【文献】
小林正宜, 森本禎夫, 西川恒明,汎用画像処理装置による熱鋼形状計測―熱延工場での測定事例―,R&D神戸製鋼技報,2007年12月,Vol.57 No.3,p.21-24
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記撮像器が出力する前記第1読出範囲の画像データを入力して、前記平板の全体が、前記第1読出範囲に入ったことを判定して、前記第1読出範囲の画像データを前記プロフィール値演算装置に供給する平面形状画像判定器をさらに備え、
前記第2読出範囲のラインは、前記平板の先端を最初に検知する第1ラインから所定の距離だけ離間した第2ラインまでの範囲であり、
前記板有無検知・輝度レベル演算器は、前記第2ラインにおける輝度レベルが所定のしきい値以上となった場合には、前記第2読出範囲における輝度レベルを演算し、前記部分読出設定器が、前記撮像器に対して、画像データの読出範囲を、前記第2読出範囲から前記第1読出範囲に切り換え、
前記平面形状画像判定器は、前記第1ラインにおける輝度レベルが前記所定のしきい値以上となった後に前記しきい値よりも小さくなったときに、前記第1読出範囲における画像データを前記プロフィール値演算装置に供給する請求項1記載の平面形状測定装置。
前記目標輝度レベルは、あらかじめ複数設定され、前記板有無検知・輝度レベル演算器は、複数の前記目標輝度レベルごとに前記調整量を演算する請求項1〜3のいずれか1つに記載の平面形状測定装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において共通する要素には、同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
【0010】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る平面形状測定装置を例示するブロック図である。
図1に示すように、実施の形態1の平面形状測定装置1は、鋼板である平板100を熱間圧延する熱間圧延ラインにおいて用いられる。平面形状測定装置1は、搬送される平板100の平面形状を、停止させることなく搬送状態のまま測定する。
【0011】
以下の説明では、平板100の長手方向を長さ方向と称し、平板100の長手方向および厚さ方向の双方に対して垂直な方向を幅方向と称する。平板100は、長手方向が搬送方向にほぼ平行になるように搬送される。平面形状測定装置1は、たとえば、粗圧延機の入側または出側において、平板100の平面形状を測定する。圧延される前の平板100はスラブと称される。このようなスラブの寸法は、たとえば、長さ2000mm程度、幅1000mm程度、厚さ300mm程度である。なお、すべての実施の形態において、測定対象とする平板100の長さ方向の形状(以下、幅プロフィールともいう)および幅方向の形状(以下、長さプロフィールともいう)については、急峻な形状変化はないものとする。
【0012】
平面形状測定装置1は、平面形状測定撮像器8と、平板温度情報受信器2と、露光時間テーブル5と、露光時間設定指令器6と、部分読出設定器7と、板有無検知・輝度レベル演算器17と、プロフィール値演算装置20と、を備える。露光時間テーブル5は、たとえば、図示しない記憶装置に格納されている。
【0013】
平面形状測定撮像器(撮像器)8は、2次元の視野を有する撮像装置(カメラ)である。平面形状測定撮像器8は、光学信号である画像を電気信号に変換する撮像素子を含む。撮像素子としては、たとえば、CCDエリアイメージセンサや、CMOSエリアイメージセンサなどを用いることができる。
【0014】
平面形状測定撮像器8の視野は、平板100が通過する領域を包含する。平面形状測定撮像器8は、平板100の平面形状を上方から撮像する。平面形状測定撮像器8は、平板100の平面形状の静止画を撮像する。搬送等により平板100が動いていても、露光時間を比較的短くすることによって、平面形状測定撮像器8は、平板100の平面形状の静止画を撮像できる。平面形状測定撮像器8は、平板100の位置から、たとえば20m〜25m程度の高さに設置される。平面形状測定撮像器8の視野は、平板100が通過する高さにおいて、たとえば長さ7m程度、幅6m程度の広さを有する。
【0015】
平面形状測定装置1を構成する以下の各部の機能は、論理回路等によるハードウェアによって実現されてもよいし、図示しない記憶装置やメモリに記憶されたプログラムをプロセッサが実行することによって実現されてもよい。プロセッサが実行する場合には、複数組のプロセッサおよびメモリが連携してもよい。
【0016】
平板温度情報受信器(温度情報受信器)2は、外部から発信される平板100に関する平板表面温度情報を受信する。平板表面温度情報を発信する図示しない装置は、平面形状測定装置の上流に配置されたたとえば放射温度計で平板100の表面温度を計測し、その温度の計測値を表面温度情報として発信する。あるいは、表面温度情報を発信する装置は、温度計から平面形状測定装置1までの搬送区間内の熱の収支にもとづく温度モデルを用いて表面温度を計算し、その温度計算値を表面温度情報として発信する。
【0017】
