特許第6838114号(P6838114)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6838114無線通信システムにおいてサイドリンク重複受信の初期化を改善するための方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6838114
(24)【登録日】2021年2月15日
(45)【発行日】2021年3月3日
(54)【発明の名称】無線通信システムにおいてサイドリンク重複受信の初期化を改善するための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 92/18 20090101AFI20210222BHJP
   H04W 80/02 20090101ALI20210222BHJP
   H04W 4/40 20180101ALI20210222BHJP
   H04W 72/04 20090101ALI20210222BHJP
【FI】
   H04W92/18
   H04W80/02
   H04W4/40
   H04W72/04 111
【請求項の数】20
【外国語出願】
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2019-161908(P2019-161908)
(22)【出願日】2019年9月5日
(65)【公開番号】特開2020-43561(P2020-43561A)
(43)【公開日】2020年3月19日
【審査請求日】2019年11月1日
(31)【優先権主張番号】62/729,148
(32)【優先日】2018年9月10日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517114621
【氏名又は名称】華碩電腦股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】潘 立▲徳▼
(72)【発明者】
【氏名】郭 豊旗
(72)【発明者】
【氏名】曾 立至
【審査官】 齋藤 浩兵
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2016/013590(WO,A1)
【文献】 特表2017−538383(JP,A)
【文献】 国際公開第2017/194326(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0215825(US,A1)
【文献】 特表2017−518667(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24−7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ機器(UE)の方法であって、
サイドリンク無線ベアラ(SLRB)に関連付けられた論理チャネルで、最初の第1のPDCP(Packet Data Convergence Protocol)PDU(Protocol Data Unit)を受信することと、
部分Reordering_Windowおよび前記最初の第1のPDCP PDUのSN(Sequence Number)に基づいて第1の状態変数を初期化することであって、前記第1の状態変数は、前記SLRBのために作成されたPDCPエンティティによって上位レイヤに引き渡された最後のPDCP SDU(Service Data Unit)のPDCP SNを示し、該部分Reordering_WindowはReordering_Windowより小さい、初期化することと、
前記第1の状態変数を使用して、前記最初の第1のPDCP PDUに対して再オーダリング手順を実行することと、を含む方法。
【請求項2】
前記第1の状態変数は、前記最初の第1のPDCP PDUのPDCP SN>=前記部分Reordering_Windowである場合、前記最初の第1のPDCP PDUのPDCP SN−前記部分Reordering_Windowに設定される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の状態変数は、前記最初の第1のPDCP PDUのPDCP SN<前記部分Reordering_Windowである場合、前記最初の第1のPDCP PDUのPDCP SN+前記Reordering_Window+前記部分Reordering_Windowに設定される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記部分Reordering_Windowは、1/2Reordering_Windowである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記Reordering_Windowは、PDCP SN空間の半分である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記Reordering_Windowは、32768である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の状態変数が、Last_Submitted_PDCP_RX_SNである、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
サイドリンク無線ベアラ(SLRB)に関連付けられた論理チャネルで第2のPDCP PDUを受信することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第2のPDCP PDUのPDCP SNが前記第1の状態変数以下の場合、前記第2のPDCP PDUに対して前記再オーダリング手順を実行して、前記第2のPDCP PDUを破棄することをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第2のPDCP PDUのPDCP SNが前記第1の状態変数より大きい場合、前記第2のPDCP PDUに対して前記再オーダリング手順を実行して、前記第2のPDCP PDUのPDCP SDUを記憶する、あるいは前記第2のPDCP PDUのPDCP SDUを上位レイヤに引き渡すことをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
ユーザ機器(UE)であって、
制御回路と、
前記制御回路に設けられたプロセッサと、
前記制御回路に取り付けられ、プロセッサに結合されたメモリと、を含み、
前記プロセッサは、前記メモリに記憶されたプログラムコードを実行して、
サイドリンク無線ベアラ(SLRB)に関連付けられた論理チャネルで、最初の第1のPDCP(Packet Data Convergence Protocol)PDU(Protocol Data Unit)を受信することと、
部分Reordering_Windowおよび前記最初の第1のPDCP PDUのSN(Sequence Number)に基づいて第1の状態変数を初期化することであって、前記第1の状態変数は、前記SLRBのために作成されたPDCPエンティティによって上位レイヤに引き渡された最後のPDCP SDU(Service Data Unit)のPDCP SNを示し、該部分Reordering_WindowはReordering_Windowより小さい、初期化することと、
前記第1の状態変数を使用して、前記最初の第1のPDCP PDUに対して再オーダリング手順を実行することと、を行うように構成されている、UE。
