特許第6837897号(P6837897)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6837897
(24)【登録日】2021年2月15日
(45)【発行日】2021年3月3日
(54)【発明の名称】タッチセンサー用基板及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20210222BHJP
   G06F 3/044 20060101ALI20210222BHJP
【FI】
   G06F3/041 430
   G06F3/044 122
   G06F3/041 660
【請求項の数】7
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-76702(P2017-76702)
(22)【出願日】2017年4月7日
(65)【公開番号】特開2018-180763(P2018-180763A)
(43)【公開日】2018年11月15日
【審査請求日】2020年2月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】518236856
【氏名又は名称】株式会社VTSタッチセンサー
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】田中 健
(72)【発明者】
【氏名】川津 昌之
(72)【発明者】
【氏名】大坪 豊
(72)【発明者】
【氏名】田中 眞紀
【審査官】 星野 裕
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2016/002279(WO,A1)
【文献】 特開2016−031551(JP,A)
【文献】 特開2014−016944(JP,A)
【文献】 特開2017−033279(JP,A)
【文献】 特開2016−218834(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第104428738(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
G06F 3/044
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面に金属黒化層が設けられた金属層がエッチングされて一括して形成された金属電極と、電極信号取出し配線と、外部接続用端子を有するタッチセンサー用基板であって、
前記外部接続用端子が網状配線で形成され、
前記網状配線の側面に前記金属黒化層で覆われない金属層が露出され、
前記網状配線を構成する金属細線の幅を、前記外部接続用端子をフレキシブル回路の電極端子に電気接続する異方導電性粒子含有材が含む導電性粒子の直径程度の幅で形成し
隣接する前記金属細線の上面同士の間隔が、前記網状配線の前記側面において露出した前記金属層に前記導電性粒子が接続するように、前記導電性粒子の直径よりも大きいことを特徴とするタッチセンサー用基板。
【請求項2】
請求項1記載のタッチセンサー用基板であって、
前記網状配線の網目のピッチが20μm以上100μm以下に形成されていることを特徴とするタッチセンサー用基板。
【請求項3】
透明基板の両面のX方向電極配線とY方向電極配線との金属電極を対向させて構成するタッチセンサー用基板の製造方法であって、
利用者が観察する側の面に金属黒化層が設けられた金属層を透明基板に配置する工程と、前記金属層をエッチングすることで、前記金属電極と、電極信号取出し配線と、外部接続用端子を一括して形成する工程を有し、
前記エッチングにより、前記外部接続用端子を網状配線に形成し、
前記網状配線の側面に前記金属黒化層で覆われない金属層を露出させ、
前記網状配線を構成する金属細線の幅を、前記外部接続用端子をフレキシブル回路の電極端子に電気接続する異方導電性粒子含有材が含む導電性粒子の直径程度の幅で形成し、
隣接する前記金属細線の上面同士の間隔が、前記網状配線の前記側面において露出した前記金属層に前記導電性粒子が接続するように、前記導電性粒子の直径よりも大きいことを特徴とするタッチセンサー用基板の製造方法。
【請求項4】
請求項3記載のタッチセンサー用基板の製造方法であって、
