(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、この発明にかかる車両用光学部材、車両用灯具の実施形態(実施例)の2例を図面に基づいて詳細に説明する。この明細書において、前、後、上、下、左、右は、この発明にかかる車両用光学部材、車両用灯具を車両に装備した際の前、後、上、下、左、右である。図において、符号「F」は「前」、「B」は「後」、「U」は上、「D」は「下」、「L」は「左」、「R」は「右」である。なお、図において、車両用光学部材、光源、ブラケットなどのハッチングを省略する。
【0019】
(実施形態1の構成の説明)
図1〜
図9は、この発明にかかる車両用光学部材、車両用灯具の実施形態1を示す。以下、この実施形態1にかかる車両用光学部材、車両用灯具の構成について説明する。
図4〜
図7中、符号1は、この実施形態1にかかる車両用灯具である。
【0020】
(車両用灯具1の説明)
車両用灯具1は、この例では、ハイマウントストップランプである。車両用灯具1は、車両C(
図4参照)の後部に装備されるリアスポイラに組み込まれている。車両用灯具1とリアスポイラは、車両CのバックドアBDに組み込まれている。車両用灯具1は、バックドアBDを構成するパネルP(車体の一部、
図6および
図7参照)に取付部材(ボルトナットなど)により取り付けられる。
【0021】
車両Cの後部の左右両側には、リアコンビネーションランプ1L、1R(
図4参照)がそれぞれ装備されている。リアコンビネーションランプ1L、1Rは、ストップランプ、テールランプ、ターンシグナルランプ、バックアップランプなどを備える。ハイマウントストップランプである車両用灯具1は、ストップランプを備えるリアコンビネーションランプ1L、1Rよりも上位に配置されている。
【0022】
図6および
図7に示すように、車両用灯具1は、ランプハウジング2と、ランプレンズ(たとえば、素通しのアウターカバー、アウターレンズなど)3と、光源4と、この実施形態1にかかる車両用光学部材としての導光部材(ライトガイド、導光体、インナーレンズ)5と、ブラケット6と、を備えるものである。
【0023】
光源4と導光部材5とは、ブラケット6を介して、ランプハウジング2に取り付けられている。ランプハウジング2は、パネルPに取付部材により取り付けられる。導光部材5の中央部分(車両Cの後部の中央部分に対応)とパネルPとの間の空間C1(
図6参照)は、導光部材5の左右の両端部分(車両Cの後部の左右両側に対応)とパネルPとの間の空間C2(
図7参照)と比較して、大きい。このため、導光部材5の中央部分は、空間的に余裕があるので、光源4を配置することができる(
図6参照)。一方、導光部材5の左右の両端部分は、空間的に余裕が無いので、光源4を配置することができない(
図7参照)。
【0024】
(ランプハウジング2およびランプレンズ3の説明)
ランプハウジング2は、たとえば、光不透過性の部材から構成されている。ランプハウジング2は、車両Cの後側の部分が開口し、一方、車両Cの前側の部分が閉塞した形状をなす。
【0025】
ランプレンズ3は、たとえば、光透過性の部材から構成されている。ランプレンズ3は、車両Cの前側の部分が開口し、一方、車両Cの後側の部分が閉塞した形状をなす。
【0026】
ランプハウジング2の開口縁とランプレンズ3の開口縁とは、固定されている。また、ランプハウジング2およびランプレンズ3により灯室7が区画されている。灯室7内には、光源4、導光部材5およびブラケット6が、それぞれ配置されている。
【0027】
(光源4の説明)
光源4は、この例では、導光部材5の中央部分に対応して、4個設けられている。4個の光源4は、それぞれ、基板40と、発光部41と、を有する。
【0028】
基板40は、ブラケット6を介して、ランプハウジング2に取り付けられている。光源4は、灯室7内のランプハウジング2側に配置されている。発光部41は、この例では、LED、OELまたはOLED(有機EL)などの自発光半導体型発光素子であって、導光部材5に対向している。
【0029】
光源4は、光軸Zを有する。光軸Zは、発光部41の発光面の中心もしくはほぼ中心を通り、かつ、発光部41の発光面に対して、垂直もしくはほぼ垂直をなす。
【0030】
(導光部材5の説明)
導光部材5は、この例では、アクリル樹脂やPC(ポリカーボネート)などの透明樹脂材から構成されている。導光部材5は、ブラケット6を介して、ランプハウジング2に取り付けられている。導光部材5は、灯室7内のランプレンズ3側に配置されている。
