(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1確認処理部は、自身の画像処理装置に前記ユーザー認証情報が保存されていない場合に、前記ユーザー認証情報が保存されているか否かを前記他の画像処理装置に問い合わせる、
請求項1に記載の画像処理装置。
前記選択処理部は、自身の画像処理装置及び前記他の画像処理装置の各々に設けられている記憶部の空き容量に基づいて、前記ユーザー認証情報の保存場所となる画像処理装置を選択する、
請求項1又は請求項2に記載の画像処理装置。
前記選択処理部は、自身の画像処理装置に設けられている記憶部の空き容量が予め定められた空き容量不足条件を満たしている場合に、前記他の画像処理装置のうち記憶部の空き容量が最も大きい画像処理装置を前記ユーザー認証情報の保存場所として選択する、
請求項3に記載の画像処理装置。
前記第2確認処理部は、自身の画像処理装置に前記ユーザー認証情報が保存されていない場合に、前記ユーザー認証情報が保存されているか否かを前記他の画像処理装置に問い合わせる、
請求項5に記載の画像処理装置。
前記第2確認処理部により前記他の画像処理装置に前記ユーザー認証情報が保存されていることが確認された場合に、前記他の画像処理装置から前記ユーザー認証情報を取得し、自身の画像処理装置に一時的に保存する取得処理部を更に備える、
請求項5又は請求項6に記載の画像処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0011】
図1に示されるように、本発明の実施形態に係る画像処理システム1は、電話回線、インターネット、又はLANなどの通信網N1を通じて互いに通信可能に接続された複数の画像処理装置2を備える。具体的に、画像処理システム1は、6台の画像処理装置2A,2B,2C,2D,2E,2Fを備える。以下では、個々の画像処理装置2A,2B,2C,2D,2E,2Fを特に区別する必要が無い場合には、画像処理装置2と総称する。
【0012】
[画像処理装置の構成]
図2に示されるように、画像処理装置2は、操作表示部21、ADF(Auto Document Feeder)22、画像読取部23、画像形成部24、通信I/F25、記憶部26、及び制御部27などを備える。具体的に、画像処理装置2は、プリンター機能、スキャナー機能、コピー機能、及びファクシミリ機能などを有する複合機である。なお、本発明は、複合機に限らず、コピー機、スキャナー、プリンター、ファクシミリ装置のような任意の画像処理装置に適用可能である。
【0013】
操作表示部21は、情報を表示する液晶ディスプレーなどの表示部と、ユーザー操作を受け付けるタッチパネル及び操作ボタンなどの操作部とを備える。
【0014】
ADF22は、原稿セット部、搬送ローラー、原稿押さえ、及び排紙部を備え、画像読取部23の読み取り対象となる原稿を搬送する自動原稿搬送装置である。
【0015】
画像読取部23は、原稿台、光源、ミラー、光学レンズ、及びCCD(Charge Coupled Device)を備え、原稿の画像を読み取って画像データとして出力することが可能である。
【0016】
画像形成部24は、電子写真方式又はインクジェット方式で画像データに基づく印刷処理を実行することが可能であり、前記画像データに基づいてシート上に画像を形成する。例えば、画像形成部24が電子写真方式の画像形成部である場合、画像形成部24は感光体ドラム、帯電器、露光装置、現像装置、転写装置、及び定着装置などを備える。
【0017】
通信I/F25は、通信網N1を介して、他の画像処理装置2、不図示のファクシミリ装置、不図示のパーソナルコンピューターなどとの間で所定の通信プロトコルに従った通信処理を実行することが可能な通信インターフェイスである。
【0018】
記憶部26は、ハードディスク又はEEPROM(登録商標)などの不揮発性の記憶部である。記憶部26には、制御部27によって実行される各種の制御プログラム、及び各種のデータなどが記憶される。記憶部26には、ユーザー認証情報D1(
図3)及び取得回数情報D2(
図4)が記憶される。
【0019】
ユーザー認証情報D1は、画像処理装置2を使用するユーザーを認証するユーザー認証処理において用いられる情報である。
図3に示されるように、ユーザー認証情報D1には、ユーザーごとに、「ユーザーID」、「パスワード」、及び「アクセスレベル」の情報が含まれる。「ユーザーID」は、前記ユーザーを識別するための識別情報である。「パスワード」は、前記ユーザーごとに予め設定された文字列である。
