特許第6838295号(P6838295)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本精工株式会社の特許一覧
<>
  • 特許6838295-モジュール保護ケース 図000002
  • 特許6838295-モジュール保護ケース 図000003
  • 特許6838295-モジュール保護ケース 図000004
  • 特許6838295-モジュール保護ケース 図000005
  • 特許6838295-モジュール保護ケース 図000006
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6838295
(24)【登録日】2021年2月16日
(45)【発行日】2021年3月3日
(54)【発明の名称】モジュール保護ケース
(51)【国際特許分類】
   H01G 9/20 20060101AFI20210222BHJP
   H02S 30/00 20140101ALI20210222BHJP
【FI】
   H01G9/20 311
   H01G9/20 119
   H01G9/20 111Z
   H01G9/20 115Z
   H01G9/20 315
   H02S30/00
【請求項の数】1
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2016-120420(P2016-120420)
(22)【出願日】2016年6月17日
(65)【公開番号】特開2017-224774(P2017-224774A)
(43)【公開日】2017年12月21日
【審査請求日】2019年3月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004204
【氏名又は名称】日本精工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100183357
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 義美
(72)【発明者】
【氏名】菅原 克
(72)【発明者】
【氏名】志熊 純一
(72)【発明者】
【氏名】甲田 敦美
【審査官】 原 和秀
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−146625(JP,A)
【文献】 特開2006−100060(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01G 9/20
H02S 30/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光電変換素子と前記光電変換素子の電力を利用して動作する無線センサ送信装置とを備えるモジュールを保護するモジュール保護ケースであって、
複数の強化用樹脂板で錐体状に組み立てられ、
前記錐体状の少なくとも一つの面には前記光電変換素子のガラス基板に前記強化用樹脂板が取り付けられていることを特徴とするモジュール保護ケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池のモジュール保護ケースに関し、特にガラス製色素増感太陽電池のモジュール保護ケースに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、太陽電池に比べ低コストで作製でき、高純度シリコンを使用しないなど材料の制約も少ない色素増感太陽電池の実用化が期待される一方、当該太陽電池のパネルであるガラス基板の損傷や破損を防ぐため、そのガラス基板に保護フィルムを貼付する対処がなされている。
例えば、特許文献1では、ガラス製色素増感太陽電池のガラス基板上に樹脂系の保護フィルム(アルミニウム、シリカ、アルミナ)を接着層(エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂、アクリル樹脂)で固定した一例を記載している。
【0003】
しかしながら、ガラス基板に保護フィルムを貼付することは、光を低減させ、色素増感太陽電池の発電効率を下げてしまう問題がある。
そこで、ガラス基板よりむしろプラスチック基板の方が入射した光をよく通し、基板の光学特性により太陽電池性能が低下し難いプラスチック基板に変更することが考えられる。
【0004】
例えば、特許文献2では、色素増感太陽電池のガラス基板をプラスチック基板に変更することで、可撓性、耐久性、低コスト性を向上可能することが記載されている。
【0005】
ところが、一般的な色素増感太陽電池モジュールの製造工程において、色素増感太陽電池に用いられる多孔質半導体膜を形成するために、焼成処理が必要であり、プラスチックのガラス転移点の問題(プラスチック基板が耐えるとされる温度)から焼成温度を150度程度にしか上げることができない。このため、得られる多孔質半導体膜の結晶性や粒子間の結合状態が悪く、電子伝導性が低いことから、プラスチック基板を用いた色素増感太陽電池の発電効率はガラス基板を用いたものに対して低くなってしまう問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−146625号公報
