤組成物中には、各種酸と、その塩が共存した、いわゆる部分中和物として存在している。例えば、アルキルカルボン酸と水酸化カリウムとを個別に組成物の処方中に添加することにより、処方内での中和反応によってアルキルカルボン酸カリウム塩が形成される。なお、各種酸との中和により塩を形成する塩基性物質としては、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属類の水酸化物、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、L−アルギニン、L−リジン、モルホリン、N−アルキルタウリン塩等の塩基性窒素含有化合物等が挙げられる。
【0025】
成分(A)アニオン性界面活性剤の含有量は、洗浄剤組成物中、10.0重量%以上50.0重量%以下(以下、特に記載のあるもの以外は、重量%を単に%で示す。)であり、好ましくは14.0%以上45.0%以下である。10.0%未満では十分な起泡性、洗浄力を得ることができず、また50.0%を超えると、製剤が硬くなりすぎ、溶け性が悪くなり、使用性が悪くなる場合があるからである。
【0026】
[成分(B)数平均分子量が1000以上3000以下である水添ポリイソブテン]
成分(B)数平均分子量が1000以上3000以下である水添ポリイソブテンは、イソブテンとn−ブテンとを共重合した後に水素添加して得られる炭化水素混合物である。数平均分子量が1000以上3000以下である水添ポリイソブテンとして、化粧料に一般に用いられているものであれば、特に限定はなく使用することができる。
【0027】
水添ポリイソブテンの数平均分子量が1000未満であると、洗浄剤組成物の起泡性を阻害してしまう。また、数平均分子量が3000を超えると、洗浄剤組成物の使用時の延展性(のび)が重くなる等、使用性が悪くなる等の影響が出る場合がある。
【0028】
また、成分(B)数平均分子量が1000以上3000以下である水添ポリイソブテンの含有量は、洗浄剤組成物中0.1%以上20.0%以下であり、好ましくは、1.0%以上10.0%以下である。0.1%未満では、クリーミーな泡立ちのブースト効果を持たせることができず、20.0%を超えると、クリーミーな泡立ちのブースト効果に対して過剰な量となり、さらに、べたつきのなさに劣る。
【0029】
成分(B)は、成分(A)と組み合わせることで、成分(A)の泡立ちを阻害することなく、少ない泡立て回数であっても、クリーミーな泡質を得ることに寄与する。その作用機序は明らかではないが、成分(A)の泡膜に成分(B)が絡みつくように存在することで、クリーミーな泡質となることが推定される。また、成分(B)自体は、洗浄後に皮膚及び毛髪の表面に留まり、コーティングする。それにより、皮膚及び毛髪内部の水分が外部に蒸散することを抑制し、しっとり感を付与する。
【0030】
成分(A)及び成分(B)の含有量比が(A)/(B)=0.5以上500.0以下であることで、泡立ちの良さとクリーミーな泡質を有する洗浄剤組成物を得ることができる。この含有量比は、好ましくは、1.4以上45.0以下である。
【0031】
[成分(C)カチオン性又は両性ポリマー]
本発明の洗浄剤組成物は、更に、成分(C)カチオン性又は両性ポリマーを含有することができる。成分(C)カチオン性又は両性ポリマーは、洗浄剤組成物において、空気を含んで形成した泡が、消えるのを防ぐ作用を有する。これにより、一度形成した泡が長時間その形態を維持するために、洗浄剤組成物を手に取り水と混合し泡立てることにより容易に柔らかな泡を形成することができる。よって、成分(A)、成分(B)及び成分(C)を組み合わせることで、洗浄剤組成物の泡立ちを更に向上することができる。また、洗浄剤組成物を毛髪洗浄料として使用する場合、毛髪に対してのコンディショニング効果を与える。
【0032】
