特許第6838051号(P6838051)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6838051-アルカリ水および酸性水を作る方法 図000010
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6838051
(24)【登録日】2021年2月15日
(45)【発行日】2021年3月3日
(54)【発明の名称】アルカリ水および酸性水を作る方法
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/461 20060101AFI20210222BHJP
   B01D 61/14 20060101ALI20210222BHJP
   C02F 1/02 20060101ALI20210222BHJP
【FI】
   C02F1/461 A
   B01D61/14 500
   C02F1/02 C
【請求項の数】10
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-511594(P2018-511594)
(86)(22)【出願日】2016年5月5日
(65)【公表番号】特表2018-520871(P2018-520871A)
(43)【公表日】2018年8月2日
(86)【国際出願番号】US2016030900
(87)【国際公開番号】WO2016186852
(87)【国際公開日】20161124
【審査請求日】2019年4月24日
(31)【優先権主張番号】62/162,197
(32)【優先日】2015年5月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517398645
【氏名又は名称】マノス,ポール・ディ
【氏名又は名称原語表記】MANOS, PAUL D.
(73)【特許権者】
【識別番号】517398656
【氏名又は名称】ウェストン,ディーン・ディ
【氏名又は名称原語表記】WESTON, DEAN D.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マノス,ポール・ディ
(72)【発明者】
【氏名】ウェストン,ディーン・ディ
【審査官】 富永 正史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−047962(JP,A)
【文献】 特開2004−042025(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/002360(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0158018(US,A1)
【文献】 国際公開第2007/077654(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F 1/46−1/48
B01D 61/00−71/82
C02F 1/02
C02F 1/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのカソードと少なくとも1つのアノードとを用いた電気分解によって、総溶解固形分含有量が0ppm〜10ppmである水の初期流から、pHが10.0〜12.0であるアルカリ水と、pHが4.0〜5.0である酸性水とを生成する方法であって、
カチオンおよびアニオンのアルカリ塩を前記初期流に溶解することによって、前記アルカリ塩の前記カチオンおよび前記アニオンと溶解していないアルカリ塩の残留物とを含有する前記初期流を含む供給流を生成するステップと、
前記供給流を電気分解することによって水を水素イオンおよび水酸化物イオンに解離させ、カソード付近にアルカリ水、アノード付近に酸性水を生成するステップと、
前記アルカリ水を除去するステップと、
前記酸性水を除去するステップとを含む方法において、
前記初期流に前記アルカリ塩を溶解するステップはさらに、低級アルキルカルボン酸のアルカリ塩であるプロピオン酸ナトリウムを前記初期流に加えてナトリウムのカチオンと、プロピオン酸のアニオンと、溶解していないアルカリ塩の残留物であるプロピオン酸ナトリウムとを含有する供給流が生成するステップとして定義され、
前記供給流を電気分解するステップはさらに、前記カソードと前記アノードとの間に20V〜50Vの電位をかけるステップを含むことを特徴とする、方法。
【請求項2】
