特許第6838190号(P6838190)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6838190ゲーム用疑似乱数生成部、ゲーム用疑似乱数生成方法、ゲーム用疑似乱数生成プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6838190
(24)【登録日】2021年2月15日
(45)【発行日】2021年3月3日
(54)【発明の名称】ゲーム用疑似乱数生成部、ゲーム用疑似乱数生成方法、ゲーム用疑似乱数生成プログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/60 20140101AFI20210222BHJP
   A63F 13/79 20140101ALI20210222BHJP
【FI】
   A63F13/60
   A63F13/79
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2020-136168(P2020-136168)
(22)【出願日】2020年8月12日
【審査請求日】2020年8月12日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】512294021
【氏名又は名称】株式会社アカツキ
(74)【代理人】
【識別番号】110002790
【氏名又は名称】One ip特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】五ヶ谷 純平
【審査官】 比嘉 翔一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−165899(JP,A)
【文献】 特開2013−000537(JP,A)
【文献】 特開2009−000174(JP,A)
【文献】 特開2008−073370(JP,A)
【文献】 特開2011−024607(JP,A)
【文献】 特開2010−142305(JP,A)
【文献】 特開2015−200958(JP,A)
【文献】 特開2013−158545(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0030405(US,A1)
【文献】 特開2009−148483(JP,A)
【文献】 特開2016−048476(JP,A)
【文献】 はるか,オンラインゲームの確率について,はるかのひとりごと [online],2018年 2月10日,[2020年9月2日検索],インターネット,URL,https://www.harukas.org/blog/162/
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00 − 13/98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤが所有しており、前記プレイヤにより行動指示可能なキャラクタの数情報を少なくとも含むプレイヤ情報としてプレイヤ情報取得部により取得し、
前記プレイヤ情報をシードとして、疑似乱数を生成する、
ことを特徴とするゲーム用疑似乱数生成部。
【請求項2】
プレイヤが二以上所有しており、前記プレイヤにより行動指示可能な二以上のキャラクタの同種のパラメータの合計値情報を少なくとも含むプレイヤ情報としてプレイヤ情報取得部により取得し、
前記プレイヤ情報をシードとして、疑似乱数を生成する、
ことを特徴とするゲーム用疑似乱数生成部。
【請求項3】
プレイヤがこれまでに消費したゲーム内通貨の値情報を少なくとも含むプレイヤ情報としてプレイヤ情報取得部により取得し、
前記プレイヤ情報をシードとして、疑似乱数を生成する、
ことを特徴とするゲーム用疑似乱数生成部。
【請求項4】
プレイヤに関連するフレンド数情報を少なくとも含むプレイヤ情報としてプレイヤ情報取得部により取得し、
前記プレイヤ情報をシードとして、疑似乱数を生成する、
