【課題を解決するための手段】
【0009】
ヒト配列を含むIL−4および/またはIL−4Rαタンパク質をコードする核酸配列を含む非ヒト動物が提供される。
【0010】
全体的または部分的にヒト型であるIL−4および/またはIL−4Rα遺伝子を含むトランスジェニック非ヒト動物が提供される。
【0011】
ヒトまたはヒト化IL−4および/またはIL−4Rαタンパク質を発現する非ヒト動物が提供される。
【0012】
内因性非ヒト動物IL−4および/またはIL−4Rα遺伝子の置換(全体的または部分的)を有する非ヒト動物が提供される。
【0013】
IL−4および/またはIL−4Rαのヒト化(全体的または部分的)を内因性非ヒトIL−4および/またはIL−4Rα遺伝子座において含む非ヒト動物が提供される。
【0014】
ヒトまたはヒト化IL−4遺伝子を有する非ヒト動物が提供され、この非ヒト動物は内因性IL−4タンパク質を発現せず、かつこの非ヒト動物は、機能性内因性IL−4タンパク質を発現するがヒトまたはヒト化IL−4遺伝子を含まない同齢の非ヒト動物の血液、血漿、または血清中に存在するIL−4タンパク質の濃度と類似した濃度にてヒトまたはヒト化IL−4タンパク質を血液、血漿、または血清中に発現する。
【0015】
ヒトまたはヒト化IL−4Rα遺伝子を有する非ヒト動物が提供され、この非ヒト動物は内因性IL−4Rαタンパク質を発現せず、かつこの非ヒト動物は、機能性内因性IL−4Rαタンパク質を発現するがヒトまたはヒト化IL−4Rα遺伝子を含まない同齢の非ヒト動物の免疫細胞(例えば、B細胞およびT細胞)上に存在するIL−4Rαタンパク質のレベルと類似したレベルにてヒトまたはヒト化IL−4Rαタンパク質を免疫細胞(例えば、B細胞およびT細胞)上に発現する。
【0016】
一態様では、ヒトまたはヒト化IL−4および/またはIL−4Rα核酸配列を含む非ヒト動物が提供される。
【0017】
一態様では、内因性IL−4および/またはIL−4Rα遺伝子座における内因性IL−4および/またはIL−4Rαをコードする遺伝子の、ヒトまたはヒト化IL−4および/またはIL−4Rαタンパク質をコードする遺伝子による置換を含む遺伝子改変非ヒト動物が提供される。内因性齧歯類IL−4遺伝子座における内因性IL−4遺伝子の、ヒトIL−4遺伝子による置換を含む、および/または内因性齧歯類IL−4Rα遺伝子座における内因性IL−4Rα遺伝子の、ヒトIL−4Rα遺伝子による置換を含む、齧歯類(例えば、マウスまたはラット)が提供される。一実施形態では、齧歯類はマウスである。一実施形態では、齧歯類はラットである。
【0018】
一態様では、内因性齧歯類IL−4遺伝子のヒト化を含む遺伝子改変齧歯類(例えば、マウスまたはラット)が提供され、このヒト化は、改変されたIL−4遺伝子を形成するための、内因性齧歯類IL−4遺伝子座における、ヒトIL−4遺伝子の少なくとも1つのエクソンを含む核酸配列による齧歯類IL−4遺伝子の少なくとも1つのエクソンを含む齧歯類核酸の置換を含み、改変されたIL−4遺伝子の発現は内因性齧歯類IL−4遺伝子座の齧歯類調節エレメントの制御下にある。
【0019】
一実施形態では、齧歯類はマウスまたはラットである。一実施形態では、齧歯類はマウスである。一実施形態では、齧歯類はラットである。
【0020】
一実施形態では、改変されたIL−4遺伝子は、ヒトまたはヒト化IL−4タンパク質をコードし、ヒトIL−4遺伝子のATG開始コドンから開始するエクソン1からエクソン4までを含む。
【0021】
一実施形態では、齧歯類は、マウスIL−4タンパク質を発現する能力を有しないマウスである。
【0022】
一実施形態では、齧歯類は、内因性マウスIL−4Rα遺伝子によってコードされたマウスIL−4Rαタンパク質を発現するマウスである。
【0023】
一実施形態では、齧歯類は、ヒトまたはヒト化IL−4Rαタンパク質を発現するマウスである。
【0024】
一実施形態では、ヒト化IL−4Rαタンパク質はヒトIL−4Rαタンパク質の細胞外ドメインを含む。
【0025】
一実施形態では、ヒト化IL−4Rαタンパク質はマウスIL−4Rαタンパク質の膜貫通ドメインおよび細胞質ドメインを含む。
【0026】
一実施形態では、齧歯類は、改変されたIL−4Rα遺伝子を形成するための、内因性マウスIL−4Rα遺伝子座における、ヒトIL−4Rα遺伝子の少なくとも1つのエクソンを含む核酸配列によるマウスIL−4Rα遺伝子の少なくとも1つのエクソンを含むマウス核酸の置換を含むマウスであり、改変されたIL−4Rα遺伝子の発現は内因性マウスIL−4Rα遺伝子座のマウス調節エレメントの制御下にある。
【0027】
一実施形態では、齧歯類はマウスであり、マウスIL−4のATG開始コドンから開始するエクソン1からエクソン4までを含むマウスIL−4配列の連続ゲノム断片(contiguous genomic fragment)が、ヒトIL−4のATG開始コドンから開始するエクソン1からエクソン4までを含むヒトIL−4配列の連続ゲノム断片で置換されている。
【0028】
一実施形態では、ヒトまたはヒト化IL−4Rαタンパク質をコードする改変されたIL−4Rα遺伝子の発現は、内因性マウスIL−4Rα遺伝子座のマウス調節エレメントの制御下にある。
【0029】
一態様では、内因性齧歯類IL−4Rα遺伝子のヒト化を含む遺伝子改変齧歯類(例えば、マウスまたはラット)が提供され、このヒト化は、改変された(すなわち、ヒト化した)IL−4Rα遺伝子を形成するための、内因性齧歯類IL−4Rα遺伝子座における、ヒトIL−4Rα遺伝子の少なくとも1つのエクソンをコードする核酸配列による齧歯類IL−4Rα遺伝子のエクソンを含む齧歯類核酸の置換を含み、改変されたヒト化IL−4Rα遺伝子の発現は、内因性齧歯類IL−4Rα遺伝子座の齧歯類調節エレメントの制御下にある。
【0030】
一実施形態では、齧歯類はマウスまたはラットである。一実施形態では、齧歯類はマウスである。一実施形態では、齧歯類はラットである。
