特許第6838257号(P6838257)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6838257
(24)【登録日】2021年2月16日
(45)【発行日】2021年3月3日
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/338 20060101AFI20210222BHJP
   H01L 29/778 20060101ALI20210222BHJP
   H01L 29/812 20060101ALI20210222BHJP
   H01L 21/205 20060101ALI20210222BHJP
   H01L 21/318 20060101ALI20210222BHJP
【FI】
   H01L29/80 H
   H01L21/205
   H01L21/318 B
【請求項の数】4
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-1304(P2017-1304)
(22)【出願日】2017年1月6日
(65)【公開番号】特開2018-113286(P2018-113286A)
(43)【公開日】2018年7月19日
【審査請求日】2019年11月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000154325
【氏名又は名称】住友電工デバイス・イノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087480
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 修平
(72)【発明者】
【氏名】松田 一
【審査官】 杉山 芳弘
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−078568(JP,A)
【文献】 特開2008−306025(JP,A)
【文献】 特開2014−045174(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0131970(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 29/778
H01L 29/812
H01L 21/338
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に設けられ、少なくとも最表面にn型窒化ガリウム層を含む半導体積層体と、
前記半導体積層体上に設けられたゲート電極、ソース電極、およびドレイン電極と、
前記ドレイン電極と前記ソース電極との間の前記窒化ガリウム層上であって、前記ゲート電極に離間し、前記ドレイン電極に接触して設けられた第1窒化シリコン膜と、
前記第1窒化シリコン膜と前記ゲート電極の間の前記窒化ガリウム層上に設けられた第2窒化シリコン膜と、を含み、
前記窒化ガリウム層は酸化ガリウム層を有し、
前記酸化ガリウム層は前記第1窒化シリコン膜に接触し、
前記第1窒化シリコン膜の窒素に対するシリコンの組成は、前記第2窒化シリコン膜の窒素に対するシリコンの組成よりも大きく、
前記第1窒化シリコン膜の酸素含有量は、前記第2窒化シリコン膜の酸素含有量より大きい半導体装置。
【請求項2】
前記第1窒化シリコン膜における窒素に対するシリコンの組成比は0.75より大きい請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記半導体積層体は窒化ガリウムにより形成されたバッファ層と、前記バッファ層上であって窒化アルミニウムガリウムあるいは窒化アルミニウムインジウムにより形成された電子供給層とを含む請求項1または請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第2窒化シリコン膜は、前記ソース電極、前記ゲート電極、前記ドレイン電極および前記第1窒化シリコン膜を覆う請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件は半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
窒化物半導体を用いた電界効果トランジスタ(FET:Field Effect Transistor)などの半導体装置は、基板の上に窒化物半導体層をエピタキシャル成長することで形成される。ソース電極、ドレイン電極およびゲート電極に電圧を印加することで、チャネル層と電子供給層との界面に二次元電子ガス(2DEG)が形成される。特許文献1にはn型窒化ガリウム(GaN)からなるGaN層を設ける技術が記載されている。特許文献2には、窒化物半導体層の上に、シリコン(Si)組成比の高い窒化シリコン(SiN)膜およびストイキオメトリに近いSiN膜を設ける技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−82552号公報
