(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/551 100,A61F 13/15 311, A61F 13/15 355, A61F 13/15 390, A61F 13/49 312, A61F 13/49 413, A61F 13/496 100
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1ないし
図24を参照して本発明における使い捨ておむつを具体化した一実施形態におけるパンツ型使い捨ておむつについて説明する。
〔第1実施形態〕
図1および
図2に示すように、パンツ型使い捨ておむつ10(以下、単に「おむつ10」という。)は、人体の腹部形状に追従する形状を有する前身頃10Fと、人体の背部形状に追従する形状を有する後身頃10Rと、前身頃10Fおよび後身頃10Rを繋ぐ股下部10Cとを備える。
【0018】
前身頃10Fにおいて股下部10Cと反対側は、人体の胴回りの部分を取り囲む胴回り部10Wを構成し、上端に、胴回り開口部10Aを備えている。また、前身頃10Fにおける左右両端部、後身頃10Rにおける左右両端部、および、股下部10Cにおける左右両端部とは、人体の太股部分を取り囲む形状を有した左右一対の脚回り開口部10Lを構成している。また、前身頃10Fと後身頃10Rの胴回り方向の左右両端部は、接合部11となっている。
【0019】
図2(a)は、パンツ型使い捨ておむつの展開状態を示す平面図、(b)は、(a)のa−a断面図、(c)は、上部領域の接着領域を(a)に対応して示す平面図、(d)は、下部領域の接着領域を(a)に対応して示す平面図である。なお、
図2(b)において、右側がおむつ装着者の肌側となる。
【0020】
前身頃10Fにおける胴回り部10Wは、第1外装部としての第1外装体12Fで構成され、後身頃10Rにおける胴回り部10Wは、第2外装部としての第2外装体12Rで構成されている。以下、単に、第1外装体12Fと第2外装体12Rとをまとめて外装体12ともいう。
【0021】
外装体12は、胴回り方向を長手方向とした矩形形状を有しており、外装体12を構成するシート間に弾性部材15(15U,15D)が挟まれて構成されている。外装体を構成するシートは、一例として、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、その他の熱可塑性樹脂を原料とした合成繊維からなる不織布であり、また、透液性シート、不透液性シートであってもよい。弾性部材15は、天然ゴム、合成ゴム、ウレタンなどから選ばれる1つ以上の材料により形成された弾性体であり、糸状、紐状、ネット状、平型形状に形成されている。弾性部材15は、複数本が互いに平行に、胴回り方向に沿って配置されている。
【0022】
第1外装体12Fと第2外装体12Rとは、股下部10Cを構成する吸収性本体16で連結される。吸収性本体16は、前後方向を長手方向とした矩形形状を有している。吸収性本体16は、液不透過性を有したバックシート17と、吸収体18と、液透過性を有したトップシート19とを備える。おむつ10において、トップシート19は、着用者の肌と接する内側に配置され、バックシート17は、外側に配置される。そして、おむつ10において、外側から、バックシート17、吸収体18、トップシート19の順に重なっている。さらに、バックシート17の外側には、手触り感を向上させるために、不織布を配置してもよい。
【0023】
バックシート17を形成する材料は、例えば、液不透過性を有したポリエチレン樹脂製のフィルムである。バックシート17は、通気性を確保するため、微細孔が多数形成されている。トップシート19を形成する材料は、例えば、織布、不織布、多孔性フィルムなどから選ばれる1以上の材料である。また、トップシート19は、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ナイロンのような熱可塑性樹脂の繊維であって親水化処理が施された繊維から構成される液透過性を有した不織布などが用いられる。
【0024】
吸収体18は、前身頃10F、股下部10C、および、後身頃10Rに跨るように細長い帯形状を有している。吸収体18を形成する材料は、例えば、フラップパルプ、高吸収性ポリマー、親水性シートなどの吸収性材料である。そして、吸収体18は、コアラップによって包まれ、バックシート17とトップシート19との間に配置され接合される。
吸収性本体16の前後方向における外装体12と重なる領域は、外装体12を構成するシートが接着される被接着部16Aとなる。
【0025】
吸収性本体16には、前後方向に沿う両端部に立体ギャザー21が配置されている。立体ギャザー21は、トップシート19に前後方向に沿う両端部にサイドシート21Sを配置し、サイドシート21Sに弾性部材21Eを前後方向に沿って配置して構成されている。具体的に、サイドシート21Sは、液不透過性を有した不織布などを含んだ前後方向に延びる長尺のシート体である。サイドシート21Sは、前端部が前身頃10Fの一部を構成する第1外装体12Fと重なり、後端部が後身頃10Rの一部を構成する第2外装体12Rと重なるように配置される。立体ギャザー21は、弾性部材21Eが収縮した際に、サイドシート21Sが着用者の肌当接方向に向かって立ち上がり、脚回り開口部10Lの周囲に位置する。
【0026】
図2(b)に示すように、第1外装体12Fおよび第2外装体12Rの何れの外装体12においても、外装体12は、上部領域12Uと下部領域12Dとを備えている。上部領域12Uは、上部弾性部材15Uが吸収性本体16に対して内側、すなわちトップシート19側に配置されており、胴回り開口部10Aや胴回り部10Wの一部を構成する。下部領域12Dは、下部弾性部材15Dが吸収性本体16に対して外側、すなわちバックシート17側に配置されており、上部領域12Uと同様に胴回り部10Wの一部を構成する。立体ギャザー21の前端部と後端部は、吸収性本体16上において、下部領域12Dと少なくとも重なる位置まで延在され、ここでは、下部領域12Dと上部領域12Uとの境界部分にまで延在される。したがって、立体ギャザー21は、肌に密着するように、下部領域12Dによって押さえられる。立体ギャザー21を構成するサイドシート21Sは、弾性部材21Eを挟み込むように折り返され、折り返しの前端部と後端部がシール部23でシールされる。
【0027】
また、上部領域12Uにおける上部弾性部材15Uは、胴回り方向を長手方向としたシート間において、胴回り方向における左右両端部に亘って配置され、肌との密着性を高めている。下部領域12Dにおける下部弾性部材15Dもまた、胴回り方向における左右両端部に亘って配置されている。
図2(c)に示すように、下部領域12Dは、吸収性本体16における被接着部16Aの外面に直接接着されており、下部弾性部材15Dの収縮に合わせて、被接着部16Aに細かい折り目を付けるようなひだ16Bを形成する。ひだ16Bは、上下方向に沿う溝形状を有し、吸収体18が膨潤したときでも、消えることのない程度のものである。
【0028】
上部弾性部材15Uは、胴回り部10Wの胴回り開口部10Aに近い部分ではウェストギャザーを構成し、下部弾性部材15Dは、ウェストギャザーの下側に隣接する位置ではシャーリングギャザーを構成する。
【0029】
図2(b)に示すように、上部領域12Uは、上部弾性部材15Uをシートで挟み込んだ内側弾性部27と、外側に位置する外側シート部26とを備えている。また、下部領域12Dは、下部弾性部材15Dをシートで挟み込んだ外側弾性部28と、上部領域12Uと一連の外側シート部26とを備えている。
【0030】
外側シート部26は、肌とは反対側の最も外側に位置するとともに、胴回り開口部10Aの部分で内側に折り曲げられて最も肌側に位置するシートである。外側シート部26は、外側において、下部領域12Dから上部領域12Uに亘って延在し、胴回り開口部10Aで折り返され、内側において、上部領域12Uに延在する。外側シート部26は、上部領域12Uと下部領域12Dとを繋ぐシートとなる。
【0031】
