特許第6837999号(P6837999)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6837999
(24)【登録日】2021年2月15日
(45)【発行日】2021年3月3日
(54)【発明の名称】高速プラグ
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/02 20060101AFI20210222BHJP
   H01R 12/71 20110101ALI20210222BHJP
【FI】
   H05K1/02 N
   H01R12/71
   H05K1/02 A
【請求項の数】19
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-559678(P2017-559678)
(86)(22)【出願日】2016年6月23日
(65)【公表番号】特表2018-523292(P2018-523292A)
(43)【公表日】2018年8月16日
(86)【国際出願番号】US2016038992
(87)【国際公開番号】WO2017014902
(87)【国際公開日】20170126
【審査請求日】2019年6月6日
(31)【優先権主張番号】62/195,027
(32)【優先日】2015年7月21日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/952,458
(32)【優先日】2015年11月25日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514200844
【氏名又は名称】センティネル コネクター システムズ,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】SENTINEL CONNECTOR SYSTEMS,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100085316
【弁理士】
【氏名又は名称】福島 三雄
(74)【代理人】
【識別番号】100171572
【弁理士】
【氏名又は名称】塩田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】ワグナー,ジャスティン
【審査官】 三森 雄介
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2015/0017837(US,A1)
【文献】 特開2001−015793(JP,A)
【文献】 特開2012−028521(JP,A)
【文献】 米国特許第05586893(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0112861(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0038941(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0349496(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 1/00− 1/02
H01R 12/00−12/91
H01R 24/00−24/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面、底面、対向する側面及び対向する端面を有する基板と、
前記基板の接地プレーンと、
前記接地プレーンと電気的に通信する前記基板の側面の接地ストリップと、
を含み、
前記接地ストリップは、前記基板の前記接地プレーンに電気的に接続され、
前記基板の前記側面に複数の開口部を含む、通信用プラグ。
【請求項2】
前記基板の1つに複数のピンビアを含む、請求項1に記載の通信用プラグ。
【請求項3】
前記基板に複数のワイヤビアを含み、該ワイヤビアは各開口部に隣接して位置している、請求項1に記載の通信用プラグ。
【請求項4】
各ワイヤビアの周囲で前記基板の表面に形成された接続パッドを含む、請求項1に記載の通信用プラグ。
【請求項5】
前記接続パッドは、前記ワイヤビアの周縁部に延在している円形部分と、該円形部分から前記基板の開口部に向って延在している三角形部分とを含む、請求項に記載の通信用プラグ。
【請求項6】
前記基板の前記上面に複数のトレースを含み、各トレースは、ピンビアから接続パッドまで延在している、請求項に記載の通信用プラグ。
【請求項7】
前記複数のトレースのうちの少なくも2つは、前記基板の前記底面にある、請求項に記載の通信用プラグ。
【請求項8】
前記ワイヤビア内に挿入された部分と前記接続パッドを覆っている部分とを有する固定ユニットを含む、請求項に記載の通信用プラグ。
【請求項9】
前記基板において前記接地プレーンに隣接する第2の接地を含む、請求項に記載の通信用プラグ。
【請求項10】
通信用プラグを形成する方法であって、