露光時間テーブル(テーブル)5は、平面形状測定撮像器8の露光時間と平板100の表面温度とを対応付ける。露光時間は、平面形状測定撮像器8の受光特性を決定するパラメータの一例である。露光時間に代えて、あるいは露光時間とともにアイリス(絞り値)を設定するようにしてもよい。平板100の表面温度が高いほど、露光時間は短くされている。
【0018】
露光時間設定指令器(パラメータ設定指令器)6は、平板温度情報受信器2が受信した平板表面温度情報と、露光時間テーブル5が規定する対応関係と、にもとづいて、露光時間の設定を平面形状測定撮像器8に対して指令する。平面形状測定撮像器8は、露光時間設定指令器6からの指令にしたがって露光時間を設定する。
【0019】
平面形状測定装置1は、測定開始指令受信器3と、測定開始タイミング発生回路4と、を備える。測定開始指令受信器3は、外部から供給される測定開始指令を受信する。測定開始指令を供給する図示しない装置は、平板100が視野内に搬送されてくるタイミングに同期するように、測定開始指令を発信する。この装置は、たとえば、平板100の搬送速度と搬送ピッチとにもとづいて計算されたタイミングで、測定開始指令を発信する。
【0020】
測定開始タイミング発生回路4は、測定開始指令受信器3から測定開始指令を受信する。測定開始指令を受信した測定開始タイミング発生回路4は、平面形状測定撮像器8に対して、画像データの読出範囲を板有無検知・輝度レベル判定画像読出範囲27に設定して、測定を開始するように指令する。平面形状測定撮像器8は、板有無検知・輝度レベル判定画像読出範囲27の画像データを出力する。
【0021】
後に詳述する板有無検知・輝度レベル判定画像読出範囲(第2読出範囲)27は、平面形状測定画像読出範囲(第1読出範囲)28の一部である。好ましくは、板有無検知・輝度レベル判定画像読出範囲27は、平面形状測定画像読出範囲28のうち、平板100が搬送されてくるもっとも上流側の領域に設定される。たとえば、板有無検知・輝度レベル判定画像読出範囲27は、平板100の搬送方向に沿って数ライン分の読出範囲に設定されている。
【0022】
板有無検知・輝度レベル演算器17は、平面形状測定撮像器8から板有無検知・輝度レベル判定画像読出範囲27の画像データを受信する。板有無検知・輝度レベル演算器17は、板有無検知・輝度レベル判定画像読出範囲27の画像データから輝度レベルを検出する。板有無検知・輝度レベル演算器17は、検出された板有無検知・輝度レベル判定画像読出範囲27のうち、所定の範囲内の輝度レベルのたとえば平均値を計算して、検知された輝度レベルの調整量を演算する。板有無検知・輝度レベル演算器17は、あらかじめ設定された輝度レベルの目標値を有する。板有無検知・輝度レベル演算器17は、輝度レベルの目標値と演算した輝度レベルのデータとにもとづいて、露光時間テーブル5に設定されている露光時間の設定値を調整する。
【0023】
輝度レベルの目標値は、1つに限らず、複数設定してもよい。たとえば、複数個設定された輝度レベルの目標値に対して、輝度レベルを調整し、最適な調整量を選定したり、調整量の平均値をさらに計算して、輝度レベルの誤差を低減させたりしてもよい。
【0024】
板有無検知・輝度レベル演算器17は、板有無検知・輝度レベル判定画像読出範囲27から平板100が抜けたことを検知した場合に、板無信号を測定開始タイミング発生回路4および部分読出設定器7に供給する。
【0025】
部分読出設定器(読出範囲設定器)7は、板有無検知・輝度レベル演算器17から板無信号を受信した場合には、読出範囲切換信号を生成して、読出範囲切換信号を平面形状測定撮像器8に供給する。平面形状測定撮像器8は、画像データの読出範囲を、板有無検知・輝度レベル判定画像読出範囲27から平面形状測定画像読出範囲28に切り換える。
【0026】
測定開始タイミング発生回路4は、部分読出設定器7からの読出範囲切換信号および板有無検知・輝度レベル演算器17からの板無信号を受信して、平面形状測定撮像器8に対して、平面形状測定画像読出範囲28の画像データの収集を開始するように指令する。なお、測定開始タイミング発生回路4は、板無信号を受信することなく、部分読出設定器7からの読出範囲切換信号を受信することによって、画像データの収集を開始するようにしてもよい。後述する他の実施の形態2においても同様である。
【0027】
平面形状測定画像読出範囲28の画像データは、プロフィール値演算装置20に供給されて、平板100の平面形状を特定するデータが演算される。
【0028】
平面形状測定装置1のプロフィール値演算装置20は、幅エッジ座標演算器9aと、長さエッジ座標演算器9bと、エッジ座標間幅演算器10aと、エッジ座標間長さ演算器10bと、幅エッジ中央座標演算器11aと、長さエッジ中央座標演算器11bと、を含む。プロフィール値演算装置20は、傾斜角演算器12と、幅プロフィール演算器13と、長さ方向曲り形状演算器14と、長さプロフィール演算器15と、幅方向曲り形状演算器16と、を含む。これらの演算器によって、平板100の平面形状を特定するプロフィール値を演算する。
【0029】
幅エッジ座標演算器9aおよび長さエッジ座標演算器9bは、平面形状測定撮像器8から平面形状測定画像読出範囲28の画像データを入力する。幅エッジ座標演算器9aは、平面形状測定撮像器8が出力する画像データから平板100の幅方向のエッジを検出し、平板100の幅を測定するためのエッジ座標を演算する。
【0030】