【0031】
一実施形態では、改変されたIL−4Rα遺伝子は、ヒトまたはヒト化IL−4Rαタンパク質をコードし、かつヒトIL−4Rα遺伝子のATG開始コドンから開始するエクソン1からエクソン5までを含む。
【0032】
一実施形態では、齧歯類は、マウスIL−4Rαタンパク質を発現する能力を有しないマウスである。
【0033】
一実施形態では、齧歯類は、内因性マウスIL−4遺伝子によってコードされたマウスIL−4タンパク質を発現するマウスである。
【0034】
一実施形態では、齧歯類はヒトまたはヒト化IL−4タンパク質を発現するマウスである。
【0035】
一実施形態では、齧歯類は、改変されたIL−4遺伝子を形成するための、内因性マウスIL−4遺伝子座における、ヒトIL−4遺伝子の少なくとも1つのエクソンをコードする核酸配列によるマウスIL−4遺伝子のエクソンを含むマウス核酸の置換を含むマウスであり、改変されたIL−4遺伝子の発現は、内因性マウスIL−4遺伝子座のマウス調節エレメントの制御下にある。
【0036】
一実施形態では、齧歯類はマウスであり、かつIL−4RαのATG開始コドンから開始するエクソン1からエクソン5までを含むマウスIL−4Rα配列の連続ゲノム断片が、ヒトIL−4RαのATG開始コドンから開始するエクソン1からエクソン5までを含むヒトIL−4Rα配列の連続ゲノム断片で置換されている。
【0037】
一態様では、ヒトまたはヒト化IL−4タンパク質を発現する遺伝子改変齧歯類(例えば、マウスまたはラット)が提供され、ここで、ヒトまたはヒト化IL−4タンパク質を発現する齧歯類は正常な免疫系を含む、すなわちヒトまたはヒト化IL−4タンパク質を発現する齧歯類の血液、血漿、または血清中の免疫細胞(例えば、B細胞およびT細胞)の数が、機能性内因性IL−4タンパク質を発現する齧歯類の血液、血漿、または血清中の免疫細胞(例えば、B細胞およびT細胞)の数と類似している。一実施形態では、齧歯類はマウスである。一実施形態では、齧歯類はラットである。
【0038】
一態様では、ヒトまたはヒト化IL−4遺伝子由来のIL−4タンパク質を発現する遺伝子改変齧歯類(例えば、マウスまたはラット)が提供され、齧歯類はその血清中にヒトまたはヒト化IL−4タンパク質を発現する。一実施形態では、齧歯類はマウスである。一実施形態では、齧歯類はラットである。
【0039】
一実施形態では、ヒトまたはヒト化IL−4タンパク質を発現する齧歯類の血清は、機能性内因性IL−4タンパク質を発現する齧歯類(例えば、野生型のマウスまたはラット)とほぼ同じレベルのIL−4タンパク質を有する。一実施形態では、齧歯類はマウスである。一実施形態では、齧歯類はラットである。
【0040】
一実施形態では、マウスは血清中にヒトまたはヒト化IL−4タンパク質を、機能性内因性IL−4タンパク質を発現するが内因性マウスIL−4遺伝子座における内因性IL−4遺伝子のヒトIL−4遺伝子による置換を含まない同齢のマウスの血清中に存在するIL−4タンパク質のレベルの少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、110%、120%、130%、140%、150%、160%、170%、180%、190%、または200%の濃度で発現する。
【0041】
一実施形態では、マウスは血清中にヒトまたはヒト化IL−4タンパク質を、機能性内因性IL−4タンパク質を発現するが内因性マウスIL−4遺伝子座における内因性IL−4遺伝子のヒトIL−4遺伝子による置換を含まない同齢のマウスの血清中に存在するマウスIL−4タンパク質のレベルの約10%〜約200%、約20%〜約150%、または約30%〜約100%の濃度で発現する。
【0042】
一態様では、ヒトまたはヒト化IL−4Rαタンパク質を発現する遺伝子改変齧歯類(例えば、マウスまたはラット)が提供され、齧歯類は、機能性内因性IL−4Rαタンパク質を発現する同齢の齧歯類の免疫細胞(例えば、B細胞およびT細胞)上に存在するIL−4Rαタンパク質のレベルと類似したレベルで、免疫細胞(例えば、B細胞およびT細胞)上にヒトまたはヒト化IL−4Rαタンパク質を発現する。一実施形態では、齧歯類はマウスである。一実施形態では、齧歯類はラットである。
【0043】
一態様では、ヒトIL−4Rα遺伝子由来のIL−4Rαタンパク質を発現する遺伝子改変齧歯類(例えば、マウスまたはラット)が提供され、齧歯類はヒトまたはヒト化IL−4Rαタンパク質を免疫細胞(例えば、B細胞およびT細胞)上に発現する。一実施形態では、齧歯類はマウスである。一実施形態では、齧歯類はラットである。
【0044】
一実施形態では、ヒトまたはヒト化IL−4Rαタンパク質を発現する齧歯類の免疫細胞(例えば、B細胞およびT細胞)は、ほぼ同じレベルのIL−4Rαタンパク質を、機能性内因性IL−4Rαタンパク質を発現する齧歯類(例えば、野生型のマウスまたはラット)の免疫細胞(例えば、B細胞およびT細胞)上に有する。一実施形態では、齧歯類はマウスである。一実施形態では、齧歯類はラットである。
【0045】
一実施形態では、マウスはヒトまたはヒト化IL−4Rαタンパク質を免疫細胞(例えば、B細胞およびT細胞)上に、機能性内因性IL−4Rαタンパク質を発現するが内因性マウスIL−4Rα遺伝子座における内因性IL−4Rα遺伝子のヒトIL−4Rα遺伝子による置換を含まない同齢のマウスの免疫細胞(例えば、B細胞およびT細胞)上のIL−4Rαタンパク質の量の少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、110%、120%、130%、140%、150%、160%、170%、180%、190%、または200%の量で発現する。
【0046】