【0020】
ところで、一般に、画像処理装置においてユーザー認証を行うには、ユーザー認証で用いられるユーザー認証情報(ユーザーID、パスワードなど)を画像処理装置に予め登録しておく必要がある。よって、複数の画像処理装置が設けられている環境においてユーザーが任意の画像処理装置にログインできるようにする場合、ユーザー認証を行う認証サーバーを設けるか、もしくは画像処理装置ごとに個別にユーザー認証情報を登録する必要がある。しかしながら、認証サーバーを設ける場合には、認証サーバーのコストがかかる。また、画像処理装置ごとに個別にユーザー認証情報を登録する場合には、登録作業に手間がかかるとともに、ユーザー認証情報を保存するための記憶領域が画像処理装置ごとに必要となる。これに対して、本実施形態に係る画像処理システム1によれば、ユーザー認証情報D1の登録作業の手間を軽減するとともに、ユーザー認証情報D1を保存するための記憶容量を削減することが可能である。
【0021】
制御部27は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を備える。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるための制御プログラムなどの情報が予め記憶される不揮発性の記憶部である。前記RAMは、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される揮発性又は不揮発性の記憶部である。
【0022】
具体的に、制御部27は、第1受付処理部271、第1確認処理部272、選択処理部273、保存処理部274、第2受付処理部275、第2確認処理部276、認証処理部277、取得処理部278、カウント処理部279、及び変更処理部280を含む。なお、制御部27は、前記制御プログラムに従って各種の処理を実行することによりこれらの各処理部として機能する。また、制御部27は、これらの各処理部の一部又は複数の処理機能を実現するASIC(Application Specific Integrated Circuit)のような電子回路を備えるものであってもよい。
【0023】
第1受付処理部271は、ユーザーに対応するユーザー認証情報D1の新規登録操作を受け付ける。前記新規登録操作は、例えば、新規登録したいユーザーに対応するユーザーIDを入力する入力操作である。例えば、第1受付処理部271は、操作表示部21に表示されるユーザー登録キーの操作が行われた場合に、新規登録したいユーザーに対応するユーザーIDを入力するためのユーザーID入力画面(不図示)を操作表示部21に表示させる。そして、第1受付処理部271は、前記ユーザーID入力画面を通じて入力されるユーザーIDを取得する。
【0024】
第1確認処理部272は、第1受付処理部271により前記新規登録操作が受け付けられた場合に、自身の画像処理装置2又は自身の画像処理装置2と通信可能に接続されている他の画像処理装置2に、前記ユーザーに対応するユーザー認証情報D1(すなわち、前記ユーザーID入力画面を通じて入力されるユーザーIDに対応するユーザー認証情報D1)が保存されているか否かを確認する。以下では、前記ユーザーに対応するユーザー認証情報D1を、単に「前記ユーザー認証情報D1」と称することがある。また、以下では、自身の画像処理装置2を、単に「自装置2」と称することがある。また、以下では、他の画像処理装置2を、単に「他装置2」と称することがある。具体的に、第1確認処理部272は、自装置2に前記ユーザー認証情報D1が保存されていない場合に、前記ユーザー認証情報D1が保存されているか否かを他装置2に問い合わせる。例えば、画像処理装置2Aの第1受付処理部271により前記新規登録操作が受け付けられ、画像処理装置2Aに前記ユーザー認証情報D1が保存されていない場合、画像処理装置2Aの第1確認処理部272は、前記ユーザー認証情報D1が保存されているか否かを問い合わせるための信号を、通信網N1を通じて他の画像処理装置2B,2C,2D,2E,2Fに送信する。そして、画像処理装置2Aの第1確認処理部272は、通信網N1を通じて、他の画像処理装置2B,2C,2D,2E,2Fからの応答信号を受信する。
【0025】
