(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記占有確定イベントが発生してから前記占有供給部を用いた前記印刷処理が実行されるまでに、前記占有供給部に対する前記引出操作が前記引出センサーによって再度検知された場合に、前記制御装置は、予め定められた警告報知処理を実行する、請求項1に記載の画像形成装置。
前記制御装置は、前記共通要求コマンド群のうち先に受信した前記占有要求コマンドの送信元へ一括制御の可否を問う可否通知を送信し、前記可否通知に対する返信として許可通知を受信した場合に、前記共通要求コマンド群について一括して前記占有制御を実行する、請求項7に記載の画像形成装置。
前記制御装置は、前記重複要求状態が生じた場合または前記重複要求状態を引き起こす前記占有要求コマンドの事前問い合わせを受信した場合に、先に受信した他の前記占有要求コマンドの状況に応じた順番待ち情報を2番目以降の前記占有要求コマンドまたは前記事前問い合わせの送信元へ送信する、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
前記制御装置は、前記占有要求コマンドを受信してから前記占有確定イベントが発生するまでに、予め定められた上限時間が経過したことを含む無効条件が成立した場合に、前記占有要求コマンドを無効にする、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格を有さない。
【0011】
[第1実施形態:画像形成装置10の構成]
第1実施形態に係る画像形成装置10は、シート9に画像を形成する印刷処理を実行する装置である(
図1参照)。例えば、画像形成装置10は、プリンター、複写機または複写機能およびファクシミリ通信装置能を有する複合機などである。
【0012】
図1に示される例において、画像形成装置10は、原稿90から画像を読み取る画像読取処理および前記画像読取処理と前記印刷処理とを併せて実行する複写処理も実行可能である。
【0013】
図1に示されるように、画像形成装置10は、画像読取装置1、主装置2、操作装置8a、表示装置8bおよび通信装置8cなどを備える。
【0014】
画像読取装置1は、前記画像読取処理を実行する装置である。画像読取装置1は、光源11、イメージセンサー12、第1走査機構13および第2走査機構14などを備える。
【0015】
光源11は、原稿90に対して光を出射する。第1走査機構13は、光源11を原稿台15に沿って移動させることにより、光源11の光を原稿台15上の原稿90に対して走査させる。
【0016】
第2走査機構14は、いわゆるADF(Auto Document Feeder)である。第2走査機構14は、原稿90を予め定められた読取位置を通る原稿搬送路16に沿って搬送することにより、前記読取位置へ向けて出射される光源11の光を原稿90に対して走査させる。
【0017】
イメージセンサー12は、原稿90からの反射光を受光し、受光量の検出データを画像データとして出力する。
【0018】
主装置2は、それぞれシート9がセットされる複数のシートカセット20、シート搬送機構3、印刷処理装置40および制御装置8を備える。
図1に示される例では、印刷処理装置40は、電子写真方式で前記印刷処理を実行する。
【0019】
複数のシートカセット20は、それぞれ印刷処理装置40に供給されるシート9がセットされる複数のシート供給部の一例である。なお、前記複数のシート供給部が、手差しトレイを含む場合もある。
【0020】
複数のシートカセット20は、それぞれ画像形成装置10の本体に対して引き出し可能に装着されている。画像形成装置10は、シートカセット20それぞれについて前記本体から引き出す引出操作が行われたこと検知する複数の引出センサー7を備える。
【0021】
例えば、引出センサー7が、シートカセット20が前記本体に装着された状態と前記本体から引き出された状態とで検知状態が切り替わるフォトセンサーまたはリミットスイッチなどであることが考えられる。
【0022】
印刷処理装置40は、カラー印刷処理を実行可能なタンデム方式の装置である。印刷処理装置40は、複数の作像装置4、光走査ユニット46、転写装置44および定着装置47を備える。
【0023】
シート搬送機構3は、複数のシートカセット20のいずれかからシート9をシート搬送路30へ送り出し、さらに、シート9をシート搬送路30に沿って搬送する。
【0024】
複数の作像装置4は、それぞれドラム状の感光体41を備え、感光体41の表面にそれぞれ異なる色のトナー像を形成する。作像装置4各々は、感光体41に加え、帯電装置42、現像装置43、ドラムクリーニング装置45などを備える。
【0025】
帯電装置42は、感光体41の表面を帯電させる。光走査ユニット46は、帯電した感光体41の表面に静電潜像を書き込む。現像装置43は、感光体41上の前記静電潜像を前記トナー像へ現像する。
【0026】
転写装置44は、感光体41の表面の前記トナー像を、シート搬送路30に沿って搬送されるシート9に転写する。転写装置44において、4つの一次転写装置44aが、4つの感光体41の表面の前記トナー像を、回転する中間転写ベルト44bの表面に転写する。さらに、二次転写装置44cが、中間転写ベルト44b上の前記トナー像をシート9に転写する。
【0027】