【特許文献2】特開2008−205392号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
n型のGaN層を設けることで、半導体装置のI−V特性(電流−電圧特性)を安定化することができる。しかしGaNがn型であるためGaN層の導電性が高まり、リーク電流が増大してしまう。また、Si濃度の高いSiリッチなSiN膜を設けると、SiN膜中のSiが窒化物半導体層の窒素(N)を引き抜くため、窒化物半導体層中に空孔が生じ、電流コラプスが発生してしまう。
【0005】
本願発明は、上記課題に鑑み、I−V特性を安定化し、かつリーク電流および電流コラプスを抑制することが可能な半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一形態は、基板と、前記基板上に設けられ、少なくとも最表面にn型窒化ガリウム層を含む半導体積層体と、前記半導体積層体上に設けられたゲート電極、ソース電極、およびドレイン電極と、前記ドレイン電極と前記ソース電極との間の前記窒化ガリウム層上であって、前記ゲート電極に離間して設けられた第1窒化シリコン膜と、前記第1窒化シリコン膜と前記ゲート電極の間の前記窒化ガリウム層上に設けられた第2窒化シリコン膜を含み、前記第1窒化シリコン膜の窒素に対するシリコンの組成は、前記第2窒化シリコン膜の窒素に対するシリコンの組成よりも大きく、前記第1窒化シリコン膜と接触する前記窒化ガリウム層の領域の酸素含有量は、前記第2窒化シリコン膜と接触する前記窒化ガリウム層の領域の酸素含有量より大きい半導体装置である。
【発明の効果】
【0007】
上記発明によれば、I−V特性を安定化し、かつリーク電流および電流コラプスを抑制することが可能な半導体装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1(a)は比較例1に係る半導体装置を例示する断面図である。図1(b)は比較例1におけるリーク電流の測定結果を示す図である。
図2図2は比較例2に係る半導体装置を例示する断面図である。
図3図3(a)は実施例1に係る半導体装置を例示する断面図である。図3(b)は半導体装置を例示する平面図である。
図4図4(a)および図4(b)は半導体装置の製造方法を例示する断面図である。
図5図5(a)および図5(b)は半導体装置の製造方法を例示する断面図である。
図6図6(a)および図6(b)は半導体装置の製造方法を例示する断面図である。
図7図7(a)および図7(b)は半導体装置の製造方法を例示する断面図である。
図8図8(a)および図8(b)は半導体装置の製造方法を例示する断面図である。
図9図9は実施例2に係る半導体装置を例示する断面図である。
図10図10(a)および図10(b)は半導体装置の製造方法を例示する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本願発明の実施形態の説明]
最初に、本願発明の実施形態の内容を列記して説明する。
本発明の一形態は、(1)基板と、前記基板上に設けられ、少なくとも最表面にn型窒化ガリウム層を含む半導体積層体と、前記半導体積層体上に設けられたゲート電極、ソース電極、およびドレイン電極と、前記ドレイン電極と前記ソース電極との間の前記窒化ガリウム層上であって、前記ゲート電極に離間して設けられた第1窒化シリコン膜と、前記第1窒化シリコン膜と前記ゲート電極の間の前記窒化ガリウム層上に設けられた第2窒化シリコン膜を含み、前記第1窒化シリコン膜の窒素に対するシリコンの組成は、前記第2窒化シリコン膜の窒素に対するシリコンの組成よりも大きく、前記第1窒化シリコン膜と接触する前記窒化ガリウム層の領域の酸素含有量は、前記第2窒化シリコン膜と接触する前記窒化ガリウム層の領域の酸素含有量より大きい半導体装置である。n型窒化ガリウム層が電子供給層と窒化ガリウム層との界面のエネルギーバンドを持ち上げ、界面におけるホールの影響を相殺するため、I−V特性が安定化する。第1窒化シリコン膜の活性状態のシリコンが窒化ガリウム層表面の未結合手と結合することで、表面準位が安定し電流コラプスが抑制される。窒化ガリウム層の第1窒化シリコン膜と接触する領域の酸素含有量が大きいため、窒素抜けによる空孔が生じにくく、空孔に起因する電流コラプス、およびゲート−ドレイン間の逆方向リーク電流が抑制される。第2窒化シリコン膜のシリコン組成比が低いため、窒素抜けが生じにくく、電流コラプスが抑制される。
(2)前記窒化ガリウム層の前記第1窒化シリコン膜と接触する領域は酸化ガリウムを含んでもよい。これにより窒素抜けによる空孔の発生を抑制し、電流コラプスを抑制することができる。また、酸化ガリウムは窒化ガリウムよりも大きなバンドギャップを有するため、窒化ガリウム層が高耐圧になり、リーク電流を抑制することができる。
(3)前記窒化ガリウム層の前記第2窒化シリコン膜と接触する領域のシリコン濃度は、前記窒化ガリウム層の前記第1窒化シリコン膜と接触する領域のシリコン濃度より高くてもよい。ソース電極およびゲート電極付近ではシリコンがホールを相殺するため、I−V特性が安定化する。