エッジ座標演算器9bは、平面形状測定撮像器8が出力する画像データから平板100の長さ方向のエッジを検出し、平板100の長さを測定するためのエッジ座標を演算する。
【0031】
エッジ座標間幅演算器10aは、幅エッジ座標演算器9aの出力に接続されている。エッジ座標間幅演算器10aは、幅エッジ座標演算器9aの演算結果にもとづいて、立上りエッジ座標と立下りエッジ座標との間隔を演算することで、平板100の幅を演算する。
【0032】
エッジ座標間長さ演算器10bは、長さエッジ座標演算器9bの出力に接続されている。エッジ座標間長さ演算器10bは、長さエッジ座標演算器9bの演算結果にもとづき、立ち上がりエッジ座標と立下りエッジ座標との間隔を演算することで、平板100の長さを演算する。
【0033】
幅エッジ中央座標演算器11aは、幅エッジ座標演算器9aの出力に接続されている。幅エッジ中央座標演算器11aは、幅エッジ座標演算器9aの演算結果にもとづき、立ち上がりエッジ座標と立下りエッジ座標との中央値を、平板100の長さ方向に沿って演算する。
【0034】
長さエッジ中央座標演算器11bは、長さエッジ座標演算器9bの出力に接続されている。長さエッジ中央座標演算器11bは、長さエッジ座標演算器9bの演算結果にもとづき、立ち上がりエッジ座標と立下りエッジ座標との中央値を、平板100の幅方向に沿って演算する。
【0035】
傾斜角演算器12は、幅エッジ中央座標演算器11aおよび長さエッジ中央座標演算器11bのそれぞれの出力に接続されている。傾斜角演算器12は、幅エッジ中央座標演算器11aおよび長さエッジ中央座標演算器11bの演算結果にもとづき、平板100の傾斜角を演算する。平板100の傾斜角とは、正規の向きに対する平板の回転角度である。
【0036】
幅プロフィール演算器13は、エッジ座標間幅演算器10aおよび傾斜角演算器12のそれぞれの出力に接続されている。幅プロフィール演算器13は、傾斜角演算器12の演算結果にもとづき、エッジ座標間幅演算器10aの演算結果を補正することによって、幅プロフィールを演算する。幅プロフィールとは、平板100の幅が平板100の長さ方向に沿ってどのように変化するかを示す形状に関するパラメータである。
【0037】
長さプロフィール演算器15は、エッジ座標間長さ演算器10bおよび傾斜角演算器12の出力に接続されている。長さプロフィール演算器15は、傾斜角演算器12の演算結果にもとづき、エッジ座標間長さ演算器10bの演算結果を補正することによって、長さプロフィールを演算する。長さプロフィールとは、平板100の長さが平板100の幅方向に沿ってどのように変化するかを示す形状に関するパラメータである。
【0038】
長さ方向曲り形状演算器14は、幅エッジ中央座標演算器11aおよび傾斜角演算器12のそれぞれの出力に接続されている。長さ方向曲り形状演算器14は、傾斜角演算器12の演算結果にもとづき、幅エッジ中央座標演算器11aの演算結果を補正することによって、長さ方向曲がり形状を演算する。長さ方向曲がり形状とは、平板100の幅の中心位置が平板100の長さ方向に沿ってどのように曲がっているかを表す形状に関するパラメータである。
【0039】
幅方向曲り形状演算器16は、長さエッジ中央座標演算器11bおよび傾斜角演算器12のそれぞれの出力に接続されている。幅方向曲り形状演算器16は、傾斜角演算器12の演算結果にもとづき、長さエッジ中央座標演算器11bの演算結果を補正することによって、幅方向曲がり形状を演算する。幅方向曲がり形状とは、平板100の長さの中心位置が平板100の幅方向に沿ってどのように曲がっているかを表す形状に関するパラメータである。
【0040】
幅プロフィール演算器13、長さ方向曲り形状演算器14、長さプロフィール演算器15および幅方向曲り形状演算器16は、平板100の平面形状のゆがみに関するデータを演算するゆがみ演算装置の例である。本実施形態の平面形状測定装置1では、これらのゆがみ演算装置を備えたことで、平板100の直角度の変形や、平板100の中心線の曲りなど、平板100の平面形状のゆがみを正確に測定できる。
【0041】
実施の形態1の平面形状測定装置1の動作について説明する。
図2は、実施の形態1の平面形状測定装置において、平板の検知および輝度レベル測定の方法を説明するための模式図である。
図3(a)〜
図3(c)は、実施の形態1の平面形状測定装置1において、平板の有無の検知の方法を説明するための模式図である。
図2には、平面形状測定画像読出範囲28、板有無検知・輝度レベル判定画像読出範囲27、および板有無検知ライン29の関係が示されており、合わせて、搬送されてくる平板100の位置関係が示されている。また、
図3(a)〜
図3(c)には、平板100の位置に応じて、板有無検知ライン29において検出された輝度レベルが示されている。
【0042】
図2に示すように、板有無検知・輝度レベル判定画像読出範囲27は、平面形状測定画像読出範囲28の一部である。平面形状測定画像読出範囲28は、平面形状測定撮像器8の視野に一致または視野に含まれる領域であり、平板100の全体を包含する。板有無検知・輝度レベル判定画像読出範囲27は、この例のように、好ましくは、平面形状測定画像読出範囲28のうち、平板100の搬送方向のもっとも上流側に設定される。板有無検知・輝度レベル判定画像読出範囲27は、搬送方向に沿って、数ラインから数10ライン程度の画素列を含む領域である。板有無検知・輝度レベル判定画像読出範囲27のうち、搬送方向のもっとも下流側のラインは、板有無検知ライン29に設定される。