ドラムクリーニング装置45は、感光体41に残存するトナーを除去する。また、転写装置44において、ベルトクリーニング装置44dが、中間転写ベルト44bに残存するトナーを除去する。
【0028】
定着装置47は、シート9に転写された前記トナー像を加熱することにより、前記トナー像をシート9に定着させる。
【0029】
以上に示されるように、主装置2は、それぞれシート9を収容可能な複数のシートカセット20のいずれか1つからシート9を送り出し、送り出されたシート9に画像を形成する前記印刷処理を実行する。
【0030】
なお、印刷処理装置40が、インクジェット方式など、前記電子写真方式以外の方式で前記印刷処理を実行する装置であることも考えられる。
【0031】
操作装置8aは、ユーザーによる情報の入力操作を検知する装置であり、例えばタッチパネルを含む。表示装置8bは、情報を表示可能な液晶パネルなどの表示パネルを含む。
【0032】
通信装置8cは、LAN(Local Area Network)などのネットワークを通じて不図示の端末装置との間で通信を行う通信インターフェイスデバイスである。前記端末装置は、パーソナルコンピューターまたはスマートフォンなどの情報処理装置である。制御装置8は、前記端末装置との間のデータの送信および受信の全てを、通信装置8cを通じて行う。
【0033】
制御装置8は、CPU(Central Processing Unit)81、主記憶装置82および二次記憶装置83などを含む。CPU81は、二次記憶装置83などに予め記憶されたプログラムを実行することにより、各種の演算、データ処理および画像形成装置10が備える電気機器の制御を実行する。
【0034】
CPU81は、画像読取装置1、印刷処理装置40、操作装置8a、表示装置8bおよび通信装置8cとの間でデータおよび制御信号の受け渡しが可能である。
【0035】
例えば、CPU81は、操作装置8aに対する読取開始操作に従って、画像読取装置1に前記画像読取処理を実行させる。さらに、CPU81は、操作装置8aに対する複写開始操作に従って、画像読取装置1に前記画像読取処理を実行させるとともに、前記画像読取処理によって得られる画像データに基づく前記印刷処理を印刷処理装置40に実行させる。
【0036】
また、CPU81は、通信装置8cを通じて前記端末装置から印刷データPd0を受信し、受信した印刷データPd0に基づく前記印刷処理を印刷処理装置40に実行させる。CPU81は、主制御プログラムPg0を実行することにより、前記画像読取処理、前記印刷処理および前記複写処理を画像読取装置1および印刷処理装置40の一方または両方に実行させる。主制御プログラムPg0は、二次記憶装置83に記憶されている(
図1参照)。
【0037】
なお、DSP(Digital Signal Processor)などの他のプロセッサーが、CPU81の代わりに前記印刷処理および前記画像読取処理に関する制御を実行することも考えられる。
【0038】
主記憶装置82は、CPU81が実行する前記プログラムおよびCPU81が前記プログラムを実行する過程で出力および参照するデータを一次記憶する記憶装置である。主記憶装置82は、例えばRAM(Random Access Memory)などである。
【0039】
二次記憶装置83は、CPU81が参照するデータまたはプログラムを記憶する不揮発性のコンピューター読取可能な記憶装置である。例えば、二次記憶装置83がフラッシュメモリーまたはハードディスクドライブなどであることが考えられる。
【0040】
画像形成装置10において、色紙または厚紙などの一次利用シートが複数のシートカセット20のいずれかに一時的にセットされ、前記一次利用シートへの前記印刷処理が行われる場合がある。前記一次利用シートは、シートカセット20に元々セットされているシート9とは種類が異なる特別なシートである。
【0041】
なお、従来装置において、1つ以上のシートカセット20のうち、認証手段によって認証されたユーザーにより選択された1つを、前記認証されたユーザー以外に対して使用を禁止することが知られている。
【0042】
ところで、特定のシートカセット20が第1のユーザーによって占有されている間に、第2のユーザーが前記特定のシート供給部の占有を試行する場合がある。この場合、前記特定のシートカセット20の占有が解除されたときに前記第2のユーザーによる占有操作が少しでも遅れると、前記特定のシートカセット20が第3のユーザーによって先に占有されるおそれがある。このような事態は不公平である。
【0043】
画像形成装置10において、制御装置8のCPU81は、後述する要求受付処理および占有制御を実行する。これにより、画像形成装置10は、複数のユーザーが同じシートカセット20を占有したい状況が生じた場合に、不公平なく順番にシートカセット20の占有の設定を制御することができる。
【0044】
後述するように、画像形成装置10において、複数のシートカセット20の1つが占有カセットとして設定される場合がある。その場合に、画像形成装置10が、その占有カセットから供給されるシート9を用いて、特定の前記端末装置から受信した印刷データPd0に基づく前記印刷処理を実行することを占有印刷と称する。なお、前記占有カセットは占有供給部の一例である。
【0045】
前記ユーザーは、前記一次利用シートを用いた前記占有印刷を画像形成装置10に実行させたい場合、まず、自席の前記端末装置に対しカセット占有操作を行う。前記カセット占有操作は、前記占有カセットにしたい1つのシートカセット20を指定カセットとして指定する操作と、印刷データPd0を指定する操作とを含む。
