特許第6838006号(P6838006)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6838006-毛髪ケア装置 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6838006
(24)【登録日】2021年2月15日
(45)【発行日】2021年3月3日
(54)【発明の名称】毛髪ケア装置
(51)【国際特許分類】
   A45D 20/12 20060101AFI20210222BHJP
   F15D 1/08 20060101ALI20210222BHJP
【FI】
   A45D20/12 J
   F15D1/08 B
【請求項の数】5
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2017-567329(P2017-567329)
(86)(22)【出願日】2016年7月12日
(65)【公表番号】特表2018-526053(P2018-526053A)
(43)【公表日】2018年9月13日
(86)【国際出願番号】EP2016066463
(87)【国際公開番号】WO2017016865
(87)【国際公開日】20170202
【審査請求日】2017年12月26日
【審判番号】不服2019-13790(P2019-13790/J1)
【審判請求日】2019年10月16日
(31)【優先権主張番号】15178292.7
(32)【優先日】2015年7月24日
(33)【優先権主張国】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】KONINKLIJKE PHILIPS N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【弁理士】
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(74)【代理人】
【識別番号】100163809
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 貴裕
(72)【発明者】
【氏名】ロウ チャク ユエン
(72)【発明者】
【氏名】ウー コー
【合議体】
【審判長】 佐々木 芳枝
【審判官】 山本 健晴
【審判官】 堀川 一郎
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭56−74898(JP,U)
【文献】 特開平11−223378(JP,A)
【文献】 実開昭58−131382(JP,U)
【文献】 特開平10−332190(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 20/12, F15D 1/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心軸のまわりに同心に配置された複数の流れガイド面を有する、毛髪ケア装置の空気出口グリルにおいて、前記ガイド面は前記中心軸に対して傾斜しており、前記流れガイド面の前記中心軸を含む切断面による断面が、前記空気出口グリルの全体の空気入口の側から空気出口の側に向けて断面積が大きくなるよう前記中心軸から離れる方向に広がる湾曲した形状を持つことを特徴とする、毛髪ケア装置の空気出口グリル。
【請求項2】
隣接する前記流れガイド面と前記中心軸との間の角度は、前記隣接する前記流れガイド面の間の空気入口面積が、前記隣接する前記流れガイド面の間の空気出口面積よりも大きくなるよう設計された、請求項1に記載の毛髪ケア装置の空気出口グリル。
【請求項3】
前記中心軸に最も近い前記流れガイド面は、少なくとも1つの他の流れガイド面に比べて、前記中心軸の方向の長さが短い、請求項1又は2に記載の毛髪ケア装置の空気出口グリル。
【請求項4】
前記流れガイド面の少なくとも1つの、前記空気入口の側の部における、前記中心軸を含む切断面による断面は、前記中心軸に平行に延在し、前記流れガイド面の、前記空気出口の側の部における、前記切断面による断面は、前記空気出口に向けて前記中心軸から離れる方向に広がるよう延在する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の毛髪ケア装置の空気出口グリル。
【請求項5】
前記流れガイド面の少なくとも1つの、前記中心軸を含む切断面による断面輪郭は翼形状であり、前記空気入口の側の端部前記切断面による断面の厚さが、前記空気出口の側の端部の厚さよりも小さい、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の毛髪ケア装置の空気出口グリル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪ケア装置に関し、特に毛髪ケア装置における使用のための空気出口グリルに関する。
【背景技術】
【0002】
国際特許出願公開WO2012/012934は、毛髪トリートメント機器のためのアクセサリを開示している。該アクセサリは、筐体、長軸を持つ空気流ガイド部材、及び制御ノブを有する。該空気流ガイド部材は、弾性材料(例えばシリコーンゴム)からつくられる。該制御ノブは、該空気流ガイド部材を、集中型配置と拡散型配置との間で動かす。該空気流ガイド部材が該集中型配置にある場合には、該アクセサリに入る空気は、該空気流ガイド部材により、該空気流ガイド部材の長軸に向かう方向に、該アクセサリから出るようにガイドされ、該空気流ガイド部材が該拡散型配置にある場合には、該アクセサリに入る空気は、該空気流ガイド部材により、該空気流ガイド部材の長軸から離れる方向に、該アクセサリから出るようにガイドされる。
【0003】
中国実用新案公開CN201557699Uは、殻部を有する電動毛髪ドライヤーであって、該殻部は、空気入口及び空気出口を備えた、電動毛髪ドライヤーにおいて、前記空気出口が、空気ガイド環と複数の空気ガイド格子とを有する空気ガイド装置を備え、該空気ガイド格子は、2つの群に分割され、該空気ガイド環にしっかりと固定的に装着されたことを特徴とする、電動毛髪ドライヤーを開示している。該電動毛髪ドライヤーは、構造的に、該空気ガイド環と空気ガイド格子とを有する空気ガイド装置が、該電動毛髪ドライヤーの空気出口に装着され、2つの群に分割された空気ガイド格子が、該空気ガイド環にしっかりと固定的に装着され、該電動毛髪ドライヤーにより吹き出される空気が、該空気ガイド装置により完全に分散させられることができ、斯くして吹き出し領域を大きく拡大し、空気が毛髪と完全に接触することを可能とし、毛髪を乾燥させる効率を向上させることを特徴としている。
