(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
作業機について説明する。
図1は、作業機1の全体図を示している。作業機1は、作業車両2と、作業装置3とを備えている。説明の便宜上、作業車両2に設けられた運転席8に着座した運転者の前側(
図1の左側)を前方、運転者の後側(
図1の右側)を後方、運転者の左側(
図1の手前側)を左方、運転者の右側(
図1の奥側)を右方として説明する。
【0015】
作業車両2は、作業装置3を牽引可能なトラクタである。作業車両2は、車体4と、車体4に装着された走行装置30とを備えている。車体4は、原動機5、クラッチを有するクラッチハウジング、変速装置を有するミッションケース、差動装置を有するデフケース等を直結して構成されている。原動機5は、エンジンであってもモータであっても、モータ及びエンジンの両方であってもよい。走行装置30は、車体4の前部の車軸に回転自在に支持された前輪30Fと、車体4の後部の車軸に回転自在に支持された後輪30Rとを有する車輪型の走行装置30である。後輪30Rの上方は、車体4の後部に設けられたフェンダ31によって覆われている。なお、走行装置30は、クローラ式の走行装置であってもよい。
【0016】
車体4には運転席8が設けられている。運転席8の前方には、走行装置30を操作するステアリングホイール等が設けられている。車体4には、運転席8を囲むキャビン9を設けてもよい。車体4の後部には、原動機5等の動力によって回転するPTO軸32が突出していて、PTO軸32の回転駆動力を作業装置3に伝達可能である。
車体4には、作業装置3を連結する連結部7が設けられている。連結部7は、例えば、車体4の後部に設けられた3点リンク機構である。連結部7は、車体4の後部に設けられた一対のロアリンク35と、ロアリンク35の上部で車体4の後部に設けられたトップリンク36と、ロアリンク35及びトップリンク36が連結された連結枠37を有している。
【0017】
ロアリンク35の前端は、車体4の後部に回動自在に設けられている。ロアリンク35の後端は、連結枠37に回動自在に設けられている。また、トップリンク36の前端は、車体4の後部であってロアリンク35の上部で回動自在に設けられている。トップリンク36の後端は、連結枠37に回動自在に設けられている。また、連結枠37に作業装置3のフレーム50が着脱自在に連結される。
【0018】
なお、この実施形態では、連結部7は3点リンク機構で構成しているが、2点リンク機構であってもその他の機構であってもよく限定されない。上述した実施形態では、連結枠37に作業装置3のフレーム50が連結する構成であったが、ロアリンク35及びトップリンク36の他端が作業装置3のフレーム50に連結する構成であってもよい。
作業装置3は、作業を行う作業部40と、作業部40を支持するフレーム50とを備えている。フレーム50は、連結部7を介して車体4に連結される。作業装置3は、例えば、耕耘を行う耕耘装置である。説明の便宜上、耕耘装置を例にあげ、作業装置3について説明する。なお、作業装置3は、当然の如く、耕耘装置以外の装置、肥料を散布する肥料散布装置、農薬を散布する農薬散布装置、収穫を行う収穫装置、畝立装置等など、作業車両2に連結して作業を行う装置であれば何でもよい。
【0019】
図2、
図3に示すように、フレーム50は、ギヤケース51と、左のサポートアーム52Lと、右のサポートアーム52Rと、伝動ケース53と、サイドフレーム54とを有する。ギヤケース51は、作業装置3の幅方向の略中央部に位置している。サポートアーム52Lは、ギヤケース51の左部から左方に突出している。サポートアーム52Rは、ギヤケース51の右部から右方に突出している。伝動ケース53の上部は、サポートアーム52Lの左端部に取り付けられている。サイドフレーム54の上部は、サポートアーム52Rの右端部に取り付けられている。また、フレーム50は、左の支持ステー55Lと、右の支持ステー55Rと、マスト56を有する。支持ステー55Lは、サポートアーム52Lに固定されている。支持ステー55Rは、サポートアーム52Rに固定されている。マスト56はギヤケース51に固定されている。マスト56の前部が連結枠37に連結されている。また、フレーム50は、作業部40を覆うカバー57を有している。カバー57は、作業部40の上方を覆う上部カバー57Lと、作業部40の後方を覆う後部カバー57Rとを含んでいる。
【0020】
作業部40は、伝動ケース53とサイドフレーム54との間で回転自在に支持された回転軸58と、回転軸58に設けられた耕耘爪59とを有している。回転軸58は、作業車両側のPTO軸32の動力によって回転する。具体的には、ギヤケース51には、取入軸が設けられ、取入軸には、PTO軸32の動力がジョイントを介して伝達される。取入軸に伝達された動力は、ギヤケース51内のギヤ機構及びサポートアーム内のシャフトを介して、伝動ケース53内のチェーン伝動手段に伝達される。チェーン伝動手段に伝達された動力によって回転軸58が駆動する。回転軸58は、
図1において矢印A1方向に回転される。回転軸58がA1方向に回転すると、耕耘爪59が土壌を耕起して後方の後部へと放擲する。
【0021】
図6に示すように、作業装置3には、無線タグ、即ち、RFIDタグ(Radio Frequency Identification)10が設けられている。RFIDタグ10は、パッシブ型のRFIDタグであって、少なくとも作業装置3の識別情報を送信するタグである。識別情報とは、作業装置3を特定、即ち、識別するための情報である。識別情報は、作業装置3を識別するための情報であれば何でもよく、作業装置3毎に個別に割り当てられたユニークな番号(シリアル番号)であってもよいし、作業装置3の機種、型番、型式を含む情報であってもよい。