成分(C)カチオン性又は両性ポリマーとして、化粧料に一般に用いられているものであれば、特に限定はなく使用することができる。例えば、ポリクオタニウム類、カチオン化セルロース誘導体、カチオン化グアーガム誘導体、カチオン性デンプン、塩化ジメチルジアリルアンモニウム重合体、塩化ジメチルジアリルアンモニウム/アクリルアミド共重合体、塩化ジメチルジアリルアンモニウム/アクリル酸共重合体、アクリル酸/塩化ジメチルジアリルアンモニウム/アクリルアミド共重合体、塩化メタクリルアミドプロピルトリモニウム等が挙げられる。
【0033】
具体的には、ポリクオタニウム−2、ポリクオタニウム−4、ポリクオタニウム−5、ポリクオタニウム−6、ポリクオタニウム−7、ポリクオタニウム−10、ポリクオタニウム−11、ポリクオタニウム−16、ポリクオタニウム−22、ポリクオタニウム−28、ポリクオタニウム−30、ポリクオタニウム−32、ポリクオタニウム−33、ポリクオタニウム−37、ポリクオタニウム−39、ポリクオタニウム−43、ポリクオタニウム−44、ポリクオタニウム−46、ポリクオタニウム−47、ポリクオタニウム−48、ポリクオタニウム−49、ポリクオタニウム−50、ポリクオタニウム−51、ポリクオタニウム−52、ポリクオタニウム−53、ポリクオタニウム−54、ポリクオタニウム−55、ポリクオタニウム−56、ポリクオタニウム−57、ポリクオタニウム−59、ポリクオタニウム−61、ポリクオタニウム−62、ポリクオタニウム−63、ポリクオタニウム−64、ポリクオタニウム−65、ポリクオタニウム−66、ポリクオタニウム−67、ポリクオタニウム−68、ポリクオタニウム−69、ポリクオタニウム−70、ポリクオタニウム−72、ポリクオタニウム−73、ポリクオタニウム−74、ポリクオタニウム−75、ポリクオタニウム−76、ポリクオタニウム−77、ポリクオタニウム−84、ポリクオタニウム−85、ポリクオタニウム−86、ポリクオタニウム−87、ポリクオタニウム−90、ポリクオタニウム−92、ポリクオタニウム−94、ポリクオタニウム−99又はこれら2種以上の混合物が好適に挙げられる。
【0034】
本発明の洗浄剤組成物では、この様な成分(C)カチオン性又は両性ポリマーを1種のみ含有させることもできるし、2種以上組み合わせて含有させることもできる。上記成分(C)カチオン性又は両性ポリマーにおいて、構成モノマーの少なくとも1種が塩化ジメチルジアリルアンモニウムであることが特に好ましい。さらに好ましくは、塩化ジメチルジアリルアンモニウムを構成モノマーとして含有するポリマーである、ポリクオタニウム−7及びポリクオタニウム−39である。
【0035】
成分(C)カチオン又は両性ポリマーの含有量は、洗浄剤組成物中0.09%以上1.0%以下であり、好ましくは0.27%以上1.0%以下である。0.09%未満では、十分な起泡性、洗浄力を得ることができず、また1.0%を超えると、洗浄後にぬるつきが残る場合がある。
【0036】
本発明の洗浄剤組成物には、上記の成分に加えて、必要に応じて本発明の効果を損なわない範囲で、種々の添加剤、例えば、非起泡性の界面活性剤、シリコーン類等、成分(B)以外の各種油剤、グリセリン、ソルビトール、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等の多価アルコール、尿素、アミノ酸及びその類似成分の湿潤剤、防腐剤、殺菌剤、消炎剤、収斂剤、止血剤、鎮痛剤、ビタミン及びその誘導体、キレート剤、無機又は有機塩類、水溶性高分子等の増粘剤、増泡剤、清涼剤、冷感剤、動植物エキス、色素、香料、各種ビタミン等を配合することもできる。
【0037】
本発明の洗浄剤組成物の製造方法としては、特に制限はなく、常法により調製される。例えば、上記成分(A)及び成分(B)、更に成分(C)や上記任意成分を加え、これを混合することにより調製することができる。
【0038】
本発明の洗浄剤組成物は、泡立ちが良好であり、クリーミーな泡質を有し、更に洗浄後の感触にも優れているので、皮膚や頭髪の洗浄剤組成物として好適であり、特に、皮膚用洗浄剤組成物として用いると、本発明の効果を発揮する。そして、洗浄剤組成物は、洗顔料、全身洗浄料、毛髪洗浄料等として使用することができる。