一実施形態では、マウスはヒトまたはヒト化IL−4Rαタンパク質を免疫細胞(例えば、B細胞およびT細胞)上に、機能性内因性IL−4Rαタンパク質を発現するが内因性マウスIL−4Rα遺伝子座における内因性IL−4Rα遺伝子のヒトIL−4Rα遺伝子による置換を含まない同齢のマウスの免疫細胞(例えば、B細胞およびT細胞)上に存在するマウスIL−4Rαタンパク質の量の約10%〜約200%、約20%〜約150%、または約30%〜約100%の量で発現する。
【0047】
一態様では、齧歯類IL−4Rα細胞外ドメインコード配列のヒトIL−4Rα細胞外ドメインコード配列による置換を含むヒト化IL−4Rα遺伝子を含む遺伝子改変齧歯類が提供され、ヒト化IL−4Rα遺伝子は齧歯類IL−4Rα膜貫通配列および齧歯類IL−4Rα細胞質配列を含み、ヒト化IL−4Rα遺伝子は内因性IL−4Rα遺伝子座の内因性齧歯類IL−4Rα調節エレメントの制御下にあり、かつ齧歯類は、ヒトまたはヒト化IL−4タンパク質をコードするヒト化IL−4遺伝子をさらに含み、ヒト化IL−4遺伝子は内因性IL−4遺伝子座の内因性齧歯類IL−4調節エレメントの制御下にある。
【0048】
一実施形態では、齧歯類はマウスまたはラットである。一実施形態では、齧歯類はマウスである。一実施形態では、齧歯類はラットである。
【0049】
一実施形態では、マウスは、マウスIL−4タンパク質を発現する能力を有さず、かつマウスIL−4Rαタンパク質を発現する能力を有しない。
【0050】
一実施形態では、内因性齧歯類IL−4遺伝子座および/または齧歯類IL−4Rα遺伝子座の齧歯類調節エレメントまたは配列は、マウスまたはラット由来である。
【0051】
一実施形態では、齧歯類調節エレメントまたは配列は、齧歯類IL−4遺伝子座および/または齧歯類IL−4Rα遺伝子座の内因性齧歯類調節エレメントまたは配列である。
【0052】
一態様では、ヒトまたはヒト化IL−4および/またはIL−4Rαタンパク質を発現する非ヒト動物(例えば、齧歯類、例えば、マウスまたはラット)が提供され、非ヒト動物は内因性非ヒトIL−4Rα遺伝子座および/または内因性非ヒトIL−4Rα遺伝子座からヒトまたはヒト化IL−4および/またはIL−4Rαタンパク質を発現する。一実施形態では、非ヒト動物は齧歯類である。一実施形態では、齧歯類はマウスである。一実施形態では、齧歯類はラットである。
【0053】
一態様では、内因性マウスIL−4遺伝子座からヒトまたはヒト化IL−4タンパク質を発現する遺伝子改変マウスが提供され、内因性マウスIL−4遺伝子は全体的または部分的に、ヒトIL−4遺伝子で置換されている。
【0054】
一実施形態では、ATG開始コドンから開始するエクソン1からエクソン4まで(3’非翻訳領域を含む)およびエクソン4の下流の3’領域の一部分を含む、内因性マウスIL−4遺伝子座の約6.3kbの連続マウスゲノム核酸が除去され、ヒトIL−4遺伝子のATG開始コドンから開始するエクソン1からエクソン4まで(3’非翻訳領域を含む)およびエクソン4の下流の3’領域の一部分を含む約8.8kbのヒトIL−4核酸配列で置換される。特定の実施形態では、マウスゲノム核酸と置き換わるヒトIL−4核酸配列は、ヒトBAC RP11−17K19のヒトIL−4遺伝子のATG開始コドンから開始するエクソン1からエクソン4までおよびエクソン4の下流の3’領域の一部分を含む。特定の実施形態では、改変されたIL−4遺伝子は、マウスIL−4 5’調節エレメント、およびATG開始コドンから開始するヒトIL−4エクソン1からエクソン4まで(すなわち、IL−4タンパク質コード配列)を含む。
【0055】
一態様では、ヒトまたはヒト化IL−4タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む遺伝子改変マウスが提供され、ヒトまたはヒト化IL−4タンパク質をコードするヌクレオチド配列は全体的または部分的に、内因性マウスIL−4タンパク質をコードする内因性ヌクレオチド配列と置き換わる。
【0056】
一態様では、内因性マウスIL−4Rα遺伝子座からヒトまたはヒト化IL−4Rαタンパク質を発現する遺伝子改変マウスが提供され、内因性マウスIL−4Rα遺伝子は全体的または部分的に、ヒトIL−4Rα遺伝子で置換されている。
【0057】
一実施形態では、ATG開始コドンから開始するエクソン1からエクソン5までおよびイントロン5の一部分を含む、内因性マウスIL−4Rα遺伝子座の約7.1kbの連続マウスゲノム核酸が除去され、ヒトIL−4Rα遺伝子のATG開始コドンから開始するエクソン1からエクソン5までおよびイントロン5の一部分を含む約15.6kbのヒトIL−4Rα核酸配列で置換される。特定の実施形態では、マウスゲノム核酸と置き換わるヒトIL−4α核酸は、ヒトBAC RP11−16E24のヒトIL−4α遺伝子のATG開始コドンから開始するエクソン1からエクソン5までおよびイントロン5の一部分を含む。特定の実施形態では、マウスゲノム核酸と置き換わるヒトIL−4Rα核酸は、ヒトIL−4Rα細胞外ドメインコード配列全体を含む。
【0058】
一態様では、ヒトまたはヒト化IL−4タンパク質をコードする改変されたヒト化IL−4遺伝子を形成するために、齧歯類IL−4タンパク質をコードする齧歯類IL−4遺伝子配列をヒトIL−4遺伝子配列の1つ以上のエクソンを含むヒトIL−4核酸配列で置換することを含む、ヒト化IL−4齧歯類を作製するための方法が提供され、ここで、置換は内因性齧歯類IL−4遺伝子座においてなされ、ヒトIL−4遺伝子配列の1つ以上のエクソンを含むヒト化IL−4遺伝子配列であってヒトまたはヒト化IL−4タンパク質をコードするヒト化IL−4遺伝子配列は、内因性齧歯類IL−4遺伝子座の齧歯類調節エレメントまたは配列(例えば、5’および/または3’調節エレメント)に作動可能に連結される。
【0059】
一実施形態では、齧歯類はマウスまたはラットである。一実施形態では、齧歯類はマウスである。一実施形態では、齧歯類はラットである。
【0060】