【0046】
前記端末装置は、前記カセット占有操作に応じて、前記指定カセットの情報を含む占有要求コマンドCm0と、印刷データPd0とを含む占有印刷要求Rp0を画像形成装置10に送信する。
【0047】
前記要求受付処理は、画像形成装置10のCPU81が占有印刷要求Rp0を受け付ける処理である。また、前記占有制御は、CPU81が、予め定められた条件が成立する期間において、占有要求コマンドCm0によって指定される前記指定カセットを前記占有カセットに設定する処理である。
【0048】
前記占有カセットが設定された場合、CPU81は、占有要求コマンドCm0の送信元から受信される印刷データPd0に基づく前記占有印刷を許容し、前記占有カセットを用いるその他の前記印刷処理を禁止する。
【0049】
[要求受付処理]
以下、
図2に示されるフローチャートを参照しつつ、前記要求受付処理の手順の一例について説明する。CPU81は、予め二次記憶装置83に記憶された要求受付プログラムPg1を実行することにより、前記要求受付処理を実現する。
【0050】
CPU81は、占有要求コマンドCm0を含む占有印刷要求Rp0を前記端末装置から受信した場合に、前記要求受付処理を実行する。以下の説明において、S101,S102,…は、前記要求受付処理における複数の工程の識別符号を表す。
【0051】
<工程S101>
前記要求受付処理において、CPU81は、重複要求状態が生じたか否かを判定する。前記重複要求状態は、既に前記占有カセットが設定されており、前記占有カセットを前記指定カセットとして指定する2番目以降の占有要求コマンドCm0を他の前記端末装置から受信した状態である。
【0052】
CPU81は、前記重複要求状態が生じたと判定した場合、処理を工程S102へ移行させ、そうでない場合に処理を工程S104へ移行させる。
【0053】
以下の説明において、前記重複要求状態の原因となっている複数の前記端末装置それぞれから占有要求コマンドCm0を受信した順番のことを受付順位と称する。
【0054】
<工程S102>
工程S102において、CPU81は、順番待ち情報を、新たに受信した占有要求コマンドCm0の送信元へ送信する。前記順番待ち情報は、先に受信した他の占有要求コマンドCm0の状況に応じて設定される情報である。
【0055】
前記順番待ち情報は、2番目以降の占有要求コマンドCm0の送信元へ送信される。CPU81は、工程S102の処理の終了後、処理を工程S103へ移行させる。
【0056】
例えば、前記順番待ち情報が、前記受付順位、先に受信した占有要求コマンドCm0に対応する印刷データPd0に基づく前記印刷処理の印刷枚数および前記印刷枚数から導出される推定待ち時間のうちの1つまたは複数を含むことが考えられる。
【0057】
本実施形態において、前記順番待ち情報の送信は、前記重複要求状態を生じさせる占有要求コマンドCm0の受け付けを確定することの可否の問い合わせを兼ねる。
【0058】
<工程S103>
工程S103において、CPU81は、予め定められた時間内に、前記順番待ち情報の送信先から確定要求を受信できるか否かを監視する。CPU81は、前記確定要求を受信した場合、処理を工程S104へ移行させ、そうでない場合、工程S104をスキップして前記要求受付処理を終了させる。
【0059】
<工程S104>
工程S104において、CPU81は、新たに受信した占有印刷要求Rp0を要求リストL0に最後尾の要素として追加し、占有印刷要求Rp0が追加された要求リストL0のデータを二次記憶装置83に記憶させる。その後、CPU81は、前記要求受付処理を終了させる。
【0060】
要求リストL0は、シートカセット20ごとに設定された処理待ちの占有印刷要求Rp0のリストである。CPU81は、占有印刷要求Rp0に含まれる占有要求コマンドCm0によって指定される前記指定カセットに対応する要求リストL0に、占有印刷要求Rp0を追加する。
【0061】
CPU81は、シートカセット20ごとに、要求リストL0に含まれる1つ以上の占有印刷要求Rp0を先頭から順番に後述する前記占有制御の対象とする。なお、占有印刷要求Rp0を含む要求リストL0を記憶する二次記憶装置83は第1記憶装置の一例である。
【0062】
以上に示されるように、前記重複要求状態が生じた場合、CPU81は、先に受信した他の占有要求コマンドCm0の状況に応じた前記順番待ち情報を2番目以降の占有要求コマンドCm0の送信元へ送信する(S102)。
【0063】
前記順番待ち情報の送信は、ユーザーにとって、前記占有印刷の要求を継続するか諦めるかの判断に役立つ。
【0064】
なお、本実施形態において、占有要求コマンドCm0の受け付けは、工程S104において確定する。従って、工程S102が実行される時点において、前記端末装置から受信した占有要求コマンドCm0は、前記重複要求状態を引き起こす占有要求コマンドCm0の事前問い合わせであるともいえる。この場合、CPU81は、前記事前問い合わせを受信した場合に、前記順番待ち情報を2番目以降の前記事前問い合わせの送信元へ送信することになる(S102)。
【0065】
[占有制御]
次に、
図3に示されるフローチャートを参照しつつ、前記占有制御の手順の一例について説明する。CPU81は、予め二次記憶装置83に記憶された占有制御プログラムPg2を実行することにより、前記占有制御を実現する。
【0066】
