【文献】
サイクロン掃除機、dyson・DC12の評価,日本,Allabout,2004年 7月22日,URL, https://allabout.co.jp/gm/gc/56182/
【文献】
ダイソン掃除機DC12の本体の分解・修理2台やってみた,日本,YouTube,URL, https://www.youtube.com/watch?v=ef-8IWaGqzQ
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
モータと、該モータによって回転するファンと、前記モータと前記ファンとを収容する本機と、前記ファンによって発生する前記本機内への吸い込み風の流路であるホースと、電源としての充電式バッテリを着脱可能なバッテリ取付部と、を備えたクリーナであって、
前記ホースの連結部と前記本機とは、ボールジョイントで連結されており、
前記ホースは、前記本機に巻き付け可能に設けられており、
前記ホースの前記連結部から先端部までの間の何れかの部分は、前記本機に着脱可能に保持され、
前記ホースは、前記ファンより前方の前記本機に巻き付けて収納可能であるクリーナ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、クリーナにおいて、ホースの本機に対する連結部の耐久性を損なうことなく、ホースをコンパクトに本機に巻き付けて保持できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題は以下の各発明により解決される。第1の発明は、モータと、モータによって回転するファンと、モータとファンとを収容する本機と、ファンによって発生する本機内への吸い込み風の流路であるホースと、電源としての充電式バッテリを着脱可能なバッテリ取付部と、を備えたクリーナである。第1の発明において、ホースの連結部と本機とは、ボールジョイントで連結されている。第1の発明において、ホースは、本機に巻き付け可能に設けられている。第1の発明において、ホースの連結部から先端部までの間の何れかの部分は、本機に着脱可能に保持される。
【0006】
第1の発明によれば、ホースと本機とがボールジョイントで連結されることにより、ホースの連結部の回転自由度が高くなっている。このため、第1の発明によれば、ホースを本機に接続したまま本機に巻き付けたときに、本機との連結部におけるホースに加わる負荷を軽減することができるため、ホースを本機周りにコンパクトに巻き付けることが可能となる。また、第1の発明によれば、本機周りに巻き付けたホースの連結部から先端部までの少なくとも一部分が本機に保持されるため、ホースを本機周りに巻き付けた状態でコンパクトに保持することができる。
【0007】
第2の発明は、第1の発明において、連結部におけるホースの軸線が、モータのモータ軸の軸線に対して傾斜しているクリーナである。
【0008】
第2の発明によれば、ホースの連結部周りにおいて、ホースを巻き付けて保持しやすくなる。また、第2の発明によれば、モータ軸の軸線方向における本機の長さを短く設けることができる。
【0009】
第3の発明は、第1又は第2の発明において、ホースが、ファンより前方の本機に巻き付けて収納可能なクリーナである。
【0010】
第3の発明によれば、ホースを本機の前側部分にコンパクトに収納させることができる。これにより、第3の発明によれば、ホースを本機の周りに巻き付けた状態のクリーナを持ち運びしやすくすることができる。
【0011】
第4の発明は、第3の発明において、ホースの先端部が、ホースの連結部と横並びの位置で本機に保持されることで収納されるクリーナである。
【0012】
第4の発明によれば、ホースの連結部と先端部とを横並び方向(左右方向)についてバランス良く、本機にコンパクトに保持させることができる。
【0013】
第5の発明は、第1〜第4の何れか一つの発明において、ホースの先端部にアタッチメントが着脱可能なクリーナである。第5の発明において、アタッチメントは、ホースから取り外して本機に収納可能である。
【0014】
第5の発明によれば、清掃個所に応じたアタッチメントを、速やかにホースの先端部へ取り付けることができ、また、ホースから取り外して速やかに本機へと収納することができる。
【0015】
第6の発明は、第5の発明において、アタッチメントの吸込口端面にブラシ面が設けられているクリーナである。第6の発明において、ブラシ面よりも吸い込み風の下流側には、補助ブラシが備えられている。
【0016】
第6の発明によれば、自動車のシート等に付着したごみを、アタッチメントのブラシ面によって掃き出しながら吸引することができる。また、第6の発明によれば、自動車のシートの縫い目や木目込み等のブラシ面では掃き出せない小さな隙間に付着したごみを、補助ブラシによって掃き出すことができる。