内側弾性部27は、吸収性本体16に対して内側に位置し、最も肌側に位置する外側シート部26とシート27Aとで上部弾性部材15Uを挟み込んで構成され、上部領域12Uを構成する。内側弾性部27の被接着部16Aと対向する面は、被接着部16Aの上において非接着とされる。
【0032】
外側弾性部28は、吸収性本体16に対して外側に位置し、外側シート部26とシート28Aとで下部弾性部材15Dを挟み込んで構成され、下部領域12Dを構成する。外側弾性部28の被接着部16Aと対向する面は、吸収性本体16の被接着部16Aの全面が接着層25によって接着される。
【0033】
図2(c)に示すように、すなわち、上部領域12Uにおいて、外側シート部26は、吸収性本体16の被接着部16Aの外面が接着される領域が第1接着領域22Aとなり、第1接着領域22Aの周囲であって内側弾性部27のシート27Aが接着される領域が第2接着領域22Bとなる。第2接着領域22Bは、吸収性本体16の被接着部16Aが第1接着領域22Aに配置されることで、股下部10C側に向けて凹部形状となる。この凹部形状の内側部分において、内側弾性部27は、被接着部16Aの肌側の内面に対して非接着部となる。これにより、内側弾性部27のシート27Aと吸収性本体16との間には、被接着部16A上においてポケット30が構成される。ポケット30は、股下部10C側を開口端とし、腹や背の方向に移動する排泄物を収容できるように構成されている。また、第2接着領域22Bは、胴回り開口部10Aと被接着部16Aの前後方向の先端部との間に所定の幅を有する帯状領域34を備え、ポケット30に収容された排泄物が胴回り開口部10Aの方へ漏れることを抑制している。
【0034】
なお、ポケット30を構成する肌側のシート部分となる外側シート部26やシート27Aは、排泄物を収容する部分であることから疎水性のシートで構成されていることが好ましい。これにより、ポケット30内の排泄物が肌側にしみ出すことを抑えることができる。
【0035】
図2(d)に示すように、また、下部領域12Dにおいて、外側弾性部28は、吸収性本体16の被接着部16Aの外面に対して接着される領域が第3接着領域22Cとなる。このように、外側弾性部28が被接着部16Aの外面に直接接着されることで、ポケット30を構成する第1接着領域22Aより股下部側に、ひだ16Bが形成されることになる。
【0036】
次に、おむつ10の製造方法について説明する。
図3(a)に示すように、外側シート部26を用意する。ここで用意する外側シート部26は、上部領域12Uに相当する上部領域相当部分31と、下部領域12Dに相当する下部領域相当部分32とを備えている。下部領域相当部分32には、下部弾性部材15Dが伸長した状態で配置される。
図3(b)に示すように、下部領域相当部分32には、ホットメルト接着剤などの接着剤33が塗布され、外側弾性部28を構成するシート28Aが接着される。または、接着剤33が塗布された下部弾性部材15Dが下部領域相当部分32に配置され、下部領域相当部分32に対してシート28Aが重ねられる。これにより、下部弾性部材15Dは、外側シート部26とシート28Aとに挟み込まれ、外側シート部26には、下部領域相当部分32において、外側弾性部28が構成される。
【0037】
図3(c)に示すように、上部領域相当部分31における第1接着領域22Aおよび下部領域相当部分32における第3接着領域22C、ならびに、上部領域相当部分31における第2接着領域22Bには、接着層25が形成される。
図3(d)に示すように、吸収性本体16の被接着部16Aは、上部領域相当部分31および下部領域相当部分32に跨って載置される。
【0038】
具体的に、上部領域相当部分31において、被接着部16Aは、外側弾性部28の第1接着領域22Aに接着される。また、下部領域相当部分32において、被接着部16Aは、第1接着領域22Aと連続する第3接着領域22Cと接着される。
そして、被接着部16Aの上から内側弾性部27を構成するシート27Aが上部領域相当部分31の第2接着領域22Bに対して接着される。シート27Aは、被接着部16Aに対して非接着となる。
【0039】
ここで、吸収性本体16の被接着部16Aが接着される第1接着領域22Aおよび第3接着領域22Cとシート27Aが接着される第2接着領域22Bとは、一度に同じ接着剤を塗布するようにしてもよい。また、異なる接着剤や異なる塗布方法で接着剤を塗布するようにしてもよい。
【0040】
第1接着領域22Aおよび第3接着領域22Cは、被接着部16Aが接着される領域となるので強固に接着されることが好ましい領域となり、第2接着領域22Bは、胴回り部10Wを構成する部分であるので、装着感を良くするため、弾性あるいは柔軟性を損なわないように接着されることが好ましい。
【0041】
そこで、第1接着領域22Aおよび第3接着領域22Cは、接着強度の高いホットメルト接着剤などの第1接着剤を用い、第2接着領域22Bは、第1接着剤より接着力の低いホットメルト接着剤などの第2接着剤を用いるようにしてもよい。これにより、第1接着領域22Aおよび第3接着領域22Cは、被接着部16Aを強固に接着することができ、第2接着領域22Bは、弾性あるいは柔軟性を損なわないように、シート27Aを接着することができる。
【0042】
また、同じ接着剤(第1接着剤、第2接着剤の何れであってもよい)を用いる場合であっても、第1接着領域22Aおよび第3接着領域22Cと第2接着領域22Bでの接着剤の塗布量を異ならせることで、同様な効果を得ることができる。すなわち、第1接着領域22Aおよび第3接着領域22Cは、ローラを用いて全面に接着剤を塗布するようにし、被接着部16Aをしっかりと外側シート部26に対して接着することができる。ローラを用いた場合には、エッジ部分もきれいに接着剤を塗布することができる。一方、第2接着領域22Bは、スプレーなどを用いて塗布して接着剤の量を減らすようにしてもよい。また、第2接着領域22Bでは、スパイラル状やストライプ状に接着剤を塗布するようにしてもよい。このような方法によって、塗布する接着剤の量を減らすことになり、第2接着領域22Bは、弾性あるいは柔軟性を損なわないようにシート27Aを接着することができる。
【0043】
図3(e)に示すように、シート27A上には、上部弾性部材15Uが伸長した状態で配置され、ホットメルト接着剤などの接着剤が塗布される。
図3(f)に示すように、外側シート部26は、半分に折り返され、シート27Aと接着される。または、接着剤が塗布された上部弾性部材15Uがシート27A上に配置され、外側シート部26が半分に折り返されて、シート27Aと接着される。これにより、上部弾性部材15Uは、外側シート部26とシート27Aとに挟み込まれる。また、上部領域相当部分31では、吸収性本体16に対して内側に内側弾性部27が配置される。そして、内側弾性部27は、被接着部16Aに対して非接着であり、被接着部16Aと内側弾性部27との間には、股下部側を開口端としたポケット30が形成される。
【0044】
以上のような工程を経て、吸収性本体16には、第1外装体12Fと第2外装体12Rとが接着される。この後、第1外装体12Fの胴回り方向の両端部と第2外装体12Rの胴回り方向の両端部とが接合され接合部11が形成される。
【0045】
以上、上記第1実施形態によれば以下に列挙する効果を得ることができる。
(1)
図4(a)および(b)に示すように、従来のパンツ型使い捨ておむつは、外装体12が接着領域24によって、直接、吸収性本体16に接着されている。したがって、従来のおむつでは、吸収性本体16と外装体12との接着領域24において、吸収性本体16と外装体12とが一体化されることで、弾性部材15の伸縮の自由度が減少し、肌との密着性が悪くなり、また、着用者の動きに対する追従性が悪くなる。
【0046】
これに対して、おむつ10の上部領域12Uでは、吸収性本体16と内側弾性部27とが直接接着されるのではなく、内側弾性部27が外側シート部26に接着される。このように、外装体12の伸縮する部分と吸収性本体16との直接の接着部分が無くなることで、外装体12において、上部弾性部材15Uが自由に伸縮することができる。したがって、おむつ10では、肌との密着性が良くなり、また、着用者の動きに対する追従性が悪くなることを抑制することができる。この結果、胴回りからの漏れを抑制することができる。
