(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された燃料タンクの開閉装置では、排液路は、常時、燃料通路と外部とを接続しているため、排液路が迷路構造状に形成されていても、外部からの塵などが浸入してしまうおそれがあった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
燃料タンクの開閉装置(100)であって、
供給された液体燃料を前記燃料タンクへと導く燃料通路(100P)を形成する燃料通路形成部(20)と、
前記燃料通路形成部(20)に固定され、前記燃料通路(100P)の給油口(100A)を開閉する挿入側開閉機構(10)と、
前記燃料通路形成部(20)に固定され、前記挿入側開閉機構(10)よりも前記燃料タンク側に配置され、前記燃料通路(100P)を開閉するタンク側開閉機構(30)と、
前記燃料通路(100P)における前記挿入側開閉機構(10)と前記タンク側開閉機構(30)との間と、前記開閉装置(100)の外部と、を連通する排液路(40P)と、
前記排液路(40P)を開閉し、前記開閉装置(100)の外部側へと開弁する開閉弁(50)と、を備えることを特徴とし、
前記開閉弁(50c)は、板状の部材で形成され、上側に支持端としての軸(50p)を有し、前記軸(50p)を中心に回動し、開閉装置(100)が車両に搭載された状態において
、前記排液路(40P)の開口端
であって前記開閉装置(100)の外部に開口する開口端の全周を覆うことにより前記開口端を塞ぐ、燃料タンクの開閉装置(100)。
【0006】
(1)本発明の一形態によれば、燃料タンクの開閉装置が提供される。この燃料タンクの開閉装置は、供給された液体燃料を前記燃料タンクへと導く燃料通路を形成する燃料通路形成部と;前記燃料通路形成部に固定され、前記燃料通路の給油口を開閉する挿入側開閉機構と;前記燃料通路形成部に固定され、前記挿入側開閉機構よりも前記燃料タンク側に配置され、前記燃料通路を開閉するタンク側開閉機構と;前記燃料通路における前記挿入側開閉機構と前記タンク側開閉機構との間と、前記開閉装置の外部と、を連通する排液路と;前記排液路を開閉し、前記開閉装置の外部側へと開弁する開閉弁と、を備える。この形態の燃料タンクの開閉装置によれば、開閉弁は、燃料通路と開閉装置の外部とを連通する排液路を開閉するため、燃料通路が、常時、開閉装置の外部と連通していない。これにより、外部から塵などが排液路を通って燃料通路へと浸入することを抑制できる。また、給油時に燃料通路に入り込んだ雨水などの液体を、開閉弁が外部側に開くことで外部へと排出でき、外部からの塵などの浸入をより防ぎやすい。
【0007】
(2)上記形態の燃料タンクの開閉装置において、前記排液路は、前記開閉弁が閉弁しているときに、液体が一時的に貯留される液溜め室を有し;前記開閉弁を開弁する力として、前記液溜め室に貯留された液体の質量を利用してもよい。この形態の燃料タンクの開閉装置によれば、開閉弁は、液溜め室に貯留された液体の質量によって開弁するため、簡便な構成で排液路の開閉を実行できる。
【0008】
(3)上記形態の燃料タンクの開閉装置において、前記開閉弁は、板状の部材で形成され;前記開閉弁の支持端は、前記板状の部材に、他の部分よりも薄く形成された溝部であってもよい。この形態の燃料タンクの開閉装置によれば、溝部が折れ曲がることで開閉弁が開き、簡便な構成で排液路の開閉を実行できる。
【0009】
(4)上記形態の燃料タンクの開閉装置において、前記開閉弁は、板状の部材で形成され、上側に支持端としての軸を有し、前記軸を中心に回動してもよい。この形態の燃料タンクの開閉装置によれば、簡便な構成で排液路の開閉を実行できる。
【0010】
(5)上記形態の燃料タンクの開閉装置において、前記開閉弁は、前記開閉弁の質量を閉弁する力として利用するように配置されてもよい。この形態の燃料タンクの開閉装置によれば、開閉弁は、自重を閉弁する力として利用されているため、簡便な構成で排液路の開閉を実行できる。
【0011】
(6)上記形態の燃料タンクの開閉装置において、さらに;前記開閉弁と対向する一部に磁気を有し、前記排液路に対して位置が固定された磁気部を備え;前記開閉弁は、前記磁気部と対向する部分が金属製であってもよい。この形態の燃料タンクの開閉装置によれば、磁気部や開閉弁の磁気の強さを調整することで、開閉弁を開弁するために必要な液溜め室に溜まった液体の質量について、細かく調整できる。