【請求項12】
前記第1の状態変数は、前記最初の第1のPDCP PDUのPDCP SN>=前記部分Reordering_Windowである場合、前記最初の第1のPDCP PDUのPDCP SN−前記部分Reordering_Windowに設定される、請求項11に記載のUE。
【請求項13】
前記第1の状態変数は、前記最初の第1のPDCP PDUのPDCP SN<前記部分Reordering_Windowである場合、前記最初の第1のPDCP PDUのPDCP SN+前記Reordering_Window+前記部分Reordering_Windowに設定される、請求項11に記載のUE。
【請求項14】
前記部分Reordering_Windowは、1/2Reordering_Windowである、請求項11に記載のUE。
【請求項15】
前記Reordering_Windowは、PDCP SN空間の半分である、請求項11に記載のUE。
【請求項16】
前記Reordering_Windowは、32768である、請求項11に記載のUE。
【請求項17】
前記第1の状態変数が、Last_Submitted_PDCP_RX_SNである、請求項11に記載のUE。
【請求項18】
前記プロセッサが、サイドリンク無線ベアラ(SLRB)に関連付けられた論理チャネルで第2のPDCP PDUを受信することをさらに行うように構成されている、請求項11に記載のUE。
【請求項19】
前記プロセッサが、前記第2のPDCP PDUのPDCP SNが前記第1の状態変数以下の場合、前記第2のPDCP PDUに対して前記再オーダリング手順を実行して、前記第2のPDCP PDUを破棄することをさらに行うように構成されている、請求項18に記載のUE。
【請求項20】
前記プロセッサが、前記第2のPDCP PDUのPDCP SNが前記第1の状態変数より大きい場合、前記第2のPDCP PDUに対して前記再オーダリング手順を実行して、前記第2のPDCP PDUのPDCP SDUを記憶し、あるいは前記第2のPDCP PDUのPDCP SDUを上位レイヤに引き渡すことをさらに行うように構成されている、請求項18に記載のUE。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2018年9月10日に出願された米国仮特許出願第62/729,148号の利益を主張するものであり、そのすべての開示は全体として参照により本明細書に援用される。
【0002】
この開示は、概して、無線通信ネットワークに関連し、より詳細には、無線通信システムにおいてサイドリンク重複受信の初期化を改善するための方法および装置に関連する。
に関連する。
【背景技術】
【0003】
移動体通信デバイスとの大量データの通信に対する要求が急速に高まる中、従来の移動体音声通信ネットワークは、インターネットプロトコル(IP)データパケットをやり取りするネットワークへと発展している。そのようなIPデータパケット通信は、移動体通信デバイスのユーザに、ボイスオーバIP、マルチメディア、マルチキャスト、およびオンデマンド通信サービスを提供可能である。
【0004】
例示的なネットワーク構造は、発展型ユニバーサル地上無線アクセスネットワーク(E−UTRAN)である。E−UTRANシステムは、上記のボイスオーバIPおよびマルチメディアサービスを実現するために、高いデータスループットを提供可能である。現在、次世代(例えば、5G)の新しい無線技術が3GPP標準化機構によって論じられている。このため、現行の3GPP標準内容に対する変更が現在提出され、3GPP標準の発展および確定に向けて検討されている。
【発明の概要】
【0005】
一方法では、ユーザ機器(UE)は、サイドリンク無線ベアラ(SLRB)に関連付けられた論理チャネルで第1のPDCP(Packet Data Convergence Protocol)PDU(Protocol Data Unit)を受信する。UEは、部分Reordering_Windowおよび受信した第1のPDCP PDUのSN(Sequence Number)に基づいて第1の状態変数を初期化することであって、第1の状態変数は、SLRBのために作成されたPDCPエンティティによって上位レイヤに引き渡された最後のPDCP SDU(Service Data Unit)のPDCP SNを示し、部分Reordering_WindowはReordering_Windowより小さい。UEは、第1の状態変数を使用して、第1のPDCP PDUに対して再オーダリング手順を実行する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】1つの例示的な実施形態による無線通信システムの図を示す。
図2】1つの例示的な実施形態による送信機システム(アクセスネットワークとしても知られている)および受信機システム(ユーザ機器またはUEとしても知られている)のブロック図である。
図3】1つの例示的な実施形態による通信システムの機能ブロック図である。
図4】1つの例示的な実施形態による図3のプログラムコードの機能ブロック図である。
図5】3GPP TS36.300 v15.2.0から取得したCAが設定されるサイドリンクについてのレイヤ2構造を示す図6.4−xの複製である。
図6】3GPP TS36.321 v15.2.0から取得したSL−SCHについてのLCIDの値のリストである表6.2.4−1の複製である。
図7】3GPP TS36.321 v15.2.0から取得したFフィールドの値のリストである表6.2.4−2の複製である。
図8】サイドリンクパケット重複のための送信動作の例示的な実施形態を示す。
図9】サイドリンクパケット重複のための受信動作の例示的な実施形態を示す。
図10】ユーザ機器(UE)の観点からの1つの例示的な実施形態についてのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に説明する例示的な無線通信システムおよびデバイスは、無線通信システムを採用し、ブロードキャストサービスをサポートする。無線通信システムは、音声、データ等の様々なタイプの通信を提供するように広く展開されている。これらのシステムは、符号分割多元接続(CDMA)、時間分割多元接続(TDMA)、直交周波数分割多元接続(OFDMA)、3GPP LTE(ロング・ターム・エボリューション)無線アクセス、3GPP LTE−AもしくはLTE−Advanced(ロング・ターム・エボリューション・アドバンスト)、3GPP2 UMB(Ultra Mobile Broadband:超モバイル広帯域)、WiMax、5Gのための3GPP NR(New Radio)無線アクセス、またはその他何らかの変調技術に基づいてよい。
【0008】
特に、以下に説明する例示的な無線通信システムおよびデバイスは、本明細書において3GPPと呼ばれる「第3世代パートナーシッププロジェクト」という名称のコンソーシアムにより提示される標準などの1つ以上の標準をサポートするように設計されてよく、その標準は、TS36.300 v15.2.0, Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA), Overall description, Stage 2; TS36.321 v15.2.0, Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA), Medium Access Control (MAC) protocol specification; TS36.323 v15.0.0, Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA); Packet Data Convergence Protocol (PDCP) specification;およびR2-1812809, LG, “Handling of the first received PDCP PDU located outside of the reordering window”を含む。上記に挙げた標準および文書は、全体として参照により本明細書に明示的に援用される。