【0022】
また、作業車両2には、RFIDタグ10の識別情報を受信する無線タグリーダ、即ち、RFIDリーダ11が設けられている。RFIDリーダ11から送信する電波(信号)の方向(送信方向)は、作業装置3に向けられていて、RFIDタグ10は、RFIDリーダ11から送信された電波を受信して、識別情報をRFIDリーダ11に向けて送信可能である。
【0023】
RFIDタグ10の水平方向の取付位置について説明する。
RFIDタグ10の水平方向の取付位置は、作業装置3、作業車両2、RFIDリーダ11の水平方向の位置によって決定される。
図4Aは、作業装置3、作業車両2、RFIDリーダ11において水平方向の位置関係を示す平面図である。なお、
図4Aにおいて、RFIDリーダ11は、キャビン9の後部に設けられているが、これに限定されず、RFIDリーダ11の取付位置は任意である。
【0024】
図4Aに示すように、作業装置3を作業車両2に連結した状態において、RFIDリーダ11を中心として作業装置3、即ち、フレーム50又は作業部40に向けて広がる範囲を「水平交信範囲J1」とする。RFIDリーダ11の中心とは、電波を送信するアンテナの中心位置である。言い換えれば、RFIDリーダ11において、アンテナから送信される電波の範囲は予め設定されていて、アンテナを基準として所定の角度に定めている。この実施形態は、アンテナを基準としてその開き角度(送信角度)は略90度に設定されている。したがって、水平交信範囲J1は、アンテナの中心から作業装置3に向けて延びる一方のラインL1と、アンテナの中心から作業装置3に向けて延びる他方のラインL2との間の範囲である。
【0025】
また、作業装置3を作業車両2に装着した状態で、当該作業装置3に着目した場合、作業車両2が幅方向に重なる水平方向の範囲を「水平重複範囲K1」とする。まず、
図4Aに示すように、作業装置3において、最も一方(左側)から突出した部分(例えば、伝動ケース53)と、最も他方(右側)から突出した部分(例えば、サイドフレーム54)との間を「装置範囲S1」とした場合、水平重複範囲K1は、装置範囲S1のうち作業車両2と重なる部分の範囲である。
【0026】
具体的には、
図4Aでは、作業車両2の車体4のうち最も一方(左側)から突出した部分(例えば、フェンダ31)から作業装置3に向けて延びる一方のラインL3と、作業車両2の車体4のうち最も他方(右側)から突出した部分(例えば、フェンダ31)から作業装置3に向けて延びる他方のラインL4との間の範囲である車両範囲T1が、装置範囲S1よりも小さく、装置範囲T1の全てが装置範囲S1内に含まれるため、水平重複範囲K1は、車両範囲T1と同じとなる。
【0027】
RFIDタグ10は、水平交信範囲J1のうち、水平重複範囲K1が含まれる範囲(第1取付範囲)U1に取付けられている。即ち、RFIDタグ10は、第1取付範囲U1に含まれるフレーム50又は作業部40に取付けられる。
図4Aの場合、例えば、RFIDタグ10は、マスト56、ギヤケース51、サポートアーム52L及びサポートアーム52Rのうち取付範囲U1に含まれる部分、上部カバー57Fのうち取付範囲U1に含まれる部分等に取付けることが可能である。
【0028】
次に、RFIDタグ10の垂直方向の取付位置について説明する。
RFIDタグ10の垂直方向の取付位置は、水平方向と同様に、作業装置3、作業車両2、RFIDリーダ11の垂直方向の位置によって決定される。
図4Bは、作業装置3、作業車両2、RFIDリーダ11において垂直方向の位置関係を示す側面である。なお、
図4Bにおいて、RFIDリーダ11は、キャビン9の後部に設けられているが、これに限定されず、RFIDリーダ11の取付位置は任意である。
【0029】
図4Bに示すように、作業装置3を作業車両2に連結した状態において、RFIDリーダ11を中心として作業装置3、即ち、フレーム50又は作業部40に向けて広がる範囲を「垂直交信範囲J2」とする。垂直交信範囲J2の範囲は、水平方向と同様にアンテナを中心として略90度に設定されている。したがって、垂直交信範囲J2は、アンテナの中心から作業装置3に向けて延びる一方のラインN1と、アンテナの中心から作業装置3に向けて延びる他方のラインN2との間の範囲である。
【0030】
また、作業装置3を作業車両2に装着した状態で、当該作業装置3に着目した場合、作業車両2が重なる垂直方向の範囲を「垂直重複範囲K2」とする。まず、
図4Bに示すように、作業装置3において、最も一方(上方)から突出した部分(例えば、マスト56)と、最も他方(下部)から突出した部分(例えば、耕耘爪59)との間を「装置範囲S2」とした場合、垂直重複範囲K2は、装置範囲S2のうち、作業車両2と重なる部分の範囲である。
【0031】
図4Bでは、作業車両2の車体4のうち最も一方(上方)から突出した部分(例えば、キャビン9の上端)から作業装置3に向けて延びる一方のラインN3と、作業車両2の車体4のうち最も他方(下部)から突出した部分(例えば、後輪30Rの下端)から作業装置3に向けて延びる他方のラインN4との間の範囲である車両範囲T2は、装置範囲S2よりも大きく、全ての車両範囲T2に装置範囲S2が含まれるため、直重複範囲K2は、装置範囲S2と同じとなる。
【0032】
RFID10タグは、垂直交信範囲J2のうち、垂直重複範囲K2が含まれる範囲(第2取付範囲)U2に取付けられている。即ち、RFIDタグ10は、第2取付範囲U2に含まれるフレーム50又は作業部40に取付けられる。