一実施形態では、齧歯類調節エレメントまたは配列はマウス由来である。一実施形態では、齧歯類調節エレメントまたは配列はラット由来である。
【0061】
一実施形態では、齧歯類調節エレメントまたは配列は、齧歯類IL−4遺伝子座の内因性齧歯類調節エレメントまたは配列である。一実施形態では、齧歯類はマウスである。一実施形態では、齧歯類はラットである。
【0062】
一実施形態では、齧歯類IL−4遺伝子配列と置き換わるヒトIL−4核酸配列は、ヒトIL−4遺伝子配列の少なくとも1つのエクソンを含む。他の実施形態では、齧歯類IL−4遺伝子配列と置き換わるヒトIL−4核酸配列は、ヒトIL−4遺伝子配列の少なくとも2つまたは少なくとも3つのエクソンを含む。一実施形態では、齧歯類IL−4遺伝子配列と置き換わるヒトIL−4核酸配列は、ヒトIL−4遺伝子配列の4つのエクソンを全て含む。一実施形態では、齧歯類はマウスである。一実施形態では、齧歯類はラットである。
【0063】
一実施形態では、齧歯類IL−4遺伝子配列と置き換わるヒトIL−4核酸配列は、ヒトIL−4(例えば、GenBank Accession No. NM_000589.3sで示される核酸によってコードされるヒトIL−4タンパク質)と約85%、90%、95%、96%、97%、98%、または約99%同一であるタンパク質をコードする。
【0064】
一実施形態では、置換は内因性齧歯類IL−4遺伝子座においてなされ、ヒトIL−4遺伝子配列の1つ以上のエクソンを含むヒト化IL−4遺伝子配列であってヒトまたはヒト化IL−4タンパク質をコードするヒト化IL−4遺伝子配列は、内因性齧歯類IL−4遺伝子座の内因性齧歯類調節エレメントまたは配列(例えば、5’および/または3’調節エレメント)に作動可能に連結される。
【0065】
一態様では、ヒトまたはヒト化IL−4タンパク質をコードする改変されたヒト化IL−4遺伝子を形成するために、マウスIL−4タンパク質をコードするマウスIL−4遺伝子配列をヒトIL−4遺伝子配列で置換することを含む、ヒト化IL−4マウスを作製するための方法が提供される。
【0066】
一実施形態では、置換は内因性マウスIL−4遺伝子座においてなされ、その結果得られるヒトまたはヒト化IL−4タンパク質をコードするヒト化IL−4遺伝子は、内因性マウスIL−4遺伝子座のマウス調節エレメントまたは配列(例えば、5’および/または3’調節エレメント)に作動可能に連結される。
【0067】
一実施形態では、置換は内因性マウスIL−4遺伝子座においてなされ、ヒトまたはヒト化IL−4タンパク質をコードするヒト化IL−4遺伝子は、内因性マウスIL−4遺伝子座の内因性マウス調節エレメントまたは配列(例えば、5’および/または3’調節エレメント)に作動可能に連結される。
【0068】
一態様では、ヒトまたはヒト化IL−4Rαタンパク質をコードする改変されたヒト化IL−4Rα遺伝子を形成するために、齧歯類IL−4Rαタンパク質をコードする齧歯類IL−4Rα遺伝子配列をヒトIL−4Rα遺伝子配列の1つ以上のエクソンを含むヒトIL−4Rα核酸配列で置換することを含む、ヒト化IL−4Rα齧歯類を作製するための方法が提供され、ここで、置換は内因性齧歯類IL−4Rα遺伝子座においてなされ、ヒトIL−4Rα遺伝子配列の1つ以上のエクソンを含むヒト化IL−4Rα遺伝子配列であってヒトまたはヒト化IL−4Rαタンパク質をコードするヒト化IL−4Rα遺伝子配列は、内因性齧歯類IL−4Rα遺伝子座の齧歯類調節エレメントまたは配列(例えば、5’および/または3’調節エレメント)に作動可能に連結される。
【0069】
一実施形態では、齧歯類はマウスまたはラットである。一実施形態では、齧歯類はマウスである。一実施形態では、齧歯類はラットである。
【0070】
一実施形態では、齧歯類調節エレメントまたは配列はマウス由来である。一実施形態では、齧歯類調節エレメントまたは配列はラット由来である。
【0071】
一実施形態では、齧歯類調節エレメントまたは配列は、齧歯類IL−4Rα遺伝子座の内因性齧歯類調節エレメントまたは配列である。一実施形態では、齧歯類はマウスである。一実施形態では、齧歯類はラットである。
【0072】
一実施形態では、齧歯類IL−4Rα遺伝子配列と置き換わるヒトIL−4Rα核酸配列は、ヒトIL−4Rα遺伝子配列の少なくとも1つのエクソンを含む。他の実施形態では、齧歯類IL−4αR遺伝子配列と置き換わるヒトIL−4Rα核酸配列は、ヒトIL−4Rα遺伝子配列の少なくとも2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、または8つのエクソンを含む。一実施形態では、齧歯類IL−4Rα遺伝子配列と置き換わるヒトIL−4Rα核酸配列は、ヒトIL−4Rα遺伝子配列の9つのエクソンを全て含む。一実施形態では、齧歯類はマウスである。一実施形態では、齧歯類はラットである。
【0073】
一実施形態では、齧歯類IL−4Rα遺伝子配列と置き換わるヒトIL−4Rα核酸配列は、ヒトIL−4Rα(例えば、GenBank Accession No. NM_000418.3で示される核酸によってコードされるヒトIL−4Rαタンパク質)と約85%、90%、95%、96%、97%、98%、または約99%同一であるタンパク質をコードする。
【0074】
一実施形態では、齧歯類IL−4Rα遺伝子配列と置き換わるヒトIL−4Rα核酸配列は、ヒトIL−4Rαタンパク質の細胞外ドメインをコードするヒトIL−4Rα遺伝子配列の少なくとも1つのエクソンを含む。他の実施形態では、齧歯類IL−4Rα遺伝子配列と置き換わるヒトIL−4Rα核酸配列は、ヒトIL−4Rαタンパク質の細胞外ドメインをコードするヒトIL−4Rα遺伝子配列の少なくとも2つ、3つ、または4つのエクソンを含む。一実施形態では、齧歯類IL−4Rα遺伝子配列と置き換わるヒトIL−4Rα核酸配列は、ヒトIL−4Rαタンパク質の細胞外ドメインをコードするヒトIL−4Rα遺伝子配列の5つのエクソンを全て含む。一実施形態では、齧歯類はマウスである。一実施形態では、齧歯類はラットである。