前記網状配線の網目のピッチを20μm以上100μm以下に形成することを特徴とするタッチセンサー用基板の製造方法。
【請求項5】
請求項3記載のタッチセンサー用基板の製造方法であって、
絶縁性樹脂フィルムに金属層を接着する工程と、
前記金属層の表面に金属黒化層を形成する工程と、
前記金属層と前記金属黒化層をエッチングすることで、前記金属電極と、電極信号取出し配線と、外部接続用端子を一括して形成する工程を有する
ことを特徴とするタッチセンサー用基板の製造方法。
【請求項6】
請求項3記載のタッチセンサー用基板の製造方法であって、
金属黒化層を形成した金属層を絶縁性樹脂フィルムに接着する工程と、
前記金属層と前記金属黒化層をエッチングすることで、前記金属電極と、電極信号取出し配線と、外部接続用端子を一括して形成する工程を有する
ことを特徴とするタッチセンサー用基板の製造方法。
【請求項7】
請求項6記載のタッチセンサー用基板の製造方法であって、
両面に金属黒化層を形成した金属層を絶縁性樹脂フィルムに接着する工程を有する
ことを特徴とするタッチセンサー用基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電容量型タッチパネルセンサーのタッチセンサー用基板及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機や、携帯情報端末、カーナビゲーションシステムを始め、様々な電子機器の操作部にタッチパネル型入力装置(以下、タッチパネルセンサーと記す。)が採用されている。タッチパネルセンサーは、液晶表示装置、有機EL装置等の表示用パネルの表示面上に、指先やペン先の接触位置を検出する入力装置として貼り合わせて使用されるものである。タッチパネルセンサーには、その構造及び検出方式の違いにより、抵抗膜型や静電容量型等の様々なタイプがある。
【0003】
静電容量方式タッチパネルセンサーには表面型と投影型の2つがある。両方式とも指先と導電膜との間での静電容量の変化を捉えて位置を検出する。指がセンサー表面に近づくだけで静電結合が起きるため、接触前でのカーソル表示のようなことが可能となる。押さえつけるものは指や指と同等の静電的な導電性のものである必要があるが、静電容量の変化に応じて流れる交流電流は、接触する媒体のインピーダンスにはよらない。
【0004】
特に、投影型の静電容量方式は指先の多点検出が可能である。一般に投影型は、電極層と制御ICを搭載する支持基板を保護用の絶縁性樹脂で被覆した構成である。電極層は、ガラスやプラスチックなどの透明な支持基板上に、導電性電極材料(銅等の金属材料あるいはITO等の透明電極)を用いてX方向電極とY方向電極とがマトリックス状に配設されている。X方向電極とY方向電極が透明基板の同じ側に形成される場合は、交点ではショートしないように絶縁を保って敷設されている。
【0005】
配線パターンとしては、抵抗は低いほうが好ましいが、金属は遮光性なので十分に細く形成して開口率を高くする必要がある。透明電極は、遮光性はないが抵抗が高いという問題があるので、特許文献1の様に、開口率がある程度確保するようにして金属細線を使用する場合が多い。金属細線は、PETなど透明なフィルム基材上に金属層を固着した金属フィルムに、定法のフォトリソ−エッチング工法を適用して形成している。
【0006】
タッチパネルセンサーは、金属細線の両端に同じ位相で同じ電圧の交流を加えた場合に、配線パターン上に指や手のような静電的且つ導電性の媒体を近接させると、接地されているとみなされる媒体と金属細線間(これも接地されているので)に容量結合が生じて過剰な交流電流が金属細線に流れる現象を利用した電子デバイスである。
【0007】
したがって、配線パターンに指が直接触れる必要がなく誘電体を介して接触、近接しても構わない。手がセンサー部の配線パターンに触れると金属細線が汚れるので、通常X方向電極とY方向電極の配線パターンは防汚性のある透明樹脂類で被覆されて使われるのが通常である。
【0008】
原理的には、電極材料を基材上に適当に置くだけで、どの電極材料のどの辺に近接したかが検出可能であるが、位置センサーとしての精度を保つために図1の様に、X方向電極とY方向電極をXYのマトリックス状に配置して、どの電極上のどこ辺りにではなく、どのX方向電極とどのY方向電極であるかを検出して交点から位置を算出している。当然、X方向の電極とY方向の電極は絶縁されている必要がある。