基板の最下層を形成するステップと、
前記最下層の上に下位層を形成するステップであって、該下位層は第1の接地層を含む、ステップと、
前記下位層の上に中間層を形成するステップであって、該中間層は第2の接地層を有する、ステップと、
前記基板の上に最上層を形成するステップと、
前記基板にピンビアを形成するステップと、
前記基板の両側部に開口部を形成するステップと、
前記基板の各開口部に隣接してワイヤビアを形成するステップと、
前記基板の前記最上層及び前記最下層において該基板の両側部に接地面を形成するステップであって、該接地面が前記第1の接地層及び前記第2の接地層と電気的に通信する、ステップと、
前記最上層及び前記最下層において前記ワイヤビアと前記ピンビアとの間にトレースを形成するステップと、
を含む、方法。
【請求項11】
各ピンビアにピンを挿入するステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
各ワイヤビアの周囲に接続パッドを形成するステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記接続パッドを形成する前記ステップは、前記ワイヤビアの周縁部に延在する円形部分を形成し、該円形部分から前記基板の開口部に向って延在する三角形部分を形成するステップを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記トレースを形成する前記ステップは、各ピンビアから対応する接続パッドまで前記トレースを形成することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記基板をプラグハウジングに挿入するステップを含み、該プラグハウジングは、該ハウジングの側面に、前記基板に形成された前記開口部に対応する開口部を有する、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記トレースを形成する前記方法は、前記基板の前記上面に第1のトレース群を形成し、該基板の前記底面に第2のトレース群を形成することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
固定の部分から各ワイヤビアにピンを挿入し、該固定ユニットの下部を、該ピンを受け入れる該ワイヤビアに対応する前記接続パッドの上に配置するステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
前記ハウジングは、前記ピンビアの上に複数の開口部を含み、各開口部はピンに対応するサイズである、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
各固定ユニットは、1本のワイヤを接続パッドと電気的に通信するように固定する、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、「HIGH SPEED PLUG」と題する2015年7月21日に出願された米国仮特許出願第62/195,027号、及び「HIGH SPEED PLUG」と題する2015年11月25日に出願された通常の米国特許出願第14/952,458号の利益とそれら出願に対する優先権とを主張する通常の特許出願である。
【背景技術】
【0002】
現行のネットワークプラグ技術では、プラグの1つの部分に接続されたケーブルからプラグの第2の部分に接続されたデバイスに送信することができるデータの量が制限されている。データ通信速度が上昇するに従い、2つの点の間に適切に接地された接続を提供する必要性が重大になる。
【0003】
現在、ネットワーク接続の接地には、プラグへの接地線の手動操作が必要である。多くの場合、この手動操作により、不適切な接地接続がもたらされ、過渡信号に起因してデータ通信が喪失することになる可能性がある。さらに、プラグの手動操作には、各接続を終端させかつ試験するために追加の工数が必要であり、それにより、ネットワーク接続点の設置のコストが増大する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
手動操作なしに適切な接地接続をもたらすプラグが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一実施形態は、上面、底面、対向する側面及び対向する端面を有する基板と、基板の接地プレーンと、接地プレーンと電気的に通信する基板の側面の接地ストリップとを含むことができ、接地ストリップは、基板の接地プレーンに電気的に接続されている、通信用プラグを含む。
【0006】
別の実施形態において、本プラグは、基板の側面に複数の開口部を含むことができる。
【0007】
別の実施形態において、本プラグは、基板の1つに複数のピンビアを含むことができる。
【0008】
別の実施形態において、本プラグは、基板に複数のワイヤビアを含むことができ、ワイヤビアは各開口部に隣接して位置する。