【0009】
図1は、本発明の一実施形態に係る多重アクセス無線通信システムを示している。アクセスネットワーク100(AN)は、複数のアンテナグループを含み、あるグループは104および106、別のグループは108および110、また別のグループは112および114を含む。図1においては、各アンテナグループに対して、アンテナが2つしか示されていないが、より多くのあるいはより少ないアンテナが各アンテナグループに利用されてよい。アクセス端末116(AT)は、アンテナ112および114と通信しており、アンテナ112および114は、順方向リンク120を介して情報をアクセス端末116に送信すると共に、逆方向リンク118を介して情報をアクセス端末116から受信している。アクセス端末(AT)122は、アンテナ106および108と通信しており、アンテナ106および108は、順方向リンク126を介して情報をアクセス端末(AT)122に送信すると共に、逆方向リンク124を介して情報をアクセス端末(AT)122から受信している。FDDシステムにおいては、通信リンク118、120、124、および126は通信に異なる周波数を使用してよい。例えば、順方向リンク120では、逆方向リンク118によって使用される周波数とは異なる周波数を使用してよい。
【0010】
アンテナの各グループおよび/またはアンテナが通信するように設計されたエリアは、アクセスネットワークのセクターと称することが多い。本実施形態において、アンテナグループはそれぞれ、アクセスネットワーク100によってカバーされるエリアのセクターにおいて、アクセス端末と通信するように設計されている。
【0011】
順方向リンク120および126を介した通信において、アクセスネットワーク100の送信アンテナは、異なるアクセス端末116および122に対する順方向リンクの信号対雑音比を改善するために、ビームフォーミングを利用してよい。また、カバレッジにランダムに分散したアクセス端末への送信にビームフォーミングを使用するアクセスネットワークは、1つのアンテナからすべてのそのアクセス端末に送信を行うアクセスネットワークよりも、隣接セルのアクセス端末への干渉が少ない。
【0012】
アクセスネットワーク(AN)は、端末と通信するのに使用される固定局または基地局でよく、アクセスポイント、ノードB、基地局、拡張型基地局、進化型ノードB(eNB)、ネットワークノード、ネットワークまたはその他何らかの専門用語で呼ばれることもある。アクセス端末(AT)は、ユーザ機器(UE)、無線通信デバイス、端末、アクセス端末、またはその他何らかの専門用語で呼ばれることもある。
【0013】
図2は、MIMOシステム200における送信機システム210(アクセスネットワークとしても知られている)および受信機システム250(アクセス端末(AT)またはユーザ機器(UE)としても知られている)の実施形態の簡易ブロック図である。送信機システム210では、多くのデータストリームのトラフィックデータがデータ源212から送信(TX)データプロセッサ214に提供される。
【0014】
一実施形態において、各データストリームは、それぞれの送信アンテナを介して送信される。TXデータプロセッサ214は、データストリームに対して選択された特定の符号化方式に基づいて、各データストリームについてのトラフィックデータをフォーマット、符号化、およびインターリーブして、符号化データを提供する。
【0015】
各データストリームについての符号化データを、OFDM技術を使用してパイロットデータと多重化してよい。パイロットデータは、代表的には、既知の様態で処理される既知のデータパターンであり、受信機システムでチャネル応答を推定するのに使用されてよい。そして、各データストリームについての多重化パイロットおよび符号化データは、データストリームに対して選択された特定の変調方式(例えば、BPSK、QPSK、M−PSK、またはM−QAM)に基づいて変調(すなわち、シンボルマッピング)されて、変調シンボルを提供する。各データストリームについてのデータレート、符号化、および変調は、プロセッサ230により実行される命令によって決定されてよい。
【0016】
そして、すべてのデータストリームについての変調シンボルはTX MIMOプロセッサ220に与えられ、これが(例えば、OFDMの場合に)変調シンボルをさらに処理してよい。そして、TX MIMOプロセッサ220は、N個の変調シンボルストリームをN個の送信機(TMTR)222a〜222tに提供する。特定の実施形態において、TX MIMOプロセッサ220は、ビームフォーミング加重をデータストリームのシンボルおよびシンボルが送信されているアンテナに適用する。
【0017】
各送信機222は、各シンボルストリームを受信および処理して1つ以上のアナログ信号を提供し、さらに、アナログ信号を調節(例えば、増幅、フィルタリング、およびアップコンバート)して、MIMOチャネルを介した送信に適した変調信号を提供する。そして、送信機222a〜222tからのN個の変調信号がそれぞれ、N個のアンテナ224a〜224tから送信される。
【0018】
受信機システム250においては、送信された変調信号はN個のアンテナ252a〜252rによって受信され、各アンテナ252からの受信信号は、各受信機(RCVR)254a〜254rに提供される。各受信機254は、それぞれの受信信号を調節(例えば、フィルタリング、増幅、およびダウンコンバート)して、調節された信号をディジタル化してサンプルを与え、さらに、これらのサンプルを処理して対応する「受信」シンボルストリームを提供する。
【0019】
そして、RXデータプロセッサ260は、特定の受信機処理技術に基づいて、N個の受信機254からのN個の受信シンボルストリームを受信および処理して、N個の「検出」シンボルストリームを提供する。そして、RXデータプロセッサ260は、各検出シンボルストリームを復調、デインターリーブ、および復号して、データストリームについてのトラフィックデータを復元する。RXデータプロセッサ260による処理は、送信機システム210でのTX MIMOプロセッサ220およびTXデータプロセッサ214により実行される処理と相補的である。
【0020】
プロセッサ270は、どのプリコーディングマトリクス(後述)使用するかを定期的に決定する。プロセッサ270は、マトリクス指標部およびランク値部を含む逆方向リンクメッセージを構築する。
【0021】
逆方向リンクメッセージは、通信リンクおよび/または受信データストリームに関する様々なタイプの情報を含んでよい。そして、逆方向リンクメッセージは、データ源236からの多くのデータストリームについてのトラフィックデータも受信するTXデータプロセッサ238により処理され、変調器280により変調され、送信機254a〜254rにより調節され、送信機システム210に送り戻される。
【0022】
