(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記取得部は、前記第2のユーザが前記ソーシャルメディアに投稿した1以上の第2の位置情報のうち、前記第1の位置情報が示す位置から所定の範囲内の地点に係る第2の位置情報を取得する、
ことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
前記第1の位置情報は、前記端末の現在位置、前記端末に対してユーザによって指定された位置、又は前記端末に記憶されている情報の含まれている地名に係る位置の第1の位置情報である、
ことを特徴とする請求項1又は2記載の情報処理装置。
前記取得部は、前記第1のユーザと前記ソーシャルメディアにおいて関連を有する複数の前記第2のユーザのいずれかが前記ソーシャルメディアに投稿した複数の第2の位置情報のうち、前記第1のユーザとの前記ソーシャルメディアのおけるコミュニケーションの履歴に基づいて、一部の前記第2のユーザが投稿した第2の位置情報を取得する、
ことを特徴とする請求項1乃至3いずれか一項記載の情報処理装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の技術では、人同士の交流の有無とは無関係に、単に同じPOIを訪れたことに基づいてユーザ類似度が算出され、斯かるユーザ類似度に基づくPOI類似度を利用して推薦対象のPOIが決定される。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであって、人同士の交流に基づく位置情報の提供を可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施の形態の情報処理装置は、
第1のユーザが利用する端末から第1の位置情報を受信する受信部と、
前記第1の位置情報に基づき、前記第1のユーザとソーシャルメディアにおいて関連を有する第2のユーザが前記ソーシャルメディアに投稿した1以上の第2の位置情報を取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記第2の位置情報を前記端末に送信する送信部と、
を有する。
【0007】
このため、ソーシャルメディアにおいて第1のユーザと関連を有する第2のユーザが投稿した第2の位置情報が、第1のユーザに提供される。
【0008】
したがって、人同士の交流に基づく位置情報の提供を可能とすることができる。
【0009】
本発明の他の実施の形態の情報処理装置では、
前記取得部は、前記第2のユーザが前記ソーシャルメディアに投稿した1以上の第2の位置情報のうち、前記第1の位置情報が示す位置から所定の範囲内の地点に係る第2の位置情報を取得する。
【0010】
このため、第1のユーザに関係する位置情報が示す位置の所定の範囲外の第2の位置情報が提供対象から除外される。
【0011】
したがって、第1のユーザに役立つ可能性の高い第2の位置情報を提供することができる。
【0012】
本発明の他の実施の形態の情報処理装置では、
前記第1の位置情報は、前記端末の現在位置、前記端末に対してユーザによって指定された位置、又は前記端末に記憶されている情報の含まれている地名に係る位置の第1の位置情報である。
【0013】
このため、第1のユーザに関係する位置情報が示す位置の所定の範囲外の第2の位置情報が提供対象から除外される。
【0014】
したがって、第1のユーザに役立つ可能性の高い第2の位置情報を提供することができる。
【0015】
本発明の他の実施の形態の情報処理装置では、
前記取得部は、前記第1のユーザと前記ソーシャルメディアにおいて関連を有する複数の前記第2のユーザのいずれかが前記ソーシャルメディアに投稿した複数の第2の位置情報のうち、前記第1のユーザの属性情報と、前記各第2のユーザのそれぞれの属性情報との類似性に基づいて、一部の前記第2のユーザが投稿した第2の位置情報を取得する。
【0016】
このため、第1のユーザとの属性が類似する第2のユーザが投稿した第2の位置情報が提供される。
【0017】