CPU81は、二次記憶装置83に1つ以上の占有印刷要求Rp0を含む要求リストL0が存在する場合に前記占有制御を実行する。CPU81は、シートカセット20ごとに、要求リストL0の先頭の占有印刷要求Rp0について前記占有制御を実行する。
【0067】
後述するように、要求リストL0の先頭の占有印刷要求Rp0は、前記占有制御の終了時に削除される。従って、CPU81は、要求リストL0に含まれる1つ以上の占有印刷要求Rp0それぞれについて、要求リストL0における占有印刷要求Rp0の並び順に従って前記占有制御を順次実行する。以下の説明において、S201,S202,…は、前記占有制御における複数の工程の識別符号を表す。また、前記占有制御の対象となる要求リストL0の先頭の占有印刷要求Rp0のことを、先頭要求と称する。
【0068】
<工程S201>
前記占有制御において、CPU81は、前記先頭要求の送信元へ予め定められたシートセット通知を送信する。前記シートセット通知は、前記指定カセットに前記一次利用シートをセットすることを促す通知である。
【0069】
<工程S202>
さらに、CPU81は、新たな占有印刷要求Rp0を受信した時点で、前記先頭要求の占有要求コマンドCm0における前記指定カセットが先行する前記印刷処理によって使用されている場合、その印刷処理が終了するのを待つ。
【0070】
例えば、CPU81は、前記指定カセットが未使用状態になってから、前記一次利用シートを前記指定カセットにセットするよう促すメッセージを表示装置8bに表示させる。CPU81は、前記指定カセットが未使用状態である場合、処理を工程S203へ移行させる。
【0071】
<工程S203>
工程S203において、CPU81は、予め定められた占有確定イベントが発生したか否かを監視し、前記占有確定イベントが発生した場合、処理を工程S205へ移行させ、そうでない場合、処理を工程S204へ移行させる。
【0072】
本実施形態において、前記占有確定イベントは、画像形成装置10に対する予め定められた占有確定操作が検知されたことである。前記占有確定操作は、前記指定カセットに対する前記引出操作と、操作装置8aに対する占有要求指定操作とを含む。
【0073】
前記引出操作は、引出センサー7によって検知される操作である。前記占有要求指定操作は、二次記憶装置83に記憶された前記先頭要求を指定する操作である。CPU81は、前記先頭要求を送信した前記端末装置の情報を表示装置8bに表示させた上で、操作装置8aに前記占有要求指定操作が行われるか否かを判定する。
【0074】
本実施形態において、前記占有確定操作が、前記指定カセットに対する前記引出操作を含む。そのため、前記指定カセットに前記一次利用シートをセットすることが忘れられたまま前記占有印刷が始まることが防止される。
【0075】
また、前記占有確定操作が、前記占有要求指定操作を含む。そのため、前記先頭要求の送信者以外のユーザーが、他のユーザーの印刷データPd0に基づく前記占有印刷を誤って開始させてしまうことが防止される。
【0076】
CPU81は、前記指定カセットに対する前記引出操作と、操作装置8aに対する占有要求指定操作とを検知した場合に、前記占有確定イベントが発生したと判定する。
【0077】
<工程S204>
CPU81は、前記占有確定イベントの発生を監視する間に、後述する無効判定処理を事項することにより、前記先頭要求について予め定められた無効条件が成立するか否かを判定する。
【0078】
CPU81は、前記無効条件が成立したと判定した場合、処理を工程S211へ移行させ、そうでない場合、処理を工程S203へ戻す。
【0079】
<工程S205>
CPU81は、前記無効条件が成立したと判定した場合、前記先頭要求に対応する前記指定カセットを前記占有カセットとして設定し、処理を工程S206へ移行させる。前述したように、CPU81は、前記占有カセットを用いる印刷処理のうち、前記先頭要求の送信元に対応する前記占有印刷を許容し、それ以外の前記印刷処理を禁止する。
【0080】
<工程S206,S207>
さらに、CPU81は、前記先頭要求に含まれる印刷データPd0に基づく前記占有印刷を印刷処理装置40に実行させる(S206)。これにより、印刷処理装置40は、二次記憶装置83に記憶された前記先頭要求に対応する前記印刷処理を実行する。
【0081】
即ち、CPU81は、前記先頭要求を受信した時点ではなく、前記先頭要求に対応する前記占有確定イベントが発生した場合に、二次記憶装置83に記憶された占有印刷要求Rp0に対応する前記印刷処理を印刷処理装置40に実行させる。
【0082】
さらに、CPU81は、前記占有印刷が終了するまで待つ(S207)。その後、CPU81は、処理を工程S208へ移行させる。
【0083】
<工程S208>
前記占有印刷が終了すると、CPU81は、前記先頭要求の送信元へ予め定められたシート除去通知を送信し、さらに、前記シート除去通知を表示装置8bに表示させる。
【0084】
前記シート除去通知は、前記指定カセットにセットされた前記一次利用シートの残りを除去することを促す通知である。CPU81は、工程S208の処理の終了後、処理を工程S209へ移行させる。
【0085】
<工程S209>
工程S209において、CPU81は、予め定められた占有解除イベントが発生することを待ち、前記占有解除イベントが発生した場合、処理を工程S210へ移行させる。
【0086】