送信機システム210では、受信機システム250からの変調信号がアンテナ224により受信され、受信機222により調節され、復調器240により復調され、RXデータプロセッサ242により処理されて、受信機システム250により送信された逆方向リンクメッセージを抽出する。そして、プロセッサ230は、ビームフォーミング加重を決定するのにどのプリコーディングマトリクスを使用するかを決定し、そして、抽出されたメッセージを処理する。
【0023】
図3を参照すると、この図は、本発明の一実施形態による通信デバイスの代替的な簡易機能ブロック図を示している。図3に示されるように、無線通信システムにおける通信デバイスは、図1のUE(若しくはAT)116および122または図1の基地局(若しくはAN)100を実現するのに利用可能であり、無線通信システムは、好ましくはLTEシステムまたはNRシステムである。通信デバイスは、入力デバイス302、出力デバイス304、制御回路306、中央演算処理装置(CPU)308、メモリ310、プログラムコード312、およびトランシーバ314を含んでよい。制御回路306は、CPU308を介してメモリ310内のプログラムコード312を実行することにより、通信デバイスの動作を制御する。通信デバイス300は、キーボード、キーパッド等の入力デバイス302を介してユーザにより入力された信号を受信することができ、モニタ、スピーカ等の出力デバイス304を介して画像および音声を出力することができる。トランシーバ314は、無線信号を受信および送信するのに使用され、受信信号を制御回路306に伝達すると共に、制御回路306により生成された信号を無線で出力する。無線通信システムにおける通信デバイス300は、図1のAN100を実現するのにも利用可能である。
【0024】
図4は、本発明の一実施形態による図3に示すプログラムコード312の簡易ブロック図である。本実施形態において、プログラムコード312は、アプリケーションレイヤ400、レイヤ3部402、およびレイヤ2部404を含み、レイヤ1部406に結合されている。レイヤ3部402は一般的に、無線リソース制御を実行する。レイヤ2部404は一般的に、リンク制御を実行する。レイヤ1部406は一般的に、物理的接続を実行する。
【0025】
3GPP TS 36.300 v15.2.0は、以下の事項を開示している:
[外1]
図5(CAが設定されるサイドリンクについてのレイヤ2構造を示す図6.4−xの複製)
[外2]
【0026】
3GPP TS 36.321 v15.2.0は、以下の事項を開示している:
[外3]
図6(SL−SCHについてのLCIDの値のリストである表6.2.4−1の複製)
図7(Fフィールドの値のリストである表6.2.4−2の複製)
【0027】
3GPP TS 36.323 v15.0.0は、以下の事項を開示している:
[外4]
【0028】
3GPP R2−1812809は、以下の事項を開示している:
[外5]
【0029】
3GPP TS 36.300 v15.2.0によれば、キャリア・アグリゲーション(CA)がセルラーV2X(Vehicle-to-Everything)サイドリンク通信に対してサポートされ、サイドリンクでのCAはカバレッジ内UEとカバレッジ外UEの両方に適用される。追加的に、サイドリンクパケット重複がV2Xサイドリンク通信に対してサポートされることになっており、UEのPDCP(Packet Data Convergence Protocol)レイヤで実行され得る。送信のためのサイドリンクパケット重複の場合、PDCP PDU(Protocol Data Unit)はPDCPエンティティで複製される。同じPDCPエンティティの重複したPDCP PDUは、それぞれ、2つの異なるRLC(Radio Link Control)エンティティに提出され/引き渡され、2つの異なるサイドリンク論理チャネルに関連付けられる。同じPDCPエンティティの重複したPDCP PDUは、異なるサイドリンクキャリアでのみ送信が許可される。UEは、事前設定または設定に基づいて、サイドリンクパケット重複をアクティブまたは非アクティブにすることができる。サイドリンクパケット重複がサポートされるPPPR(ProSe Per-Packet Reliability)値は、PPPRしきい値を介して事前設定または設定されることができる。UE自律リソース選択およびスケジュールされたリソース割り当ての場合、UEは、パケット重複がこれらのPPPR値に対して設定解除されるまで、設定されたPPPR値を有するデータに対してサイドリンクパケット重複を実行するものとする。スケジュールされたリソース割り当ての場合、UEは、1つ以上のPPPR値に関連付けられたデータ量と、そのデータが属する宛先を、サイドリンクBSR(Buffer Status Report)を介して報告する。論理チャネル・グループへのPPPR値のマッピングは、進化型ノードB(eNB)によって設定することができ、PPPR値は、サイドリンクBSRに含まれる関連付けられた論理チャネル・グループIDによって反映される。PPPR値のリストは、RRC_CONNECTED UEによってサイドリンクUE情報で報告され得る。スケジュールされたリソース割り当てを使用するUEに対して、2つの重複しないキャリアセットが、UEによってネットワークに報告される宛先毎にeNBによって設定され、それらは、サイドリンクパケット重複が設定されるすべてのPPPRに適用される。次いで、UEは、同じPDCPエンティティに対応する2つの重複サイドリンク論理チャネルを、それぞれ、2つのサイドリンク論理チャネルの宛先に設定された2つのキャリアセットに関連付ける。宛先は、(送信側の)UEがサイドリンク通信伝送を行う1つ以上の(受信側の)UEに対応する識別(identity)とすることができる。複製されたサイドリンク論理チャネルとキャリアセットの間の関連付けは、UE実装に基づく。重複したサイドリンク論理チャネルのデータは、関連付けられたキャリアセット内のキャリアでのみ送信することができる。
【0030】
図8は、サイドリンクパケット重複のための送信動作の例を示す。
【0031】
(送信側の)UEは、サイドリンク無線ベアラ(SLRB)で(宛先へ)送信可能なデータを有してよい。SLRBは、信頼性値(例えば、PPPR)と関連付けられることができる。信頼性値は、閾値よりも低いことがある。UEは、SLRBでサイドリンクパケット重複を実行してよい。UEはPDCP PDUを複製することができる。UEは、PDCP PDUとPDCP PDUの複製を、SLRBに関連付けられた2つの異なるRLCエンティティ/レイヤに引き渡すことができる。UEは、PDCP PDUをSLRBに関連付けられた第1の無線リンク制御(RLC)エンティティ/レイヤに引き渡すことができる。UEは、PDCP PDUの複製をSLRBに関連付けられた第2のRLCエンティティ/レイヤに引き渡すことができる。UEには、SLRBでのサイドリンクパケット重複が設定され得る。UEは、SLRBでのサイドリンク送信に使用される状態変数またはパラメータを維持することができる。状態変数またはパラメータはNext_PDCP_TX_SNとすることができる。状態変数またはパラメータは、TX_HFNとすることができる。サイドリンクパケット重複の場合、UEは第1の範囲(例えば、LCH1〜LCH10、「00001」〜「01010」など)から非重複論理チャネルを選択してよい。サイドリンクパケット重複の場合、UEは、第2の範囲(例えば、LCH11〜LCH20、「01011」〜「10100」など)から重複論理チャネルを選択してよい。第1の範囲の値は、逐次的にそれぞれ第2の範囲のどの値の論理チャネルから複製RLCサービスデータユニット(SDU)を送信するのに使用される論理チャネル識別してよい。この例では、UEは、サイドリンクパケット重複のために、第1の論理チャネル(例えば、LCH1)および第2の論理チャネル(例えば、LCH11)を使用してよい。UEは、第1の論理チャネルにサービスするために、第1のキャリア(例えば、Carrier1)を使用してよい。UEは、第2の論理チャネルにサービスを提供するために第2のキャリア(例えば、Carrier2)を使用してよい。
