特許第6838745号(P6838745)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6838745便秘及び疲労回復の改善機能を有する発酵ミネラル生食丸剤の製造方法
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  • 特許6838745-便秘及び疲労回復の改善機能を有する発酵ミネラル生食丸剤の製造方法 図000004
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6838745
(24)【登録日】2021年2月16日
(45)【発行日】2021年3月3日
(54)【発明の名称】便秘及び疲労回復の改善機能を有する発酵ミネラル生食丸剤の製造方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 36/03 20060101AFI20210222BHJP
   A61K 36/062 20060101ALI20210222BHJP
   A61P 1/10 20060101ALI20210222BHJP
   A61P 3/02 20060101ALI20210222BHJP
   A61K 36/8998 20060101ALI20210222BHJP
   A61K 35/742 20150101ALI20210222BHJP
   A61K 36/899 20060101ALI20210222BHJP
   A61K 36/48 20060101ALI20210222BHJP
   A61K 36/42 20060101ALI20210222BHJP
   A61K 36/9068 20060101ALI20210222BHJP
   A61K 36/9066 20060101ALI20210222BHJP
   A61K 36/04 20060101ALI20210222BHJP
   A61K 36/46 20060101ALI20210222BHJP
   A61K 36/8962 20060101ALI20210222BHJP
   A61K 36/07 20060101ALI20210222BHJP
   A61K 36/12 20060101ALI20210222BHJP
   A61K 36/185 20060101ALI20210222BHJP
   A61K 36/40 20060101ALI20210222BHJP
   A61K 36/889 20060101ALI20210222BHJP
   A23L 33/10 20160101ALI20210222BHJP
   A61K 125/00 20060101ALN20210222BHJP
   A61K 127/00 20060101ALN20210222BHJP
   A61K 129/00 20060101ALN20210222BHJP
   A61K 131/00 20060101ALN20210222BHJP
【FI】
   A61K36/03
   A61K36/062
   A61P1/10
   A61P3/02
   A61K36/8998
   A61K35/742
   A61K36/899
   A61K36/48
   A61K36/42
   A61K36/9068
   A61K36/9066
   A61K36/04
   A61K36/46
   A61K36/8962
   A61K36/07
   A61K36/12
   A61K36/185
   A61K36/40
   A61K36/889
   A23L33/10
   A61K125:00
   A61K127:00
   A61K129:00
   A61K131:00
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-568344(P2017-568344)
(86)(22)【出願日】2016年6月30日
