特許第6837923号(P6837923)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6837923
(24)【登録日】2021年2月15日
(45)【発行日】2021年3月3日
(54)【発明の名称】情報伝送システム及び機器制御方法
(51)【国際特許分類】
   B60L 15/42 20060101AFI20210222BHJP
   H04L 12/28 20060101ALI20210222BHJP
【FI】
   B60L15/42
   H04L12/28 200D
【請求項の数】5
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-114782(P2017-114782)
(22)【出願日】2017年6月9日
(65)【公開番号】特開2019-4532(P2019-4532A)
(43)【公開日】2019年1月10日
【審査請求日】2020年2月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002365
【氏名又は名称】特許業務法人サンネクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小田 篤史
(72)【発明者】
【氏名】勝田 敬一
(72)【発明者】
【氏名】江田 隆則
【審査官】 笹岡 友陽
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−110824(JP,A)
【文献】 特開2013−255177(JP,A)
【文献】 特開2005−333724(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L 15/42
H04L 12/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
列車の進行方向先頭の第1の編成と、当該第1の編成に併結された第2の編成とを有する列車に搭載される情報伝送システムにおいて、
前記第1の編成内に設けられた第1の車上ネットワークと、
前記第1の編成内に設けられ、前記第1の車上ネットワークに接続された第1の機器と、
前記第2の編成内に設けられた第2の車上ネットワークと、
前記第2の編成内に設けられ、前記第2の車上ネットワークに接続された第2の機器と、
前記第1の編成内に設けられ、前記第1の車上ネットワークを介して前記第1の機器を制御すると共に、前記第2の車上ネットワークを介して前記第2の機器を制御する中央装置と
を備え、
前記中央装置は、
前記第2の車上ネットワークのデータ伝送速度を検出すると共に、前記列車の走行状態を判定し、
前記第2の車上ネットワークのデータ伝送速度が前記第1の車上ネットワークのデータ伝送速度よりも遅い場合には、前記第2の編成内の前記第2の機器のうち、前記列車の走行状態に応じた一部の前記第2の機器に対して選択的に当該第2の機器を制御するための制御情報をそれぞれ送信する
ことを特徴とする情報伝送システム。
【請求項2】
前記列車の走行状態ごとに、各前記第2の機器に対する優先度が予めそれぞれ設定されており、
前記中央装置は、
現在の前記列車の走行状態に応じて、前記第2の車上ネットワークに許容される範囲内において、より前記優先度の高い各前記第2の機器に対して選択的に前記制御情報をそれぞれ送信する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報伝送システム。
【請求項3】
前記中央装置は、
現在の前記列車の走行状態に応じて、前記第2の車上ネットワークに許容される範囲内において、同じ前記優先度に設定されたすべての前記第2の機器に対してそれぞれ前記制御情報を送信可能な前記優先度の各前記第2の機器に対して前記制御情報をそれぞれ送信する
ことを特徴とする請求項2に記載の情報伝送システム。
【請求項4】
前記列車の走行パターンが予め決められており、
前記中央装置は、
前記列車の将来の走行状態に応じて、前記第2の車上ネットワークに許容される範囲内において、前記制御情報を送信する前記第2の機器を決定し、決定した前記第2の機器に対して前記制御情報をそれぞれ送信する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報伝送システム。
【請求項5】
列車の進行方向先頭の第1の編成と、当該第1の編成に併結された第2の編成とを有する列車に搭載される情報伝送システムにおいて実行される機器制御方法であって、
前記情報伝送システムは、
前記第1の編成内に設けられた第1の車上ネットワークと、
前記第1の編成内に設けられ、前記第1の車上ネットワークに接続された第1の機器と、
前記第2の編成内に設けられた第2の車上ネットワークと、
前記第2の編成内に設けられ、前記第2の車上ネットワークに接続された第2の機器と、
前記第1の編成内に設けられ、前記第1の車上ネットワークを介して前記第1の機器を制御すると共に、前記第2の車上ネットワークを介して前記第2の機器を制御する中央装置と
