(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
最初に、本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
【0010】
(1)本発明の実施の形態に係るアンテナは、1つ以上のアンテナ素子と、前記アンテナ素子により送信または受信される電波を反射する反射板と、複数のユニットセルを含む第1のユニットセル群とを備え、前記ユニットセルは、周回する形状の外導体と、前記外導体の内側に設けられた内導体と、前記外導体と前記内導体との間に形成され、周回する形状のスロットとを含み、前記第1のユニットセル群の形状は、開放された形状であり、前記第1のユニットセル群と前記反射板との間に前記アンテナ素子が設けられる。
【0011】
このような構成により、アンテナの主放射方向においてビーム幅を絞り、利得を向上させることができる。したがって、小型のアンテナで高い利得を実現することができる。また、アンテナを小型化することができるため、たとえば、設置場所の確保の容易化、設置作業の容易化、およびアンテナが取り付けられるポール等の部品の小型化を実現することができる。
【0012】
(2)好ましくは、前記アンテナ素子と前記ユニットセルとの距離は、前記電波の自由空間における波長の0.65倍以下の長さである。
【0013】
このような長さに設定されることにより、利得をより確実に向上させることができる。
【0014】
(3)好ましくは、前記外導体および前記スロットの大きさは、利得を向上すべき周波数に基づいて設定されている。
【0015】
このような構成により、利得を向上すべき周波数に応じた適切な形状のユニットセルを実現することができる。
【0016】
(4)好ましくは、前記アンテナは、さらに、複数の前記ユニットセルを含む板状の第2のユニットセル群と、複数の前記ユニットセルを含む板状の第3のユニットセル群とを備え、前記第2のユニットセル群および前記第3のユニットセル群は、前記アンテナ素子を挟んで対向し、前記第2のユニットセル群および前記第3のユニットセル群の各々の主表面の延在方向は、前記反射板の法線方向に沿っている。
【0017】
このように、複数の方向にユニットセルが設けられる構成により、アンテナの主放射方向におけるビーム幅をより一層絞ることができるため、利得をより一層向上させることができる。
【0018】
(5)好ましくは、前記アンテナは、さらに、複数の前記ユニットセルを含む板状の第4のユニットセル群を備え、前記アンテナ素子は複数設けられ、前記第4のユニットセル群は、複数の前記アンテナ素子の間に設けられる。
【0019】
このような構成により、複数のアンテナ素子の間の空間においてもビーム幅を絞ることができるため、利得をより一層向上させることができる。
【0020】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、以下に記載する実施の形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
【0021】
<第1の実施の形態>
[全体構成]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るアンテナを示す図である。
図2は、
図1に示す反射板と周波数選択板との間に設けられるアンテナ素子の構成を示す図である。
【0022】
図1および
図2を参照して、アンテナ201は、たとえば、携帯電話などの移動端末との間で無線通信を行う基地局のアンテナとして用いられる。アンテナ201は 、反射板11と、周波数選択板(FSS(Frequency Selective Surface))(第1のユニットセル群)12と、反射板11と周波数選択板12との間に設けられるアンテナ素子13とを備える。
【0023】
アンテナ201による電波の主放射方向をX軸の正の方向とすると、周波数選択板12は、アンテナ素子13に対してX軸の正の方向に設けられ、反射板11は、アンテナ素子13に対してX軸の負の方向に設けられる。以下、X軸の正側を「前方」とも称し、X軸の負側を「後方」とも称する。
【0024】
また、アンテナ201の側方をY軸方向とし、アンテナ201の上下の方向をZ軸方向とする。反射板11の主表面、および周波数選択板12の主表面は、いずれも、YZ平面に平行である。
【0025】
アンテナ素子13は、たとえばダイポールアンテナであり、Z軸方向に沿って延びる。ここでは、一例として、アンテナ素子13は9つ設けられており、9つのアンテナ素子13は3行3列の行列状に配列されている。すなわち、9つのアンテナ素子13は、Z軸に沿う方向およびY軸に沿う方向に、それぞれ3個ずつ配列されている。
【0026】
なお、アンテナ素子13は、電波の送信および受信のいずれか一方を行う装置に用いられてもよい。また、アンテナ素子13は、ダイポールアンテナに限らず、パッチアンテナまたはスロットアンテナなどであってもよい。
【0027】
反射板11は、アンテナ素子13により送受信される電波を反射する。
【0028】