したがって、第1のユーザが興味を有する可能性の高い第2の位置情報を提供することができる。
【0018】
本発明の他の実施の形態の情報処理装置では、
前記取得部は、前記第1のユーザと前記ソーシャルメディアにおいて関連を有する複数の前記第2のユーザのいずれかが前記ソーシャルメディアに投稿した複数の第2の位置情報のうち、前記第1のユーザとの前記ソーシャルメディアのおけるコミュニケーションの履歴に基づいて、一部の前記第2のユーザが投稿した第2の位置情報を取得する。
【0019】
このため、第1のユーザとのコミュニケーションの回数が多い第2のユーザが投稿した第2の位置情報が提供される。
【0020】
したがって、第1のユーザが興味を有する可能性の高い第2の位置情報を提供することができる。
【0021】
本発明の他の実施の形態の情報処理装置では、
前記取得部は、前記第2の位置情報に付随して投稿された情報を取得し、
前記送信部は、前記取得部が取得した前記第2の位置情報と、当該第2の位置情報に付随して投稿された情報とを前記端末に送信する。
【0022】
このため、第2の位置情報と共に付随して投稿された情報が第1のユーザに提供される。
【0023】
したがって、第1のユーザに対して第2の位置情報の関する詳細情報を提供することができる。
【0024】
本発明の他の実施の形態の情報処理装置では、
前記端末は、車両に搭載される車載器である。
【0025】
このため、ソーシャルメディアにおいて車両のドライバ等と関連を有する第2のユーザが投稿した第2の位置情報が、当該ドライバ等に提供される。
【0026】
したがって、人同士の交流に基づく位置情報の提供を可能とすることができる。
【0027】
本発明の実施の形態の情報処理システムは、
第1のユーザが利用する端末とネットワークを介して通信可能な情報処理装置と、前記端末とを含み、
前記情報処理装置は、
前記端末から第1の位置情報を受信する受信部と、
前記第1の位置情報に基づき、前記第1のユーザとソーシャルメディアにおいて関連を有する第2のユーザが前記ソーシャルメディアに投稿した1以上の第2の位置情報を取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記第2の位置情報を前記端末に送信する送信部と、
を有する。
【0028】
このため、ソーシャルメディアにおいて第1のユーザと関連を有する第2のユーザが投稿した第2の位置情報が、第1のユーザに提供される。
【0029】
したがって、人同士の交流に基づく位置情報の提供を可能とすることができる。
【0030】
本発明の実施の形態の情報処理方法は、
情報処理装置が、
第1のユーザが利用する端末から第1の位置情報を受信する受信手順と、
前記第1の位置情報に基づき、前記第1のユーザとソーシャルメディアにおいて関連を有する第2のユーザが前記ソーシャルメディアに投稿した1以上の第2の位置情報を取得する取得手順と、
前記取得手順が取得した前記第2の位置情報を前記端末に送信する送信手順と、
を実行する。
【0031】
このため、ソーシャルメディアにおいて第1のユーザと関連を有する第2のユーザが投稿した第2の位置情報が、第1のユーザに提供される。
【0032】
したがって、人同士の交流に基づく位置情報の提供を可能とすることができる。
【0033】
本発明の実施の形態のプログラムは、
情報処理装置に、
第1のユーザが利用する端末から第1の位置情報を受信する受信手順と、
前記第1の位置情報に基づき、前記第1のユーザとソーシャルメディアにおいて関連を有する第2のユーザが前記ソーシャルメディアに投稿した1以上の第2の位置情報を取得する取得手順と、
前記取得手順が取得した前記第2の位置情報を前記端末に送信する送信手順と、
を実行させる。
【0034】
このため、ソーシャルメディアにおいて第1のユーザと関連を有する第2のユーザが投稿した第2の位置情報が、第1のユーザに提供される。
【0035】
したがって、人同士の交流に基づく位置情報の提供を可能とすることができる。
【発明の効果】
【0036】
人同士の交流に基づく位置情報の提供を可能とすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の実施の形態における情報処理システム1の構成例を示す図である。
