特許第6838413号(P6838413)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6838413
(24)【登録日】2021年2月16日
(45)【発行日】2021年3月3日
(54)【発明の名称】スペアタイヤ保持構造
(51)【国際特許分類】
   B62D 43/04 20060101AFI20210222BHJP
【FI】
   B62D43/04 A
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-19518(P2017-19518)
(22)【出願日】2017年2月6日
(65)【公開番号】特開2018-127023(P2018-127023A)
(43)【公開日】2018年8月16日
【審査請求日】2020年1月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000170
【氏名又は名称】いすゞ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】特許業務法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林口 太一
【審査官】 米澤 篤
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−901(JP,A)
【文献】 実開昭55−142381(JP,U)
【文献】 特開2007−22249(JP,A)
【文献】 実開昭55−144182(JP,U)
【文献】 特開平10−1074(JP,A)
【文献】 英国特許出願公告第327659(GB,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0203767(US,A1)
【文献】 独国特許出願公開第102007001269(DE,A1)
【文献】 特開2010−234887(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 43/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つのサイドメンバの間に第1クロスメンバおよび第2クロスメンバを締結し、巻上機構により巻き上げられたスペアタイヤを、前記第1クロスメンバの第1当接部および前記第2クロスメンバの第2当接部に当接させることで、前記スペアタイヤを保持するスペアタイヤ保持構造であって、
前記第1当接部は、
前記第2当接部よりも下方に突出し、前記スペアタイヤが当接する第1突起部を有し、
前記第2当接部は、
前記第2当接部の長手方向において前記第1突起部の設置位置よりも左側に設けられ、前記スペアタイヤが当接する第2突起部と、
前記第2当接部の長手方向において前記第1突起部の設置位置よりも右側に設けられ、前記スペアタイヤが当接する第3突起部と、を有し、
前記第2突起部の下方へ突出した長さと、前記第3突起部の下方へ突出した長さとは、同じであり、
前記第1突起部の下方へ突出した長さは、前記第2突起部の下方へ突出した長さおよび前記第3突起部の下方へ突出した長さよりも長い、
スペアタイヤ保持構造。
【請求項2】
前記第1突起部は、
前記第1当接部の長手方向の中央に設けられている、
請求項1に記載のスペアタイヤ保持構造。
【請求項3】
前記第1突起部は、
直方体状または半球状である、
請求項1または2に記載のスペアタイヤ保持構造。
【請求項4】
前記第1突起部は、
前記第1当接部と一体的に形成されている、または、前記第1当接部に対して着脱可能である、
請求項1から3のいずれか1項に記載のスペアタイヤ保持構造。
【請求項5】
前記第2突起部および前記第3突起部は、
直方体状または半球状である、
請求項1から4のいずれか1項に記載のスペアタイヤ保持構造。
【請求項6】
前記第2突起部および前記第3突起部は、
前記第2当接部と一体的に形成されている、または、前記第2当接部に対して着脱可能である、