周波数選択板12は、所定の周波数帯域の電波を通過または反射させる特性、すなわちFSS特性を有する。たとえば、周波数選択板12は、3.5GHz帯の電磁波を通過させるFSS特性を有する。
【0029】
また、周波数選択板12は、複数のユニットセル6を含み、開放された形状を有する。ここでは、一例として、ユニットセル6が11行11列の行列状かつ開いた板状に隙間なく配列されることにより、周波数選択板12が形成されている。なお、周波数選択板12は、板が多少湾曲した形状を有してもよい。
【0030】
複数のユニットセル6の配列は、
図1に示すような配列に限らず、行および列におけるユニットセル6の数が異なってもよい。
【0031】
図3は、
図1に示すアンテナをZ軸に沿って見た平面図である。すなわち、
図3は、アンテナ201をZ軸に沿って上から下へ見た平面図である。
【0032】
図3を参照して、アンテナ201は、反射板11、周波数選択板12およびアンテナ素子13に加えて、さらに、雨または風などからアンテナ素子13を保護するレドーム14を備える。
【0033】
レドーム14は、繊維強化プラスチック(FRP(Fiber Reinforced Plastics))またはABS樹脂(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂)などの材質により形成されている。レドーム14は、たとえば、アンテナ素子13の前方および側方を覆うように設けられている。
【0034】
周波数選択板12における各ユニットセル6は、たとえば、レドーム14の前方の主表面および後方の主表面のうちの少なくともいずれか一方に取り付けられている。
図3では、一例として、各ユニットセル6は、レドーム14の前方の主表面に取り付けられている。なお、ユニットセル6は、レドーム14の内部に設けられてもよい。
【0035】
また、ユニットセル6は、レドーム14に取り付けられる代わりに、たとえば、樹脂により形成されたスペーサなどを介して、反射板11に取り付けられてもよい。
【0036】
アンテナ素子13とユニットセル6との距離L1は、たとえば、アンテナ素子13により送受信される電波の自由空間における波長λの約0.35倍の長さに設定されている。距離L1の詳細については、後述する。
【0037】
[ユニットセル]
図4は、
図1に示す周波数選択板におけるユニットセルを示す図である。
【0038】
図4を参照して、ユニットセル6は、たとえば、ガラスエポキシなどの材質により形成された板状の誘電体5と、誘電体5の前方の主表面5aに形成された、周回する形状のループ外導体7と、ループ外導体7の内側に、ループ外導体7に対して間隔を隔てて形成された内導体8と、ループ外導体7と内導体8との間に形成され、周回する形状のループスロット9とを有する。複数のユニットセル6は、一例として、
図4に示すユニットセル6と共通の形状を有する。
【0039】
誘電体5の前方の主表面5aには、銅箔、真鍮箔またはアルミ箔などの金属箔が接合されている。そして、当該金属箔がエッチング加工されることにより誘電体5の前方の主表面5aが一部露出しており、誘電体5の露出部分がループスロット9に相当する。誘電体5の前方の主表面5aにおいて、ループ外導体7、内導体8およびループスロット9は、各々の外形および内形が正方形状に形成されている。
【0040】
ループ外導体7の外周の一辺の長さL21、ループスロット9の外周の一辺の長さL22、およびループスロット9の幅Wは、利得を向上すべき周波数に基づいて設定されている。たとえば、利得を向上すべき周波数が高いほど、長さL1、長さL2、および幅Wが大きく設定される。
【0041】
なお、ユニットセル6は、たとえば、金属箔をエッチング加工されることにより形成されるものに限らない。たとえば、ユニットセル6は、金属ペーストが誘電体5に印刷されることにより形成されてもよいし、予めループ外導体7および内導体8の各形状に形成された金属箔が誘電体5に貼り付けられることにより形成されてもよい。
【0042】
また、誘電体5の前方の主表面5aにおいて、ループスロット9の外形および内形の形状は、正方形状に限らず、円形状、正三角形状、または楕円形状などであってもよい。
【0043】
また、
図4では、誘電体5の前方の主表面5aに、ループ外導体7、内導体8およびループスロット9が形成されているが、誘電体5の前方の主表面5aおよび後方の主表面5bのうちの少なくともいずれか一方に、ループ外導体7、内導体8およびループスロット9が形成されていればよい。
【0044】
また、ユニットセル6は、誘電体5を有していない構成であってもよい。この場合、たとえば、レドーム14の主表面に金属箔が直接接合され、当該金属箔がエッチング加工されることにより、ループ外導体7、内導体8およびループスロット9が形成されている。
【0045】
[アンテナの指向性]
次に、上記のように構成されたアンテナ201の指向性について説明する。まず、比較例に係るアンテナ301の指向性について説明する。
【0046】
(比較例に係るアンテナの指向性)
図5は、比較例に係るアンテナを示す図である。
【0047】