(65)【公表番号】特表2018-519337(P2018-519337A)
(43)【公表日】2018年7月19日
(86)【国際出願番号】KR2016007017
(87)【国際公開番号】WO2017003206
(87)【国際公開日】20170105
【審査請求日】2019年6月7日
(31)【優先権主張番号】10-2015-0092978
(32)【優先日】2015年6月30日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】517454952
【氏名又は名称】ナ ジンゴル
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100071054
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 高久
(72)【発明者】
【氏名】ナ ジンゴル
【審査官】 渡部 正博
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−110323(JP,A)
【文献】 特開平02−154662(JP,A)
【文献】 特開2006−069948(JP,A)
【文献】 特開2006−311836(JP,A)
【文献】 特開2006−238730(JP,A)
【文献】 特開2000−166508(JP,A)
【文献】 特開2011−041547(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第103340279(CN,A)
【文献】 韓国伝統的麹「ヌルク」を用いた焼酎製造の可能性,J. Brew. Soc. Japan,日本醸造協会,2015年 3月,Vol.110, No.3,p.170-178
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 36/00−36/9068
A61K 35/00−35/768
A61P 1/00−43/00
A23L 33/00−33/29
A61K 125/00
A61K 127/00
A61K 129/00
A61K 131/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記段階を含むことを特徴とする便秘及び疲労回復の改善機能を有する発酵ミネラル生食丸剤の製造方法。
(S1)水100重量部に対して麹1〜10重量部、麦芽10〜20重量部及び細かく切断した稲藁10〜30重量部を混合した後、26〜35℃で2〜4日間熟成させて稲藁酵素液を製造する段階。
(S2)稲藁粉と籾殻粉を1:2〜2:1の重量比で混合し、上記段階(S1)で製造された稲藁酵素液を、稲藁粉と籾殻粉の混合物100重量部を基準として20〜60重量部の量で加えて練った後、35〜45℃で65〜75時間の間発酵させた後、日陰で10〜20日間乾燥させる段階。
(S3)稲藁粉と米糠粉を1:2〜2:1の重量比で混合し、上記段階(S1)で製造された稲藁酵素液を、稲藁粉と米糠粉の混合物100重量部を基準として20〜60重量部の量で加えて練った後、35〜45℃で65〜75時間の間発酵させた後、日陰で10〜20日間乾燥させる段階。
(S4)稲藁粉とレンズ豆粉を1:2〜2:1の重量比で混合し、上記段階(S1)で製造された稲藁酵素液を、稲藁粉とレンズ豆粉の混合物100重量部を基準として20〜60重量部の量で加えて練った後、35〜45℃で90〜100時間の間発酵させた後、日陰で10〜20日間乾燥させる段階。
(S5)上記段階(S2)〜(S4)で収得された各々の混合産物を混合した後、上記段階(S1)で製造された稲藁酵素液を、上記混合物100重量部を基準として10〜60重量部の量で加え、ニガウリ粉0.1〜2重量部、生姜粉0.1〜2重量部、ターメリック粉0.05〜1重量部、干青海苔粉10〜20重量部、杜仲皮粉0.1〜2重量部、タマネギ皮粉0.1〜2重量部、シイタケ粉0.1〜2重量部、イワヒバ粉0.1〜2重量部、ニラ粉0.1〜2重量部、ゴマの葉粉0.1〜2重量部、コンブ粉10〜20重量部及びサンシュユ粉0.1〜2重量部を添加して、30〜40℃で20〜28時間の間発酵させる段階、及び