請求項1から5のいずれか1項に記載のスペアタイヤ保持構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両においてスペアタイヤを保持するスペアタイヤ保持構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、2つのサイドメンバの間に2つのクロスメンバを締結し、2つのクロスメンバの間に設置された巻上機構により巻き上げられたスペアタイヤを、各クロスメンバの下方に取り付けられたブラケットに当接させることにより、スペアタイヤを保持する構造が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−901号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1では、2つのクロスメンバは、それぞれ、ボルトによって各サイドメンバに締結されるため、ボルトが挿入される穴のガタの影響により、2つのクロスメンバが平行とならないおそれがある。そして、2つのクロスメンバが平行にならないと、各クロスメンバのブラケットも平行とならないため、各クロスメンバのブラケットに当接したスペアタイヤが不安定となるおそれがある。
【0005】
本発明の目的は、スペアタイヤを安定して保持できるスペアタイヤ保持構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のスペアタイヤ保持構造は、2つのサイドメンバの間に第1クロスメンバおよび第2クロスメンバを締結し、巻上機構により巻き上げられたスペアタイヤを、前記第1クロスメンバの第1当接部および前記第2クロスメンバの第2当接部に当接させることで、前記スペアタイヤを保持するスペアタイヤ保持構造であって、前記第1当接部は、前記第2当接部よりも下方に突出し、前記スペアタイヤが当接する第1突起部を有し、前記第2当接部は、前記第2当接部の長手方向において前記第1突起部の設置位置よりも左側に設けられ、前記スペアタイヤが当接する第2突起部と、前記第2当接部の長手方向において前記第1突起部の設置位置よりも右側に設けられ、前記スペアタイヤが当接する第3突起部と、を有し、前記第2突起部の下方へ突出した長さと、前記第3突起部の下方へ突出した長さとは、同じであり、前記第1突起部の下方へ突出した長さは、前記第2突起部の下方へ突出した長さおよび前記第3突起部の下方へ突出した長さよりも長い
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、スペアタイヤを安定して保持できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一般的なスペアタイヤ保持構造の一例を示す斜視図
図2図1に示したスペーサの一例を示す斜視図
図3図1に示した視点V1から見た平面図
図4図1に示したスペアタイヤとスペーサとの当接部分を上方から見た平面図、および図4(a)に示した視点V2から見た平面図
図5】本発明の実施の形態に係るスペーサおよび突起部の一例を示す斜視図
図6図5に示した視点V3から見た平面図、および図5に示した視点V4から見た平面図
図7】本発明の実施の形態に係る当接部分を上方から見た平面図、および図7(a)に示した視点V5から見た平面図
図8】突起部の設置位置の変形例を示す平面図
図9】スペーサおよび突起部の変形例を示す斜視図
図10図9に示した視点V6から見た平面図、および図9に示した視点V7から見た平面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に至った知見について、図1図4を用いて以下に説明する。
【0010】
まず、車両に搭載される一般的なスペアタイヤ保持構造の構成例について説明する。図1は、一般的なスペアタイヤ保持構造の一例を示す斜視図である。
【0011】
図1において、矢印aは車長方向(車両の全長の方向)を示し、矢印bは車高方向を示し、矢印cは車幅方向(車両の全幅の方向)を示す。なお、以下では、適宜、車長方向を「サイドメンバの長手方向」と言い、車高方向を「上下方向」と言い、車幅方向を「クロスメンバの長手方向」または「スペーサの長手方向」と言う。
【0012】
図1に示すように、サイドメンバ1aとサイドメンバ1bとの間には、車幅方向に沿ってクロスメンバ2a(第2クロスメンバの一例)およびクロスメンバ2b(第1クロスメンバの一例)が設けられる。
【0013】
クロスメンバ2aおよびクロスメンバ2bは、それぞれ、L字形状のブラケット3を介して、サイドメンバ1aとサイドメンバ1bとの間に締結される。具体的には、クロスメンバ2aおよびクロスメンバ2bは、それぞれ、ボルト8によってブラケット3に締結される。各ブラケット3は、ボルト8によってサイドメンバ1aとサイドメンバ1bとに締結される。