図5を参照して、比較例に係るアンテナ301は、反射板111と、9つのアンテナ素子113と、図示しないレドームとを備える。9つのアンテナ素子113は、
図2に示す本発明の第1の実施の形態に係る9つのアンテナ素子13と同様に、3行3列の行列状に配列されている。
【0048】
すなわち、比較例に係るアンテナ301は、
図1に示す周波数選択板12を備えない点を除いて、上述した本発明の第1の実施の形態に係るアンテナ201と同様の構成である。
【0049】
図6Aは、比較例に係るアンテナの水平面指向性を示す図である。
図6Bは、比較例に係るアンテナの垂直面指向性を示す図である。
【0050】
図6Aを参照して、比較例に係るアンテナ301の水平面指向性、すなわちXY平面における指向性では、0°方向におけるビーム幅が「24.1°」であり、サイドローブが「−12.5dB」である。そして、主放射方向における利得は、「17.3dBi」である。
【0051】
また、
図6Bを参照して、比較例に係るアンテナ301の垂直面指向性、すなわちXZ平面における指向性では、90°方向におけるビーム幅が「24.4°」であり、サイドローブが「−14.2dB」である。
【0052】
(本発明の第1の実施の形態に係るアンテナの指向性)
図7Aは、本発明の第1の実施の形態に係るアンテナの水平面指向性を示す図である。
図7Bは、本発明の第1の実施の形態に係るアンテナの垂直面指向性を示す図である。
【0053】
上述のとおり、本発明の第1の実施の形態に係るアンテナ201は、
図5に示す比較例に係るアンテナ301と比較して、アンテナ素子13の前方に設けられる周波数選択板12を備える。このようなアンテナ201の指向性は、
図7に示すような結果となる。
【0054】
すなわち、
図7Aを参照して、アンテナ201の水平面指向性、すなわちXY平面における指向性では、0°方向におけるビーム幅が「23.8°」であり、サイドローブが「−13.2dB」である。そして、主放射方向における利得は、「18.1dBi」である。
【0055】
また、
図7Bを参照して、アンテナ201の垂直面指向性、すなわちXZ平面における指向性では、90°方向におけるビーム幅が「20.5°」であり、サイドローブが「−14.4dB」である。
【0056】
このように、アンテナ201では、前方におけるビーム幅が絞られることにより、比較例に係るアンテナ301と比較して、利得を「0.8dB」向上させることができる。
【0057】
[アンテナ素子とユニットセルとの距離]
再び
図3を参照して、アンテナ素子13とユニットセル6との距離L1に応じて、アンテナ201の主放射方向における利得が変化する。
【0058】
図8は、本発明の第1の実施の形態に係るアンテナ素子とユニットセルとの距離による利得の変化を示すグラフである。
図8に示すグラフの、縦軸は利得[dBi]を示し、横軸はアンテナ素子13とユニットセル6との距離L1を示す。
【0059】
図8に示すグラフの横軸は、距離L1が、アンテナ素子13により送受信される電波の自由空間における波長λと同じ長さである場合を基準としている。たとえば、横軸の「0.5」は、距離L1が波長λの0.5倍の長さであることを示す。
【0060】
図8を参照して、距離L1が波長λの約0.65倍の長さである場合、利得は「17.3dBi」となり、
図5に示す比較例に係るアンテナ301による利得とほぼ同じ値となる。
【0061】
そして、距離L1が波長λの約0.65倍以下の長さである場合、利得は「17.3dBi」より大きい値となる。一方、距離L1が波長λの約0.65倍より長い場合、利得は「17.3dBi」より小さい値となる。このため、
図4に示すユニットセル6は、アンテナ素子13との距離L1が波長λの0.65倍以下の長さとなるように設けられることが好ましい。
【0062】
また、
図8に示すグラフでは、距離L1が波長λの約0.2倍の長さである場合、利得が最も大きい値となる。このため、ユニットセル6は、アンテナ素子13との距離L1が波長λの約0.2倍の長さとなるように設けられることが、より好ましい。
【0063】
ところで、周波数の利用効率の向上および電波の不感地帯の減少のためにカバーエリアの狭い基地局が設置される場合、多数の基地局の設置が必要である。このため、設置場所を確保しやすい小型のアンテナであって、かつ高い利得を実現することのできるアンテナが望まれている。
【0064】
これに対して、本発明の第1の実施の形態に係るアンテナ201は、1つ以上のアンテナ素子13と、アンテナ素子13により送信または受信される電波を反射する反射板11と、複数のユニットセル6を含む周波数選択板12とを備える。ユニットセル6は、周回する形状のループ外導体7と、ループ外導体7の内側に設けられた内導体8と、ループ外導体7と内導体8との間に形成され、周回する形状のループスロット9とを含む。周波数選択板12の形状は、開放された形状である。そして、周波数選択板12と反射板11との間にアンテナ素子13が設けられる。
【0065】
このような構成により、アンテナ201の主放射方向においてビーム幅を絞り、利得を向上させることができる。したがって、小型のアンテナで高い利得を実現することができる。また、アンテナ201を小型化することができるため、たとえば、設置場所の確保の容易化、設置作業の容易化、およびアンテナ201が取り付けられるポール等の部品の小型化を実現することができる。