選択処理部273は、第1確認処理部272により自装置2にも他装置2にも前記ユーザー認証情報D1が保存されていないことが確認された場合に、自装置2及び他装置2の中から前記ユーザー認証情報D1の保存場所となる画像処理装置2を選択する。例えば、選択処理部273は、自装置2及び他装置2の各々に設けられている記憶部26の空き容量に基づいて、前記ユーザー認証情報D1の保存場所となる画像処理装置2を選択する。具体的に、選択処理部273は、自装置2に設けられている記憶部26の空き容量が予め定められた空き容量不足条件を満たしている場合に、他装置2のうち記憶部26の空き容量が最も大きい画像処理装置2を前記ユーザー認証情報D1の保存場所として選択してもよい。なお、前記空き容量不足条件は、例えば、記憶部26の空き容量が前記ユーザー認証情報D1のデータサイズより小さいこと、記憶部26の空き容量が予め定められた閾値未満であることなどである。
【0026】
保存処理部274は、選択処理部273により選択される画像処理装置2に前記ユーザー認証情報D1を保存する。具体的に、選択処理部273により自装置2が選択された場合は、保存処理部274は、自装置2の記憶部26に前記ユーザー認証情報D1を保存する。一方、選択処理部273により他装置2が選択された場合は、保存処理部274は、選択処理部273により選択された他装置2に前記ユーザー認証情報D1を送信して、当該他装置2の記憶部26に前記ユーザー認証情報D1を保存させる。
【0027】
第2受付処理部275は、ユーザーによるログイン操作を受け付ける。前記ログイン操作は、例えば、ユーザーID及びパスワードを入力する入力操作である。例えば、第2受付処理部275は、操作表示部21に表示されるログインキーの操作が行われた場合に、ユーザーID及びパスワードを入力するためのログイン画面(不図示)を操作表示部21に表示させる。そして、第2受付処理部275は、前記ログイン画面を通じて入力されるユーザーID及びパスワードを取得する。
【0028】
第2確認処理部276は、第2受付処理部275により前記ログイン操作が受け付けられた場合に、自装置2又は他装置2に、前記ユーザーに対応するユーザー認証情報D1(すなわち、前記ログイン画面を通じて入力されるユーザーIDに対応するユーザー認証情報D1)が保存されているか否かを確認する。以下では、前記ユーザーに対応するユーザー認証情報D1を、単に「前記ユーザー認証情報D1」と称す。具体的に、第2確認処理部276は、自装置2に前記ユーザー認証情報D1が保存されていない場合に、前記ユーザー認証情報D1が保存されているか否かを他装置2に問い合わせる。例えば、画像処理装置2Aの第2受付処理部275により前記ログイン操作が受け付けられ、画像処理装置2Aに前記ユーザー認証情報D1が保存されていない場合、画像処理装置2Aの第2確認処理部276は、前記ユーザー認証情報D1が保存されているか否かを問い合わせる信号を、通信網N1を通じて他の画像処理装置2B,2C,2D,2E,2Fに送信する。そして、画像処理装置2Aの第2確認処理部276は、通信網N1を通じて、他の画像処理装置2B,2C,2D,2E,2Fからの応答信号を受信する。
【0029】
認証処理部277は、自装置2又は他装置2に保存されている前記ユーザー認証情報D1に基づいてユーザー認証処理を行う。具体的に、認証処理部277は、第2確認処理部276により自装置2又は他装置2に前記ユーザー認証情報D1が保存されていることが確認された場合に、前記ユーザー認証情報D1に基づいてユーザー認証処理を行う。具体的に、認証処理部277は、前記ログイン画面を通じて入力されるユーザーID及びパスワードと、前記ユーザーIDに対応する前記ユーザー認証情報D1に含まれるパスワードとを照合することによって、前記ユーザー認証処理を行う。
【0030】
取得処理部278は、第2確認処理部276により他装置2に前記ユーザー認証情報D1が保存されていることが確認された場合に、他装置2から前記ユーザー認証情報D1を取得し、自装置2に一時的に保存する。例えば、取得処理部278は、前記ユーザー認証情報D1が保存されている他装置2に、通信網N1を通じて、前記ユーザー認証情報D1を要求する信号を送信する。そして、取得処理部278は、他装置2から通信網N1を通じて前記ユーザー認証情報D1を受信する。なお、取得処理部278は、前記ユーザー認証情報D1が保存されているか否かを問い合わせる信号に対する他装置2からの前記応答信号とともに、前記ユーザー認証情報D1を受信してもよい。
【0031】
取得処理部278は、他装置2から取得された前記ユーザー認証情報D1を、記憶部26又は前記RAMに一時的に保存する。このようにして記憶部26又は前記RAMに一時的に保存された前記ユーザー認証情報D1は、前記ユーザーがログオフするときに記憶部26又は前記RAMから消去される。よって、同一のユーザーに対応するユーザー認証情報D1が複数の画像処理装置2に重複して保存されることはない。