【0075】
一実施形態では、齧歯類IL−4Rα遺伝子配列と置き換わるヒトまたはヒト化IL−4Rα遺伝子配列は、ヒトIL−4Rαタンパク質(例えば、GenBank Accession No. NM_000418.3で示される核酸によってコードされるヒトIL−4Rαタンパク質)の細胞外ドメインと約85%、90%、95%、96%、97%、98%、または約99%同一であるIL−4Rαタンパク質の細胞外ドメインをコードする。
【0076】
一実施形態では、置換は内因性齧歯類IL−4Rα遺伝子座においてなされ、ヒトIL−4Rα遺伝子配列の1つ以上のエクソンを含むヒト化IL−4Rα遺伝子配列であってヒトまたはヒト化IL−4Rαタンパク質をコードするヒト化IL−4Rα遺伝子配列は、内因性齧歯類IL−4Rα遺伝子座の内因性齧歯類調節エレメントまたは配列(例えば、5’および/または3’調節エレメント)に作動可能に連結される。
【0077】
一態様では、ヒトまたはヒト化IL−4Rαタンパク質をコードする改変されたヒト化IL−4Rα遺伝子を形成するために、マウスIL−4Rαタンパク質をコードするマウスIL−4Rα遺伝子配列をヒトIL−4Rα核酸配列で置換することを含む、ヒト化IL−4Rαマウスを作製するための方法が提供される。
【0078】
一実施形態では、置換は内因性マウスIL−4Rα遺伝子座においてなされ、ヒトまたはヒト化IL−4Rαタンパク質をコードするヒト化IL−4Rα遺伝子は、内因性マウスIL−4Rα遺伝子座のマウス調節エレメントまたは配列(例えば、5’および/または3’調節エレメント)に作動可能に連結される。
【0079】
一実施形態では、置換は内因性マウスIL−4Rα遺伝子座においてなされ、ヒトまたはヒト化IL−4Rαタンパク質をコードするヒト化IL−4Rα遺伝子は、内因性マウスIL−4Rα遺伝子座の内因性マウス調節エレメントまたは配列(例えば、5’および/または3’調節エレメント)に作動可能に連結される。
【0080】
様々な態様では、本明細書に記載される遺伝子改変非ヒト動物(例えば、齧歯類、例えば、マウスまたはラット)は、それらの生殖系列に遺伝子改変を含む。
【0081】
一態様では、本明細書に記載されるような遺伝子改変を含む、非ヒト動物(例えば、齧歯類、例えば、マウスまたはラット)の胚が提供される。
【0082】
一態様では、本明細書に記載されるような遺伝子改変を含むドナー細胞を含む非ヒト動物(例えば、齧歯類、例えば、マウスまたはラット)の宿主胚が提供される。
【0083】
一態様では、本明細書に記載されるような遺伝子改変を含む多能性または全能性の非ヒト動物(例えば、齧歯類、例えば、マウスまたはラット)の細胞が提供される。一実施形態では、細胞は齧歯類細胞である。一実施形態では、細胞はマウス細胞である。一実施形態では、細胞は齧歯類ES細胞である。一実施形態では、細胞はマウスES細胞である。
【0084】
一態様では、非ヒト動物(例えば、齧歯類、例えば、マウスまたはラット)の卵子が提供され、非ヒト動物の卵子は異所性非ヒト動物染色体を含み、異所性非ヒト動物染色体は本明細書に記載されるような遺伝子改変を含む。一実施形態では、非ヒト動物は齧歯類である。一実施形態では、齧歯類はマウスである。一実施形態では、齧歯類はラットである。
【0085】
一態様では、ヒトIL−4遺伝子またはヒトIL−4Rα遺伝子を含むように遺伝子改変されたマウスの胚、卵子、または細胞は、C57BL/A、C57BL/An、C57BL/GrFa、C57BL/KaLwN、C57BL/6、C57BL/6J、C57BL/6ByJ、C57BL/6NJ、C57BL/10、C57BL/10ScSn、C57BL/10Cr、およびC57BL/Olaから選択されるC57BL系統のマウスのものである。別の実施形態では、マウスは、129P1、129P2、129P3、129X1、129S1(例えば、129S1/SV、129S1/Svlm)、129S2、129S4、129S5、129S9/SvEvH、129S6(129/SvEvTac)、129S7、129S8、129T1、129T2である系統からなる群から選択される129系統である(例えば、Festing et al.(1999)Revised nomenclature for strain 129 mice,Mammalian Genome 10:836を参照のこと。また、Auerbach et al(2000)Establishment and Chimera Analysis of 129/SvEv− and C57BL/6−Derived Mouse Embryonic Stem Cell Linesも参照のこと)。特定の実施形態では、遺伝子改変マウスは、前述の129系統と前述のC57BL/6系統との混合である。別の特定の実施形態では、マウスは前述の129系統の混合、または前述のBL/6系統の混合である。特定の実施形態では、上記混合の129系統は129S6(129/SvEvTac)系統である。別の実施形態では、マウスはBALB系統、例えばBALB/c系統、である。さらに別の実施形態では、マウスはBALB系統と別の前述の系統との混合である。一実施形態では、マウスはスイスマウスまたはスイスウェブスターマウスである。
【0086】
様々な態様では、ヒトまたはヒト化IL−4Rおよび/またはIL−4核酸配列を含む非ヒト動物は、哺乳類および鳥類から選択される。一実施形態では、非ヒト動物は哺乳類である。一実施形態では、哺乳類はネズミ科である。
【0087】
一態様では、ヒト特異的なIL−4またはIL−4Rα拮抗薬をスクリーニングする方法が提供される。方法は、治療薬候補の同定および治療有効性の評価に有用である。方法は、本明細書に記載されるようにIL−4およびIL−4Rαを二重にヒト化した遺伝子改変齧歯類に薬剤を投与することと、IL−4/IL−4Rαシグナル伝達経路によって媒介される生物学的機能に対する薬剤の効果を判定することと、薬剤が遺伝子改変齧歯類においてIL−4/IL−4Rαシグナル伝達経路によって媒介される機能と拮抗する場合に薬剤をヒト特異的なIL−4またはIL−4Rα拮抗薬として同定することと、を含む。