(S6)上記段階(S5)で発酵した発酵物100重量部を基準として、もち米粉1〜10重量部、ココナッツオイル1〜5重量部及び蜂蜜1〜5重量部を混合して練った後、丸剤に成形して乾燥させる段階。
【請求項2】
上記段階(S2)で稲藁粉と籾殻粉を1:1の重量比で混合することを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
上記段階(S3)で稲藁粉と米糠粉を1:1の重量比で混合することを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
【請求項4】
上記段階(S4)で稲藁粉とレンズ豆粉を1:1の重量比で混合することを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、便秘及び疲労回復の改善機能を有する発酵ミネラル生食丸剤の製造方法及びこれにより製造された発酵ミネラル生食丸剤に関する。より具体的には、稲藁で培養された枯草菌(Βαγιμμφτ τφβυιμιτ)を用いて、籾殻粉、米糠粉及びレンズ豆を発酵させることにより発酵ミネラル生食丸剤を製造する方法及びこれにより製造された腸機能が改善され肥満及び便秘に効果がある発酵ミネラル生食丸剤に関する。
【背景技術】
【0002】
昔我々の先祖達は、胃癌、大腸癌のような病気にはあまりかからなかった。その理由は、粗く固い食物と発酵した食物を主食とする食習慣のためといえる。
【0003】
しかし、現代人の献立は、柔らかい食物が主流をなしており、発酵食品はほとんど食用せず、加工された食物や果てはインスタント食品や高脂肪質含有食品の摂取及び運動不足等により、各種成人病が増加している。また、このような現代人の主食は、胃、小腸及び大腸に縮んでは緩む運動がなされず、腸が弱まって栄養供給もうまくされず、肥満や便秘等と成人病が誘発されもする。このような肥満や便秘は、軽い初期的な症状であるが、他のさまざまな合併症を起こす要因となっている。
【0004】
また、新薬の濫用、食品添加物の過多摂取により、体内に有益な微生物菌らは腸まで伝達することができず大部分が死ぬことになり、有害なウイルスに対して無防備状態であるといえる。
【0005】
最近になって、このような成人病に対する予防策として、簡単な運動と共に天然食品を用いた予防と治療に関心が高まっており、それに対する研究開発が活発に進められている。
【0006】
そこで本発明者は、いつどこででも簡便に持ち歩きながら食用することができ、疲れた現代人の健康を改善させることができる天然発酵物質を開発するために、継続して研究を進行する中、在来式で稲藁で培養された枯草菌を用いて籾殻粉、米糠粉及びレンズ豆粉を発酵させることにより収得された発酵産物が、腸機能を改善し、肥満及び便秘のような成人病の予防に効果があるだけでなく、疲れも改善させることができるという驚くべき事実を発見することで本発明を完成した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明で解決しようとする技術的課題は、携帯が簡便で腸を丈夫にし、腸細胞に食物の連鎖が供給されながら便秘及び肥満に効果がある天然物質発酵食品の製造方法を提供するためのものである。
また、本発明で解決しようとする他の技術的課題は、上記製造方法により製造された天然物質発酵食品を提供するためのものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の技術的課題を解決するために、本発明では、下記段階を含むことを特徴とする便秘及び疲労回復の改善機能を有する発酵ミネラル生食丸剤の製造方法を提供する。
【0009】
(S1)水100重量部に対して麹1〜10重量部、麦芽10〜20重量部及び細かく切断した稲藁10〜30重量部を混合した後、26〜35℃で2〜4日間熟成させて稲藁酵素液を製造する段階、
【0010】