【0047】
(2)上部領域12Uでは、内側弾性部27と吸収性本体16とは直接接着されていない。したがって、内側弾性部27の上部弾性部材15Uの収縮によって、吸収性本体16が収縮してしまうことを抑制することができる。したがって、肌触りを良くすることができる。
【0048】
(3)下部領域12Dでは、外側弾性部28が吸収性本体16に対して外側に配置され、吸収性本体16の被接着部16Aに直接接着されている。したがって、被接着部16Aおよびその周辺部分において、吸収性本体16の肌側の面には、下部弾性部材15Dの収縮に合わせて、吸収性本体16の前後方向に連なるひだ16Bが形成される。これにより、おむつ10では、ひだ16Bによって排泄物をポケット30へと誘導することができる。ひだ16Bは、外側弾性部28が被接着部16Aに対して全面接着されることで、確実に形成することができる。
【0049】
(4)上部領域12Uでは、ひだ16Bが形成されず、内側弾性部27と被接着部16Aとの間に伝わった排泄物がポケット30内で吸収性本体16に吸収され股下部10C側に戻りにくくなる。すなわち、内側弾性部27と被接着部16Aとの間においても、被接着部16Aの吸収領域を有効に利用することができる。そして、肌とは、内側弾性部27が接触することで、肌が濡れず、肌かぶれを起こしにくくなる。
【0050】
(5)ポケット30の周囲において、外側シート部26と内側弾性部27のシート27Aとが直接接着され、第2接着領域22Bが大面積となる。したがって、従来品よりも、接着領域から排泄物が漏れることを抑制することができる。また、第2接着領域22Bは、胴回り開口部10Aとポケット30との間の帯状領域34も含む。ポケット30は、帯状領域34によって、ポケット30内に収容された排泄物が胴回り開口部10Aの方へ漏れることを抑制することができる。
【0051】
(6)ポケット30は、吸収性本体16の幅と同じ大きさとなる。すなわち、被接着部16Aの一部が接着領域として用いられることはない。したがって、ポケット30が小さくなることを抑制することができる。
【0052】
(7)外側シート部26で吸収性本体16を覆うことができるので意匠を良くすることができる。
(8)一連の外側シート部26が上部領域12Uと下部領域12Dとに跨って設けられるので、部品点数の削減と生産効率の向上を実現できる。
【0053】
(9)上部領域12Uと下部領域12Dとが外側シート部26で一連に構成され、左右両側の接合部11の近傍における境界部分に、上部領域12Uと下部領域12Dとを2分割したときに形成される隙間が生じない。したがって、おむつ10を履く際にも、脚が上部領域12Uと下部領域12Dとの間の隙間に進入してしまうことがなくなり、おむつ10が履きにくくなることを抑制することができる。
【0054】
(10)おむつ10を脱がせる際には、接合部11を破ることになる。接合部11においても、上部領域12Uと下部領域12Dとに分離されていないので、1回の作業で、接合部11を破ることができる。
【0055】
(11)上部領域12Uが吸収性本体16に対して非接着であっても、上部領域12Uの最も肌側に位置する外側シート部26と最も外側に位置する外側シート部26とを一連のシートで構成している。したがって、排泄物が吸収性本体16と上部領域12Uの間から外部へ漏れることも抑制できる。
【0056】
〔第2実施形態〕
図5に示すように、第2実施形態のおむつ40は、外側シート部26が最も外側に位置し、上部弾性部材15Uが一連のシート27Aで挟み込まれた構成を有している。なお、
図5において、右側がおむつ装着者の肌側となる。以下、おむつ40の製造方法を説明する。
【0057】
図6(a)に示すように、外側シート部26を用意する。ここで用意する外側シート部26は、上部領域相当部分31と下部領域相当部分32とを備えている。そして、下部領域相当部分32には、下部弾性部材15Dが伸長した状態で配置される。
図6(b)に示すように、下部領域相当部分32には、ホットメルト接着剤などの接着剤33が塗布され、外側弾性部28を構成するシート28Aが接着される。または、接着剤33が塗布された下部弾性部材15Dが下部領域相当部分32に配置され、下部領域相当部分32に対してシート28Aが重ねられる。これにより、下部弾性部材15Dは、外側シート部26とシート28Aとに挟み込まれ、外側シート部26には、下部領域相当部分32において、外側弾性部28が構成される。
【0058】
図6(c)に示すように、上部領域相当部分31の第1接着領域22Aおよび第2接着領域22B、ならびに、下部領域相当部分32の第3接着領域22Cには、接着層25が形成される。
図6(d)に示すように、吸収性本体16の被接着部16Aは、上部領域相当部分31の第1接着領域22Aおよび下部領域相当部分32の第3接着領域22Cに跨って載置される。
【0059】
ここで、上部弾性部材15Uを挟み込む一連のシート27Aを用意する。ここでのシート27Aは、上部弾性部材15Uを挟み込むため、半分に折り曲げたとき上部領域相当部分31に相当する大きさを有する。シート27Aには、上部弾性部材15Uが伸長した状態で配置される。
図6(e)に示すように、シート27Aは、ホットメルト接着剤などの接着剤が塗布された後、半分に折り曲げられ、上部弾性部材15Uを挟み込む。または、接着剤が塗布された上部弾性部材15Uがシート27A上に配置され、シート27Aは、半分に折り曲げられる。これにより、内側弾性部27が構成される。
図6(f)に示すように、被接着部16Aの上から内側弾性部27が外側シート部26の第2接着領域22Bに対して接着される。したがって、内側弾性部27は、被接着部16Aに対しては非接着となる。これにより、上部領域相当部分31では、吸収性本体16に対して内側に内側弾性部27が配置される。そして、内側弾性部27は、被接着部16Aに対して非接着であり、被接着部16Aと内側弾性部27との間には、股下部側を開口端としたポケット30が形成される。
【0060】
なお、ここで、吸収性本体16の被接着部16Aが接着される第1接着領域22Aおよび第3接着領域22Cと内側弾性部27が接着される第2接着領域22Bとは、一度に同じ接着剤を塗布するようにしてもよい。
【0061】
また、上述したように、異なる接着剤や異なる塗布方法で接着剤を塗布するようにしてもよい。この場合、例えば、第1接着領域22Aおよび第3接着領域22Cに対しては、高い接着力で被接着部16Aが接着されるようにし、第2接着領域22Bに対しては、内側弾性部27がこれに対して低い接着力で接着されるようにする。これにより、被接着部16Aは、第1接着領域22Aおよび第3接着領域22Cに対して強固に接着することができ、内側弾性部27は、第2接着領域22Bに対して弾性あるいは柔軟性を損なわないように接着することができる。
【0062】
以上のような工程を経て、吸収性本体16には、第1外装体12Fと第2外装体12Rとが接着される。この後、第1外装体12Fの胴回り方向の両端部と第2外装体12Rの胴回り方向の両端部とが接合され接合部11が形成される。
【0063】
以上のようなおむつ40にあっては、さらに以下のような効果を得ることができる。
(12)1枚のシート27Aで上部弾性部材15Uを挟み込むので、部品点数の削減と生産効率の向上を実現できる。
【0064】
〔第3実施形態〕
図7に示すように、第3実施形態のおむつ50は、上部弾性部材15Uを別々の2枚のシート27A,27Bで挟み込み、さらに、当該2枚のシート27A,27Bは、ともに外側シート部26と別々になっている。なお、
図7において、右側がおむつ装着者の肌側となる。以下、おむつ50の製造方法を説明する。
【0065】
図8(a)に示すように、外側シート部26を用意する。ここで用意する外側シート部26は、上部領域相当部分31と下部領域相当部分32とを備えている。そして、下部領域相当部分32には、下部弾性部材15Dが伸長した状態で配置される。