【0017】
第7の発明は、第5の発明において、アタッチメントの吸込口端面に、吸い込み風の吸い込み方向と反対方向に延びる複数の突起が設けられたクリーナである。第7の発明において、複数の突起は、吸込口端面に並んでいる。
【0018】
第7の発明によれば、自動車のマット等のごみが付着した個所にアタッチメントの吸込口端面を接近させることによって、当該個所が複数の突起に包囲される。これにより、複数の突起の間、及びマット等と吸込口端面との間の狭い隙間を強い吸い込み風が流れ、この強い吸込み風によってごみを吸い込むことができる。
【0019】
第8の発明は、第5の発明において、アタッチメントが、吸い込み風の吸い込み方向に延びた形状を有したノズルであるクリーナである。第8の発明において、ノズルの先端部は、ブラシが設けられている。第8の発明において、ブラシは、ノズルに対して回転可能に取り付けられている。
【0020】
第8の発明によれば、例えば弾性を有するノズルを用いることにより、自動車のドアノブやフロントガラスの端部等の狭く入り組んでいるような個所にノズルの先端部を届かせることができる。これにより、アタッチメントを使用することで、通常では清掃しにくい個所を清掃することができる。また、第8の発明によれば、自動車のインストゥルメンタルパネル等の細かい部品が備えられている個所に対しても、ノズルの先端部に取り付けられたブラシで清掃することができる。さらに、第8の発明によれば、清掃個所に応じて、ノズルの先端部に対してブラシを回転させることができ、入り組んだ個所への清掃に対応させることができる。
【0021】
第9の発明は、第1〜第8の何れか一つの発明において、本機の排気口に、ホース形状を有するブロワノズルが着脱可能なクリーナである。第9の発明は、ブロワノズルを取り付けることで、ブロワとして機能する。
【0022】
第9の発明によれば、排気風を活用することで、1つのクリーナにブロワとしての機能を追加することができる。これにより、クリーナの利便性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本実施形態に係るクリーナの全体斜視図である。本図では、本実施形態に係るクリーナの前方左側から見た状態を示している。
【
図2】本実施形態に係るクリーナの全体斜視図である。本図では、本実施形態に係るクリーナの後方右側から見た状態を示している。
【
図3】本実施形態に係るクリーナの全体平面図である。
【
図4】
図3の(IV)−(IV)断面矢視を示す図であって、本実施形態に係るクリーナの縦断面図である。
【
図5】本実施形態に係るシートノズルの全体斜視図である。
【
図6】本実施形態に係るシートノズルの全体を吸込口方向から見た図である。
【
図7】本実施形態に係るシートノズルの全体側面図である。
【
図8】本実施形態に係るマットノズルの全体正面図である。
【
図9】
図8の(IX)−(IX)断面矢視を示す図であって、本実施形態に係るマットノズルの縦断面図である。
【
図10】本実施形態に係るロングサッシノズルの全体斜視図である。
【
図11】本実施形態に係るロングサッシノズルの全体側面図である。
【
図12】本実施形態に係るロングサッシノズルの全体側面図である。
【
図13】
図11の(XIII)−(XIII)断面矢視を示す図であって、本実施形態に係るロングサッシノズルの横断面図である。
【
図14】本実施形態に係るブラシアタッチメントの全体斜視図である。
【
図15】本実施形態に係るブラシアタッチメントの全体縦断面図である。
【
図16】本実施形態に係るブラシアタッチメントの全体を吸込口方向から見た図である。
【
図17】本実施形態に係るブロワノズルの全体斜視図である。
【
図18】本実施形態に係るブロワノズルの全体側面図である。
【
図19】本実施形態に係る第2のマットノズルの全体斜視図である。
【
図20】本実施形態に係る第2のマットノズルの吸込口側から見た全体斜視図である。
【
図21】本実施形態に係る第2のマットノズルの縦断面図である。
【
図22】本実施形態に係るロングラバーノズルの全体斜視図である。
【
図23】本実施形態に係るインパネノズルであって、吸込口が長手方向に開口している状態の全体側面図である。
【
図24】本実施形態に係るインパネノズルであって、吸込口が長手方向に開口している状態の全体正面図である。
【
図25】本実施形態に係るインパネノズルであって、吸込口が長手方向と交差する方向に開口している状態の全体側面図である。
【
図26】本実施形態に係るインパネノズルであって、吸込口が長手方向と交差する方向に開口している状態の全体正面図である。
【
図27】
図24の(XXVII)−(XXVII)断面矢視を示す図であって、本実施形態に係るインパネノズルの全体縦断面図である。
【
図28】