【0012】
(7)上記形態の燃料タンクの開閉装置において、さらに;前記開閉弁を閉弁する力を加える弾性部材を備えてもよい。この形態の燃料タンクの開閉装置によれば、開閉弁が弾性部材によって閉弁する付勢力を得るため、弾性部材を調整することで、開閉弁が開閉する力の設定の自由度が高い。
【0013】
(8)上記形態の燃料タンクの開閉装置において、さらに;前記開閉弁の開度を制限する開閉弁ストッパーを有してもよい。この形態の燃料タンクの開閉装置によれば、開閉弁の開度を調整でき、開閉弁が開きすぎることがない。これにより、開閉弁の塑性変形を抑制できる。
【0014】
なお、本発明は、燃料タンクの開閉装置以外の種々の態様で実現することも可能である。例えば、燃料タンクの開閉装置を搭載する自動車、燃料タンクの開閉装置の製造方法等の形態で実現できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、開閉弁は、燃料通路と開閉装置の外部とを連通する排液路を開閉するため、燃料通路が、常時、開閉装置の外部と連通していない。これにより、外部から塵などが排液路を通って燃料通路へと浸入することを抑制できる。また、給油時に燃料通路に入り込んだ雨水などの液体を、開閉弁が開くことで外部へと排出できる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
A.第1実施形態:
(1)燃料タンクの開閉装置の概略構成
図1は、本発明の第1実施形態における燃料タンクの開閉装置として機能するフィラーネック100を説明する斜視図である。
図1には、フィラーネック100と、フィラーネック100を車両に固定するための基板BPと、が示されている。本実施形態では、基板BPは、中央にフィラーネック100の一部が挿入される円孔が形成された円板状の部材である。基板BPは、弾性体のゴムによって形成されている。なお、他の実施形態では、基板BPは、フィラーネック100を固定できればよく、円板状とは異なる矩形状であってもよいし、ゴムとは異なる樹脂材によって形成されてもよい。
【0018】
フィラーネック100は、車両の基板BPに固定される円筒状の部材である。フィラーネック100は、給油口100Aに挿入された給油ノズル(図示しない)からガソリンなどの液体燃料を、フィラーネック100における給油口100Aの反対側に装着されたゴムホース(図示しない)を介して接続される燃料タンク(図示しない)へと導く。なお、本明細書では、給油口100Aよりも燃料タンクに近い場合を「タンク側」とも言い、燃料タンクよりも給油口100Aに近い場合を「挿入側」とも言う。本明細書におけるタンク側は、請求項における燃料タンク側に相当する。
【0019】
(2)フィラーネックの各部の構成および動作
図2は、フィラーネック100の一部を拡大した斜視図である。
図3は、フィラーネック100における
図2に示された一部の断面図である。
図2には、フィラーネック100における挿入側の一部が示されている。
図3に示すように、フィラーネック100は、燃料通路100Pを形成する燃料通路形成部20と、燃料通路100Pを開閉する挿入側開閉機構10と、タンク側開閉機構30と、排液路40Pを形成する排液路形成部40と、開閉弁50と、を備える。なお、
図2では、排液路形成部40および開閉弁50が燃料通路形成部20から取り外された状態のフィラーネック100が示されている。
【0020】