図8(b)に示すように、下部領域相当部分32には、ホットメルト接着剤などの接着剤33が塗布され、外側弾性部28を構成するシート28Aが接着される。または、接着剤33が塗布された下部弾性部材15Dが下部領域相当部分32に配置され、下部領域相当部分32に対してシート28Aが重ねられる。これにより、下部弾性部材15Dは、外側シート部26とシート28Aとに挟み込まれ、下部領域相当部分32において、外側シート部26には、外側弾性部28が構成される。
【0066】
図8(c)に示すように、上部領域相当部分31の第1接着領域22Aおよび第2接着領域22B、ならびに、下部領域相当部分32の第3接着領域22Cには、接着層25が形成される。
図8(d)に示すように、吸収性本体16の被接着部16Aは、上部領域相当部分31の第1接着領域22Aおよび下部領域相当部分32の第3接着領域22Cに跨って載置される。ここで、上部領域相当部分31の大きさを有したシート27Aを用意する。そして、被接着部16Aの上からシート27Aが外側シート部26の第2接着領域22Bに対して接着される。したがって、シート27Aは、被接着部16Aに対しては非接着となる。
【0067】
なお、ここで、吸収性本体16の被接着部16Aが接着される第1接着領域22Aおよび第3接着領域22Cとシート27Aが接着される第2接着領域22Bとは、一度に同じ接着剤を塗布するようにしてもよい。
【0068】
また、上述したように、異なる接着剤や異なる塗布方法で接着剤を塗布するようにしてもよい。この場合、例えば、第1接着領域22Aおよび第3接着領域22Cに対しては、高い接着力で被接着部16Aが接着されるようにし、第2接着領域22Bに対しては、シート27Aがこれに対して低い接着力で接着されるようにする。これにより、被接着部16Aは、第1接着領域22Aおよび第3接着領域22Cに対して強固に接着することができ、シート27Aは、第2接着領域22Bに対して弾性あるいは柔軟性を損なわないように接着することができる。
【0069】
図8(e)に示すように、シート27Aには、上部弾性部材15Uが伸長した状態で配置され、ホットメルト接着剤などの接着剤が塗布される。
図8(f)に示すように、この後、上部領域相当部分31の大きさを有したさらなるシート27Bが重ねられ、上部弾性部材15Uをシート27Aとシート27Bとで挟み込む。または、接着剤が塗布された上部弾性部材15Uがシート27A上に配置され、シート27Bが重ねられる。これにより、内側弾性部27が構成される。これにより、上部領域相当部分31では、吸収性本体16に対して内側に内側弾性部27が配置される。そして、内側弾性部27は、被接着部16Aに対して非接着であり、被接着部16Aと内側弾性部27との間には、股下部側を開口端としたポケット30が形成されることになる。
【0070】
以上のような工程を経て、吸収性本体16には、第1外装体12Fと第2外装体12Rとが接着される。この後、第1外装体12Fの胴回り方向の両端部と第2外装体12Rの胴回り方向の両端部とが接合され接合部11が形成される。
【0071】
以上のようなおむつ50にあっては、さらに以下のような効果を得ることができる。
(13)外側シート部26、シート27Aおよびシート27Bを別々に使用しているので、外側シート部26、シート27Aおよびシート27Bのそれぞれを有効に利用することができる。例えば、外側シート部26、シート27Aおよびシート27Bに異なる材質のシートを使用することができる。この場合、一例として、肌と接するシート27Bには、柔らかいシートを使用し、外側シート部26やシート27Aには、耐水性や耐久性に富む硬めのシートを使用することができる。
【0072】
〔第4実施形態〕
図9(a)は、第4実施形態におけるパンツ型使い捨ておむつの展開状態を示す平面図、(b)は、(a)のa−a断面図、(c)は、接着領域を(a)に対応して示す平面図である。なお、
図9(b)において、右側がおむつ装着者の肌側となる。
【0073】
図9(a)および(b)に示すように、パンツ型使い捨ておむつ60は、最も外側に位置する外側シート部26が第1外装体12F、吸収性本体16、および、第2外装体12Rに亘って配置される。そして、外側シート部26には、前後方向に沿った左右両側部の中央部には、脚回り開口部10Lを構成する半円弧状の形状を有した一対の切欠端部61が形成されている。この場合、外側シート部26の接着領域は、上部領域12Uにおいて被接着部16Aおよび内側弾性部27(22A,22Bの領域)である。また、外側弾性部28において被接着部16A(22Cの領域)、さらに第1外装体12Fにおける下部領域12Dと第2外装体における下部領域12Dの間である吸収性本体16の股下部10Cの部分(22Dの領域)となる。
以上のように構成されたパンツ型使い捨ておむつ60においても、上述したパンツ型使い捨ておむつと同様な作用効果を達成することができる。
【0074】
なお、外側シート部26の接着領域は、一度に同じ接着剤を塗布するようにしてもよいし、領域に応じて、異なる接着剤や異なる塗布方法で接着剤を塗布するようにしてもよい。異なる接着剤や異なる塗布方法で接着剤を塗布する場合、吸収性本体16と接着される外側シート部26の22Aの領域、22Cの領、および、22Dの領域を高い接着力で接着するようにし、内側弾性部27のシート27Aと接着される22Bの領域を、低い接着力で接着されるようにする。これにより、外側シート部26は、吸収性本体16と重なる部分では強固に接着することができ、胴回り部10Wを構成する部分では弾性あるいは柔軟性を損なわないよう接着することができる。
【0075】
〔第5実施形態〕
図10に示すように、第5実施形態のおむつ70は、1枚の外側シート部26が上部弾性部材15Uおよび下部弾性部材15Dを挟み込んでいる。さらに、外側シート部26は、肌とは反対側の最も外側に位置するとともに、胴回り開口部10Aで折り返されて最も肌側に位置している。最も外側では、下部領域12Dから上部領域12Uに亘って延在し、外側弾性部28の股下部10C側の端部で内側に折り曲げられている。肌側の内側では、内側弾性部27の股下部10C側の端部分で内側に折り曲げられている。なお、
図10において、右側がおむつ装着者の肌側となる。以下、おむつ70の製造方法を説明する。
【0076】
図11(a)に示すように、外側シート部26を用意する。ここで用意する外側シート部26は、上部領域相当部分31と、下部領域相当部分32とを備えている。上部領域相当部分31は、上部第1領域31Aと、上部第2領域31Bと、上部第3領域31Cとを備えている。上部第1領域31Aおよび上部第2領域31Bは、上部弾性部材15Uを挟み込むシートとなる。上部第3領域31Cは、吸収性本体16に対して外側に位置する領域となる。また、下部領域相当部分32は、下部第1領域32Aと、下部第2領域32Bとを備え、下部第1領域32Aは、肌側に位置する領域となり、下部第2領域32Bは、下部弾性部材15Dが配置される領域となる。
【0077】
そして、上部第2領域31Bは、上部弾性部材15Uが伸長した状態で図中手前の面31B´に配置され、次いで、接着剤33が塗布される。また、下部第2領域32Bは、下部弾性部材15Dが伸長した状態で図中手前の面32B´に配置され、次いで、接着剤33が塗布される。なお、接着剤33は、上部第1領域31Aおよび下部第1領域32Aに塗布するようにしてもよいし、両方に塗布するようにしてもよい。
図11(b)に示すように、上部第1領域31Aは、上部第2領域31Bに谷折りされ、上部弾性部材15Uがシートで挟まれた内側弾性部27が構成される。また、下部第1領域32Aは、下部第2領域32B側に谷折りされ、下部弾性部材15Dがシートで挟まれた外側弾性部28が構成される。なお、接着剤33が塗布された上部弾性部材15Uを上部第2領域31Bの面31B´に配置し、上部第1領域31Aを上部第2領域31Bに谷折りするようにしてもよい。また、接着剤33が塗布された下部弾性部材15Dを下部第2領域32Bの面32B´に配置し、下部第1領域32Aを下部第2領域32Bに谷折りするようにしてもよい。
【0078】
図11(c)に示すように、上部領域相当部分31の第1接着領域22Aおよび第2接着領域22B、ならびに、下部領域相当部分32の第3接着領域22Cには、接着層25が形成される。