【0066】
また、本発明の実施の第1の形態に係るアンテナ201では、アンテナ素子13とユニットセル6との距離L1は、電波の自由空間における波長λの0.65倍以下の長さである。
【0067】
このような長さに設定されることにより、利得をより確実に向上させることができる。
【0068】
また、本発明の実施の第1の形態に係るアンテナ201では、ループ外導体7およびループスロット9の大きさは、利得を向上すべき周波数に基づいて設定されている。
【0069】
このような構成により、利得を向上すべき周波数に応じた適切な形状のユニットセル6を実現することができる。
【0070】
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0071】
<第2の実施の形態>
上述した本発明の第1の実施の形態では、アンテナ素子13の前方に周波数選択板12を設ける。これに対して、本発明の第2の実施の形態では、アンテナ素子の前方に加えて、さらに、アンテナ素子の側方、上方および下方においても周波数選択板を設ける。
【0072】
[全体構成]
図9は、本発明の第2の実施の形態に係るアンテナを示す図である。
図10は、
図9に示すアンテナをZ軸に沿って見た平面図である。すなわち、
図10は、アンテナ202をZ軸に沿って上から下へ見た平面図である。
図10では、アンテナ202の内部の構成を示すため、
図9に示す周波数選択板22の上板22dを示していない。
【0073】
図9および
図10を参照して、本発明の第2の実施の形態に係るアンテナ202は、
図1に示すアンテナ201と同様に、反射板21と、周波数選択板22と、アンテナ素子23とを備える。反射板21およびアンテナ素子23は、
図2に示す反射板11およびアンテナ素子13と同様の構成である。
【0074】
周波数選択板22は、
図1に示す周波数選択板12と同様に、たとえば、3.5GHz帯の電磁波を通過させるFSS特性を有している。また、周波数選択板22は、前板(第1のユニットセル群)22aと、第1側板(第2のユニットセル群)22bと、第2側板(第3のユニットセル群)22cと、上板(第2のユニットセル群)22dと、下板(第3のユニットセル群)22eとを有する。
【0075】
前板22aは、YZ平面に沿って延びる板形状を有し、アンテナ素子23の前方に設けられる。
【0076】
第1側板22bおよび第2側板22cは、各々の主表面が反射板21の法線方向に延び、かつアンテナ素子23を挟んで対向する。具体的には、第1側板22bおよび第2側板22cは、XZ平面に沿って延びる板形状を有し、アンテナ素子23の側方にそれぞれ設けられる。
【0077】
上板22dおよび下板22eは、各々の主表面が反射板21の法線方向に延び、かつアンテナ素子23を挟んで対向する。具体的には、上板22dおよび下板22eは、XY平面に沿って延びる板形状を有し、アンテナ素子23の上方および下方にそれぞれ設けられる。なお、前板22a、第1側板22b、第2側板22c、上板22dおよび下板22eは、板が多少湾曲した形状を有してもよい。
【0078】
前板22aは、11行11列の行列状に配列されたユニットセル26を含む。第1側板22bおよび第2側板22cは、それぞれ、列方向に配列された11個のユニットセル26を含む。上板22dおよび下板22eは、それぞれ、行方向に配列された11個のユニットセル26を含む。
【0079】
なお、周波数選択板22の各板におけるユニットセル26の配列は、
図9に示すような配列に限らない。たとえば、前板22aにおいて、列方向に配列されるユニットセル26の数と行方向に配列されるユニットセル26の数とが異なってもよい。
【0080】
また、第1側板22b、第2側板22c、上板22dおよび下板22eのうちの少なくともいずれか1つは、X軸に沿って配列される複数のユニットセル26を含む構成であってもよい。
【0081】
また、周波数選択板22は、第1側板22b、第2側板22c、上板22dおよび下板22eのうちの少なくともいずれか1つを含まない構成であってもよい。
【0082】
しかしながら、周波数選択板22が第1側板22bおよび第2側板22cのうちのいずれか一方を含まない場合、電波の主放射方向をアンテナ202の前方に向けることが困難である。また、周波数選択板22が上板22dおよび下板22eのうちのいずれか一方を含まない場合も同様に、電波の主放射方向をアンテナ202の前方に向けることが困難である。このため、周波数選択板22の構成は、左右対称および上下対称の構成であることが好ましい。
【0083】
[アンテナの指向性]
図11Aは、本発明の第2の実施の形態に係るアンテナの水平面指向性を示す図である。
図11Bは、本発明の第2の実施の形態に係るアンテナの垂直面指向性を示す図である。
【0084】
図11を参照して、アンテナ202の水平面指向性、すなわちXY平面における指向性では、0°方向におけるビーム幅が「23.0°」であり、サイドローブが「−13.3dB」である。そして、主放射方向における利得は、「18.3dBi」である。