【0043】
板有無検知・輝度レベル判定画像読出範囲27のライン数は、たとえば平面形状測定撮像器8に設定できる読出範囲に応じて決定される。板有無検知・輝度レベル判定画像読出範囲27は、平面形状測定画像読出範囲28の画像データの処理時間に比べて十分短い時間で、平板100の輝度レベルを判定できるライン数を有していればよく、そのライン数は、たとえば1ラインから数ラインであってもよい。
【0044】
板有無検知ライン29の位置は、上述のとおり、板有無検知・輝度レベル判定画像読出範囲27のもっとも下流側に設定されるのが好ましいが、これに限らない。板有無検知ライン29は、板有無検知・輝度レベル判定画像読出範囲27において、平板100の輝度レベルを測定して、輝度レベルの適切な調整量を演算するのに十分な輝度レベルのデータの量および演算時間が確保できるような位置に設定される。つまり、板有無検知ライン29は、板有無検知・輝度レベル判定画像読出範囲27のなるべく下流側に設定される。一方、板有無検知ライン29は、板有無検知・輝度レベル判定画像読出範囲27から平面形状測定画像読出範囲28に読出範囲を切り換えて、画像の読出処理を行うのに十分な処理時間を確保できる位置が選定される。
【0045】
板有無検知ライン29の輝度レベルのデータは、板有無検知・輝度レベル演算器17によって、平板100の有無の判定に用いられる。平板100の有無とは、平板100が板有無検知・輝度レベル判定画像読出範囲27内にあるか否かで判定される。
【0046】
板有無検知・輝度レベル演算器17は、板有無検知ライン29における板有検知しきい値を有する。板有検知しきい値は、その圧延工程で用いられる平板100の通常の輝度レベルに比べて十分小さい値があらかじめ設定される。板有無検知ライン29における輝度レベルが板有検知しきい値以上の場合には、板有無検知・輝度レベル演算器17は、板有無検知・輝度レベル判定画像読出範囲27に平板100が存在すると判断し、板有信号を生成する。板有無検知ライン29における輝度レベルが板有検知しきい値よりも小さい場合には、板有無検知・輝度レベル演算器17は、板有無検知・輝度レベル判定画像読出範囲27に平板100が存在しないと判断し、板無信号を生成する。
【0047】
図3(a)は、平板100が
図2の「100a」の位置の場合の板有無検知ライン29における輝度レベルのデータを表している。平板100が「100a」の位置の場合とは、平板100のいずれの部分も板有無検知ライン29よりも上流側にある場合である。
図3(a)に示すように、板有無検知ライン29における輝度レベルは、板有検知しきい値よりも小さい。そのため、板有無検知・輝度レベル演算器17は、板無信号を生成し、板無信号を測定開始タイミング発生回路4および部分読出設定器7に供給する。
【0048】
図3(b)は、平板100が
図2の「100b」の位置の場合の板有無検知ライン29における輝度レベルのデータを表している。平板100が「100b」の位置の場合とは、平板100の一部が板有無検知ライン29よりも上流側にある場合である。
図3(b)に示すように、板有無検知ライン29における輝度レベルは、板有検知しきい値以上である。そのため、板有無検知・輝度レベル演算器17は、板有信号を生成し、板有信号を測定開始タイミング発生回路4および部分読出設定器7に供給する。
【0049】
図3(c)は、平板100がさらに搬送されて、
図2の「100c」の位置の場合の板有無検知ライン29における輝度レベルのデータを表している。平板100が「100c」の位置の場合とは、平板100の全体が板有無検知ライン29よりも下流側にある場合である。この場合には、平板100の全体は、平面形状測定画像読出範囲28内にある。
図3(c)に示すように、板有無検知ライン29における輝度レベルは、板有検知しきい値よりも小さい。そのため、板有無検知・輝度レベル演算器17は、板無信号を生成し、板無信号を測定開始タイミング発生回路4および部分読出設定器7に供給する。
【0050】
部分読出設定器7は、板無信号を受信し、続いて板有信号を受信した後、再度板無信号を受信した場合に、読出範囲切換信号を生成する。つまり、部分読出設定器7は、
図3(a)の状態から
図3(b)の状態となった後、
図3(c)の状態に変化することによって、読出範囲切換信号を生成する。読出範囲切換信号は、測定開始タイミング発生回路4および平面形状測定撮像器8に供給される。なお、板無信号および板有信号の関係は、一例であり、部分読出設定器7等は、これに限らず適切な任意の信号形態によって動作するようにしてもよい。たとえば、板無信号に代えて無信号とし、部分読出設定器7は、板有信号の受信後に板有信号が消失したことを検知したことをもって、読出範囲切換信号を生成するようにしてもよい。
【0051】
測定開始タイミング発生回路4は、改めて測定開始指令を平面形状測定撮像器8に指令する。平面形状測定撮像器8は、測定開始指令にしたがって平板100の撮像を行う。平面形状測定撮像器8は、読出範囲切換信号によって、撮像した画像データの読出範囲を、平面形状測定画像読出範囲28に切り換えて、2次元の画像データをプロフィール値演算装置20に供給する。
【0052】
本実施形態の平面形状測定装置1の一連の動作について、フローチャートを参照して説明する。