図11(d)に示すように、吸収性本体16の被接着部16Aは、上部領域相当部分31の第1接着領域22Aおよび下部領域相当部分32の第3接着領域22Cに跨って載置される。
【0079】
図11(e)に示すように、内側弾性部27を構成する上部弾性部材15Uを挟み込んだ上部第1領域31Aおよび上部第2領域31Bは、谷折りされて、上部第3領域31Cに重ねられる。
図11(f)に示すように、内側弾性部27は、被接着部16Aに対して非接着であり、被接着部16Aと内側弾性部27との間には、股下部側を開口端としたポケット30が形成されることになる。
【0080】
なお、ここで、吸収性本体16の被接着部16Aが接着される第1接着領域22Aおよび第3接着領域22Cと上部第1領域31A(内側弾性部27)が接着される第2接着領域22Bとは、一度に同じ接着剤を塗布するようにしてもよい。
【0081】
また、上述したように、異なる接着剤や異なる塗布方法で接着剤を塗布するようにしてもよい。この場合、例えば、第1接着領域22Aおよび第3接着領域22Cに対しては、高い接着力で被接着部16Aが接着されるようにし、第2接着領域22Bに対しては、上部第1領域31A(内側弾性部27)がこれに対して低い接着力で接着されるようにする。これにより、被接着部16Aは、第1接着領域22Aおよび第3接着領域22Cに対して強固に接着することができ、上部第1領域31A(内側弾性部27)は、第2接着領域22Bに対して弾性あるいは柔軟性を損なわないように接着することができる。
【0082】
以上のような工程を経て、吸収性本体16には、第1外装体12Fと第2外装体12Rとが接着される。この後、第1外装体12Fの胴回り方向の両端部と第2外装体12Rの胴回り方向の両端部とが接合され接合部11が形成される。
【0083】
以上のようなおむつ70にあっては、さらに以下のような効果を得ることができる。
(14)1枚の外側シート部26が上部弾性部材15Uおよび下部弾性部材15Dを挟み込み、さらに、吸収性本体16の内面と外面に亘って延在するので、部品点数を削減することができるとともに、製造工程を簡素化することができる。
【0084】
〔第6実施形態〕
図12に示すように、第6実施形態のおむつ80は、第5実施形態のおむつ70では1枚の外側シート部26を谷折りしているのに対して(
図11(a)参照)、1枚の外側シート部26を山折りして構成している。この結果、外側シート部26の一端部は、内側弾性部27の部分で、肌と接する最内に位置し、他端部は、外側弾性部28の部分で、肌とは反対の最外に位置している。なお、
図12において、右側がおむつ装着者の肌側となる。
【0085】
図13(a)に示すように、外側シート部26を用意する。ここで用意する外側シート部26も、上部領域相当部分31と、下部領域相当部分32とを備えている。そして、上部領域相当部分31は、上部第1領域31Aと、上部第2領域31Bと、上部第3領域31Cとを備えている。また、下部領域相当部分32は、下部第1領域32Aと、下部第2領域32Bとを備えている。
【0086】
そして、上部第2領域31Bは、上部弾性部材15Uが伸長した状態で図中奥側の面31B´´に配置され、次いで、接着剤が塗布される。また、下部第2領域32Bは、下部弾性部材15Dが伸長した状態で図中奥側の面32B´´に配置され、次いで、接着剤が塗布される。
図13(b)に示すように、上部第1領域31Aは、上部第2領域31Bに山折りされ、上部弾性部材15Uがシートで挟まれた内側弾性部27が構成される。また、下部第1領域32Aは、下部第2領域32B側に山折りされ、下部弾性部材15Dがシートで挟まれた外側弾性部28が構成される。なお、接着剤が塗布された上部弾性部材15Uを上部第2領域31Bの面31B´´に配置し、上部第1領域31Aを上部第2領域31Bに山折りするようにしてもよい。また、接着剤が塗布された下部弾性部材15Dを下部第2領域32Bの面32B´´に配置し、下部第1領域32Aを下部第2領域32Bに山折りするようにしてもよい。
【0087】
図13(c)に示すように、上部領域相当部分31の第1接着領域22Aおよび第2接着領域22B、ならびに、下部領域相当部分32の第3接着領域22Cには、接着層25が形成される。
図13(d)に示すように、吸収性本体16の被接着部16Aは、上部領域相当部分31の第1接着領域22Aおよび下部領域相当部分32の第3接着領域22Cに跨って載置される。
【0088】
図13(e)に示すように、内側弾性部27を構成する上部弾性部材15Uを挟み込んだ上部第1領域31Aおよび上部第2領域31Bは、谷折りされて、上部第3領域31Cに重ねられる。
図13(f)に示すように、内側弾性部27は、被接着部16Aに対して非接着であり、被接着部16Aと内側弾性部27との間には、股下部側を開口端としたポケット30が形成されることになる。
【0089】
ここで、吸収性本体16の被接着部16Aが接着される第1接着領域22Aおよび第3接着領域22Cと上部第1領域31A(内側弾性部27)が接着される第2接着領域22Bとは、一度に同じ接着剤を塗布するようにしてもよい。
【0090】
また、上述したように、異なる接着剤や異なる塗布方法で接着剤を塗布するようにしてもよい。この場合、例えば、第1接着領域22Aおよび第3接着領域22Cに対しては、高い接着力で被接着部16Aが接着されるようにし、第2接着領域22Bに対しては、上部第1領域31A(内側弾性部27)がこれに対して低い接着力で接着されるようにする。これにより、被接着部16Aは、第1接着領域22Aおよび第3接着領域22Cに対して強固に接着することができ、上部第1領域31A(内側弾性部27)は、第2接着領域22Bに対して弾性あるいは柔軟性を損なわないように接着することができる。
以上のようなおむつ80にあっても、第5実施形態のおむつ70と同様な効果を得ることができる。
【0091】
〔第7実施形態〕
第7実施形態は、
図10に示した第5実施形態のおむつ70の別の製造方法である。
図14(a)に示すように、外側シート部26を用意する。ここで用意する外側シート部26も、上部領域相当部分31と、下部領域相当部分32とを備えている。そして、上部領域相当部分31は、上部第1領域31Aと、上部第2領域31Bと、上部第3領域31Cとを備えている。また、下部領域相当部分32は、下部第1領域32Aと、下部第2領域32Bとを備えている。
【0092】
そして、上部第1領域31Aは、上部弾性部材15Uが伸長した状態で図中手前の面31A´に配置され、次いで、接着剤33が塗布される。また、下部第1領域32Aは、下部弾性部材15Dが伸長した状態で図中手前の面32A´に配置され、次いで、接着剤33が塗布される。
図14(b)に示すように、上部第1領域31Aは、上部第2領域31Bに谷折りされ、上部弾性部材15Uがシートで挟まれた内側弾性部27が構成される。また、下部第1領域32Aは、下部第2領域32B側に谷折りされ、下部弾性部材15Dがシートで挟まれた外側弾性部28が構成される。なお、接着剤33が塗布された上部弾性部材15Uを上部第1領域31Aの面31A´に配置し、上部第1領域31Aを上部第2領域31Bに谷折りするようにしてもよい。また、接着剤33が塗布された下部弾性部材15Dを下部第1領域32Aの面32A´に配置し、下部第1領域32Aを下部第2領域32Bに谷折りするようにしてもよい。
【0093】
図14(c)に示すように、上部領域相当部分31の第1接着領域22Aおよび第2接着領域22B、ならびに、下部領域相当部分32の第3接着領域22Cには、接着層25が形成される。
図14(d)に示すように、吸収性本体16の被接着部16Aは、上部領域相当部分31の第1接着領域22Aおよび下部領域相当部分32の第3接着領域22Cに跨って載置される。
【0094】
図14(e)に示すように、内側弾性部27を構成する上部弾性部材15Uを挟み込んだ上部第1領域31Aおよび上部第2領域31Bは、谷折りされて、上部第3領域31Cに重ねられる。
図14(f)に示すように、内側弾性部27は、被接着部16Aに対して非接着であり、被接着部16Aと内側弾性部27との間には、股下部側を開口端としたポケット30が形成されることになる。