ことを特徴とするゲーム用疑似乱数生成部。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はゲーム用疑似乱数生成部、ゲーム用疑似乱数生成方法、ゲーム用疑似乱数生成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、スマートフォン等に記憶されたゲームアプリケーションからサーバ装置へプレイヤの操作情報等を送信し、例えばコスト(以下、「スタミナ」と称する。)を消費しながら各ステージを進行させるゲームシステムが存在する(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−134036号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載のゲームシステムにおいても用いられているように、ゲームシステム内のイベント発生については、例えば現在時刻等をシードとして発生させた疑似乱数を用いてランダムにイベントを発生させることが通常である。より具体的な例としては、所定の同一条件下にはある(例えば、同じステージ構成であったり、出現する敵キャラクタが同じであったり等)ものの、パズル要素があるゲームにおいてはパズルの配置、対戦要素があるゲームにおいては敵キャラクタの動作等が、上述の疑似乱数を用いてランダムに設定されるため、プレイヤはプレイするたびに新規な条件が提供されるので、プレイヤは飽きずに何度もゲームをプレイすることが可能である。
【0005】
しかしながら、プレイするたびに新規な条件が提供されることで、例えば同じステージをプレイしても、運要素によって失敗したのか、戦術要素によって失敗したのか判断できない場合がある。このような状況下では、プレイヤはどのような対策を講じればよいかわからず、最終的にゲームをプレイすることを辞めてしまう恐れがある。
【0006】
そこで、本発明は、所定の再現性がある疑似乱数を発生させることで、特にプレイヤが対策を検討しやすいインゲームを提供できることを一つの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、プレイヤ固有のプレイヤ情報を取得するプレイヤ情報取得部と、所定周期で変動する変動値を取得する変動値取得部と、前記プレイヤ情報と前記変動値とを互いに所定の論理演算をする論理演算部と、を備える、ことを特徴とするゲーム用疑似乱数生成部、ゲーム用疑似乱数生成方法、ゲーム用疑似乱数生成プログラムが得られる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、所定の再現性がある疑似乱数を発生させることで、特にプレイヤが対策を検討しやすいインゲームを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施の形態によるシステムの構成例を示す図である。
図2図1のサーバ装置の機能ブロック図である。
図3】本発明の実施の形態による所有キャラクタに関するデータ構成例を示す図である。
図4図1のプレイヤ端末の機能ブロック図である。
図5】実施例1における疑似乱数生成部114の構成例を示す図である。
図6】実施例1における疑似乱数生成部114の他の構成例を示す図である。
図7】実施例2における疑似乱数生成部114の構成例を示す図である。
図8】実施例2における疑似乱数生成部114の他の構成例を示す図である。
図9】実施例3における疑似乱数生成部114の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明は、以下のような構成を備える。
[項目1]
プレイヤ固有のプレイヤ情報を取得するプレイヤ情報取得部と、
所定周期で変動する変動値を取得する変動値取得部と、
前記プレイヤ情報と前記変動値とを互いに所定の論理演算をする論理演算部と、を備える、
ことを特徴とするゲーム用疑似乱数生成部。
[項目2]
前記プレイヤ情報は、ゲームアプリケーションを最初に起動した際に設定されるプレイヤID情報である、
ことを特徴とする、項目1に記載のゲーム用疑似乱数生成部。
[項目3]
前記プレイヤ情報は、数値化したプレイヤ名情報である、
ことを特徴とする、項目1に記載のゲーム用疑似乱数生成部。
[項目4]
前記プレイヤ情報は、プレイヤが設定した個人情報である、
ことを特徴とする、項目1に記載のゲーム用疑似乱数生成部。
[項目5]
前記プレイヤ情報は、プレイヤが所有するゲーム媒体に関するゲーム媒体情報である、
ことを特徴とする、項目1に記載のゲーム用疑似乱数生成部。
[項目6]
前記変動値は、日付情報である、
ことを特徴とする、項目1ないし3のいずれか一項に記載のゲーム用疑似乱数生成部。