【0014】
クロスメンバ2aの底面には、スペーサ5aがボルト8によって締結され、クロスメンバ2bの底面には、スペーサ5bがボルト8によって締結される。図1図2に示すように、スペーサ5aおよびスペーサ5bは、一面が開口した箱型の部材である(各図では、スペーサ5bのみ、開口面を図示している)。
【0015】
スペーサ5aとスペーサ5bとの間には、図1図2に示すように、巻上機構(ハンガーともいう)4が設置される。巻上機構4は、ボルト8によって、スペーサ5aとスペーサ5bとに締結される。
【0016】
図示は省略するが、巻上機構4は、ハンドルを操作することで巻き上げられるチェーンと、そのチェーンの先端に設けられた、スペアタイヤ6を係止するタイヤ係止部材とを備える。ハンドル操作によりチェーンが巻き上げられると、スペアタイヤ6が上昇し、そのディスク面7がスペーサ5a、5bそれぞれの底面に当接(接触)する。この状態でチェーンを固定することにより、スペアタイヤ保持構造にスペアタイヤ6が保持される。
【0017】
以上、一般的なスペアタイヤ保持構造の構成例について説明した。
【0018】
上述したスペアタイヤ保持構造では、クロスメンバ2a、2bは、ボルト8を用いてサイドメンバ1a、1bに締結される。このとき、ボルト8が挿入される穴のガタの影響により、一方のクロスメンバが、他方のクロスメンバに対して、ロール方向に所定角度ずれることがある。図3は、図1に示した視点V1から見た平面図である。図3に示すようにクロスメンバ2bは、クロスメンバ2aに対して、角度α分ずれている。
【0019】
図3に示したように角度ずれが生じた場合、クロスメンバ2aとクロスメンバ2bとは平行にならず、スペーサ5aとスペーサ5bも平行にならない。このときにスペアタイヤ6を巻き上げて、スペアタイヤ6のディスク面7をスペーサ5a、5bに当接させた状態を図4(a)および図4(b)に示す。
【0020】
図4(a)は、スペアタイヤ6のディスク面7とスペーサ5a、5bとの当接部分を上方から見た平面図である。図4(b)は、図4(a)に示した視点V2から見た平面図である。
【0021】
図4(a)および図4(b)において、当接部分Aは、スペーサ5aの底面とディスク面7とが当接している部分を示し、当接部分Bは、スペーサ5bの底面とディスク面7とが当接している部分を示している。なお、図4(a)に示す点Oは、スペアタイヤ6の中心である。また、図4(b)に示す破線の各矢印は、当接部分A、Bのそれぞれに生じる反力を示している。
【0022】
このように当接部分A、Bの2箇所でスペアタイヤ6が保持されている場合において、スペアタイヤ6における矢印Xで示す箇所と矢印Yで示す箇所のそれぞれに力を加えると、それらの力を抑える反力がないため、図4(b)の破線に示すように、スペアタイヤ6が上下方向にがたつく。よって、スペアタイヤ6は、不安定な状態で保持されることになる。
【0023】
そこで、本発明は、スペアタイヤを安定して保持できるスペアタイヤ保持構造を提供することを目的とする。
【0024】
以上、本発明に至った知見について説明した。
【0025】
次に、本発明の実施の形態について、図5図7を用いて以下に説明する。
【0026】
本実施の形態に係るスペアタイヤ保持構造の基本構成は、図1に示した構成と同じである。すなわち、本実施の形態のスペアタイヤ保持構造は、サイドメンバ1aとサイドメンバ1bとの間にクロスメンバ2a(第2クロスメンバの一例)およびクロスメンバ2b(第1クロスメンバの一例)を締結し、巻上機構4により巻き上げられたスペアタイヤ6を、クロスメンバ2aのスペーサ5a(第2当接部の一例)およびクロスメンバ2bのスペーサ5b(第1当接部の一例)に当接させることで、スペアタイヤ6を保持する。
【0027】
以下では、図1の構成との差異についてのみ説明し、図1の構成と共通する構成要素の説明は省略する。
【0028】
本実施の形態のスペアタイヤ保持構造は、図1に示したスペアタイヤ保持構造と比較して、2つのスペーサのうちいずれか一方に突起部を設けた点が異なる。
【0029】
本実施の形態に係る突起部について、図5および図6を用いて説明する。図5は、本実施の形態に係るスペーサおよび突起部の一例を示す斜視図である。図6(a)は、図5に示した視点V3から見た平面図であり、図6(b)は、図5に示した視点V4から見た平面図である。
【0030】