【0032】
図9は、サイドリンクパケット重複のための受信動作の例を示す。
【0033】
3GPP R2−1812809によれば、送信側のUEが特定のサービス(例えばV2X)のためのパケットをブロードキャストする場合、受信側のUEは、特定のサービスの開始部分または中間部分のためのものである可能性があるブロードキャストされたパケットを受信することができる。3GPP TS36.323 v.15.0.0に基づき、受信側のPDCPエンティティが確立される場合、再オーダリングウィンドウの範囲は0から32767である。さらに、再オーダリング手順(re-ordering procedure)では、受信側のPDCPエンティティは、PDCP SDUが上位レイヤに引き渡される場合にのみ、再オーダリングウィンドウの下側エッジを更新する。受信側のUEが特定のサービスセッションの途中でブロードキャストパケットを受信し始める場合、受信した第1のPDCP PDUのPDCPシーケンス番号(SN)が再オーダリング手順の再オーダリングウィンドウから外れている場合、受信した第1のPDCP PDUは再オーダリング手順で破棄される。また、受信した第1のPDCP PDUに続くPDCP PDUも、再オーダリングウィンドウ内のPDCP SNを有するPDCP PDUを受信するまで破棄される。一方、受信した第1のPDCP PDUのPDCP SNが再オーダリングウィンドウに位置する場合、受信側のUEは、t-Reorderingタイマが満了するまで、この受信した第1のPDCP PDUの結果として得られたPDCP SDUを記憶する。この状況は、特定のサービスの配信遅延を引き起こす可能性がある。従って、3GPP R2−1812809で提案された上記の問題に対する解決策の概念は、受信側のUEが受信した第1のPDCP PDUのPDCP SNに再オーダリングウィンドウの下側エッジを更新できる、すなわち、Last_Submitted_PDCP_RX_SNが受信した第1のPDCP PDUのPDCP SNに設定される、というものである。この状況では、受信側のUEが3GPP TS36.323 v15.0.0に開示されているような現在のPDCP仕様に従う場合、受信側のUEは受信した第1のPDCP PDUを破棄する。なぜなら、このPDCP PDUは依然として再オーダリングウィンドウから外れているからである。例えば、受信した第1のPDCP PDUのPDCP SNが4000であり、Last_Submitted_PDCP_RX_SNが3GPP R2−1812809での概念に基づいて4000に設定される。この状況では、再オーダリング手順における“0<=Last_Submitted_PDCP_RX_SN(すなわち、4000)−受信したPDCP SN(すなわち、4000)<再オーダリングウィンドウ(すなわち、32768)”の条件が満たされる。その結果、受信側のUEは依然として受信した第1のPDCP PDUを破棄する。受信した第1のPDCP PDUを誤って破棄することを避けるために、2つの異なる方向性を考慮することができる。第1の方向性は、受信した第1のPDCP PDUが再オーダリング手順を経験する(go through)ことであり、第2の方向性は、受信した第1のPDCP PDUが再オーダリング手順を経験しないことである。
【0034】
方向性1:SLRBに関連付けられた論理チャネルで第1のPDCP PDUを受信し、第1のPDCP PDUのPDCP SNが0に等しくない場合、受信側のUEは第1の状態変数Last_Submitted_PDCP_RX_SNを第1のPDCP PDUのPDCP SNよりも小さい値に設定する。原則として、第1の状態変数Last_Submitted_PDCP_RX_SNは、第1のPDCP PDUのPDCP SNが再オーダリング手順の再オーダリングウィンドウ内にあるように適切に設定されるべきである。言い換えれば、第1の状態変数Last_Submitted_PDCP_RX_SNは、第1のPDCP PDUのPDCP SNがReordering_Window未満である場合には、Reordering_Window+第1のPDCP PDUのPDCP SN以上とするべきであり、あるいは第1の状態変数Last_Submitted_PDCP_RX_SNは、第1のPDCP PDUのPDCP SNがReordering_Window以上である場合には、第1のPDCP PDUのPDCP SN−Reordering_Windowとする以上とするべきである。1つのシナリオでは、第1の状態変数Last_Submitted_PDCP_RX_SNを第1のPDCP PDUのPDCP SN−1に設定することができる。第1のPDCP PDUのPDCP SNが0に等しい場合、第1の状態変数Last_Submitted_PDCP_RX_SNをMaximum_PDCP_SNに設定するか、あるいはMaximum_PDCP_SN未満で、Reordering_Window以上の値に設定することができる(シーケンス番号の折り返しを考慮して)。受信側のUEは、上記の第1の状態変数Last_Submitted_PDCP_RX_SNを使用して第1のPDCP PDUに対する順序変更手順を、実行することができる。第1のPDCP PDUのPDCP SDUは、再オーダリング手順において上位レイヤに引き渡される。
【0035】
別のシナリオでは、上記に開示された例に従うと、Last_Submitted_PDCP_RX_SNは、3999(=4000−1)(第1のPDCP PDUを受信する場合/とき)に設定することができる。
【0036】
別のシナリオでは、第1のPDCP PDUを受信すると、受信側のUEはさらに、第2の状態変数Next_PDCP_RX_SNを第1のPDCP PDUのSN以上の値に設定し、受信側のUEは、第1の状態変数Last_Submitted_PDCP_RX_SNと(上記で設定された)2番目の状態変数Next_PDCP_RX_SNを使用して、第1のPDCP PDUに対する再オーダリング手順を実行することができる。
【0037】
方向性2:SLRBに関連付けられた論理チャネルで第1のPDCP PDUを受信し、第1のPDCP PDUのPDCP SNが0に等しくない場合、受信側のUEは第1の状態変数Last_Submitted_PDCP_RX_SNを第1のPDCP PDUのPDCP SNに設定する。1つのシナリオでは、受信側のUEは、第1のPDCP PDUのPDCP SDUを上位レイヤに引き渡すことができる。別のシナリオでは、受信側のUEは、PDCP SDUを上位レイヤに引き渡した後、第1の状態変数Last_Submitted_PDCP_RX_SNを第1のPDCP PDUのPDCP SNに設定することができる。受信側のUEは、上記のように設定された第1の状態変数Last_Submitted_PDCP_RX_SNを使用して、第1のPDCP PDUの後に受信したPDCP PDUに対して再オーダリング手順を実行することができる。基本的に、受信側のUEは、(第1の状態変数Last_Submitted_PDCP_RX_SNを使用して、)第1のPDCP PDUに対して再オーダリング手順を実行しない。
【0038】
別の実施形態では、上記に開示された例に従うと、Last_Submitted_PDCP_RX_SNは4000に設定することができる。