図26の(XXVIII)−(XXVIII)断面矢視を示す図であって、本実施形態に係るインパネノズルの全体縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
次に、本発明の実施形態を
図1〜
図28に基づいて説明する。
図1〜
図2に示すように、本実施形態のクリーナ1は、概ね矩形箱体をなす本機ハウジング19に、モータ11とファン12を収容する本機10と、本機10の上部に設けられたハンドル部20と、本機10に取り付けられたホース30と、電源として充電式のバッテリ41を着脱可能なバッテリ取付部40と、を備えている。以下の説明において、上下左右前後方向は、図に示すように、使用者が、ホース30が本機10の前側に位置するようにハンドル部20を把持したときを基準とする。
【0025】
図4に示すように、本機10の前部には、連結部31を介して、可撓性を有するホース30が連結されている。連結部31においてホース30は、概ね前方斜め上方に延びて設けられている。連結部31は、ボールジョイントで構成されている。具体的には、連結部31には、ホース30側の球体をなすボール部31aと、本機10側の球面形凹部をなすボール受け部31bとが設けられている。ボール受け部31bの球面形凹部に嵌め込まれるようにしてボール部31aがホース軸線J2(ボール受け部31bの軸線)に対して一定の角度範囲内で全方向へ傾動可能(首振り可能)に設けられている。ボール部31aの内側には図では見えていない円形状の孔が貫通しており、この孔がホース30と後述するダストバッグ取付口33との間を連通している。ダストバッグ取付口33はホース軸線J2上に固定されている。
【0026】
図1に示すように、ホース30が延びた先の先端部32は、後述するファン12によって発生する吸込み風の吸込口となっている。また、先端部32には、別体に設けられたアタッチメントを取り付けることができる。
【0027】
図1〜
図2に示すように、本機10の前側下部には、本機10の左右方向に延びる溝部が設けられている。この溝部は、ホース保持部14として設けられている。ホース保持部14は、その延びる方向に対する断面形状が、ホース30の外径よりもわずかに大きい径の円形状になっている。連結部31から延びるホース30をホース保持部14に沿うようにして本機10に巻き付けることで、ホース30を本機10に保持させることができる。
【0028】
図1〜
図2、
図4に示すように、本機10の前部であって、連結部31と左右方向に横並びとなる位置には、先端部収納部13が設けられている。先端部収納部13は、ホース30の先端部32の外径よりもわずかに大きい径の円形状の孔として構成されている。先端部収納部13の孔は、連結部31におけるホース30が延びる方向に沿って、本機10側に向かって後方斜め下方に延びている。ホース保持部14にホース30を巻き付けた後に、先端部32を先端部収納部13に挿入することで、ホース30全体を本機10に保持させた状態で収納させることができる。
【0029】
図4に示すように、本機10の前側内部であって、連結部31を介してホース30と連通しているダストバッグ取付口33の後方には、ダストバッグ収容部16が設けられている。ダストバッグ取付口33は、別体で設けられたダストバッグ34を取り付けることができる。取り付けられたダストバッグ34は、ダストバッグ収容部16に収容される。ダストバッグ34の取り付け取り外しは、
図2に示される収容部カバー16aを開けることにより行うことができる。ダストバッグ取付口33には、ホース30側を吸い込み風の上流とする逆止弁が設けられている。この逆止弁により、吸い込み風が逆流してごみがホース30側へと戻ることを防ぐことができる。
【0030】
図4に示すように、本機10の概ね中央部には、モータ11が配置されている。モータ11は、モータ軸11aの軸線(モータ軸線J1)が前後方向に延びるように配置されている。モータ軸線J1とホース軸線J2とは、
図4の視点から見て互いに傾斜している。また、モータ軸線J1とホース軸線J2とは、互いに離れている。モータ軸11aの前端部には、ファン12が取り付けられている。ファン12は、ダストバッグ収容部16よりも後方に配置されている。モータ軸11aが回転駆動することにより、ファン12もモータ軸11aと一体になって回転する。ファン12の前面には、ファンカバー17が設けられている。ファンカバー17には、ダストバッグ収容部16からモータ11側へと吸い込み風が流れるための通気口17aが設けられている。
【0031】
図4に示すように、本機10の後端面には複数の排気口10aが設けられている。本機10内のモータ11の上方であって、排気口10aの前方には、コントローラ18が設けられている。コントローラ18には、モータ11の駆動制御を行うマイコンからなる制御回路、モータ11の電流をスイッチングするFETからなる駆動回路、後述するバッテリ41の電力供給状態を検出して、その結果に応じて過放電または過電流状態とならないようにモータ11への電力供給を遮断するオートストップ回路等が備えられている。