図1において、情報処理システム1は、車載器20とセンタ10とを含む。車載器20とセンタ10とは、多数の基地局を末端とする無線通信網である移動体通信網やインターネット網等を含む所定の通信ネットワークNW1を介して通信可能である。なお、
図1では、便宜上、1つの車載器20のみが示されているが、複数の車両30のそれぞれの車載器20が、ネットワークNW1を介してセンタ10と通信可能とされる。
【0039】
車載器20は、車両30に搭載され、情報処理機能及び通信機能を有する装置である。例えば、車載器20は、ナビゲーションシステムを含んでもよい。本実施の形態において、車載器20は、車両30の現在位置の位置情報をセンタ10へ送信する。車載器20は、また、当該位置情報に基づいてセンタ10から送信される、車両30の現在位置に対する推薦情報を受信し、当該推薦情報を出力(表示)する。車両30の現在位置に対する推薦情報とは、現在位置の周辺の施設等の地点のうち、車両30のドライバ等の乗員(以下、「車両ユーザ」という。)の興味又は嗜好に合っていることが推定される地点を示す情報をいう。
【0040】
センタ10は、1以上のコンピュータ(情報処理装置)の集合である。本実施の形態において、センタ10は、車両30の車載器20から位置情報を受信し、当該位置情報に係る位置に対する推薦情報を当該車載器20へ送信する。
【0041】
図1において、センタ10は、インターネット等のネットワークを介してSNSサーバ40と接続される。SNSサーバ40は、SNS(Social Networking Service)を提供する1以上のコンピュータである。SNSサーバ40には、SNSの各ユーザによる各種の投稿や、各投稿に対する他ユーザからのコメント等がアップロードされる。各種の投稿の中には、ユーザが訪れた地点(場所)を示す情報を含む投稿(以下、「地点投稿情報」という。)が含まれる。地点投稿情報は、センタ10が推薦情報を生成するために利用される。具体的には、センタ10は、地点投稿情報群のうち、位置情報の送信元の車両ユーザとSNSにおいて関連を有する者からの地点投稿情報の全部又は一部を、推薦情報として利用する。すなわち、推薦情報は、当該車両ユーザとSNSにおいて関連を有する者からの地点投稿情報の集合である。したがって、推薦情報は、当該車両ユーザとSNSにおいて関連を有する者の訪問履歴ということもできる。
【0042】
車両ユーザとSNSにおいて関連を有する者とは、例えば、SNSのユーザ(以下、「SNSユーザ」という。)のうち、当該車両ユーザと友人関係が定義されたSNSユーザや、SNS内において当該車両ユーザと同じグループ(同じコミュニティ)に属するSNSユーザ等をいう。又は、SNSにおいて、当該車両ユーザの投稿に対してコメントを行ったことの有るSNSユーザや、当該車両ユーザからコメントを受けたことの有るSNSユーザ等が、当該車両ユーザと関連を有する者に含まれてもよい。
【0043】
図2は、本発明の実施の形態におけるセンタ10のハードウェア構成例を示す図である。
図2のセンタ10は、それぞれバスBで相互に接続されているドライブ装置100、補助記憶装置102、メモリ装置103、CPU104、及びインタフェース装置105等を有する。
【0044】
センタ10での処理を実現するプログラムは、CD−ROM等の記録媒体101によって提供される。プログラムを記憶した記録媒体101がドライブ装置100にセットされると、プログラムが記録媒体101からドライブ装置100を介して補助記憶装置102にインストールされる。但し、プログラムのインストールは必ずしも記録媒体101より行う必要はなく、ネットワークを介して他のコンピュータよりダウンロードするようにしてもよい。補助記憶装置102は、インストールされたプログラムを格納すると共に、必要なファイルやデータ等を格納する。
【0045】
メモリ装置103は、プログラムの起動指示があった場合に、補助記憶装置102からプログラムを読み出して格納する。CPU104は、メモリ装置103に格納されたプログラムに従ってセンタ10に係る機能を実行する。インタフェース装置105は、ネットワークに接続するためのインタフェースとして用いられる。
