(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記交流電源が接続されておらず前記直流電源が接続された場合に前記直流電源を利用可能とし、前記交流電源と前記直流電源が共に利用可能な場合に前記交流電源を優先的に利用可能とする自動スイッチを有することを特徴とする請求項1に記載の集塵機。
前記本体ハウジングに前記交流電源と前記直流電源のいずれが前記モータに電力を供給しているのかを視認可能な駆動電源表示部を設けたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の集塵機。
前記複数の電池パックは、前記モータの側方の一方の側に配置され、前記モータの他方の側に、前記電源から前記モータへの電力の供給を可能とする操作スイッチを有する操作部が配置されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の集塵機。
前記複数の電池パックの各々は接続端子を備える底面を有し、各々の前記底面が単一の平面上に位置するように配置されることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の集塵機。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態を詳述する。なお、各図面に示される同一又は同等の構成要素、部材、処理等には同一の符号を付し、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は発明を限定するものではなく例示であり、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
【0020】
図1乃至
図5を用いて本発明に係る集塵機の第1の実施の形態を説明する。これらの図において、集塵機1は、本体ハウジング(ヘッドカバー)2aと、その内側に配置、固定される電動モータ3と、モータ3で回転駆動されて粉塵を吸引する遠心形集塵ファン4とを有する本体(ヘッド)2と、粉塵の吸込口(ホース取付口)11を側面部に有するとともに上方に開口し、前記開口に本体2が配置される有底ダストケース10とを備える。本体2は有底ダストケース10の上部開口を本体ハウジング2aで塞ぐ配置であって、ダストケース10に対して着脱自在であり、本体ハウジング2aは集塵ファン4で吸引された空気を排出する排気口5a,5b,5cを有している(
図1及び
図2参照)。ダストケース10は粉塵を貯留する内部空間を有している。
【0021】
モータ3は、本体ハウジング2aに対してその出力軸が鉛直方向下方となるように配設され、モータ出力軸に遠心形集塵ファン4が直結され、集塵ファン4の吸気口6を本体ハウジング2aの下面中心部に設けている。集塵ファン4の回転に伴う空気流は
図1中に実線矢印Pで示し、排気風の一部は
図4で後述するインバータ30及び充電回路31を通過して、これらを冷却する。集塵ファン4の排気風の多くは排気口5a,5b,5cから排気される。なお、本体ハウジング2aの排気口5b,5c形成部分の内側には排気フィルタ9が配設されている。
【0022】
モータ3の集塵ファン取付側の反対側出力軸には自冷ファン7が直結され、この自冷ファン7は本体ハウジング2aの別の位置に設けた吸気口8(
図1の排気口5aとは異なる断面位置に形成されている)から空気を吸引(吸気)し、モータ3自体を経由し排気口5b,5cから排気する。自冷ファン7の回転に伴う空気流は
図1中に点線矢印Qで示す。
図1の場合、自冷ファン7による吸気風はインバータ30及び充電回路31を通過して、これらを冷却する。
【0023】
ダストケース10には粉塵の吸込口11が形成され、またダストケース10の内側には、本体2側の集塵ファン4との間を仕切るように、フィルタ装置12が配置される。吸込口11には集塵ホース35が着脱自在に連結される。フィルタ装置12は、筒状フィルタ13をトップカバー14とボトムカバー15とによって挟んで保持したものであり、トップカバー14の外縁部が、本体ハウジング2aの下面外周部に設けられたシールパッキン16とダストケース10の上縁外周部間に挟まれ、本体ハウジング2aとダストケース10とが図示されていないクランプ等により締結されることによって、圧着かつ密閉される。