【0032】
ファン12の回転によって、本機10内を前側から後側へと吸い込み風が流れる。ファン12によって発生する吸い込み風は、
図4中の矢印Wで示すように、以下のような流れとなる。ホース30の先端部32を吸込口としてホース30内を連結部31の方向へと流れる吸い込み風は、ダストバッグ取付口33からダストバッグ収容部16及び収容されたダストバッグ34内へと流入する。ダストバッグ34にごみが捕捉されて除去された吸い込み風は、ファンカバー17の通気口17aを通って、後方のファン12に向かって流れる。ファン12の後方へと流れた風は、排気口10aへと流れて本機10外に排出される。ファン12の後方から排気口10aへと向かう風は、モータ11やコントローラ18を冷却させる冷却風としても機能する。
【0033】
本機10の後端部であって、排気口10aの下側には、バッテリ取付部40が設けられている。バッテリ取付部40には、10.8V出力の充電式リチウムイオンバッテリであるバッテリ41をスライドさせて取り付け、取り外しすることができる。具体的には、
図3に示すように、バッテリ41を、当該バッテリ41の取付面を前方に向けた姿勢で、バッテリ取付部40の右側から左方向へとスライドさせることで、バッテリ41をバッテリ取付部40に取り付けることができる。また、バッテリ取付部40に取り付けられたバッテリ41を右方向へとスライドさせることで、バッテリ41をバッテリ取付部40から取り外すことができる。バッテリ取付部40に取り付けられたバッテリ41からは、モータ11やコントローラ18へと電力が供給される。
【0034】
図1〜
図2に示すように、箱形矩形の本機10の上側には、前後方向に延びたループ形状のハンドル部20が設けられている。使用者は、ハンドル部20を把持することで、クリーナ1を持ちながら作業したり、クリーナ1を運搬したりすることができる。ハンドル部20の上部の前後両端には、フック21がそれぞれ設けられている。前後両端のフック21に別途用意した肩掛けベルトを通すことにより、クリーナ1を肩掛け状態で使用したり、運搬したりすることができる。
【0035】
ハンドル部20の上側前部には、スイッチパネル22が設けられている。スイッチパネル22には押しボタンであるオフボタン22a及びモード切替ボタン22bが設けられている。オフボタン22aとモード切替ボタン22bとは、使用者がハンドル部20のループ部分を把持した状態で、押し操作可能に配置されている。オフボタン22aとモード切替ボタン22bは、コントローラ18と電気的に接続されている。オフボタン22aを押し操作することにより、電源がオフ状態となってモータ11の駆動が停止される。モード切替ボタン22bを押し操作することにより、電源をオン状態にしながら、モータ11の駆動が異なるモードへと変化させる。具体的には、電源がオフ状態のときに1回モード切替ボタン22bを押し操作すると、出力の大きい「強モード」でモータ11が駆動する。さらにもう1回モード切替ボタン22bを押し操作すると、より出力の大きい「パワフルモード」へと切り替わる。さらにもう1回モード切替ボタン22bを押し操作すると、出力と消費電力を抑えた「標準モード」へと切り替わる。以降ではモード切替ボタン22bを押し操作する度に、前述の3つのモードへと順番に切り替わる。
【0036】
ハンドル部20の前面部には、バッテリ切れ通知ランプ23が設けられている。バッテリ切れ通知ランプ23の点灯状態によって、バッテリ取付部40に取り付けられたバッテリ41の充電残量が減っていることが使用者に通知される。
【0037】
ハンドル部20の前面部には、後述するアタッチメントを収容可能なアタッチメント収容部15が2つ設けられている。アタッチメント収容部15は、本機10の内側に向かって後方斜め下方に延びる孔として構成されている。
【0038】
次に、ホース30の先端部32に装着可能なシートノズル50について
図5〜
図7に基づいて説明する。シートノズル50は、ホース30に接続するアタッチメントの一形態に該当する。シートノズル50は、先端部32の外周部分に係合して取り付け可能な円筒形状を有する取付口52と、自動車のシート等の作業面に接近させる吸込口51とが連通して設けられている。吸込口51は、長方形状に開口する孔であり、吸込口51の長手方向に沿った両端面には、それぞれリントブラシ53が設けられている。リントブラシ53は、ブラシ面に沿った一方向の摩擦によって毛羽立ち、当該一方向と反対方向の摩擦によってその毛羽立ちが収まるように設けられている。本実施形態においては、吸込口51から離れる方向の摩擦を受けたとき毛羽立ち、吸込口51に近づく方向の摩擦を受けたとき毛羽立ちが収まるように配置されている。吸込口51が開口している面を自動車のシート等の作業面に接近させ、作業面に沿って動かすことにより、リントブラシ53が毛羽立っているときにごみがリントブラシ53に捕捉され、リントブラシ53の毛羽立ちが収まっているときに捕捉されたごみがリントブラシ53から滑り落ちる。リントブラシ53からごみが滑り落ちる方向は、吸込口51側であるため、リントブラシ53によって、ごみを効率的に吸込口51へと吸い込ませることができる。