【0085】
また、アンテナ202の垂直面指向性、すなわちXZ平面における指向性では、90°方向におけるビーム幅が「20.4°」であり、サイドローブが「−14.3dB」である。
【0086】
このように、アンテナ202では、アンテナ素子23の前方、側方、上方および下方におけるビーム幅が絞られることにより、
図5に示す比較例に係るアンテナ301と比較して利得を「1.0dB」向上させることができる。
【0087】
その他の構成は第1の実施の形態と同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
【0088】
上記のように、本発明の第2の実施の形態に係るアンテナ202は、複数のユニットセル26を含む第1側板22bと、複数のユニットセル26を含む第2側板22cと、複数のユニットセル26を含む上板22dと、複数のユニットセル26を含む下板22eとを備える。第1側板22bおよび第2側板22cは、アンテナ素子23を挟んで対向し、第1側板22bおよび第2側板22cの各々の主表面の延在方向は、反射板21の法線方向に沿っている。上板22dおよび下板22eは、アンテナ素子23を挟んで対向し、上板22dおよび下板22eの各々の主表面の延在方向は、反射板21の法線方向に沿っている。
【0089】
このように、複数の方向にユニットセル26が設けられる構成により、アンテナ202の主放射方向におけるビーム幅をより一層絞ることができるため、利得をより一層向上させることができる。
【0090】
<第3の実施の形態>
本発明の第3の実施の形態では、アンテナ素子の前方、側方、上方および下方に加えて、さらに、アンテナ素子同士の間に周波数選択板を設ける。
【0091】
[全体構成]
図12は、本発明の第3の実施の形態に係るアンテナを示す図である。
図13は、
図12に示すアンテナをZ軸に沿って見た平面図である。すなわち、
図13は、アンテナ203をZ軸に沿って上から下へ見た平面図である。
図13では、アンテナ203の内部の構成を示すため、
図12に示す周波数選択板32の上板32dを示していない。
【0092】
図12および
図13を参照して、本発明の第3の実施の形態に係るアンテナ203は、
図1に示すアンテナ201と同様に、反射板31と、周波数選択板32と、アンテナ素子33とを備える。反射板31およびアンテナ素子33は、
図2に示す反射板11およびアンテナ素子13と同様の構成である。
【0093】
周波数選択板32は、
図1に示す周波数選択板12と同様に、たとえば、3.5GHz帯の電磁波を通過させるFSS特性を有している。また、周波数選択板32は、前板(第1のユニットセル群)32aと、第1側板(第2のユニットセル群)32bと、第2側板(第3のユニットセル群)32cと、上板32dと、下板32eとを有する。
【0094】
前板32aは、YZ平面に沿って延びる板形状を有し、アンテナ素子33の前方に設けられる。
【0095】
第1側板32bおよび第2側板32cは、各々の主表面が反射板31の法線方向に延び、かつアンテナ素子33を挟んで対向する。具体的には、第1側板32bおよび第2側板32cは、XZ平面に沿って延びる板形状を有し、アンテナ素子33の側方にそれぞれ設けられる。
【0096】
上板32dおよび下板32eは、各々の主表面が反射板31の法線方向に延び、かつアンテナ素子33を挟んで対向する。具体的には、上板32dおよび下板32eは、XY平面に沿って延びる板形状を有し、アンテナ素子33の上方および下方にそれぞれ設けられる。なお、前板32a、第1側板32b、第2側板32c、上板32dおよび下板32eは、板が多少湾曲した形状を有してもよい。
【0097】
前板32aは、12行12列の行列状に配列されたユニットセル36を含む。第1側板32bおよび第2側板32cは、それぞれ、Z軸に沿って12個、X軸に沿って3個ずつ配列されたユニットセル36を含む。上板32dおよび下板32eは、それぞれ、Y軸に沿って12個、X軸に沿って3個ずつ配列されたユニットセル36を含む。
【0098】
図14は、
図13に示すXIV−XIV線に沿った断面を示す断面斜視図である。
【0099】
図14を参照して、周波数選択板32は、前板32a、第1側板32b、第2側板32c、上板32dおよび下板32eに加えて、さらに、第1側板32bおよび第2側板32cに平行な複数の縦仕切り板(第4のユニットセル群)32fと、上板32dおよび下板32eに平行な複数の横仕切り板(第4のユニットセル群)32gとを有する。
【0100】
複数の縦仕切り板32fおよび複数の横仕切り板32gは、複数のアンテナ素子33の間に設けられる。具体的には、複数の縦仕切り板32fおよび複数の横仕切り板32gにより形成される複数の空間に、それぞれ、アンテナ素子33が1つずつ設けられる。
【0101】
なお、縦仕切り板32fおよび複数の横仕切り板32gは、板が多少湾曲した形状を有してもよい。
【0102】
縦仕切り板32fは、
図12に示す第1側板32bおよび第2側板32cと同様の構成であり、Z軸に沿って12個、X軸に沿って3個ずつ配列されたユニットセル36を含む。横仕切り板32gは、