【0046】
図3は、本発明の実施の形態における車載器20のハードウェア構成例を示す図である。
図3の車載器20は、ドライブ装置200、補助記憶装置202、メモリ装置203、CPU204、通信装置205、表示装置206、入力装置207、及びGPS受信機208等を有する。
【0047】
車載器20での処理を実現するプログラムは、SDメモリカード等の記録媒体201によって提供される。プログラムを記憶した記録媒体201がドライブ装置200にセットされると、プログラムが記録媒体201からドライブ装置200を介して補助記憶装置202にインストールされる。但し、プログラムのインストールは必ずしも記録媒体201より行う必要はなく、ネットワークを介して他のコンピュータよりダウンロードするようにしてもよい。補助記憶装置202は、インストールされたプログラムを格納すると共に、必要なファイルやデータ等を格納する。
【0048】
メモリ装置203は、プログラムの起動指示があった場合に、補助記憶装置202からプログラムを読み出して格納する。CPU204は、メモリ装置203に格納されたプログラムに従って車載器20に係る機能を実現する。通信装置205は、無線通信によってネットワークに接続するための装置である。通信装置205は、例えば、DCM(Data Communication Module)を用いて実現されてもよい。表示装置206は、例えば、液晶ディスプレイ等であり、プログラムによるGUI(Graphical User Interface)等を表示する。入力装置207は、ユーザから様々な操作指示を入力させるために用いられる。例えば、入力装置207は、タッチパネルでもよい。GPS受信機208は、GPS(Global Positioning System)衛星から送信されるGPS信号を受信して、当該GPS信号に基づき車両30の現在位置を測定する。
【0049】
図4は、本発明の実施の形態における車載器20及びセンタ10の機能構成例を示す図である。
図4において、車載器20は、地図表示部21、位置情報送信部22、推薦情報受信部23及び推薦情報表示部24等を有する。これら各部は、車載器20にインストールされた1以上のプログラムが、CPU204に実行させる処理により実現される。
【0050】
地図表示部21は、車両30(車載器20)の現在位置の周辺の地図、又は車両ユーザによって指定された位置の周辺の地図を表示装置206に表示する。位置情報送信部22は、車両30(車載器20)の現在位置の位置情報と車両IDとをセンタ10に送信する。推薦情報受信部23は、位置情報送信部22が送信した位置情報等に基づいてセンタ10が取得する推薦情報をセンタ10から受信する。推薦情報表示部24は、推薦情報受信部23が受信した推薦情報を表示装置206に表示する。
【0051】
センタ10は、位置情報受信部11、地点投稿取得部12、推薦情報抽出部13及び推薦情報送信部14等を有する。これら各部は、センタ10にインストールされた1以上のプログラムが、CPU104に実行させる処理により実現される。センタ10は、また、ID対応記憶部111及び地図情報記憶部112等を利用する。これら各記憶部は、例えば、補助記憶装置102、又はセンタ10にネットワークを介して接続可能な記憶装置等を用いて実現可能である。
【0052】
位置情報受信部11は、車載器20から送信される位置情報及び車両IDを受信する。地点投稿取得部12は、位置情報受信部11によって受信された車両IDに係る車両ユーザとSNSにおいて関連を有するSNSユーザが投稿した1以上の地点投稿情報をSNSサーバ40から取得する。推薦情報抽出部13は、地点投稿取得部12が取得した地点投稿情報の中から推薦情報とする地点投稿情報を抽出する。推薦情報送信部14は、推薦情報抽出部13によって抽出された推薦情報を、位置情報の送信元の車載器20へ送信する。
【0053】