[項目7]
前記変動値は、曜日情報である、
ことを特徴とする、項目1ないし3のいずれか一項に記載のゲーム用疑似乱数生成部。
[項目8]
前記変動値は、分単位以上の時間情報である、
ことを特徴とする、項目1ないし3のいずれか一項に記載のゲーム用疑似乱数生成部。
[項目9]
前記変動値は、1分周期以上の時間情報である、
ことを特徴とする、項目1ないし3のいずれか一項に記載のゲーム用疑似乱数生成部。
[項目10]
プレイヤ情報取得部により、プレイヤ固有のプレイヤ情報を取得するステップと、
変動値取得部により、所定周期で変動する変動値を取得するステップと、
論理演算部により、前記プレイヤ情報と前記変動値とを互いに所定の論理演算をするステップと、を含む、
ことを特徴とするゲーム用疑似乱数生成方法。
[項目11]
プレイヤ情報取得部により、プレイヤ固有のプレイヤ情報を取得するステップと、
変動値取得部により、所定周期で変動する変動値を取得するステップと、
論理演算部により、前記プレイヤ情報と前記変動値とを互いに所定の論理演算をするステップと、をコンピュータに実行させる、
ことを特徴とするゲーム用疑似乱数生成プログラム。
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0012】
<構成>
図1に示されるように、本ゲームシステムは、ネットワーク3(例えば、インターネット等)を介してゲームに関する各種サービスをプレイヤに提供するものであり、サーバ装置1と複数のプレイヤ端末2とで構成される。
【0013】
<サーバ装置1の構成>
図2は、サーバ装置1の機能上の構成を示すブロック図である。サーバ装置1は、システム管理者等が各種サービスを運営・管理する際に利用する情報処理装置であり、例えば、ワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、或いはクラウド・コンピューティング技術によって論理的に実現されてもよい。
【0014】
サーバ装置1は、制御部11、記憶部12、入力部13、表示部14、通信部15を有する。サーバ装置1は、通信部15を介してプレイヤ端末2から各種のコマンド(リクエスト)を受信すると、制御部11においてゲームプログラムによる処理を実行し、ゲームプログラムの処理結果(例えば、ゲーム画像やゲーム音声等)がプレイヤ端末2へ送信される。なお、上記ゲームプログラムの一部は、プレイヤ端末2に送信されてプレイヤ端末2上で実行されてもよい。
【0015】
制御部11は、各部間のデータの受け渡しを行うとともに、サーバ装置1全体の制御を行うものであり、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)が所定のメモリに格納されたプログラムを実行することによって実現される。本実施の形態の制御部11は、少なくともゲーム実行部111、操作情報受信部112、処理結果生成部113、疑似乱数生成部114を備える。
【0016】
ゲーム実行部111は、ゲームプログラムに従ってゲームを進行させる処理を実行する機能を有している。本実施形態におけるゲームシステムによるゲームは、任意の種類のゲームであってよく、例えば対戦ゲーム、パズルゲーム、アクションゲーム、野球ゲーム、サッカーゲーム、その他スポーツゲーム、クイズゲーム、ピンボールゲーム、カードゲーム、リズムゲーム、RPGなどであってよい。
【0017】
操作情報受信部112は、プレイヤ端末2より送信された操作情報を受信する。受信した操作情報は、ゲーム実行部111によりゲームプログラムが処理されるための指示情報として用いられる。
【0018】
処理結果生成部113は、ゲーム実行部111により実行されたゲームプログラムの処理結果を生成する処理を実行する機能を有している。生成された処理結果は、処理結果生成部113によりプレイヤ端末2に送信されて、後述の出力部24により出力される。
【0019】
疑似乱数生成部114は、所定期間変化しない疑似乱数値を生成する。詳細については、後述する。なお、疑似乱数生成部114は、サーバ装置1ではなくプレイヤ端末2に備えられていてもよい。
【0020】