【0009】
配線パターンを構成する金属細線としての低電気抵抗の材質では銅を採用する報告例が多く見られる。純銅を主材料とする配線パターンは反射率が高く、ギラついて視覚される配線が非常に目立ってしまい好ましくないため、タッチパネルへの適用にあたっては、配線部の表面反射を抑えるべく低反射処理を施すことが実用上必須となっている。
【0010】
特許文献1は、窒化銅を含む黒化層(スパッタリングによる成膜)を具備する積層フィルムに係る提案であり、積層フィルムの配線パターニングにより、表面(上面)が低反射(黒化)処理された配線パターンが得る上で好適である。
【0011】
特許文献2は、銅層を配線パターニングした後、薬液処理により配線表面(上面,側面)に酸化銅皮膜を形成する旨が記載されたタッチパネル配線パターンに係る提案である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特許第6099875号
【特許文献2】特開2013−206315号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
酸化銅,窒化銅,酸窒化銅などからなる黒化層は、純銅に比べて電気抵抗が高く、タッチ配線部,引回し配線から外部回路(タッチ信号処理,装置動作信号を発信する)に要求される接続導電性は殆ど下層の銅(純銅)が担うことになる。
【0014】
視覚的に低反射処理を施す必要のない引回し配線〜外部回路との接続領域における端子(パッド)に黒化層が形成されていると、接続信頼性の低下を招くだけであるが、酸化などの変性を容易に招き、不安定な純銅のままには出来ないため、保護膜としての役割も黒化層には求められる。
【0015】
本発明では、黒化層を具備したまま、引回し配線〜外部回路との接続領域における端子(パッド)部での接続信頼性を確保することを目的とする。
【0016】
外部回路との接続領域における端子(パッド)部との接続にあたっては、一般に、FPC(フレキシブル配線)が用いられ、接合部材としては、導電粒子が分散された接着フィルムであるACF(異方性導電膜)の採用が多い。黒化層との接続不良の原因としては、ACF内の導電粒子が黒化層の下層(純銅)に至っての接触確保が不十分なためと推測される。
【0017】
また、黒化層による導通不良だけでなく、密着不良についての報告例も多い。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、以上の課題を解決するために、上面に金属黒化層が設けられた金属層がエッチングされて一括して形成された金属電極と、電極信号取出し配線と、外部接続用端子を有するタッチセンサー用基板であって、
前記外部接続用端子が網状配線で形成され、
前記網状配線の側面に前記金属黒化層で覆われない金属層が露出され、
前記網状配線を構成する金属細線の幅を、前記外部接続用端子をフレキシブル回路の電極端子に電気接続する異方導電性粒子含有材が含む導電性粒子の直径程度の幅で形成したことを特徴とするタッチセンサー用基板である。
【0019】
本発明は、この構成により、異方導電性粒子含有材が含む導電性粒子が、網状配線の金
属細線の側面に露出した金属層に接続することにより、外部接続用端子が、その導電性粒子を介してフレキシブル回路の電極端子と確実に電気接続できる効果がある。
【0020】
また、本発明は、上記のタッチセンサー用基板であって、
前記網状配線の網目のピッチが20μm以上100μm以下に形成されていることを特徴とするタッチセンサー用基板である。
【0021】
また、本発明は、透明基板の両面のX方向電極配線とY方向電極配線との金属電極を対向させて構成するタッチセンサー用基板の製造方法であって、
利用者が観察する側の面に金属黒化層が設けられた金属層を透明基板に配置する工程と、前記金属層をエッチングすることで、前記金属電極と、電極信号取出し配線と、外部接続用端子を一括して形成する工程を有し、
前記エッチングにより、前記外部接続用端子を網状配線に形成し、
前記網状配線の側面に前記金属黒化層で覆われない金属層を露出させ、