(4)前記第1窒化シリコン膜の酸素含有量は前記第2窒化シリコン膜の酸素含有量よりも大きくてもよい。酸素がガリウム、およびドーパントと結合することで、ゲート−ドレイン間のリークパスが遮断され、リーク電流をより効果的に抑制することができる。
(5)前記第2窒化シリコン膜における窒素に対するシリコンの組成比は0.75より大きくてもよい。第2窒化シリコン膜中のシリコンが窒化ガリウム層表面の結合手などと結合することで、窒化ガリウム層の表面電位が安定し、電流コラプスが抑制される。
(6)前記半導体積層体は窒化ガリウムにより形成されたバッファ層と、前記バッファ層上であって窒化アルミニウムガリウムあるいは窒化アルミニウムインジウムにより形成された電子供給層とを含んでもよい。これによりI−V特性が安定で、かつリーク電流および電流コラプスを抑制したHEMTを形成することができる。
(7)前記第1窒化シリコン膜は前記ドレイン電極に接してもよい。これによりドレイン電極付近においてリークパスを遮断することができる。
(8)前記第2窒化シリコン膜は、前記ソース電極、前記ゲート電極、前記ドレイン電極および前記第1窒化シリコン膜を覆ってもよい。これにより半導体装置の表面の保護および絶縁性の向上が可能である。
【0010】
[本願発明の実施形態の詳細]
本願発明の実施形態に係る半導体装置の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。まず比較例1および2を例として、半導体装置においてリーク電流および電流コラプスが発生することを説明する。
【0011】
[比較例1]
比較例1は特許文献1を参考に考案されたものである。図1(a)は比較例1に係る半導体装置100Rを例示する断面図である。図1(a)に示すように、半導体装置100Rは基板10、窒化ガリウム(GaN)層12(窒化物半導体層)、電子供給層14およびGaN層16を含む高電子移動度トランジスタ(HEMT:High Electron Mobility Transistor)である。電子供給層14の上面にソース電極20およびドレイン電極22が設けられ、GaN層16の上面にゲート電極24が設けられている。電極間にはGaN層16の上面に接触する窒化シリコン(SiN)膜17が設けられている。
【0012】
基板10は例えば炭化珪素(SiC)などにより形成されている。GaN層12は例えば厚さ0.75μmのアンドープのGaNなどにより形成されている。GaN層12のうち下側はバッファ層12aとして機能する。GaN層12の電子供給層14との界面側は、電子が移動するチャネル層12bとして機能する。電子供給層14は例えば厚さ24nm、アルミニウム(Al)組成比が0.22のn型窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)により形成されている。GaN層16は例えば厚さ5nmのn型GaNにより形成されている。電子供給層14およびGaN層16のドーパントは例えばシリコン(Si)であり、Si濃度(ドーパント濃度)は例えば2×1018cm−3である。SiN膜17は例えば窒化シリコン(SiN)などの絶縁体で形成されている。
【0013】
ソース電極20およびドレイン電極22は、例えばGaN層16に近い方から順にタンタル/アルミニウム/タンタル(Ta/Al/Ta)などの金属を積層したものである。ゲート電極24は、GaN層16に近い方から順にニッケル/パラジウム/金/タンタル(Ni/Pd/Au/Ta)を積層したものである。
【0014】
電子供給層14の上にGaN層16を設けることで、電子供給層14とGaN層16との界面(AlGaN/GaN界面)にピエゾ電荷が生じる。ピエゾ電荷によりAlGaN/GaN界面のエネルギーバンドを持ち上げ、ショットキー特性を改善することができる。また表面をGaN層16とすることで、電子供給層14のAlに起因する表面トラップの影響を抑制することができる。その一方、ピエゾ電荷によりAlGaN/GaN界面のエネルギーバンドが上がりすぎることで、チャネル層12bの導電性能が低下する。また、AlGaN/GaN界面にはホールが生成され、ホールによりI−V特性が不安定化する恐れがある。
【0015】
比較例1では、GaN層16がキャリアである電子と同じ導電型のn型であるため、GaN層16と電子供給層14との界面におけるポテンシャルを持ち下げる。これにより導電性能を向上させ、かつホールの生成を抑制し、半導体装置100RのI−V特性を安定化することができる。しかしGaN層16はn型GaNであるため高い導電性を有しており、ゲート−ドレイン間のリーク電流が増大してしまう。
【0016】
比較例1においてゲート−ドレイン間の2端子間リーク電流を測定した。ゲート電極24に−50Vの逆バイアス電圧を印加し、ドレイン電圧は0V、ソース電極20はオープンとした。サンプルとして、GaN層16のSi濃度が0.7×1018cm−3のサンプルS1、および1.5×1018cm−3のサンプルS2の2種類を用いた。サンプルS1およびS2において、層および電極の材料および厚さは上記に例示したものとした。ゲート長は0.6μm、ゲート幅は1mmである。