【0031】
導光部材5は、第1機能部分51と第2機能部分52とから構成されている。第1機能部分51と第2機能部分52とは、一体である。第1機能部分51は、導光部材5の中央部分であって、ハイマウントストップランプの配光機能を担う。第2機能部分52は、導光部材5の左右の両端部分であって、加飾(装飾)機能を担う。
【0032】
(第1機能部分51の説明)
第1機能部分51は、この例では、左右に一体に連続して設けられている4個のブロック511、512、513、514(以下、単に「511〜514」と記載する)から構成されている。
【0033】
4個のブロック511〜514のうち、左右両端の2個のブロック511、514は、第2機能部分52に近い(すなわち隣接する)ブロックである。4個のブロック511〜514のうち、中の2個のブロック512、513は、左右両端の2個のブロック511、514に対して、第2機能部分52から離れているブロックである。
【0034】
4個のブロック511〜514は、それぞれ、入射面53と、光学制御部54と、出射面55と、反射面(以下、「平行光反射面」と称する)56と、を備える。4個のブロック511〜514は、4個の光源4とそれぞれ対をなす。以下、右側の2個のブロック513、514について説明する。なお、左側の2個のブロック511、512の構成は、右側の2個のブロック513、514の構成に対して、左右対称もしくはほぼ左右対称である。このため、左側の2個のブロック511、512についての説明を省略する。
【0035】
(入射面53の説明)
中のブロック513(512)の入射面53は、第1入射面531と、第2入射面532と、からなる。右端のブロック514(左端のブロック511)の入射面53は、第1入射面531と、第2入射面532と、第3入射面533と、からなる。
【0036】
入射面53の一部である第1入射面531は、焦点F1が光軸Z上でかつ光源4の発光面の中心もしくはほぼ中心に位置する凸レンズ面(焦点F1の双曲線を光軸Z回りに回転させてなる回転双曲面など)からなるものである。このため、第1入射面531は、光源4の発光部41から放射される光源光L1を、光軸Zと平行もしくはほぼ平行な入射平行光L2として、入射させる。第1入射面531は、平行光入射面である。
【0037】
入射面53の一部である第2入射面532は、光軸Zを中心軸として回転させてなる円筒状の内面からなるものである。第2入射面532は、光源光L1を、入射屈折光L3として、入射させる。第2入射面532は、屈折光入射面である。
【0038】
入射面53の他の一部である第3入射面533は、光源4の発光面の中心もしくはほぼ中心を中心とする球面の一部からなるものである。このため、第3入射面533は、光源光L1を、直線光もしくはほぼ直線光(以下、「入射直射光」と称する)L4として、入射させる。第3入射面533は、直線光入射面である。
【0039】
第3入射面533は、光学制御部54の反射面543の反射方向側の入射面であって、第2機能部分52に対向する入射面である。第3入射面533からの入射直射光L4の一部は、第2機能部分52中に入射して第2機能部分52の出射面520から出射光L5として、出射する。第3入射面533からの入射直射光L4の残りの一部は、平行光反射面56で、光軸Zと平行もしくはほぼ平行な反射平行光L6として、反射する。
【0040】
(平行光反射面56の説明)
平行光反射面56は、焦点(図示せず)が光軸Z上に位置しかつ第1入射面531の焦点F1よりも第1入射面531側に位置する複数段の回転放物面からなるものである。このため、平行光反射面56は、入射屈折光L3および入射直射光L4の残りの一部を、光軸Zと平行もしくはほぼ平行な反射平行光L6として、反射させる。
【0041】
(光学制御部54の説明)
光学制御部54は、入射面53と出射面55との間に設けられている空間部540の壁面であって、その壁面の一部の光学制御面から構成されている。光学制御部54は、反射面543と、屈折面544と、第1再入射面541と、第2再入射面542と、を有する。屈折面544、第1再入射面541および第2再入射面542は、第1光学制御部を構成する。反射面543は、第2光学制御部を構成する。
【0042】
(反射面543の説明)