【0088】
一実施形態では、薬剤は、IL−4またはIL−4Rαと結合する免疫グロブリン可変ドメインを含む。一実施形態では、薬剤は、ヒトIL−4またはIL−4Rαに特異的に結合するが、齧歯類IL−4またはIL−4Rαには結合しない。一実施形態では、薬剤は抗体である。特定の実施形態では、薬剤は、ヒトIL−4Rαと特異的に結合するが齧歯類IL−4Rαとは結合しない抗体である。
【0089】
一実施形態では、スクリーニング方法は、ヒトIL−4タンパク質およびヒト化IL−4Rαタンパク質を発現する二重にヒト化したマウスを利用し、ヒト化IL−4Rαタンパク質は、内因性マウスIL−4Rαタンパク質の膜貫通ドメインおよび細胞質ドメインに連結されたヒトIL−4Rαタンパク質の細胞外ドメインを含み、上記マウスはネズミのIL−4またはネズミのIL−4Rαを発現しない。
【0090】
一部の実施形態では、スクリーニングの方法は、本明細書に記載されるように二重にヒト化した齧歯類においてIL−4/IL−4Rαシグナル伝達と関連する疾患を誘発することと、薬剤を齧歯類に投与することと、薬剤が疾患を軽快させるかどうかを判定することと、薬剤が疾患を軽快させる場合に薬剤を、疾患を処置するために好適なヒト特異的なIL−4またはIL−4Rα拮抗薬として同定することと、を含む。
【0091】
一部の実施形態では、IL−4/IL−4Rαシグナル伝達と関連する疾患は気道炎症であり、これは、齧歯類において、アレルゲン(例えば、チリダニ類抽出物)を一定期間、1回以上、鼻腔内投与することによって誘発できる。薬剤の投与の結果として気道炎症の程度(例えば、粘液貯留、気管支肺胞洗浄液中の浸潤性細胞、および/または総循環IgEのレベルによって表される)が低減するかどうかを測定することによって薬剤の効果を判定できる。
【0092】
一部の実施形態では、IL−4/IL−4Rαシグナル伝達と関連する疾患は、皮膚炎症またはアトピー性皮膚炎であり、これらは、齧歯類に皮膚損傷を生じさせ、損傷した皮膚をアレルゲン(例えば、細菌毒素またはチリダニ類抽出物)に一定期間、1回以上、曝露することによって誘発できる。薬剤の投与の結果として皮膚炎症が低減するかどうかを測定することによって薬剤の効果を判定できる。
【0093】
さらなる態様では、そのIL−4、IL−4Rα、およびIL−33遺伝子が本明細書に記載されるようにヒト化されている三重にヒト化した非ヒト動物が、化合物または化合物の組み合わせの薬力学(PD)および治療有効性を評価するために使用される。
【0094】
実施形態または態様の状況から明示的に、あるいは明らかに、除外されない限り、本明細書に記載される態様および実施形態の各々を一緒に使用できる。
特定の実施形態では、例えば以下が提供される:
(項目1)
内因性齧歯類IL−4R遺伝子のヒト化を含む齧歯類であって、前記ヒト化が、改変されたIL−4遺伝子を形成するための、内因性齧歯類IL−4遺伝子座における、ヒトIL−4遺伝子の少なくとも1つのエクソンを含む核酸配列によるIL−4遺伝子のエクソンを含む齧歯類核酸の置換を含み、前記改変されたIL−4遺伝子の発現が、前記内因性齧歯類IL−4遺伝子座の齧歯類調節エレメントの制御下にある、齧歯類。
(項目2)
前記齧歯類がマウスまたはラットである、項目1に記載の齧歯類。
(項目3)
前記改変されたIL−4遺伝子が、ヒトまたはヒト化IL−4タンパク質をコードし、前記ヒトIL−4遺伝子のATG開始コドンから開始するエクソン1からエクソン4までを含む、項目1に記載の齧歯類。
(項目4)
前記齧歯類が、マウスIL−4タンパク質を発現する能力を有しないマウスである、項目1に記載の齧歯類。
(項目5)
前記齧歯類が、内因性マウスIL−4Rα遺伝子によってコードされたマウスIL−4Rαタンパク質を発現するマウスである、項目1に記載の齧歯類。
(項目6)
前記齧歯類が、ヒトまたはヒト化IL−4Rαタンパク質を発現するマウスである、項目1に記載の齧歯類。
(項目7)
前記ヒト化IL−4Rαタンパク質が、前記ヒトIL−4Rαタンパク質の細胞外ドメインを含む、項目6に記載のマウス。
(項目8)
前記ヒト化IL−4Rαタンパク質が、前記マウスIL−4Rαタンパク質の膜貫通ドメインおよび細胞質ドメインを含む、項目7に記載のマウス。
(項目9)
前記マウスが、改変されたIL−4Rα遺伝子を形成するための、内因性マウスIL−4Rα遺伝子座における、ヒトIL−4Rα遺伝子の少なくとも1つのエクソンをコードする核酸配列によるマウスIL−4Rα遺伝子のエクソンを含むマウス核酸の置換を含み、前記改変されたIL−4Rα遺伝子の発現が、前記内因性マウスIL−4Rα遺伝子座のマウス調節エレメントの制御下にある、項目6に記載のマウス。
(項目10)
前記齧歯類がマウスであり、マウスIL−4のATG開始コドンから開始するエクソン1からエクソン4までを含むマウスIL−4配列の連続ゲノム断片が、ヒトIL−4のATG開始コドンから開始するエクソン1からエクソン4までを含むヒトIL−4配列の連続ゲノム断片で置換されている、項目1に記載の齧歯類。
(項目11)
前記齧歯類が、機能性内因性マウスIL−4タンパク質を発現するが前記置換を含まない同齢のマウスの血清中に存在するマウスIL−4タンパク質のレベルの少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、110%、120%、130%、140%、150%、160%、170%、180%、190%、または200%の濃度にてヒトまたはヒト化IL−4タンパク質を血清中に発現するマウスである、項目1に記載の齧歯類。
(項目12)