燃料通路形成部20は、円筒状の形状であり、内部の空間として燃料通路100Pを形成する。燃料通路100Pは、軸OLに沿って、給油口100Aから燃料タンク(図示しない)へと供給された液体燃料を導く。挿入側開閉機構10は、給油ノズルが挿入された場合に給油口100Aを開き、給油ノズルが挿入されない場合に給油口100Aを閉じる開閉機構である。挿入側開閉機構10は、給油口100Aを開閉する挿入側開閉部材11と、燃料通路形成部20に固定されて挿入側開閉部材11を閉める方向に付勢する挿入側スプリング12と、を備える。挿入側開閉部材11は、中央部がタンク側に窪んだ円板状に形成されている。挿入側スプリング12は、燃料通路形成部20に固定端12Lで固定され、固定端12Lと反対側の自由端で挿入側開閉部材11に固定されている。挿入側スプリング12は、固定端12Lを中心に所定の角度の範囲で回動し、挿入側開閉部材11を燃料通路100Pが閉まる方向に付勢している。挿入側スプリング12は、フィラーネック100が車両に搭載されたときに、挿入側開閉機構10が閉まっている状態で、固定端12Lが自由端よりも重力方向の上側になるように配置されている。換言すると、挿入側スプリング12は、軸OLに対して、重力方向の上側になるように配置されている。
【0021】
給油ノズルが挿入される場合に、給油ノズルが挿入側開閉部材11に接触して、タンク側に挿入側スプリング12の付勢力以上の力が加わると、挿入側開閉部材11が固定端12Lを中心としてタンク側に回転することで、挿入側開閉機構10が開く。
【0022】
タンク側開閉機構30は、燃料通路100Pを開閉し、挿入側開閉機構10よりもタンク側に配置される開閉機構である。タンク側開閉機構30は、燃料通路100Pを開閉するタンク側開閉部材31と、燃料通路形成部20に固定されてタンク側開閉部材31を閉める方向に付勢するタンク側スプリング32と、を備える。挿入側開閉部材11は、タンク側から挿入側への液体燃料の逆流を防止するフラップ弁である。タンク側スプリング32は、燃料通路形成部20に固定端32Lで固定され、固定端12Lと反対側の自由端でタンク側開閉部材31に固定されている。タンク側スプリング32は、固定端32Lを中心に所定の角度の範囲で回動し、タンク側開閉部材31を燃料通路100Pが閉まる方向に付勢している。タンク側スプリング32は、フィラーネック100が車両に搭載されたときに、タンク側開閉機構30が閉まっている状態で、固定端12Lが自由端よりも重力方向の上側になるように配置されている。換言すると、タンク側スプリング32は、軸OLに対して、挿入側開閉機構10の挿入側スプリング12と同様に、軸OLに対して、重力方向の上側になるように配置されている。
【0023】
排液路形成部40は、燃料通路形成部20の側面に配置され、内部に排液路40Pを形成する。排液路形成部40は、フィラーネック100が車両に固定されたときに、燃料通路形成部20に対して、重力方向の下側に配置される。換言すると、本実施形態では、排液路形成部40および排液路40Pは、フィラーネック100が車両側に固定されたときに、軸OLの下側に配置される。また、排液路形成部40および排液路40Pは、軸OLを中心として、挿入側スプリング12の固定端12Lおよびタンク側スプリング32の固定端32Lの逆側に配置される。
【0024】
排液路40Pは、挿入側開閉機構10とタンク側開閉機構30との間に形成される燃料通路100Pと連通している。換言すると、排液路40Pは、挿入側開閉機構10よりもタンク側であると共に、タンク側開閉機構30の挿入側である燃料通路100Pから分岐した流路である。開閉弁50は、フィラーネック100が車両に搭載された状態で、排液路形成部40よりも重力方向の下側に配置される弁である。開閉弁50は、排液路40Pと外部との接続を開閉する板状のゴムで形成された弾性部材である。開閉弁50は、他の部分よりも薄く形成された溝部60を含む。開閉弁50は、溝部60を支持端として回動可能である。本実施形態では、フィラーネック100が車両に搭載された状態で、開閉弁50は、重力方向に平行になるように形成され、排液路40Pは、フィラーネック100の外部と接続されていない。換言すると、開閉弁50は、溝部60を支点として、排液路形成部40の端部から吊り下げられた状態であり、排液路40Pは、開閉弁50が開いていない状態で密閉された空間である。開閉弁50が閉弁している状態において、排液路40Pには、液体燃料や水などが溜まり、排液路40Pの一部は、液溜め室41Rを形成する。開閉弁50の開閉の動作について、後述する。
【0025】
(3)開閉弁50の作用・効果
図4は、開閉弁50が開弁した状態のフィラーネック100の一部の断面図である。
図4には、液溜め室41に一定量以上の液体が溜まり、開閉弁50が開弁して、液溜め室41Rに溜まった液体FLが外部へと放出されている状態のフィラーネック100が示されている。上述したように、液溜め室41Rに液体が溜まっていない場合、開閉弁50が閉弁しており、排液路40Pは、フィラーネック100の外部と接続していない。一方で、