を有し、
前記中央装置が、前記第2の車上ネットワークのデータ伝送速度を検出すると共に、前記列車の走行状態を判定する第1のステップと、
前記中央装置が、前記第2の車上ネットワークのデータ伝送速度が前記第1の車上ネットワークのデータ伝送速度よりも遅い場合には、前記第2の編成内の前記第2の機器のうち、前記列車の走行状態に応じた一部の前記第2の機器に対して選択的に当該第2の機器を制御するための制御情報を送信する第2のステップと
を備えることを特徴とする機器制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報伝送システム及び機器制御方法に関し、例えば、鉄道車両向けの情報伝送システムに適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
近年、車両内の省配線化等を目的として、車上ネットワークを利用した鉄道車両向けの情報伝送システムの開発が進められている。かかる情報伝送システムは、車両機器の状態監視に利用される他、データの伝送速度が100Mbpsの高速なネットワークが実現化されたことに伴い、現在では制御情報の伝送にも利用されている。
【0003】
このような状況のもと、近年では、車両内におけるマルチメディアサービスへのニーズが高まっており、車上ネットワークを利用した大容量のメディア情報の伝送やインターネット接続サービス等も実現されている。また近年では、データ伝送速度が1Gbpsの車上ネットワークも登場している。
【0004】
ところで、一般的に鉄道車両の寿命は長く、ある路線の車両が一斉に新たな車両に置換されることは少ない。このため、車上ネットワークの伝送速度が異なる編成同士が併結される場合も多く、このような場合には車上ネットワークの伝送速度の差異を吸収する仕組みが必要となる。
【0005】
かかる仕組みとして、例えば特許文献1には、併結対象の車上ネットワークにおけるデータの伝送速度を検知し、切替えリレーを制御することにより信号経路を変更し、伝送速度の読み替えを行う読替装置を搭載した情報伝送システムの発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第5566365号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1には、伝送速度の異なる編成同士を併結する際に伝送速度を読み替えてデータを送受信することのみが開示されており、送受信するデータ自体の変更は行っていない。このため伝送速度が速い車上ネットワークから伝送速度が遅い車上ネットワークにデータを送信する場合、伝送速度の差異に起因するデータの伝送遅延及びデータの欠損等が発生する可能性があるという問題がある。
【0008】
特に、車上ネットワークによって制御情報の伝送を行う場合、データの伝送遅延及びデータの欠損等は、列車の制御性能(列車に搭載された制駆動装置やドア開閉装置等の機器の応答性)の低下につながるおそれがある。
【0009】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、列車の制御性能の低下を未然かつ有効に防止し得る情報伝送システム及び機器制御方法を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
かかる課題を解決するため本発明においては、列車の進行方向先頭の第1の編成と、当該第1の編成に併結された第2の編成とを有する列車に搭載される情報伝送システムにおいて、第1の編成内に設けられた第1の車上ネットワークと、第1の編成内に設けられ、第1の車上ネットワークに接続された第1の機器と、第2の編成内に設けられた第2の車上ネットワークと、第2の編成内に設けられ、第2の車上ネットワークに接続された第2の機器と、第1の編成内に設けられ、第1の車上ネットワークを介して第1の機器を制御すると共に、第2の車上ネットワークを介して第2の機器を制御する中央装置とを備え、中央装置は、第2の車上ネットワークのデータ伝送速度を検出すると共に、列車の走行状態を判定し、第2の車上ネットワークのデータ伝送速度が第1の車上ネットワークのデータ伝送速度よりも遅い場合には、第2の編成内の第2の機器のうち、列車の走行状態に応じた一部の第2の機器に対して選択的に当該第2の機器を制御するための制御情報をそれぞれ送信するようにした。
【0011】