【0024】
また、集塵機1を運搬するために、本体ハウジング2a上部に回転自在に軸支されたハンドル18が設けられている。
【0025】
本実施の形態では、
図4(A),(B)に示すように、モータ3は交流モータ3Aで構成されており、
図1の本体2に設けられた操作パネル部17に配置されたスイッチ21及び手動電源切替スイッチ(SW)20を介してモータ3Aは、商用交流電源(コンセント)に接続するための電源コード19に接続可能である。電源コード19は本体2から引き出されている。また、交流モータ3Aは操作パネル部17に配置されたスイッチ21及び手動電源切替スイッチ20、本体2内の適所に配置されたインバータ30を介して直流電源としての電池パック40にも接続可能である。この場合、インバータ30は電池パック40の直流電圧を交流電圧に変換し、かつ交流モータ3Aの動作電圧にまで昇圧する昇圧回路としての機能を有するものである。また、電池パック40は本体2内の適所に配置された充電回路31を介して電源コード19に接続されており、電源コード19を通して供給される交流電力により交流モータ3Aが駆動中でも電池パック40を所要電圧値の直流電力で充電可能である。なお、充電回路31には電池パック40の過充電を防止する保護回路が設けられている。
【0026】
なお、図示は省略したが、本体ハウジング2aには、商用交流電源と直流電源(電池パック40)のうちのいずれが交流モータ3Aへ電力を供給しているのかを視認可能な駆動電源表示ランプが設けられている。また、装着されている電池パック40の残量を表示する電池残量ランプも本体ハウジング2aに設けられている。
【0027】
電池パック40は、
図1乃至
図3に示すように、例えば本体ハウジング2aの上部の凹部である電池パック取付部2bに対して着脱自在に装着可能であり、電池パック取付部2bには接続端子部25が配置される。
図1の場合、電池パック40はその底面が下向きとなるように電池パック取付部2bに配置され、本体2側の接続端子部25は電池パック取付部2bの底面に露出するように本体ハウジング2aに固定されている。
【0028】
電池パック40は例えば
図20(A),(B)に示す外観(但し、底面が上向き)であり、電池ケース41内に1本若しくは複数本の二次電池(充電池)を内蔵したものである。電池ケース41の底面には複数のスリット溝42が形成され、ここに本体2側の接続端子部25と電気接続可能な接続端子43が配置されている。また、電池ケース41の正面には、内部の電池を冷却するための冷却空気通路の第1の開口(空気取入・排出口)44が、底面には第2の開口(空気取入・排出口)45が設けられ、両者は電池ケース41内部を通過する冷却空気通路(吸/排気通路)で繋がっている。電池ケース41の左右側面の電池パック取付ボタン46を操作することにより電池パック40を本体ハウジング2aの電池パック取付部2bに着脱自在に装着できるようになっている。
【0029】
図2に示すように、電池パック40が配置される電池パック取付部2bには多数のスリット孔からなる排気口5b,5cが異なる方向に開口している。すなわち、排気口5bは電池パック取付部2bの電池パック40の正面に対向する面に開口し、排気口5cは電池パック40の左右側面に対向する面に開口している。
図1の矢印P+Qに示すように、排気口5bからの排気風は電池パック40の正面の第1の開口44から電池パック40内に入り、内部の冷却空気通路を通って電池パック内部を冷却してから第2の開口45から排気される。また、排気口5cからの排気風は電池パック40の両側面に当たって電池ケース41を冷却する。
【0030】
図5は第1の実施の形態における手動操作フローであって、交流電源使用を優先する場合を示す。集塵機1を使用する際に、集塵機1のユーザーは、まず集塵機1の電源コード19が交流電源のコンセントに差し込み可能か(AC100Vが在るか)否かを判断し(S1)、差し込み可能であれば(S1:YES)、ユーザーは電源コード19をコンセントに差し込み、
図4(A)のように集塵機が交流電源の供給を受けることができる側に電源切替スイッチ20を切り替える(S2)。そして、ユーザーがスイッチ21を通電側に操作することにより(S3)、交流モータ(ACモータ)3Aが駆動し、集塵ファン4が回転する。