【0039】
吸込口51やリントブラシ53が設けられている作業面との接近面よりも吸い込み風の下流側(取付口52側)には、1対の補助ブラシ54が設けられている。1対の補助ブラシ54は、吸込口51の長手方向両側の下流側(取付口52側)において、それぞれ外側へと延びるように設けられている。補助ブラシ54は、たとえばシートの縫い目や木目込みの隙間等といったリントブラシ53では掃き出すことができない個所に対して、溜まったごみを掃き出すために用いることができる。
【0040】
次に、ホース30の先端部32に装着可能なマットノズル60について
図8〜
図9に基づいて説明する。マットノズル60は、ホース30に接続するアタッチメントの別の一形態に該当する。マットノズル60は、先端部32の外周部分に係合して取り付け可能な円筒形状を有する取付口62と、自動車のマット等の作業面に接近させる吸込口61とが連通して設けられている。吸込口61は、円筒形状に延びる方向に対して斜めに傾いた楕円形状の面が開口面となっている。吸込口61の周りには、吸込口61の開口面と直交する方向に延びる複数の弾性体突起63が、環状に等間隔に並んで設けられている。弾性体突起63は、ゴムで設けられており、略円錐形状をしている。
【0041】
次に、ホース30の先端部32に装着可能なロングサッシノズル70について
図10〜
図16に基づいて説明する。ロングサッシノズル70は、適度な弾性を有するゴム製のノズルであって、ホース30に接続するアタッチメントのさらに別の一形態に該当する。ロングサッシノズル70は、吸い込み方向に長く延びるパイプ部71を主体とするもので、その一端側に、先端部32の外周部分に係合して取り付け可能な円筒形状を有する取付口74を設けられ、他端側に作業面に当接させる樹脂製のノズル部72が結合されている。ノズル部72には、吸込口72aが設けられている。吸込口72aは、パイプ部71が延びる方向に対して斜めに傾いた面が開口面となっている。パイプ部71の取付口74側(下流側)の左右両側には、逃がし孔75が貫通して設けられている。逃がし孔75は、吸込口72aが作業面等で塞がった場合に吸気口となることで、ファン12によって発生する吸い込み風が持続でき、モータ11やコントローラ18を冷却する冷却風として機能することにより、モータ11やコントローラ18が過熱状態になることを防ぐことができる。
【0042】
ノズル部72には、別体で設けられたブラシアタッチメント76を取り付けることができる。
図10に示すように、ノズル部72の左右両側部には、取付孔73が相互に同軸に設けられている。
図14〜
図16に示すように、ブラシアタッチメント76の左右両側部には、取付凸部77が相互に同軸に設けられている。左右の取付孔73に対してそれぞれ取付凸部77を弾性係合させることにより、ブラシアタッチメント76がノズル部72に取り付けられる。ブラシアタッチメント76は、2つの姿勢でノズル部72へと取り付けられる。第1の姿勢は、
図11に示すように、パイプ部71が延びる方向に沿ってブラシアタッチメント76のブラシ毛78が延びるように取り付けられた姿勢である。第1の姿勢において、吸込口79は、パイプ部71の延びる方向と直交する面が開口面となっている。第2の姿勢は、
図12に示すように、パイプ部71が延びる方向と直交する方向にブラシアタッチメント76のブラシ毛78が延びるように取り付けられた姿勢である。第2の姿勢において、吸込口79は、パイプ部71の延びる方向に沿った面が開口面となっている。ブラシアタッチメント76を左右反転させることにより、上記第1の姿勢若しくは第2の姿勢を任意に選択してノズル部72に取り付けることができる。
【0043】
次に、本機10の排気口10aに装着可能なブロワノズル80について
図17〜
図18に基づいて説明する。ブロワノズル80は、排気口10a全体を覆うようにして取り付け可能である四角錐台形状の取付部81の取付口81aと、吹出口83とが、蛇腹ホース82を介して連通して設けられている。
図17、
図18に示すように、取付部81には、2つの引き掛け爪81b,81cが設けられている。
図17に示すように下側の引き掛け爪81cが上側の引き掛け爪81bよりも幅広に設けられている。これに対して、