本実施形態において、前記占有解除イベントは、画像形成装置10に対する予め定められた占有解除操作が検知されたことである。前記占有解除操作は、前記占有カセットに対する前記引出操作を含む。
【0087】
CPU81は、前記先頭要求に含まれる印刷データPd0に基づく前記印刷処理が終了した後、前記指定カセットに対する前記引出操作を検知した場合に、前記占有確定イベントが発生したと判定する。
【0088】
前記占有解除操作が、前記引出操作と、操作装置8aに対する予め定められた解除確認操作とを含むことも考えられる。
【0089】
<工程S210>
前記占有解除イベントが発生すると、CPU81は、前記占有カセットの設定を解除し、処理を工程S211へ移行させる。前記占有カセットの設定が解除されたシートカセット20は、前記先頭要求の送信元以外の前記端末装置から受信した印刷データPd0に基づく前記印刷処理での利用が可能になる。
【0090】
本実施形態において、前記占有解除イベントが、画像形成装置10に対する前記占有解除操作が検知されたことである。そのため、前記指定カセットから前記一次利用シートを除去することが忘れられたまま前記占有カセットの設定が解除されることが防止される。
【0091】
特に、前記占有解除操作が、前記占有カセットに対する前記引出操作を含む場合、前記一次利用シートを除去することが忘れられたままの前記占有カセットの解除が、より確実に防止される。
【0092】
<工程S211>
さらに、CPU81は、発生した前記占有解除イベントに対応する前記先頭要求を、二次記憶装置83に記憶されている要求リストL0から削除し、処理を工程S212へ移行させる。
【0093】
工程S204において、前記先頭要求について前記無効条件が成立した場合、前記先頭要求は、その先頭要求に対応する前記指定カセットが前記占有カセットに設定されることなく、要求リストL0から削除される。
【0094】
<工程S212>
CPU81は、工程S211を経た後の要求リストL0が空になった場合、その要求リストL0に対応する前記占有制御を終了させ、そうでない場合、工程S211を経た後の要求リストL0における新たな前記先頭要求について、工程S201からの処理を繰り返す。
【0095】
以上に示されるように、CPU81は、通信装置8cを通じて1つ以上のシートカセット20のうちの1つを前記指定カセットとして指定する占有要求コマンドCm0を1つ以上の前記端末装置から受信した場合に、前記占有制御を実行する(S201〜S212)。
【0096】
前記占有制御は、予め定められた前記占有確定イベントが発生してから、予め定められた前記占有解除イベントが発生するまで、前記指定カセットを前記占有カセットに設定する処理を含む(S203〜S210)。
【0097】
さらにCPU81は、新たに受信した占有印刷要求Rp0を要求リストL0に最後尾の要素として追加する(S104)。このことは、前記重複要求状態が生じた場合に、CPU81が、先行する前記占有制御の終了を待つことを意味する。
【0098】
さらに、CPU81は、先行する前記占有制御の終了を待った上で、2番目以降の占有要求コマンドCm0それぞれについて、占有要求コマンドCm0の送信元へ前記シートセット通知を送信する処理を含む前記占有制御を、占有要求コマンドCm0の受信順序に従った順序で実行する。
【0099】
なお、前記シートセット通知を送信する処理(S201)は、予め定められた通知処理の一例である。
【0100】
従って、画像形成装置10は、複数のユーザーが同じシートカセット20を占有したい状況が生じた場合に、不公平なく順番にシートカセット20の占有の設定を制御することができる。
【0101】
画像形成装置10において、CPU81が、ユーザーの自席に存在する前記端末装置からの占有印刷要求Rp0の受信に応じて前記指定カセットを前記占有カセットに設定することも考えられる。占有要求コマンドCm0を受信したことが、前記占有確定イベントである。
【0102】
しかしながら、前記占有確定イベントが占有要求コマンドCm0の受信である場合、ユーザーが、前記一次利用シートを前記指定カセットにセットするために自席から画像形成装置10まで移動する間において、前記指定カセットが無駄に占有されてしまう。
【0103】
一方、本実施形態において、前記占有確定イベントが、画像形成装置10に対する前記占有確定操作が検知されたことである。即ち、本実施形態において、占有印刷要求Rp0が送信された時点で、前記指定カセットの占有の優先順位が決まる。そして、ユーザーが前記一次利用シートを前記指定カセットにセットするまでは、CPU81は、前記指定カセットを用いた前記占有印刷以外の通常の前記印刷処理を許容する。そのため、前記指定カセットが無駄に占有されない。
【0104】
[無効判定処理]
次に、
図4に示されるフローチャートを参照しつつ、前記無効判定処理の手順の一例について説明する。前述したように、CPU81は、前記占有確定イベントの発生を監視する間に前記無効判定処理を実行する。CPU81は、予め二次記憶装置83に記憶された無効判定プログラムPg3を実行することにより、前記無効判定処理を実現する。
【0105】
以下の説明において、S301,S302,…は、前記無効判定処理における複数の工程の識別符号を表す。
【0106】
<工程S301>
前記無効判定処理において、CPU81は、前記先頭要素に対応する前記占有確定イベントが発生したか否かを監視する。CPU81は、前記占有確定イベントが発生した場合には、前記無効判定処理を終了させ、そうでない場合に、工程S302以降の処理を実行する。