【0017】
図1(b)は比較例1におけるリーク電流の測定結果を示す図である。横軸はピンチオフ電圧、縦軸はリーク電流を示す。黒丸はサンプルS1の測定結果、白丸はサンプルS2の測定結果である。図1(b)に示すように、サンプルS1およびS2の両方でリーク電流が観測され、Si濃度が高いS2においてS1より大きなリーク電流が観測された。このように、n型GaNで形成されたGaN層16はリークパスとして機能し、Si濃度が高いほどGaN層16の導電性が向上し、ゲート−ドレイン間の逆方向リーク電流が増大する。
【0018】
[比較例2]
比較例2は特許文献2を参考に考案されたものである。図2は比較例2に係る半導体装置200Rを例示する断面図である。比較例1と同じ構成については説明を省略する。図2に示すように、GaN層16の上にSiN膜18および19が設けられている。SiN膜18はGaN層16の上面に接触し、SiN膜19はSiN膜18の上面に接触する。SiN膜18および19は、ソース電極20とゲート電極24との間、ゲート電極24とドレイン電極22との間に位置する。
【0019】
SiN膜19はSiN膜18に比べてストイキオメトリに近い組成を有しており、SiN膜19中の窒素(N)に対するSi組成比(Si/N)は例えば約0.75である。SiN膜18はストイキオメトリな組成に比べてSiリッチな組成を有し、SiN膜18中のSi組成比は0.75より高い。SiN膜18および19は例えばプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)などで成膜される。SiN膜18はSiリッチであるため、成膜の過程でSiN膜18は水素(H)を取り込み、SiN膜18中の余剰のSiとHとの結合(Si−H結合)が多く形成される。Si−H結合は弱いため、例えば熱処理などの工程でHがSiN膜18から離脱し、活性状態のSiがSiN膜18に残存する。
【0020】
GaN層16の表面が、元素の結合手が切れた状態または水素(H)で終端された状態となることがある。これによりGaN層16に表面準位が生じ、表面準位が電子トラップとして機能し、電流コラプスが生じる恐れがある。比較例2では、SiN膜18がGaN層16に接触するため、SiN膜18中の活性化したSiがGaN層16の未結合手および水素終端などと結合する。これにより、GaN層16の表面がエネルギー的に安定な状態となり、表面電位が固定される。SiN膜18の導電性は高いが、SiN膜18の上にSi組成比の小さいSiN膜19を設けることで、SiN膜18中のリーク電流を抑制することができる。
【0021】
しかし、SiN膜18中の活性化したSiはGaN層16から窒素(N)を引き抜き、エネルギー的に安定なSiNを形成する。N抜け後のGaN層16には空孔が生じ、空孔が電子をトラップすることで電流コラプスが発生してしまう。SiリッチのSiN膜のSi濃度を制御することは難しいため、表面の安定化とN抜けの抑制とを達成できる程度のSi濃度を有するSiN膜を安定して形成することは難しい。すなわち、表面準位に起因する電流コラプスとN抜け後の空孔に起因する電流コラプスの抑制は困難である。次に実施例について説明する。
【実施例1】
【0022】
[半導体装置]
図3(a)は実施例1に係る半導体装置100を例示する断面図であり、後述の図3(b)の線A−Aに沿った断面を示す。図3(a)に示すように、半導体装置100は基板10、半導体層11を備えるHEMTである。半導体層11は、GaN層12、電子供給層14およびGaN層16を含む半導体積層体である。GaN層16の上に、ソース電極20、ドレイン電極22およびゲート電極24が設けられている。GaN層16の上にはSiN膜30および32が設けられている。
【0023】
図3(b)は半導体装置100を例示する平面図である。図3(b)においてSiN膜30および酸化層16aは斜線の領域である。ソース電極20、ゲート電極24、およびドレイン電極22はフィンガー型の電極であり、順に並んでいる。GaN層16の上にソースパッド21、ドレインパッド23およびゲートパッド25が設けられている。ソース電極20はソースパッド21に接続され、かつソースパッド21から延伸する。ドレイン電極22はドレインパッド23に接続され、かつドレインパッド23から延伸する。ゲート電極24はゲートパッド25に接続され、かつゲートパッド25から延伸する。各パッドはSiN膜32の開口部32aから露出する。
【0024】
基板10は例えばSiCなどの絶縁体により形成された絶縁基板である。GaN層12は例えば厚さ0.75μmのアンドープのGaNにより形成されている。GaN層12のうち下側はバッファ層12aとして機能する。GaN層12の電子供給層14との界面側は、電子が移動するチャネル層12bとして機能する。電子供給層14は例えば厚さ24nm、Al組成比が0.22のn型AlGaNにより形成されている。GaN層16は例えば厚さ5nmのn型GaNにより形成されている。電子供給層14およびGaN層16のドーパントは例えばシリコン(Si)であり、Si濃度は例えば1×1018cm−3である。