【実施例】
【0039】
以下、本発明について、実施例を挙げて詳細に説明する。なお、本発明は以下に示す実施例に何ら限定されるものではない。
【0040】
<実施例1
0−12
、参考例1−9及び比較例1−13>
表1から表3に示す組成の洗浄剤組成物(洗顔料)を定法により調製した。5名のパネラーに、各洗浄剤組成物の、「即泡性」、「洗浄時の泡のきめ細かさ(クリーミーさ)」、「洗浄後の肌感触(しっとり感)」、「洗浄後の肌感触(べたつかない感じ)」の項目について、以下に示す評価方法及び判定基準により評価判定し、結果を併せて表1から表3に示した。
【0041】
〔即泡性〕
各洗浄剤組成物を約1.0g手のひらに載せ、20〜30℃の水を使用して希釈し、手もみを繰り返して「即泡性」を評価した。
【0042】
以下の基準(5段階評価)を用いて、パネラーの平均スコアを算出し、評価した。
5:5回以内の手もみで泡立った
4:10回以内の手もみで泡立った
3:15回以内の手もみで泡立った
2:20回以内の手もみで泡立った
1:25回以内の手もみで泡立った
表1から表3においては、平均点が4.0以上5.0までを◎、3.0以上4.0未満までを○、2.0以上3.0未満までを△、1.0から2.0未満までを×とした。
【0043】
〔洗浄時の泡のきめ細かさ(クリーミーさ)〕
各洗浄組成物を約1.0g手のひらに載せ、20〜30℃の水を使用して希釈し、10回手もみを繰り返して「洗浄時の泡のきめ細かさ(クリーミーさ)」を評価した。
【0044】
以下の基準(5段階評価)を用いて、パネラーの平均スコアを算出し、評価した。
5:非常にクリーミー
4:ややクリーミー
3:どちらでもない
2:やや粗い
1:粗い
表1から表3においては、平均点が4.0以上5.0までを◎、3.0以上4.0未満までを○、2.0以上3.0未満までを△、1.0から2.0未満までを×とした。
【0045】
〔洗浄後の肌感触(しっとり感)〕
各洗浄剤組成物を約1.0g手のひらに載せ、20〜30℃の水を使用して希釈し、手もみを繰り返し、泡立てた後、顔を洗浄し、泡をすすぎ、タオルドライした後に「肌感触」を評価した。
【0046】
しっとり感については、以下の基準(5段階評価)を用いて、パネラーの平均スコアを算出し、評価した。
5:しっとりした感触
4:ややしっとりした感触
3:どちらでもない
2:あまりしっとりした感触ではない
1:しっとりした感触でない
表1から表3においては、平均点が4.0以上5.0までを◎、3.0以上4.0未満までを○、2.0以上3.0未満までを△、1.0から2.0未満までを×とした。
【0047】
〔洗浄後の肌感触(べたつかない感じ)〕
各洗浄剤組成物を約1.0g手のひらに載せ、20〜30℃の水を使用して希釈し、手もみを繰り返し、泡立てた後、顔を洗浄し、泡をすすぎ、タオルドライした後に「肌感触」を評価した。
【0048】
洗浄後のべたつかない感じについては、以下の基準(5段階評価)を用いて、パネラーの平均スコアを算出し、評価した。
5:べたつかない感じがする
4:ややべたつかない感じがする
3:どちらでもない
2:ややべたつく感じがする
1:べたつく感じがする
表1から表3においては、平均点が4.0以上5.0までを◎、3.0以上4.0未満までを○、2.0以上3.0未満までを△、1.0から2.0未満までを×とした。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】
【表3】
【0052】
上記表1から表3に示すように、実施例1
0〜12の洗浄剤組成物は、即泡性、クリーミーな泡質といった良好な泡性能と、洗浄後の好ましい使用感の付与を示すものであった。一方で、成分(B)の代わりに別の油剤を配合した比較例1〜6では、泡立ちが劣り、かつ泡質が粗いものであった。また、各成分の含有量が特定の範囲外である比較例7〜13は、「即泡性」、「洗浄時の泡のきめ細かさ(クリーミーさ)」、「洗浄後の肌感触(しっとり感)」、「洗浄後の肌感触(べたつかない感じ)」の項目全てを十分満足させるものは見られなかった。