図2に示すように本機ハウジング19の後面であって、排気口10aの上側と下側に引き掛け凹部10b,10cが設けられている。下側の引き掛け凹部10cが上側の引き掛け凹部10bよりも左右に長く設けられている。引き掛け爪81bと引き掛け凹部10b、引き掛け爪81cと引き掛け凹部10cを、それぞれ係合させることにより、取付部81が排気口10aを覆うようにして本機10に取り付けられる。排気口10aから排出される風は、蛇腹ホース82内を流れて吹出口83から排出される。この排出される風を利用することで、クリーナ1は作業床面上の粉塵等を吹き飛ばす作業に用いられるブロワとしても機能する。
【0044】
次に、ホース30の先端部32に装着可能な第2のマットノズル90について、
図19〜21に基づいて説明する。マットノズル90は、ホース30に接続するアタッチメントの別の一形態に該当する。
図19〜21に示すように、マットノズル90は、先端部32の外周部分に係合して取り付け可能な円筒形状を有する取付口92と、自動車のマット等の作業面Wに接近させる吸込口91とが連通して設けられている。吸込口91が形成されるノズル部95は、平面視で幅広の略矩形状に形成されている。吸込口91は、ノズル部95の形状に沿うように幅広の矩形状に開口している。吸込口91の周りには、複数の突起93が、吸込口91の外周のうち長手方向両側に沿って、それぞれに1列ずつ略等間隔で配置されている。突起93は、例えば樹脂で設けられており、吸込口91の開口面と直交する方向に延びる略円錐形状を有している。
【0045】
突起93より外周側であるノズル部95の外縁部には、張出部94が設けられている。張出部94は、1列に並ぶ突起93に沿って長手方向を有し、ノズル部95の外縁部から外方に向かって張り出している。張出部94は、
図21に示すように一側の突起93の列より外周側(
図21において左側)に設けられていてもよく、図示省略するが両側の突起93の列より外周側のそれぞれに設けられていてもよい。
【0046】
図21の白抜き矢印で示すように、マットノズル90は、自動車のマット等の作業面Wに対して、主として吸込口91の長手方向と交差する方向(
図21において左右方向)に動かすことで使用される。作業中において、突起93は作業面Wに向かって突出しており、張出部94は作業面Wに対して概ね平行である。作業面Wに沿ってマットノズル90を例えば
図21において左側から右側へ動かす時、マット等は、突起93が押し付けられた状態から解放されることで、マット等のじゅうたん毛が元の起毛状態に戻ろうとするが、この時張出部94が存在しないと、付着している砂や埃等のごみを跳ね返して遠くに飛散させる場合が想定される。張出部94が設けられているマットノズル90によれば、遠くに飛散しようとするごみが張出部94に当たることで、遠くへの飛散が抑えられ、吸込口91の近くに落とされやすくなる。これにより、清掃効率を高めることができる。
【0047】
次に、ホース30の先端部32に装着可能なロングラバーノズル100について、
図22に基づいて説明する。ロングラバーノズル100は、ホース30に接続するアタッチメントの別の一形態に該当する。
図22に示すように、ロングラバーノズル100は、先端部32の外周部分に係合して取り付け可能な円筒形状を有する取付口103と、自動車のドアポケット等の作業面に接近させる吸込口102とが、パイプ部101を介して連通して設けられている。
【0048】
ロングラバーノズル100は、ゴム等の弾性材料で一体に形成されている。ロングラバーノズル100は、例えば引張強さが5〜25MPaのCR(クロロプレンゴム)、NBR(ニトリルゴム)等の耐候性や耐水性や耐油性の高い合成ゴムで構成されている。ロングラバーノズル100は、全体が適度なゴム硬度を有する合成ゴム等で一体に構成されており、前記したロングサッシノズル70とは異なって硬度の高いノズル部72を備えていないことによって、ドアポケット等の奥まった形状に倣った変形が可能であり、かつ変形時にパイプ部101内の流路が潰れ難い。また、ロングラバーノズル100は、例えば灰色のゴムで構成されている。
【0049】
次に、ホース30の先端部32に装着可能なインパネノズル110について、
図23〜28に基づいて説明する。インパネノズル110は、ホース30に接続するアタッチメントの別の一形態に該当する。インパネノズル110は、例えば自動車のインパネ(インストゥルメンタルパネル)等の清掃時に用いることができる。
図23〜28に示すように、インパネノズル110のパイプ部111は、例えば樹脂製であり、吸い込み方向に長く延びている。パイプ部111の一端側には、先端部32の外周部分に係合して取り付け可能な円筒形状を有する取付口113が設けられている。パイプ部111の他端側には、作業面に接近させるノズル部112がパイプ部111と一体に設けられている。ノズル部112には、取付口112aが設けられている。取付口112aは、パイプ部111の長手方向に対して概ね45°傾斜した面が開口面となっている。ノズル部112の先端の角部112bは、R形状を有し、インパネ等の奥まった個所にノズル部112を進入させた時にノズル部112が引っ掛かり難いように形成されている。