ID対応記憶部111には、車両IDごとに、当該車両IDに係る車両ユーザのSNSにおけるユーザIDが記憶されている。地図情報記憶部112には、ナビゲーションシステム等において利用される地図情報が記憶されている。地図情報には、店舗や施設等のPOIごとに、POI_ID、名称、カテゴリ(ジャンル)、及び位置情報(緯度及び経度)等を含むPOI情報が含まれる。
【0054】
以下、情報処理システム1において実行される処理手順について説明する。
図5は、車載器20が実行する位置情報の送信処理の処理手順の一例を説明するためのフローチャートである。
【0055】
例えば、車両ユーザによる操作によって車両30のアクセサリ電源がONになると(S101でYes)、位置情報送信部22は、GPS受信機208から車両30の現在位置の位置情報(緯度及び経度)を取得する(S102)。続いて、位置情報送信部22は、当該位置情報をセンタ10へ送信する(S103)。この際、位置情報には、車両ユーザの識別情報(以下、「車両ID」という)が含められる。車両IDは、車両30ごとのIDであってもよい。ステップS102及びS103は、例えば、アクセサリ電源がOFFになるまで(S101でNo)繰り返される。
【0056】
なお、位置情報の送信は、所定の間隔ごとに行われてもよい。所定の間隔は、経過時間に基づいて規定されてもよいし、車両30の移動距離に基づいて規定されてもよい。すなわち、ステップS102及びS103は、車両30の走行中においても継続的に実行される。したがって、車両30の移動に伴って、異なる位置情報がセンタ10へ送信される。
【0057】
また、車両ユーザによって入力装置207を介して所定の操作が行われた時点で、当該時点における車両30の位置を示す位置情報が送信されてもよい。
【0058】
続いて、車両30から送信される位置情報の受信に応じてセンタ10が実行する処理手順について説明する。
図6は、位置情報の受信に応じてセンタ10が実行する処理手順の一例を説明するためのフローチャートである。
図6の処理手順は、車両30から位置情報が送信されるたびに実行される。
【0059】
位置情報受信部11が、位置情報を受信(取得)すると(S201)、地点投稿取得部12は、当該位置情報(以下、「車両位置情報」という。)に付与されている車両ID(以下、「対象車両ID」という。)に対応する、SNSにおけるユーザID(以下「SNSユーザID」という。)をID対応記憶部111から取得する(S202)。すなわち、対象車両IDがSNSユーザIDに変換される。
【0060】
図7は、ID対応記憶部111の構成例を示す図である。
図7に示されるように、ID対応記憶部111には、車両IDに対応付けて、当該車両IDに対応するSNSユーザIDが記憶されている。車両IDに対応するSNSユーザIDとは、当該車両IDに係るユーザがSNSにおいて利用するユーザIDである。すなわち、対応付けられている車両ID及びSNSユーザIDは、同一人物に対するIDである。ステップS202において取得されたSNSユーザIDを、以下「対象SNSユーザID」という。
【0061】
続いて、地点投稿取得部12は、対象SNSユーザIDに係るSNSユーザに関連を有する1以上の他のSNSユーザによって投稿され、公開されている1以上の地点投稿情報の集合(以下、「地点投稿情報群」という。)をSNSサーバ40から取得する(S203)。例えば、地点投稿取得部12は、対象SNSユーザIDに係るSNSユーザに関連を有する他のSNSユーザのSNSユーザIDをSNSサーバ40から取得する。地点投稿取得部12は、取得された各SNSユーザIDに係るSNSユーザによって過去に投稿された地点投稿情報のうち、他者に対して公開されている地点投稿情報をSNSサーバ40から取得する。他者に対して公開されている地点投稿情報とは、他者による参照又は閲覧が投稿者によって許可されている地点投稿情報をいう。地点投稿情報の公開は、SNSによっては、チェックインといった機能によって実現されるが、どのような機能によって公開が行われるかは、SNSの種類によって様々である。なお、取得される地点投稿情報は、現時点から過去に遡って所定の期間に投稿された地点投稿情報に限定されてもよい。また、地点投稿情報群の取得方法は、取得先のSNSが公開しているAPI(Application Program Interface)等に依存する。したがって、上記以外の手順によって地点投稿情報群が取得されてもよい。