また本発明においては、列車の進行方向先頭の第1の編成と、当該第1の編成に併結された第2の編成とを有する列車に搭載される情報伝送システムにおいて実行される機器制御方法であって、情報伝送システムは、第1の編成内に設けられた第1の車上ネットワークと、第1の編成内に設けられ、第1の車上ネットワークに接続された第1の機器と、第2の編成内に設けられた第2の車上ネットワークと、第2の編成内に設けられ、第2の車上ネットワークに接続された第2の機器と、第1の編成内に設けられ、第1の車上ネットワークを介して第1の機器を制御すると共に、第2の車上ネットワークを介して第2の機器を制御する中央装置とを有し、中央装置が、第2の車上ネットワークのデータ伝送速度を検出すると共に、列車の走行状態を判定する第1のステップと、中央装置が、第2の車上ネットワークのデータ伝送速度が第1の車上ネットワークのデータ伝送速度よりも遅い場合には、第2の編成内の第2の機器のうち、列車の走行状態に応じた一部の第2の機器に対して選択的に当該第2の機器を制御するための制御情報を送信する第2のステップとを設けるようにした。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、制御性能の低下を未然かつ有効に防止し得る情報伝送システム及び機器制御方法を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施の形態による車上ネットワークのハードウェアブロック図を示す。
図2】本実施の形態による情報伝送システムのハードウェアブロック図を示す。
図3】本実施の形態による中央装置の論理構成を示す。
図4】本実施の形態による送信優先度管理テーブルの構成を示す概念図である。
図5】本実施の形態による伝送先機器決定処理の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0015】
(1)本実施の形態による情報伝送システムの構成
図1は、1つの編成1内における情報伝送システム2の構成を示す。この情報伝送システム2は、車上ネットワーク3と、先頭車両4に搭載された中央装置5と、先頭車両4及び中間車両6にそれぞれ搭載された複数の機器7とを備えて構成される。
【0016】
車上ネットワーク3は、先頭車両4や中間車両6(以下、適宜、これらをまとめて車両と呼ぶ)内にそれぞれ搭載された伝送装置8と、隣接する車両同士の伝送装置8間を接続する基幹伝送路9と、各車両に設けられた支線伝送路10とから構成される。伝送装置8は、基幹伝送路9を介して伝送されるデータの中継装置である。また基幹伝送路9は、例えばイーサネット(登録商標)などから構成される。車両間の通信は、この基幹伝送路9及び伝送装置8を経由して行われる。支線伝送路10は、車両内に搭載された機器7同士を接続する伝送路であり、伝送装置8を介して基幹伝送路9と接続される。
【0017】
中央装置5は、編成1内の機器7を一元的に制御する制御装置であり、各機器7に対して、車上ネットワーク3を介して一定周期でデータ送信要求信号や制御情報を送信する。なお、1つの編成1は、通常、2つの先頭車両4間に1又は複数の中間車両6が連結されることにより構成されるが、これら2つの先頭車両4のうち、進行方向の前側の先頭車両4に搭載された中央装置5がその編成1内の各機器7を一元的に制御する。以下においては、このような制御を行う中央装置5をマスタ中央装置5と呼ぶものとする。
【0018】
機器7は、マスタ中央装置5の制御対象となる装置であり、列車の動力源としてのモータを駆動制御するVVVF(Variable Voltage Variable Frequency)インバータ等の制駆動装置や、ブレーキ装置を制御するブレーキ制御装置、車両内の温度を調整する空調装置、乗客向けに必要な情報を表示する車内案内表示器、ドアを開閉駆動するドア開閉装置、及び、架線から取り込んだ電力を車内案内装置、空調装置及び車内の照明装置などの電源として適切な形に変換する補助電源装置などから構成される。各機器7は、マスタ中央装置5からのデータ送信要求信号に応じて自己の状態を中央装置5に通知すると共に、マスタ中央装置5からの制御情報に応じた動作を実行する。
【0019】
なお中央装置5の概略構成を図2に示す。この図2からも明らかなように、中央装置5は、CPU20(Central Processing Unit)及びメモリ21等の情報処理資源を備えたコンピュータ装置から構成される。
【0020】
CPU20は、中央装置5全体の動作制御を司るプロセッサである。またメモリ21は、例えば半導体記憶装置から構成され、各種プログラムや必要な情報を保持するために利用される。メモリ21に格納されたプログラムをCPU20が実行することにより、中央装置5全体としての各種処理が行われる。例えば、CPU20は、先頭車両4に設置されたマスタコントローラ22が操作された場合に、メモリ21に格納された図示しない制御プログラムに従って、当該操作に応じた内容の制御情報を対応する機器7に送信する。
【0021】
図1との対応部分に同一符号に「A」又は「B」を付して示す図3は、2つの編成1A,1Bを併結して列車を構成した場合における当該列車内の情報伝送システム30の構成を示す。各編成1A,1B内の情報伝送システム2A,2Bの構成は図1と同様であるため、ここでの説明は省略する。
【0022】
2つの編成1A,1Bを併結する場合、一般的には一方の編成1Aの車上ネットワーク3Aの基幹伝送路9Aと、他方の編成1Bの車上ネットワーク3Bの基幹伝送路9Bとが電気連結器32を介して接続することにより、一方の編成1Aの情報伝送システム2Aと、他方の編成1Bの情報伝送システム2Bとが連結される。