【0039】
別の実施形態では、第1のPDCP PDUを受信すると、受信側のUEはさらに、第2の状態変数Next_PDCP_RX_SNを、第1のPDCP PDUのPDCP SN+1以上の値に設定することができる。第1のPDCP PDUのPDCP SNがMaximum_PDCP_SNに等しいか、またはそれに近い場合、第2の状態変数Next_PDCP_RX_SNは0に設定されるか、あるいは0より大きい値に設定することができる(シーケンス番号の折り返しを考慮して)。受信側のUEは、第1の状態変数Last_Submitted_PDCP_RX_SNおよび第2の状態変数Next_PDCP_RX_SNを使用して、第1のPDCP PDUの後に受信したPDCP PDUに対して再オーダリング手順を実行することができる。
【0040】
以下の事項は、上記に開示した両方の方向性における解決策に適用することができる。
【0041】
一実施形態では、第1のPDCP PDUを受信すると、受信側のUEは、再オーダリング手順のために、第3の状態変数RX_HFNを初期値(例えば、0)に設定することができる。
【0042】
一実施形態では、UEは、PDCP SNが0に等しくない第1のPDCP PDUを受信したら、サイドリンク重複がSLRBに対して設定または有効化されると検出することができる。
【0043】
一実施形態では、論理チャネルは、重複論理チャネルまたは非重複論理チャネルのいずれかとすることができる。
【0044】
送信側のUEは、受信側のUEで最初に受信するPDCP PDUであって、送信側のUEによって送信するPDCP PDUよりも前に送信側のUEがいくつかのPDCP PDUを送信できた可能性があるため、受信側のUEは、受信した第1のPDCP PDUを受信した後でも、依然としていくつかのPDCP PDUを受信できる可能性がある。特定のサービス(例えば、V2X)がクリティカルである可能性があるため、そのいくつかのPDCP PDUを欠くことは望ましくないものである。この問題を解決するために、2つの方向性が考えられる。
【0045】
方向性1:受信側UEは、受信した第1のPDCP PDUのPDCP SNと部分的Reordering_Window(Reordering_Window未満)に基づいて、あるいは受信した第1のPDCP PDUのPDCP SNと部分的PDCP SN空間(PDCP SN空間の半分未満)に基づいて、第1の状態変数Last_Submitted_PDCP_RX_SNを初期化することができる。受信側のUEは、初期化された第1の状態変数Last_Submitted_PDCP_RX_SNまたは受信した第1のPDCP PDUのPDCP SNに基づいて、第2の状態変数Next_PDCP_RX_SNを設定することができる。第2の状態変数Next_PDCP_RX_SNは、Reordering_Windowによってシフトされた初期化された第1の状態変数Last_Submitted_PDCP_RX_SNに設定することができる(たとえば、Next_PDCP_RX_SN=[初期化された第1の状態変数Last_Submitted_PDCP_RX_SN+Reordering_Window]あるいはNext_PDCP_RX_SN=[初期化された第1の状態変数Last_Submitted_PDCP_RX_SN−Reordering_Window])。第2の状態変数Next_PDCP_RX_SNは、[受信した第1のPDCP PDUのPDCP SN+1]に設定することができる。
【0046】
一実施形態では、部分Reordering_Windowは、1/2、1/4、1/8、1/16、1/32、1/64、1/128、1/256、1/512、1/1024、1/2048、または1/4096Reordering_Windowとすることができる。(完全)Reordering_Windowは32768とすることができる。
【0047】
一実施形態では、部分PDCP SN空間は、1/4、1/8、1/16、1/32、1/64、1/128、1/256、1/512、1/1024、1/2048、1/4096、または1/8192PDCP SN空間とすることができる。(完全)PDCP SN空間は65536とすることができる。
【0048】
一実施形態では、受信側のUEは、最初に受信されるPDCP PDUを受信した場合/とき、受信した第1のPDCP PDUのPDCP SN<部分Reordering_Windowであるとき、第1の状態変数Last_Submitted_PDCP_RX_SNを[受信した第1のPDCP PDUのPDCP SN+Reordering_Window+部分Reordering_Window]に初期化することができる。
【0049】
一実施形態では、受信側のUEは、最初に受信されるPDCP PDUを受信した場合/とき、受信した第1のPDCP PDUのPDCP SN>=部分Reordering_Windowであるとき、第1の状態変数Last_Submitted_PDCP_RX_SNを[受信した第1のPDCP PDUのPDCP SN−部分Reordering_Window]に初期化することができる。
【0050】
一実施形態では、受信側のUEは、最初に受信されるPDCP PDUを受信した場合/とき、受信した第1のPDCP PDUのPDCP SN<部分PDCP SN空間であるとき、第1の状態変数Last_Submitted_PDCP_RX_SNを[受信した第1のPDCP PDUのPDCP SN+PDCP SN空間の半分+部分PDCP SN空間]に初期化することができる。
【0051】
一実施形態では、受信UEは、最初に受信されるPDCP PDUを受信した場合/とき、受信した第1のPDCP PDUのPDCP SN>=部分PDCP SN空間であるとき、第1の状態変数Last_Submitted_PDCP_RX_SNを[受信した第1のPDCP PDUのPDCP SN−部分PDCP SN空間]に初期化することができる。
【0052】
方向性2:受信側のUEは、(Reordering_Window未満の)部分Reordering_Windowまたは(PDCP SN空間の半分未満の)部分PDCP SN空間に基づいて、第1の状態変数Last_Submitted_PDCP_RX_SNを初期化することができる。受信側のUEは、初期化された第1の状態変数Last_Submitted_PDCP_RX_SNまたは受信した第1のPDCP PDUのPDCP SNに基づいて、第2の状態変数Next_PDCP_RX_SNを設定することができる。第2の状態変数Next_PDCP_RX_SNを、Reordering_Windowによってシフトされた初期化された第1の状態変数Last_Submitted_PDCP_RX_SNに設定することができる(たとえば、Next_PDCP_RX_SN=[初期化された第1の状態変数Last_Submitted_PDCP_RX_SN+Reordering_Window]あるいはNext_PDCP_RX_SN=[初期化された第1の状態変数Last_Submitted_PDCP_RX_SN−Reordering_Window])。第2の状態変数Next_PDCP_RX_SNを、[受信した第1のPDCP PDUのPDCP SN+1]に設定することができる。
【0053】
一実施形態では、部分Reordering_Windowは、1/2、1/4、1/8、1/16、1/32、1/64、1/128、1/256、1/512、1/1024、1/2048、または1/4096Reordering_Windowとすることができる。(完全)Reordering_Windowは32768とすることができる。