図4Bの場合、RFIDタグ10は、マスト56、ギヤケース51、サポートアーム52L、サポートアーム52R、上部カバー57Fのうち取付範囲U2に含まれる部分、後部カバー57Rのうち取付範囲U2に含まれる部分等に取付けることが可能である。
【0033】
以上、作業装置3によれば、RFIDタグ10は、フレーム50において車体4と水平方向に重なる範囲であって、RFIDタグ10の識別情報を受信するRFIDリーダ11を中心としてフレーム50側に広がる水平交信範囲J1と重なる第1取付範囲U1に取付けられている。したがって、RFIDタグ10は、RFIDリーダ11の水平方向における交信範囲の中で作業車両2と重なる範囲である第1取付範囲U1に位置することになるため、RFIDタグ10はRFIDリーダ11に対して安定して識別情報を送信することができる。
【0034】
作業装置3によれば、RFIDタグ10は、フレーム50において車体4と垂直方向に重なる範囲であって、RFIDタグ10の識別情報を受信するRFIDリーダ11を中心としてフレーム50側に広がる垂直交信範囲J2と重なる第2取付範囲U2に取付けられている。したがって、RFIDタグ10は、RFIDリーダ11の垂直方向における交信範囲の中で作業車両2と重なる範囲である第2取付範囲U2に位置することになるため、RFIDタグ10はRFIDリーダ11に対して安定して識別情報を送信することができる。
【0035】
即ち、RFIDタグ10を作業装置3に取付ける取付位置を、RFIDリーダ11との関係だけでなく、作業車両2と作業装置3との関係に基づいて設定しているため、作業車両2及び作業装置3のそれぞれを作動させながら作業を行った場合などでも、作業装置3からの識別情報を取得することができる。
なお、RFIDタグ10は、作業装置3において、第1取付範囲U1及び第2取付範囲U2を満たす範囲に取付けているが、これに加え、RFIDタグ10とRFIDリーダ11との通信距離を考慮することが好ましい。例えば、作業装置3の前後幅又は機体幅が小さく、第1取付範囲U1及び第2取付範囲U2に対して通信距離が十分大きい場合(第1取付範囲U1及び第2取付範囲U2の最長距離<通信距離)は、第1取付範囲U1及び第2取付範囲U2にRFIDタグ10を取付ける。一方、作業装置3の前後幅又は機体幅が大きく、第1取付範囲U1及び第2取付範囲U2に対して通信距離が小さい場合(第1取付範囲U1及び第2取付範囲U2の最長距離>通信距離)は、第1取付範囲U1及び第2取付範囲U2において通信距離を超えない位置にRFIDタグ10を取付ける。
【0036】
RFIDリーダ11の水平方向の取付位置について説明する。
RFIDリーダ11の水平方向の取付位置は、作業装置3、作業車両2、RFIDタグ10の水平方向の位置によって決定される。
図5Aは、作業装置3、作業車両2、RFIDタグ10において水平方向の位置関係を示す平面図である。なお、
図5Aにおいて、RFIDタグ10は、ギアケース51に設けられているが、これに限定されず、RFIDタグ10の取付位置は任意である。
【0037】
図5Aに示すように、作業装置3を作業車両2に連結した状態において、RFIDタグ10を中心として作業車両2、即ち、車体4に向けて広がる範囲を「水平交信範囲J3」とする。RFIDタグ10の中心とは、電波を送信するアンテナの中心位置である。言い換えれば、RFIDタグ10において、アンテナから送信される電波の範囲は予め設定されていて、アンテナを中心として所定の角度に定めている。この実施形態は、アンテナを中心としてその開き角度(送信角度)は略90度に設定されている。したがって、水平交信範囲J3は、アンテナの中心から作業装置3に向けて延びる一方のラインL7と、アンテナの中心から作業装置3に向けて延びる他方のラインL8との間の範囲である。
【0038】
また、作業装置3を作業車両2に装着した状態で、当該作業車両2に着目した場合、作業装置3が幅方向に重なる水平方向の範囲を「水平重複範囲K3」とする。水平重複範囲K3は、作業車両2の車両範囲T1のうち、作業装置3の装置範囲S1と重なる部分である。装置範囲S1が車両範囲T1よりも大きいため、水平重複範囲K3は車両範囲T1と同じである。
【0039】
RFIDリーダ11は、水平交信範囲J3のうち、水平重複範囲K3が含まれる範囲(第3取付範囲)U3に取付けられている。即ち、RFIDリーダ11は、車体4又は連結部7において、水平重複範囲K3が含まれる第3取付範囲U3に取付けられる。
図5Aの場合、RFIDリーダ11は、キャビン9、フェンダ31等に取付けることが可能である。
【0040】
次に、RFIDリーダ11の垂直方向の取付位置について説明する。
RFIDリーダ11の垂直方向の取付位置は、水平方向と同様に、作業装置3、作業車両2、RFIDタグ10の垂直方向の位置によって決定される。
図5Bは、作業装置3、作業車両2、RFIDタグ10において垂直方向の位置関係を示す側面図である。
図5Bに示すように、作業装置3を作業車両2に連結した状態において、RFIDタグ10を中心として作業車両2、即ち、車体4に向けて広がる範囲を「垂直交信範囲J4」とする。垂直交信範囲J4の範囲は、水平方向と同様にアンテナを中心として略90度に設定されている。したがって、垂直交信範囲J4は、アンテナの中心から作業車両2に向けて延びる一方のラインN5と、アンテナの中心から作業車両2に向けて延びる他方のラインN6との間の範囲である。
【0041】
また、作業装置3を作業車両2に装着した状態で、当該作業車両2に着目した場合、作業装置3が重なる垂直方向の範囲を「垂直重複範囲K4」とする。まず、
図5Bに示すように、垂直重複範囲K4は、作業車両2の車両範囲T2のうち、作業装置3の装置範囲S2と重なる部分である。装置範囲S2が車両範囲T2よりも小さいため、水平重複範囲K4は装置範囲S2と重なる部分である。