図5に示すように、スペーサ5bの底面には、直方体状の突起部10(第1突起部の一例)が固定的に設けられている。
【0031】
また、図6(a)および図6(b)に示すように、突起部10は、スペーサ5bの長手方向の中央に設けられている。
【0032】
この突起部10は、スペーサ5aの底面よりも下方に突出している。これにより、巻き上げられたスペアタイヤ6のディスク面7は、スペーサ5b側では、スペーサ5bの底面ではなく、突起部10に当接する。一方、スペーサ5a側では、ディスク面7は、スペーサ5aの底面に当接する。
【0033】
スペアタイヤ6のディスク面7を、突起部10およびスペーサ5aに当接させた状態を図7(a)および図7(b)に示す。
【0034】
図7(a)は、スペアタイヤ6のディスク面7と突起部10およびスペーサ5aとの当接部分を上方から見た平面図である。図7(b)は、図7(a)に示した視点V5から見た平面図である。
【0035】
図7(a)および図7(b)において、当接部分Aおよび当接部分Cは、スペーサ5aの底面とディスク面7とが当接している部分を示し、当接部分Bは、突起部10とディスク面7とが当接している部分を示している。なお、図7(a)に示す点Oは、スペアタイヤ6の中心である。また、図7(b)に示す破線の各矢印は、当接部分A、B、Cそれぞれに生じる反力を示している。
【0036】
図7(a)に示すように、当接部分A、B、Cは、当接部分Bを頂点とした二等辺三角形となる。
【0037】
このように当接部分A、B、Cの3箇所でスペアタイヤ6が保持されている場合において、スペアタイヤ6における矢印Xで示す箇所と矢印Yで示す箇所のそれぞれに力を加えたとしても、図5(b)の破線矢印で示す各反力がキャンセルされない限り、スペアタイヤ6は動かない。よって、スペアタイヤ6は、安定して保持されることになる。
【0038】
以上説明したように、本実施の形態のスペアタイヤ保持構造によれば、巻き上げられたスペアタイヤは、一方のスペーサに設けられた突起部と、他方のクロスメンバの底面との3箇所に当接するため、スペアタイヤを安定的に保持できる。
【0039】
以上、本発明の実施の形態について詳述してきたが、本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変形して実施することが可能である。以下、各変形例について説明する。
【0040】
(変形例1)
実施の形態では、突起部10を、スペーサ5bの長手方向の中央に設ける場合を例に挙げて説明したが、突起部10は、中央より少々ずれて設けられてもよい。この例について、図8を用いて以下に説明する。図8に示す直線Lは、スペアタイヤ6の中心Oを通り、車長方向に平行な直線である。
【0041】
図8において、スペーサ5bにおいて、直線Lが通る箇所がスペーサ5bの長手方向の中央である。上記実施の形態では、その箇所に突起部10を設けた。これに対し、例えば、図8に示すように、突起部10は、直線Lを基準として左方向(図中では下方向)にずれて設けられてもよい。または、突起部10は、直線Lを基準として右方向(図中では上方向)にずれて設けられてもよい。
【0042】
ただし、直線Lからのずれが大きいと、スペアタイヤのガタツキが生じるおそれがあるため、ずれの許容範囲は、実験やシミュレーション等の結果に基づいて、ガタツキが生じないように設定されるとする。
【0043】
(変形例2)
実施の形態では、スペーサ5bのみに突起部10を設ける場合を例に挙げて説明したが、さらに、スペーサ5aにも1つ以上の突起部を設けてもよい。この例について、図9図10を用いて以下に説明する。
【0044】
図9は、本変形例に係るスペーサおよび突起部の一例を示す斜視図である。図10(a)は、図9に示した視点V6から見た平面図であり、図10(b)は、図9に示した視点V7から見た平面図である。
【0045】
図示は省略しているが、図9に示すスペーサ5bの底面には、図5図6に示したように、突起部10が設けられている。
【0046】
図9に示すように、スペーサ5aの底面には、直方体状の突起部11(第2突起部の一例)および突起部12(第3突起部の一例)が固定的に設けられている。
【0047】
また、図10(a)および図10(b)に示すように、突起部11は、スペーサ5aの長手方向において突起部10の設置位置(図5図6参照)よりも左側に設けられ、突起部12は、スペーサ5aの長手方向において突起部10の設置位置(図5図6参照)よりも右側に設けられている。