前記網状配線を構成する金属細線の幅を、前記外部接続用端子をフレキシブル回路の電極端子に電気接続する異方導電性粒子含有材が含む導電性粒子の直径程度の幅で形成することを特徴とするタッチセンサー用基板の製造方法である。
【0022】
また、本発明は、上記のタッチセンサー用基板の製造方法であって、
前記網状配線の網目のピッチを20μm以上100μm以下に形成することを特徴とするタッチセンサー用基板の製造方法である。
【0023】
また、本発明は、上記のタッチセンサー用基板の製造方法であって、
絶縁性樹脂フィルムに金属層を接着する工程と、
前記金属層の表面に金属黒化層を形成する工程と、
前記金属層と前記金属黒化層をエッチングすることで、前記金属電極と、電極信号取出し配線と、外部接続用端子を一括して形成する工程を有する
ことを特徴とするタッチセンサー用基板の製造方法である。
【0024】
また、本発明は、上記のタッチセンサー用基板の製造方法であって、
金属黒化層を形成した金属層を絶縁性樹脂フィルムに接着する工程と、
前記金属層と前記金属黒化層をエッチングすることで、前記金属電極と、電極信号取出し配線と、外部接続用端子を一括して形成する工程を有する
ことを特徴とするタッチセンサー用基板の製造方法である。
【0025】
また、本発明は、上記のタッチセンサー用基板の製造方法であって、
両面に金属黒化層を形成した金属層を絶縁性樹脂フィルムに接着する工程を有する
ことを特徴とするタッチセンサー用基板の製造方法である。
【発明の効果】
【0026】
本発明は、金属黒化層が設けられた金属層がエッチングされて一括して形成された、金属電極と、電極信号取出し配線と、外部接続用端子を有し、前記外部接続用端子が網状配線で形成され、その側面に金属黒化層で覆われない金属層が露出されたタッチセンサー用基板である。
【0027】
外部接続用端子がメッシュ状であるため、ACFとの接合が複雑に絡み合い、メッシュの開口箇所でも導線側部で黒化層下部の導体層が露出する箇所が多くなり、ACF内の導電粒子との接触する確率が高くなり、投錨(アンカー)効果が向上し、電気的導通性,密着性の双方が向上することになる。
【0028】
それにより、このタッチセンサー用基板の外部接続用端子を異方導電性粒子含有材を用いてフレキシブル回路の電極端子に熱圧着する際に、外部接続用端子の、金属黒化層で覆われない金属層が、その導電性粒子を介してフレキシブル回路の電極端子と確実に電気接続する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】(a)本発明の実施形態のタッチセンサー用基板の平面図である。(b)同、タッチセンサー用基板の側面図である。
図2】本発明の実施形態のタッチセンサー用基板の外部接続用端子の網状配線のパターンの概略を示す平面図である。
図3】本発明の実施形態のタッチセンサー用基板の外部接続用端子の網状配線のパターンの概略を示す断面図である。
図4】本発明の実施形態のタッチセンサー用基板の製造工程を模式的に示す断面視の工程図である。
図5】(a)本発明の実施形態のタッチセンサー用基板の外部接続用端子に異方導電性粒子含有材を設置する工程を示す平面図である。(b)同、断面図である。
図6】(a)本発明の実施形態のタッチセンサー用基板の外部接続用端子を、異方導電性粒子含有材を介してフレキシブル回路の電極端子に熱圧着する工程を示す平面図である。(b)同、断面図である。
図7】(a)本発明の実施形態のタッチセンサー用基板の外部接続用端子の網状配線に、異方導電性粒子含有材の導電性粒子を接続し、フレキシブル回路の電極端子に接続する構成を示す断面図である。(b)同、斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施形態のタッチセンサーについて図1から図4を参照して説明する。本発明は、図1のようなタッチセンサー用基板10を製造する。
【0031】
図1(a)の平面図と図1(b)の側面図のように、タッチセンサー用基板10は、メッシュ構造のX方向電極配線4とY方向電極配線5を、透明基板3の両面に配置する。
【0032】
すなわち、タッチセンサー用基板10には、透明基板3上のX方向電極配線4とY方向電極配線5として、金属細線でメッシュ構造の矩形領域を構成する。金属細線の線幅は、目視で目立たない、20μm以下で5μm以上の線幅に形成する。