【0025】
ソース電極20およびドレイン電極22は、例えばGaN層16に近い方から順に厚さ6nmのTa層、厚さ300nmのAl層、および厚さ6nmのTa層を積層したオーミック電極である。ゲート電極24は、GaN層16に近い方から順に厚さ60nmのNi層、厚さ40nmのPd層、厚さ350nmのAu層、および厚さ10nmのTa層を積層したものである。ゲート電極長(図3(a)の左右方向のゲート電極24の幅)は例えば0.6μmである。ソース電極20およびドレイン電極22は電子供給層14の上面に接触している。ゲート電極24はGaN層16の上面に接触している。
【0026】
表1はSiN膜30および32の厚さ、酸素(O)含有量および光に対する屈折率を示す表である。
【表1】
表1に示すように、SiN膜30(第1窒化シリコン膜)の厚さは例えば20nm、SiN膜32(第2窒化シリコン膜)の厚さは例えば40nmである。SiN膜30のO含有量はSiN膜32よりも大きい。SiN膜30のO含有量は例えば7.5atom%、SiN膜32のO含有量は例えば3.0atom%である。SiN膜30の屈折率はSiN膜32の屈折率より高い。SiN膜30の屈折率は例えば2.30であり、SiN膜32の屈折率は例えば2.05である。SiN膜30とSiN膜32とは、互いに異なる屈折率を有しているため、以下のように互いに異なるSi/Nを有する。SiN膜32はストイキオメトリ(化学式Siで表記される組成)またはそれに近い組成を有しており、SiN膜32中のSi/Nは例えば約0.75である。SiN膜30はSiN膜32に比べてSiリッチな組成を有し、SiN膜30中のSi/Nは0.75より大きく、例えば0.9程度である。
【0027】
SiN膜30はGaN層16の上面のうち、ゲート電極24とドレイン電極22との間のドレイン電極22側の領域に接触している。GaN層16のSiN膜30と接触する部分には、Gaを含む酸化層16aが形成されている。酸化層16aのO含有量はGaN層16の酸化層16a以外の部分に比べて例えば1〜2atom%程度高い。この酸化層16aはSiN膜32中のOとGaN層16中のGaとが反応して形成されたものである。またGaN層16の酸化層16a以外の部分のSi濃度は酸化層16aにおけるSi濃度より高い。
【0028】
図3(a)に示したように、ドレイン電極22は電子供給層14およびSiN膜30の上面、および酸化層16aの側面に接触する。図3(b)に示したように、酸化層16aおよびSiN膜30はドレイン電極22の周囲に形成されている。図3(a)および図3(b)に示したように、SiN膜30および酸化層16aはソース電極20およびゲート電極24からは離間する。SiN膜32は各電極を覆い、GaN層16の上面のソース−ゲート間の領域、およびゲート−ドレイン間のゲート電極24側の領域に接触する。
【0029】
[半導体装置の製造方法]
表2に各層の成長条件を示す。TMAはトリメチルアルミニウム(Trimethyl Aluminum)、TMGはトリメチルガリウム(Trimethyl Gallium)、NHはアンモニア、SiHはシランである。1Torr=133.3Pa、1sccm=1.667×10−8/s、1slm=1.667×10−11/sである。
【表2】
【0030】
図4(a)から図8(b)は半導体装置100の製造方法を例示する断面図である。表2に示した条件において有機金属化学気相成長(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法を行い、図4(a)に示すように基板10上に、GaN層12、電子供給層14およびGaN層16をエピタキシャル成長する。
【0031】
図4(b)に示すように、プラズマCVD法を用いて、GaN層16の上面に厚さ20nmのSiN膜30を成膜する。表3にSiN膜30および32の成膜条件を示す。周波数およびパワーはプラズマCVD法に用いるRF(Radio Frequency:高周波)のパラメータである。
【表3】
表3に示すように、SiN膜30の成膜工程において、RF信号の周波数は13.56MHz、パワーは50Wである。シラン(SiH)の流量は4sccm、Nの流量は1500sccm、ヘリウム(He)の流量は500sccmとする。原料ガスにアンモニア(NH)を加えてもよい。成膜過程において、成膜装置内に残存するOがSiN膜30に取り込まれる。SiN膜30中のSi/N比およびO含有量は例えば原料ガスの流量、RFの周波数およびパワーなどによって決まる。ここではSiHの流量を大きくすることで、SiN膜32と比較してSiN膜30のSi/NおよびO含有量を大きくする。
【0032】