なくとも1つの多孔質膜フィルタで前記供給流を濾過することによって、前記溶解していないアルカリ塩の残留物を前記供給流から除去するステップをさらに含む、請求項1に記載のアルカリ水を生成する方法。
【請求項3】
前記供給流を電気分解するステップの前に、前記供給流を殺菌するステップをさらに含む、請求項1に記載のアルカリ水を生成する方法。
【請求項4】
前記供給流を殺菌するステップはさらに、前記供給流を少なくとも212°F(100℃)の沸騰温度まで少なくとも3分間加熱することによって、前記供給流を殺菌してバクテリアを取除くステップとして定義される、請求項に記載のアルカリ水を生成する方法。
【請求項5】
前記供給流を電気分解するステップの前に、前記カソード、前記アノード、および電気分解装置を殺菌するステップをさらに含む、請求項1に記載のアルカリ水を生成する方法。
【請求項6】
前記カソード、前記アノード、および前記電気分解装置を殺菌するステップはさらに、前記供給流を電気分解するステップの前に、pHが少なくとも11.5であるアルカリ性溶液で前記電気分解装置、前記カソード、および前記アノードを洗浄するステップとして定義される、請求項に記載のアルカリ水を生成する方法。
【請求項7】
前記供給流を電気分解するステップの前に、予め定められた毎分3リットルの流量で前記供給流を前記電気分解装置内に送るステップをさらに含む、請求項に記載のアルカリ水を生成する方法。
【請求項8】
前記供給流を電気分解するステップは、前記電位をかけるステップの前に、前記カソードおよび前記アノードを間隔をあけた関係で前記供給流内に挿入するステップをさらに含む、請求項に記載のアルカリ水を生成する方法。
【請求項9】
前記アルカリ水を除去するステップの後に、前記アルカリ水を周囲空気および前記酸性水から隔離することによって、前記アルカリ水が前記周囲空気および前記酸性水と相互に作用することを防止するステップをさらに含む、請求項1に記載のアルカリ水を生成する方法。
【請求項10】
前記酸性水を除去するステップの後に、前記酸性水を周囲空気および前記アルカリ水から隔離することによって、前記酸性水が前記周囲空気および前記アルカリ水と相互に作用することを防止するステップをさらに含む、請求項1に記載のアルカリ水を生成する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2015年5月15日に出願された仮特許出願第62/162,197号の利益を主張する。
【0002】
発明の背景
1.発明の分野
本発明は、概して、アルカリ水組成、およびアルカリ水を生成する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
2.先行技術の説明
アルカリ性飲料水を改良するさまざまな試みがある。その1つの方法が米国特許第6,572,902号に開示されている。その方法は、カチオンおよびアニオンのアルカリ塩を初期流(initial stream)に溶解することによって、アルカリ塩のカチオンおよびアニオンと、溶解していないアルカリ塩の残留物とを含有する初期流を含む供給流(feed stream)を生成するステップを含む。上記方法の次のステップは、供給流を電気分解することによって、水を水素イオンおよび水酸化物イオンに解離させ、カソード付近にアルカリ水、アノード付近に酸性水を生成することである。次いで、アルカリ水および酸性水を除去する。
【0004】
また、米国特許第6,572,902号は、複数のナトリウムイオンと、複数の炭酸イオンと、複数の重炭酸イオンとを含むアルカリ水組成を開示している。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明の概要
本発明が提供する方法では、初期流にアルカリ塩を溶解するステップはさらに、低級アルキルカルボン酸のアルカリ塩を26ppm〜1321ppmの範囲で初期流に加えることによって供給流を生成し、電位をかけるステップにより得られたアルカリ水が上記範囲の下限では低pH、上記範囲の上限では高pHとなるようにするステップとして定義される。
【0006】
本発明は、全アルカリ度が40ppm〜510ppmに規定され、総溶解固形分が58ppm〜1000ppmに規定され、含有する水酸化物イオンがゼロであるアルカリ水組成を提供する。
【0007】
発明の利点
本発明は、水酸化物イオンがゼロであるアルカリ水を提供する。また、本発明は、pH変動に対して耐性があるアルカリ水を提供する。
【0008】