【0042】
RFIDリーダ11は、垂直交信範囲J4のうち、垂直重複範囲K4が含まれる範囲(第4取付範囲)U4に取付けられている。即ち、RFIDリーダ11は、車体4又は連結部7において、水平重複範囲K3が含まれる第4取付範囲U4に取付けられる。
図5Bの場合、RFIDリーダ11は、フェンダ31及びキャビン6のうち取付範囲U4に含まれる部分等に取付けることが可能である。
【0043】
以上、作業車両2によれば、RFIDリーダ11は、車体4において作業装置3と水平方向に重なる範囲であって、RFIDタグ10を中心として車体4側に広がる水平交信範囲と重なる第3取付範囲U3に取付けられている。したがって、RFIDリーダ11は、RFIDタグ10の水平方向における交信範囲の中で作業装置3と重なる範囲である第3取付範囲U3に位置することになるため、RFIDタグ10から送信された識別情報をRFIDリーダ11が安定して受信することができる。
【0044】
RFIDリーダ11は、車体4において作業装置3と垂直方向に重なる範囲であって、RFIDタグ10を中心として車体4側に広がる水平交信範囲と重なる第4取付範囲U4に取付けられている。したがって、RFIDリーダ11は、RFIDタグ10の垂直方向における交信範囲の中で作業装置3と重なる範囲である第4取付範囲U4に位置することになるため、RFIDタグ10から送信された識別情報をRFIDリーダ11が安定して受信することができる。
【0045】
即ち、RFIDリーダ11を作業車両2に取付ける取付位置を、RFIDタグ10との関係だけでなく、作業車両2と作業装置3との関係に基づいて設定しているため、作業車両2及び作業装置3のそれぞれを作動させながら作業を行った場合などでも、作業装置3からの識別情報を取得することができる。
なお、RFIDリーダ11は、作業車両2において、第3取付範囲U3及び第4取付範囲U4を満たす範囲に取付けているが、これに加え、RFIDタグ10とRFIDリーダ11との通信距離を考慮することが好ましい。例えば、作業車両3の前後幅又は機体幅が小さく、第3取付範囲U3及び第4取付範囲U4に対して通信距離が十分大きい場合(第3取付範囲U3及び第4取付範囲U4の最長距離<通信距離)は、第3取付範囲U3及び第4取付範囲U4にRFIDリーダ11を取付ける。一方、作業車両2の前後幅又は機体幅が大きく、第3取付範囲U3及び第4取付範囲U4に対して通信距離が小さい場合(第3取付範囲U3及び第4取付範囲U4の最長距離>通信距離)は、第3取付範囲U3及び第4取付範囲U4において通信距離を超えない位置にRFIDリーダ11を取付ける。
【0046】
上述した実施形態では、RFIDタグ10の取付位置とRFIDリーダ11の取付位置について別々に説明したが、RFIDタグ10を取付ける場合の条件と、RFIDリーダ11を取付ける場合の両方を満たすように、RFIDタグ10及びRFIDリーダ11をそれぞれ取付けてもよいし、RFIDタグ10のみの条件を満たすように取付けてもよいし、RFIDタグ10のみの条件を取付けてもよい。
【0047】
また、作業装置3には、RFIDタグ10を取付け、作業車両2には、RFIDリーダ11を取付けている。そのため、作業に対応した作業装置3を作業車両2の後部に近づけるだけで、RFIDタグ10の識別情報をRFIDリーダ11が取得することができる。例えば、作業者が作業車両2を運転して、装着する作業装置3に近づけるだけで、どの作業装置3を作業車両2に取付けているかを識別情報によって簡単に把握することができる。また、作業装置3を作業車両2に装着した後も、作業者は、作業車両2に装着されている作業装置3を確認することができる。
【0048】
また、当然の如く、RFIDタグ10を取付ける場合の条件と、RFIDリーダ11を取付ける場合を満たせば、作業車両2及び作業装置3の種類や形状は限定されない。例えば、
図5C及び
図5Dに示すように、作業装置3の機体幅が大きいブームスプレーヤにも適用可能である。作業装置3は、作業部40と、フレーム50とを備えている。フレーム50は、縦材50a及び横材50b等によって枠状に形成されている。作業部40は、薬剤等を貯留するタンク40aと、フレーム50の後部から左又は右に突出する支持部材に取付けられたノズル40bとを有している。RFIDタグ10は、第1取付範囲U1及び第2取付範囲U2に取付けられる。
図5C及び
図5Dの場合は、例えば、RFIDタグ10は、縦材50a、横材50b及びタンク40aに取付けることができる。RFIDリーダ11は、第3取付範囲U3及び第4取付範囲U4に取付けられる。
図5C及び
図5Dの場合は、例えば、RFIDリーダ11は、キャビン9、フェンダ31に取付けることができる。
【0049】
図6は、作業装置の管理システムを示している。
図6における作業装置の管理システムは、RFIDタグ10及びRFIDリーダ11を用いて作業装置3を管理するシステムである。
図6に示すように、RFIDタグ10は、通信部10aと、記憶部10bとを有している。記憶部10bは、例えば、不揮発性のメモリ等で構成され、作業装置3の識別情報を記憶している。通信部10aは、アンテナ等で構成されていて、RFIDリーダ11から送信された電波を受信すると共に、RFIDリーダ11に記憶部10bに記憶された識別情報を送信するものである。通信部10aから出力する識別情報の距離(出力距離)は、RFIDリーダ11から送信された電波の出力に応じて異なるが、大凡、数十cm〜数十mである。
【0050】