反射面543は、入射平行光L2の一部を反射させる反射面である。すなわち、反射面543は、入射平行光L2の一部を反射制御する反射制御面である。反射面543は、放物線系(回転放物面)の光学制御面である。反射面543の焦点F2、F3は、入射面53および平行光反射面56と出射面55との間であって第2機能部分52と反射面543との間に位置する。このため、反射面543は、入射平行光L2の一部を、反射光(収束反射光)L7として、焦点F2、F3に向けて反射させる。反射光L7は、焦点F2、F3から放射されて第2機能部分52中に入射する。従って、焦点F2、F3は、仮想光源の作用をなす。
【0043】
第2機能部分52に近いブロック514に対して第2機能部分52から離れているブロック513の反射面543の焦点F2は、第2機能部分52に近いブロック514の光学制御部54と出射面55との間に位置する。一方、第2機能部分52に近いブロック514の焦点F3は、第2機能部分52と反射面543との間に位置する。
【0044】
(屈折面544の説明)
屈折面544は、反射面543の第2機能部分52と反対側において隣接する。屈折面544は、入射平行光L2の残りの一部を屈折光L8として、空間部540側に屈折させる光学制御面である。また、屈折面544は、空間部540側に屈折させた屈折光L8を第1再入射光L11および第2再入射光L12として、第1再入射面541および第2再入射面542にそれぞれ入射させる光学制御面である。
【0045】
屈折面544は、この例では、
図9(C)に示すように、一連の自由曲面からなる光学制御面である。
図9(C)に示すように、入射平行光L2と屈折面544とがなす角度θ1、θ2、θ3、θ4(以下、「θ1〜θ4」と称する)は、反射面543側に近づくに従って徐々に小さくなるように、変化している。すなわち、θ1>θ2>θ3>θ4である。
【0046】
このため、屈折面544における屈折光L8の屈折角度θ11、θ12、θ13、θ14(以下、「θ11〜θ14」と称する)は、反射面543側に近づくに従って徐々に大きくなる。すなわち、θ11<θ12<θ13<θ14である。これにより、屈折面544は、屈折光L8のうち反射面543側の一部を、屈折面544と対向する第1再入射面541から反射面543と対向する第2再入射面542に分配して入射させることができる。
【0047】
ここで、入射平行光L2と光源4の光軸Zとは、平行もしくはほぼ平行である。また、角度θ1〜θ4と入射平行光L2の入射角度とは、相互に補角の関係にある。このため、入射平行光L2の入射角度は、
図9に示すように、反射面543側に近づくに従って徐々に大きくなるように、変化している。
【0048】
(第1再入射面541の説明)
第1再入射面541は、屈折面544に対向する。第1再入射面541は、屈折光L8のうち反射面543に対して反対側の一部を、拡散光すなわち第1再入射光L11として、再入射させる拡散系の光学制御面である。第1再入射光L11は、光源4の光軸Zに対して左右方向に拡散する拡散光である。なお、第1再入射光L11は、
図1において、光源4の光軸Zに平行もしくはほぼ平行に図示されている。
【0049】
第1再入射面541は、この例では、上下方向に軸を有する円筒状の内面の一部からなる所謂縦カマプリズムである。なお、第1再入射面541は、凹面、凸面、連続した凹凸面であっても良い。
【0050】
(第2再入射面542の説明)
第2再入射面542は、反射面543に対向する。第2再入射面542は、屈折光L8のうち反射面543側の一部を、屈折光すなわち第2再入射光L12として、再入射させる屈折系の光学制御面である。第2再入射光L12は、光源4の光軸Zに平行もしくはほぼ平行(正面方向もしくはほぼ正面方向、あるいは、入射平行光L2と同方向もしくはほぼ同方向)に、屈折(補正)された屈折光である。第2再入射面542は、この例では、抜き面(傾斜面、段差面)がない一連の面(一つに連続した面)からなる。
【0051】
(出射面55の説明)
出射面55は、導光部材5の第1機能部分51の4個のブロック511〜514のうち、入射面53に対して反対側の面に設けられている。出射面55は、光学制御部54により光学制御された光(第1再入射面541に再入射した第1再入射光L11、および、第2再入射面542に再入射した第2再入射光L12)、および、平行光反射面56で反射した反射平行光L6を、出射光L9として、外部(すなわち、ランプレンズ3側であって車両Cの後側)に出射させる。
【0052】
出射面55は、この例では、上下方向に軸を有する円柱面の一部からなる所謂縦カマプリズムである。すなわち、出射面55は、凹面、凸面、連続した凹凸面である。したがって、出射光L9は、光源4の光軸Zに対して左右方向に拡散する。なお、出射光L9は、