本発明は、水を電気分解するステップの際に発生する水酸化物イオンが取除かれたアルカリ水を作ることによって、水酸化物イオンがゼロであり、かつpH変動に対して耐性があるアルカリ水を生成する方法を提供する。
【0009】
本発明の他の利点は容易に理解されるであろう。それは、添付の図面に関連して考慮すると、以下の詳細な説明を参照することによってより良く理解される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】アルカリ水および酸性水を生成する方法の概略的な流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施可能な実施形態の説明
図面を参照すると(いくつかの図の全体にわたって、同じ番号は対応の部分を示す)、本発明に係るアルカリ水および酸性水を生成する方法の概略的な流れ図が図1に最も良く示される。
【0012】
本発明の一局面は、総溶解固形分(TDS)含有量が0ppm〜10ppmである水の初期流から、pHが10.0〜12.0であるアルカリ水と、酸性水とを生成する方法を提供する。当該方法は、少なくとも1つのカソードと、少なくとも1つのアノードと、少なくとも1つの多孔質膜フィルタとを有する電気分解装置を用いる。多孔質膜フィルタの粒度は、1μm以下である。一連の濾過システムおよび/または浄化システム(たとえば、限外濾過システムおよび逆浸透システム)内に水道水を送ることによって、総溶解固形分含有量が0ppm〜10ppmである水の初期流を得てもよい。代替的には、総溶解固形分含有量が0ppm〜10ppmである水の初期流を製造業者から直接購入してもよい。
【0013】
当該方法は、予め定められた少なくとも150°Fの温度まで初期流を加熱するステップを含む。初期流は、如何なる加熱源(たとえば温水器などであるが、これに限定されない)を用いて加熱してもよいことを理解すべきである。水の初期流を加熱した後、カチオンおよびアニオンのアルカリ塩を初期流に溶解することによって、アルカリ塩のカチオンおよびアニオンと、溶解していないアルカリ塩の残留物とを含有する供給流を生成する。
【0014】
当該方法の次のステップは、粒度が1μm以下である少なくとも1つの多孔質膜フィルタで供給流を濾過することによって、溶解していないアルカリ塩の残留物を供給流から除去するステップを含む。代替的には、複数のフィルタを互いに直列に配置することによって、溶解していないアルカリ塩の残留物を供給流から除去してもよい。次いで、供給流を殺菌する。供給流を殺菌するステップはさらに、供給流を少なくとも212°Fの沸騰温度まで少なくとも3分間加熱することによって、供給流を殺菌してバクテリアを取除くステップとして定義される。供給流は他の方法(たとえば紫外線(UV)浄化などであるが、これに限定されない)で殺菌してもよいことを理解すべきである。次に、カソード、アノード、および電気分解装置を殺菌する。カソード、アノード、および電気分解装置を殺菌するステップはさらに、pHが少なくとも11.5であるアルカリ性溶液で電気分解装置、カソード、およびアノードを洗浄するステップとして定義される。カソード、アノード、および電気分解装置は、他の方法(たとえばUV浄化および/またはオートクレーブの使用によるものであるが、これらに限定されない)で殺菌してもよいことを理解すべきである。
【0015】
当該方法の次のステップでは、予め定められた毎分3リットルの流量で供給流を電気分解装置内に送る。そうすると、供給流が電気分解されて、水が水素イオンおよび水酸化物イオンに解離し、カソード付近にはアルカリ水が生成されるとともに、アノード付近には酸性水が生成される。供給流を電気分解するステップは、カソードおよびアノードを、間隔をあけた関係で供給流内に挿入するステップと、カソードとアノードとの間に電位をかけるステップとをさらに含む。理論に縛られるものではないが、カソードとアノードとの間に電位をかけることによって、カソードとアノードとの間の電位は、個々の水分子を水素イオンおよび水酸化物イオンに解離させる。同時に、かけられた電位によってカソードとアノードとの間に電流が生じるため、水素イオンがアノードへ移動して酸性水が生成されるとともに、水酸化物イオンがカソードへ移動してアルカリ水が生成される。
【0016】