【0062】
図8は、地点投稿情報の一例を示す図である。
図8に示されるように、一つの地点投稿情報は、例えば、「SNSユーザID」、「氏名」、「日時」、「位置情報」、「地点名称」及び「付随情報」等の各項目の値(データ)を含む。
【0063】
「SNSユーザID」は、当該地点投稿情報の投稿者であるSNSユーザのSNSユーザIDである。「氏名」は、当該SNSユーザの氏名である。「日時」は、当該地点投稿情報が投稿された日時である。「位置情報」は、当該地点投稿情報の投稿が行われた地点の位置情報(緯度及び経度)である。例えば、スマートフォン等、GPS機能付きの携帯端末を利用して地点投稿情報の投稿が行われる場合、当該携帯端末は、当該GPS機能を用いて取得される位置情報を当該地点投稿情報に含めることが可能である。「地点名称」は、当該地点投稿情報の投稿が行われた地点(場所又は施設等)の名称である。「付随情報」は、当該投稿者によって付与されたテキストメッセージや、当該地点にいて撮像された画像データ等である。
【0064】
なお、地点投稿情報の構成は、SNSの種類や投稿者に応じて異なりうる。したがって、
図8に示される構成とは異なる地点投稿情報が取得されてもよい。例えば、「地点名称」が含まれていない地点投稿情報が取得されてもよい。
【0065】
続いて、推薦情報抽出部13は、地点投稿取得部12によって取得された地点投稿情報群の中から、車両位置情報に係る位置(以下、「車両位置」という。)の周辺の範囲において投稿された地点投稿情報を抽出する(S204)。例えば、車両位置から四方に所定の距離の範囲又は車両位置を中心として半径R(Rの値は任意)km以内の範囲等に「位置情報」が含まれる地点投稿情報が抽出されてもよい。その結果、車両位置から遠く離れた地点に関する地点投稿情報を除外することができ、車両ユーザに役立つ可能性の高い地点投稿情報を抽出することができる。
【0066】
抽出された地点投稿情報が1つも無い場合(S205でNo)、
図6の処理手順は終了する。1以上の地点投稿情報が抽出された場合(S205でYes)、推薦情報抽出部13は、抽出された地点投稿情報(以下、「推薦候補情報」という。)の数が、予め設定されている閾値αを超えるか否かを判定する。閾値αの値は、膨大な数の地点投稿情報が車載器20に送信されるのを防ぐことができる値であれば、センタ10の管理者等によって任意に設定されてもよい。
【0067】
推薦候補情報の数が閾値α以下である場合(S206でNo)、推薦情報送信部14は、全ての推薦候補情報を、車両位置情報の送信元の車載器20に送信する(S207)。すなわち、この場合、抽出された全ての地点投稿情報が、推薦情報(リコメンド情報)とされる。
【0068】
一方、推薦候補情報の数が閾値αを超える場合(S206でYes)、推薦情報抽出部13は、車両ユーザのユーザ情報と、各推薦候補情報の投稿者のユーザ情報とをSNSサーバ40から取得する(S208)。すなわち、推薦情報抽出部13は、対象SNSユーザIDに対応するユーザ情報と、各推薦候補情報のSNSユーザIDに対応するユーザ情報とをSNSサーバ40から取得する。ユーザ情報とは、SNSユーザの属性情報としてSNSサーバ40において管理されている情報をいう。ユーザ情報は、例えば、年齢、性別、グループ名、勤務先、業種、住所、出身地域、出身大学、趣味等を含む。グループ名とは、SNSにおいて形成されるグループ(コミュニティ)の名称である。勤務先とは、SNSユーザの勤務先の企業等の名称である。業種は、SNSユーザの勤務先が属する業種である。住所は、SNSユーザの自宅の住所である。出身地域は、SNSユーザの出身地の県名である。出身大学は、SNSユーザの出身大学の名称である。趣味は、SNSユーザの趣味である。なお、取得されるユーザ情報のうち、対象SNSユーザ(すなわち、位置情報の送信元の車載器20に係る車両ユーザ)のユーザ情報を、以下「車両ユーザ情報」といい、それ以外のユーザ情報(すなわち、推薦候補情報の投稿者のユーザ情報)を、以下「関連ユーザ情報」という。