【0031】
電源コード19をコンセントに差し込み不能であれば(S1:NO)、次に電池パック40が電池パック取付部2bに取り付けられているか(充電池が在るか)否かを判断する(S4)。電池パック40が取り付けられていれば、ユーザーは、
図4(B)のように集塵機が直流電源の供給を受けることができる側に電源切替スイッチ20を切り替える(S5)。このことにより直流電力がインバータ30により交流電力に変換可能な状態となり(S6)、ユーザーがスイッチ21を通電操作することにより(S3)、交流モータ3Aが駆動し、集塵ファン4が回転する。
【0032】
上記のように集塵ファン4の回転により発生する吸込み力により集塵機1のダストケース10の内側部が負圧になる。これにより、空気と粉じんは、集塵ホース35を介し、吸込口11からダストケース10の内部に吸引され、フィルタ装置12によって、粉じんと空気に分離され、粉じんはフィルタ装置12の筒状フィルタ13外周面で捕集され、空気はフィルタ13を通過してフィルタ装置12の内側部を通り、本体ハウジング2a内部に吸引される。フィルタ装置12の外周面で捕集された粉じんは自然落下し、ダストケース10内部に収納される。本体ハウジング2a内部に吸引された空気は排気フィルタ9を介して電池パック取付部2bに設けられた排気口5b,5cから電池パック40、接続端子部25に向かって排気される。電池パック40が電池パック取付部2bに取り付けられている場合は、排気された空気は電池パック40の第1の開口44、冷却空気通路及び第2の開口45の経路で通り抜け、電池パック40を効果的に冷却する。電池パック40が電池パック取付部2bに取り付けられていない場合で交流電源駆動のときは、排気風は接続端子部25に吹き付けられ接続端子部25のほこり等を吹き飛ばす。
【0033】
本実施の形態によれば、下記の効果を奏することができる。
【0034】
(1) 商用交流電源又は直流電源としての電池パック40から選択的に電力供給を受け、モータ3の駆動に適した電力を該モータに供給可能であり、移動操作性を改善可能である。
【0035】
(2) 商用交流電源を利用可能としたことで、電池パック40の有無にかかわらず集塵ファン4の排気風及び自冷ファン7の吸、排気風を発生させ、これらによって電池パック40やインバータ30、充電回路31を冷却し、発熱を抑制可能である。また、電池パック取付部2bへの排気風の吹き付けが可能である。
【0036】
(3) 電池パック40を着脱自在に装着する部分である電池パック取付部2bの異なる向きに排気口5b,5cを設けることで、排気口5b,5cから排出される排気風を電池パック40に向けて複数方向から排出可能であり、良好な冷却効果を得ることができる。また、排気風を電池パック40内部の冷却空気通路に通すことで、電池パック40の内部を効率的に冷却可能である。
【0037】
(4) 電池パック取付部2bに電池パック40が装着されていないときは、排気口5b,5cからの複数方向の排気風は接続端子部25に向けて吹き付けられ、接続端子部25に付着しているほこり等を排除できる。この結果、接続端子部25にほこり等が付着することに起因する電池パック40との間の接触不良や短絡故障等を未然に防止できる。また、接続端子部25にほこり等が付着しないようにカバーを設けることも不要となり、部品点数の増加を招くことがない。
【0038】
(5) 電池パック40は本体2内の充電回路31を介して電源コード19に接続されており、電源コード19を通して供給される交流電力により交流モータ3Aが駆動中でも電池パック40を所要電圧値の直流電力で充電可能である。
【0039】
(6) 他の1種類以上の工具にも使用可能な互換性のある電池パック40を使用可能である。
【0040】
図6乃至
図8で本発明の第2の実施の形態を説明する。この第2の実施の形態は、第1の実施の形態とは電池パック40の個数が異なっている。つまり、集塵機1の本体2の本体ハウジング2aには2箇所の電池パック取付部2bが設けられており、各々の電池パック取付部2bに電池パック40が着脱自在に装着可能である。2箇所の電池パック取付部2bは本体2内のモータ3を挟む配置であり、電池パック2個配置にもかかわらず集塵機1の左右方向の寸法をコンパクトにしている。