図12に示す上板32dおよび下板32eと同様の構成であり、Y軸に沿って12個、X軸に沿って3個ずつ配列されたユニットセル36を含む。
【0103】
なお、周波数選択板32の各板に形成されるユニットセル36の配列は、
図13および
図14に示すような配列に限らない。
【0104】
また、複数の縦仕切り板32fおよび複数の横仕切り板32gにより形成される複数の空間のうち、複数のアンテナ素子33が設けられている空間があってもよいし、アンテナ素子33が1つも設けられない空間があってもよい。
【0105】
[アンテナ素子の指向性]
図15Aは、本発明の第3の実施の形態に係るアンテナの水平面指向性を示す図である。
図15Bは、本発明の第3の実施の形態に係るアンテナの垂直面指向性を示す図である。
【0106】
図15を参照して、アンテナ203の水平面指向性、すなわちXY平面における指向性では、0°方向におけるビーム幅が「21.1°」であり、サイドローブが「−13.4dB」である。そして、主放射方向における利得は、「18.7dBi」である。
【0107】
また、アンテナ203の垂直面指向性、すなわちXZ平面における指向性では、90°方向におけるビーム幅が「20.8°」であり、サイドローブが「−14.3dB」である。
【0108】
このように、アンテナ203では、アンテナ素子33の前方、側方、上方および下方におけるビーム幅がより一層絞られることにより、
図5に示す比較例に係るアンテナ301と比較して、利得を「1.4dB」向上させることができる。
【0109】
その他の構成は第1の実施の形態および第2の実施の形態と同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
【0110】
このように、本発明の第3の実施の形態に係るアンテナは、さらに、複数のユニットセル36を含む縦仕切り板32fと、複数のユニットセル36を含む横仕切り板32gとを備える。縦仕切り板32fおよび横仕切り板32gは、それぞれ、複数のアンテナ素子33の間に設けられる。
【0111】
このような構成により、複数のアンテナ素子33の間の空間においてもビーム幅を絞ることができるため、利得をより一層向上させることができる。
【0112】
<第4の実施の形態>
本発明の第4の実施の形態では、アンテナ素子の前方において複数の周波数選択板を間隔を隔てて設ける。
【0113】
[全体構成]
図16は、本発明の第4の実施の形態に係るアンテナを示す図である。
図17は、
図16に示すアンテナをZ軸に沿って見た平面図である。すなわち、
図17は、アンテナ204をZ軸に沿って上から下へ見た平面図である。
図17では、アンテナ204の内部の構成を示すため、
図16に示すレドーム44の上板44dを示していない。
【0114】
図16および
図17を参照して、本発明の第4の実施の形態に係るアンテナ204は、
図3に示すアンテナ201と同様に、反射板41と、周波数選択板42と、アンテナ素子43と、レドーム44とを備える。反射板41、アンテナ素子43およびレドーム44は、
図3に示す反射板11、アンテナ素子13およびレドーム14と同様の構成である。
【0115】
周波数選択板42は、たとえば9つ設けられている。より詳細には、9つの周波数選択板42は、9つのアンテナ素子43の前方にそれぞれ設けられている。各周波数選択板42は、
図1に示す周波数選択板12と同様に、たとえば、3.5GHz帯の電磁波を通過させるFSS特性を有している。
【0116】
また、各周波数選択板42は、YZ平面に沿って延びる板形状を有する。なお、各周波数選択板42は、板が多少湾曲した形状を有してもよい。
【0117】
また、各周波数選択板42は、たとえば、2行2列の行列状に配列されたユニットセル46を含む。ユニットセル46は、
図4に示すユニットセル6と同様の構成である。
【0118】
9つの周波数選択板42は、たとえばレドーム44の前方の主表面に取り付けられ、かつ互いに間隔を隔てて設けられている。このため、周波数選択板42同士の隙間においてレドーム44の前方の主表面が露出している。
【0119】
[アンテナ素子の指向性]
図18Aは、本発明の第4の実施の形態に係るアンテナの水平面指向性を示す図である。
図18Bは、本発明の第4の実施の形態に係るアンテナの垂直面指向性を示す図である。
【0120】
図18を参照して、アンテナ204の水平面指向性、すなわちXY平面における指向性では、0°方向におけるビーム幅が「20.2°」であり、サイドローブが「−12.9dB」である。そして、主放射方向における利得は、「18.8dBi」である。
【0121】
また、アンテナ204の垂直面指向性、すなわちXZ平面における指向性では、90°方向におけるビーム幅が「20.5°」であり、サイドローブが「−14.4dB」である。
【0122】
このように、アンテナ204では、
図5に示す比較例に係るアンテナ301と比較して、利得を「1.5dB」向上させることができる。
【0123】
その他の構成は第1〜第3の実施の形態と同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