RFIDリーダ11は、RFIDタグ10から出力された識別情報を受信する。RFIDリーダ11は、通信部11aを有している。通信部11aは、電波を出力すると共に、RFIDタグ10から送信された識別情報を受信する。通信部11aは、車体4に設けられたCAN、NIN、FNexRay等の車載ネットワークに出力する。
さて、作業車両2の車体4には、RFIDリーダ11とは別に、複数の機器12が搭載されている。この機器12は、作業車両2を構成する機器であって、例えば、検出装置12a、スイッチ装置12b、表示装置12c、制御装置12d、通信装置12eである。検出装置12aは、作業車両2の作動状態を検出する装置であって、アクセルペダルセンサ、シフトレバー検出センサ、クランク位置センサ、燃料センサ、水温センサ、原動機5回転センサ、操舵角センサ、油温センサ、車軸回転センサ、カバーセンサ(耕耘深さセンサ)、PTO回転センサ等である。スイッチ装置12bは、切換を行う装置であって、イグニッションスイッチ、駐車ブレーキスイッチ、PTOスイッチ等である。表示装置12cは、作業車両2に関する様々な事項を表示する装置であって、液晶等で構成された液晶型の表示装置12cである。表示装置12cは、運転席8の前方又は側方に配置されている。表示装置12cは、例えば、原動機回転数、変速段、水温、燃料を表示する。また、表示装置12cは、RFIDリーダ11が受信した識別情報を表示する。
【0051】
制御装置12dは、作業車両2を制御する装置であって、CPU等である。通信装置12eは、RFIDリーダ11とは別に、作業車両2の外部と通信を行う装置である。
複数の機器12及びRFIDリーダ11は、車載ネットワークで接続されている。車載ネットワークには、検出装置12aで検出された検出信号(検出値)、スイッチ装置12bの切換を示すスイッチ信号、制御装置12dの制御によって作業車両2を稼働する稼働部(例えば、原動機5、電磁弁、ポンプ等)を動作させるための指令信号(制御信号)、RFIDリーダ11が受信した識別情報等が出力される。
【0052】
制御装置12dは、第1制御装置12d1と、第2制御装置12d2とを含んでいる。第1制御装置12d1は、作業車両2の全体を制御する装置である。第1制御装置12d1には、検出装置12aが検出した検出値[例えば、アクセルペダルの操作量、シフトレバーの操作時のシフトレバー位置(変速段)、原動機回転数、変速段、油温、クランク位置、カム位置等]が入力される。第1制御装置12d1は、アクセルペダルの操作量に基づいて原動機5が所定の回転数になるように、第2制御装置12d2に制御指令を出力すると共に、シフトレバー位置に基づいて変速装置を制御(変速制御)する。また、第1制御装置12d1は、操作部材からの入力に基づいて3点リンク機構の昇降を制御する(昇降制御)。
【0053】
第2制御装置12d2は、主に原動機5を制御する装置である。第2制御装置12d2は、アクセルペダルの操作量、クランク位置、カム位置等の入力に基づいて、インジェクタ、コモンレール、サプライポンプ等を制御する。なお、第2制御装置12d2における原動機5制御では、例えば、インジェクタの制御では燃料噴射量、噴射時期、燃料噴射率が設定され、サプライポンプやコモンレールの制御では燃料噴射圧が設定される。
【0054】
通信装置12eは、通信部12e1と、収集部12e2と、関連付け部12e3と、記憶部12e4を備えている。通信部12e1は、近距離、或いは、長距離の通信を行う装置で構成され、外部の機器と接続可能である。例えば、通信部12e1は、通信規格であるIEEE802.11シリーズのWi-Fi(WireNess FideNity、登録商標)等により無線通信を行う通信モジュールである。なお、通信部12e1は、携帯電話通信網により無線通信を行う通信モジュールであっても、データ通信網により無線通信を行う通信モジュールであってもよい。
【0055】
収集部12e2は、機器が稼働した場合(原動機5が駆動した場合)、当該機器の稼働情報[検出信号(検出値)、スイッチ信号]を逐次収集する。収集部12e2は、アクセルペダルの操作量、変速段、原動機回転数、操舵角、車速、耕耘深さ、PTO回転数を、機器の稼働情報として収集する。なお、収集部12e2が取得した稼働情報は、上述した例に限定されない。
【0056】
関連付け部12e3は、収集部12e2で収集した稼働情報と、識別情報とを関連付ける。
図7に示すように、関連付け部12e3は、例えば、作業車両2の原動機5が駆動しているか否かを判断する(S2)。関連付け部12e3は、原動機5が駆動している場合(S2、Yes)、収集部12e2による稼働情報の収集が開始されているか否かを判断する(S2、Yes)。関連付け部12e3は、収集部12e2によって稼働情報の収集が開始されている場合(S2、Yes)、RFIDリーダ11から車載ネットワークに識別情報が出力されたか否かを判断する(S3)。
図7に示すように、関連付け部12e3は、車載ネットワークに識別情報が出力されている場合(S3、Yes)、収集部12e2が収集している稼働情報に、識別情報を関連付ける(S4)。関連付けられた稼働情報及び識別情報は、作業実績として不揮発性のメモリ等で構成された記憶部12e4に記憶する。関連付け部12e3によって関連付けられた稼働情報及び識別情報を、表示装置12cを表示する。
【0057】
なお、通信装置12eの通信部12e1が、稼働情報及び識別情報を外部に送信して、携帯端末13が通信部12e1から送信された稼働情報及び識別情報を表示してもよい。具体的には、携帯端末13は、例えば、比較的演算能力の高いスマートフォン(多機能携帯電話)やタブレットPC等で構成されている。携帯端末13は、通信装置12eの通信部12e1から出力された情報を取得する通信部13aと、表示部13bとを備えている。通信部13aは、通信規格であるIEEE802.11シリーズのWi-Fi(WireNess FideNity、登録商標)等により無線通信を行う通信モジュールである。なお、通信部13aは、携帯電話通信網により無線通信を行う通信モジュールであっても、データ通信網により無線通信を行う通信モジュールであってもよい。表示部13bは、液晶パネル等であって、通信部13aが受信した情報、例えば、稼働情報及び識別情報を表示することができる。