【特許文献2】特開2014−175195号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ガラス製色素増感太陽電池の透過率を損なうことなく、破損し難い光電変換素子等のモジュール保護ケースを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような目的を達成するために、本発明は、光電変換素子と前記光電変換素子の電力を利用して動作する無線センサ送信装置とを備えるモジュールを保護するモジュール保護ケースであって、複数の強化用樹脂板で錐体状に組み立てられ、前記錐体状の少なくとも一つの面には前記光電変換素子のガラス基板に前記強化用樹脂板が取り付けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ガラス製色素増感太陽電池の透過率を損なうことなく、破損し難い光電変換素子等のモジュール保護ケースを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態に係る光電変換素子及びモジュール保護ケースの全体組立て前の分解図である。
図2】本発明の実施形態に係る光電変換素子及びモジュール保護ケースの斜視図である。
図3】本発明の実施形態に係る光電変換素子及びモジュール保護ケースの側面図である。
図4図3の光電変換素子及びモジュール保護ケースをA−A線で切った平面視略断面図である。
図5】本発明の実施形態に係る光電変換素子の拡大略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明のモジュール保護ケースの一実施形態を図に基いて説明する。なお、本発明は本実施形態に限定解釈されるものではなく本発明の範囲内において適宜設計変更可能である。
【0012】
本実施形態に係る光電変換素子1(ガラス製色素増感太陽電池)は、四角形状のガラス基板2aの上に透明導電膜2c、多孔質金属酸化物半導体2d、増感色素2e、電荷輸送剤層2f、触媒層2g(以下、総じて色素半導体2という。(図5参照。))を備え、そして光電変換素子1の表面に強化樹脂板3を備えて構成されている。なお、本実施形態では、光電変換素子1は、色素半導体2を挟む両面にガラス基板2a、2bを備えた積層状態としている。
また、本実施形態では、強化樹脂板3を用いて三角錐状の中空の保護ケース4を構成している(図1参照。)。
例えば、本実施形態では、三角錐を形成する3つの側面3a、3b、3cに強化樹脂板3を用い、底面3dには上記強化樹脂板3と同素材からなる強化樹脂板3を用いている。そして、側面3a、3b、3cに光電変換素子1が取り付けられている。また、光電変換素子1は、側面3a、3b、3cのどれか一つに取り付けられていれば良い。保護ケース4内に収容されるモジュールとしては、センサ、蓄電部、電圧増幅部、信号処理回路、無線発信部等を備えた無線センサ送信装置5が想定され、保護ケース4内に無線センサ送信装置5を備えて色素増感太陽電池を備えた無線センサ送信ユニットとしている(図2図5参照。)。
【0013】
本実施形態では、光電変換素子1を構成する多孔質金属酸化物半導体2d及び増感色素2eを円形状に7個を隣り合わせに配置して、大きな1個の丸を形成している(図3参照。)。多孔質金属酸化物半導体2d及び増感色素2eの大きさや形状は、ガラス製色素増感太陽電池の容量に応じて変えることができ、本実施形態に限定されるものではない。
【0014】
強化樹脂板3は、例えば、前記光電変換素子1を覆う大きさの三角板状に形成され、厚みが0.5mm〜5mmで、透過率が80%以上の強化樹脂を想定している。例えば、強化樹脂の材料として、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチルが採用できる。これにより、ガラス基板2a、2bをプラスチックに変えることなく、ガラス基板2a、2bをそのまま使用することでき、破損し難いガラス製色素増感太陽電池を提供することができる。これにより、従来からのガラス製色素増感太陽電池のガラス基板2a、2bに本発明の強化樹脂で覆うだけの製造工程を入れるだけで、従来よりも破損し難い太陽電池を得ることができる。
また、強化樹脂板3によって覆われたガラス基板2a、2bがさらに強固に保護されることから、その強化樹脂板3によって増加した重量分を減らすためにガラス基板2a、2bの厚みを薄くして太陽電池を軽量化することができる。
強化樹脂板3は、前記光電変換素子1を構成する双方のガラス基板2a、2bのうちいずれか一方、本実施形態では、保護ケース4の外面を構成する一面に少なくとも備えられているが、少なくとも一方の面に強化樹脂板3が備えられていれば良く、双方に備えることを何等妨げるものではない。
なお、本実施形態では、角錐の側面は全て三角形で、底面も三角形である正三角錐としているが、その側面の高さや底面の大きさ等が異なっても良い。
また、ガラス基板2a、2bと強化樹脂板3との接着剤は特に限定されないが、電気的に絶縁性のある樹脂やガラスフリット等が用いられる。
接着剤を用いず組立式とし、分解可能としても良い。
また、無線センサ送信装置5は、センサでなくても、その他電力を用いて作動する装置に置き換えても良い。
【符号の説明】
【0015】
1 光電変換素子(ガラス製色素増感太陽電池)
2 色素増感半導体
2a、2b ガラス基板
3 強化樹脂板
4 モジュール保護ケース(保護ケース)
5 無線センサ送信装置(モジュール)
図1
図2
図3
図4
図5