(S2)稲藁粉と籾殻粉を1:2〜2:1の重量比で混合し、上記段階(S1)で製造された稲藁酵素液を、稲藁粉と籾殻粉の混合物100重量部を基準として20〜60重量部の量で加えて練った後、35〜45℃で65〜75時間の間発酵させた後、日陰で10〜20日間乾燥させる段階、
【0011】
(S3)稲藁粉と米糠粉を1:2〜2:1の重量比で混合し、上記段階(S1)で製造された稲藁酵素液を、稲藁粉と米糠粉の混合物100重量部を基準として20〜60重量部の量で加えて練った後、35〜45℃で65〜75時間の間発酵させた後、日陰で10〜20日間乾燥させる段階、
【0012】
(S4)稲藁粉とレンズ豆粉を1:2〜2:1の重量比で混合し、上記段階(S1)で製造された稲藁酵素液を、稲藁粉とレンズ豆粉の混合物100重量部を基準として20〜60重量部の量で加えて練った後、35〜45℃で90〜100時間の間発酵させた後、日陰で10〜20日間乾燥させる段階、
【0013】
(S5)上記段階(S2)〜(S4)で収得された各々の混合産物を混合した後、上記段階(S1)で製造された稲藁酵素液を、上記混合物100重量部を基準として10〜60重量部の量で加え、ニガウリ粉0.1〜2重量部、生姜粉0.1〜2重量部、ターメリック(姜黄)粉0.05〜1重量部、干青海苔粉10〜20重量部、杜仲皮粉0.1〜2重量部、タマネギ皮粉0.1〜2重量部、シイタケ粉0.1〜2重量部、イワヒバ粉0.1〜2重量部、ニラ粉0.1〜2重量部、ゴマの葉粉0.1〜2重量部、コンブ粉10〜20重量部及びサンシュユ粉0.1〜2重量部を添加して、30〜40℃で20〜28時間の間発酵させる段階、及び
【0014】
(S6)上記段階(S5)で発酵した発酵物100重量部を基準として、もち米粉1〜10重量部、ココナッツオイル1〜5重量部及び、蜂蜜1〜5重量部を混合して練った後、丸剤に成形して乾燥させる段階。
【0015】
また、本発明では上記の他の技術的課題を解決するために、上記製造方法により製造された便秘及び疲労回復の改善機能を有する発酵ミネラル生食丸剤を提供する。
【発明の効果】
【0016】
このように、本発明により製造された便秘及び疲労回復の改善機能を有する発酵ミネラル生食丸剤は、体内にミネラル質と微生物を補充し、特に、腸運動がよくできて毎日食べた食物が身体に必要な栄養素として吸収されるように手助けし、多くの微生物が補充されて免疫力を増進させることができる。また、ミネラル質が大腸運動を手助けして便秘がなくなり、腹の脂肪が抜けて、肥満が消えて疲れが消え、生活に活力が生ずることができる。また、本発明の発酵ミネラル生食丸剤は、携帯するのが簡便で、いつどこででも負担なく食用することができる。よって、本発明の発酵ミネラル生食丸剤は、現代人の健康を増進させ、成人病予防に役立つことができる活力丸剤として非常に有用に利用され得るものと期待される。
【0017】
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施例を例示するものであり、上述の発明の内容と共に本発明の技術思想をさらに理解させる役割をするものであるため、本発明はそのような図面に記載された事項のみに限定されて解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明による便秘及び疲労回復の改善機能を有する発酵ミネラル生食丸剤の製造工程を図式化した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の便秘及び疲労回復の改善機能を有する発酵ミネラル生食丸剤は、稲藁で培養された枯草菌を用いて発酵したことを特徴とし、(S1)水100重量部に対して麹1〜10重量部、麦芽10〜20重量部及び細かく切断した稲藁10〜30重量部を混合した後、26〜35℃で2〜4日間熟成させて稲藁酵素液を製造する段階、(S2)稲藁粉と籾殻粉を1:2〜2:1の重量比で混合し、上記段階(S1)で製造された稲藁酵素液を、稲藁粉と籾殻粉の混合物100重量部を基準として20〜60重量部の量で加えて練った