【0050】
図23〜28に示すように、取付口112aには、別体で設けられたブラシアタッチメント114が取付口112aの軸線回りに回転可能な状態で取り付けられている。ブラシアタッチメント114は、例えば樹脂製である。ブラシアタッチメント114は、側面視で略直角三角形状を有し、斜辺に該当する面と他の一辺に該当する面との間で貫通する貫通孔が設けられている。貫通孔の斜辺に該当する面側の開口部は、取付口112aと連結可能である取付口117である。貫通孔の他の一辺に該当する面側は、作業面に接近させる吸込口115である。貫通孔が設けられていない側面視略直角三角形の残りの一辺に該当する面は、壁部118である。吸込口115の外周部には、吸込み方向と相反方向に延びるブラシ毛116が略等間隔で並べられている。取付口117の外縁部には、適度の弾性を有して取付口112aと係合可能である爪部117aが設けられている。
【0051】
ブラシアタッチメント114は、2つの姿勢に向きを変更可能な状態で取付口112aへと取り付けられている。
図23,24,27に示すように、第1の姿勢は、パイプ部111の長手方向に沿ってブラシ毛116が延びる姿勢である。第1の姿勢において吸込口115は、パイプ部111の長手方向を向いて開口している。
図25,26,28に示すように、第2の姿勢は、パイプ部111が延びる方向と略直交する方向にブラシ毛116が延びる姿勢である。第2の姿勢において吸込口115は、パイプ部111の長手方向と略直交方向に向かって開口しており、パイプ部111の長手方向の延長上には壁部118が配置されている。ブラシアタッチメント114は、取付口112aの軸線回りに回転させることにより、上記第1の姿勢若しくは第2の姿勢又はその中間の姿勢を任意に選択してその向きを変更することができる。
【0052】
インパネノズル110は、第1の姿勢における取付口113からブラシ毛116の先端までの長さが例えば100mm以上である。インパネノズル110は、第1の姿勢におけるパイプ部111及びブラシアタッチメント114の外径が例えば50mm以下である。インパネノズル110は、第2の姿勢においてノズル部112からブラシ毛116の先端までの最大高さ(
図25で示すパイプ部111の長手方向と直交する方向の最大高さ)が例えば70mm以下である。
【0053】
以上説明した本実施形態のクリーナ1によれば、ホース30と本機10とが、ボール部31aとボール受け部31bとで構成されたボールジョイント形式の連結部31によって連結されることにより、ホース30の連結部31における回転自由度が高くなっている。このため、ホース30を本機10に巻き付けたときに、連結部31に加わるねじれや曲げ等の負荷を軽減することができるため、ホース30を本機10の周りにコンパクトに巻き付けたときでも、ホース30が損傷しにくくなっている。また、本実施形態のクリーナ1によれば、ホース30が本機10の周りに巻き付けられるとき、連結部31から先端部32までの少なくとも一部分が、ホース保持部14に保持される。このため、ホース30を本機10の周りに巻き付けた状態でコンパクトに保持することができる。
【0054】
また、本実施形態のクリーナ1によれば、連結部31におけるホース30の軸線(ホース軸線J2)が、モータ11のモータ軸11aの軸線(モータ軸線J1)に対して傾斜していることにより、ホースの連結部周りにおいて、ホースを巻き付けて保持しやすくなる。また、モータ軸11aの軸線方向(前後方向)における本機10の長さを短く設けることができる。また、本実施形態のクリーナ1によれば、ホース30を本機10の前側部分にあたるホース保持部14の周りにコンパクトに収納させることができる。これにより、ホース30を本機10の周りに巻き付けた状態のクリーナ1を持ち運びしやすくすることができる。また、本実施形態のクリーナ1によれば、ホース30の連結部31と先端部32とが、左右横並びに本機10に保持される。このため、ホース30を、左右方向についてバランス良く、かつコンパクトに、本機10に保持させることができる。
【0055】
また、本実施形態のクリーナ1によれば、清掃個所に応じたアタッチメントを、速やかにホース30の先端部32への取り付けることができる。また、清掃個所に応じたアタッチメントを、速やかに本機10のアタッチメント収容部15へと収納することができる。
【0056】