次いで、アルカリ水を除去する。アルカリ水を除去した後、アルカリ水を周囲空気および酸性水から隔離することによって、アルカリ水が周囲空気および酸性水と相互に作用することを防止する。アルカリ水と周囲空気との間の相互作用を防止するために、アルカリ水を負の雰囲気下で貯蔵してもよいことを理解すべきである。アルカリ水は、周囲空気中の二酸化炭素と反応しやすく、それにより当該アルカリ水のpHが減少する。そのため、アルカリ水を負の雰囲気中に貯蔵することによって、アルカリ水が周囲空気から隔離され、二酸化炭素とアルカリ水との間の相互作用が防止されてアルカリ水のpHが保たれる。同時に、酸性水を除去する。酸性水を除去した後、酸性水を周囲空気およびアルカリ水から隔離することによって、酸性水が周囲空気およびアルカリ水と相互に作用することを防止する。酸性水と周囲空気との間の相互作用を防止するために、酸性水を負の雰囲気下で貯蔵してもよいことを理解すべきである。
【0017】
初期流にアルカリ塩を溶解するステップはさらに、低級アルキルカルボン酸のアルカリ塩であるプロピオン酸ナトリウムを初期流に加えるステップとして定義される。プロピオン酸ナトリウムは26ppm〜1321ppmの範囲で加えられ、ナトリウムのカチオンと、プロピオン酸のアニオンと、溶解していないアルカリ塩の残留物であるプロピオン酸ナトリウムとを含有する供給流が生成される。電位をかけるステップにより得られたアルカリ水は、加えられたプロピオン酸ナトリウムによって、上記範囲の下限では低pH、上記範囲の上限では高pHとなる。言い換えると、初期流に加えられるプロピオン酸ナトリウムの量は、アルカリ水のpHに直接関係する。たとえば、少量のプロピオン酸ナトリウム(たとえば26ppm)を初期流に加えると、低pH(たとえば10.0)のアルカリ水が生成され、大量のプロピオン酸ナトリウム(たとえば1321ppm)を初期流に加えると、高pH(たとえば12.0)のアルカリ水が生成される。
【0018】
電位をかけるステップはさらに、カソードとアノードとの間に0.5V〜50Vの電位をかけるステップとして定義される。上記電位をかけることによって水素イオンがアノードの方へ移動し、pHが4.0〜5.0である酸性水が生成される。さらに、上記電圧をかけることによって水酸化物イオンがカソードの方へ移動し、pHが10.0〜12.0であるアルカリ水が生成される。同時に、上記電位をかけることによって、プロピオン酸のアニオンが水素ガス、二酸化炭素、およびエチレンに解離するとともに、二酸化炭素と水素ガスと水酸化物イオンとが反応することによって、アルカリ水に溶解した炭酸イオンと重炭酸イオンとが生じる。理論に縛られるものではないが、重炭酸イオンが水酸化物イオンと反応して炭酸イオンおよび水分子が生じることもある。当該方法により得られるアルカリ水は、10ppm〜150ppm存在するナトリウムイオンと、31ppm〜440ppm存在する炭酸イオンと、9ppm〜70ppm存在する重炭酸イオンとを含有する。また、アルカリ水は、含有する水酸化物イオンがゼロであり、全アルカリ度が40ppm〜510ppmに規定され、総溶解固形分が58ppm〜1000ppmに規定される。
【0019】
本発明の別の局面は、アルカリ水組成を提供することである。アルカリ水組成は、10ppm〜150ppm存在する複数のナトリウムイオンと、31ppm〜440ppm存在する複数の炭酸イオンと、9ppm〜70ppm存在する複数の重炭酸イオンとを含む。また、アルカリ水組成は、含有する水酸化物イオンがゼロであり、全アルカリ度が40ppm〜510ppmに規定され、総溶解固形分が58ppm〜1000ppmに規定される。アルカリ水のpHは10.0〜12.0であり、硬度(hardness rating)は3.5〜10.0であり、ランゲリア指数は0.37〜2.20である。また、アルカリ水組成は−220mV〜−280mVの酸化還元電位(ORP:Oxidation-Reduction Potential)を有することによって、アルカリ水に防食特性および酸化防止特性を与える。
【0020】
本発明のより良い理解のために、本発明の例示的実施例を以下に示す。例示的実施例は説明を目的としたものにすぎず、本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例】
【0021】
実施例1