【0032】
カウント処理部279は、取得処理部278により他装置2からユーザー認証情報D1が取得された回数をユーザーごとにカウントする。例えば、カウント処理部279は、取得処理部278により他装置2からユーザー認証情報D1が取得されるごとに、
図4に示される取得回数情報D2を更新する。
図4に示されるように、取得回数情報D2には、他装置2から取得されたユーザー認証情報D1に対応するユーザーごとに、「ユーザーID」、及び「取得回数」の情報が含まれる。「ユーザーID」は、前記ユーザーを識別するための識別情報である。「取得回数」は、前記ユーザーに対応するユーザー認証情報D1を他装置2から取得した回数である。例えば、ユーザーDに対応するユーザー認証情報D1を他装置2から新たに取得した場合に、カウント処理部279は、ユーザーDに対応する「取得回数」をインクリメントする。
【0033】
なお、カウント処理部279は、予め設定された期間ごと(例えば、月曜日から日曜日までの1週間ごと、月初めから月末までの1ヶ月ごとなど)に前記ユーザー認証情報D1が取得された回数をカウントしてもよい。すなわち、取得回数情報D2における「取得回数」の情報が、予め定められたタイミングで0にリセットされてもよい。また、カウント処理部279は、他装置2からユーザー認証情報D1が取得された日時が記録された取得履歴情報(不図示)に基づいて、直近の予め定められた期間(例えば、直近の1週間、直近の1ヶ月など)において前記ユーザー認証情報D1が取得された回数をカウントしてもよい。
【0034】
変更処理部280は、或るユーザーに対応するユーザー認証情報D1についての前記カウント処理部279によるカウント結果が予め定められた変更条件を満たす場合に、前記ユーザーに対応するユーザー認証情報D1の保存場所を他装置2から自装置2に変更する。前記変更条件は、例えば、取得回数情報D2において、前記ユーザーに対応するユーザー認証情報D1についての「取得回数」の値が、予め定められた閾値(例えば、2回、5回、10回など)に達することである。具体的に、変更処理部280は、或るユーザーに対応するユーザー認証情報D1についての前記カウント処理部279によるカウント結果が前記変更条件を満たす場合に、前記ユーザー認証情報D1の現在の保存場所である他装置2に、通信網N1を通じて、前記ユーザー認証情報D1の保存場所を変更する旨の信号を送信する。そして、変更処理部280は、自装置2の記憶部26に前記ユーザー認証情報D1を恒久的に保存する。一方、前記他装置2では、記憶部26から前記ユーザー認証情報D1が削除される。これにより、前記ユーザー認証情報D1の保存場所が、前記ユーザー認証情報D1に対応するユーザーがよく使用する画像処理装置2へと自動的に変更される。
【0035】
[ユーザー登録処理]
次に、
図5を参照しつつ、制御部27によって実行されるユーザー登録処理の手順の一例について説明する。ここで、ステップS11,S12,・・・は、制御部27により実行される処理手順(ステップ)の番号を表している。なお、前記ユーザー登録処理は、例えば、予め設定されたユーザー登録操作(例えば、操作表示部21に表示されるユーザー登録キーの操作)が行われたことに応じて開始される。
【0036】
<ステップS11>
まず、ステップS11において、制御部27は、操作表示部21を通じてユーザーIDを取得する。例えば、制御部27は、新規登録したいユーザーに対応するユーザーIDを入力するためのユーザーID入力画面(不図示)を操作表示部21に表示させる。そして、制御部27は、前記ユーザーID入力画面を通じて入力されるユーザーIDを取得する。当該ステップS11の処理は、制御部27の第1受付処理部271により実行される。
【0037】
<ステップS12>
ステップS12において、制御部27は、前記ステップS11で取得されたユーザーIDに対応するユーザー認証情報D1(以下、単に「前記ユーザー認証情報D1」と称す)が自装置2に保存されているか否かを判断する。そして、前記ユーザー認証情報D1が自装置2に保存されていると判断されると(S12:Yes)、処理がステップS15に移行する。一方、前記ユーザー認証情報D1が自装置2に保存されていないと判断されると(S12:No)、処理がステップS13に移行する。当該ステップS12の処理は、制御部27の第1確認処理部272により実行される。
【0038】
<ステップS13>