【0124】
<第5の実施の形態>
本発明の第5の実施の形態では、アンテナ素子の前方において複数の周波数選択板を間隔を隔てて設け、さらに、周波数選択板間の領域の一部に導体を設ける。
【0125】
[全体構成]
図19は、本発明の第5の実施の形態に係るアンテナを示す図である。
図20は、
図19に示すアンテナをZ軸に沿って見た平面図である。すなわち、
図20は、アンテナ205をZ軸に沿って上から下へ見た平面図である。
図20では、アンテナ205の内部の構成を示すため、
図19に示すレドーム54の上板54dを示していない。
【0126】
図19および
図20を参照して、本発明の第5の実施の形態に係るアンテナ205は、反射板51と、周波数選択板52と、アンテナ素子53と、レドーム54と、導体55とを備える。反射板51、周波数選択板52、アンテナ素子53およびレドーム54は、
図17に示す反射板41、周波数選択板42、アンテナ素子43およびレドーム44と同様の構成である。
【0127】
すなわち、周波数選択板52は、たとえば、2行2列の行列状に配列されたユニットセル56を含む。
【0128】
導体55は、たとえば9つ設けられている。より詳細には、9つの導体55は、9つの周波数選択板52の周りをそれぞれ周回する。また、9つの導体55は、たとえばレドーム54の前方の主表面に接合され、かつ互いに間隔を隔てて設けられている。このため、導体55間においてレドーム54の前方の主表面が露出している。
【0129】
[アンテナ素子の指向性]
図21Aは、本発明の第5の実施の形態に係るアンテナの水平面指向性を示す図である。
図21Bは、本発明の第5の実施の形態に係るアンテナの垂直面指向性を示す図である。
【0130】
図21を参照して、アンテナ205の水平面指向性、すなわちXY平面における指向性では、0°方向におけるビーム幅が「20.5°」であり、サイドローブが「−12.5dB」である。そして、主放射方向における利得は、「18.4dBi」である。
【0131】
また、アンテナ205の垂直面指向性、すなわちXZ平面における指向性では、90°方向におけるビーム幅が「19.9°」であり、サイドローブが「−12.7dB」である。
【0132】
このように、アンテナ205では、
図5に示す比較例に係るアンテナ301と比較して、利得を「1.1dB」向上させることができる。
【0133】
その他の構成は第1〜第4の実施の形態と同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
【0134】
<第6の実施の形態>
本発明の第6の実施の形態では、アンテナ素子の前方において複数の周波数選択板を間隔を隔てて設け、さらに、周波数選択板間に導体を設ける。
【0135】
[全体構成]
図22は、本発明の第6の実施の形態に係るアンテナを示す図である。
図23は、
図22に示すアンテナをZ軸に沿って見た平面図である。すなわち、
図23は、アンテナ206をZ軸に沿って上から下へ見た平面図である。
図23では、アンテナ206の内部の構成を示すため、
図22に示すレドーム64の上板64dを示していない。
【0136】
図22および
図23を参照して、本発明の第6の実施の形態に係るアンテナ206は、反射板61と、周波数選択板62と、アンテナ素子63と、レドーム64と、導体65とを備える。反射板61、周波数選択板62、アンテナ素子63およびレドーム64は、
図20に示す反射板51、周波数選択板52、アンテナ素子53およびレドーム54と同様の構成である。
【0137】
すなわち、周波数選択板62は、たとえば、2行2列の行列状に配列されたユニットセル66を含む。
【0138】
導体65は、たとえば9つ設けられている。より詳細には、9つの導体65は、9つの周波数選択板62の周りをそれぞれ周回する。また、9つの導体65は、たとえばレドーム64の前方の主表面に接合され、かつ隙間なく配列されている。
【0139】
[アンテナ素子の指向性]
図24Aは、本発明の第6の実施の形態に係るアンテナの水平面指向性を示す図である。
図24Bは、本発明の第6の実施の形態に係るアンテナの垂直面指向性を示す図である。
【0140】
図24を参照して、アンテナ206の水平面指向性、すなわちXY平面における指向性では、0°方向におけるビーム幅が「20.9°」であり、サイドローブが「−12.7dB」である。そして、主放射方向における利得は、「18.1dBi」である。
【0141】
また、アンテナ206の垂直面指向性、すなわちXZ平面における指向性では、90°方向におけるビーム幅が「19.5°」であり、サイドローブが「−11.8dB」である。
【0142】
このように、アンテナ206では、
図5に示す比較例に係るアンテナ301と比較して、利得を「0.8dB」向上させることができる。
【0143】
その他の構成は第1〜第5の実施の形態と同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
【0144】
<比較結果のまとめ>