図1において、光源4の光軸Zに平行もしくはほぼ平行に図示されている。
【0053】
(第2機能部分52の説明)
第2機能部分52は、導光部材5の第1機能部分51の左右両端に左右方向に一体に設けられている。第2機能部分52は、第1機能部分51の光学制御部54の反射面543で反射された反射光L7を、全反射作用により、第2機能部分52の第1機能部分51から第2機能部分52の左右両端に導くものである。
【0054】
すなわち、第2機能部分52は、導光棒、導光体、ライトガイドである。第2機能部分52は、断面形状が円形もしくはほぼ円形の円柱形状すなわち丸棒形状をなす。第2機能部分52の直径(基本直径)は、この例では、約5〜8mmである。
【0055】
第2機能部分52の側面のうちランプレンズ3側に対向する側面には、出射面520が設けられている。出射面520は、
図1、
図7に示すように、第1機能部分51から第2機能部分52に反射した反射光L7であって第2機能部分52中に導かれた光の一部を、出射光L10として外部(すなわち、ランプレンズ3側であって車両Cの後側)に出射させる。なお、出射面520は、反射光L7の残りを全反射作用により第2機能部分52中に反射させる。
【0056】
第2機能部分52の側面であって出射面520に対して反対側の面もしくはほぼ反対側の面には、反射面521と段差面522とが設けられている。反射面521と段差面522とは、第2機能部分52の中心線O方向に交互に多数個連続して設けられている。反射面521は、反射光L7の一部を、反射光L13として出射面520側に反射させる。反射光L13は、出射面520から出射光L10として外部に出射する。1個の反射面521と1個の段差面522とは、1個のプリズムを構成する。
【0057】
(明暗差緩和部分57の説明)
図1、
図5に示すように、導光部材5には、明暗差緩和部分57が設けられている。明暗差緩和部分57は、導光部材5の第1機能部分51と第2機能部分52との境から、第1機能部分51および第2機能部分52に亘って設けられている。
【0058】
明暗差緩和部分57は、
図1、
図5に示すように、第3入射面533からの入射直射光L4により、導光部材5の第1機能部分51の明るい部分と第2機能部分52の暗い部分との間の明暗差を緩和するものである。すなわち、導光部材5の第1機能部分51の中央部分の明るい部分から、明暗差緩和部分57の中間の明るい部分を経て、第2機能部分52の端部分の暗い部分へと、明るさが徐々に変化している。なお、
図5において、黒点が密である部分は、明るい部分である。黒点が疎である部分は、暗い部分である。
【0059】
ここで、第1機能部分51の出射面55から出射される出射光L9、および、第2機能部分52の出射面520から出射される出射光L5、L10の明暗について、
図1を参照して、説明する。
図1において、出射光L9、L5、L10は、実線矢印にて図示されている。実線矢印が密であると、出射光が明るい。実線矢印が疎であると、出射光が暗い。
【0060】
まず、光学制御部54により光学制御された光すなわち第1再入射光L11および第2再入射光L12は、光源光L1のうち光源4からの直射光である。このため、第1再入射光L11および第2再入射光L12からなる出射光L9は、明るい。
【0061】
また、平行光反射面56で反射された反射平行光L6は、光源光L1のうち光源4からの反射光である。このため、反射平行光L6からなる出射光L9は、第1再入射光L11および第2再入射光L12からなる出射光L9と比較して暗い。
【0062】
この反射平行光L6は、第2入射面532からの入射屈折光L3が平行光反射面56で反射する反射平行光L6と、第3入射面533からの入射直射光L4が平行光反射面56で反射する反射平行光L6と、からなる。この反射平行光L6からなる出射光L9のうち、入射直射光L4の反射平行光L6からなる出射光L9は、入射屈折光L3の反射平行光L6からなる出射光L9と比較して暗い。
【0063】
一方、入射直射光L4であって第2機能部分52の出射面520から出射する出射光L5は、入射直射光L4の反射平行光L6からなる出射光L9と比較して暗い。
【0064】
さらに、反射光L7であって第2機能部分52の反射面521で反射して出射面520から出射する出射光L10は、入射直射光L4であって第2機能部分52の出射面520から出射する出射光L5と比較して暗い。
【0065】
このように、導光部材5の第1機能部分51の中央部分の明るい出射光L9から、明暗差緩和部分57の中間の明るい出射光L9、L5を経て、第2機能部分52の端部分の暗い出射光L10へと、明るさが徐々に変化している。