【0009】
別の実施形態において、本プラグは、各ワイヤビアの周囲で基板の表面に形成された接続パッドを含むことができる。
【0010】
別の実施形態において、接続パッドは、ワイヤビアの周縁部に延在している円形部分と、円形部分から基板の開口部に向かって延在している三角形部分とを含むことができる。
【0011】
別の実施形態において、本プラグは、基板の上面に複数のトレースを含むことができ、各トレースは、ピンビアから接続パッドまで延在する。
【0012】
別の実施形態において、本プラグは、複数のトレースのうちの少なくとも2つが、基板の底面にあることができる。
【0013】
別の実施形態において、本プラグは、ワイヤビア内に挿入された部分と接続パッドを覆っている部分とを有する固定ユニットを含むことができる。
【0014】
別の実施形態において、本プラグは、基板において接地プレーンに隣接する第2の接地を含むことができる。
【0015】
本開示の別の実施形態は、通信用プラグを形成する方法であって、基板の最下層を形成するステップと、最下層の上に下位層を形成するステップであって、下位層は第1の接地プレーンを含む、ステップと、接地層の上に中間層を形成するステップであって、中間層は接地プレーンを有する、ステップと、基板の上に最上層を形成するステップと、基板にピンビアを形成するステップと、基板の両側部に開口部を形成するステップと、基板の各開口部に隣接してワイヤビアを形成するステップと、基板の最上層及び最下層において基板の両側部に接地面を形成するステップであって、接地面が第1の接地層及び第2の接地層と電気的に通信する、ステップと、最上層及び最下層においてワイヤビアとピンビアとの間にトレースを形成するステップとを含む、方法を含むことができる。
【0016】
別の実施形態において、本方法は、各ピンビアにピンを挿入するステップを含むことができる。
【0017】
別の実施形態において、本方法は、各ワイヤビアの周囲に接続パッドを形成するステップを含むことができる。
【0018】
別の実施形態において、本方法は、接続パッドを形成するステップが、ワイヤビアの周縁部に延在する円形部分を形成し、円形部分から基板の開口部に向かって延在する三角形部分を形成するステップを含むことができる。
【0019】
別の実施形態において、本方法は、トレースを形成するステップが、各ピンビアから対応する接続パッドまでトレースを形成することを含むことができる。
【0020】
別の実施形態において、本方法は、基板をプラグハウジングに挿入するステップを含むことができ、プラグハウジングは、ハウジングの側面に、基板に形成された開口部に対応する開口部を有する。
【0021】
別の実施形態において、トレースを形成する方法は、基板の上面に第1のトレース群を形成し、基板の底面に第2のトレース群を形成することを含むことができる。
【0022】
別の実施形態において、本方法は、固定の部分から各ワイヤビアにピンを挿入し、固定ユニットの下部を、ピンを受け入れるワイヤビアに対応する接続パッドの上に配置するステップを含むことができる。
【0023】
別の実施形態において、ハウジングは、ピンビアの上に複数の開口部を含むことができ、各開口部はピンに対応するサイズである。
【0024】
別の実施形態において、各固定ユニットは、1本のワイヤを接続パッドと電気的に通信するように固定することができる。
【0025】
非限定的な利益及び利点を含む本発明の詳細は、以下の詳細な説明及び添付図面を検討した後に当業者にはより容易に明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1A】本開示と一貫する高速通信用プラグを示す図である。
図1B】IDCが取り除かれているビア及びはんだパッドの拡大図である。
図1C】ビアに取り付けられたIDCを含むプラグの側面図である。
図2】多層高速プラグの最下層の上面図である。
図3】多層高速プラグの第2の層の上面図である。
図4】多層高速プラグの第3の層の上面図である。
図5】多層高速プラグの上層の上面図である。
図6】多層高速プラグの最上層の図である。
図7】多層プラグの下層の上面図である。
図8】プラグの一実施形態を示す図である。
図9】ジャックに挿入された図8のプラグを示す図である。
図10】ジャックと係合している図8のプラグの正面図である。
図11図8のプラグの基板の上の接地ストリップを示す図である。
図12図8の基板及び接地ストリップの側面図である。
図13】ジャックに挿入された図8のプラグの側面図である。
図14】接続タブがビアに挿入されている図8の基板の上面図である。
図15】高速通信用プラグの一実施形態を示す図である。
図16A図15の高速通信用プラグの基板の最上層を示す図である。
図16B】最上層に隣接して配置されている基板の下位層を示す図である。
図16C】基板の最下層を示す図である。
図17】プラグハウジングに挿入された基板を示す図である。
図18】プラグハウジングに挿入された基板の図である。