【0048】
突起部11の長さ(スペーサ5aの底面から下方へ突出した部分の長さ)と、突起部12の長さ(スペーサ5aの底面から下方へ突出した部分の長さ)は、同じである。
【0049】
また、突起部11の長さおよび突起部12の長さは、突起部10の長さ(スペーサ5bの底面から下方へ突出した部分の長さ)よりも短い。換言すれば、突起部10は、突起部11および突起部12よりも長く下方へ突出している。
【0050】
これにより、巻き上げられたスペアタイヤ6のディスク面7は、スペーサ5b側では突起部10に当接し、スペーサ5a側では突起部12、13に当接する。このように、本変形例では、当接部分が3箇所となるため、上記実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0051】
(変形例3)
実施の形態で説明した突起部10、および、変形例2で説明した突起部11、12は、半球状、または、その他の形状であってもよい。
【0052】
(変形例4)
実施の形態で説明した突起部10は、スペーサ5bと一体的に形成されていてもよいし、スペーサ5bに対して着脱可能な部材であってもよい。同様に、変形例2で説明した突起部11、12は、スペーサ5aと一体的に形成されていてもよいし、スペーサ5aに対して着脱可能な部材であってもよい。突起部をスペーサに対して着脱可能とする場合、例えば突起部をネジのように構成して、突起部が下方に突出する長さを任意に調整できるようにしてもよい。
【0053】
(変形例5)
実施の形態では、クロスメンバ2aの下方にスペーサ5aが取り付けられ、クロスメンバ2bの下方にスペーサ5bが取り付けられる場合を例に挙げて説明したが、スペアタイヤ保持構造は、スペーサ5a、5bを備えない構成としてもよい。
【0054】
その場合、上述した突起部10は、例えば、クロスメンバ2bの底面に固定的に設けられてもよい。また、上述した突起部11、12は、例えば、クロスメンバ2aの底面に固定的に設けられてもよい。
【0055】
以上、各変形例について説明した。
【0056】
<本開示のまとめ>
本発明のスペアタイヤ保持構造は、2つのサイドメンバの間に第1クロスメンバおよび第2クロスメンバを締結し、巻上機構により巻き上げられたスペアタイヤを、前記第1クロスメンバの第1当接部および前記第2クロスメンバの第2当接部に当接させることで、前記スペアタイヤを保持するスペアタイヤ保持構造であって、前記第1当接部は、前記第2当接部よりも下方に突出し、前記スペアタイヤが当接する第1突起部を有し、前記第2当接部は、前記第2当接部の長手方向において前記第1突起部の設置位置よりも左側に設けられ、前記スペアタイヤが当接する第2突起部と、前記第2当接部の長手方向において前記第1突起部の設置位置よりも右側に設けられ、前記スペアタイヤが当接する第3突起部と、を有し、前記第2突起部の下方へ突出した長さと、前記第3突起部の下方へ突出した長さとは、同じであり、前記第1突起部の下方へ突出した長さは、前記第2突起部の下方へ突出した長さおよび前記第3突起部の下方へ突出した長さよりも長い
【0057】
なお、上記スペアタイヤ保持構造において、前記第1突起部は、前記第1当接部の長手方向の中央に設けられてもよい。
【0058】
また、上記スペアタイヤ保持構造において、前記第1突起部は、直方体状または半球状であってもよい。
【0059】
また、上記スペアタイヤ保持構造において、前記第1突起部は、前記第1当接部と一体的に形成されていてもよいし、前記第1当接部に対して着脱可能であってもよい。
【0061】
また、上記スペアタイヤ保持構造において、前記第2突起部および前記第3突起部は、直方体状または半球状であってもよい。
【0062】
また、上記スペアタイヤ保持構造において、前記第2突起部および前記第3突起部は、前記第2当接部と一体的に形成されていてもよいし、前記第2当接部に対して着脱可能であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、車両においてスペアタイヤを保持するスペアタイヤ保持構造に適用できる。
【符号の説明】
【0064】
1a、1b サイドメンバ
2a、2b クロスメンバ
3 ブラケット
4 巻上機構
5a、5b スペーサ
6 スペアタイヤ
7 ディスク面
8 ボルト
10、11、12 突起部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10