前記齧歯類が、機能性内因性マウスIL−4タンパク質を発現するが前記置換を含まない同齢のマウスの血清中に存在するマウスIL−4タンパク質のレベルの約10%〜約200%、約20%〜約150%、または約30%〜約100%の濃度にてヒトIL−4タンパク質を血清中に発現するマウスである、項目1に記載の齧歯類。
(項目13)
内因性齧歯類IL−4Rα遺伝子のヒト化を含む齧歯類であって、前記ヒト化が、ヒト化IL−4Rα遺伝子を形成するための、内因性齧歯類IL−4Rα遺伝子座における、ヒトIL−4Rα遺伝子の少なくとも1つのエクソンを含む核酸配列による齧歯類IL−4Rα遺伝子のエクソンを含む齧歯類核酸の置換を含み、前記ヒト化IL−4Rα遺伝子の発現が、前記内因性齧歯類IL−4Rα遺伝子座の齧歯類調節エレメントの制御下にある、齧歯類。
(項目14)
前記齧歯類がマウスまたはラットである、項目13に記載の齧歯類。
(項目15)
前記ヒト化IL−4Rα遺伝子が、ヒトまたはヒト化IL−4Rαタンパク質をコードし、前記ヒトIL−4Rα遺伝子のATG開始コドンから開始するエクソン1からエクソン5までを含む、項目13に記載の齧歯類。
(項目16)
前記齧歯類が、マウスIL−4Rαタンパク質を発現する能力を有しないマウスである、項目13に記載の齧歯類。
(項目17)
前記齧歯類が、内因性マウスIL−4遺伝子によってコードされたマウスIL−4タンパク質を発現するマウスである、項目13に記載の齧歯類。
(項目18)
前記齧歯類が、ヒトまたはヒト化IL−4タンパク質を発現するマウスである、項目17に記載のマウス。
(項目19)
前記マウスが、改変されたIL−4遺伝子を形成するための、内因性マウスIL−4遺伝子座における、ヒトIL−4遺伝子の少なくとも1つのエクソンを含む核酸配列によるマウスIL−4遺伝子のエクソンを含むマウス核酸の置換を含み、前記改変されたIL−4遺伝子の発現が、前記内因性マウスIL−4遺伝子座のマウス調節エレメントの制御下にある、項目18に記載のマウス。
(項目20)
前記齧歯類がマウスであり、マウスIL−4RαのATG開始コドンから開始するエクソン1からエクソン5までを含むマウスIL−4Rα配列の連続ゲノム断片が、ヒトIL−4RαのATG開始コドンから開始するエクソン1からエクソン5までを含むヒトIL−4Rα配列の連続ゲノム断片で置換されている、項目13に記載の齧歯類。
(項目21)
前記齧歯類が、機能性内因性マウスIL−4Rαタンパク質を発現するが前記置換を含まない同齢のマウスのB細胞および/またはT細胞のいずれかの免疫細胞上に存在するマウスIL−4Rαタンパク質のレベルの少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、110%、120%、130%、140%、150%、160%、170%、180%、190%、または200%の量にて、B細胞および/またはT細胞のいずれかの免疫細胞上にヒトまたはヒト化IL−4Rαタンパク質を発現するマウスである、項目13に記載の齧歯類。
(項目22)
前記齧歯類が、機能性内因性マウスIL−4Rαタンパク質を発現するが前記置換を含まない同齢のマウスのB細胞および/またはT細胞のいずれかの免疫細胞上に存在するマウスIL−4Rαタンパク質のレベルの約10%〜約200%、約20%〜約150%、または約30%〜約100%の量にて、B細胞および/またはT細胞のいずれかの免疫細胞上にヒトまたはヒト化IL−4Rαタンパク質を発現するマウスである、項目13に記載の齧歯類。
(項目23)
ヒト化した齧歯類を作製するための方法であって、ヒトまたはヒト化IL−4タンパク質をコードする改変されたIL−4遺伝子を形成するために、ヒトIL−4遺伝子の1つ以上のエクソンを含むヒトIL−4核酸配列で齧歯類IL−4核酸配列を置換することを含み、前記置換が、内因性齧歯類IL−4遺伝子座にあり、ヒトIL−4遺伝子配列の1つ以上のエクソンを含む前記改変されたIL−4遺伝子配列が、内因性齧歯類IL−4遺伝子座の齧歯類調節エレメントまたは配列に作動可能に連結される、方法。
(項目24)
前記齧歯類がマウスまたはラットである、項目23に記載の方法。
(項目25)
前記齧歯類調節エレメントまたは配列がマウスまたはラットに由来する、項目23に記載の方法。
(項目26)
前記齧歯類調節エレメントまたは配列が、前記齧歯類IL−4遺伝子座の内因性齧歯類調節エレメントまたは配列である、項目23に記載の方法。
(項目27)
前記齧歯類IL−4核酸配列と置き換わる前記ヒトIL−4核酸配列が、前記ヒトIL−4遺伝子配列の少なくとも1つのエクソンを含む、項目23に記載の方法。
(項目28)
前記齧歯類IL−4核酸配列と置き換わる前記ヒトIL−4核酸配列が、前記ヒトIL−4遺伝子配列の少なくとも2つまたは少なくとも3つのエクソンを含む、項目27に記載の方法。
(項目29)
前記齧歯類IL−4核酸配列と置き換わる前記ヒトIL−4核酸配列が、前記ヒトIL−4遺伝子配列の4つのエクソンを全て含む、項目28に記載の方法。
(項目30)
前記置換が内因性齧歯類IL−4遺伝子座にあり、前記ヒトIL−4遺伝子配列の1つ以上のエクソンを含む前記ヒトIL−4核酸配列が、前記内因性齧歯類IL−4遺伝子座の内因性齧歯類調節エレメントまたは配列に作動可能に連結される、項目23に記載の方法。
(項目31)
ヒト化IL−4マウスを作製するための方法であって、ヒトまたはヒト化IL−4タンパク質をコードする改変されたIL−4遺伝子を形成するために、マウスIL−4核酸配列をヒトIL−4核酸で置換することを含む、方法。
(項目32)
前記置換が内因性マウスIL−4遺伝子座にあり、ヒトまたはヒト化IL−4タンパク質をコードする前記改変された遺伝子が、内因性マウス調節配列に作動可能に連結される、項目31に記載の方法。
(項目33)
前記置換が内因性マウスIL−4遺伝子座にあり、ヒトまたはヒト化IL−4タンパク質をコードする前記改変された遺伝子が、内因性マウス調節配列に作動可能に連結される、項目31に記載の方法。