イベント設定部115は、疑似乱数生成部114が生成した疑似乱数を用いてプレイヤ端末2を介してプレイヤに提供するイベントを設定する。疑似乱数を用いてイベントを設定する方法は既知の方法であってよく、例えば、疑似乱数または所定の疑似乱数条件(例えば、疑似乱数を所定数ごとに区切った範囲など)とイベントとの対応付けを示す配列表などを用いればよい。なお、イベント設定部115は、サーバ装置1ではなくプレイヤ端末2に備えられていてもよい。
【0021】
記憶部12は、システムプログラムが記憶された読取専用の記憶領域である不揮発性記憶装置と、制御部11による演算処理のワーク領域として使用される書き換え可能な記憶領域である揮発性記憶装置とを有している。不揮発性記憶装置は、例えば、ROM(Read Only Memory)やフラッシュメモリ、ハードディスクなどによって実現され、揮発性記憶装置は、RAM(Random Access Memory)やVRAM(Video Random Access Memory)などによって実現される。本実施形態における記憶部12は、少なくともゲーム情報記憶部121、プレイヤ情報記憶部122、ゲーム媒体情報記憶部123等の各種記憶部を有している。
【0022】
ゲーム情報記憶部121は、ゲームに関する情報を記憶する。ゲーム情報は、ゲームの種類に応じて適宜構成される。例えばクエストゲームを含むゲームである場合は、ステージIDに紐づけて、ステージ名、敵キャラクタ情報、消費スタミナ情報等を含む。
【0023】
プレイヤ情報記憶部122は、プレイヤに関する情報を記憶する。プレイヤ情報には、プレイヤIDに紐づけて、プレイヤ名、現在スタミナ情報、上限スタミナ情報、プレイステージ情報、決済手段、各種設定情報等の情報を含むことができ、その他、プレイヤ及びゲームのプレイ状況に関する情報を含むことができる。現在スタミナ情報は、現在消費可能なプレイヤのスタミナの数値を示す情報である。上限スタミナ情報は、所定時間経過ごとに、または、アイテムの使用やキャラクタの特殊能力の利用等に応じてスタミナが回復する際の上限値を示す情報である。プレイステージ情報は、設定された複数のステージのうち、プレイヤがこれまでにプレイしたことのあるステージに関する情報であり、プレイ回数、クリア情報等を含むことができる。各種設定情報は、例えば自動進行設定情報を含み、当該自動進行設定情報がオンの時には、プレイヤがプレイヤ端末2を介して操作しなくとも後述するイベントを進めることができる。
【0024】
ゲーム媒体情報記憶部123は、プレイヤが所有するキャラクタ、アイテム等のゲーム媒体情報を記憶する。図3は、ゲーム媒体情報記憶部123のうち、所有キャラクタに関する情報の構成例である。所有キャラクタ情報は、各所有キャラクタのIDに対応付けて、取得日時、キャラクタ名、レベル、レアリティ、HP(現在値/最大値)、属性、スキル、攻撃力(現在値/最大値)、防御力(現在値/最大値)、使用頻度などの各種パラメータの値を含むことができる。取得日時は、ゲームの進行や抽選実行により当該キャラクタがプレイヤに付与された日時に関する情報である。レアリティは、当該キャラクタの例えば抽選ゲームにおける当選確率に関する情報である。HP、攻撃力、防御力は、現在の値である「現在値」と合わせて、当該キャラクタを最大レベルまで育成したときの「最大値」の値を含むことができる。属性は、バトル系のゲームであれば火属性、水属性または風属性といったキャラクタの強みを示す分類や、スポーツゲームであれば属しているチームやポジション等を示す分類等、その他キャラクタの分類に関する設定情報である。スキルは、キャラクタが使用可能な特技などの情報である。使用頻度は、プレイヤが当該キャラクタを過去に選択、または使用した頻度に関する情報である。使用頻度はプレイヤがゲームを開始して以来の全期間において計算してもよいし、直近数か月、等の任意の期間において計算してもよい。また、ゲーム媒体情報としては、所有キャラクタの他に、所有するアイテムに関する情報を含んでもよい。所有アイテム情報は、所有アイテムのIDに対応付けて、保有数などの情報を含むことができる。なお、サーバ装置1は、記憶部としてこれらのゲーム情報、プレイヤ情報、ゲーム媒体情報に含まれる情報を所定の構造で保有していればよく、必ずしも上記で述べたように各記憶部121〜123として情報を保有している必要はない。
【0025】