図25は、本発明の第1〜第6の実施の形態に係るアンテナと、比較例に係るアンテナとの比較結果を示す図である。
【0145】
図25を参照して、上述のとおり、比較例に係るアンテナ301では、主放射方向における利得が「17.3dBi」であり、水平面において、0°方向におけるビーム幅が「24.1°」であり、垂直面において、90°方向におけるビーム幅が「24.4°」である。
【0146】
本発明の第1の実施の形態に係るアンテナ201では、主放射方向における利得が「18.1dBi」であり、水平面において、0°方向におけるビーム幅が「23.8°」であり、垂直面において、90°方向におけるビーム幅が「20.5°」である。
【0147】
本発明の第2の実施の形態に係るアンテナ202では、主放射方向における利得が「18.3dBi」であり、水平面において、0°方向におけるビーム幅が「23.0°」であり、垂直面において、90°方向におけるビーム幅が「20.4°」である。
【0148】
本発明の第3の実施の形態に係るアンテナ203では、主放射方向における利得が「18.7dBi」であり、水平面において、0°方向におけるビーム幅が「21.1°」であり、垂直面において、90°方向におけるビーム幅が「20.8°」である。
【0149】
本発明の第4の実施の形態に係るアンテナ204では、主放射方向における利得が「18.8dBi」であり、水平面において、0°方向におけるビーム幅が「20.2°」であり、垂直面において、90°方向におけるビーム幅が「20.5°」である。
【0150】
本発明の第5の実施の形態に係るアンテナ205では、主放射方向における利得が「18.4dBi」であり、水平面において、0°方向におけるビーム幅が「20.5°」であり、垂直面において、90°方向におけるビーム幅が「19.9°」である。
【0151】
本発明の第6の実施の形態に係るアンテナ206では、主放射方向における利得が「18.1dBi」であり、水平面において、0°方向におけるビーム幅が「20.9°」であり、垂直面において、90°方向におけるビーム幅が「19.5°」である。
【0152】
このように、比較例に係るアンテナ301と比較して、アンテナ204,アンテナ203,アンテナ205,アンテナ202,アンテナ201,アンテナ206の順で高い利得を実現することができる。
【0153】
また、アンテナ201〜206を用いて比較例に係るアンテナ301と同じ利得を実現する場合、これらのアンテナ201〜206を、アンテナ301と比較して小型化することができる。
【0154】
具体的には、アンテナ301の一辺の長さが280mmであり、アンテナ203を用いて当該アンテナ301と同じ利得を実現する場合、アンテナ203の一辺の長さを230mmにすることができる。すなわち、アンテナ203の大きさを、比較例に係るアンテナ301の約70%の大きさにすることができる。
【0155】
また、比較例に係るアンテナ301におけるアンテナ素子113が、4行4列の行列状に配列されているとする。そして、アンテナ203を用いて当該アンテナ301と同じ利得を実現する場合、アンテナ203におけるアンテナ素子33は、3行3列の行列状に配列すればよい。このように、比較例に係るアンテナ301と比較して、小型化および部品点数の削減を行うことができる。
【0156】
<第1〜第6の実施の形態に係るアンテナの変形例>
図26は、本発明の第1〜第6の実施の形態に係るアンテナにおけるアンテナ素子の変形例を示す図である。
【0157】
図26を参照して、アンテナ201〜206は、それぞれ、アンテナ素子13,23,33,43,53,63の代わりに、水平偏波および垂直偏波の両偏波用のアンテナ素子43を備える構成であってもよい。アンテナ素子73は、たとえば、Y軸に沿って延びる部分およびZ軸に沿って延びる部分が、互いに直角に交差する形状を有している。
【0158】
アンテナ素子73は、アンテナ素子13,23,33,43,53,63と同様に、たとえば9つ設けられる。そして、9つのアンテナ素子73は、3行3列の行列状に配列される。
【0159】
なお、本発明の第1〜第6の実施の形態に係るアンテナ201〜206の各々の特徴を適宜組み合わせることも可能である。
【0160】
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0161】
以上の説明は、以下に付記する特徴を含む。
【0162】
[付記1]
1つ以上のアンテナ素子と、
前記アンテナ素子により送信または受信される電波を反射する反射板と、
複数のユニットセルを含む第1のユニットセル群とを備え、
前記ユニットセルは、
周回する形状の外導体と、
前記外導体の内側に間隔を隔てて形成される内導体と、
前記外導体と前記内導体との間に形成され、周回する形状のスロットとを含み、
前記複数のユニットセルは、開いた板状に配列され、
前記第1のユニットセル群と前記反射板との間に前記アンテナ素子が設けられ、
前記外導体および前記内導体は、誘導体に接合された金属箔であり、
前記金属箔がエッチング加工されることにより前記スロットが形成され、
前記アンテナ素子は、行列状に配列される複数のダイポールアンテナである、アンテナ。