【0004】
中国特許CN2636694は、電動ドライヤーの空気出口ネットを開示している。該空気出口ネットは、内側円錐形円筒部と、同軸上の外側円錐形円筒部と、から成り、該内側円錐形円筒部は、該外側円錐形円筒部の内側に補強リブを通して固定され、該外側円錐形円筒部の外側面は、複数の補強リブを備え、空気入口の一方の端の先端部に、回転防止位置決め切欠きが配置される。該毛髪ドライヤーにより吹き出される空気は、既存の空気出口ネットに比べて集中させられ、空気の速度及び温度がいずれも改善され、毛髪を乾燥させる効果が好適となる。同軸に2つの円筒部を採用することにより、円筒部の強度が好適となり、耐衝撃性が良好となるが、その一方、1つの円筒部のみを備える空気出口に比べて、毛髪ドライヤーの空気円筒部の直径が大きくなり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、数あるなかでも、改善された毛髪ケア装置を提供することにある。本発明は、独立請求項により定義される。有利な実施例は、従属請求項において定義される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による毛髪ケア装置は、複数の同心の傾斜した流れガイド面を持つ、新規な3次元(3D)輪郭の空気出口グリルを持ち、該流れガイド面の断面は、空気の流れ方向において発散する湾曲した形状を持ち、空気が先行技術におけるよりも大きな寸法へと広がるため、該流れガイド面は、送風器を通過する空気の、より大きな空気の広がりをもたらす。該3D輪郭の空気出口グリルは、送風器が毛髪用ドライヤー又は毛髪スタイラーである場合には重要なユーザの利益となる、送風器の乾燥速度を増大させ得る。好適には、該流れガイド面間の傾斜角は、該空気出口グリルの空気入口面積が、該空気出口グリルの空気出口面積よりも大きくなり、そのため空気の速度を増大させるよう設計される。好適には、中間部の流れガイド面は、少なくとも1つの他の流れガイド面n比べて小さな高さを持ち、それにより、空気出口グリルの中間部において空気が通過する面積を増大させる。好適には、少なくとも1つの流れガイド面の前方端は、空気の流れ方向に対して接線方向であり、流れガイド面の後方端は、空気の流れ方向から発散する。好適には、少なくとも1つの流れガイド面の断面輪郭は、翼形状であり、それにより、空気流れ方向において、前方端の厚さが後方端の厚さよりも小さい。
【0007】
本発明のこれらの及び他の態様は、以下に説明される実施例を参照しながら説明され明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明による空気出口グリルの実施例を示す。
図2】本発明による空気出口グリルの実施例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1及び2は、本発明による3D輪郭の空気出口グリルを示す。該空気出口グリルは、外環1、流れガイド面2、及び保護リブ3を持つ。
【0010】
外環1は、流れガイド面2に対する支持及び装着方法を提供する。しかしながら、該空気出口グリルは、必ずしも外環を備える必要はない。流れガイド面2が、何らかの方法で、例えば流れガイド面2の遠位端の一部を収容する周縁溝により、送風器筐体の内側面に結合されることも想到可能である。外環1は、流れガイド面2に嵌合する本体であり、スナップ式接合、接着、超音波溶接、バヨネット式装着、ねじ又はこれらの組み合わせにより、送風器と整合するよう設計される。
【0011】
流れガイド面2の輪郭は、湾曲され、空気の流れの軸に対して傾斜した角度を持つよう特に設計される。流れガイド面2間には、空気出口グリルを通る空気の動きを許容するための、開口領域がある。空気が流れガイド面2間の空間を通過するとき、該空気はより外側へと向けられる。流れガイド面2間の傾斜角は、空気入口面積が空気出口面積よりも大きくなり、それにより空気の速度が増大するよう設計される。これらの効果は、空気流のカバー面積を増大させる。流れガイド面2は、周縁部の空気流に軸方向の空気流をそらすよう設計された特殊な輪郭を持ち、空気が通過することを許容する開口を提供する。
【0012】
流れガイド面2の数は、奇数でも偶数でも良い。
【0013】
流れガイド面の環は、円形でも楕円形でも良く、これら環は同心である。
【0014】
流れガイド面2間の空間は、生体部分のアクセス可能性を回避するため、規制要件を満たすよう設計されても良い。付加的な安全特徴が備えられる場合、流れガイド面2間の空間はより大きくなり得ることが想到され得る。
【0015】
保護リブ3は、流れガイド面2への構造的及び機械的な保護を提供し、生体部分のアクセス可能性を回避するための規制要件を満たすための障壁を形成する。付加的な安全特徴が備えられる場合、中心の保護リブは取り除かれ得ることが想到され得る。
【0016】
本発明の空気出口グリルは、温かい空気のカバー面積を増大させ、乾燥速度を増大させる。該3D輪郭の空気出口グリルは、通常の空気出口グリルを置き換えることができ、アタッチメントとして通常の送風器に装着できる。
【0017】
図2は、流れガイド面の環2が段階状に配置され、中央の環が他のものよりも低いことを示す。該空気出口グリルの中央部において空気が通過する面積を増大させることが意図されている。図2はまた、流れガイド面の環2が平行に配置されておらず、湾曲していることを示す。流れガイド面の環2の断面輪郭は、翼型であり、前方端の厚さが後方端の厚さよりも小さい。ここで、流れガイド面の前方端とは、入ってくる空気流に最初に接触する端を意味する。後方端は、該流れガイド面から空気流が出ていく端を意味する。該流れガイド面の前方端は、空気流の方向に対して接線方向であり、該流れガイド面の後方端は、空気流の方向から発散する。図2において、空気流は右から左へ流れる。
【0018】
上述の実施例は本発明を限定するものではなく説明するものであって、当業者は添付する請求項の範囲から逸脱することなく多くの代替実施例を設計することが可能であろうことは留意されるべきである。請求項において、括弧に挟まれたいずれの参照記号も、請求の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。「有する(comprise)」なる語は、請求項に記載されたもの以外の要素又はステップの存在を除外するものではない。要素に先行する「1つの(a又はan)」なる語は、複数の斯かる要素の存在を除外するものではない。
図1
図2