【0058】
以上によれば、作業装置3には、RFIDタグ10を取付け、作業車両2には、RFIDリーダ11を取付けている。そのため、作業に対応した作業装置3を作業車両2の後部に近づけるだけで、RFIDタグ10の識別情報をRFIDリーダ11が取得することができる。例えば、作業者が作業車両2を運転して、装着する作業装置3に作業車両2を近づけるだけで、RFIDリーダ11は自動的に識別情報を取得することができる。RFIDリーダ11が取得した識別情報を、表示装置12c、携帯端末13等に表示することによって、どの作業装置3を作業車両2に取付けているかを簡単に把握することができる。また、作業装置3を作業車両2に装着した後も、作業者は、作業車両2に装着されている作業装置3を確認することができる。
【0059】
図8は、作業装置の管理システムの変形例を示している。
作業装置の管理システムは、サーバ15と、携帯端末13とを備えている。携帯端末13は、通信部13aと、表示部13bと、位置検出部13cとを備えている。通信部13aは、通信装置12e及びサーバ15に接続可能である。表示部13bは、上述した実施形態と同様である。位置検出部13cは、GPS等の測位衛星の信号に基づいて、位置(例えば、経度、緯度)を検出する。
【0060】
このような携帯端末13によれば、当該携帯端末13を通信装置12eに接続すれば、通信部13aによって識別情報を取得することが可能である。携帯端末13の通信部13aは、取得した識別情報を位置検出部13cが検出した位置(以下、位置情報という)と共にサーバ15に送信する。また、通信部13aは、識別情報及び位置情報に加えて、稼働情報をサーバ15に送信してもよい。
【0061】
サーバ15は、携帯端末13から送信された様々な情報を取得可能である。サーバ15は、携帯端末13から受信した様々な情報を作業実績として保存する。例えば、
図9Aに示すように、サーバ15は、携帯端末13が送信した識別情報及び位置情報を受信した場合は、当該識別情報及び位置情報を作業実績として保存する。この場合は、識別情報で示された作業装置3が、どの圃場で作業を行ったかを位置情報から確実に把握することができる。特に、識別情報は、「作業装置3のRFIDタグ10が出力」→「当該作業装置3を装着した作業車両2のRFIDリーダ11が受信」→「RFIDリーダ11が出力」→「通信装置12eが受信」→「通信装置12eが出力」→「携帯端末13を経てサーバで受信」というルートを経ている。そのため、所定の作業装置3が所定の作業車両2によって牽引されて作業を行ったことを、識別情報がサーバに保存されている事実をもって証明することができ、作業実績の信頼性を向上させることができる。
【0062】
或いは、
図9Bに示すように、サーバは、稼働情報、識別情報及び位置情報を受信した場合は、当該稼働情報、識別情報及び位置情報を作業実績として保存する。この場合は、識別情報で示された作業装置3と当該作業装置3を牽引した作業車両2とが、どの圃場でどのような作業を行ったかを確実に把握することができる。また、識別情報だけでなく稼働情報も、所定の作業車両2に搭載された通信装置12eを経由して、サーバに達している。そのため、所定の作業装置3を所定の作業車両2が牽引して作業を行ったことを、識別情報と当該識別情報に対応する稼働情報がサーバに保存されている事実をもって証明することができ、作業実績の信頼性を向上させることができる。
図8では、携帯端末13に位置検出部13cを設けていたが、これに代えて、通信装置12eに位置検出部13cと同様の構成を設けてもよい。この場合は、通信装置12eは、識別情報、稼働情報を携帯端末13に送信する際に位置情報も送信する。また、通信装置12eが携帯電話通信網又はデータ通信網を通じて、識別情報、稼働情報、位置情報をサーバ15に送信してもよい。
【0063】
また、RFIDリーダ11で受信した識別情報と位置検出部13cで検出した位置情報を、通信装置12e、携帯端末13、サーバ15のいずれかに保存しておけば、RFIDリーダ11が識別情報を受信できなくなった位置、即ち、作業車両2から作業装置3を切り離した位置を把握することができる。
[第2実施形態]
図10は、第2実施形態における作業装置の管理システムを示している。作業装置の管理システムは、第1実施形態と同様である部分は説明を省略する。なお、第2実施形態の作業装置の管理システムにおいては、第1実施形態で示したRFIDタグ10及びRFIDリーダ11の取付位置は限定されない。
【0064】
図10に示すように、作業装置の管理システムは、作業装置3に設けられたRFIDタグ10と、コード表示部16とを備えている。RFIDタグ10は、第1実施形態で示したRFIDタグ10と同様に通信部10a及び記憶部10bを有している。コード表示部16は、RFIDタグ10の識別情報を図形で示したものであって、例えば、線等の図形によって識別情報が示されたバーコード又は二次元コードである。この実施形態では、コード表示部16は、QRコード(登録商標)が印字されたシートである。コード表示部16は、RFIDタグ10の識別情報を表示するものであれば何でもよい。
【0065】