イベントとは、ゲーム内で発生する何れのイベントであってもよく、例えば従来の複数のステージを有するクエストゲームや独立したステージを有するステージゲームなどのゲームイベントであってもよく、特にゲームイベントにおいては、パズル要素があるゲームにおいては各ステージにおけるパズルの配置などであってもよいし、対戦要素があるゲームにおいては各ステージにおける敵キャラクタの動作などであってもよいし、音楽要素があるゲームにおいてはプレイヤの適切な操作に応じて音を発生させるためのオブジェクトの配置などであってもよいし、所定のランダム性を有した選択肢をプレイヤが適切に選択することによりキャラクタとの会話等のストーリーが進むゲームにおいては、提示される選択肢などであってもよい。これにより、所定期間においては同様のゲーム状況が生成されるので、プレイヤはゲームに対して戦略を検討可能となる。
【0026】
それ以外にも、イベントとは、有償または無償のゲーム内通貨を使用してゲーム媒体を得るための抽選イベントであって、抽選確率を疑似乱数の値に応じて変化させてもよいし、所有のキャラクタのパラメータを上昇させる(例えば、レベルアップさせる等)育成イベントであって、他のキャラクタやアイテムなどのゲーム媒体を使用(いわゆる、合成等)した際に得られる経験値取得率(例えば、取得経験値が1.5倍や2倍、0.5倍などに増減する確率等)を疑似乱数の値に応じて変化させてもよい。これにより、ゲームに限らず、イベント実行タイミングについても戦略性が向上する一方で、他のプレイヤと確率等の状況が異なるため、プレイヤ間の情報共有による戦略性の低下は生じることがない。
【0027】
入力部13はシステム管理者がゲームサービスに関する各種データ(例えば、ゲーム情報等)を入力するためのものであり、例えばキーボードやマウス等によって実現される。
【0028】
表示部14は、制御部11からの指令に基づいてシステム管理者用の操作画面を表示するためのものであり、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)等によって実現される。
【0029】
通信部15は、プレイヤ端末2との間でネットワーク3を介して通信を行うためのものであり、プレイヤ端末2から送信される各種データや信号、コマンドを受信する受信部としての機能と、制御部11の指令に応じて各種データや信号をプレイヤ端末2へ送信する送信部としての機能を有している。通信部15は、例えばHTTP(HyperText Transfer Protocol)やHTTPS、WebSocket、P2P(Peer To Peer)等によりプレイヤ端末2との通信を行う。
【0030】
<プレイヤ端末2>
図4は、プレイヤ端末2の機能上の構成を表すブロック図である。プレイヤ端末2は、プレイヤが所持し利用することができる情報処理装置(例えば、スマートフォン、携帯電話端末、タブレット端末等)である。プレイヤ端末2は、サーバ装置1から送信されたゲームプログラムの処理結果をゲームアプリケーションまたはWebブラウザを介して出力(例えば、ゲーム画面表示、ゲーム音声出力等)することができる。プレイヤ端末2は、プレイヤ端末2全体の制御を行う制御部21と、各種データ・プログラムを記憶する記憶部22と、プレイヤが操作入力を行うための入力部23、ゲーム画面・操作画面等を出力する出力部24、サーバ装置1との間で情報通信を行う通信部25を有している。本実施の形態の制御部21は、少なくとも操作情報受付部211、ゲーム動作部212、処理結果受信部213を備える。また、記憶部22は、少なくともゲーム動作情報記憶部221を備える。制御部21の各機能部は、メモリやゲーム動作情報記憶部221に格納されているプログラムをCPUが実行することにより実現することができる。
【0031】
操作情報受付部211は、プレイヤによる入力部23を用いたゲームに関する操作を受け付ける。そして、操作情報受付部211は、受け付けた操作内容をゲーム動作部212またはサーバ装置1に出力する。
【0032】