後、35〜45℃で65〜75時間の間発酵させた後、日陰で10〜20日間乾燥させる段階、(S3)稲藁粉と米糠粉を1:2〜2:1の重量比で混合し、上記段階(S1)で製造された稲藁酵素液を、稲藁粉と米糠粉の混合物100重量部を基準として20〜60重量部の量で加えて練った後、35〜45℃で65〜75時間の間発酵させた後、日陰で10〜20日間乾燥させる段階、(S4)稲藁粉とレンズ豆粉を1:2〜2:1の重量比で混合し、上記段階(S1)で製造された稲藁酵素液を、稲藁粉とレンズ豆粉の混合物100重量部を基準として20〜60重量部の量で加えて練った後、35〜45℃で90〜100時間の間発酵させた後、日陰で10〜20日間乾燥させる段階、(S5)上記段階(S2)〜(S4)で収得された各々の混合産物を混合した後、上記段階(S1)で製造された稲藁酵素液を、上記混合物100重量部を基準として10〜60重量部の量で加え、ニガウリ粉0.1〜2重量部、生姜粉0.1〜2重量部、ターメリック粉0.05〜1重量部、干青海苔粉10〜20重量部、杜仲皮粉0.1〜2重量部、タマネギ皮粉0.1〜2重量部、シイタケ粉0.1〜2重量部、イワヒバ粉0.1〜2重量部、ニラ粉0.1〜2重量部、ゴマの葉粉0.1〜2重量部、コンブ粉10〜20重量部及びサンシュユ粉0.1〜2重量部を添加して、30〜40℃で20〜28時間の間発酵させる段階、及び(S6)上記段階(S5)で発酵した発酵物100重量部を基準として、もち米粉1〜10重量部、ココナッツオイル1〜5重量部及び蜂蜜1〜5重量部を混合して練った後、丸剤に成形して乾燥させる段階を含む方法により製造されることができる。
【0020】
本発明で用語「枯草菌(Βαγιμμφτ τφβυιμιτ)」は、バシラス属に属するグラム陽性菌であって、枯草菌はグラム陰性菌に存在するLPS 及びエンドトキシン(Endotoxin)がないので、食品及び医薬品に利用することができ、米国FDAの安全性評価に合格したGRAS級菌株であり、既存の昆虫細胞に比べてウイルス類似粒子の生産時間が短く、普通の培養基でもよく発育するので効率的であり、大腸菌等を使用するより安全な長所がある。
【0021】
本発明は、稲藁で在来式で培養された枯草菌を用いてミネラルを発酵させることを特徴とし、本発明により製造された発酵ミネラル生食丸剤は、体内にミネラル質と微生物を補充し、特に腸運動がよくできて毎日食べた食物が身体に必要な栄養素として吸収されるように手助けし、多くの微生物が補充されて免疫力を増進させることができる。また、ミネラル質が大腸運動を手助けして便秘がなくなり、腹の脂肪が抜けて、肥満が消えて疲れが消え、生活に活力が生ずるだけではなく、消化力がよくなり、尿がよく出て、血圧が正常化になることができる。また、顔が小くなり、しわが少なくなって張りが出る効果もある。
【0022】
本発明では、稲藁から培養された枯草菌を含有する稲藁酵素液を発酵原液として使用するのが特徴であり、水100重量部に対して麹1〜10重量部、麦芽10〜20重量部、及び細かく切断した稲藁10〜30重量部を混合した後、26〜35℃で2〜4日間熟成させて製造することができる。
【0023】
本発明で使用する籾殻粉は、籾の表皮の粉であり、本発明では籾殻を0.1〜3mmの大きさに粉碎して使用することができる。上記籾殻粉と稲藁粉は、 1:2〜2:1の重量比で混合するのが望ましく、このような範囲を外れる場合、稲藁酵素液の発酵条件に適さない。
【0024】
本発明で使用する米糠粉は、玄米を搗精する際に生ずる米糠を非常に細かく砕いて作った粉であり、免疫力増強はもちろん坑癌にも卓越な効果を有するものと知られている。上記米糠粉と稲藁粉は、1:2〜2:1の重量比で混合するのが望ましく、このような範囲を外れる場合、稲藁酵素液の発酵条件に適さない。
【0025】