図4は、本実施形態の平面形状測定装置の動作を説明するためのフローチャートの例である。
図4に示すように、ステップS101おいて、平板温度情報受信器2は、外部から供給される平板100の平板表面温度情報を受信する。
【0053】
ステップS102において、露光時間設定指令器6は、露光時間テーブル5を参照して、平板温度情報受信器2が受信した平板表面温度情報に対応する平面形状測定撮像器8の露光時間を決定する。
【0054】
ステップS103において、露光時間設定指令器6は、平面形状測定撮像器8に対してステップS102で取得した露光時間を設定する。
【0055】
ステップS104において、測定開始指令受信器3は、外部から発信される測定開始指令を受信する。
【0056】
ステップS105において、測定開始タイミング発生回路4は、平面形状測定撮像器8に対して、画像データの読出範囲を板有無検知・輝度レベル判定画像読出範囲27に設定する。測定開始タイミング発生回路4は、平面形状測定撮像器8に対して、定周期で画像データを収集するように指令する。
【0057】
ステップS106において、平面形状測定撮像器8は、撮像を開始し、定周期で画像データを収集する。
【0058】
ステップS107において、平面形状測定撮像器8は、板有無検知・輝度レベル判定画像読出範囲27の画像データを板有無検知・輝度レベル演算器17に供給する。板有無検知・輝度レベル演算器17は、板有無検知ライン29の輝度レベルを板有検知しきい値と比較する。板有無検知ライン29は、輝度レベルが板有検知しきい値以上の場合には、板有信号を生成する。
【0059】
ステップS108において、板有無検知・輝度レベル演算器17は、板有無検知・輝度レベル判定画像読出範囲27の輝度レベルを測定し、あらかじめ設定された目標輝度となるように輝度レベルの調整量を演算する。板有無検知・輝度レベル演算器17は、輝度レベルの調整量を露光時間設定指令器6に供給する。
【0060】
ステップS109において、板有無検知・輝度レベル演算器17は、板有無検知ライン29の輝度レベルが板有検知しきい値よりも小さくなったことを検出し、平板100の尾端が板有無検知ライン29を通過したことを検知する。板有無検知・輝度レベル演算器17は、板無信号を生成して、生成した板無信号を測定開始タイミング発生回路4および部分読出設定器7に供給する。
【0061】
ステップS110において、露光時間設定指令器6は、平面形状測定撮像器8に対して、調整された輝度レベルに応じた露光時間を再設定する。
【0062】
ステップS111において、部分読出設定器7は、再度の板無信号の供給に応じて読出範囲切換信号を生成する。部分読出設定器7は、生成した読出範囲切換信号を測定開始タイミング発生回路4および平面形状測定撮像器8に供給し、画像データの読出範囲を平面形状測定画像読出範囲28に設定する。
【0063】
ステップS112において、測定開始タイミング発生回路4は、平面形状測定撮像器8に測定開始を指令する。平面形状測定撮像器8は、測定開始指令および読出範囲切換信号にしたがって、撮像を開始する。
【0064】
ステップS113において、平面形状測定撮像器8は、平面形状測定画像読出範囲28の画像データを読み出して、プロフィール値演算装置20に供給する。
【0065】
ステップS114において、幅エッジ座標演算器9aは、撮像により得られた画像データから幅エッジ座標を演算する。長さエッジ座標演算器9bは、画像データから長さエッジ座標を演算する。
【0066】
ステップS115において、エッジ座標間幅演算器10aは、幅エッジ座標演算器9aで演算された立上りエッジ座標と立下りエッジ座標との間隔を演算することで、平板100の幅を演算する。
【0067】
ステップS116において、幅エッジ中央座標演算器11aは、幅エッジ座標演算器9aで演算された立ち上がりエッジ座標と立下りエッジ座標との中央値を、平板100の長さ方向に沿って演算する。
【0068】
ステップS117において、エッジ座標間長さ演算器10bは、長さエッジ座標演算器9bで演算された立ち上がりエッジ座標と立下りエッジ座標との間隔を演算することで、平板100の長さを演算する。
【0069】
ステップS118において、長さエッジ中央座標演算器11bは、長さエッジ座標演算器9bで演算された立ち上がりエッジ座標と立下りエッジ座標との中央値を、平板100の幅方向に沿って演算する。
【0070】
ステップS119において、傾斜角演算器12は、幅エッジ中央座標演算器11aで演算された複数点の座標にもとづき、平板100の傾斜角を演算する。
【0071】
ステップS120において、傾斜角演算器12は、長さエッジ中央座標演算器11bで演算された複数点の座標にもとづき、平板100の傾斜角を演算する。
【0072】
ステップS121において、幅プロフィール演算器13は、傾斜角演算器12で演算された傾斜角を用いて、エッジ座標間幅演算器10aの演算結果を補正することで、平板100の幅プロフィールを演算する。
【0073】
ステップS122において、長さ方向曲り形状演算器14は、傾斜角演算器12で演算された傾斜角を用いて、幅エッジ中央座標演算器11aの演算結果を補正することで、平板100の長さ方向曲がり形状を演算する。
【0074】