図5(a)に示すように、SiN膜30の上にフォトレジスト40を形成し、レジストパターニングを行う。図5(b)に示すように、反応性ドライエッチングにより、SiN膜30のフォトレジスト40から露出する部分を除去する。SiN膜30のうちフォトレジスト40下に位置した部分は残存する。エッチング処理後、フォトレジスト40を除去する。
【0033】
図6(a)に示すように、GaN層16およびSiN膜30の上にフォトレジスト42を形成する。レジストパターニングを行いフォトレジスト42に開口部42aおよび42bを形成する。開口部42aからはGaN層16が露出し、開口部42bからはGaN層16およびSiN膜30が露出する。図6(b)に示すように、反応性ドライエッチングにより、開口部42aおよび42bから露出するGaN層16を除去する。GaN層16のうちフォトレジスト42の下の部分、およびSiN膜30の下の部分は残存する。後述するように開口部42a内にはソース電極20が設けられ、開口部42b内にはドレイン電極22が設けられる。
【0034】
図7(a)に示すように、真空蒸着法およびリフトオフ法により、電子供給層14の上にソース電極20およびドレイン電極22を形成する。ソース電極20は電子供給層14に接触し、ドレイン電極22は電子供給層14およびSiN膜30に接触する。
【0035】
窒素雰囲気中において、例えば560℃の温度で熱処理を行い、ソース電極20およびドレイン電極22と電子供給層14とのオーミック接触を形成する。この熱処理により、SiN膜30の中のOがGaN層16と反応し、図7(b)に示すように、GaN層16のSiN膜30と接触する領域に酸化層16aが形成される。
【0036】
図8(a)に示すように、真空蒸着法およびリフトオフ法により、GaN層16の上であって、ソース電極20とドレイン電極22との間にゲート電極24を形成する。図8(b)に示すように、例えばプラズマCVD法により、GaN層16の上に、各電極を覆うSiN膜32を形成する。SiN膜32の成膜工程にはSiN膜30の成膜工程に用いたCVD装置と同じ装置を用いることができる。表3に示したように、SiN膜32の成膜工程においては、SiN膜30の成膜工程と同じく、RFの周波数は13.56MHz、パワーは50W、Nの流量は1500sccm、Heの流量は500sccmとする。SiHの流量はSiN膜30の成膜工程と比べて小さくし、例えば3sccmとする。これにより表2に示したようにSi/NおよびO含有量が小さいSiN膜32を形成する。SiN膜32に図3(b)に示した開口部32aを形成する。以上の工程により半導体装置100を形成する。
【0037】
実施例1によれば、半導体層11の最表面であるGaN層16がキャリアである電子と同じ導電型のn型である。このため、電子供給層14とGaN層16との界面(AlGaN/GaN界面)のエネルギーバンドを持ち下げることで、AlGaN/GaN界面におけるホールの影響を相殺し、半導体装置100のI−V特性を安定化することができる。
【0038】
ドレイン電圧が印加されることでドレイン電極22近傍には高電界が生じる。このため、ドレイン電極22付近の表面準位およびホールは電流コラプスに大きく影響し、ドレイン電極22付近におけるGaN層16のSi濃度はゲート−ドレイン間の逆方向リークに影響する。実施例1によれば、SiN膜30は、GaN層16の上面のうち、ゲート電極24とドレイン電極22との間の領域のドレイン電極22側に接触している。SiN膜30は高いSi組成比を有しており多くのSi−H結合を含む。熱処理などによりSi−H結合が切れ、活性状態のSiが多く生じ、SiがGaN層16表面の未結合手と結合する。このため、GaN層16の表面準位が安定化し、表面準位に起因する電流コラプスが抑制される。
【0039】
SiN膜30の余剰なSiはGaN層16からNを引き抜く恐れがある。しかし、SiN膜30はSiN膜32に比べ高いO含有量を有しているため、SiN膜30中のOがN抜け後のGaN層16のGaと反応する。このため、GaN層16のSiN膜30に接触する領域(酸化層16a)のO含有量は、接触しない領域のO含有量より大きくなる。これにより、GaN層16におけるN抜け後の空孔の発生が抑制され、空孔に起因する電流コラプスが抑制される。また、酸化層16aのO含有量が多いため、ドレイン電極22とゲート電極24との間でGaN層16が高耐圧化し、実質的にSi濃度が低下する。このためゲート−ドレイン間のリークパスを遮断し、リーク電流を抑制することができる。
【0040】
一方、SiN膜32はストイキオメトリまたはそれに近い組成を有し、GaN層16、ゲート電極24およびソース電極20を覆う。SiN膜32に含まれるSi−H結合は少なく、熱処理などにより生じる活性状態のSiも少ない。このためGaN層16のうちSiN膜32に接触する領域ではN抜けが発生しにくく、空孔が少なくなる。すなわちゲート電極24およびソース電極20付近では、N抜けによる空孔が発生しにくく、空孔に起因する電流コラプスが抑制される。SiN膜32はSiN膜30よりも絶縁性に優れるため、SiN膜30を流れるリーク電流を抑制することができる。
【0041】