【0041】
図7は第2の実施の形態において、電池パック40が2個直列に接続され、電池パック40からの電力がインバータ30を介して交流モータ3Aに供給されている状態を示す回路図、
図8は第2の実施の形態において、電池パック40が2個並列に接続され、電池パック40からの電力がインバータ30を介して交流モータ3Aに供給されている状態を示す回路図である。
【0042】
その他の構成は第1の実施の形態と同様であり、
図5の手動操作フローに従って、交流電源又は直流電源としての電池パック40を選択的に使用可能である。
【0043】
この第2の実施の形態によれば、直流電源たる複数の電池パック40を接続可能であるため、1つの電池パック40で駆動する場合と比較して大きな電力でモータ3Aを駆動させることができ、又は長い時間モータ3Aを駆動させることができる。
【0044】
図9及び
図10で本発明の第3の実施の形態を説明する。この第3の実施の形態は、第1の実施の形態とは電池パック40の個数及び装着姿勢が異なっている。つまり、集塵機1の本体2の本体ハウジング2aには電池パック取付部2bが設けられているが、電池パック40の装着姿勢はその長手方向が上下方向を向いている(電池パック40の底面が上下方向を向いている)。電池パック取付部2bに対し着脱自在な電池パック40は本体2内のモータ3の側方に並列配置されており、かつ電池パック2個を縦置きとしたことで集塵機1の本体2の左右方向の寸法をコンパクトにしている。電池パック40を2個直列に接続する場合は
図7の回路、並列に接続する場合は
図8の回路を使用可能である。なお、
図9中、集塵ファン4の回転に伴う空気流は実線矢印Pで示し、自冷ファン7の回転に伴う空気流は点線矢印Qで示す。
【0045】
その他の構成は第1の実施の形態と同様であり、
図5の手動操作フローに従って、交流電源又は直流電源としての電池パック40を選択的に使用可能である。
【0046】
図11で本発明の第4の実施の形態を説明する。この第4の実施の形態は、第1の実施の形態とは電池パック40の個数及び装着姿勢が異なっている。つまり、集塵機1の本体2の本体ハウジング2aには2箇所の電池パック取付部2bが設けられているが、電池パック40の装着姿勢は横倒し状態で長手方向が前後方向を向いている(電池パック40の底面が本体ハウジング2aの左右側面に対向している)。各々の電池パック取付部2bに対し着脱自在な電池パック40は本体2内のモータを挟む配置として、集塵機1の左右方向の寸法をコンパクトにしている。また、電池パック40の底面を本体ハウジング2aの左右側面に対向させて装着することで、本体ハウジング2aの左右側面の排気口5cからの排気風を電池パック40の底面に設けた開口(
図20(A),(B)の第2の開口45)に向けて排気し、排気風を電池パック40内部の冷却空気通路に通すことで、電池パック40の内部を冷却可能である。電池パック40を2個直列に接続する場合は
図7の回路、並列に接続する場合は
図8の回路を使用可能である。
【0047】
その他の構成は第1の実施の形態と同様であり、
図5の手動操作フローに従って、交流電源又は直流電源としての電池パック40を選択的に使用可能である。
【0048】
図12で本発明の第5の実施の形態を説明する。この第5の実施の形態は、第1の実施の形態とは電池パック40の装着姿勢が異なっている。つまり、集塵機1の本体2の本体ハウジング2aには電池パック取付部2bが設けられているが、電池パック40の装着姿勢はその底面が上向きとなっている。そして、電池パック取付部2bの天井面の下側に接続端子部25が下向きで固定されている。このため、接続端子部25にほこり等が付着しにくい配置となっている。
【0049】
その他の構成は第1の実施の形態と同様であり、
図5の手動操作フローに従って、交流電源又は直流電源としての電池パック40を選択的に使用可能である。
【0050】
図13(A),(B)及び
図14で本発明の第6の実施の形態を説明する。第6の実施の形態では、交流モータ3Aに代えて直流モータ3Bが用いられている点、インバータ30に代えてAC/DCコンバータ32が用いられている点で第1の実施の形態と異なる。これ以外は第1の実施の形態と同様である。AC/DCコンバータ32は商用交流電源のAC100Vを直流モータ3Bの動作に適した直流電圧に降圧する降圧回路としての機能を有する。