ステップS123において、長さプロフィール演算器15は、傾斜角演算器12で演算された傾斜角を用いて、エッジ座標間長さ演算器10bの演算結果を補正することで、平板100の長さプロフィールを演算する。
【0075】
ステップS124において、幅方向曲り形状演算器16は、傾斜角演算器12で演算された傾斜角を用いて、長さエッジ中央座標演算装置器bの演算結果を補正することで、平板100の幅方向曲がり形状を演算する。
【0076】
このようにして、本実施の形態1の平面形状測定装置1は、平板100の平面形状を測定することができる。
【0077】
実施の形態1の平面形状測定装置1の効果について説明する。
図5(a)および
図5(b)は、平板の表面温度と輝度レベルの関係を例示するグラフおよび表である。
図5(c)は、平板の表面温度に対する平面形状測定撮像器の露光時間の関係を例示するグラフである。
図5(a)のグラフの縦軸は、表面温度が700℃のときの輝度レベルを基準としたときの各表面温度の輝度レベルの相対比を対数軸で表示している。
図5(a)のグラフの横軸は、平板100の表面温度である。
【0078】
図5(b)には、表面温度ごとに基準温度に対する輝度レベルの相対比が記載されている。たとえば、700℃を基準温度としたときの800℃での輝度レベルの相対比は5である。つまり、700℃を基準にして輝度レベルの上限値(100%)が設定された場合に、実際の表面温度が800℃であった場合には、輝度レベルは上限の500%となる。
【0079】
図5(c)の露光時間テーブルには、表面温度に対する露光時間の相対値が設定されている。露光時間テーブルによれば、表面温度の上昇に応じて露光時間を短くするように設定されている。表面温度と輝度レベルとの関係から、露光時間は、たとえば表面温度が700℃の場合に露光時間を100%にしたときには、表面温度が800℃であれば、露光時間を20%とする必要がある。
【0080】
実施の形態1では、当初の温度設定は、平板温度情報受信器2によって受信された平板表面温度情報を用いて露光時間が設定される。このときの露光時間は、平板温度情報受信器2によって受信される温度のデータにもとづいているので、平板100が平面形状測定画像読出範囲28にあるときの表面温度と等しいとは限らない。平板表面温度情報と実際の平板100の表面温度とが相違していた場合には、上述のように小さい相違であっても、輝度レベルは大きく相違するので、設定された露光時間が適切でないことがあり得る。そのため、平板100の画像データを正確に取得することができないことが生じ得る。
【0081】
そこで、平面形状測定装置1は、平面形状測定画像読出範囲28の一部に設定された板有無検知・輝度レベル判定画像読出範囲27によって、最適な露光時間を設定するための輝度レベルのデータを取得する。
【0082】
板有無検知・輝度レベル判定画像読出範囲27は、平面形状測定画像読出範囲28の数ラインから数10ライン程度の読出範囲に設定されるので、迅速に画像データを処理することができ、平面形状測定画像読出範囲28での画像データ取得の直前に平板100の輝度レベルを正確に測定することができる。そのため、平面形状測定装置1は、実際の平板100の輝度レベルに応じた露光時間を設定することができる。
【0083】
画像データの読出範囲が平面形状測定画像読出範囲28に切り換えられた後には、正確に測定された輝度レベルに応じた最適な露光時間で画像データが処理される。そのため、平面形状測定装置1は、平板100のエッジの座標データを正確に検出することができる。
【0084】
実施の形態1では、平面形状測定撮像器8が収集する画像データの読出範囲の設定を切り換えることによって、板有無検知・輝度レベル判定画像読出範囲27および平面形状測定画像読出範囲28を切り換えることができる。そのため、輝度レベルの測定のためのラインセンサやラインセンサの制御のための装置等を要することなく、最適な露光時間の設定が可能になる。したがって、実施の形態1の平面形状測定装置1では、ラインセンサやその取付調整冶具にかかるコストやスペースを削減することができるとともに、ラインセンサ等の光軸調整や保守点検等にかかる工数も削減することができる。
【0085】
図6(a)および
図6(b)は、実施の形態1の平面形状測定装置において、平板の輝度レベルの測定および輝度レベルの調整に関する模式図である。
図6(a)および
図6(b)には、板有無検知ライン29上の平板100の輝度レベルの測定の例が示されている。
図6(a)に示すように、板有無検知・輝度レベル演算器17は、板有無検知・輝度レベル判定画像読出範囲27内の輝度レベル判定エリアの輝度レベルにもとづいて、板有無検知を行う。平板100の位置は、
図2の「100b」の位置である。板有無検知のための輝度レベルは、たとえば輝度レベル判定エリア内の画素の輝度レベルの平均値とすることができる。輝度レベル判定エリアは、任意に設定することができるので、撮像器の特性等に応じて、適切に設定することができる。
【0086】
図6(b)に示すように、実施の形態1の平面形状測定装置1では、輝度判定エリア内の輝度レベルの平均値に対して、板有無検知・輝度レベル演算器17は、目標の輝度レベルになるように調整量を生成する。ここで、目標輝度レベルは、適切な値を任意に設定することができるが、上述のとおり、複数の値を設定して順次切り換えて画像データを処理して、より適切なものを選択したり、平均値をとって測定誤差を極小化したりすることができる。