ゲーム動作部212は、ゲームアプリケーションを動作させるための処理を実行する。ゲーム動作部212は、ゲーム動作情報記憶部221に記憶されたゲーム動作情報に含まれるゲームソフトウェアと、入力部23から入力されたプレイヤの操作内容とに基づいてゲームを開始及び動作させる。ゲーム動作部212は、ゲームの動作に伴い、ゲーム動作情報に含まれる画像データからゲーム用の画像を生成し、生成した画像を出力部24に出力させるための制御処理を行う。同様にして、ゲーム動作部212は、ゲームの動作に伴い、ゲーム動作情報に含まれる音楽データや音声データからゲーム用の音楽や音声を生成し、生成した音楽や音声を出力部24から出力させるための制御処理を行う。なお、ここでは、ネイティブアプリがWebアプリの機能を一部実行する、すなわち、プレイヤ端末2のゲーム動作部212がサーバ装置1の処理結果生成部113の機能を一部実行する構成について説明したが、後述するようにゲーム動作部212を有さずに処理結果生成部113が処理結果として全てのゲーム用画像、音声を生成するように構成されていてもよいし、ゲーム動作部212によって全てのゲーム用画像、音声を生成するように構成されていてもよい。
【0033】
ゲーム動作部212を有する場合、ゲーム動作部212が動作させるゲームにおける所定のパラメータはサーバ装置1にて管理される。例えば、ゲームにおけるスタミナや、ゲーム内通貨といったパラメータが、サーバ装置1にて管理される。そのため、ゲーム動作部212は、ゲームにおいてこれらの所定のパラメータの変化が伴う処理が発生する場合には、サーバ装置1との通信を行うことにより、サーバ装置1が管理するパラメータを更新させる。そして、ゲーム動作部212は、更新後のパラメータをサーバ装置1から受信し、この更新後のパラメータに基づいてゲームの動作を継続する。
【0034】
サーバ装置1に処理結果生成部113を有する場合、処理結果受信部213は、処理結果生成部113により生成及び送信された処理結果を受信し、出力部24を介してプレイヤに対して出力するように動作する。
【0035】
<実施例1>
図5は、本実施形態における疑似乱数生成部114の構成例を示す図である。疑似乱数生成部114は、プレイヤ情報取得部301、変動値取得部302、論理演算部303を有する。
【0036】
プレイヤ情報取得部301は、プレイヤ固有のプレイヤ情報(例えば、2進数または8進数、10進数、16進数情報など)を取得する。プレイヤ情報とは、例えば、ゲームアプリケーションを最初に起動した際に定まるプレイヤ固有のプレイヤIDや、数値化したプレイヤ名情報、プレイヤ端末固有のプレイヤ端末ID、ゲームアプリケーションを提供している事業者が別途提供しているプラットフォームのアカウントID、誕生日情報や決済情報などのプレイヤが設定した個人情報に関する値であってもよい。なお、プレイヤ情報は、ステージをクリアするまでに変動しにくいプレイヤ固有の情報であればよいので、例えば、プレイヤ端末2の位置情報やプレイヤに関連付けられている他プレイヤ数(いわゆる、フレンド数など)、プレイヤが所有しているキャラクタやアイテムの数、所定のアイテムの消費数、キャラクターレベルの合計値、現在所持している有償または無償のゲーム内通貨の値、これまでに使用した有償または無償のゲーム内通貨の値など、プレイヤが有するゲーム媒体に関するゲーム媒体情報であってもよい。また、プレイヤ情報は、例えば誕生日情報や決済情報等の個人情報である場合には、セキュリティの観点から、図6に示されるように、さらに第2疑似乱数生成部304(例えば、線形合同法やXORSHIFT法などによるもの等)をプレイヤ情報取得部301の前または後、論理演算部303の前または後に備えていてもよい。
【0037】
変動値取得部302は、プレイヤのゲーム進行と関係なく所定周期ごと(例えば、分単位以上の周期ごと)に変動する変動値(例えば、2進数または8進数、10進数、16進数情報など)を取得する。変動値は、例えば、日付情報や、曜日情報、秒単位を含まない時間情報(例えば、時間単位、分単位など)などであってもよい。また、変動値情報は、例えばタイマーなどにより分単位以上の所定周期で周期的に変化する値であってもよい。所定周期は、1分周期以上であれば何れの周期であってもよく、2分周期以上、5分周期以上、10分周期以上、15分周期以上、30分周期以上、1時間周期以上、1日周期以上等であり得る。
【0038】
なお、所定の周期は、サーバ装置1を管理する管理者により任意の周期ごとに開始タイミングが設定されたイベントに基づく周期であってもよく、例えば、所定の敵キャラクタが登場するイベントクエストの発生周期であったり、プレイヤが所定の利益(例えば、毎日所定の時刻にゲーム媒体が得られる、抽選イベントに必要なゲーム内通貨が通常よりも少ないなど)を得られるキャンペーンイベントなどに関連付けられていてもよい。
【0039】