【0053】
以下、本発明の成分(A)各種アニオン界面活性剤と、成分(B)数平均分子量が1000以上3000以下である水添ポリイソブテンとを含有する洗浄剤組成物の処方例を具体的に示す。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0054】
処方例1:洗顔料
配合成分 配合量(%)
ラウリン酸カリウム 5.0
ミリスチン酸カリウム 7.0
パルミチン酸カリウム 5.0
ステアリン酸カリウム 7.0
ラウレス硫酸Na(27%) 10.0
水添ポリイソブテン(分子量2650) 2.0
水添ポリイソブテン(分子量1350) 1.0
水添ポリイソブテン(分子量1000) 1.0
ポリクオタニウム−7 0.6
グリセリン 10.0
ポリエチレングリコール 10.0
エデト酸二ナトリウム 0.1
精製水 バランス
合計 100.0
処方例1の洗顔料を常法により調製し、上記試験を実施したところ、「即泡性」、「洗浄時の泡のきめ細かさ(クリーミーさ)」、「洗浄後の肌感触(しっとり感)」、「洗浄後の肌感触(べたつかない感じ)」の全てにおいて優れた性能を有していた。
【0055】
処方例2:洗顔料
配合成分 配合量(%)
ラウリン酸カリウム 3.0
ミリスチン酸カリウム 8.0
パルミチン酸カリウム 10.0
ステアリン酸カリウム 6.0
ラウレス硫酸Na(27%) 10.0
水添ポリイソブテン(分子量2650) 2.0
水添ポリイソブテン(分子量1350) 1.0
水添ポリイソブテン(分子量1000) 1.0
ポリクオタニウム−7 0.6
グリセリン 10.0
PEG−1000 5.0
コレステロール 0.1
ダイズステロール 0.1
レスベラトロール 0.1
コエンザイムQ10 0.03
ヒアルロン酸ナトリウム 0.2
アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム 0.1
ローヤルゼリーエキス 0.1
メントール 0.1
タルク 0.1
アスコルビン酸グルコシド 0.1
酢酸トコフェロール 0.1
グリチルリチン酸ジカリウム 0.05
BHT 0.1
エデト酸二ナトリウム 0.1
精製水 バランス
合計 100.0
処方例2の洗顔料を常法により調製し、上記試験を実施したところ、「即泡性」、「洗浄時の泡のきめ細かさ(クリーミーさ)」、「洗浄後の肌感触(しっとり感)」、「洗浄後の肌感触(べたつかない感じ)」の全てにおいて優れた性能を有していた。
【0056】
処方例3:全身洗浄料
配合成分 配合量(%)
ラウリン酸カリウム 7.0
ミリスチン酸カリウム 5.0
パルミチン酸カリウム 1.0
ラウレス硫酸Na(27%) 20.0
水添ポリイソブテン(分子量2650) 1.0
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.5
ポリクオタニウム−7 0.5
グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド0.3
グリセリン 5.0
エデト酸二ナトリウム 0.1
ジステアリン酸グリコール 1.0
精製水 バランス
合計 100.0
処方例3の全身洗浄料を常法により調製し、上記試験を実施したところ、「即泡性」、「洗浄時の泡のきめ細かさ(クリーミーさ)」、「洗浄後の肌感触(しっとり感)」、「洗浄後の肌感触(べたつかない感じ)」の全てにおいて優れた性能を有していた。
【0057】
処方例4:全身洗浄料
配合成分 配合量(%)
ラウリン酸カリウム 7.0
ミリスチン酸カリウム 5.0
パルミチン酸カリウム 1.0
ラウレス硫酸Na(27%) 20.0
水添ポリイソブテン(分子量1350) 1.0
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.5