本発明で使用するレンズ豆(lentils)は、平たくて長いさやの中に凸レンズの形の種子が2つずつ入っている一年草の豆科植物であり、「レンズ(lens)」の語源になった豆で「レンズ豆」と呼ばれる。これは両面がふくらんだレンズ豆の形に倣って細工したガラスを、レンズ豆から始まったという意味の「レンズ」と指称したことに起因したものである。レンズ豆の主産地であるインドでは「ダール(dal)」という名前でよく知られている。特にレンズ豆にはタンパク質・食物繊維・カリウム・葉酸・鉄分・ビタミンB等、多様な栄養素が豊富に含有されていて、抗酸化機能に優れる。タンパク質と繊維質の含量が高く、免疫力増強、老化防止、坑癌作用をはじめ、コレステロール数値を下げ、心血管系の疾患を予防する効能があるものと知られている。また多量の鉄分と葉酸により貧血にも効果的である。これ以外にも、高タンパク低カロリー食品であり、バナナの10倍にもなる食物繊維により便秘や消化不良を解消する等、ダイエット食品としても脚光を浴びている。本発明では、上記レンズ豆を0.1〜3mmの大きさに粉碎して使用することができる。上記レンズ豆粉と稲藁粉は、1:2〜2:1の重量比で混合するのが望ましく、このような範囲を外れる場合、稲藁酵素液の発酵条件に適さない。
【0026】
本発明では、上記各々の籾殻粉、米糠粉及びレンズ豆粉を枯草菌含有稲藁酵素液で発酵させた後、これらを混合した後、生食丸剤の機能性材料であるニガウリ粉、生姜粉、ターメリック粉、干青海苔粉、杜仲皮粉、タマネギ皮粉、シイタケ粉、イワヒバ粉(巻柏)、ニラ粉、ゴマの葉粉、コンブ粉及びサンシュユ粉を添加して、再度稲藁酵素液を入れて発酵させることが特徴である。
【0027】
この際、使用されるニガウリ粉、生姜粉、ターメリック粉、干青海苔粉、杜仲皮粉、タマネギ皮粉、シイタケ粉、イワヒバ粉(巻柏)、ニラ粉、ゴマの葉粉、コンブ粉及びサンシュユ粉は通常の物であり、各々籾殻粉の発酵物、米糠粉の発酵物及びレンズ豆粉の発酵物の混合物100重量部を基準として、ニガウリ粉0.1〜2重量部、生姜粉0.1〜2重量部、ターメリック粉0.05〜1重量部、干青海苔粉10〜20重量部、杜仲皮粉0.1〜2重量部、タマネギ皮粉0.1〜2重量部、シイタケ粉0.1〜2重量部、イワヒバ粉0.1〜2重量部、ニラ粉0.1〜2重量部、ゴマの葉粉0.1〜2重量部、コンブ粉10〜20重量部及びサンシュユ粉0.1〜2重量部の量で使用する。
【0028】
上記ニガウリは、双子葉植物ウリ目ウリ科の葛性一年生草であるニガウリの粉であって、ニガウリは植物性天然インシュリンが豊富で血糖値を下げ、膵臓機能を活性化するもので、糖尿病に良い食物と知られている。本発明では、0.1〜3mmの大きさに粉碎したニガウリ粉を使用することができる。
【0029】
上記生姜に入っているジアスターゼとタンパク質分解酵素が消化液の分泌を刺激して腸運動を促進させ、吐き気や下痢を治療する作用をし、生姜の辛い成分であるギンゲロ−ルとショーガオールは、各種の病原性菌、特にチフス菌やコレラ菌等に対して強い殺菌作用がある。本発明では0.1〜3mmの大きさに粉碎した生姜粉を使用することができる。
【0030】
上記ターメリックはカレーに含まれる材料で、痛みの緩和と月経不純によく、打撲傷や捻挫の痛みを緩和し、記憶力を高める効能があると知られている。また、ターメリックのクルクミン成分は坑癌効果もあり、肝解毒機能があるのでよい。本発明では0.1〜3mmの大きさに粉碎したターメリック粉を使用することができる。
【0031】
上記干青海苔は鉄分が多量含有されており、抗酸化効果に優れ、ビタミンAが豊富なアルカリ食品と知られている。本発明では0.1〜3mmの大きさに粉碎した干青海苔粉を使用することができる。
【0032】
上記杜仲皮は有機酸、クロロゲン酸、ビタミンC、アルカロイド、ゴム質、等々多くの成分が含有されており、皮の切断時に白色に見えるゴム質<グッタペルカ>という成分で、血圧降下作用、補肝腎、強筋骨、安胎作用、腎虚腰痛等の症状に効果があり、妊娠漏出、筋骨無力、益精気、剛志、強壮薬、腰痛、健筋骨、下肢萎弱等に良い効能を有している。本発明では0.1〜3mmの大きさに粉碎した杜仲皮粉を使用することができる。
【0033】