【0051】
直流モータ3Bは
図1の操作パネル部17に配置されたスイッチ21、手動電源切替スイッチ(SW)20を介して電池パック40に接続可能である。また、直流モータ3Bは操作パネル部17に配置されたスイッチ21、手動電源切替スイッチ20、本体内の適所に配置されたAC/DCコンバータ32を介して電源コード19にも接続可能である。また、電池パック40は本体内の適所に配置された充電回路31を介して電源コード19に接続されており、電源コード19を通して供給される電力により直流モータ3Bが駆動中でも電池パック40を充電可能である。
【0052】
なお、AC/DCコンバータ32は第1の実施の形態におけるインバータ30と同様に集塵ファン4の排気風及び自冷ファン7の吸、排気風で冷却する構造とする。
【0053】
図14は第6の実施の形態における手動操作フローであって、直流電源使用を優先する場合を示す。
図1の集塵機1を使用する際に、集塵機1のユーザーは、まず電池パック40が電池パック取付部2bに取り付けられているか(充電池が在るか)否かを判断し(S11)、取り付けられていれば(S11:YES)、ユーザーは、
図13(B)のように集塵機が直流電源の供給を受けることができる側に電源切替スイッチ20を切り替える(S12)。そして、ユーザーがスイッチ21を操作することにより(S13)、直流モータ(DCモータ)3Bが駆動し、集塵ファン4が回転する。
【0054】
電池パック40が電池パック取付部2bに取り付けられていなければ(S11:NO)、次に電源コード19がコンセントに差し込み可能か(AC100Vが在るか)否かを判断する(S14)。差込可能であれば(S14:YES)、ユーザーは、電源コード19をコンセントに差し込み、
図13(A)のように集塵機1が交流電源の供給を受けることができる側に電源切替スイッチ20を切り替える(S15)。このことにより交流電力がAC/DCコンバータ32により直流電力に切り替え可能な状態となり(S16)、ユーザーがスイッチ21を操作することで(S13)、直流モータ3Bが駆動し、集塵ファン4が回転する。
【0055】
図15を用いて本発明の第7の実施の形態について説明する。第7の実施の形態では、
図4のモータ3として交流ブラシレスモータが用いられ、さらにモータ制御用インバータが付加されている点で第1の実施の形態と異なる。これ以外は第1の実施の形態と同様である。
【0056】
集塵機1を使用する際に、集塵機のユーザーは、まず集塵機1の電源コード19がコンセントに差し込み可能か(AC100Vが在るか)否かを判断し(S21)、差し込み可能であれば(S21:YES)、ユーザーは電源コード19をコンセントに差し込み、集塵機が交流電源の供給を受けることができる側に電源切替スイッチ(SW)20を切り替える(S22)。するとモータ制御用インバータによるブラシレスモータの制御が可能な状態となり(S23)、ユーザーがスイッチ21を操作することにより(S24)、交流(AC)ブラシレスモータが駆動し、集塵ファン4が回転する。
【0057】
電源コード19をコンセントに差し込み不能であれば(S21:NO)、次に電池パック40が電池パック取付部2bに取り付けられているか(充電池があるか)否かを判断する(S25)。電池パック40が取り付けられていれば(S25:YES)、ユーザーは、集塵機が直流電源の供給を受けることができる側に電源切替スイッチ20を切り替える(S26)。このことにより直流電力がインバータ30により交流電力に切り替え可能な状態となり(S27)、また、モータ制御用インバータによるブラシレスモータの制御が可能な状態となり(S23)、ユーザーがスイッチ21を操作することにより(S24)、交流ブラシレスモータが駆動し、集塵ファン4が回転する。
【0058】
この第7の実施の形態によれば、ブラシレスモータの採用により、集塵機の本体部分の小型化を図ることができる。
【0059】
図16(A),(B)及び