図11Aに示すように、コード表示部16は、作業装置3に取付けられる。具体的には、コード表示部16は、作業装置3において、作業部40又はフレーム50であってRFIDタグ10の近傍に取付けられる。コード表示部16は、RFIDタグ10とは異なり、取付ける位置の制限は無く、どこに取付けてもよい。作業装置3に取付けられたRFIDタグ10及びコード表示部16の識別情報とは同一である。即ち、所定の作業装置3では、コード表示部16によって示された識別情報とRFIDタグ10に記憶された識別情報とは同じである。
【0066】
図11Bに示すように、RFIDタグ10とコード表示部16とを一体化したコード付きRFIタグを作業装置3に取付けてもよい。具体的には、コード付きRFIDタグ10は、通信部10a及び記憶部10bを格納する筐体10cと、筐体10cに張り付けられたシート状のコード表示部16とを備えている。筐体10cは、作業装置3に取付ける取付面10dと、コード表示部16を貼り付ける貼り付け面10eとを有している。コード表示部16は、コードを示す図形が見えるように筐体10cの貼り付け面10eに張り付けられていて、コード表示部16には図形を保護する透明又は半透明の保護フィルム10fが貼り付けられている。なお、
図11Bでは、筐体10cの右下の保護フィルム10fが貼り付け面10eから剥がれているが、説明の便宜上、貼り付け面10eと保護フィルム10fとを分かりやすくするためのものであり、実際には、筐体10cの右下の保護フィルム10fも貼り付け面10eに貼り付けられている。
【0067】
作業装置の管理システムは、読取部17と、登録部18とを備えている。読取部17は、コード表示部16の図形を読み取る装置であって、図形を撮像するカメラ等の撮像装置である。登録部18は、読取部17で読み込まれた図形を識別情報に復元し且つ復元した識別情報に作業装置3を関連付けて登録するものである。登録部18は、主にコンピュータ([サーバ、携帯端末、パーソナルコンピュータ]に格納されたプログラム等から構成されている。この実施形態では、
図10に示すように、読取部17及び登録部18は、携帯端末13に設けられている。
【0068】
携帯端末13において、RFIDタグ10等を登録するためのプログラム(アプリケーションソフト)を起動すると、読取部17を起動する。携帯端末13の読取部17の起動後、当該読取部17によって図形が読み取られると、登録部18は、読取部17によって読み取られたコード表示部16の図形上のパターンを、識別情報を示す情報に変換することによって、識別情報に復元する。登録部18によって復元した識別情報は、携帯端末13の表示部13bに表示される。
【0069】
図12Aは、携帯端末13の表示部に識別情報を表示した登録画面Q1を示している。登録画面Q1では、作業装置3に関する情報(装置情報)を入力することができる第1入力部24が表示されている。第1入力部24には、様々な装置情報(第1情報)が入力可能であって、作業装置3を所有するユーザ(作業者)等は、インタフェース等を用いて第1入力部24に、例えば、作業装置3の機種、型式、型番等の装置情報を入力する。第1入力部24に装置情報が入力された後、登録画面に示されたボタン(完了ボタン)26が選択されると、登録部18は、登録画面Q1に表示された識別情報と、第1入力部24に入力された装置情報を関連付けて登録する。即ち、登録部18は、登録画面Q1に表示された識別情報に、作業装置3の機種、型式、型番等を関連付けて、携帯端末13の記憶部12e4に記憶する。
【0070】
したがって、作業装置の管理システムでは、読取部17によってコード表示部16の図形を読み取った後、携帯端末13に表示された登録画面Q1に装置情報を入力するだけで、作業者は、簡単に、RFIDタグ10の識別情報を作業装置3に紐付けして携帯端末13に保存することができる。例えば、RFIDタグ10及びコード表示部16の識別情報が、作業装置3のシリアル番号であって、作業者が当該シリアル番号を見ても、どの機種、型式、型番等か即座に把握できない場合は、第1入力部24に機種、型式、型番等を入力することによって、シリアル番号と機種、型式、型番等とを紐付して、携帯端末13に保存することができる。携帯端末13において、シリアル番号と機種、型式、型番等とを紐づけた場合は、RFIDリーダ11が受信した識別情報をシリアル番号の代わりに、機種、型式、型番等を携帯端末13に表示することができる。
【0071】
また、RFIDタグ10を作業装置3に取付ける取付作業の際に、コード表示部16を撮像後、登録画面Q1に機種、型式、型番等を入力すれば、その場で、取付けたRFIDタグ10と当該RFIDタグ10を取付けた作業装置3とを間違いなく関連付けることができ、RFIDタグ10における初期設定を非常に行い易い。
なお、RFIDタグ10の識別情報に、作業装置3だけでなく、作業者を登録、即ち、紐付けできるようにしてもよい。
【0072】
図12Bは、携帯端末13の表示部13bに識別情報を表示した登録画面Q2を示している。登録画面Q2では、第1入力部24だけでなく、ユーザ(作業者)に関する情報(第2情報)を入力することができる第2入力部25が表示されている。第2入力部25には、様々なユーザ情報が入力可能であって、ユーザ等は、インタフェース等を用いて第2入力部25に、例えば、ユーザの氏名を入力する。なお、ユーザが個人である場合には、ユーザの住所、連絡先、性別、年齢等をユーザ情報として第2入力部25に入力してもよい。また、ユーザが会社である場合には、作業装置3を所有する会社名、所属部署等をユーザ情報として入力してもよい。
【0073】