【0095】
ここで、吸収性本体16の被接着部16Aが接着される第1接着領域22Aおよび第3接着領域22Cと上部第1領域31A(内側弾性部27)が接着される第2接着領域22Bとは、一度に同じ接着剤を塗布するようにしてもよい。
【0096】
また、上述したように、異なる接着剤や異なる塗布方法で接着剤を塗布するようにしてもよい。この場合、例えば、第1接着領域22Aおよび第3接着領域22Cに対しては、高い接着力で被接着部16Aが接着されるようにし、第2接着領域22Bに対しては、上部第1領域31A(内側弾性部27)がこれに対して低い接着力で接着されるようにする。これにより、被接着部16Aは、第1接着領域22Aおよび第3接着領域22Cに対して強固に接着することができ、上部第1領域31A(内側弾性部27)は、第2接着領域22Bに対して弾性あるいは柔軟性を損なわないように接着することができる。
以上のような製造方法によっても、第5実施形態のおむつ70を製造することができる。
【0097】
〔第8実施形態〕
第8実施形態は、
図12に示したおむつ80の別の製造方法である。
図15(a)に示すように、外側シート部26を用意する。ここで用意する外側シート部26も、上部領域相当部分31と、下部領域相当部分32とを備えている。そして、上部領域相当部分31は、上部第1領域31Aと、上部第2領域31Bと、上部第3領域31Cとを備えている。また、下部領域相当部分32は、下部第1領域32Aと、下部第2領域32Bとを備えている。
【0098】
そして、上部第1領域31Aは、上部弾性部材15Uが伸長した状態で図中奥側の面31A´´に配置され、次いで、接着剤が塗布される。また、下部第1領域32Aは、下部弾性部材15Dが伸長した状態で図中奥側の面32A´´に配置され、次いで、接着剤が塗布される。
図15(b)に示すように、上部第1領域31Aは、上部第2領域31Bに山折りされ、上部弾性部材15Uがシートで挟まれた内側弾性部27が構成される。また、下部第1領域32Aは、下部第2領域32B側に山折りされ、下部弾性部材15Dがシートで挟まれた外側弾性部28が構成される。なお、接着剤33が塗布された上部弾性部材15Uを上部第1領域31Aの面31A´´に配置し、上部第1領域31Aを上部第2領域31Bに山折りするようにしてもよい。また、接着剤33が塗布された下部弾性部材15Dを下部第1領域32Aの面32A´´に配置し、下部第1領域32Aを下部第2領域32Bに山折りするようにしてもよい。
【0099】
図15(c)に示すように、上部領域相当部分31の第1接着領域22Aおよび第2接着領域22B、ならびに、下部領域相当部分32の第3接着領域22Cには、接着層25が形成される。
図15(d)に示すように、吸収性本体16の被接着部16Aは、上部領域相当部分31の第1接着領域22Aおよび下部領域相当部分32の第3接着領域22Cに跨って載置される。
【0100】
図15(e)に示すように、内側弾性部27を構成する上部弾性部材15Uを挟み込んだ上部第1領域31Aおよび上部第2領域31Bは、谷折りされて、上部第3領域31Cに重ねられる。
図15(f)に示すように、内側弾性部27は、被接着部16Aに対して非接着であり、被接着部16Aと内側弾性部27との間には、股下部側を開口端としたポケット30が形成されることになる。
【0101】
ここで、吸収性本体16の被接着部16Aが接着される第1接着領域22Aおよび第3接着領域22Cと上部第2領域31B(内側弾性部27)が接着される第2接着領域22Bとは、一度に同じ接着剤を塗布するようにしてもよい。
【0102】
また、上述したように、異なる接着剤や異なる塗布方法で接着剤を塗布するようにしてもよい。この場合、例えば、第1接着領域22Aおよび第3接着領域22Cに対しては、高い接着力で被接着部16Aが接着されるようにし、第2接着領域22Bに対しては、上部第2領域31B(内側弾性部27)がこれに対して低い接着力で接着されるようにする。これにより、被接着部16Aは、第1接着領域22Aおよび第3接着領域22Cに対して強固に接着することができ、上部第2領域31B(内側弾性部27)は、第2接着領域22Bに対して弾性あるいは柔軟性を損なわないように接着することができる。
以上のような製造方法によっても、第6実施形態のおむつ80を製造することができる。
【0103】
〔第9実施形態〕
図16に示すように、第9実施形態のおむつ90は、
図5に示した第2実施形態のおむつ40の変形例であり、外側シート部26が最も外側に位置し、下部弾性部材15Dを挟み込む構成を有している。また、内側弾性部27は、1枚のシート27Aによって挟まれ、股下部10Cに近い部分で折り返されている。なお、
図16において、右側がおむつ装着者の肌側となる。以下、おむつ90の製造方法を説明する。
【0104】
図17(a)に示すように、外側シート部26を用意する。ここで用意する外側シート部26は、上部領域相当部分31と、下部領域相当部分32とを備えている。上部領域相当部分31は、上部領域12Uに相当する大きさを有しており、下部領域相当部分32は、下部第1領域32Aと、下部第2領域32Bとを備えている。
【0105】
そして、下部第2領域32Bは、下部弾性部材15Dが伸長した状態で図中手前の面32B´に配置され、次いで、接着剤33が塗布される。
図17(b)に示すように、下部第1領域32Aは、下部第2領域32B側に谷折りされ、下部弾性部材15Dがシートで挟まれた外側弾性部28が構成される。なお、接着剤33が塗布された下部弾性部材15Dを下部第2領域32Bの面32B´に配置し、下部第1領域32Aを下部第2領域32Bに谷折りするようにしてもよい。
【0106】
図17(c)に示すように、上部領域相当部分31の第1接着領域22Aおよび第2接着領域22B、ならびに、下部領域相当部分32の第3接着領域22Cには、接着層25が形成される。
図17(d)に示すように、吸収性本体16の被接着部16Aは、上部領域相当部分31の第1接着領域22Aおよび下部領域相当部分32の第3接着領域22Cに跨って載置される。
【0107】
図17(e)に示すように、ここで、上部弾性部材15Uを挟み込む一連のシート27Aを用意する。ここでのシート27Aは、上部弾性部材15Uを挟み込むため、半分に折り曲げたとき上部領域相当部分31に相当する大きさを有する。シート27Aには、上部弾性部材15Uが伸長した状態で配置される。そして、シート27Aは、ホットメルト接着剤などの接着剤が塗布された後、半分に折り曲げられ、上部弾性部材15Uを挟み込む。または、接着剤33が塗布された上部弾性部材15Uを伸長した状態でシート27Aに配置し、シート27Aを半分に折り曲げる。これにより、内側弾性部27が構成される。
図17(f)に示すように、被接着部16Aの上から内側弾性部27が外側シート部26の第2接着領域22Bに対して接着される。この際、折曲されたシート27Aは、折れ目を股下部10C側にし、折れ目と反対側の端部が胴回り開口部10A側に位置するように、上部領域相当部分31に対して配置される。このように上部領域相当部分31上に配置された内側弾性部27は、被接着部16Aに対しては非接着となり、被接着部16Aと内側弾性部27との間には、股下部側を開口端としたポケット30が形成される。
【0108】
ここで、吸収性本体16の被接着部16Aが接着される第1接着領域22Aおよび第3接着領域22Cとシート27A(内側弾性部27)が接着される第2接着領域22Bとは、一度に同じ接着剤を塗布するようにしてもよい。
【0109】
また、上述したように、異なる接着剤や異なる塗布方法で接着剤を塗布するようにしてもよい。この場合、例えば、第1接着領域22Aおよび第3接着領域22Cに対しては、高い接着力で被接着部16Aが接着されるようにし、第2接着領域22Bに対しては、シート27A(内側弾性部27)がこれに対して低い接着力で接着されるようにする。これにより、被接着部16Aは、第1接着領域22Aおよび第3接着領域22Cに対して強固に接着することができ、シート27A(内側弾性部27)は、第2接着領域22Bに対して弾性あるいは柔軟性を損なわないように接着することができる。