【0023】
そしてこのように2つの編成1A,1Bの各情報伝送システム2A,2Bが連結された場合、図3において矢印xで示す列車の進行方向前側の編成1Aにおいて進行方向の先頭に位置する先頭車両4Aに搭載された中央装置5がマスタ中央装置5となって、これら2つの編成1A,1Bの各情報伝送システム2A,2Bから構成される新たな情報伝送システム30内の各機器7の制御を行う。この際、マスタ中央装置5Aは、自己が搭載された車両内の機器7Aとは伝送装置8Aを介して通信を行い、進行方向の2番目以降の車両内の機器7Bとは車上ネットワーク3A,3Bを介して通信を行う。
【0024】
ここで列車の進行方向先頭の編成(以下、これを第1の編成と呼ぶ)1Aの車上ネットワーク(以下、これを第1の車上ネットワークと呼ぶ)3Aのデータ伝送速度と、列車の進行方向後側の編成(以下、これを第2の編成と呼ぶ)1Bの車上ネットワーク(以下、これを第2の車上ネットワークと呼ぶ)3Bのデータ伝送速度とが異なる場合について考える。ここでは、第1の車上ネットワーク3Aの方が第2の車上ネットワーク3Bよりもデータ伝送速度が速いものとする。
【0025】
この場合、マスタ中央装置5Aは、第1の編成1A内の各機器7に対しては、第1の車上ネットワーク3Aのデータ伝送速度でデータ送信要求信号や制御情報を送信するため、これらの機器7Aとの間で遅延や欠損等なく所定周期でデータを送受信することができる。このため、機器7Aは、所定周期で動作する。
【0026】
これに対して、マスタ中央装置5Aは、第2の編成1B内の各機器7Bとの間の通信は、第1の車上ネットワーク3Aよりもデータ伝送速度が遅い第2の車上ネットワーク3Bを介して行うため、かかる通信時にデータの遅延や欠損が発生する。
【0027】
具体的には、電気連結器32と接続された第1の車上ネットワーク3A側の伝送装置8Aは、第1の車上ネットワーク3Aにおける前段の伝送装置8Aから伝送されてきたデータを、図示しないバッファメモリに蓄えながら、電気連結器32を介して接続された第2の車上ネットワーク3B側の伝送装置8Bに送信するためデータの遅延が発生する。またかかるバッファメモリの容量を超えたデータは破棄されるため、データの欠損が発生することになる。
【0028】
ところで、列車の走行状態としては、ドアが開いた状態で停車している「停止」と、モータの動力を車輪に伝えて加速走行している「力行」と、必要に応じてモータの動力を車輪に伝えながら一定速度で走行している「定速」と、坂などにおいてブレーキを掛けながら一定速度で走行している「抑速」と、モータの動力を車輪に伝えることなく惰性で走行している「惰行」と、ブレーキを掛けて減速している「ブレーキ」となどがある。
【0029】
そして列車の走行状態ごとに、マスタ中央装置5Aの制御が必須となる機器7A,7Bの種類は異なる。例えば、列車の走行状態が「停車」の場合には、列車の停止状態を維持するためにブレーキ制御装置の制御が必須となるが、制駆動制御装置の制御は必須ではない。また列車の走行状態が「力行」や「定速」の場合には、列車が一定速度を保つために制駆動制御装置の制御が必須となるが、ドア開閉装置の制御は必須ではない。さらに列車の走行状態が「抑速」や「ブレーキ」の場合には、列車の走行速度を調整するために制駆動制御装置やブレーキ制御装置の制御が必須となるが、ドア開閉装置の制御は必須ではない。
【0030】
従って、図3の例の場合、列車の走行状態に応じて、マスタ中央装置5Aが第2の編成1B内の機器7Bの中から制御が必須の機器7Bに対して選択的に制御情報を送信することによって、その走行状態に応じた最低限度の列車としての機能及び安全性を維持しつつ、第1の車上ネットワーク3Aから第2の車上ネットワーク3Bに送信される制御情報のデータ量を低減させることがき、その結果としてマスタ中央装置5Aが第2の編成1B内の機器7Bに送信する制御情報の遅延や損失が発生するのを防止し得るものと考えられる。
【0031】
また列車の走行状態ごとに、制御が必須の機器7B以外の機器7Bについても、制御の優先度(重要度)は機器7Bごとに異なる。例えば、走行状態が「停車」の場合には、制駆動制御装置よりもドア開閉装置、補助電源装置、空調装置及び車内案内表示器の制御を優先した方が良く、また列車の走行状態が「力行」や「定速」の場合には、ドア開閉装置やブレーキ制御装置よりも補助電源装置や空調装置及び車内案内表示器の制御を優先した方が良い。さらに列車の走行状態が「抑速」や「ブレーキ」の場合には、ドア開閉装置よりも補助電源装置や空調装置及び車内案内表示器の制御を優先的した方が良く、列車の走行状態が「惰行」の場合には、ドア開閉装置や、制駆動制御装置及びブレーキ制御装置よりも補助電源装置や空調装置及び車内案内表示器の制御を優先した方が良い。
【0032】
従って、図3の例の場合、列車の走行状態に応じて、制御が必須の機器7Bに対する制御情報に加えて、第2の車上ネットワーク3Bの余剰分のデータ帯域の範囲内において、マスタ中央装置5Aが第2の編成1B内のより制御の優先度が高い機器7Bに対して制御情報を送信するようにすることによって、第2の車上ネットワーク3Bのデータ帯域を有効利用しながら、データの遅延や欠損を発生させることなくマスタ中央装置5Aがこれら機器7Bを確実に制御できるものと考えられる。