図19】高速通信プラグの分解(break away)図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1Aは、本開示と一貫する高速通信用プラグ100を示す。プラグ100は、基板102を含み、基板102を通して第1のビア104群があり、各ビア104は、トレース106によって第2のビア108に接続されている。トレース106は、基板102の上面に形成され、銅等の導電性材料で作製されている。ビア108内には、複数の圧接コンタクト(insulation displacement contacts)(「IDC」)112が配置されている。IDC112は、限定されないが銅を含む金属から作製することができる。各IDC112は、基板102の開口部110の上に配置されている。各IDC112及び開口部110は、ワイヤ又はケーブルを受け入れるように構成されている。一実施形態では、ワイヤは24ゲージケーブルである。別の実施形態では、ワイヤは26ゲージワイヤである。別の実施形態では、ワイヤは撚り線である。別の実施形態では、ワイヤは単線である。
【0028】
開口部110は、水平面から角度をなしている場合があり、又は基板102の側面に対して垂直である場合がある。一実施形態では、或る開口部110群は角度をなしており、或る開口部110群は角度をなしていない。別の実施形態では、各開口部110は角度をなしている。別の実施形態では、開口部110は、貫通しておらず、基板102から出ない。別の実施形態では、各開口部は、基板102の側部に対して垂直である。別の実施形態では、IDC112はワイヤガイド(図示せず)を含む。
【0029】
図1Bは、IDC112が取り除かれているビア108及びはんだパッド114の拡大図を示す。はんだパッド114は、基板102の上面に形成され、IDC112がそれぞれのビア108に挿入されると、IDC112を基板102に固定するように構成されている。開口部110とビア108との間のはんだパッド114の部分は、形状が実質的に三角形である。基板102における開口部110とはんだパッド14との間の領域116は、ワイヤがIDC112に挿入されたときに移動を可能にするように空いている。図1Cは、ビア108に取り付けられたIDC112を含むプラグ100の側面図を示す。IDC112は、基板の上面と平行であるように、はんだパッド114の上にかつビア108内に配置される。ビア内にかつはんだパッド114の上方にIDC112を挿入することにより、IDC112の静電容量が低減する。
【0030】
図2は、多層高速プラグの最下層の上面図を示す。最下層200は、第1のビア202群と、第2のビア204群と、接地プレーン208と、複数の接地ビア210とを含み、第1のビア群の半分は、トレース206により、対応する第2のビア204に接続されている。図3は、多層高速プラグの第2の層の上面図を示す。第2の層は、第1のビア202及び第2のビア204並びに接地プレーン302を含む。図4は、多層高速プラグの第3の層の上面図を示す。第3の層は、第1のビア202及び第2のビア204並びに接地プレーン402を含む。
【0031】
図5は、多層高速プラグの上層の上面図を示す。上層は、第1のビア202及び第2のビア204を含む。下層では第2のビア204に接続されていない第1のビア202が、トレース506を介して接続されている。接地プレーン500が、接地ビア210の領域において上層の表面を横切って延在している。図6は、多層高速プラグの最上層を示す。最上層は、第1のビア202及び第2のビア206並びに接地プレーン600を含む。図7は、多層プラグの下層の上面図を開示する。最上層は、接地ビア208とともに第1のビア202及び第2のビア204を含む。
【0032】
組み立てられると、第1のビア202及び第2のビア204は、多層プラグの各層を通って延在する。接地ビア208は、多層プラグの各層を通って延在して、各層の接地プレーンを電気的に接続する。
【0033】
図8は、プラグ800の一実施形態を示す。基板802を通して第1のビア804群が形成されており、各第1のビア804は、トレース(図示せず)によって第2のビア(図示せず)に接続されている。基板802の両側部において第1のビア804群と第2のビア群(図示せず)との間に、接地ストリップ806が形成されている。接地ストリップ806は、基板802の少なくとも1つの接地プレーンに電気的に接続されている。接地ストリップ806は、基板802の側面に形成されており、側面は、基板802の上面に対して垂直である。接地ストリップ806は、限定されないが金又は銅を含む任意の導電性材料で形成することができる。
【0034】
図9は、ジャック900に挿入されたプラグ800を示す。ジャック900は、接地プレーン902を含む。一実施形態では、ジャック900はRJ−45ジャックであり、プラグ800はRJ−45プラグである。接地プレーン902は、各接地プレーンがプラグ800のそれぞれの接地ストリップ806と導電的に係合するように、ジャック900内に配置される。プラグ800がジャック900に挿入されると、接地ストリップ806及び接地プレーン902は、ジャック900、プラグ800、及びジャック900に接続された回路基板(図示せず)の間に接地接続をもたらす。