【0107】
<工程S302>
前記占有確定イベントが発生していない場合、CPU81は、保留時間が予め定められた督促時間を超えたか否かを判定する。前記保留時間は、前記指定カセットが未使用状態になってからの経過時間である。前記保留時間が前記督促時間を超えた場合、CPU81は、処理を工程S303へ移行させ、そうでない場合、工程S303の処理をスキップし、処理を工程S304へ移行させる。
【0108】
<工程S303>
工程S303において、CPU81は、前記先頭要求の送信元に対し、前記指定カセットに前記一次利用シートをセットすることを促す督促通知を送信する。その後、CPU81は、処理を工程S304へ移行させる。
【0109】
例えば、前記督促通知が、前記占有確定操作の実施が遅れた場合に、前記占有印刷の要求が無効になることを警告する情報を含むことが考えられる。
【0110】
<工程S304>
工程S304において、CPU81は、前記保留時間が予め定められた上限時間を超えたか否かを判定する。前記上限時間は、前記督促時間よりも長い時間である。前記保留時間が前記上限時間を超えた場合、CPU81は、処理を工程S305へ移行させ、そうでない場合、工程S301からの処理を繰り返す。
【0111】
<工程S305>
工程S305において、CPU81は、前記無効条件が成立したと判定し、処理を工程S306へ移行させる。即ち、前記無効条件は、少なくとも占有要求コマンドCm0を受信してから前記占有確定イベントが発生するまでに、予め定められた前記上限時間が経過したという条件を含む。
【0112】
<工程S306>
工程S306において、CPU81は、前記先頭要求の送信元に対して無効通知を送信し、前記無効判定処理を終了させる。前記無効通知は、前記占有確定操作の実施が遅すぎることにより、前記占有印刷の要求が無効になった旨を表す。
【0113】
前述したように、CPU81は、前記無効条件が成立した前記先頭要求を、その先頭要求に対応する前記指定カセットを前記占有カセットに設定することなく、要求リストL0から削除する(S211)。これは、前記無効条件が成立した前記先頭要求に対応する占有要求コマンドCm0を無効にすることを意味する。
【0114】
前記無効判定処理に関連する処理が実行されることにより、あるユーザーによる前記占有確定操作の実施が遅すぎることによって他のユーザーの前記占有印刷が滞留することが防止される。
【0115】
[第2実施形態]
次に、
図5,6を参照しつつ、第2実施形態に係る画像形成装置10Aについて説明する。
図5,6において、
図1に示される構成要素と同じ構成要素は、同じ参照符号が付されている。以下、画像形成装置10Aにおける画像形成装置10と異なる点について説明する。
【0116】
画像形成装置10Aは、画像形成装置10の複数のシートカセット20各々に補助支持部21および補助シートセンサー22が追加された構成を備える。
【0117】
補助支持部21は、シートカセット20に先にセットされたシート9である主シート9aの上に主シート9aと区分して一次利用シート9bを裁置可能な部分である。なお、一次利用シート9bは補助シートに相当する。
【0118】
以下の説明において、シートカセット20からシート9が送り出される方向を送出方向R1と称し、送出方向R1に直交する水平な方向を幅方向R2と称する。
【0119】
シートカセット20は、シート9における幅方向R2の両端である一対の側辺を送出方向R1に沿って案内する一対の側板20aと、シート9における送出方向R1の上流側の端である後端に対向する後端板20bとを備える。
【0120】
一対の側板20aは、シート9の幅方向R2の寸法に合わせて、幅方向R2に沿って変位可能に支持されている。後端板20bは、シート9の送出方向R1の寸法に合わせて、送出方向R1に沿って変位可能に支持されている。
【0121】
本実施形態において、補助支持部21は、一対の側板20aおよび後端板20bから水平方向に沿って突出して形成された複数の突出片により構成されている。一次利用シート9bは、補助支持部21の上に裁置される。
【0122】
補助支持部21が、一対の側板20aおよび後端板20bから突出する状態で固定されていることが考えられる。この場合、前記主シートは、送出方向R1の下流側から上流側へ向けて、補助支持部21の下方に潜るようにしてシートカセット20にセットされる。
【0123】
また、補助支持部21が、一対の側板20aおよび後端板20bに対し、一対の側板20aおよび後端板20bから突出する状態から、一対の側板20aおよび後端板20bの表面に沿う状態へ折りたたみ可能に取り付けられていることも考えられる。
【0124】
補助シートセンサー22は、補助支持部21上の一次利用シート9bの有無を検知するセンサーである。例えば、補助シートセンサー22が、補助支持部21上の一次利用シート9bに反射した光を検知する反射型のフォトセンサーまたは一次利用シート9bの重みによって検知状態が切り替わるリミットスイッチなどであることが考えられる。
【0125】
本実施形態において、前記占有確定イベントは、前記指定カセットの一次利用シート9bが補助シートセンサー22により検知されていることを含む。例えば、補助シートセンサー22による一次利用シート9bの検知が、前記シート引出操作の検知の代わりに、前記占有確定イベントの要件として採用されることが考えられる。