GaN層16表面の全体にわたってSiN膜30を設けることで、表面準位およびI−V特性をさらに安定化することができるとも考えられる。しかしSiN膜30のO含有量が多いため、GaN層16全体のSi濃度が低下する。これによりAlGaN/GaN界面におけるホールの影響が大きくなり、I−V特性が不安定化する。そこでSiN膜30は、ゲート−ドレイン間のうちドレイン電極22側に設けられ、ソース電極20およびゲート電極24からは離間することが好ましい。これによりゲート−ドレイン間のうちゲート電極24側およびソース−ゲート間ではGaN層16のSi濃度が高く保たれる。このためSiがAlGaN/GaN界面のホールを相殺し、I−V特性が安定化する。
【0042】
SiN膜30に含まれるOがGaN層16のGaと反応し、Gaを含む酸化層16aが形成される。GaのバンドギャップはGaNよりも大きいため、GaN層16が高耐圧化し、実質的にSi濃度が低下する。このためリーク電流を抑制することができる。またSiN膜30におけるN抜け後の空孔の発生を抑制し、電流コラプスを抑止することができる。
【0043】
表1に示したように、SiN膜30はSiN膜32よりも大きなO含有量を有する。このためOがGaN層16のGaと反応し、Gaを含む酸化層16aが形成される。SiN膜30に含まれるOは、GaN層16のドーパントであるSiとも反応し酸化シリコン(SiO)を生成する。これによりドレイン電極22付近においてGaN層16のSi濃度が実質的に低下し、ゲート−ドレイン間においてGaN層16の導電性が低下する。これによりゲート−ドレイン間のリークパスが遮断され、リーク電流をより効果的に低減することができる。
【0044】
GaN層16のSiN膜30に接触しない領域のSi濃度は、SiN膜30に接触する領域(酸化層16a)よりも高い。このため、ソース電極20およびゲート電極24付近ではSiがホールを相殺するため、I−V特性が効果的に安定化される。またドレイン電極22付近ではSi濃度が低下するため、リーク電流が抑制される。GaN層16のうち酸化層16a以外におけるSi濃度は例えば1×1018cm−3である。GaN層16はGaN層12中のキャリア(電子)と同じ導電型であるn型であればよい。
【0045】
SiN膜30のSi/NはSiN膜32よりも高く、0.75より大きい。SiN膜30のSi/Nは例えば0.8以上、0.85以上、0.9以上などである。表1に示したようにSiN膜30の屈折率はSiN膜32よりも高い。SiN膜30の屈折率は例えば2.30以上、2.35以上、2.40以上などである。SiN膜30中のSiがGaN層16表面の未結合手などと結合することで、GaN層16の表面準位が安定し、電流コラプスが抑制される。
【0046】
これに対し、SiN膜32は例えばストイキオメトリな組成を有し、Si/Nは0.75であることが好ましい。これによりソース−ゲート間およびゲート−ドレイン間のゲート電極24付近においてGaN層16のSi濃度を高く保つことができるため、ホールの影響を相殺することができる。またGaN層16からのN抜けを抑制することができる。SiN膜32のSi/Nは例えば0.8以下、0.75以下、0.7以下などである。SiN膜32の屈折率は例えば2.30未満、2.20以下、2.05以下、2.0以下などである。SiN膜32はSiN膜30に比べてストイキオメトリに近い組成を有していればよく、特にストイキオメトリな組成を有することが好ましい。
【0047】
半導体装置100は、GaN層12、およびAlGaNの電子供給層14を備える。これによりI−V特性が安定し、かつリーク電流および電流コラプスを抑制したHEMTを形成することができる。GaN層12、電子供給層14およびGaN層16は上記以外の窒化物半導体で形成されてもよい。例えば電子供給層14は窒化アルミニウムインジウム(AlInN)でもよい。
【0048】
表3に示した成膜条件では、SiHの流量を増加させることでSiN膜30のSi濃度およびO含有量をSiN膜32よりも多くする。RFの周波数を変えることで、Si濃度およびO含有量を変えることもできる。表4はSiN膜30および32の成膜条件の別の例を示す表である。
【表4】
SiN膜30の成膜工程において、RFの周波数は375kHz、SiHの流量は45sccm、Nの流量は1500sccmとする。SiN膜32の成膜工程において、RFの周波数は13.56MHz、SiHの流量は4sccm、Nの流量は600sccm、Heの流量は500sccmとする。SiN膜30の成膜工程においてRF電流は1.5Aとし、SiN膜32の成膜工程においてRFのパワーは50Wとする。RFの周波数を低くすることで、SiN膜30のSi濃度を0.75より大きく、かつO含有量を7.5程度まで大きくすることができる。
【0049】
ドレイン電極22はSiN膜30の上面および側面に接触することが好ましい。これによりドレイン電極22付近のリークパスを遮断することができる。ただし、SiN膜30は、例えばドレイン電極22に接触せず、ゲート電極24とドレイン電極22との間に位置し、ゲート電極24から離間すればよい。また半導体装置100の表面の保護および絶縁性の向上のため、SiN膜32はソース電極20、ドレイン電極22、ゲート電極24およびSiN膜30を覆うことが好ましい。