論理演算部303は、上述のプレイヤ情報と変動値とを互いに所定の論理演算をする。例えば、論理和や論理積、排他的論理和、排他的論理積などであってもよいし、これらの組み合わせであってもよい。
【0040】
これにより、実施例1においては、プレイヤ固有のプレイヤ情報と変動値情報とで疑似乱数が生成されることにより、所定周期ごとに変動する値を用いることでプレイヤは所定周期の間は運要素を極力排除されるため、ステージクリアのための戦略を練ることが可能になりつつ、プレイヤ固有のプレイヤ情報を用いることでプレイヤ間でも異なるステージを提供することが可能となる。
【0041】
<実施例2>
図7は、本実施形態における疑似乱数生成部114の他の構成例を示す図である。実施例2においては、実施例1より単純化した構成となっている。より具体的には、ステージをクリアするまでに変動しにくいプレイヤ固有の情報、すなわち上述のプレイヤが有するゲーム媒体に関するゲーム媒体情報を取得するゲーム媒体情報取得部305を有し、当該ゲーム媒体情報をシードとして、上述の第2疑似乱数生成部304により疑似乱数を生成するように構成をなしてもよい。また、プレイヤ端末2の位置情報やプレイヤに関連付けられている他プレイヤ数情報(いわゆる、フレンド数情報など)を取得するプレイヤ位置情報取得部やフレンド数情報取得部などを備えて同様にしてもよい。なお、図8に示されるように、プレイヤ情報取得部301及び論理演算部303と組み合わせて用いてもよい。
【0042】
これにより、実施例2においては、プレイヤ間で同一の条件となることもあり得るが、プレイヤ個人においては、ステージクリアまでは変動しにくい変動値を用いることで、ステージクリアまでは運要素を極力排除されるため、ステージクリアのための戦略を練ることが可能になる。また、もし仮にステージを変更したい場合には、抽選イベントを実行したり、クリア済みのステージをプレイすることで変動値が変動するため、ステージ内容を変更したい時には容易に変更可能である。さらに、プレイヤ情報と組み合わせることで、プレイヤ間で異なるステージを提供することも可能である。
【0043】
<実施例3>
図9は、本実施形態における疑似乱数生成部114の他の構成例を示す図である。実施例3においては、実施例2と同様に実施例1を単純化したものである。より具体的には、上述のプレイヤのゲーム進行と関係なく所定周期ごと(例えば、分単位以上の周期ごと)に変動する変動値を取得する変動値取得部302を有し、当該変動値をシードとして、上述の第2疑似乱数生成部304により疑似乱数を生成するように構成をなしてもよい。
【0044】
これにより、実施例3においては、プレイヤ間で同一の条件となることもあり得るが、プレイヤ個人においては、例えば分単位以上の所定周期で変動する変動値を用いることで、所定周期の間はステージクリアまでは運要素を極力排除されるため、ステージクリアのための戦略を練ることが可能になる。
【0045】
なお、本実施形態における疑似乱数生成部114により生成された疑似乱数は、ステージの選択のみならず、その他のイベントの設定に用いられてもよいし、その他のイベント用に別途疑似乱数生成部を備えるようにしてもよい。
【0046】
上述した実施の形態は、本発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良することができると共に、本発明にはその均等物が含まれることは言うまでもない。また、各実施形態で示される特徴は、互いに矛盾しない限り他の実施形態にも適用可能である。
【0047】
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
【符号の説明】
【0048】
1 管理サーバ
2 プレイヤ端末
3 ネットワーク
【要約】
【課題】所定の再現性がある疑似乱数を発生させることで、特にプレイヤが対策を検討しやすいインゲームを提供することができること。
【解決手段】本発明は、プレイヤ固有のプレイヤ情報を取得するプレイヤ情報取得部と、所定周期で変動する変動値を取得する変動値取得部と、前記プレイヤ情報と前記変動値とを互いに所定の論理演算をする論理演算部と、を備える、ことを特徴とするゲーム用疑似乱数生成部、ゲーム用疑似乱数生成方法、ゲーム用疑似乱数生成プログラムである。
【選択図】図5
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9