図17で本発明の第8の実施の形態を説明する。第8の実施の形態では、手動スイッチ20に代えて自動電源切替スイッチ(SW)22が用いられている点で第1の実施の形態と異なる。これ以外は第1の実施の形態と同様である。
【0060】
自動電源切替スイッチ22はスイッチ部22Aとスイッチ部操作部22Bとにより構成されており、第1実施の形態の手動スイッチ20に代えてスイッチ部22Aが設けられ、スイッチ部操作部22Bは電源コード19及びスイッチ部22Aに電気的に接続されている。スイッチ部操作部22Bにより電源コード19がコンセントに接続されているか(AC100Vが在るか)否かを自動的に判断し、判断結果に応じて自動的にスイッチ部22Aの切り替えを行うことができる。
【0061】
図17の動作フローにおいて、集塵機1を使用する際に、集塵機のユーザーは、まず集塵機1の電源コード19がコンセントに差し込み可能か(AC100Vが在るか)否かを判断し(S31)、差し込み可能であれば(S31:YES)、ユーザーは電源コード19をコンセントに差し込み、自動電源切替スイッチ(SW)22におけるスイッチ部操作部22Bは、
図16(A)のように集塵機1が交流電源の供給を受けることができる側にスイッチ部22Aを自動的に切り替える(S32)。そして、ユーザーがスイッチ21を操作することにより(S33)、交流モータ(ACモータ)3Aが駆動し、集塵ファン4が回転する。
【0062】
電源コード19をコンセントに差し込み不能であれば(S31:NO)、次に電池パック40が電池パック取付部2bに取り付けられているか(充電池が在るか)否かを判断する(S34)。電池パック40が取り付けられていれば(S34:YES)、自動電源切替スイッチ(SW)22におけるスイッチ部操作部22Bが、
図16(B)のように集塵機が直流電源の供給を受けることができる側にスイッチ部22Aを自動的に切り替える(S35)。このことにより直流電力がインバータ30により交流電力に切り替え可能な状態となり(S36)、ユーザーがスイッチ21を操作することにより(S33)、交流モータ3Aが駆動し集塵ファン4が回転する。
【0063】
本発明の第8の実施の形態によれば、スイッチ部22Aとスイッチ部操作部22Bとからなる自動電源切替スイッチ22を有するため、集塵機のユーザーが第1の実施の形態等における手動スイッチ20の切替えを行わずに済み、集塵機の操作性を高めることができる。
【0064】
また、自動電源切替スイッチ(SW)22は、電源コード19が交流電源に接続されている場合には交流電源に基づく電力をモータ3Aへ供給可能に切替わり、交流電源が接続されていない場合には、直流電源としての電池パック40に基づく電力をモータ3Aへ供給可能に切替わるため、直流電源と交流電源との両方を利用可能な状態な時に交流電源を優先的に利用することができる。
【0065】
図18(A),(B)で本発明の第9の実施の形態を説明する。第9の実施の形態では、手動スイッチ20に代えて自動電源切替スイッチ(SW)22が用いられている点で第6の実施の形態(
図13)と異なる。これ以外は第6の実施の形態と同様である。
【0066】
自動電源スイッチ22は第8の実施の形態と同様にスイッチ部22Aとスイッチ部操作部22Bとにより構成されており、第6実施の形態の手動スイッチ20に代えてスイッチ部22Aが設けられ、スイッチ部操作部22Bは電源コード19及びスイッチ部22Aに電気的に接続されている。スイッチ部操作部22Bにより自動的にスイッチ部22Aの切り替えを行うことができ、
図18(A)のように交流電源を選択して、あるいは同図(B)のように直流電源としての電池パック40を選択して直流モータ3Bを駆動可能である。
【0067】
図19で本発明の第10の実施の形態について説明する。
図19の動作フローは、商用交流電源からの電力の供給により交流モータ3Aが駆動している最中に電池パック40の充電を行うように制御をする点で第1の実施の形態の
図5の動作フローと異なる。これ以外は第1の実施の形態と同様である。
【0068】