図4に示すように、液溜め室41Rに一定量以上の液体が溜まると、溜まった液体の質量が、開閉弁50を閉じる方向に付勢する力(例えば、開閉弁50の自重)よりも大きくなり、開閉弁50が溝部60を中心にフィラーネック100の外部側に回動する。開閉弁50が回動する、すなわち、開閉弁50が開弁すると、排液路40Pは、フィラーネック100の外部と接続して、液溜め室41Rに溜まっていた液体がフィラーネック100の外部へと流出する。
【0026】
以上説明したように、本実施形態の燃料タンクの開閉装置として機能するフィラーネック100では、排液路40Pは、挿入側開閉機構10とタンク側開閉機構30との間の燃料通路100Pと、フィラーネック100の外部と、を接続する。開閉弁50は、フィラーネック100の外部側へと開閉することで、排液路40Pがフィラーネック100の外部と接続することを調整する。そのため、本実施形態のフィラーネック100では、常時、排液路40Pを介して、燃料通路100Pがフィラーネック100の外部と連通しておらず、外部から塵などが燃料通路100Pに浸入することを低減できる。また、常時、燃料通路100Pと外部とが連通していないものの、排液路40Pの一部である液溜め室41Rに一定量以上の液体が溜まった場合に、溜まった液体を外部へと排出できる。これにより、給油口100Aから液体燃料が溢れることを抑制でき、雨水などの液体を燃料タンクへと浸入することを抑制できる。
【0027】
従来のガソリンスタンドでは、車両に液体燃料を供給する際に発生する燃料蒸気を大気に流出させない給油装置が知られている。この給油装置では、給油ノズルを用いた給油時に、給油ノズルの外側に形成された筒状の弾性体によって給油口100Aの周りを、大気と連通しないように囲い、筒状の弾性体とフィラーネック100の側面との間の空間を負圧にすることで、燃料蒸気を大気に流出させないで吸い取って除去している。本実施形態のフィラーネック100では、液溜め室41Rに一定量以上の液体が溜まっていない状態で、燃料通路100Pの圧力がフィラーネック100の外部の圧力よりも小さい負圧時に、開閉弁50が閉弁して、燃料通路100Pとフィラーネック100の外部とが連通しない。そのため、本実施形態のフィラーネック100では、上述した給油装置を用いて給油される際に、排液路40Pを介して燃料通路100Pに流入する大気を給油装置に吸い取らせることがなく、給油装置が吸い取って貯留できる燃料蒸気の容量を小さくできる。
【0028】
また、本実施形態のフィラーネック100では、開閉弁50が閉弁するための付勢力として、開閉弁50の自重を利用しているため、開閉弁50を付勢するために、別の部材が必要なく、フィラーネック100を構成する部品点数を少なくできる。これにより、フィラーネック100の製造コストを低減でき、フィラーネック100を組み立てるための工数を低減できる。
【0029】
また、本実施形態のフィラーネック100では、開閉弁50が開弁するための力として、液溜め室41Rに溜められた液体の質量が用いられるため、開閉弁50の開閉を簡便な構成で実行できる。
【0030】
また、本実施形態のフィラーネック100では、開閉弁50は、板状の部材であり、他の位置よりも肉薄である溝部60を支点に回動するため、開閉弁50の開閉を簡便な構成で実行できる。
【0031】
B.第2実施形態:
図5は、第2実施形態におけるフィラーネック100aを説明する斜視図である。第2実施形態のフィラーネック100aでは、第1実施形態のフィラーネック100と比較して、開閉弁ストッパー70を備える点のみが異なり、他の構成および形状については、第1実施形態のフィラーネック100と同じである。
図5に示すように、開閉弁ストッパー70は、開閉弁50の外側に覆うように配置された部材である。開閉弁50は、所定の厚さを備えた矩形の骨組みによって形成される規制部71と、規制部71の両側面に接続するように配置される側面部72,73と、を有している。なお、側面部73については、