総溶解固形分が0ppmである水の初期流をArrowhead Distilled社から直接購入する。初期流を150°Fまで加熱する。プロピオン酸ナトリウム0.25g(26ppm)を初期流に加え、供給流を生成する。粒度が1μm以下である第1のフィルタによって、溶解していないプロピオン酸ナトリウムの残留物を供給流から除去する。次いで、供給流を少なくとも212°Fの沸騰温度まで少なくとも3分間加熱することによって、供給流を殺菌してバクテリアを供給流から除去する。34.32Vの電位をかけることにより供給流を電気分解することによって、カソード付近にアルカリ水、アノード付近に酸性水を生成する。結果は、Western Environmental Testing Laboratoryによって分析された。アルカリ水の組成およびアルカリ水の特性を、それぞれ下記の表1および表2に示す。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】
実施例2
総溶解固形分が0ppmである水の初期流をArrowhead Distilled社から直接購入する。初期流を150°Fまで加熱する。プロピオン酸ナトリウム4g(400ppm)を初期流に加え、供給流を生成する。粒度が1μm以下である第1のフィルタによって、溶解していないプロピオン酸ナトリウムの残留物を供給流から除去する。次いで、供給流を少なくとも212°Fの沸騰温度まで少なくとも3分間加熱することによって、供給流を殺菌してバクテリアを供給流から除去する。21.15Vの電位をかけることにより供給流を電気分解することによって、カソード付近にアルカリ水、アノード付近に酸性水を生成する。結果は、Western Environmental Testing Laboratoryによって分析された。アルカリ水の組成およびアルカリ水の特性を、それぞれ下記の表3および表4に示す。
【0025】
【表3】
【0026】
【表4】
【0027】
実施例3
総溶解固形分が0ppmである水の初期流をArrowhead Distilled社から直接購入する。初期流を150°Fまで加熱する。プロピオン酸ナトリウム0.5g(66ppm)を初期流に加え、供給流を生成する。粒度が1μm以下である第1のフィルタによって、溶解していないプロピオン酸ナトリウムの残留物を供給流から除去する。次いで、供給流を少なくとも212°Fの沸騰温度まで少なくとも3分間加熱することによって、供給流を殺菌してバクテリアを供給流から除去する。32Vの電位をかけることにより供給流を電気分解することによって、カソード付近にアルカリ水、アノード付近に酸性水を生成する。結果は、Western Environmental Testing Laboratoryによって分析された。アルカリ水の組成およびアルカリ水の特性を、それぞれ下記の表5および表6に示す。
【0028】
【表5】
【0029】
【表6】
【0030】
実施例4
総溶解固形分が0ppmである水の初期流をArrowhead Distilled社から直接購入する。初期流を150°Fまで加熱する。プロピオン酸ナトリウム2.5g(250ppm)を初期流に加え、供給流を生成する。粒度が1μm以下である第1のフィルタによって、溶解していないプロピオン酸ナトリウムの残留物を供給流から除去する。次いで、供給流を少なくとも212°Fの沸騰温度まで少なくとも3分間加熱することによって、供給流を殺菌してバクテリアを供給流から除去する。20Vの電位をかけることにより供給流を電気分解することによって、カソード付近にアルカリ水、アノード付近に酸性水を生成する。結果は、Western Environmental Testing Laboratoryによって分析された。アルカリ水の組成およびアルカリ水の特性を、それぞれ下記の表7および表8に示す。
【0031】
【表7】
【0032】
【表8】
【0033】
当然ながら、上述の教示内容を踏まえて本発明の多くの修正および変更が可能であり、これらの修正および変更は、添付の請求項の範囲内である限り、具体的に説明したものと異なるやり方で実践され得る。請求項における先行技術の部分は、「を特徴とする(characterized by)」の節で説明される新規部分の前に記載される。新規部分は、「を特徴とする」の節において特定的かつ明確に記載されるように意図している。一方、前提部の記載は、本発明が存する既存かつ周知の組合せを説明するものにすぎない。これらの前提部の記載は、本発明の新規部分がその有用性を発揮する如何なる組合せもカバーするように解釈されるべきである。装置の請求項における「said(前記)」という単語の使用は、請求項がカバーする範囲に含まれることが意図された積極的な記載である前置語を指しており、一方、「the」という単語は、請求項がカバーする範囲に含まれることが意図されていない単語の前に記載される。さらに、請求項における参照番号は便宜のためのものにすぎず、決して限定するものとして解釈すべきものではない。
図1