【0050】
ソース電極20およびドレイン電極22は、電子供給層14の上面に設けられ、オーミック接触する。ソース電極20およびドレイン電極22と電子供給層14とのオーミック接触、および酸化層16aの形成のため、熱処理は例えば550℃以上の温度で行うことが好ましい。熱処理の温度は例えば500℃以上、600℃以上でもよい。熱処理によりSiN膜30中のOとGaN層16中のGaとが反応し、酸化層16aが形成される。ソース電極20およびドレイン電極22はGaN層16の上面に設けられてもよい。コンタクト抵抗の低減のため、ドレイン電極22は電子供給層14の上面に設けられることが好ましい。
【実施例2】
【0051】
[半導体装置]
図9は実施例2に係る半導体装置200を例示する断面図である。実施例1と同様の構成については説明を省略する。図9に示すように、SiN膜32のソース電極20とドレイン電極22との間の部分に開口部32bが設けられている。開口部32bから露出するGaN層16の上面に接触するようにゲート電極24が設けられている。ゲート幅は例えば0.15μmである。SiN膜32の上にゲート電極24を覆うSiN膜を設けてもよい。
【0052】
[半導体装置の製造方法]
図10(a)および図10(b)は半導体装置200の製造方法を例示する断面図である。図から図までに示した工程は実施例2にも共通である。図10(a)に示すように、熱処理後、ゲート電極24の形成前に、例えばプラズマCVD法によりSiN膜32を形成する。SiN膜32は、GaN層16、ソース電極20、およびドレイン電極22を覆う。
【0053】
例えば電子線(EB:Electron Beam)露光によりレジストパターニングを行い、さらに反応性ドライエッチングにより図10(b)に示すようにSiN膜32に開口部32bを形成する。蒸着法およびリフトオフ法により、開口部32aにゲート電極24を形成する。以上の工程により半導体装置200を形成する。実施例2によれば、実施例1と同様に、I−V特性を安定化し、かつ電流コラプスおよびリーク電流を抑制することができる。ゲート長は例えば0.15μmである。
【0054】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0055】
(付記1)
基板と、
前記基板上に設けられ、少なくとも最表面にn型窒化ガリウム層を含む半導体積層体と、
前記半導体積層体上に設けられたゲート電極、ソース電極、およびドレイン電極と、
前記ドレイン電極と前記ソース電極との間の前記窒化ガリウム層上であって、前記ゲート電極に離間して設けられた第1窒化シリコン膜と、
前記第1窒化シリコン膜と前記ゲート電極の間の前記窒化ガリウム層上に設けられた第2窒化シリコン膜を含み、
前記第1窒化シリコン膜の窒素に対するシリコンの組成は、前記第2窒化シリコン膜の窒素に対するシリコンの組成よりも大きく、
前記第1窒化シリコン膜と接触する前記窒化ガリウム層の領域の酸素含有量は、前記第2窒化シリコン膜と接触する前記窒化ガリウム層の領域の酸素含有量より大きい半導体装置。
(付記2)
前記窒化ガリウム層の前記第1窒化シリコン膜と接触する領域は酸化ガリウムを含む付記1に記載の半導体装置。
(付記3)
前記窒化ガリウム層の前記第2窒化シリコン膜と接触する領域のシリコン濃度は、前記窒化ガリウム層の前記第1窒化シリコン膜と接触する領域のシリコン濃度より高い付記1に記載の半導体装置。
(付記4)
前記第1窒化シリコン膜の酸素含有量は前記第2窒化シリコン膜の酸素含有量よりも大きい付記1に半導体装置。
(付記5)
前記第2窒化シリコン膜における窒素に対するシリコンの組成比は0.75より大きい付記1に記載の半導体装置。
(付記6)
前記半導体積層体は窒化ガリウムにより形成されたバッファ層と、前記バッファ層上であって窒化アルミニウムガリウムあるいは窒化アルミニウムインジウムにより形成された電子供給層とを含む付記1に記載の半導体装置。
(付記7)
前記第1窒化シリコン膜は前記ドレイン電極に接している付記1に記載の半導体装置。
(付記8)
前記第2窒化シリコン膜は、前記ソース電極、前記ゲート電極、前記ドレイン電極および前記第1窒化シリコン膜を覆う付記1に記載の半導体装置。
(付記9)
前記n型窒化ガリウム層と、前記半導体積層体に形成されるキャリアとは同じ導電型を有する付記1に記載の半導体装置。
【符号の説明】
【0056】
10 基板
11 半導体層
12 GaN層
12a バッファ層
12b チャネル層
14 電子供給層
16 GaN層
16a 酸化層
17、18、19、30、32 SiN膜
20 ソース電極
22 ドレイン電極
24 ゲート電極
32a、32b、42a、42b 開口部
40、42 フォトレジスト
100R、200R、100、200 半導体装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10