ステップS13において、制御部27は、前記ユーザー認証情報D1が保存されているか否かを他装置2に問い合わせる。例えば、自装置2が画像処理装置2Aである場合、制御部27は、前記ユーザー認証情報D1が保存されているか否かを問い合わせるための信号を、通信網N1を通じて他の画像処理装置2B,2C,2D,2E,2Fに送信する。当該ステップS13の処理は、制御部27の第1確認処理部272により実行される。
【0039】
<ステップS14>
ステップS14において、制御部27は、前記ユーザー認証情報D1が他装置2に保存されているか否かを判断する。例えば、制御部27は、前記ユーザー認証情報D1が保存されているか否かを問い合わせるための信号に対する他装置2各々からの応答信号に基づいて、前記ユーザー認証情報D1が他装置2に保存されているか否かを判断する。そして、前記ユーザー認証情報D1が他装置2に保存されていると判断されると(S14:Yes)、処理がステップS15に移行する。一方、前記ユーザー認証情報D1が他装置2に保存されていないと判断されると(S14:No)、処理がステップS16に移行する。当該ステップS14の処理は、制御部27の第1確認処理部272により実行される。
【0040】
<ステップS15>
ステップS15において、制御部27は、エラー処理を行う。例えば、制御部27は、前記ステップS11で取得されたユーザーIDに対応するユーザー認証情報D1が登録済みである旨を示す警告メッセージを操作表示部21に表示させる。そして、前記ユーザー登録処理が終了する。
【0041】
<ステップS16>
一方、ステップS16において、制御部27は、前記ステップS11で取得されたユーザーIDに対応するパスワードを取得する。例えば、制御部27は、前記ユーザーIDに対応するパスワードを入力するためのパスワード入力画面(不図示)を操作表示部21に表示させる。そして、制御部27は、前記パスワード入力画面を通じて入力されるパスワードを取得する。当該ステップS16の処理は、制御部27の第1受付処理部271により実行される。
【0042】
なお、他の実施形態では、前記ステップS11でユーザーIDが取得されるときに、制御部27は、ユーザーIDと同時にパスワードも取得してもよい。例えば、制御部27は、新規登録したいユーザーに対応するユーザーIDと、前記ユーザーIDに対応するパスワードとを入力するための入力画面(不図示)を操作表示部21に表示させてもよい。そして、制御部27は、前記入力画面を通じて入力されるユーザーIDを取得してもよい。
【0043】
<ステップS17>
ステップS17において、制御部27は、自装置2の空き容量が不足しているか否かを判断する。具体的に、制御部27は、自装置2の記憶部26の空き容量が前記空き容量不足条件を満たしている場合に、自装置2の空き容量が不足していると判断する。そして、自装置2の空き容量が不足していると判断されると(S17:Yes)、処理がステップS19に移行する。一方、自装置2の空き容量が不足していないと判断されると(S17:No)、処理がステップS18に移行する。当該ステップS17の処理は、制御部27の選択処理部273により実行される。
【0044】
<ステップS18>
ステップS18において、制御部27は、前記ステップS11で取得されたユーザーIDに対応するユーザー認証情報D1を、自装置2に保存する。具体的に、制御部27は、前記ステップS11で取得されたユーザーIDと、前記ステップS16で取得されたパスワードとを含むユーザー認証情報D1を、自装置2の記憶部26に保存する。そして、前記ユーザー登録処理が終了する。当該ステップS18の処理は、制御部27の保存処理部274により実行される。
【0045】
<ステップS19>
一方、ステップS19において、制御部27は、他装置2の空き容量を取得する。例えば、制御部27は、空き容量を問い合わせるための信号を、通信網N1を通じて他装置2各々に送信する。そして、制御部27は、通信網N1を通じて、他装置2各々から、他装置2の記憶部26の空き容量の情報を含む応答信号を受信する。当該ステップS19の処理は、制御部27の選択処理部273により実行される。
【0046】
なお、他の実施形態では、前記ステップS13で行われる問い合わせに対する他装置2各々からの応答信号に、他装置2の空き容量の情報が含まれていてもよい。この場合、制御部27は、前記応答信号から他装置2の空き容量の情報を取得する。
【0047】
<ステップS20>