【0066】
(実施形態1の作用の説明)
この実施形態1にかかる車両用光学部材(以下、「導光部材5」と称する)、車両用灯具1は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。
【0067】
4個の光源4の発光部41を同時に点灯する。すると、光源4の発光部41から放射された光源光L1は、入射平行光L2、入射屈折光L3、入射直射光L4として、導光部材5の第1機能部分51の4個のブロック511〜514の第1入射面531、第2入射面532、第3入射面533から導光部材5中に入射する。
【0068】
入射平行光L2の一部は、光学制御部54の反射面543で反射光L7として、焦点F2、F3に向けて反射する。反射光L7は、焦点F2、F3に向かって一度収束し、かつ、焦点F2、F3から第2機能部分52中に放射する。すなわち、反射光L7は、焦点F2、F3を仮想光源として、第2機能部分52中に放射する。
【0069】
入射平行光L2の残りは、光学制御部54の屈折面544で屈折光L8として、光学制御部54の空間部540側に屈折する。屈折光L8の一部は、光学制御部54の第1再入射面541に拡散光の第1再入射光L11として、再入射する。屈折光L8の残りは、光学制御部54の第2再入射面542に屈折光の第2再入射光L12として、再入射する。
【0070】
第1再入射光L11および第2再入射光L12は、第1機能部分51の出射面55から1番明るい出射光L9として、ランプレンズ3を経て、外部に車両Cの後側に照射される。
【0071】
入射屈折光L3は、平行光反射面56で反射平行光L6として、反射する。反射平行光L6は、第1機能部分51の出射面55から2番目に明るい出射光L9として、1番明るい出射光L9の左右両側あるいは左側もしくは右側において、ランプレンズ3を経て、外部に車両Cの後側に照射される。
【0072】
入射直射光L4の一部は、平行光反射面56で反射平行光L6として、反射する。反射平行光L6は、第2機能部分52に隣接する第1機能部分51の出射面55すなわち明暗差緩和部分57の出射面55から3番目に明るい出射光L9として、2番目に明るい出射光L9の右側もしくは左側において、ランプレンズ3を経て、外部に車両Cの後側に照射される。
【0073】
入射直射光L4の残りは、第1機能部分51に隣接する第2機能部分52の出射面520すなわち明暗差緩和部分57の出射面520から4番目に明るい出射光L5として、3番目に明るい出射光L9の右側もしくは左側において、ランプレンズ3を経て、外部に車両Cの後側に照射される。
【0074】
焦点F2、F3を仮想光源として、第2機能部分52中に放射した反射光L7は、第2機能部分52中において、全反射作用により、第2機能部分52の第1機能部分51から第2機能部分52の左右両端に導かれる。また、反射光L7は、第2機能部分52中の途中において、反射面521で反射光L13として、反射する。
【0075】
反射光L13は、第2機能部分52の出射面520から5番目に明るい出射光L10として、4番目に明るい出射光L5の右側もしくは左側において、ランプレンズ3を経て、外部に車両Cの後側に照射される。出射光L10は、第2機能部分52の第1機能部分51に隣接する明暗差緩和部分57から第2機能部分52の左右の両端にかけて徐々に暗くなる。
【0076】
以上のように、
図1、
図5に示すように、車両用灯具1の中央部分の第1機能部分51は、明るく、ハイマウントストップランプの配光機能を担う。また、車両用灯具1の左右両端部分の第2機能部分52は、第1機能部分51から左右両端にかけて徐々に暗くなり、加飾(装飾)機能を担う。さらに、中央部分の明るい第1機能部分51と、左右両端部分の徐々に暗くなる第2機能部分52との間の部分の明暗差緩和部分57は、明暗差を緩和する。
【0077】
(実施形態1の効果の説明)
この実施形態1にかかる導光部材5、車両用灯具1は、以上のごとき構成および作用からなり、以下、その効果について説明する。
【0078】
この実施形態1にかかる導光部材5、車両用灯具1は、入射面53と出射面55との間の光学制御部54において、反射面543が入射光(入射平行光L2)の一部を反射させ、屈折面544が入射光(入射平行光L2)の残りの一部を空間部540側に屈折させて第1再入射面541および第2再入射面542にそれぞれ再入射させるものである。すなわち、この実施形態1にかかる導光部材5、車両用灯具1は、屈折面544からの屈折光L8の一部を反射面543に対向する第2再入射面542に再入射させることができる。このため、この実施形態1にかかる導光部材5、車両用灯具1は、