(項目34)
ヒト化した齧歯類を作製するための方法であって、ヒトまたはヒト化IL−4Rαタンパク質をコードする改変されたIL−4Rα遺伝子を形成するために、ヒトIL−4Rα遺伝子配列の1つ以上のエクソンを含むヒトIL−4Rα核酸配列で齧歯類IL−4Rα核酸配列を置換することを含み、前記置換が、内因性齧歯類IL−4Rα遺伝子座にあり、ヒトまたはヒト化IL−4Rαタンパク質をコードする前記改変されたIL−4Rα遺伝子が、前記内因性齧歯類IL−4Rα遺伝子座の齧歯類調節エレメントまたは配列に作動可能に連結される、方法。
(項目35)
前記齧歯類がマウスまたはラットである、項目34に記載の方法。
(項目36)
前記齧歯類調節エレメントまたは配列がマウスまたはラットに由来する、項目34に記載の方法。
(項目37)
前記齧歯類調節エレメントまたは配列が、前記齧歯類IL−4Rα遺伝子座の内因性齧歯類調節エレメントまたは配列である、項目34に記載の方法。
(項目38)
前記齧歯類IL−4Rα遺伝子配列と置き換わる前記ヒトIL−4Rα遺伝子配列が、前記ヒトIL−4Rα遺伝子配列の少なくとも1つのエクソンを含む、項目37に記載の方法。
(項目39)
前記齧歯類IL−4Rα核酸配列と置き換わる前記ヒトIL−4Rα核酸配列が、前記ヒトIL−4Rα遺伝子配列の少なくとも2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、または8つのエクソンを含む、項目38に記載の方法。
(項目40)
前記齧歯類IL−4Rα核酸配列と置き換わる前記ヒトIL−4Rα核酸配列が、前記ヒトIL−4Rα遺伝子配列の9つのエクソンを全て含む、項目39に記載の方法。
(項目41)
前記置換が内因性齧歯類IL−4Rα遺伝子座にあり、ヒトまたはヒト化IL−4Rαタンパク質をコードする前記改変されたIL−4Rα遺伝子が、前記内因性齧歯類IL−4Rα遺伝子座の内因性齧歯類調節エレメントまたは配列に作動可能に連結される、項目34に記載の方法。
(項目42)
ヒト化したマウスを作製するための方法であって、ヒト化IL−4Rα遺伝子を形成するために、ヒトIL−4Rαの細胞外ドメインをコードするヒトゲノム断片によりマウスIL−4Rαの細胞外ドメインをコードするマウスエクソンを置換することを含む、方法。
(項目43)
前記置換が内因性マウスIL−4Rα遺伝子座にあり、前記ヒト化IL−4Rα遺伝子がマウス調節配列に作動可能に連結される、項目42に記載の方法。
(項目44)
前記置換が内因性マウスIL−4Rα遺伝子座にあり、前記ヒト化IL−4Rα遺伝子が内因性マウス調節配列に作動可能に連結される、項目42に記載の方法。
(項目45)
ヒト化IL−4Rα遺伝子およびヒト化IL−4遺伝子を含む齧歯類であって、前記ヒト化IL−4Rα遺伝子は、ヒトIL−4Rα細胞外ドメインをコードする配列による齧歯類IL−4Rα細胞外ドメインをコードする配列の置換から結果として得られ、前記ヒト化IL−4Rα遺伝子は、齧歯類IL−4Rα膜貫通ドメインをコードする配列と齧歯類IL−4Rα細胞質ドメインをコードする配列とを含み、前記ヒト化IL−4Rα遺伝子は、内因性齧歯類IL−4Rα遺伝子座の内因性齧歯類IL−4Rα調節エレメントの制御下にあり、前記ヒト化IL−4遺伝子は、ヒトまたはヒト化IL−4タンパク質をコードし、前記ヒト化IL−4遺伝子は、内因性齧歯類IL−4R遺伝子座の内因性齧歯類IL−4調節エレメントの制御下にある、齧歯類。
(項目46)
前記齧歯類がマウスまたはラットである、項目45に記載の齧歯類。
(項目47)
前記齧歯類が、マウスIL−4タンパク質を発現する能力を有しないマウスであってマウスIL−4Rαタンパク質を発現する能力を有しないマウスである、項目45に記載の齧歯類。
(項目48)
前記内因性齧歯類IL−4遺伝子座および/または内因性齧歯類IL−4Rα遺伝子座の前記齧歯類調節エレメントまたは配列が、マウスまたはラット由来である、項目45に記載の齧歯類。
(項目49)
前記齧歯類調節エレメントまたは配列が、前記齧歯類IL−4遺伝子座および/または齧歯類IL−4Rα遺伝子座の内因性齧歯類調節エレメントまたは配列である、項目45に記載の齧歯類。
(項目50)
ヒト特異的なIL−4またはIL−4Rα拮抗薬をスクリーニングする方法であって、
二重にヒト化したIL−4およびIL−4Rαマウスを提供することと、
前記マウスにおいて肺の炎症を誘発することと、
薬剤を前記マウスに投与することと、
前記薬剤によって肺の炎症が低減するかどうかを判定することと、
前記薬剤を、肺の炎症を低減するその能力に基づいてヒト特異的なIL−4またはIL−4Rα拮抗薬として同定することと、
を含む方法。
(項目51)
気道内の粘液貯留、気管支肺胞洗浄液中の好酸球性浸潤細胞、および/または総循環IgEを測定することによって肺の炎症の程度が判定される、項目50に記載の方法。
(項目52)
ヒト特異的なIL−4またはIL−4Rα拮抗薬をスクリーニングする方法であって、
二重にヒト化したIL−4およびIL−4Rαマウスを提供することと、
前記マウスにおいて皮膚炎症を誘発することと、
薬剤を前記マウスに投与することと、
前記薬剤によって皮膚炎症が低減するかどうかを判定することと、
前記薬剤を、皮膚炎症を低減するその能力に基づいてヒト特異的なIL−4またはIL−4Rα拮抗薬として同定することと、
を含む方法。
(項目53)
ヒト化IL−4Rα遺伝子が、ヒトIL−4Rα細胞外ドメインをコードする配列によるネズミのIL−4Rα細胞外ドメインをコードする配列の置換から結果として得られ、前記ヒト化IL−4Rα遺伝子が内因性のネズミのIL−4Rα遺伝子座の内因性のネズミのIL−4Rα調節エレメントの制御下にあり、ヒト化IL−4遺伝子がヒトまたはヒト化IL−4タンパク質をコードし、前記ヒト化IL−4遺伝子は、内因性齧歯類IL−4R遺伝子座の内因性齧歯類IL−4調節エレメントの制御下にある、項目50または52に記載の方法。