ステップS20において、制御部27は、前記ステップS11で取得されたユーザーIDに対応するユーザー認証情報D1の保存場所となる他装置2を選択する。例えば、制御部27は、前記ステップS19で取得された他装置2の空き容量に基づいて、空き容量が最も大きい他装置2を前記ユーザー認証情報D1の保存場所として選択する。当該ステップS20の処理は、制御部27の選択処理部273により実行される。
【0048】
<ステップS21>
ステップS21において、制御部27は、前記ステップS11で取得されたユーザーIDに対応するユーザー認証情報D1を、前記ステップS20で選択された他装置2に保存する。具体的に、制御部27は、前記ステップS11で取得されたユーザーIDと、前記ステップS16で取得されたパスワードとを含むユーザー認証情報D1を、前記ステップS20で選択された他装置2に送信する。その結果、前記ステップS20で選択された他装置2の記憶部26に、前記ユーザー認証情報D1が保存される。そして、前記ユーザー登録処理が終了する。当該ステップS21の処理は、制御部27の保存処理部274により実行される。
【0049】
[ログイン処理]
次に、
図6を参照しつつ、制御部27によって実行されるログイン処理の手順の一例について説明する。ここで、ステップS31,S32,・・・は、制御部27により実行される処理手順(ステップ)の番号を表している。なお、前記ログイン処理は、例えば、予め設定されたログイン操作(例えば、操作表示部21に表示されるログインキーの操作)が行われたことに応じて開始される。
【0050】
<ステップS31>
まず、ステップS31において、制御部27は、ログインしようとするユーザーのユーザーID及びパスワードを取得する。例えば、制御部27は、ユーザーID及びパスワードを入力するためのログイン画面(不図示)を操作表示部21に表示させる。そして、制御部27は、前記ログイン画面を通じて入力されるユーザーID及びパスワードを取得する。当該ステップS31の処理は、制御部27の第2受付処理部275により実行される。
【0051】
<ステップS32>
ステップS32において、制御部27は、前記ステップS31で取得されたユーザーIDに対応するユーザー認証情報D1が自装置2の記憶部26に保存されているか否かを判断する。そして、前記ユーザー認証情報D1が自装置2の記憶部26に保存されていると判断されると(S32:Yes)、処理がステップS40に移行する。一方、前記ユーザー認証情報D1が自装置2の記憶部26に保存されていないと判断されると(S32:No)、処理がステップS33に移行する。当該ステップS32の処理は、制御部27の第2確認処理部276により実行される。
【0052】
<ステップS33>
ステップS33において、制御部27は、前記ユーザー認証情報D1が保存されているか否かを他装置2に問い合わせる。例えば、自装置2が画像処理装置2Aである場合、制御部27は、前記ユーザー認証情報D1が保存されているか否かを問い合わせるための信号を、通信網N1を通じて他の画像処理装置2B,2C,2D,2E,2Fに送信する。当該ステップS33の処理は、制御部27の第2確認処理部276により実行される。
【0053】
<ステップS34>
ステップS34において、制御部27は、前記ユーザー認証情報D1が他装置2に保存されているか否かを判断する。例えば、制御部27は、前記ユーザー認証情報D1が保存されているか否かを問い合わせるための信号に対する他装置2各々からの応答信号に基づいて、前記ユーザー認証情報D1が他装置2に保存されているか否かを判断する。そして、前記ユーザー認証情報D1が他装置2に保存されていると判断されると(S34:Yes)、処理がステップS35に移行する。一方、前記ユーザー認証情報D1が他装置2に保存されていないと判断されると(S34:No)、処理がステップS41に移行する。当該ステップS34の処理は、制御部27の第2確認処理部276により実行される。
【0054】
<ステップS35>
ステップS35において、制御部27は、前記ユーザー認証情報D1が保存されている他装置2から、前記ユーザー認証情報D1を取得する。例えば、制御部27は、前記ユーザー認証情報D1が保存されている他装置2に、通信網N1を通じて前記ユーザー認証情報D1を要求する信号を送信し、前記他装置2から前記ユーザー認証情報D1を受信する。当該ステップS35の処理は、制御部27の取得処理部278により実行される。
【0055】