【0054】
一実施形態では、部分PDCP SN空間は、1/4、1/8、1/16、1/32、1/64、1/128、1/256、1/512、1/1024、1/2048、1/4096、または1/8192PDCP SN空間とすることができる。(完全)PDCP SN空間は65536とすることができる。
【0055】
一実施形態では、(受信した第1のPDCP PDUを処理するために使用される)PDCPエンティティの確立時に、受信した第1のPDCP PDUのPDCP SN<部分Reordering_Windowである場合、第1の状態変数Last_Submitted_PDCP_RX_SNを[受信した第1のPDCP PDUのPDCP SN+Reordering_Window+部分Reordering_Window]に初期化することができる。
【0056】
一実施形態では、(受信した第1のPDCP PDUを処理するために使用される)PDCPエンティティの確立時に、受信した第1のPDCP PDUのPDCP SN>=部分Reordering_Windowである場合、第1の状態変数Last_Submitted_PDCP_RX_SNを[受信した第1のPDCP PDUのPDCP SN−部分Reordering_Window]に初期化することができる。
【0057】
一実施形態では、(受信した第1のPDCP PDUを処理するために使用される)PDCPエンティティの確立時に、受信した第1のPDCP PDUのPDCP SN<部分PDCP SN空間である場合、第1の状態変数Last_Submitted_PDCP_RX_SNを[受信した第1のPDCP PDUのPDCP SN+PDCP SN空間の半分+部分PDCP SN空間]に初期化することができる。
【0058】
一実施形態では、(受信した第1のPDCP PDUを処理するために使用される)PDCPエンティティの確立時に、受信した第1のPDCP PDUのPDCP SN>=部分PDCP SN空間である場合、第1の状態変数Last_Submitted_PDCP_RX_SNを[受信した第1のPDCP PDUのPDCP SN−部分PDCP SN空間]に初期化することができる。
【0059】
以下の事項は、上記に言及した両方の方向性における解決策に適用することができる。
【0060】
一実施形態では、第1のPDCP PDUを受信すると、受信側のUEは、再オーダリング手順のために、第3の状態変数RX_HFNを初期値(例えば、0)に設定することができる。
【0061】
一実施形態では、UEは、PDCP SNが0に等しくない第1のPDCP PDUを受信したら、サイドリンク重複がSLRBに対して設定または有効化されると検出することができる。
【0062】
一実施形態では、論理チャネルは、重複論理チャネルまたは非重複論理チャネルのいずれとすることができる。
【0063】
一実施形態では、受信側のUEは、最初に受信されるPDCP PDUを受信した場合/とき、(再オーダリングタイマにおいて)再オーダリングタイマを開始することができる。受信側のUEは、第2の変数Next_PDCP_RX_SNに基づいて、第3の変数Reordering_PDCP_RX_COUNTを設定することができる。第3の変数Reordering_PDCP_RX_COUNTは、再順序タイマをトリガした、受信したPDCP PDUのPDCP SNを保持することができる。第3の変数Reordering_PDCP_RX_COUNTは、再順序タイマをトリガしたPDCP PDUに関連付けられたCOUNT値に続くCOUNT値を保持することができる。第3の変数Reordering_PDCP_RX_COUNTを第2の変数Next_PDCP_RX_SNに設定することができる。第3の変数Reordering_PDCP_RX_COUNTを第2の変数Next_PDCP_RX_SN(およびRX_HFN)に関連付けられたCOUNTに設定することができる。再オーダリングタイマが期限切れになるとき、受信した第1のPDCP PDUのPDCP SDUを上位レイヤに引き渡すことができる。受信側のUEは、[第3の変数Reordering_PDCP_RX_COUNT−1]に設定された受信したPDCP SNのPDCP DSUが上位レイヤに渡される場合/とき、再オーダリングタイマを停止することができる。受信側のUEは、受信した第1のPDCP PDUのPDCP SDUが上位レイヤに引き渡される場合/とき、再オーダリングタイマを停止することができる。
【0064】
図10は、UEの観点からの1つの例示的な実施形態によるフローチャート1000である。ステップ1005では、UEは、サイドリンク無線ベアラ(SLRB)に関連付けられた論理チャネルで第1のPDCP(Packet Data Convergence Protocol)PDU(Protocol Data Unit)を受信する。ステップ1010では、UEは、部分Reordering_Windowおよび受信した第1のPDCP PDUのPDCP SN(Sequence Number:シーケンス番号)に基づいて第1の状態変数を初期化し、ここで、第1の状態変数は、SLRBのために作成されたPDCPエンティティによって上位レイヤに引き渡された最後のPDCP SDU(Service Data Unit)のPDCP SNを示し、部分Reordering_Windowは、Reordering_Window未満である。ステップ1015では、UEは、第1の状態変数を使用して、第1のPDCP PDUに対して再オーダリング手順を実行する。
【0065】
別の方法では、第1のPDCP PDUのPDCP SN>=部分的Reordering_Windowである場合、第1の状態変数を第1のPDCP PDUのPDCP SN−部分Reordering_Windowに設定する。
【0066】
別の方法では、第1のPDCP PDUのPDCP SN<部分的Reordering_Windowである場合、第1の状態変数を第1のPDCP PDUのPDCP SN+Reordering_Window+部分Reordering_Windowに設定する。
【0067】
別の方法では、部分的Reordering_Windowは1/2Reordering_Windowである。
【0068】
別の方法では、Reordering_WindowはPDCP SN空間の半分である。
【0069】
別の方法では、特定値はゼロか、候補となるリソースに対して導出されたメトリックのうちの最小値である。
【0070】
別の方法では、Reordering_Windowは32768である。
【0071】
別の方法では、第1の状態変数はLast_Submitted_PDCP_RX_SNである。
【0072】
別の方法では、UEは、SLRBに関連付けられた論理チャネルで、第2のPDCP PDUを受信する。
【0073】
別の方法では、UEは、第2のPDCP PDUのPDCP SDUが第1の状態変数より大きい場合、第2ののPDCP PDUに対して再オーダリング手順を実行して、第2のPDCP PDUのPDCP SDUを記憶するか、あるいは第2のPDCP PDUのPDCP SDUを上位レイヤに引き渡す。
【0074】
当業者には理解されるように、種々な開示された実施形態を組み合わせて、新しい実施形態および/または方法を形成することができる。
【0075】