図1、
図3、
図8(A)に示すように、光学制御部54の空間部540の壁面に反射面543を設けた場合であっても、反射面543により暗部が形成されるのを防止することができる。
【0079】
ここで、この発明を実施しなかった従来の導光部材、車両用灯具について、
図8(B)を参照して説明する。なお、
図8(B)において、
図1〜
図7、
図8(A)、
図9と同符号は、同一のものを示す。
【0080】
従来の導光部材、車両用灯具は、入射面と出射面との間には光学制御部58が設けられている。光学制御部58は、空間部580の壁面から構成されている反射面583、出射面584、第1再入射面581および第2再入射面582を有する。出射面584と第1再入射面581とが対向し、反射面583と第2再入射面582とが対向する。反射面583が入射平行光L2の一部を反射光L7として反射させる。出射面584が入射平行光L2の残りの一部を出射光L14として空間部540側にそのまま出射させて第1再入射面541にのみ再入射光L15としてそのまま再入射させる。出射光L14および再入射光L15は、入射平行光L2と同様に、光軸Zに平行もしくはほぼ平行である。
【0081】
このため、従来の導光部材、車両用灯具は、出射面584からの出射光L14の一部を反射面583に対向する第2再入射面582に再入射させることができない。このため、従来の導光部材、車両用灯具は、
図8(B)に示すように、光学制御部58の空間部580の壁面に反射面583を設けた場合、反射面583により暗部DAが形成される。
【0082】
これに対して、この実施形態1にかかる導光部材5、車両用灯具1は、
図8(A)に示すように、光学制御部54の空間部540の壁面に反射面543を設けた場合であっても、反射面543により暗部が形成されるのを防止することができる。
【0083】
この実施形態1にかかる導光部材5、車両用灯具1は、光源4の光軸Zと屈折面544とがなす角度θ1〜θ4が、屈折面544における屈折光L8の屈折角度θ11〜θ14が反射面543側に近づくに従って大きくなるように、変化している。このため、この実施形態1にかかる導光部材5、車両用灯具1は、屈折面544からの屈折光L8のうち反射面543側の一部を、屈折面544と対向する第1再入射面541から反射面543と対向する第2再入射面542に分配して入射させることができる。これにより、この実施形態1にかかる導光部材5、車両用灯具1は、反射面543による暗部の形成を確実に防止することができる。
【0084】
この実施形態1にかかる導光部材5、車両用灯具1は、屈折面544が、一連の自由曲面からなる光学制御面である。ここで、複数の三角プリズムを連続して屈折面を設ける場合においては、抜き面(傾斜面、段差面)や加工曲部(加工R、加工曲面)による暗部が形成される。このため、この実施形態1にかかる導光部材5、車両用灯具1は、複数の三角プリズムを連続して屈折面を設ける場合と比較して、抜き面や加工曲部による暗部の形成を確実に防ぐことができる。これにより、この実施形態1にかかる導光部材5、車両用灯具1は、反射面543による暗部の形成をさらに確実に防止することができる。
【0085】
この実施形態1にかかる導光部材5、車両用灯具1は、入射面53の一部が、光源4からの光源光L1を入射平行光L2として入射させる平行光入射面の第1入射面531である。また、この実施形態1にかかる導光部材5、車両用灯具1は、反射面543が、焦点F2、F3が入射面53と出射面55との間に位置し、入射平行光L2を焦点F2、F3に向けて反射させる放物線系の光学制御面である。このため、この実施形態1にかかる導光部材5、車両用灯具1は、入射平行光L2の一部であって、反射面543で反射させた反射光L7を、焦点F2、F3に一度収束させかつ焦点F2、F3から放射させるものである。これにより、この実施形態1にかかる導光部材5、車両用灯具1は、焦点F2、F3を仮想光源として、反射光L7を第2機能部分52中に確実に入射させることができ、反射光L7を第2機能部分52の加飾機能に有効に利用することができる。
【0086】