【0110】
以上のようなおむつ90にあっては、さらに以下のような効果を得ることができる。
(15)1枚のシート27Aで上部弾性部材15Uを挟み込むので、内側弾性部27の部品点数の削減と生産効率の向上を実現できる。また、1枚の外側シート部26によって外側弾性部28が構成されるので、外側弾性部28の部品点数の削減と生産効率の向上を実現できる。
【0111】
〔第10実施形態〕
図18に示すように、第10実施形態のおむつ91は、第9実施形態のおむつ90の内側弾性部27の向きを逆にしたものであり、折曲されたシート27Aの折れ目を胴回り開口部10A側にし、折れ目と反対側の端部を股下部10C側にしたものである。なお、
図18において、右側がおむつ装着者の肌側となる。このようなおむつ91によっても、第9実施形態のおむつ90と同様な効果を得ることができる。
【0112】
〔第11実施形態〕
第11実施形態は、第1実施形態のおむつ10の製造方法であって、
図3に示したおむつ10の製造方法とは別の製造方法である。
図19(a)に示すように、外側シート部26を用意する。ここで用意する外側シート部26は、上部領域相当部分31と、下部領域相当部分32とを備えている。そして、上部領域相当部分31は、上部第1領域31Aと、上部第2領域31Bとを備えている。
【0113】
そして、上部第1領域31Aには、上部弾性部材15Uが伸長した状態で図中手前の面31A´に配置され、次いで、接着剤33が塗布される。また、下部領域相当部分32には、下部弾性部材15Dが伸長した状態で図中手前の面32´に配置され、次いで、接着剤が塗布される。
図19(b)に示すように、上部第1領域31Aには、内側弾性部27を構成するシート27Aが接着される。また、下部領域相当部分32には、外側弾性部28を構成するシート28Aが接着される。なお、接着剤33が塗布された上部弾性部材15Uを上部第1領域31Aの面31A´に配置し、面31A´にシート27Aを配置するようにしてもよい。また、接着剤33が塗布された下部弾性部材15Dを下部領域相当部分32の面32A´に配置し、面32A´にシート28Aを配置するようにしてもよい。
【0114】
図19(c)に示すように、上部領域相当部分31の上部第2領域31Bにおいて、第1接着領域22Aおよび第2接着領域22B、ならびに、下部領域相当部分32の第3接着領域22Cには、接着層25が形成される。
図19(d)に示すように、吸収性本体16の被接着部16Aは、上部領域相当部分31の第1接着領域22Aおよび下部領域相当部分32の第3接着領域22Cに跨って載置される。
【0115】
図19(e)に示すように、上部弾性部材15Uをシートで挟み込んだ内側弾性部27は、谷折りされて、上部第2領域31Bに重ねられる。
図19(f)に示すように、内側弾性部27は、被接着部16Aに対して非接着であり、被接着部16Aと内側弾性部27との間には、股下部側を開口端としたポケット30が形成されることになる。
【0116】
ここで、吸収性本体16の被接着部16Aが接着される第1接着領域22Aおよび第3接着領域22Cとシート27A(内側弾性部27)が接着される第2接着領域22Bとは、一度に同じ接着剤を塗布するようにしてもよい。
【0117】
また、上述したように、異なる接着剤や異なる塗布方法で接着剤を塗布するようにしてもよい。この場合、例えば、第1接着領域22Aおよび第3接着領域22Cに対しては、高い接着力で被接着部16Aが接着されるようにし、第2接着領域22Bに対しては、シート27A(内側弾性部27)がこれに対して低い接着力で接着されるようにする。これにより、被接着部16Aは、第1接着領域22Aおよび第3接着領域22Cに対して強固に接着することができ、シート27A(内側弾性部27)は、第2接着領域22Bに対して弾性あるいは柔軟性を損なわないように接着することができる。
【0118】
以上のような製造方法にあっては、さらに以下のような効果を得ることができる。
(16)
図3に示したおむつ10の製造方法と比較して、上部弾性部材15Uを外側シート部26の上部第1領域31Aに直接配置してから、吸収性本体16の被接着部16Aを外側シート部26に載置するようにしている。したがって、被接着部16Aによって形成される段差に影響されることなく、上部弾性部材15Uを整列された状態で上部第1領域31Aに配置することができる(
図19(a)参照)。すなわち、
図3(e)では、上部弾性部材15Uが吸収性本体16の被接着部16Aの上に配置されることから、被接着部16Aの部分とそれ以外の部分との間で段差が形成され、段差上に上部弾性部材15Uを配置する必要があり、この点で、上部弾性部材15Uを整列した状態で配置することが困難である。この点、本実施形態では、吸収性本体16の被接着部16Aが配置される前に上部弾性部材15Uが外側シート部26の上部第1領域31Aに配置されるので、上部弾性部材15Uを一層簡易に整列させて配置することができる。
【0119】
〔第12実施形態〕
図20に示すように、第12実施形態のおむつ100は、胴回り開口部10Aが外側シート部26と内側シート部29とによって二重シート構造となっている。おむつ100を着用者に着用させるとき、作業者は、ポケット30の開口端に指を引っかけて、おむつ100を上側に上げる作業を行う。このため、内側弾性部27と連続するシートの胴回り開口部10Aの近傍に引っ張り力が作用し、当該箇所が破け破損するおそれがある(
図20中A部参照)。そこで、おむつ100は、胴回り開口部10Aのシート構造を二重構造として強度を高めるようにしている。なお、
図20において、右側がおむつ装着者の肌側となる。おむつ100では、外側シート部26と内側シート部29とが接着剤25Aによって接着され互いの位置がずれないようにしている。以下、おむつ100の製造方法を説明する。
【0120】
図21(a)に示すように、外側シート部26を用意する。ここで用意する外側シート部26は、上部領域相当部分31と、下部領域相当部分32とを備えている。そして、上部領域相当部分31は、上部第1領域31Aと、上部第2領域31Bとを備えている。
【0121】
そして、上部第1領域31Aには、上部弾性部材15Uが伸長した状態で図中手前の面31A´に配置され、また、下部領域相当部分32には、下部弾性部材15Dが伸長した状態で図中手前の面32´に配置される。そして、
図21(b)に示すように、外側シート部26の全面には、接着剤25Aが塗布され、上部弾性部材15Uおよび下部弾性部材15Dを被覆するように1枚の内側シート部29が重ねられる。これにより、接着剤25Aは、外側シート部26と内側シート部29とを接着し一体化する。そして、内側弾性部27と外側弾性部28とが構成されることになる。なお、接着剤25Aが塗布された上部弾性部材15Uを上部第1領域31Aの面31A´に配置し、接着剤25Aが塗布された下部弾性部材15Dを下部領域相当部分32の面32´に配置する。そして、外側シート部26の上部弾性部材15Uおよび下部弾性部材15Dが配置されない上部第1領域31Aと下部領域相当部分32との間の領域に接着剤25Aを塗布する。そして、外側シート部26には、全体的に内側シート部29を重ねるようにしてもよい。
【0122】
図21(c)に示すように、上部領域相当部分31の上部第2領域31Bにおいて、第1接着領域22Aおよび第2接着領域22B、ならびに、下部領域相当部分32の第3接着領域22Cには、接着層25が形成される。
図21(d)に示すように、吸収性本体16の被接着部16Aは、上部領域相当部分31の第1接着領域22Aおよび下部領域相当部分32の第3接着領域22Cに跨って載置される。
【0123】
図21(e)に示すように、上部弾性部材15Uをシートで挟み込んだ内側弾性部27は、谷折りされて、上部第2領域31Bに重ねられる。
図21(f)に示すように、内側弾性部27は、被接着部16Aに対して非接着であり、被接着部16Aと内側弾性部27との間には、股下部側を開口端としたポケット30が形成されることになる。
【0124】
以上のようなおむつ100にあっては、さらに以下のような効果を得ることができる。