図3および図4に戻って参照すると、一実施形態では、デバイス300は、メモリ310に記憶されたプログラムコード312を含む。CPU308は、プログラムコード312を実行して、(i)SLRBに関連付けられた論理チャネルで第1のPDCP PDUを受信することと、(ii)部分Reordering_Windowおよび受信した第1のPDCP PDUのPDCP SNに基づいて第1の状態変数を初期化することであって、ここで、第1の状態変数は、SLRBのために作成されたPDCPエンティティによって上位レイヤに引き渡された最後のPDCP SDUのPDCP SNを示し、部分Reordering_Windowは、Reordering_Window未満である、初期化することと、(iii)第1の状態変数を使用して、第1のPDCP PDUに対して再オーダリング手順を実行することと、を行うようにする。
【0076】
さらに、CPU308は、プログラムコード312を実行して、本明細書に記載の上述のアクションおよびステップまたはその他の方法のすべてを実行することができる。
【0077】
上記に開示した方法は、サイドリンクのためにまさに最初に受信したPDCP PDUを誤って破棄することを回避する。
【0078】
以上、本開示の種々の態様を説明した。当然のことながら、本明細書の教示内容を多種多様な形態で具現化してよく、本明細書に開示したいかなる特定の構造、機能、または両者も代表的なものに過ぎない。本明細書の教示内容に基づいて、当業者には当然のことながら、本明細書に開示した態様を、他のいかなる態様からも独立に実装してよく、これら態様のうちの2つ以上を種々組み合わせてよい。例えば、本明細書に記載した態様のうちの任意の数の態様を用いて、装置を実装してよく、方法を実現してよい。追加的に、本明細書に記載した態様のうちの1つ以上の追加または代替で、他の構造、機能、または構造と機能を用いて、このような装置を実装してよく、このような方法を実現してよい。上記概念の一部の一例として、いくつかの態様においては、パルス繰り返し周波数に基づいて、同時チャネルを確立してよい。いくつかの態様においては、パルス位置またはオフセットに基づいて、同時チャネルを確立してよい。いくつかの態様においては、時間ホッピングシーケンスに基づいて、同時チャネルを確立してよい。
【0079】
当業者であれば、多様な異なるテクノロジおよび技術のいずれかを使用して、情報および信号を表わしてよいを理解するであろう。例えば、上記説明全体で言及されることがあるデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁場若しくは粒子、光場若しくは粒子、またはこれらの任意の組み合わせによって表わしてよい。
【0080】
さらに、当業者には当然のことながら、本明細書に開示された態様に関連して説明した種々の例示的な論理ブロック、モジュール、プロセッサ、手段、回路、およびアルゴリズムステップは、電子的ハードウェア(例えば、ソースコーディングまたはその他何らかの技術を用いて設計することがあるディジタル実装、アナログ実装、またはこれら2つの組み合わせ)、命令を含む種々の形態のプログラム若しくは設計コード(本明細書においては便宜上、「ソフトウェア」または「ソフトウェアモジュール」と称されることがある)、または両者の組み合わせとして実装されてよい。このハードウェアおよびソフトウェアの互換性を明確に示すため、種々の例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路、およびステップを、概略的にそれぞれの機能の側面から上述した。そのような機能がハードウェアとして実装されるか、ソフトウェアとして実装されるかは、特定用途およびシステム全体に課される設計上の制約によって決まる。当業者であれば、特定各用途に対して、説明した機能を様々なやり方で実装してもよいが、そのような実装の決定は、本開示の範囲からの逸脱の原因として解釈されるべきではない。
【0081】
追加的に、本明細書に開示される態様に関連して説明した種々の例示的な論理ブロック、モジュール、および回路は、集積回路(「IC」)、アクセス端末、またはアクセスポイント内で実装される、あるいはこれらによって実行されてよい。ICとしては、汎用プロセッサ、ディジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、その他プログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲート若しくはトランジスタロジック、ディスクリートハードウェアコンポーネント、電気部品、光学部品、機械部品、または本明細書で説明した機能を実行するように設計されたこれらの任意の組み合わせを含み、IC内、IC外、またはその両方に存在するコードまたは命令を実行してよい。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサとしてよいが、代替として、プロセッサは、従来の任意のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械としてよい。また、プロセッサは、DSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと協働する1つ以上のマイクロプロセッサ、またはその他任意のこのような構成である、コンピュータデバイスの組み合わせとして実装されてよい。
【0082】
任意の開示プロセスにおけるステップの如何なる特定の順序または階層は、実例的な手法の一例であることが了解される。設計の選好に基づいて、プロセスにおけるステップの特定の順序または階層を、本開示の範囲内に留まりつつ、再構成してよいことが了解される。添付の方法の請求項は、種々のステップの要素を実例的な順序で示しており、提示の特定順序または階層に限定されることを意図していない。
【0083】
本明細書に開示される態様に関連して記載された方法またはアルゴリズムのステップを、ハードウェアにおいて直接具現化してよく、プロセッサにより実行されるソフトウェアモジュールにおいて具現化してよく、これら2つの組み合わせにおいて具現化してよい。(例えば、実行可能な命令および関連するデータを含む)ソフトウェアモジュールおよび他のデータは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムバーブルディスク、CD−ROM等のデータメモリ、または当技術分野において知られているその他任意の形態のコンピュータ可読記憶媒体に存在してよい。実例的な記憶媒体がコンピュータ/プロセッサ(本明細書においては便宜上、「プロセッサ」と称されることがある)等の機械に結合されてよい、このようなプロセッサは、記憶媒体からの情報(例えば、コード)の読み出しおよび記憶媒体への情報の書き込みが可能である。実例的な記憶媒体は、プロセッサと一体化されてよい。プロセッサおよび記憶媒体は、ASICに存在してよい。ASICは、ユーザ機器に存在していてもよい。代替として、プロセッサおよび記憶媒体は、ディスクリートコンポーネントとしてユーザ機器に存在してよい。さらに、いくつかの態様においては、任意の適当なコンピュータプログラム製品が、本開示の態様のうちの1つ以上に関連するコードを含むコンピュータ可読媒体を含んでもよい。いくつかの態様において、コンピュータプログラム製品は、パッケージング材料を含んでよい。
【0084】
以上、種々の態様に関連して本発明を説明したが、本発明は、さらに改良可能であることが了解される。本願は、概して本発明の原理に従うと共に、本発明が関係する技術分野における既知で慣習的な実施となるような本開示からの逸脱を含む本発明の任意の変形、使用、または適応を網羅することを意図している。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10