【0069】
続いて、推薦情報抽出部13は、関連ユーザ情報に係る各SNSユーザについて、車両ユーザによるSNSへの投稿に対するコメントの投稿回数(以下、「コメント数」という。)をSNSサーバ40から取得する(S209)。SNSサーバ40においては、各SNSユーザによる投稿に対する他のSNSユーザからのコメントが管理されているため、当該コメント数を容易に取得することができる。
【0070】
続いて、推薦情報抽出部13は、車両ユーザ情報と、各関連ユーザ情報と、各推薦候補情報の投稿者のコメント数とに基づいて、各推薦候補情報の投稿者であるSNSユーザ(すなわち、各関連ユーザ情報に係るSNSユーザ)について、車両ユーザとの嗜好類似度を算出する(S210)。
【0071】
嗜好類似度とは、嗜好が類似又は共通している程度を示す指標をいい、その値が大きいほど、嗜好の類似性又は共通性が高いことを示す。例えば、或る一人のSNSユーザについての嗜好類似度は、以下の式(1)によって算出される。
嗜好類似度=w1×コメント数+w2×勤務先共通項+w3×業種共通項+w4×在住地域共通項+w5×性別共通項+w6×年代共通項 ・・・(1)
ここで、勤務先共通項は、勤務先が車両ユーザと同じである場合には1であり、異なる場合には0である。業種共通項は、業種が車両ユーザと同じである場合には1であり、異なる場合には0である。在住地域共通項は、住所の県名が車両ユーザと同じである場合には1であり、異なる場合には0である。性別共通項は、性別が車両ユーザと同じである場合には1であり、異なる場合には0である。年代共通項は、年代が車両ユーザと同じである場合には1であり、異なる場合には0である。年代が同じであるとは、例えば、年齢の10の位の値が一致することであってもよいし、一方の年齢と他方の年齢との差が所定値以内(例えば、10以内)であることであってもよい。また、w1〜w6は、重み係数である。重み係数は、任意に設定されればよい。
【0072】
式(1)によれば、コメント数が多い程、嗜好類似度が高くなる。このことは、SNSにおける対話(コミュニケーション)の履歴に基づいて嗜好類似度が算出されることを意味する。これは、SNSにおける対話(コミュニケーション)の回数が多い程、嗜好が類似又は共通している可能性が高いと考えられるからである。換言すれば、嗜好が類似又は共通しているからこそ、SNSにおける対話(コミュニケーション)の回数が多くなると考えられるからである。なお、コメント数は、現時点から過去に遡って所定の期間における値でもよいし、過去の全期間における値でもよい。
【0073】
また、式(1)によれば、勤務先、業種、在住地域(住所)、性別、年代等の、SNSユーザの属性が類似又は共通しているほど、嗜好類似度が高くなる。これは、属性の類似性又は共通性が高い人同士は、嗜好が類似又は共通する傾向に有ると考えられるからである。
【0074】
なお、勤務先の異同、業種の異同、住所の県名の異同、性別の異同、及び年代の異同は、車両ユーザ情報と関連ユーザ情報とを比較することで判定可能である。
【0075】
なお、在住地域共通項や年代共通項は、必ずしも0又は1でなくてもよい。例えば、在住地域共通項であれば、住所の共通部分の文字数に基づく値であってもよい。また、年代共通項は、年齢の差の逆数に基づく値であってもよい。
【0076】
また、他の項が追加されてもよい。例えば、家族であるか否か、趣味が共通しているか否か等が嗜好類似度に反映されてもよい。家族であるか否かは、住所が同一であるか否かに基づいて判定されてもよい。
【0077】
続いて、推薦情報抽出部13は、各推薦候補情報を、当該推薦候補情報の投稿者について算出された嗜好類似度の降順でソートする(S211)。続いて、推薦情報送信部14は、ソート順において上位α番目までの推薦候補情報を、車両位置情報の送信元の車載器20に送信する(S212)。すなわち、上位α番目までの推薦候補情報が推薦情報とされる。ここで、嗜好類似度は、嗜好の類似性を示す指標である。したがって、嗜好類似度が上位である推薦候補情報が推薦情報とされることで、車両ユーザが興味を有する可能性の高い推薦情報の提供を期待することができる。