(17)胴回り開口部10Aの周辺において、外側シート部26と内側シート部29とによって二重構造となり、強度を高めることができる。したがって、おむつ100を履かせるとき、指をポケット30に引っかけておむつ100を引き上げても、引っ張り力によって、胴回り開口部10Aの周辺に穴などが開くなどして破損することを抑制することができる。
【0125】
〔第13実施形態〕
図22は、第13実施形態の製造方法を示し、第13実施形態の製造方法は、第12実施形態のおむつ100における製造方法の変形例である。
図21(c)〜(d)の上述の製造方法では、上部領域相当部分31の上部第2領域31Bにおける第1接着領域22Aおよび第2接着領域22B、ならびに、下部領域相当部分32の第3接着領域22Cにおいて、接着層25を一様に形成している。第13実施形態では、
図22(a)に示すように、第1接着領域22Aおよび第3接着領域22Cに対して、接着強度の高いホットメルト接着剤などの第1接着剤を塗布して接着層25Xを形成する。次いで、
図22(b)に示すように、吸収性本体16の被接着部16Aは、上部領域相当部分31の第1接着領域22Aおよび下部領域相当部分32の第3接着領域22Cに跨って載置され、接着される。第1接着剤は、例えばローラを用いて第1接着領域22Aおよび第3接着領域22Cに塗布されることで、エッジ部分もきれいに塗布され、被接着部16Aを第1接着領域22Aおよび第3接着領域22Cにしっかりと接着することができる。
【0126】
次いで、
図22(c)に示すように、上部第2領域31Bの第2接着領域22Bには、第1接着剤より接着力の低いホットメルト接着剤などの第2接着剤を塗布して接着層25Yを形成する。この後、上部弾性部材15Uをシートで挟み込んだ内側弾性部27は、谷折りされて、上部第2領域31Bに重ねられ、接着される。これにより、第2接着領域22Bは、弾性あるいは柔軟性を損なわないように内側弾性部27を接着することができる。第2接着剤は、一例として、スプレーなどを用いて塗布される。
【0127】
なお、第1接着領域22Aおよび第3接着領域22Cと第2接着領域22Bとは、同じ接着剤(第1接着剤、第2接着剤の何れでもよい。)を用い、接着剤の量や塗布方法を異ならせることで、第1接着領域22Aおよび第3接着領域22Cの方が第2接着領域22Bより接着力が高くなるようにしてもよい。例えば、第1接着領域22Aおよび第3接着領域22Cは、ローラを用いて全面にしっかりと接着剤を塗布するようにする。一方、第2接着領域22Bは、スプレーなどを用いて塗布して接着剤の量を減らすようにしてもよい。また、第2接着領域22Bでは、スパイラル状やストライプ状に接着剤を塗布するようにして、塗布する接着剤の量を減らすようにしてもよい。これにより、第2接着領域22Bは、弾性あるいは柔軟性を損なわないように接着することができる。
【0128】
なお、
図22(d)に示すように、第2接着領域22Bは、被接着部16Aの上側の胴回り方向に沿った細長い領域25X´をローラなどでベタ塗りにし、被接着部16A両側の領域25Y´をスプレーなどで塗布するようにしてもよい。
【0129】
〔第14実施形態〕
図23は、第14実施形態の製造方法を示し、第14実施形態の製造方法は、第12実施形態や第13実施形態のおむつ100における製造方法の変形例である。第14実施形態では、
図23(a)に示すように、第1接着領域22Aおよび第3接着領域22Cに対して、接着強度の高いホットメルト接着剤などの第1接着剤を塗布して接着層25Xを形成する。次いで、
図23(b)に示すように、内側弾性部27を構成する上部第1領域31Aに対して、第1接着剤より接着力の低いホットメルト接着剤などの第2接着剤を塗布し接着層25Yを形成する。この際、上部第1領域31Aが上部第2領域31Bに重なった際に被接着部16Aに対応する領域には、第2接着剤を塗布しない。すなわち、第2接着剤は、上部第1領域31Aに凹部形状を有するように塗布される。そして、上部弾性部材15Uをシートで挟み込んだ上部第1領域31Aは、谷折りされて、上部第2領域31Bに重ねられる。
このような第14の実施形態の製造方法によっても、第13実施形態と同様な効果を得ることができる。
【0130】
なお、第14実施形態においても、第1接着領域22Aおよび第3接着領域22Cと第2接着領域22Bとは、同じ接着剤(第1接着剤、第2接着剤の何れでもよい。)を用い、接着剤の量や塗布方法を異ならせることで、第1接着領域22Aおよび第3接着領域22Cの方が第2接着領域22Bより接着力が高くなるようにしてもよい。
【0131】
また、
図23(c)に示すように、第2接着領域22Bは、被接着部16Aの胴回り方向に沿った細長い領域25X´をローラなどでベタ塗りにし、被接着部16A両側の領域25Y´をスプレーなどで塗布するようにしてもよい。
【0132】
〔第15実施形態〕
以上説明した第1実施形態のおむつ10では、胴回り開口部10Aの周辺において、帯状領域34を設けている(
図2(a),(c)参照)。
図24(a)〜(d)に示すように、第13実施形態のおむつ110では、被接着部16Aの前後方向の先端部を胴回り開口部10Aの開口端に沿う位置に配置する。これにより、ポケット30を深いものとすることができ、より多くの排泄物を受容することができる。このようなおむつは、上述したおむつ40,50,60,70,80,90,91,100にも適用可能である。
【0133】
なお、上記実施形態は以下のように適宜変更して実施することもできる。
・ポケット30の形状は、股下部10C側に開口端を備えていれば、それ以外の形状は特に限定されるものではない。例えば、ポケット30は、例えばポケット30の開口端の幅が狭まった全体がΩ形状を有し、開口端が股下部10C側を向いていてもよい。これにより、一度ポケット30に入った排泄物が逆戻りすることを抑制することができる。また、ポケット30の開口端の幅が胴回り開口部10A側の辺より広くてもよい。これにより、ポケット30に対して排泄物を入りやすくすることができる。
【0134】
・下部領域12Dにおいて、下部弾性部材15Dは、全ての領域で、伸長した状態で配置されていなくてもよい。例えば、ポケット30の下側では、下部弾性部材15Dが切断されていてもよい。
【0135】
・外側弾性部28は、ひだ16Bが形成される程度であれば、吸収性本体16の被接着部16Aに対して全面接着ではなく、部分的に接着されているだけでもよい。例えば、接着剤は、前後方向に沿って直線状や波線状に塗布するようにしてもよい。また、被接着部16Aの幅方向の両側縁部だけに接着剤を塗布するようにしてもよい。また、接着剤を散点状に塗布するようにしてもよい。
【0136】
・上部領域12Uと下部領域12Dとは、外側シート部26で繋がっていなくてもよい。すなわち、上部領域12Uと下部領域12Dとが分離していてもよい。外側シート部26は、少なくとも内側弾性部27と対向する位置に設けられていればよく、それ以外は、おむつの構成によって適宜変更可能である。
【0137】
・吸収性本体16に対して内側に位置する上部弾性部材15Uが配置された領域と外側に位置する下部弾性部材15Dが配置された領域とは、重なっていてもよい。また、上部弾性部材15Uが配置された領域の下端部と下部弾性部材15Dが配置された領域の上端部とが、境界部分において、同じ位置に位置していてもよい。これにより、上部領域の下端部と下部領域の上端部との境界部分において、横裂けの発生を抑えることができ、各外装部の胴回り方向の両端部の接合部を確実に破ることができる。
【0138】
・第1外装体12F、第2外装体12Rの何れか一方の外装体が上部領域12Uと下部領域12Dを備えていればよい。
・ポケット30は、第1外装体12Fと第2外装体12Rの両方に設けられることが好ましいが、少なくとも一方に設けられているだけでもよい。
・使い捨ておむつとしては、テープ型のおむつであってもよい。
【0139】
・乳幼児用又は介護を必要とする高齢者や障害者等の成人用の使い捨ておむつであってもよい。また、ペット用であってもよい。
・外装体12を構成する外側シート部26、内側弾性部27を構成するシート、および、外側弾性部28を構成するシートは、液不透過性であってもよいし、液透過性であってもよい。