【0033】
そこで本実施の形態の情報伝送システム30では、列車の走行方向の先頭に配置される第1の編成1Aに対して、当該第1の編成1A内の車上ネットワーク3Aのデータ伝送速度よりもデータ伝送速度が遅い車上ネットワーク3Bが搭載された第2の編成1Bが併結された場合に、第2の編成1Bの車上ネットワーク3Bに許容されるデータ量(つまり伝送可能なデータ量)の範囲内において、第2の編成1B内のより制御の優先度が高い機器7Bに対して選択的に制御情報を送信する機能(以下、これを制御情報選択送信機能と呼ぶ)がマスタ中央装置5Aに搭載されている。
【0034】
実際上、本実施の形態の情報伝送システム30の場合、図4について後述するように、列車の走行状態ごとに、マスタ中央装置5Aが第2の編成1B内の各機器7Bに制御情報を送信する際の優先度が機器7Bごとにそれぞれ予め設定されている。本実施の形態においては、かかる優先度として「高」、「中」及び「低」の3つのランクが用意されており、列車の走行状態ごとに、その走行状態時に制御が必須となる機器7Bについては優先度が「高」に設定され、他の機器7Bについては、列車の走行状態時における制御の重要性に応じて優先度が「中」又は「低」に設定される。またマスタ中央装置5Aには、第2の編成1B内の各機器7Bに対する制御情報のデータ量が予め与えられている。
【0035】
そしてマスタ中央装置5Aは、マスタコントローラ22から与えられる操作情報などに基づいて列車の走行状態を常時監視し、そのときの列車の走行状態に応じて、第2の編成1B内の車上ネットワーク3Bに許容されるデータ量の範囲内において、優先度がより高い機器7Bに対して制御情報を選択的に送信する。
【0036】
この際、マスタ中央装置5Aは、上述のように予め与えられた各機器7Bに対する制御情報のデータ量に基づいて、制御情報を送信すべき優先度の範囲を決定する。具体的には、優先度が「高」に設定された機器7Bについては制御情報を必ず送信する一方、優先度が「中」又は「低」に設定された機器7Bについては、同じ優先度に設定されたすべての機器7Bに対して制御情報を送信可能な優先度に設定されたものまでに制御情報の送信対象を制限する。
【0037】
例えば、優先度が「高」に設定された各機器7Bに制御情報を送信したとしても、まだ第2の編成1Bの車上ネットワーク3Bのデータ帯域に余裕がある場合、マスタ中央装置5Aは、優先度が「中」に設定されたすべての機器7Bに対して制御情報を送信できるときにのみ、第2の編成1B内における優先度が「高」に設定された各機器7Bに加えて、優先度が「中」に設定された各機器7Bに対して制御情報をそれぞれ送信する。これに対してマスタ中央装置5Aは、優先度が「中」に設定されたすべての機器7Bに対して制御情報を送信できないときには、第2の編成1B内における優先度が「高」に設定された各機器7Bに対してのみ制御情報を送信する。
【0038】
このようにすることにより、同一優先度のそれぞれの機器7Bに相互に依存関係がある場合、同一優先度の一部の機器7Bのみ状態が更新され、同一優先度のそれぞれの機器7Bの依存関係が崩れてしまうことを防ぐ。
【0039】
なお各車両内には、かかる機器7の1つとして保安装置が搭載されるが、かかる保安装置は、車上ネットワーク3と異なる信号線を介してマスタ中央装置5Aと物理的に接続されるため、マスタ中央装置5Aとの通信に他の機器7との通信の影響を受けず、マスタ中央装置5Aから制御指令を安定して受信することができる。
【0040】
以上のような本実施の形態による制御情報選択送信機能を実現するための手段として、図2に示すように、中央装置5のメモリ21には、併結状態判定部15、伝送速度検出部16、伝送機器決定部17、データ送信部18及び送信優先度管理テーブル19が格納されている。
【0041】
併結状態判定部15は、自車両が属する編成(以下、これを自編成と呼ぶ)1が他の編成1と併結された状態(以下、これを併結状態と呼ぶ)にあるか否かを判定する機能を有するプログラムである。なお自編成1が他の編成1と併結状態にあるか否かの判定は、電気連結器32が連結された場合に入力される信号や、自編成1の最後尾の先頭車両4に搭載された伝送装置8が他の編成1Bの先頭車両4に搭載された伝送装置8との間でデータの送受信が可能な状態であるか否かなどに基づいて行うことができる。ただし、ここではその方法は限定しない。
【0042】
また伝送速度検出部16は、自編成1に併結された他の編成1内の車上ネットワーク3のデータ伝送速度を検出する機能を有するプログラムである。なお他の編成1内のデータ伝送速度を検出する方法としては、例えば、他の編成1の車上ネットワーク3が接続されたときにその車上ネットワーク3のデータ伝送速度を検出して伝送速度検出部16に通知する機能を自編成1における列車の進行方向最後尾の先頭車両4の伝送装置8に搭載する方法や、自編成1及び他の編成1間のデータ伝送速度を検出して伝送速度検出部16に通知する機能をかかる伝送装置8に搭載する方法がある。