なお、他の実施形態では、前記ステップS33で行われる問い合わせに対する他装置2(すなわち、前記ユーザー認証情報D1が保存されている他装置2)からの応答信号に、前記ユーザー認証情報D1が含まれていてもよい。この場合、制御部27は、前記応答信号から前記ユーザー認証情報D1を取得する。
【0056】
<ステップS36>
ステップS36において、制御部27は、前記ステップS35で取得された前記ユーザー認証情報D1を自装置2に一時的に保存する。例えば、制御部27は、前記ユーザー認証情報D1を自装置2の記憶部26又は前記RAMに一時的に保存する。当該ステップS36の処理は、制御部27の取得処理部278により実行される。
【0057】
<ステップS37>
ステップS37において、制御部27は、取得回数情報D2を更新する。具体的に、制御部27は、取得回数情報D2において、前記ステップS35で取得された前記ユーザー認証情報D1に含まれるユーザーIDに対応する「取得回数」をインクリメントする。当該ステップS37の処理は、制御部27のカウント処理部279により実行される。
【0058】
<ステップS38>
ステップS38において、制御部27は、前記ステップS37で更新された取得回数情報D2が、前記変更条件を満たすか否かを判断する。例えば、制御部27は、前記ステップS35で取得された前記ユーザー認証情報D1に含まれるユーザーIDに対応する「取得回数」の値が、予め定められた閾値(例えば、2回、5回、10回など)に達した場合に、前記変更条件を満たすと判断する。そして、前記変更条件を満たすと判断されると(S38:Yes)、処理がステップS39に移行する。一方、前記変更条件を満たさないと判断されると(S38:No)、処理がステップS40に移行する。
【0059】
<ステップS39>
ステップS39において、制御部27は、前記ステップS35で取得された前記ユーザー認証情報D1の保存場所を他装置2から自装置2に変更する。例えば、制御部27は、前記ユーザー認証情報D1の現在の保存場所である他装置2に、通信網N1を通じて、前記ユーザー認証情報D1の保存場所を変更する旨の信号を送信する。そして、制御部27は、前記ステップS36で自装置2に一時的に保存されていた前記ユーザー認証情報D1を、自装置2の記憶部26に恒久的に保存する。一方、前記他装置2では、記憶部26から前記ユーザー認証情報D1が削除される。当該ステップS39の処理は、制御部27の変更処理部280により実行される。
【0060】
このように、前記変更条件を満たすと判断された場合に、前記ユーザー認証情報D1の保存場所が他装置2から自装置2に自動的に変更される。よって、前記ユーザー認証情報D1に対応するユーザーが後日再び自装置2にログインしようとする場合には、前記ステップS33〜S39の処理を実行する必要がなくなる。したがって、次回以降の前記ログイン処理の処理負荷を軽減することができる。また、通信網N1の通信トラフィックを軽減することができる。
【0061】
<ステップS40>
ステップS40において、制御部27は、前記ユーザー認証情報D1に基づいてユーザー認証処理を行う。そして、前記ログイン処理が終了する。当該ステップS40の処理は、制御部27の認証処理部277により実行される。
【0062】
なお、前記ステップS36で自装置2の記憶部26又は前記RAMに一時的に保存された前記ユーザー認証情報は、前記ユーザー認証情報に対応するユーザーがログオフするときに記憶部26又は前記RAMから消去される。
【0063】
<ステップS41>
一方、ステップS41において、制御部27は、エラー処理を行う。例えば、制御部27は、前記ステップS31で取得されたユーザーIDに対応するユーザー認証情報D1が登録されていない旨を示す警告メッセージを操作表示部21に表示させる。そして、前記ログイン処理が終了する。
【0064】
以上のように、本実施形態に係る画像処理システム1では、ユーザー各々に対応するユーザー認証情報D1が、通信網N1を通じて互いに通信可能に接続された複数の画像処理装置2のうちのいずれか一つの画像処理装置2に保存される。そして、任意の画像処理装置2において、前記ユーザー認証情報D1に基づくユーザー認証処理を行うことが可能である。したがって、本実施形態に係る画像処理システム1では、ユーザーが任意の画像処理装置2にログインできるようにする場合に、ユーザー認証を行う認証サーバーを設けたり、画像処理装置2ごとに個別にユーザー認証情報D1を登録したりする必要がない。よって、本実施形態に係る画像処理システム1によれば、ユーザー認証情報の登録作業の手間を軽減するとともに、ユーザー認証情報を保存するための記憶容量を削減することが可能である。