この実施形態1にかかる導光部材5、車両用灯具1は、第1再入射面541が、屈折光L8のうち反射面543に対して反対側の一部(L8)を拡散光の第1再入射光L11として再入射させる拡散系の光学制御面である。ここで、屈折面544で屈折される屈折光L8は、光源4の光軸Zもしくはその近傍に位置するので、光束が多く(光の量が多く)、光が強い(光度が高い)。このため、この実施形態1にかかる導光部材5、車両用灯具1は、光束が多く光が強い屈折光L8を、第1再入射面541で第1再入射光L11として拡散させて、かつ、出射面55から出射光L9として出射させることができる。これにより、この実施形態1にかかる導光部材5、車両用灯具1は、第1機能部分51の配光機能において、均等もしくはほぼ均等の明るさの配光が得られる。
【0087】
この実施形態1にかかる導光部材5、車両用灯具1は、第2再入射面542が、屈折光L8のうち反射面543側の一部を光軸Zに平行もしくはほぼ平行な屈折光の第2再入射光L12として再入射させる一連の面からなる光学制御面である。ここで、複数の三角プリズムを連続して第2再入射面を設ける場合においては、抜き面(傾斜面、段差面)や加工曲部(加工R、加工曲面)による暗部が形成される。このため、この実施形態1にかかる導光部材5、車両用灯具1は、複数の三角プリズムを連続して第2再入射面を設ける場合と比較して、抜き面や加工曲部による暗部の形成を確実に防ぐことができる。これにより、この実施形態1にかかる導光部材5、車両用灯具1は、反射面543による暗部の形成をさらに確実に防止することができる。
【0088】
この実施形態1にかかる導光部材5、車両用灯具1は、入射面53の他の一部であって、反射面543の反射方向側すなわち第2機能部分52に対向する側の第3入射面533が、光源4からの光源光L1を入射直射光L4として入射させる直線光入射面である。このため、この実施形態1にかかる導光部材5、車両用灯具1は、第3入射面533からの入射直射光L4の一部が平行光反射面56で反射平行光L6として反射し、その反射平行光L6が第2機能部分52寄りの第1機能部分51の出射面55から出射光L9として出射する。一方、この実施形態1にかかる導光部材5、車両用灯具1は、第3入射面533からの入射直射光L4の残りが第1機能部分51寄りの第2機能部分52の出射面520から出射光L5として出射する。
【0089】
これにより、この実施形態1にかかる導光部材5、車両用灯具1は、導光部材5の中央部分の明るい第1機能部分51と、導光部材5の左右端部分の暗い第2機能部分52との間に、中間の明るさの明暗差緩和部分57が形成される。この結果、この実施形態1にかかる導光部材5、車両用灯具1は、明るさが、導光部材5の中央部分の明るい第1機能部分51から、中間の明るさの明暗差緩和部分57を経て、導光部材5の左右端部分の暗い第2機能部分52へと、徐々に変化している照明が得られる。
【0090】
この実施形態1にかかる導光部材5、車両用灯具1は、光学制御部54の第1光学制御部である屈折面544、第1再入射面541および第2再入射面542が入射平行光L2の一部を第1機能部分51の出射面55に向けて光学制御し、光学制御部54の第2光学制御部である反射面543が入射平行光L2の残りの一部を第2機能部分52に向けて光学制御する。このため、この実施形態1にかかる導光部材5、車両用灯具1は、従来の導光体、車輛用灯具と同様に、光のムラの発生を低減することができると共に光の利用効率の向上を図ることができる。しかも、この実施形態1にかかる導光部材5、車両用灯具1は、光学制御部54が入射面53と出射面55との間に設けられている空間部540の壁面から構成されているので、従来の導光体、車輛用灯具のように、繋ぎ面や加工曲部が形成されていない。この結果、この実施形態1にかかる導光部材5、車両用灯具1は、繋ぎ面や加工曲部により、光漏れが生じて点光が発生したり、あるいは、暗部が発生したりするのを防止することができる。
【0091】
この実施形態1にかかる導光部材5、車両用灯具1は、第1機能部分51が、複数個(この例では4個)のブロック511〜514から構成されていて、4個のブロック511〜514が、それぞれ、入射面53と、光学制御部54と、出射面55と、を備え、4個のブロック511〜514のうち、第2機能部分52に近いブロック511、514に対して第2機能部分52から離れているブロック512、513の第2光学制御部である反射面543の焦点F2が、第2機能部分52に近いブロック511、514の光学制御部54と出射面55との間に位置する。このため、この実施形態1にかかる導光部材5、車両用灯具1は、第2機能部分52から離れているブロック512、513の反射面543からの反射光L7を、第2機能部分52に近いブロック511、514の光学制御部54と出射面55との間に通すことができる。これにより、この実施形態1にかかる導光部材5、車両用灯具1は、ブロック511〜514を複数個設けても、第2機能部分52から離れているブロック512、513の反射面543からの反射光L7の通過を阻害することなく、第2機能部分52に近いブロック511、514の光学制御部54と出射面55との間の寸法を小さくすることができる。この結果、導光部材5の奥行強いては車両用灯具1の奥行を小型化することができる。