【0043】
伝送機器決定部17は、自編成1に他の編成1が併結され、かつ当該他の編成1の車上ネットワーク3のデータ伝送速度が自編成1の車上ネットワーク3のデータ伝送速度よりも遅い場合に、上述のように予め与えられた他の編成1内の各機器7に対する制御情報のデータ量に基づき、そのときの列車の走行状態に応じて、当該他の編成1内の機器7の中から制御情報を送信すべき機器7を決定する機能を有するプログラムである。伝送機器決定部17は、かかる制御情報を送信する他の編成1内の機器7を、後述する送信優先度管理テーブル19を参照して決定する。
【0044】
さらにデータ送信部18は、伝送機器決定部17が決定した他の編成1内の機器7に対して制御情報を送信する機能を有するプログラムである。
【0045】
一方、送信優先度管理テーブル19は、列車の走行状態に応じた他の編成1内の各機器7の制御の優先度を管理するために利用されるテーブルであり、図4に示すように、走行状態欄19A及び送信優先度欄19Bを備えて構成される。送信優先度管理テーブル19では、1つのエントリ(1行)が1つの走行状態に対応する。
【0046】
そして走行状態欄19Aには、列車の対応する走行状態(「停車」、「力行」、「定速」、「抑速」、「惰行」及び「ブレーキ」)の名称が格納される。また送信優先度欄19Bは、送信優先度高欄19BA、送信優先度中欄19BB及び送信優先度低欄19BCに区分されている。そして、列車が対応する走行状態のときの優先度が「高」に設定された他の編成1内の各機器7の名称が送信優先度高欄19BAに格納され、かかる優先度が「中」に設定された他の編成1内の各機器7の名称が送信優先度中欄19BBに格納され、かかる優先度が「低」に設定された他の編成1内の各機器7の名称が送信優先度低欄19BCに格納される。
【0047】
この送信優先度管理テーブル19の内容は、編成1同士が併結された場合に作業員等により予め設定される。
【0048】
(2)制御情報選択送信処理
次に、かかる制御情報選択送信機能に関連して、マスタ中央装置(中央装置)5により実行される制御情報選択送信処理について説明する。なお、以下においては、各種処理の主体をプログラム(併結状態判定部15、伝送速度検出部16、伝送機器決定部17及びデータ送信部18)として説明するが、実際上は、そのプログラムに基づいてCPU20がその処理を実行することは言うまでもない。
【0049】
この制御情報選択送信処理は列車の電源が投入されると開始され、まず、マスタ中央装置5の併結状態判定部15が、必要な情報を取り込み、取り込んだ情報に基づいて、自編成1(図3における第1の編成1A)に他の編成1(図3における第2の編成1B)が併結されているか否かを判定する(S11)。そして併結状態判定部15は、この後、伝送速度検出部16を呼び出す。
【0050】
伝送速度検出部16は、併結状態判定部15により呼び出されると、必要な情報を取り込み、取り込んだ情報に基づいて自編成1に併結された他の編成1内の車上ネットワーク3(図3における第2の車上ネットワーク3B)のデータ伝送速度を検出する(S12)。そして伝送速度検出部16は、この後、伝送機器決定部17を呼び出す。
【0051】
伝送機器決定部17は、伝送速度検出部16により呼び出されると、ステップS11における併結状態判定部15の判定結果と、ステップS12における伝送速度検出部16の検出結果とに基づいて、自編成1に他の編成1が併結された併結状態にあり、かつ当該他の編成1の車上ネットワーク3のデータ伝送速度が自編成1の車上ネットワーク3(図3における第1の車上ネットワーク3A)のデータ伝送速度よりも遅いか否かを判断する(S13)。
【0052】
ここで、この判断で否定結果を得ることは、自編成1に他の編成1が併結されていないか、又は、自編成1の車上ネットワーク3のデータ伝送速度以上のデータ伝送速度の車上ネットワーク3が搭載された他の編成1が自編成1に併結されていることを意味する。従って、この場合には、マスタ中央装置5が他の編成1内の機器7に対して選択的に制御情報を送信する必要がないため、マスタ中央装置5は、この後、この制御情報選択送信処理を終了する。
【0053】
これに対して、ステップS13の判断で肯定結果を得ることは、マスタ中央装置5が上述した制御情報選択送信機能を利用して、自編成1に併結された他の編成1内の機器7に対して選択的に制御情報を送信すべきことを意味する。かくして、この場合、伝送機器決定部17は、まず、マスタコントローラ22から与えられた操作情報や、保安装置から通知されるブレーキ動作の有無などの情報に基づいて現在の列車の走行状態を検出する(S14)。
【0054】
続いて、伝送機器決定部17は、予め与えられている各機器7に対する制御情報のデータ量と、ステップS14で検出した現在の列車の走行状態と、ステップS12で伝送速度検出部16により検出された自編成1に併結された他の編成1の車上ネットワーク3のデータ伝送速度と、送信優先度管理テーブル19とに基づいて、当該他の編成1内の各機器7の中から制御情報を送信する機器7を決定する(S15)。