【0033】
タッチセンサー用基板10のX方向電極配線4とY方向電極配線5は、電極信号取出し配線8のパターンを介して外部接続用端子9に接続する。
【0034】
タッチセンサー用基板10の製造方法の概要は、図4の様に、PET(ポリエチレンテレフタレート)やPENやポリイミド系フィルム等の絶縁性樹脂フィルム2上に金属細線で構成するX方向電極配線4と電極信号取出し配線8と外部接続用端子9を一括して形成したXセンサーフィルムを製造する。
【0035】
同様にして、絶縁性樹脂フィルム2上に金属細線で構成するY方向電極配線5と電極信号取出し配線8と外部接続用端子9を一括して形成したYセンサーフィルムを製造する。そして、XセンサーフィルムとYセンサーフィルムを積層し、透明基板3の両面にX方向電極配線4とY方向電極配線5を持つ構造のタッチセンサー用基板10を製造する。
【0036】
(X方向電極配線4とY方向電極配線5)
タッチセンサーのX方向電極配線4とY方向電極配線5は、電極信号取出し配線8を介して外部接続用端子9に接続している。そして、タッチセンサーの電子回路が、外部接続
用端子9に流れる電流の変化を検出することで操作者の指のタッチ位置を検出する。
【0037】
(金属黒化層1b)
ここで、金属電極が有する金属光沢による視認性低下を防ぐため、X方向電極配線4とY方向電極配線5の金属電極の表面に黒化処理により金属黒化層1bを形成して金属電極表面を低反射化し、視認性を向上させる。
【0038】
そのために、図4(a)の様に、透明な絶縁性樹脂フィルム2の上に配置した金属層1の銅箔の表面の全面を黒化処理して金属黒化層1bを形成する。次に、その金属層1をエッチングして、金属細線のメッシュ構造のX方向電極配線4と、電極信号取出し配線8と外部接続用端子9のパターンを一括して形成する。
【0039】
Y方向電極配線5もX方向電極配線4と同様に透明な絶縁性樹脂フィルム2の上に形成する。
【0040】
そして、図4(c)に様に、XセンサーフィルムとYセンサーフィルムを積層し、透明基板3の両面にX方向電極配線4とY方向電極配線5を持つ構造のタッチセンサー用基板10を製造し、図1(a)の平面図のように、X方向電極配線4とY方向電極配線5を交差させる。
【0041】
タッチセンサー用基板10の透明基板3の片面に形成したX方向電極配線4の全面を、メラミン樹脂等の保護絶縁層6で被覆して保護し、その保護絶縁層6の表面を、操作者が指でタッチして操作するタッチ面にする。また、Y方向電極配線5の下面は保護絶縁層7で保護する。この保護絶縁層7は、絶縁性樹脂フィルム2に兼ねさせることができる。
【0042】
(外部接続用端子9)
タッチセンサー用基板10の個々のX方向電極配線4とY方向電極配線5は、図1(a)のように、電極信号取出し配線8を介して、網状配線9bで構成した外部接続用端子9に電気接続する。
【0043】
(網状配線9b)
外部接続用端子9は、金属黒化層1bを形成した銅薄膜1をエッチングすることで、X方向電極配線4とY方向電極配線5と一緒に一括して形成する。外部接続用端子9は、そのエッチング処理により、図2のようなメッシュ構造の網状配線9bに形成する。
【0044】
外部接続用端子9の網状配線9bで構成する外部接続用端子9は、図7の様に、異方導電性粒子含有材ACFを介して、フレキシブルプリント配線板(FPCともいう)やフレキシブルフラットケーブル(FFCともいう)などのフレキシブル回路FPCの電極端子21に熱圧着して電気接続する。
【0045】
異方導電性粒子含有材ACFは、熱圧着するための異方導電性粒子含有フィルムや異方導電性粒子含有ペースト等であり、異方導電性粒子含有材ACFは、数μmから数十μmまでの粒径の導電性粒子31を含む。その導電性粒子31を介して、外部接続用端子9がフレキシブル回路FPCの電極端子21に電気接続する。導電性粒子31は、2μm以上20μm以下の粒径を持つ。
【0046】
外部接続用端子9と導電性粒子31が確実に電気接続するために、外部接続用端子9の網状配線9bのメッシュ構造の金属細線の線幅は、導電性粒子31の粒径程度の2μm以上20μm以下の線幅に形成する。また、網状配線9bの網目のピッチを20μm以上100μm以下に形成する。