携帯端末13の表示部13bの第1入力部24に装置情報、第2入力部25にユーザ情報が入力された後、登録画面に示された完了ボタン26が選択されると、登録部18は、登録画面Q2に表示された識別情報、第1入力部24に入力された装置情報、第2入力部25に入力されたユーザ情報を関連付けて登録する。即ち、登録部18は、登録画面Q2に表示された識別情報に、作業装置3の機種、型番、氏名等を関連付けて、携帯端末13の記憶部12e4に記憶する。
【0074】
したがって、登録画面Q2に装置情報及びユーザ情報を入力するだけで、作業者は、簡単に、RFIDタグ10の識別情報を作業装置3及びユーザに紐付けすることができる。例えば、作業者は、RFIDタグ10の取付作業の際に、登録画面Q2にユーザ情報を入力すれば、その場で、取付けたRFIDタグ10と作業装置3を使用するユーザとを間違いなく関連付けることができ、RFIDタグ10における初期設定を非常に行い易い。なお、読取部(撮像装置)17と携帯端末13とを別々に構成して、読取部17で読み取った画像又は復元後の識別情報を、読取部17から携帯端末13に送信してもよい。この場合は、登録部18は、復元した識別情報に作業装置3を関連付けて登録する。
【0075】
また、上述した実施形態によれば、作業装置3に、RFIDタグ10及びコード表示部16、或いは、コード付きRFIDタグ10を設けているため、RFIDタグ10が何らかの事情で識別情報を送信することができなくなった場合でも、コード表示部16によって識別情報を読み取ることができ、識別情報のバックアップとして用いることもできる。
[第3実施形態]
図13は、第3実施形態における作業装置の管理システムを示している。第3実施形態は、第2実施形態に示した作業装置の管理システムの変形例である。第1実施形態及び第2実施形態と同様である部分は説明を省略する。
【0076】
図13に示すように、作業装置の管理システムは、作業装置3に設けられたRFIDタグ10と、コード表示部16とを備えている。RFIDタグ10は、第1実施形態で示したRFIDタグ10と同様に通信部10a及び記憶部10bを有している。コード表示部16は、第2実施形態で示したコード表示部16と同様である。なお、第3実施形態においてもコード付きRFIタグを作業装置3に取付けてもよい。
【0077】
携帯端末13は、通信部13aと、表示部13bと、読取部17と、復元部20とを有している。復元部20は、携帯端末13に格納されたプログラム等で構成されている。携帯端末13において、RFIDタグ10等を登録するためのプログラム(アプリケーションソフト)を起動すると、読取部17を起動する。携帯端末13の読取部17によって図形が読み取られると、復元部20は、読取部17によって読み取られたコード表示部16の図形上のパターンを、識別情報を示す情報に変換することによって、識別情報に復元する。
【0078】
また、RFIDタグ10等を登録するためのプログラム(アプリケーションソフト)を起動すると、携帯端末13の表示部13bには、登録画面Q1又は登録画面Q2が表示される。登録画面Q1及び登録画面Q2では、復元部20によって復元した識別情報が表示される。登録画面Q1において装置情報が入力されて、完了ボタン26が選択された場合には、通信部13aは、登録画面Q1の第1入力部24に入力された装置情報及び登録画面Q1に表示された識別情報をサーバ15に送信する。登録画面Q2において装置情報及びユーザ情報が入力されて、完了ボタン26が選択された場合には、通信部13aは、登録画面Q2の第1入力部24に入力された装置情報、登録画面Q2の第2入力部25に入力されたユーザ情報、登録画面Q2に表示された識別情報をサーバに送信する。
【0079】
サーバ15は、登録部18と、取得部21とを有している。登録部18及び取得部21は、サーバ15に格納されたプログラム等から構成されている。取得部21は、サーバ15が、携帯端末13から送信された識別情報及び装置情報を受信した場合は、当該受信した識別情報及び装置情報を取得する。登録部18は、取得部21が取得した識別情報と装置情報とを関連付け、記憶部12e4に記憶する。したがって、作業装置の管理システムでは、読取部17によってコード表示部16の図形を読み取った後、携帯端末13の表示部13bに表示された登録画面Q1に装置情報を入力してサーバ15に送信するだけで、作業者は、簡単に、RFIDタグ10の識別情報を作業装置3に紐付けして、サーバ15に登録することができる。
【0080】
さて、携帯端末13から送信された情報が、装置情報及び識別情報に加えて、ユーザ情報も含まれている場合、サーバ15の取得部21は、装置情報、ユーザ情報、識別情報を取得する。登録部18は、取得部21が取得した識別情報と、装置情報及びユーザ情報を関連付け、記憶部22に記憶する。したがって、作業装置の管理システムでは、読取部17によってコード表示部16の図形を読み取った後、携帯端末13の表示部13bに表示された登録画面Q2に装置情報及びユーザ情報を入力してサーバ15に送信するだけで、作業者は、簡単に、RFIDタグ10の識別情報を作業装置3及びユーザに紐付けして、サーバ15に登録することができる。このようにすれば、サーバ15において、上述したように、作業実績を保存する場合は、識別情報を用いて作業実績とユーザとを関連付けることができ、ユーザが行った作業について把握することができる。また、RFIDタグ10の識別情報の中に、機種、型式、型番等が含まれない場合は、作業装置3の機種、型式、型番等と作業実績とを関連付けることができ、どのような作業装置3での作業実績であるかを把握することができる。
【0081】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。第2実施形態で示したコード付きRFIDタグ10を第1実施形態に適用してもよい。