図5では図示していない。側面部73は、規制部71に対して、側面部72と対照的になるように配置されている。側面部72,73は、排液路形成部40の外側に固定されている。そのため、開閉弁ストッパー70は、排液路形成部40に対して固定されている。
【0032】
図6は、第2実施形態において開閉弁50が開いた状態でのフィラーネック100aの一部を拡大した斜視図である。
図6では、開閉弁ストッパー70の周りの部材のみを図示している。また、
図6では、規制部71と開閉弁50との関係をわかりやすくするために、側面部72を図示していない。第2実施形態のフィラーネック100aでは、規制部71が開閉弁50を覆うように、排液路形成部40に対して固定されて配置されているため、開閉弁50が溝部60を中心として回動する角度が制限される。換言すると、開閉弁50の開度が制限される。
【0033】
以上説明したように、第2実施形態のフィラーネック100aでは、開閉弁ストッパー70が開閉弁50の開度を制限するため、液溜め室41Rに溜まった液体の放出の量や速度を調整できる。また、開閉弁ストッパー70がない状態で、かつ、開閉弁50が塑性変形をしていると、開閉弁50の開度が大きい場合に、負圧時に開閉弁50が閉弁しないおそれがある。それに対し、第2実施形態のフィラーネック100aでは、開閉弁ストッパー70が開閉弁50の開度を制限するため、負圧時に、開閉弁50が閉弁する。
【0034】
C.第3実施形態:
図7は、第3実施形態におけるフィラーネック100bの排液路40Paの周辺の断面図である。第3実施形態のフィラーネック100bでは、第2実施形態のフィラーネック100aと比較して、開閉弁ストッパー70bの形状と、開閉弁50bを閉弁するための付勢力を作用させるための弾性部材としての開閉弁スプリング80を備えることと、が異なり、他の構成については同じである。そのため、
図7では、第2実施形態のフィラーネック100aと異なる部分の周辺のみについて図示している。
図7(a)には、開閉弁50bが閉じた状態が示されている。
図7(b)には、開閉弁50bが開いた状態が示されている。
【0035】
図7(a)および
図7(b)に示すように、第3実施形態の開閉弁ストッパー70bは、第2実施形態の平面状に形成された開閉弁ストッパー70と異なり、断面が矩形の棒状に形成されている。開閉弁ストッパー70bは、軸OL(図示しない)に直交する平面に平行で、かつ、溝部60に平行に形成されている。そのため、開閉弁50bが開弁すると、開閉弁50bが開弁した位置を所定の範囲で規制する。換言すると、開閉弁50bは、開閉弁50bの開度を調整する。
【0036】
図7(a)および
図7(b)に示すように、第3実施形態の開閉弁スプリング80では、一端が排液路形成部40の一部に固定され、他端が開閉弁50bに固定されているコイルばねである。開閉弁スプリング80は、溝部60に直交するように配置されている。そのため、
図7(b)に示すように、開閉弁50bが開弁すると、開閉弁スプリング80が伸びるため、開閉弁スプリング80が縮む力によって、開閉弁50は、閉弁する方向に力を付勢される。なお、開閉弁スプリング80は、請求項における開閉弁を閉弁する力を加える弾性部材に相当する。
【0037】
以上説明したように、第3実施形態のフィラーネック100bでは、開閉弁ストッパー70bが開閉弁50bの開度を制限するため、液溜め室41Rに溜まった液体の放出の量や速度を調整できる。また、第3実施形態のフィラーネック100bでは、第2実施形態と同様に、開閉弁ストッパー70bが開閉弁50bの開度を制限するため、負圧時に、開閉弁50bが閉弁する。また、第3実施形態のフィラーネック100bでは、開閉弁50bを閉弁する付勢力を開閉弁スプリング80によって発生させているため、開閉弁50bを閉弁するために開閉弁50bの自重を利用しなくてもよい。これにより、フィラーネック100bが車両に搭載されたときのフィラーネック100bの位置や向きについて設計の自由度が向上する。また、第3実施形態のフィラーネック100bでは、開閉弁50bを閉弁する力を開閉弁スプリング80によって付勢するため、開閉弁50bを開弁するために必要な液溜め室41Rに溜まった液体の質量について、細かく調整できる。
【0038】
D.第4実施形態:
図8は、第4実施形態におけるフィラーネック100cの排液路40Pcの周辺の断面図である。第4実施形態のフィラーネック100cでは、第3実施形態のフィラーネック100bと比較して、開閉弁50cが軸支持されている軸支持弁であることと、開閉弁ストッパー70bを有さないことと、が異なり、他の構成については同じである。そのため、
図8では、第3実施形態のフィラーネック100bおよび第2実施形態のフィラーネック100aと異なる部分の周辺のみについて図示している。
【0039】
第4実施形態の開閉弁50cは、軸50pを支持端として回動する軸支持弁である。軸50pは、排液路形成部40cにおいて、燃料通路100Pから最も離れた外側の一部に固定される。開閉弁50cは、軸50pよりも重力方向下側に自由端が配置されるように形成されている。換言すると、開閉弁50cは、重力方向上側に軸50pを有する。開閉弁50cは、排液路40Pcに向く面において、開閉弁スプリング80と接続して、開閉弁50cを閉じる閉方向に付勢されている。そのため、フィラーネック100cは、第3実施形態のフィラーネック100bと同じように、液溜め室41Rに溜まった液体の質量が開閉弁スプリング80の付勢力および開閉弁50cの質量よりも大きくなると、開閉弁50cが回動して、液溜め室41Rに溜まった液体が放出される。このように、開閉弁50cは、軸50pなどで支持される軸支持弁であっても、開閉弁スプリング80の付勢力を調整することで、液溜め室41Rに溜まった液体を放出する際の液体の質量について、細かく調整できる。
【0040】
E.第5実施形態:
図9は、第5実施形態におけるフィラーネック100dの排液路40Pdの周辺の断面図である。第5実施形態のフィラーネック100dでは、第4実施形態のフィラーネック100cと比較して、開閉弁50dの形状が異なることと、フィラーネック100cの一部の形状が異なることと、磁気部90を備えることと、開閉弁スプリング80を備えないことと、が異なり、その他の構成については同じである。そのため、
図9では、第4実施形態のフィラーネック100cと異なる部分の周辺のみについて図示している。
【0041】
第4実施形態のフィラーネック100cは、開閉弁50dを閉める閉方向に付勢するための磁気部90を備えている。
図9に示すように、磁気部90は、排液路40Pdを形成するフィラーネック100dの下側に、排液路40Pdの外部に対向するように配置される磁石である。フィラーネック100dは、磁気部90を配置するために、排液路40Pdを形成する部分からタンク側の方向で磁気部90を固定する。開閉弁50dは、第4実施形態と同様に、軸50pを支持端として回動する金属製の軸支持弁である。開閉弁50dは、第4実施形態の開閉弁50dと比べ、排液路40Pdを開閉する板状の部分が下側より延びた形状を有する。
図9に示すように、開閉弁50dが閉じている状態では、金属製の開閉弁50dの一部と磁気部90とが接着している。換言すると、第5実施形態のフィラーネック100dでは、開閉弁50dと磁気部90との間に働く磁力を付勢力として利用している。
【0042】
以上説明したように、第5実施形態のフィラーネック100dは、開閉弁50dと対向する部分に磁石としての磁気部90を備える。開閉弁50dは、金属製であるため、磁力によって、閉方向への付勢力を受ける。そのため、第5実施形態のフィラーネック100dでは、磁気部90や開閉弁50dの磁気の強さを調整することで、開閉弁50dを開弁するために必要な液溜め室41Rに溜まった液体の質量について、細かく調整できる。
【0043】
F.変形例:
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば、次のような変形も可能である。
【0044】
F−1.変形例1:
図10は、基板BPaにフィラーネック100を装着する場合の斜視図である。
図10では、第1実施形態で例に挙げた基板BPと異なる基板BPaに第1実施形態のフィラーネック100を装着させる状態が示されている。