【0087】
(実施の形態2)
実施の形態1では、平板100の全体が板有無検知・輝度レベル判定画像読出範囲27を抜けた後に、平面形状測定撮像器8に対して、板有無検知・輝度レベル判定画像読出範囲27から平面形状測定画像読出範囲28に読出範囲の設定変更を行う。一方で、平板100の搬送速度や平面形状測定撮像器8の撮像速度や処理速度によっては、読出範囲の設定変更が間に合わない可能性がある。そのため、実施の形態2では、平板100の全体が板有無検知・輝度レベル判定画像読出範囲27を抜ける前に読出範囲の設定を変更し、平面形状測定画像読出範囲28に切り換えて、画像データの全体の撮像を開始する。
【0088】
図7は、実施の形態2に係る平面形状測定装置を例示するブロック図である。
図7に示すように、実施の形態2の平面形状測定装置101は、平面形状画像判定器118をさらに備える。また、平面形状測定装置101は、上述の実施の形態1の場合の部分読出設定器7および測定開始タイミング発生回路4と一部機能の異なる部分読出設定器107および測定開始タイミング発生回路104を備える。
【0089】
平面形状画像判定器118は、平面形状測定撮像器8の出力に設けられている。平面形状画像判定器118は、平板100の全景が平面形状測定画像読出範囲28内に入ったことを検知した場合に、平面形状測定撮像器8から出力される平板100の全景の画像データをプロフィール値演算装置20に供給する。
【0090】
部分読出設定器107は、板有無検知・輝度レベル演算器17から出力された板有信号にもとづいて、読出範囲切換信号を生成する。測定開始タイミング発生回路104も、板有信号にもとづいて、平面形状測定撮像器8に対して、画像データを平面形状測定画像読出範囲28で収集して読み出すように指令する。つまり、部分読出設定器107および測定開始タイミング発生回路104は、板有無検知・輝度レベル演算器17から板有信号を受信した後に、再度板無信号を受信することを待たずに、読出範囲の切り換え動作を実行する。
【0091】
実施の形態2の平面形状測定装置101の動作について説明する。
すでに、
図2および
図3(a)〜
図3(c)に関して説明したように、板有無検知・輝度レベル演算器17は、平板100が板有無検知ライン29に到達した時点で、板有信号を生成する。板有無検知・輝度レベル演算器17は、板有信号を生成するとともに、板有無検知・輝度レベル判定画像読出範囲27の輝度レベルを計測を開始し、輝度レベルの調整量を演算する。板有無検知・輝度レベル演算器17は、演算した輝度レベルの調整量およびあらかじめ設定された輝度レベルの目標値にもとづいて、露光時間設定指令器6に対して、再度露光時間を設定する。
【0092】
実施の形態2の平面形状測定装置101では、平板100の尾端が板有無検知ライン29を抜ける前に、すでに画像データの読出範囲が平面形状測定画像読出範囲28に読出範囲を切り換える。そのため、平面形状測定装置101は、平板100の全体をとらえた画像データを取得できるか否かの判定を平面形状画像判定器118によって行う。
【0093】
図8(a)および
図8(b)は、実施の形態2の平面形状測定装置において、平板の検知の方法を説明するための模式図である。
図8(a)は、板有無検知・輝度レベル判定画像読出範囲27、平面形状測定画像読出範囲28、板有無検知ライン29、および平板100の位置関係を表している。
図8(b)は、平面形状測定画像読出範囲28のもっとも上流よりの縁に視野入判定ライン30が設けられていることが示されている。視野入判定ライン30は、より早い段階で平板100の全体の画像データを取得できることを判定するために、なるべく上流側に設けることが好ましいが、この例の場合に限るものではない。
【0094】
図8(a)および
図8(b)に示すように、平板100が「100a’」の位置の場合には、平板100のいずれの部分も視野入判定ライン30よりも上流側にある。平板100が「100b’」の位置の場合には、平板100の一部が視野入判定ライン30よりも下流側にある。この場合には、
【0095】
平板100が「100c’」の位置の場合には、平板100の全体が視野入判定ライン30よりも下流側にある。この場合に、平板100の全体は、平面形状測定画像読出範囲28内にある。平面形状画像判定器118は、平板100の全体が平面形状測定画像読出範囲28に入ったものとして、平面形状測定画像読出範囲28の画像データをプロフィール値演算に供給する。
【0096】
図9(a)〜
図9(c)は、平面形状画像判定器によって、平板を検知する方法を説明するための模式図である。
図9(a)〜
図9(c)は、視野入判定ライン30における輝度レベルのデータの例を示している。視野入判定ライン30では、平板100の全体が平面形状測定画像読出範囲28に入ったか否かが判定される。
【0097】
図9(a)では、平板100は、
図8(a)の「100a’」の位置にあり、そのときの輝度レベルが板有検知しきい値よりも小さいことが示されている。
図9(b)では、平板100は、
図8(a)の「100b’」の位置にあり、そのときの輝度レベルが板有検知しきい値以上であることが示されている。
図9(c)では、平板100は、