【0047】
網状配線9bの形状は、図2(a)の様なメッシュ構造に形成することができる。また、網状配線9bは、図2(b)の様に金属細線が平行するストライプ状に形成することもできる。あるいは、網状配線9bを、図2(c)の様に蜂の巣状に形成することもできる。
【0048】
外部接続用端子9は図3の断面図の様に、外部接続用端子9の網状配線9bの表面には金属黒化層1bが有るが、エッチングして新たに形成した網状配線9bの側面9cには金属層1が露出する。また、金属層1のエッチングの際に側面が裾野9dを持つ形状にエッチングされることで、金属層1が露出した裾野9dが形成される。
【0049】
(フレキシブル回路FPCとの熱圧着)
この外部接続用端子9に、図5(a)の平面図と図5(b)の側面図の様に、外部接続用端子9の上に、異方導電性粒子含有フィルムACFや、異方導電性粒子含有ペーストACP等の異方導電性粒子含有材ACFを置く。
【0050】
次に、図6の様に、その異方導電性粒子含有材ACFの上に、フレキシブル回路FPCを設置し、そのフレキシブル回路FPCの電極端子21を、タッチセンサー用基板10の外部接続端子9に位置合わせする。そして、適度な温度および圧力を加えて、外部接続端子9に電極端子21を熱圧着させて接合する。
【0051】
(異方導電性粒子含有材ACFの導電性粒子31)
外部接続用端子9と電極端子21の間にACFやACP等の異方導電性粒子含有材ACFを挟んで、熱圧着処理により外部接続用端子9上に電極端子21を加圧して押し付ける。そうすると、図7(a)の断面図のように、異方導電性粒子含有材ACFが、熱圧着の加圧力により、線幅が2μm以上20μm以下の網状配線9bの金属細線によって押し分けられる。
【0052】
そして、図7(a)の断面図や図7(b)の斜視図のように、異方導電性粒子含有材ACFが含む導電性粒子31が、網状配線9bの金属細線の間の網目の開口部分9eの中に落ち込み開口部分9e内に集積される。
【0053】
その導電性粒子31は、網状配線9bの金属細線の側面9cや裾野9dに露出した金属層1に接続する。それにより、外部接続用端子9が、その導電性粒子31を介してフレキシブル回路FPCの電極端子21と確実に電気接続できる効果がある。
【0054】
それにより、外部接続用端子9の上面の表面抵抗が高い金属黒化層1bの存在にかかわらず、フレキシブル回路FPCの電極端子21とタッチセンサー用基板10の外部接続用端子9を導通することができる。
【0055】
(変形例1)
変形例1として、絶縁性樹脂フィルム2の両面に金属層1を配置して、両面の金属層1のそれぞれにX方向電極配線4とY方向電極配線5のパターンを形成してタッチセンサー用基板10を製造することもできる。
【0056】
その際に、タッチセンサー用基板10の下側の電極配線のパターンを形成する金属層1は、表面に予め金属黒化層1bを形成した金属層1を、金属黒化層1bを形成した面を絶縁性樹脂フィルム2に貼り合わせる。
【0057】
それにより、タッチセンサー用基板10の下側の金属層1は、金属黒化層1bが上側を
向く。これにより、タッチセンサー用基板10の利用者が観察する上側の面に金属黒化層1bを設け、金属電極表面を低反射化し、視認性を向上することができる。
【0058】
(変形例2)
変形例2として、絶縁性樹脂フィルム2に接着する金属層1は、その金属層1の両面に金属黒化層1bが形成された金属層1を接着して用いることができる。これにより、タッチセンサー用基板10のどちら側の面から利用者が観察しても、金属層1の表面に低反射化した金属黒化層1bが観察され、視認性を向上することができる効果がある。
【0059】
(製造方法)
以下、本発明によるタッチパネルセンサーの製造方法を図4を参照して説明する。図4に示すタッチパネルセンサーの製造では、PET等の絶縁性樹脂フィルム2の一方の主面に所定の厚みの金属層1を設置した金属箔付きフィルム2aが一連の加工の出発基材となる。
【0060】
絶縁性樹脂フィルム2の厚さは、10μm以上200μm以下を用いることができるが、センサー感度を高くするために、許される範囲で薄く設定するのが好ましい。
【0061】
例えば、厚みが100μmのPETフィルム2に12μmの厚みの銅箔の金属層1を接着した銅箔付きフィルム2aを加工上の出発基材にする。