また、本実施形態のクリーナ1によれば、自動車のシート等に付着したごみを、シートノズル50のリントブラシ53によって掃き出しながら、効率よく吸込口51へと吸引させることができる。また、本実施形態のクリーナ1によれば、自動車のシートの縫い目や木目込み等のリントブラシ53では掃き出せない小さな隙間に付着したごみを、補助ブラシ54によって掃き出すことができる。
【0057】
また、本実施形態のクリーナ1によれば、自動車のマット等のごみが付着した個所にマットノズル60の吸込口61を接近させることによって、当該ごみが付着した個所が複数の弾性体突起63に包囲される。これにより、複数の弾性体突起63の間、及びマット等と吸込口61の端面との間の狭い隙間を強い吸い込み風が流れ、この強い吸込み風によってごみを吸込口61へと吸い込ませることができる。
【0058】
また、本実施形態のクリーナ1によれば、ロングサッシノズル70のパイプ部71が弾性部材で構成(ゴム製)されていることにより、自動車のドアノブやフロントガラスの端部等の狭く入り組んでいるような個所に、ロッグサッシノズル70の吸込口72aを届かせることができる。これにより、ロングサッシノズル70を使用することで、通常では清掃しにくい個所を清掃することができる。また、本実施形態のクリーナ1によれば、自動車のインストゥルメンタルパネル等の細かい部品が備えられている個所に対しても、ロングサッシノズル70のノズル部72に別体で設けられたブラシアタッチメント76を取り付けることで清掃することができる。さらに、本実施形態のクリーナ1によれば、清掃個所に応じて、ノズル部72に対するブラシアタッチメント76の吸込口79の吸い込み角度を変更することができるため、入り組んだ個所への清掃に対応させることができる。
【0059】
また、本実施形態のクリーナ1によれば、排気口10aから排出される排気風を、ブロワノズル80の取付部81から蛇腹ホース82を介して吹出口83へと送って噴出させることにより、クリーナ1にブロワとしての機能を追加することができ、クリーナ1の利便性が高まる。
【0060】
また、本実施形態のクリーナ1によれば、マットノズル90に張出部94が設けられることで、マット等のじゅうたん毛が元に戻ろうとすることで遠くに飛散するごみが張出部94に当たって遠くへの飛散が抑えられ、吸込口91の近くに落とされやすくなる。これにより、清掃効率を高めることができる。
【0061】
また、本実施形態のクリーナ1によれば、ロングラバーノズル100は、適度なゴム硬度を有する合成ゴム等で一体に構成されている。これにより、ロングラバーノズル100が変形することで吸込口102をドアポケット等の奥まった個所に届かせることができ、かつ届かせた時のパイプ部101内の流路が確保される。また、本実施形態のクリーナ1によれば、ロングラバーノズル100は、例えば灰色のゴムで構成されている。これにより、ロングラバーノズル100の吸込口102をドアポケット等の奥まった個所に進入させる場合に、白色や黒色の内装材に対して擦った跡を目立ちにくくすることができる。
【0062】
また、本実施形態のクリーナ1によれば、インパネノズル110は、パイプ部111の長手方向に沿ってブラシ毛116が延びる第1の姿勢と、パイプ部111が延びる方向と略直交する方向にブラシ毛116が延びる第2の姿勢をとることができる。これにより、第1の姿勢と第2の姿勢で使い分けて自動車のインパネ等を清掃することができ、特に第2の姿勢によってインパネ等の入り組んだ個所を清掃することができる。また、本実施形態のクリーナ1によれば、インパネノズル110は、ノズル部112の先端の角部がR形状を有している。これにより、自動車のインパネ等の奥まった個所にノズル部112を進入させた時にノズル部112が引っ掛かり難く、使い勝手を高めることができる。
【0063】
以上説明した本実施形態のクリーナ1には種々変更を加えてもよい。たとえば、本機10へのホース30の巻き付け位置や保持位置について、本実施形態に限定されることなく適宜変更することができる。また、バッテリ41について、本実施形態のクリーナ1のリチウムイオンバッテリとは異なる充電式バッテリを用いてもよい。マットノズル60に設けられる弾性体突起63やマットノズル90に設けられる突起93の並び方について、本実施形態で挙げたものに限定されない。たとえば、本実施形態のクリーナ1における弾性体突起63や突起93の並び方の条件をすべて満たす必要はなく、等間隔であるだけでもよいし、曲線状に並んでいるだけでもよいし、環状に並んでいるだけでもよい。ブロワノズル80の種類や形状について、本実施形態で挙げたものに限定されない。ブロワノズル80を本機10に保持可能に設けてもよい。複数のアタッチメントを本機10に保持可能に設けてもよい。マットノズル60の弾性体突起63やロングサッシノズル70のパイプ部71やロングラバーノズル100等について、本実施形態で例示したゴムに限らず他の弾性部材を用いてもよい。