図8(a)の「100c’」の位置にあり、そのときの輝度レベルが板有検知しきい値よりも小さいことが示されている。つまり、平面形状画像判定器118は、視野入判定ライン30における輝度レベルが板有検知しきい値以上となった後、板有検知しきい値よりも小さいことを検出することによって、平板100の全体が平面形状測定画像読出範囲28に入ったことを判定することができる。
【0098】
実施の形態2の平面形状測定装置101では、平板100の少なくとも一部が視野入判定ライン30よりも上流にある場合には、平面形状画像判定器118は、平面形状測定撮像器8から出力される画像データをプロフィール値演算装置20に出力しない。平板100が視野入判定ライン30を超えた場合に、平面形状測定撮像器8から出力される画像データをプロフィール値演算装置20に出力する。つまり、平面形状測定撮像器8の画像データの読出範囲が平面形状測定画像読出範囲28に設定されているにもかかわらず、平面形状測定撮像器8の視野内に平板100の全景をとらえられていない場合には、その画像データを出力しない。平面形状画像判定器118において、平板100のすべてが視野入判定ライン30を通過したことを検出して、撮像した画像データをプロフィール値演算装置20に供給する。
【0099】
実施の形態2の平面形状測定装置101の一連の動作について、フローチャートを参照しながら説明する。
図10は、実施の形態2の平面形状測定装置101の動作を説明するためのフローチャートの例である。
図10のフローチャートでは、ステップS101〜S108およびS114〜S124は、実施の形態1の場合と同じであり、詳細な説明を省略する。実施の形態2では、実施の形態1のステップS109に代えて、新たにステップS201〜S206を設ける。
【0100】
ステップS108までにおいて、板有無検知・輝度レベル判定画像読出範囲27で検出された輝度レベルの測定および輝度レベルの調整量の演算は完了し、調整量を露光時間設定指令器6に供給している。
【0101】
ステップS201において、露光時間設定指令器6は、供給された調整量にもとづいて、露光時間を再設定する。
【0102】
ステップS202において、部分読出設定器107は、板有無検知・輝度レベル演算器17から供給された板無信号に続いて板有信号を受信する。部分読出設定器107は、この板有信号にもとづいて、画像データの読出範囲を平面形状測定画像読出範囲28に切り換える読出範囲切換信号を生成する。部分読出設定器107は、生成した読出範囲切換信号を測定開始タイミング発生回路104および平面形状測定撮像器8に供給し、画像データの読出範囲を平面形状測定画像読出範囲28に設定する。
【0103】
部分読出設定器107の読出範囲を切り換えるタイミングについては、再度の板無信号の受信前であって、露光時間の再設定が完了するタイミングであればよい。たとえば、板有信号の受信と同時でもよいし、そのタイミングから一定時間後に読出範囲切換信号を生成するようにしてもよいし、輝度レベルの調整量を演算した後に露光時間の再設定が行われたタイミング等であってもよい。
【0104】
ステップS203において、測定開始タイミング発生回路104は、平面形状測定撮像器8に測定開始を指令する。平面形状測定撮像器8は、測定指令および読出範囲切換信号にしたがって、撮像を開始する。
【0105】
ステップS204において、平面形状測定撮像器8は、切換信号および測定指令にしたがい、平板100の撮像を開始する。平面形状測定撮像器8は、平板100の画像データを複数収集する。
【0106】
ステップS205において、平面形状画像判定器118は、撮像した平板100の画像が視野入判定ライン30を超えて、平板100の全景が撮像されているか否かを判断する。平面形状画像判定器118は、平板100の全体が撮像された画像データをプロフィール値演算装置20に供給する。
【0107】
ステップS206において、平面形状画像判定器118は、画像データをプロフィール値演算装置20に出力した後、測定開始タイミング発生回路4に対して、撮像を終了するよう指令を送信する。
【0108】
実施の形態2の平面形状測定装置101の効果について説明する。
実施の形態2の平面形状測定装置101では、読出範囲の切り換えを、平板100の尾端が板有無検知ライン29を通過する前に実行する。平面形状測定装置101は、平面形状画像判定器118を備えているので、平板100の全景の撮像の判定を行うことができる。したがって、平板100の搬送速度が速かったり、平面形状測定撮像器8の撮像速度が遅かったりする場合であっても、読出範囲の設定変更が遅れずに安定して、画像データを取得することができる。
【0109】
なお、上述の実施の形態1および実施の形態2については、製造ラインの状況に合わせて相互に切り換えて運用できるようにしてもよい。また、実施の形態2においても実施の形態1の場合と同様に、板有無検知・輝度レベル演算器17の輝度レベルの調整量の設定に際して、複数の目標値を設定して、最適な値を設定できるようにすることができる。
【0110】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他のさまざまな形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明およびその等価物の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。