上記タマネギ皮に多量含有されているケルセチンは、コレステロールにより血管が細くなったり固くなることを防ぐ役割をし、高血圧や高脂血症に良く、血をきれいにして、血液循環を助ける。また有害な活性酸素を抑制する機能があり、老化促進も防ぐ。本発明では0.1〜3mmの大きさに粉碎したタマネギ皮粉を使用することができる。
【0034】
上記シイタケは、枯れ木で育つもので、最近は人工栽培でもたくさん生産されており、坑癌、高血圧、糖尿病、骨粗鬆症の予防に効果があると知られている。本発明では0.1〜3mmの大きさに粉碎したシイタケ粉を使用することができる。
【0035】
上記イワヒバは、維管束植物ヒカゲノカズラ目イワヒバ科の多年生草であり、巻柏という名前でも呼ばれ、仏様の手の形で拳を握ったような形と言われる。これは坑癌効能として、悪い性質の毒素を体外に排出してくれる効果が非常に卓越で、女性の婦人病治療に非常に役立つと知られている。本発明では0.1〜3mmの大きさに粉碎したイワヒバ粉を使用することができる。
【0036】
上記ニラは、ユリ科に属する多年生草本で、性質が若干暖かく、味は酸っぱく辛くて渋い。ニラはビタミンAとCが豊富な食品である。ニラに含有されている糖質は、大部分ブドウ糖と果糖の単糖類からなっている。においは独特な硫黄化合物で独特な香味がある食品である。ニラはニンニクと似た強壮効果がある。本発明では0.1〜3mmの大きさに粉碎したニラ粉を使用することができる。
【0037】
上記ゴマの葉は、広くは全てのゴマの葉を指すが、その中でも特にエゴマの葉を食品としていう言葉として使用される。鉄分がホウレンソウの2倍以上含有されており、カルシウム等の無機質とビタミンA, ビタミンCも豊富に含有されている等、栄養価が高い。葉緑素は食欲不振や下痢、便秘等の胃腸障害に効果がある。血液を凝固させる作用をするビタミンKも豊富に含有されており、癌と各種成人病を予防するのにも役立つものと知られている。本発明では0.1〜3mmの大きさに粉碎したゴマの葉粉を使用することができる。
【0038】
上記コンブは、排便の量をふやして便秘に役立つ代表食の一つで、コンブに豊富なアルギン酸は脂肪の吸収を妨害したりもし、ダイエットに役立つ食品である。本発明では0.1〜3mmの大きさに粉碎したコンブ粉を使用することができる。
【0039】
上記サンシュユは、ミズキ科の落葉小高木であるサンシュユの木の実である。楕円形の核果であり、初めは緑色で8〜10月に赤く熟する。果肉にはコルニン(cornin)、モロニサイド(Morroniside)、ロガニン(Loganin)、タンニン(tannin)、サポニン(Saponin)等の配糖体と、ブドウ酒酸、リンゴ酸、酒石酸等の有機酸が含有されており、その他にビタミンAと多量の糖も含まれている。種子にはパルミチン酸、オレイン酸、リノール酸等が含有されている。成分のうちコルニンは、副交感神経の興奮作用があるものと知られている。昔から漢方では果肉を薬用とした。『東医宝監』『郷薬集成方』等によれば、強陰、腎精と腎気の補強、収斂等の効能があるという。頭痛、耳鳴り、咳嗽、解熱、月経過多等に薬剤として使われ、冷汗、夜尿症等の民間療法にも使用される。茶や酒としても長服し、止汗、補陰等の効果がある。本発明では0.1〜3mmの大きさに粉碎したサンシュユ粉を使用することができる。
また、本発明の発酵ミネラル生食丸剤には、丸剤の形に成形するためにもち米粉、ココナッツオイル及び蜂蜜を追加で含有させることができる。
【0040】
このように、本発明により製造された便秘及び疲労回復の改善機能を有する発酵ミネラル生食丸剤は、体内にミネラル質と微生物を補充し、特に、腸運動がよくできて毎日食べた食物が身体に必要な栄養素として吸収されるように手助けし、多くの微生物が補充されて免疫力を増進させることができる。また、ミネラル質が大腸運動を手助けして便秘がなくなり、腹の脂肪が抜けて、肥満が消えて疲れが消え、生活に活力が生ずることができる。また、本発明の発酵ミネラル生食丸剤は、携帯するのが簡便で、いつどこででも負担なく食用することができる。よって、本発明の便秘及び疲労回復の改善機能を有する発酵ミネラル生食丸剤は、現代人の健康を増進させ、成人病予防に役立つことができる活力丸剤として非常に有用に利用され得るものと期待される。