集塵機1を使用する際に、集塵機1のユーザーは、まず電池パック取付部2bに電池パック40が取り付けられているか(充電池在るか)否かを判断する(S41)。取り付けられていれば(S41:YES)、電池パック40の残量があるか否かを判断する(S42)。電池パック40の残量があれば(S42:YES)、次に、ユーザーは、集塵機が直流電源の供給を受けることができる側に電源切替スイッチ(SW)20を切り替える(S43)。このことにより直流電力がインバータ30により交流電力に切り替え可能かつ昇圧可能な状態となり(S44)、ユーザーがスイッチ21を操作することにより(S49)、交流モータ(ACモータ)3Aが駆動し集塵ファン4が回転する。
【0069】
電池パック40が取り付けられていなければ(S41:NO)、次に、集塵機1の電源コード19がコンセントに差し込み可能か(AC100V在るか)否かを判断し(S47)、差し込み可能であれば(S47:YES)、ユーザーは電源コード19をコンセントに差し込み、集塵機が交流電源の供給を受けることができる側に電源切替スイッチ(SW)20を切り替える(S48)。そして、ユーザーがスイッチ21を操作することにより(S49)、交流モータ3Aが駆動し、集塵ファン4が回転する。
【0070】
次に、電池パック40の残量がない場合には(S42:NO)、次に、集塵機1の電源コード19がコンセントに差し込み可能か(AC100V在るか)否かを判断し(S45)、差し込み可能であれば(S45:YES)、ユーザーは電源コード19をコンセントに差し込むことにより、電池パック40の充電(充電池充電)が行われる(S46)。次に、集塵機が交流電源の供給を受けることができる側に電源切替スイッチ20を切り替える(S48)。そして、ユーザーがスイッチ21を操作することにより(S49)、交流モータ3Aが駆動し、集塵ファン4が回転する。
【0071】
この第10実施の形態によれば、モータ3Aと充電回路31とに対して同時に電力を供給可能であるため、商用交流電源を用いてモータ3Aを駆動して集塵作業すると同時に電池パック40を充電することができる。
【0072】
図21は本発明の応用例であって、本発明の集塵機1と集塵機能付工具としての集塵丸鋸50とを連動させる場合を示す。集塵機1と集塵丸鋸50は集塵ホース35で繋がっており、集塵丸鋸50は相手材60の上に配置され作業を始める直前の状態を表している。この後、集塵機1と丸鋸50を起動させて作業を始めると、丸鋸50は相手材を切断しつつ
図21の右方向に進んでいき、この時、切断時の切粉は周囲に飛散することなく集塵ホース35を通して集塵機1に収集される。
【0073】
この応用例によれば、以下の効果を得ることができる。
【0074】
(1) 集塵機1及び集塵丸鋸50の両方ともにコードレスで動作可能であり、場所を選ばず作業できる。
【0075】
(2) 集塵丸鋸50が電池切れになっても集塵機1の電池パック40と交換することですぐに作業を再開できる。
【0076】
(3) 電池切れの電池パック40を集塵機1で充電(商用交流電源駆動時)でき、更に作業性が向上する。
【0077】
以上、実施の形態を例に本発明を説明したが、実施の形態の各構成要素や各処理プロセスには請求項に記載の範囲で種々の変形が可能であることは当業者に理解されるところである。以下、変形例について触れる。
【0078】
上記各実施の形態では、集塵ファン4及び自冷ファン7の排気で直流電源としての電池パック40を冷却したが、自冷ファン7の吸気風で直流電源としての電池パック40を冷却する(例えば、電池パック内部の冷却空気通路に吸気風を通過させる)構成としてもよい。この場合、複数方向の吸気風で電池パックを冷却してもよい。
【0079】
直流電源としての電池パックとしては、スライドさせて本体に装着するスライド式のものや、本体に差し込んで装着する差込式のもの等があるが、上記各実施の形態の場合、いずれの構造の電池パックであっても差し支えない。また、電池パックが過放電状態にならないように保護回路を有する構成としてもよい。また、電池パックの配置を種々変更することにより、集塵機の本体の外形寸法を自在に変形でき、また、電池パック取付方向(姿勢)も自在に変更可能である。さらに、電池パックを複数(2個以上)使用する場合、電池パックを電気的に直列接続したり、並列接続することにより、集塵機の吸込み力、又は、使用可能時間等を自由に設定できる。
【0080】
その他、各構成部材の材質、形状、数量、配置等についても、本発明の目的を達成することが可能な範囲において、適宜変更することができる。