【0062】
次に、図4(a)の様に、金属層1の銅箔表面からの金属光沢を低減して、反射を防止するための黒化処理を金属層1に施して金属黒化層1bを形成する。
【0063】
あるいは、表面に予め金属黒化層1bを形成した電解銅箔1をPETフィルム2に貼り合わせてもよい。黒化処理は、金属層1の表面を凹凸にして反射防止用の黒い皮膜を形成するもので、めっき浴のピロリン酸銅液のめっき条件を変えて形成する。
【0064】
図4(b)の様に、金属黒化層1bを金属層1の表面に形成した銅箔付きフィルム2aにフォトリソ法を適用して銅箔1と金属黒化層1bをエッチングし、ストライプ状の金属配線パターンを形成する。この処理により、X方向電極配線4を形成したXセンサーフィルムと、Y方向電極配線5を形成したYセンサーフィルムを製造する。
【0065】
以上の工程で製造したXセンサーフィルムとYセンサーフィルムを、X方向電極配線4とY方向電極配線5が直交するように透明接着剤OCA(Optical clear adhesive)または接着フィルムを介して積層することで、図4(c)の様に、タッチセンサー用基板10を製造する。
【0066】
XセンサーフィルムとYセンサーフィルムの積層は、金属黒化層1bが上側を向くように背腹を接着する。これにより、タッチセンサー用基板10の利用者が観察する上側の面に金属黒化層1bを設け、金属電極表面を低反射化し、視認性を向上する。
【0067】
最後に、図4(d)の様に、上側のセンサーフィルムの表面を透明接着剤OCAで被覆してから、カバーガラス等の保護絶縁層6で覆うことで所望のタッチパネルセンサー用基板10を完成させる。
【0068】
次に、図5の様に、タッチパネルセンサー用基板10のX方向電極配線4の外部接続用端子9とY方向電極配線5の外部接続用端子9上に、異方導電性粒子含有フィルムACFや異方導電性粒子含有ペーストACP等の異方導電性粒子含有材ACFを形成する。
【0069】
次に、図6の様に、異方導電性粒子含有材ACFを形成した外部接続用端子9の上に、フレキシブル回路FPCを設置し、外部接続用端子9にフレキシブル回路FPCの電極端子21を、熱圧着によって接合する。
【0070】
これにより、図7のように、外部接続用端子9上に形成した異方導電性粒子含有材ACFの導電性粒子31が、網状配線9bの金属細線の間の網目の開口部分9eの中に集積し、網状配線9bの金属細線の側面9cや裾野9dに露出した金属層1に接続する。それにより、外部接続用端子9が、その導電性粒子31を介してフレキシブル回路FPCの電極端子21と電気接続する。
【0071】
外部接続用端子9をフレキシブル回路FPCの電極端子21に熱圧着することで、X方向電極配線4とY方向電極配線5を、フレキシブルプリント配線板20を介して、タッチセンサーの電子回路に接続する。そして、タッチセンサーの電子回路が、外部接続用端子9に流れる電流の変化を検出することで操作者の指のタッチ位置を検出する。
【0072】
なお、本発明は以上の実施形態に限定されず、本発明の金属層1の表面の金属黒化層1bは、以上の実施形態で説明した、酸化銅,窒化銅,酸窒化銅で形成した金属黒化層1b、あるいは、金属層1の表面を凹凸にした表面を粗化して形成した金属黒化層1bに限定されない。それ以外にも、黒色ニッケルメッキ、黒色クロムメッキ、黒色Sn−Ni合金メッキ、Sn−Ni−Cu合金メッキ、黒色亜鉛クロメート処理等を用いて金属黒化層1bを形成することもできる。
【符号の説明】
【0073】
1・・・金属層(銅箔)
1b・・・(金属)黒化層
2・・・絶縁性樹脂フィルム
2a・・・金属箔付きフィルム
3・・・透明基板
4、配線パターン(Xセンサー)
5、配線パターン(Yセンサー)
6、7・・・保護絶縁層
8・・・電極信号取出し配線
9・・・外部接続用端子
9b・・・網状配線
9c・・・網状配線の側面
9d・・・網状配線の裾野
9e・・・網目の開口部分
10・・・タッチセンサー用基板
21・・・フレキシブル回路の電極端子
31・・・異方導電性粒子含有材の導電性粒子
ACF・・・異方導電性粒子含有材
FPC・・・フレキシブル回路
OCA・・・透明接着剤
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7