【0035】
図10は、ジャック900と係合しているプラグ800の正面図を示す。プラグがジャックに挿入されると、接地プレーン902は接地ストリップ806と接触する。プラグ800がジャック900と係合すると接地ストリップ806がジャック900の接地プレーン902と接触するように、プラグに接地ストリップ806を形成することにより、接地線の手動操作は不要となり、それにより、プラグ800を取り付けるコストが低減する。さらに、プラグ800がジャック900に適切に接地されるため、プラグ800の性能が向上する。
【0036】
図11は、プラグ800の基板802上の接地ストリップ806を示す。ワイヤの接続を可能にするように、ビア804内に接続タブ1100が挿入されている。接地ストリップ806は、基板802の側部と基板の上面及び底面の一部の周囲に巻き付けられている導電性材料で作製された薄箔とすることができる。図12は、基板802及び接地ストリップ806の側面図を示す。図13は、ジャック900に挿入されたプラグ800の側面図を示す。図14は、接続タブ1100がビア804に挿入されている基板802の上面図を示す。
【0037】
図15は、高速通信用プラグの一実施形態を示す。プラグ1500は、多層基板1502を含み、基板には開口部又はスロット1504が形成されている。基板1502の底面の上部において各開口部1504内に固定ユニット1506が配置されている。基板1502の端部に、複数のピン1508が配置されており、ピン1508と反対側の基板1502の端部に、2つの開口部1510が形成されている。ピン1508の近くの基板1502の両側部に、接地ストリップ1512が形成されている。
【0038】
図16Aは、図15の高速通信用プラグ1500の基板の最上層を示す。基板1502の最上層は、ピン1508に対応するサイズであるビア1600を含む。トレース1602が、各ビア1600と、関連する開口部1504の近くに配置された接続パッド1604とを、基板1502の反対側の端部の対応するピン1508に接続する。接続パッド1604は、図1Bの接続パッドと同一である。上面は、接続パッド1614の一部を対応するピン1508に接続するトレース1602を含み、底面は、他の接続パッド1614をトレースによって対応するピン1508に接続するトレース(図示せず)を含む。ビア1600の近くの基板1502の両側部に、接地面1614が配置されている。接地面1614は、プラグが組み立てられると、接地ストリップ1512と係合する。
【0039】
図16Bは、最上層に隣接して配置されている基板の下位層を示す。下位層は、ビア1600に隣接する領域から基板1502のビア1600とは反対側に隣接する領域まで延在する接地プレーン1606を含む。接地プレーン1606は、銅及び銅合金を含む任意の導電性材料で形成することができる。ビア1608は、各開口部1504の近くに配置されて、接続パッド1604を基板1600の背面に接続する。図16Cは、下位層と同じ構成を有する基板の中間層を示す。下位層及び中間層における接地プレーン1606はともに、接地面1614と電気的に接触している部分を含む。ビア1600及び1608の各々は、基板1502の上面から底面まで通路を設けるように、各層において同心状に位置合わせされている。
【0040】
図16Cは、基板の最下層を示す。最下層は、最上層又は基板1502を基板1502の最下層に接続するビア1608を含み、それにより、ビア1600に挿入されたピン1508が、上面を底面に電気的に接続する。複数のトレース1612が、裏層の表面の接続パッド1604にビア1600を接続する。基板1502の最上層及び最下層の各接続パッド1604は、各ビア1608が最上層を最下層に接続するように、対応するビア1608の上に配置される。基板1502の最上層及び最下層は、ビア1600の近くの基板1602の端部に配置された接地面1614を含む。接地面1614は、基板1502の下位層及び中間層における接地プレーン1606に電気的に接続されて、接地ストリップ1614と接地プレーン1606との間に接続を提供する。一実施形態では、底面におけるトレース1612は、基板1502の最上層のトレース1602に接続されていないビア1600及び接続パッド1604のために形成されている。
【0041】