【0041】
以下、本発明の理解を助けるために実施例等をあげて詳細に説明する事にする。しかし、本発明による実施例は、様々な他の形態に変形され得、本発明の範囲が下記実施例に限定されるものと解釈されてはならない。本発明の実施例は、当業界で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。
【実施例1】
【0042】
水3Lに麹100g、麦芽400g及び細かく切断した稲藁500gを混合した後、30℃で3日間熟成させて稲藁酵素液を製造した。
【0043】
稲藁粉16gと籾殻粉16gを混合し、上記で製造された稲藁酵素液10gを添加して練った後、40℃で70時間の間発酵させた後、日陰で15日間乾燥させた。
【0044】
稲藁粉16gと米糠粉16gを混合し、上記で製造された稲藁酵素液10gを添加して練った後、40℃で70時間の間発酵させた後、日陰で15日間乾燥させた。
【0045】
一方、稲藁粉16gとレンズ豆粉16gを混合し、上記で製造された稲藁酵素液10gを添加して練った後、40℃で70時間の間発酵させた後、日陰で15日間乾燥させた。
【0046】
続いて、上記製造された発酵産物を全て混合した後、稲藁酵素液30g、ニガウリ粉0.4g、生姜粉0.4g、ターメリック粉0.1g、干青海苔粉16g、杜仲皮粉0.4g、タマネギ皮粉0.7g、シイタケ粉0.4g、イワヒバ粉0.4g、ニラ粉0.4g、ゴマの葉粉0.4g、コンブ粉16g、及びサンシュユ粉0.4gを添加して、35℃で24時間の間発酵させた。
その後、もち米粉、ココナッツオイル及び蜂蜜を添加して練り、丸剤に成形して乾燥させて発酵ミネラル生食丸剤を製造した。
【試験例1】
【0047】
上記実施例1で製造された発酵ミネラル生食丸剤を、慢性的な便秘を持っている20代女性5人に、3週間の間一日に30gずつ摂取するようにして、便秘の改善効果を観察した。この際、試験者全て、同一の献立で食事をするように注意させた。評価尺度は、9点採点法(9点:非常によい、7点:よい、5点:普通、3点:少し悪い、1点:非常に悪い)とした。官能検査結果は、ANOVAを用いて5%水準でDuncan‘s multiple range testにより、各試料間の有意的な差を検証した。その結果は、下記表1に示した。
【0048】
【表1】
上記表1からみえるように、全ての試験者で便秘改善効果があることが確認された。
【試験例2】
【0049】
上記実施例1で製造された発酵ミネラル生食丸剤を、常に疲れを感じている40代男性5人に4週間の間一日に30gずつ摂取するようにして、疲れの改善効果を観察した。この際、試験者全て、同一の献立で食事をするように注意させた。評価尺度は、上記試験例1と同じく9点採点法(9点:非常によい、7点:よい、5点:普通、3点:少し悪い、1点:非常に悪い)とし、その結果は下記表2に示した。
【0050】
【表2】
【0051】
上記表2からみえるように、全ての試験者で疲労感の改善効果を確認することができた。また、上記試験者達を対象として問診した結果、病気にかかりやすくなることが減少し、尿が正常に排出され、消化がよくでき、血圧が簡単に上がることがないということを確認した。
【産業上の利用可能性】
【0052】
このように、本発明により製造された便秘及び疲労回復の改善機能を有する発酵ミネラル生食丸剤は、体内にミネラル質と微生物を補充し、特に、腸運動がよくできて毎日食べた食物が身体に必要な栄養素として吸収されるように手助けし、多くの微生物が補充されて免疫力を増進させることができる。また、ミネラル質が大腸運動を手助けして便秘がなくなり、腹の脂肪が抜けて、肥満が消えて疲れが消え、生活に活力が生ずることができる。また、本発明の発酵ミネラル生食丸剤は、携帯するのが簡便で、いつどこででも負担なく食用することができる。よって、本発明の発酵ミネラル生食丸剤は、現代人の健康を増進させて成人病予防に役立つことができる活力丸剤として非常に有用に利用され得るものと期待される。
図1