図10に示すように、排液路形成部40は、燃料通路形成部20に固定された排液路基板部43と、排液路基板部43を含むフィラーネック100よりも先に基板BPaに装着される排液路外周部42と、を有する。また、排液路外周部42と同様に、溝部60を含む開閉弁50も、排液路基板部43を含むフィラーネック100よりも先に基板BPaに装着されている。この状態で、排液路基板部43を含むフィラーネック100を、排液路外周部42と排液路基板部43とが合わさるように平行移動させることで、基板BPaにフィラーネック100が固定される。このように、フィラーネック100を車両側に固定する場合に、排液路形成部40が位置決めを行なうための部材として利用されてもよい。この場合、車両に対して正確な位置にフィラーネック100を配置できる。
【0045】
F−2.変形例2:
上記第1実施形態では、挿入側開閉機構10およびタンク側開閉機構30について、具体的な構成について例を挙げて説明したが、挿入側開閉機構10およびタンク側開閉機構30の構成については、種々変形可能である。例えば、挿入側開閉機構10およびタンク側開閉機構30は、挿入側スプリング12およびタンク側スプリング32を用いずに、赤外線センサーなどによって給油ノズルを検知して開閉する構成であってもよい。また、挿入側開閉機構10およびタンク側開閉機構30の開閉に、挿入側スプリング12およびタンク側スプリング32の付勢力を用いる場合に、挿入側スプリング12およびタンク側スプリング32は、必ずしも回動する弾性部材ではなく、例えば、コイルばねなどの弾性部材が用いられてもよい。また、挿入側スプリング12およびタンク側スプリング32として、第1実施形態のような固定端12Lや固定端32Lを中心に回動する弾性部材を用いても、固定端12Lや固定端32Lの位置については種々変形可能であり、例えば、固定端12Lは、軸OLに対して、固定端32Lの反対側に配置されていてもよい。
【0046】
上記第1実施形態ないし第3実施形態では、排液路形成部40が排液路40Pを燃料通路100Pに平行に配置される流路として形成したが、排液路40Pの形状や位置については種々変形可能である。例えば、排液路40Pは、燃料通路形成部20の側面にらせん状に形成されてもよく、開閉弁50によって、燃料通路形成部20とフィラーネック100の外部との連通を開閉されればよい。
【0047】
上記第1実施形態ないし第3実施形態では、排液路40Pにおいて開閉弁50が隣接する部分に液溜め室41Rが形成されたが、液溜め室41Rの形状や配置については、種々変形可能である。例えば、液溜め室41Rは、複数の開閉弁が排液路40Pに形成されることで、排液路40Pと異なる空間として形成されてもよい。
【0048】
上記第1実施形態および第3実施形態では、開閉弁50の形状が平板状で、開閉弁50よりも薄肉である溝部60を回動の中心として開閉弁50が開閉したが、開閉弁50の構成や溝部60の構成については、種々変形可能である。例えば、開閉弁50は、円板状の形状であってもよい。開閉弁50は、例えば、第3実施形態の開閉弁スプリング80を用いて重力方向に吊り下げられており、回動ではなく、液溜め室41Rに溜まった液体の質量によって、重力方向に沿って平行移動することによって開閉してもよい。
【0049】
開閉弁ストッパー70の形状については、上記第2実施形態および第3実施形態で例に挙げた形状と異なっていてもよく、種々変形可能である。例えば、開閉弁ストッパー70は、溝部60の長手方向に対して、垂直に配置された棒状の形状であってもよいし、一点で開閉弁50の開度の規制する構成であってもよい。
【0050】
上記実施形態では、開閉弁50を閉弁する付勢力として、開閉弁50の自重、開閉弁スプリング80、開閉弁50dと磁気部90とに働く磁力などを例に挙げて説明したが、付勢力としてこれらを自由に組み合わせてもよい。例えば、第5実施形態の磁気部90を備えるフィラーネック100dに対して、さらに開閉弁スプリング80の構成を追加して、開閉弁スプリング80による付勢力を、開閉弁50dを閉じる力として、加えてもよい。
【0051】
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現できる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部または全部を解決するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行なうことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除できる。