図17は、プラグハウジングに挿入された基板を示す。プラグハウジング1700は、プラスチック又は金属を含む、通信プラグを作製するために用いられる任意の既知の材料で作製することができる。プラグハウジング1700の各側面は、ワイヤ開口部1702を含み、各ワイヤ開口部1704は、基板の開口部1504と位置合わせされている。各ワイヤ開口部1702は、単線又は撚り線に対応するサイズである。一実施形態では、ワイヤは24番ワイヤである。別の実施形態では、ワイヤは22番ワイヤである。プラグは、基板のサイズ及び密度に基づいて任意の数のワイヤを受け入れることができる。一実施形態では、基板は、単一の対のワイヤを受け入れる。別の実施形態では、基板は、12の対のワイヤを受け入れる。ワイヤ(図示せず)は、ワイヤ開口部1702に挿入されると、ワイヤ開口部1702によって、ワイヤ開口部1702に対応する開口部1502内に配置された固定ユニット1506内に案内され、それにより、ワイヤは固定ユニット1506と係合して、開口部1502内でワイヤを固定し、固定ユニット1506を介してワイヤと接続パッド604との間に電気接続を提供する。
【0042】
プラグハウジング1700は、プラグの各側面に接地開口部1704を含み、接地開口部1704は、基板1502がプラグハウジング1700に挿入されると接地ストリップ1512が開口部を通って延在するように、接地ストリップ1512と位置合わせされている。プラグハウジング1700を通して接地ストリップ1512を露出させることにより、いかなる追加の圧着又は配線もなしに高速通信用ジャックにプラグを接地することができ、それにより、接地接続の信頼性が向上し、プラグを取り付けて接地するために必要な労力が低減する。プラグハウジング1700は、基板1502とは反対側のプラグハウジング1700の端部に複数のピン開口部1706を含み、各ピンハウジングは、基板1502がプラグハウジング1700に挿入されたときに、基板1502のピン1508と位置合わせされる。
【0043】
図18は、プラグハウジングに挿入された基板の図を示す。固定ユニット1506は、固定ユニット1506の端部のピン1800がビア1608に挿入されるように、各開口部1504に挿入されている。固定ユニット1506は接続パッド1604の上に配置され、接続パッド1604はビア1608の周縁部に延在している。固定ユニット1506は、基板1502の上面及び底面の開口部1504内に挿入される。固定ユニット1504は、銅及び銅合金を含む任意の導電性材料で作製することができる。トレース1602は、各接続パッド1604をピン1508に接続する。トレース1602は、固定ユニット1506のピン1800をピン1508に接続することができる。
【0044】
図19は、高速通信用プラグの分解図を示す。プラグは、複数のビア1608を有する基板1502を含み、各ビア1608は接続パッド1614を有し、接続パッド1614は、ビア1608の周縁部に延在し、かつビア1608の開口部1502に最も近い側に三角形状を形成している。固定ユニット1506は、固定ユニット1506の一端にピン1800を含み、各ピン1800は、対応するビア1608と係合するサイズである。各固定ユニット1506は、ピン1800をビア1608に挿入し、固定ユニット1506の背面部分を基板1502の表面と平行に配置して、固定ユニット1506が接続パッド1614を覆うようにすることにより、それぞれの開口部1502に挿入される。トレース1602及び1612は、各接続パッド1614から基板1502の反対側の端部の対応するピン1508まで延在している。基板1502の上面及び底面の両方にトレース1602及び1612を配置することにより、トレースで転送される信号は、より十分に隔離され、それにより干渉が低減する。ピン1508の近くの基板1502の両側において接地面1614が配置されており、接続ジャックとプラグとの間に接地接続を提供する。
【0045】
本開示では、数量を特定しない語は、単数のもの及び複数のものの両方を含むものとして解釈されるべきである。逆に、複数の要素に対するいかなる言及も、適切である場合は、単数のものを含むものとする。
【0046】
本明細書に開示される、本発明における好ましい実施形態に対する様々な変更及び修正は、当業者には明らかであろうと理解されるべきである。そのような変更及び修正は、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、かつその意図された利点を減らすことなく行われ得る。したがって、そのような変更及び修正は、添付の特許請求の範囲に含まれるものと解釈される。
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4
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図6
図7
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図9
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図16A
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図16C
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図18
図19