ポリクオタニウム−7 0.5
グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド0.3
グリセリン 5.0
エデト酸二ナトリウム 0.1
ジステアリン酸グリコール 1.0
精製水 バランス
合計 100.0
処方例4の全身洗浄料を常法により調製し、上記試験を実施したところ、「即泡性」、「洗浄時の泡のきめ細かさ(クリーミーさ)」、「洗浄後の肌感触(しっとり感)」、「洗浄後の肌感触(べたつかない感じ)」の全てにおいて優れた性能を有していた。
【0058】
処方例5:全身洗浄料
配合成分 配合量(%)
ラウリン酸カリウム 7.0
ミリスチン酸カリウム 5.0
パルミチン酸カリウム 1.0
ラウレス硫酸Na(27%) 20.0
水添ポリイソブテン(分子量1000) 1.0
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.5
ポリクオタニウム−7 0.5
グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド0.3
グリセリン 5.0
エデト酸二ナトリウム 0.1
ジステアリン酸グリコール 1.0
精製水 バランス
合計 100.0
処方例5の全身洗浄料を常法により調製し、上記試験を実施したところ、「即泡性」、「洗浄時の泡のきめ細かさ(クリーミーさ)」、「洗浄後の肌感触(しっとり感)」、「洗浄後の肌感触(べたつかない感じ)」の全てにおいて優れた性能を有していた。
【0059】
処方例6:毛髪洗浄料(シャンプー)
配合成分 配合量(%)
ラウレス硫酸Na(EO:2) 13.5
水添ポリイソブテン(分子量2650) 1.0
ジステアリン酸グリコール 2.0
ラウラミドプロピルベタイン 3.0
コカミドMEA 3.0
エチドロン酸 0.12
ポリクオタニウム−7 0.3
ポリクオタニウム-10 0.2
アボカド油 0.5
メチルパラベン 0.5
クエン酸 0.02
95度合成アルコール 5.0
香料 0.8
精製水 バランス
バランス合計 100.0
処方例6の毛髪洗浄料を常法により調製し、上記試験を実施したところ、「即泡性」、「洗浄時の泡のきめ細かさ(クリーミーさ)」、「洗浄後の感触(しっとり感)」、「洗浄後の感触(べたつかない感じ)」の全てにおいて優れた性能を有していた。
【0060】
処方例7:毛髪洗浄料(シャンプー)
配合成分 配合量(%)
ラウレス硫酸Na(EO:2) 13.5
水添ポリイソブテン(分子量1350) 1.0
ジステアリン酸グリコール 2.0
ラウラミドプロピルベタイン 3.0
コカミドMEA 3.0
エチドロン酸 0.12
アボカド油 0.5
ポリクオタニウム−7 0.3
ポリクオタニウム-10 0.2
メチルパラベン 0.5
クエン酸 0.02
95度合成アルコール 5.0
香料 0.8
精製水 バランス
合計 100.0
処方例7の毛髪洗浄料を常法により調製し、上記試験を実施したところ、「即泡性」、「洗浄時の泡のきめ細かさ(クリーミーさ)」、「洗浄後の感触(しっとり感)」、「洗浄後の感触(べたつかない感じ)」の全てにおいて優れた性能を有していた。
【0061】
処方例8:毛髪洗浄料(シャンプー)
配合成分 配合量(%)
ラウレス硫酸Na(EO:2) 13.5
水添ポリイソブテン(分子量1000) 1.0
ジステアリン酸グリコール 2.0
ラウラミドプロピルベタイン 3.0
コカミドMEA 3.0
エチドロン酸 0.12
ポリクオタニウム−7 0.3
ポリクオタニウム−10 0.2
アボカド油 0.5
メチルパラベン 0.5
クエン酸 0.02
95度合成アルコール 5.0
香料 0.8
精製水 バランス
合計 100.0
処方例8の毛髪洗浄料を常法により調製し、上記試験を実施したところ、「即泡性」、「洗浄時の泡のきめ細かさ(クリーミーさ)」、「洗浄後の感触(しっとり感)」、「洗浄後の感触(べたつかない感じ)」の全てにおいて優れた性能を有していた。