【0126】
さらに、本実施形態において、前記占有解除イベントは、前記占有カセットの一次利用シート9bが補助シートセンサー22により検知されていないことを含む。例えば、補助シートセンサー22による一次利用シート9bの非検知が、前記占有解除操作の検知の代わりに、前記占有解除イベントの要件として採用されることが考えられる。
【0127】
例えば、前記占有カセットの一次利用シート9bが補助シートセンサー22により検知されなくなった場合に、CPU81が、自動的に前記占有カセットの設定を解除することも考えられる。
【0128】
本実施形態によれば、ユーザーが一次利用シート9bを必要枚数だけ前記指定カセットにセットした場合、一次利用シート9bを前記占有カセットから除去する手間を省くことができる。
【0129】
また、前記占有カセットの補助シートセンサー22が、前記占有印刷の途中で一次利用シート9bを検知しなくなった場合に、CPU81が、前記占有印刷を中断させることが考えられる。この場合、CPU81が、前記先頭要求の送信元および表示装置8bの一方または両方に、前記一次利用シート9bの追加を促す通知を出力することも考えられる。
【0130】
[第3実施形態]
次に、
図7,8に示されるフローチャートを参照しつつ、第3実施形態に係る画像形成装置における前記要求受付処理および前記占有制御の手順の一例について説明する。本実施形態における前記要求受付処理および前記占有制御は、画像形成装置10または画像形成装置10Aへ適用可能である。
【0131】
本実施形態において、占有要求コマンドCm0は、前記指定カセットの情報と前記指定カセットにセットされる一次利用シート9bの種類の情報とを含む。一次利用シート9bの種類の情報は、少なくとも一次利用シート9bのサイズの情報を含む。一次利用シート9bの種類の情報が、一次利用シート9bの色、厚みおよび材質のうちの1つ以上の情報をさらに含むことも考えられる。
【0132】
まず、
図7を参照しつつ、本実施形態における前記要求受付処理と
図2に示される前記要求受付処理との違いについて説明する。以下の説明において、S401,S402,…は、本実施形態の前記要求受付処理における複数の工程の識別符号を表す。
【0133】
<工程S401>
CPU81は、
図2の工程S101と同様に、前記重複要求状態が生じたか否かを判定する。CPU81は、前記重複要求状態が生じたと判定した場合、処理を工程S402へ移行させ、そうでない場合に処理を工程S405へ移行させる。
【0134】
<工程S402>
工程S402において、CPU81は、新たに受信した占有要求コマンドCm0が、前記重複要求状態の関係にある他の占有要求コマンドCm0と比較して指定する一次利用シート9bの種類が異なる異種類コマンドであるか否かを判定する。
【0135】
CPU81は、新たに受信した占有要求コマンドCm0が前記異種類コマンドであると判定した場合、工程S403〜S405の処理を実行し、そうでない場合、処理を工程S406へ移行させる。
【0136】
以下の説明において、前記指定カセットおよび一次利用シート9bの種類の指定が共通する複数の占有要求コマンドCm0のことを共通要求コマンド群と称する。CPU81が、新たに受信した占有要求コマンドCm0が前記異種類コマンドであると判定した状況は、CPU81が、前記共通要求コマンド群を複数の前記端末装置から受信した状況である。
【0137】
<工程S403〜S405>
工程S403〜S405の処理は、
図2の工程S102〜S104の処理と同じである。CPU81は、工程S403〜S405の処理を実行した後、前記要求受付処理を終了させる。
【0138】
<工程S406>
工程S406において、CPU81は、前記共通要求コマンド群のうち先に受信した占有要求コマンドCm0の送信元へ一括制御の可否を問う可否通知を送信する。その後、CPU81は、処理を工程S407へ移行させる。
【0139】
前記一括制御は、前記共通要求コマンド群について一括して前記占有制御を実行することである。前記一括制御が実行される場合、前記共通要求コマンド群に含まれる複数の占有要求コマンドCm0に対応する複数の前記占有印刷は、前記占有カセットの設定の解除を待つことなく実行される。
【0140】
前記可否通知を受信した前記端末装置のユーザーは、前記一括制御を許容するか否かの回答を入力する操作を行う。前記回答が入力された前記端末装置は、入力された回答に従って許可通知または不許可通知を画像形成装置10へ送信する。
【0141】
<工程S407>
工程S407において、CPU81は、予め定められた時間内に、前記可否通知に対する返信として前記許可通知が受信されるか否かを監視する。CPU81は、前記許可通知を受信した場合、処理を工程S408へ移行させ、そうでない場合、工程S403〜S405の処理を実行する。
【0142】
前記共通要求コマンド群が新たに受信された占有要求コマンドCm0よりも先に受信された2つ以上の他の占有要求コマンドCm0を含むことも考えられる。この場合、CPU81は、先に受信された2つ以上の他の占有要求コマンドCm0の送信元の全てから前記許可通知を受信した場合にのみ、処理を工程S408へ移行させる。
【0143】
<工程S408>
工程S408において、CPU81は、新たに受信した占有印刷要求Rp0を要求リストL0における先頭グループの要素として追加し、占有印刷要求Rp0が追加された要求リストL0のデータを二次記憶装置83に記憶させる。その後、CPU81は、前記要求受付処理を終了させる。