【0092】
(屈折面544の変形例の説明)
以下、屈折面544の変形例について
図9(A)、(B)を参照して説明する。
【0093】
この実施形態1にかかる導光部材5、車両用灯具1の屈折面544は、
図9(C)に示すように、一連の自由曲面からなる光学制御面である。これに対して、
図9(A)に示す屈折面544は、抜き面545と交互に連続して設けた複数の三角プリズムからなる光学制御面である。また、
図9(B)に示す屈折面544は、複数の平面を連続して設けてなる光学制御面である。
【0094】
図9(A)に示す屈折面544は、抜き面545や加工曲部による暗部が若干形成されるが、屈折光L8の一部を第2再入射面542に確実に入射させることができるので、反射面543により暗部が形成されるのを防止することができる。
【0095】
図9(B)に示す屈折面544は、複数の平面からなるので、屈折光L8の屈折制御が複数段の制御となり、自由曲面からなる
図9(C)に示す屈折面544の無数段の制御と比較して、屈折光L8の屈折制御効率が低下する。しかしながら、
図9(B)に示す屈折面544は、抜き面や加工曲部による暗部の形成を防ぐことができ、かつ、屈折光L8の一部を第2再入射面542に確実に入射させることができるので、反射面543により暗部が形成されるのを確実に防止することができる。
【0096】
(実施形態2の説明)
図10は、この発明にかかる導光部材、車両用灯具の実施形態2を示す。以下、この実施形態2にかかる導光部材、車両用灯具について説明する。図中、
図1〜
図9と同符号は、同一のものを示す。
【0097】
前記の実施形態1の導光部材5、車両用灯具1は、
図1〜
図3、
図8(A)に示すように、光学制御部54の空間部540の一側たとえば右側もしくは左側に反射面543を設けるものである。これに対して、この実施形態2の導光部材、車両用灯具は、
図10に示すように、光学制御部54の空間部540の両側に反射面543をそれぞれ設けるものである。
【0098】
この実施形態2の導光部材、車両用灯具は、以上のごとき構成からなるので、前記の実施形態1の導光部材5、車両用灯具1と同様もしくはほぼ同様の作用効果を達成することができる。
【0099】
(実施形態1、2、変形例以外の例の説明)
なお、前記の実施形態1においては、第1機能部分51が4個のブロック511〜514からなるものである。これに対して、この発明においては、第1機能部分51が1個〜3個のブロックもしくは5個以上のブロックからなるものであっても良い。1個の場合は、実施形態2の光学制御部54の空間部540の両側に反射面543をそれぞれ設けるものを使用することが好ましい。また、偶数個の場合は、実施形態1の光学制御部54の空間部540の一側たとえば右側もしくは左側に反射面543を設けるものを使用することが好ましい。さらに、奇数個の場合は、実施形態1の光学制御部54の空間部540の一側たとえば右側もしくは左側に反射面543を設けるものと、実施形態2の光学制御部54の空間部540の両側に反射面543をそれぞれ設けるものと、を使用することが好ましい。
【0100】
また、前記の実施形態1、2、変形例においては、配光機能と加飾(装飾)機能とを有するハイマウントストップランプに使用するものである。ところが、この発明においては、配光機能と加飾(装飾)機能とを有するハイマウントストップランプ以外のランプに使用しても良い。なお、光源4からの光源光L1を複数に分配して使用するランプに使用することが好ましい。
【0101】
さらに、前記の実施形態1、2、変形例においては、第1入射面531が、焦点F1が光軸Z上でかつ光源4の発光面の中心もしくはほぼ中心に位置する凸レンズ面からなるものである。ところが、この発明においては、第1入射面として、凸レンズ面以外の面であっても良い。たとえば、焦点が光軸Z上でかつ光源4の発光面の中心もしくはほぼ中心に位置するフレネルレンズ面からなるものであっても良い。
【0102】
なお、この発明は、前記の実施形態1、2、変形例により限定されるものではない。