【0055】
具体的に、伝送機器決定部17は、まず、ステップS12で伝送速度検出部16が検出した他の編成1内の車上ネットワーク3のデータ伝送速度に対して、この制御情報選択送信処理の実行周期の時間を乗じることにより、制御情報選択送信処理の1実行周期内に他の編成1内の機器7に送信可能な制御情報の合計データ量(以下、これを第1の伝送可能データ量と呼ぶ)を算出する。
【0056】
次に、伝送機器決定部17は、送信優先度管理テーブル19を参照して、現在の列車の走行状態に対して優先度が「高」又は「中」に設定されたすべての機器7を検出し、他の編成1内のこれらの各機器7に制御情報をそれぞれ送信した場合におけるこれら制御情報の合計データ量(以下、これを第1の制御情報合計データ量と呼ぶ)を算出する。
【0057】
そして伝送機器決定部17は、データ伝送要求信号やその応答など、制御情報以外で他の編成1内の車上ネットワーク3を流れるデータの合計量を第1の制御情報合計データ量に加算した値と、上述の第1の伝送可能データ量とを比較し、前者の方が後者よりも大きい場合には、他の編成1内の機器7のうちの優先度が「高」に設定された機器7のみを制御情報の送信対象に決定する。
【0058】
これに対して、伝送機器決定部17は、第1の制御情報合計データ量に対してデータ伝送要求信号やその応答などのデータの合計量を加算した値が第1の伝送可能データ量よりも小さい場合には、送信優先度管理テーブル19を参照して、現在の列車の走行状態について優先度が「高」、「中」又は「低」に設定されたすべての機器7を検出し、他の編成1内のこれらの各機器7に制御情報をそれぞれ送信した場合の合計データ量(以下、これを第2の制御情報合計データ量と呼ぶ)を算出する。
【0059】
そして伝送機器決定部17は、制御情報以外で他の編成1内の車上ネットワーク3を流れるデータの合計量を第2の制御情報合計データ量に加算した値と、上述の第1の伝送可能データ量とを比較し、前者の方が後者よりも大きい場合には、他の編成1内の機器7のうちの優先度が「高」又は「中」に設定された機器7のみを制御情報の送信対象に決定し、前者の方が後者よりも小さい場合には、他の編成1内のすべての機器7を制御情報の送信対象に決定する。
【0060】
そして伝送機器決定部17は、この後、データ送信部18を呼び出し、呼び出したデータ送信部18に対して、自編成1内の各機器7への制御情報と、他の編成1内のステップS15で決定した制御情報の送信対象となる各機器7への制御情報とを出力する。
【0061】
データ送信部18は、伝送機器決定部17により呼び出されると、その後、上述のように伝送機器決定部17から与えられた各制御情報のうち、自編成1内の機器7に対する制御情報については支線伝送路10を介して対応する機器7にそれぞれ送信し、他の編成1内の機器7に対する制御情報については、自編成1内の車上ネットワーク3及び他の編成1内の車上ネットワーク3を介して対応する機器7にそれぞれ送信する(S16)。
【0062】
そしてマスタ中央装置5は、この後、この制御情報選択送信処理を終了する。
【0063】
(3)本実施の形態の効果
以上のように本実施の形態の情報伝送システム30では、マスタ中央装置となった中央装置5が、自編成1に他の編成1が併結された併結状態にあり、かつ当該他の編成1の車上ネットワーク3のデータ伝送速度が自編成1の車上ネットワーク3(図3における第1の車上ネットワーク3A)のデータ伝送速度よりも遅い場合に、他の編成1内の車上ネットワーク3に許容されるデータ量の範囲内において、そのときの列車の走行状態に応じて、当該走行状態について予め機器7ごとにそれぞれ設定された優先度がより高い機器7に対して制御情報を選択的に送信する。
【0064】
従って、本情報伝送システム30によれば、かかる自編成1内の車上ネットワーク3からかかる他の編成1内の車上ネットワーク3に制御情報が伝送される際に当該制御情報の遅延又は欠損が発生することを有効かつ確実に防止することができ、かくして列車の制御性能の低下を未然かつ有効に防止することができる。
【0065】
(4)他の実施の形態
なお上述の実施の形態においては、図5について上述した制御情報選択送信処理のタイミングでマスタ中央装置5が自編成1に併結されている他の編成1内の車上ネットワーク3のデータ伝送速度を検出したり、どの優先度の機器7にまで制御情報を送信するかを判断するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば、マスタ中央装置5が、編成1同士を併結後、列車の運行前までに自編成1に併結されている他の編成1内の車上ネットワーク3のデータ伝送速度を検出したり、列車の走行状態ごとにどの優先度の機器7にまで制御情報を送信するかを予め決定しておき、制御情報選択送信処理では、そのときの列車の走行状態に応じて、予め決定した対応する優先度の機器7に対して選択的に制御情報を送信するようにしてもよい。