【0144】
[占有制御]
次に、
図8に示されるフローチャートを参照しつつ、本実施形態のける前記占有制御の手順の一例について説明する。
【0145】
図8に示される前記占有制御の手順は、
図3に示される前記占有制御における先頭の工程として工程S200が追加された手順である。本実施形態の前記占有制御において、CPU81は、要求リストL0における前記先頭グループに含まれる全ての占有印刷要求Rp0である先頭要求群について、一括して前記占有制御を実行する。
【0146】
<工程S200>
本実施形態の前記占有制御において、CPU81は、要求リストL0における前記先頭要求群に対応する前記指定カセットが、未だ前記占有カセットに設定されていないか否かを確認する。
【0147】
CPU81は、前記先頭要求群に対応する前記指定カセットが未だ前記占有カセットに設定されていない場合、前述の工程S201からの処理を実行し、そうでない場合、前述の工程S206以降の処理を実行する。
【0148】
以上に示されるように、本実施形態におけるCPU81は、前記共通要求コマンド群を複数の前記端末装置から受信した場合に、前記共通要求コマンド群について一括して前記占有制御を実行可能である。
【0149】
本実施形態におけるCPU81は、前記可否通知に対する返信として前記許可通知を受信した場合に、前記共通要求コマンド群について一括して前記占有制御を実行する。
【0150】
本実施形態によれば、前記共通要求コマンド群に対応する複数の前記占有印刷が効率的に実行される。
【0151】
[第1応用例]
画像形成装置10,10Aの第1応用例として、CPU81が、シートサイズ登録データD0を二次記憶装置83に記録するデータ登録処理を実行する機能を備えることが考えられる。CPU81は、予め二次記憶装置83に記憶されたデータ登録プログラムPg4を実行することにより、前記データ登録処理を実現する。
【0152】
図9に示されるように、シートサイズ登録データD0は、複数のシートカセット20に対応する複数のカセット識別データD01と、複数のカセット識別データD01に対応付けられた複数のサイズデータD02とを含む。サイズデータD02は、対応するシートカセット20にセットされたシート9のサイズを表す。
【0153】
シートサイズ登録データD0は、1つ以上のシートカセット20と1つ以上のシートカセット20それぞれにセットされたシート9のサイズとの対応関係を表すデータである。
図9に示され例では、シートサイズ登録データD0は、複数のカセット識別データD01に対応付けられた複数の材質データD03なども含む。
【0154】
前記データ登録処理において、CPU81は、操作装置8aに対する操作に従ってシートサイズ登録データD0を設定し、設定したシートサイズ登録データD0を二次記憶装置83に記憶させる。なお、シートサイズ登録データD0が記録される二次記憶装置83は、第2記憶装置の一例である。
【0155】
本応用例において、占有要求コマンドCm0が、シート9のサイズを指定することによって前記指定カセットを指定するコマンドであることが考えられる。以下、そのような占有要求コマンドCm0のことをサイズ指定型の占有要求コマンドCm0と称する。
【0156】
CPU81は、前記サイズ指定型の占有要求コマンドCm0を受信する場合がある。この場合、CPU81は、複数のシートカセット20の中から、シートサイズ登録データD0において占有要求コマンドCm0により指定されるシートサイズに対応する1つを前記指定カセットとして自動的に選択する。
【0157】
さらに、CPU81は、前記占有カセット以外のシートカセット20を優先して前記指定カセットとして自動的に選択する。
【0158】
複数のシートカセット20の一部または全部について、セットされるシート9のサイズを変更することを極力避けたいというニーズがある。その場合に、本応用例は有効である。
【0159】
[第2応用例]
画像形成装置10,10Aの第2応用例として、前記端末装置が、先ず占有要求コマンドCm0を送信し、前記引出操作の検知を含む前記占有確定イベントの発生によって前記占有カセットの設定が行われた後に、印刷データPd0を画像形成装置10へ送信することも考えられる。
【0160】
本応用例においては、前記指定カセットが前記占有カセットとして設定された後に、ユーザーが前記端末装置に対して印刷データPd0を送信する操作を行う。この場合、ユーザーが印刷データPd0を送信する操作を行う前に、他のユーザーが、誤って前記占有カセットにセットされた前記一次利用シートを取り出したり、あるいは新たなシート9を前記占有カセットにセットしたりするおそれがある。
【0161】
そこで、本応用例において、CPU81は、前記占有確定イベントが発生してから前記占有カセットを用いた前記印刷処理が実行されるまでに、前記占有カセットに対する前記引出操作が引出センサー7によって再度検知された場合に、予め定められた警告報知処理を実行する。
【0162】
例えば、前記警告処理が、不図示のブザーを通じて警告音を出力する処理、および、表示装置8bに警告メッセージを出力する処理の一方または両方を含むことが考えられる。
【0163】
本応用例によれば、他のユーザーが、誤って前記占有カセットの前記一次利用シートを除去したり、銭占有カセットに他のシート9をセットしたりすることを防止できる。