【0066】
また上述の実施の形態においては、マスタ中央装置5が、他の編成1内の車上ネットワーク3のデータ伝送速度に応じて制御情報を送信する機器7Bを列車の走行状態ごとに変更する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、他の編成1内の車上ネットワーク3のデータ伝送速度に応じて、マスタ中央装置5から当該他の編成1内の個々の機器7に送信する制御情報のデータ量を、各制御情報の合計データ量が他の編成1内の車上ネットワーク3が許容するデータ量となるようにそれぞれ削減するようにしてもよい。
【0067】
具体的には、制御情報の内容のうち、送信することが必須である内容と、送信することが必須でない内容(タイムコードなど)とを予め区分しておき、他の編成1内の車上ネットワーク3のデータ伝送速度が自編成1内の車上ネットワーク3のデータ伝送速度よりも遅い場合には、他の編成1内の各機器7に対して送信することが必須である内容のみを送信するようにしても良い。また、例えば前回送信した制御情報の内容と、今回送信しようとする制御情報の内容との差分のみを送信するようにしてもよい。このような方法によっても上述の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0068】
さらに上述の実施の形態においては、マスタ中央装置5が、列車の現在の走行状態に応じて、他の編成1内の車上ネットワーク3に許容される範囲内で、列車の現在の走行状態に応じて又は加えて、制御情報を送信する機器7を決定するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば自動運転のように列車の走行パターンが予め決まっている場合には、列車の将来の走行状態に応じて、他の編成1内の機器7のうちの制御情報を送信する機器7を決定し、決定した機器7に対してのみ対応する制御情報を送信するようにしてもよい。この場合には、これ以外は上述の実施の形態と同様に情報伝送システムを構成することができる。
【0069】
例えば、列車の走行状態が「惰行」の場合、送信優先度管理テーブル19において優先度が「高」に設定されている機器7が存在しない。このためマスタ中央装置5は、列車の走行状態が「惰行」の場合には、送信優先度管理テーブル19において優先度が「中」に設定されている機器7(図4の例では補助電源装置、空調装置及び車内案内表示器)に対して制御情報を送信することができる。
【0070】
しかしながら列車の走行状態が「惰行」の場合が自動運転の走行パターンに含まれない場合には、いずれの走行状態においても優先度が「高」に設定されることのない機器7(図4の例では補助電源装置、空調装置及び車内案内表示器)に制御情報を送信する機会が少なくなってしまう。
【0071】
そこで列車が駅に停車している際に、マスタ中央装置5が、次の駅までの走行パターンを確認し、マスタ中央装置5が次の駅までの走行パターンに列車の走行状態に「惰行」が含まれない場合には、例えば、列車の走行状態が「停車」である間に、当該「停車」の場合に制御情報を送信すべき機器7のうちの優先度が「中」や「低」に設定された機器7と交互に又はこれらの機器7に代えて、上述のような優先度が「高」に設定されることのない機器7に制御情報を送信するようにしてもよい。このようにすることにより、機器7に対する制御情報の送信頻度をある程度平準化することができる。
【0072】
さらに上述の実施の形態においては、同じ優先度に設定されたすべての機器7に対して制御情報を送信できない場合には、その優先度に設定された機器7に対して制御情報を送信しないようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、同一優先度の各機器7に対してもさらに予め順位付けをしておき、同じ優先度に設定されたすべての機器7に対して制御情報を送信できない場合においても、そのうちの順位が高いものから可能な範囲内(マスタ中央装置5が搭載された編成1に併結された他の編成1内の車上ネットワーク3に許容されるデータ量の範囲内)で制御情報を送信するようにしてもよい。
【0073】
さらに上述の実施の形態においては、優先度を「高」、「中」及び「低」の3つのランクで設定するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、2つ又は4つ以上のランクで各機器7の優先度を設定するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0074】
1,1A,1B……編成、2,30……情報伝送システム、3,3A,3B……車上ネットワーク、4,4A,4B……先頭車両、5,5A,5B……中央装置、6,6A,6B……中間車両、7,7A,7B……機器、20……CPU、21……メモリ、22……マスタコントローラ、15……併結状態判定部、16……伝送速度検出部、17……伝送機器決定部、18……データ送信部、19……送信優先度管理テーブル。
図1
図2
図3
図4
図5