【0078】
なお、ステップS207及びS211のタイミングにおいて、推薦情報送信部14は、送信対象の推薦情報のうち、地点名称が含まれていない推薦情報については、地図情報記憶部112を参照して地点名称を特定し、当該地点名称を当該推薦情報に付与してもよい。例えば、推薦情報送信部14は、地点名称が含まれていない推薦情報の位置情報に対応するPOI情報を地図情報記憶部112から取得し、当該POI情報に含まれている名称を、地点名称として当該推薦情報に付与してもよい。
【0079】
続いて、車載器20が、推薦情報の受信に応じて実行する処理手順について説明する。
図9は、車載器20が推薦情報の受信に応じて実行する処理手順の一例を説明するためのフローチャートである。
【0080】
車両ユーザによる操作によって車両30のアクセサリ電源がONなると(S301でYes)、推薦情報受信部23は、センタ10からの推薦情報の受信を待機する(S302)。推薦情報受信部23が、センタ10から送信された推薦情報を受信すると(S302でYes)、推薦情報表示部24は、地図表示部21によって表示されている地図に対して、推薦情報を重畳して表示する(S303)。ステップS302及びS303は、例えば、アクセサリ電源がOFFになるまで(S301でNo)繰り返される。
【0081】
図10は、推薦情報の表示例を示す図である。
図10に示されるように、各推薦情報は、例えば、地図表示部21が表示装置206に表示している地図上において、当該推薦情報の位置情報又は地点名称に対応するPOIの位置に関連付けられて表示される。
図10の例では、当該地図上において、各推薦情報が対応するPOIの位置に所定の図形(
図10では「☆」)が重畳され、当該所定の図形に対する吹き出しb1又は吹き出しb2内には、「XXXさんが来ました。」というメッセージが表示されている。ここで、「XXX」の部分には、対応する推薦情報に含まれている氏名が当てはめられている。また、吹き出しb2のように、同じPOIに対応する推薦情報は、一つの吹き出しにまとめて表示されてもよい。
【0082】
車両ユーザは、
図10に示されるように表示された推薦情報を参照することで、当該推薦情報に係る地点に寄り道をしたり、当該地点を目的地に選択したりしてドライブを楽しむことができる。
【0083】
なお、推薦情報の表示形態は、
図10に示したものに限定されない。例えば、推薦情報表示部24は、推薦情報受信部23によって受信された推薦情報のリストを、車載器20の表示装置206の所定の位置にメニュー形式等で表示してもよい。当該リストの中から車両ユーザによって選択された推薦情報が、
図10に示されるように表示されてもよい。この場合、リストにおける推薦情報の表示順は、
図6のステップS211のソート順(すなわち、嗜好類似度の降順)に従ってもよい。そのために、センタ10の推薦情報送信部14は、当該ソート順に配列された状態で推薦情報を車載器20に送信してもよいし、各推薦情報に嗜好類似度を付与して各推薦情報を車載器20に送信してもよい。なお、
図6では、推薦候補情報の数が閾値αを超える場合にのみ嗜好類似度が計算される例を示したが、推薦候補情報の数が閾値α以下の場合であっても、ステップS208〜S211が実行された後で、ステップS207が実行されてもよい。
【0084】
また、推薦情報に含まれている付随情報(テキストメッセージや画像データ等)が表示されるようにしてもよい。例えば、
図10のように表示されている推薦情報、又は上記のリストの中から車両ユーザによって選択された推薦情報の付随情報が表示されるようにしてもよい。そうすることで、車両ユーザは、特定の推薦情報に対応するPOIに関して、SNS上で関連の有る他者による詳細な情報を得ることができる。
【0085】
なお、上記においては、車両30が走行中における位置情報が自動的にセンタ10に送信され、当該位置情報に係る位置の周辺の地点に関する地点投稿情報が推薦情報の候補となる例について説明したが、地点投稿情報の抽出元となる位置情報は、車両30の現在位置の位置情報に限られなくてもよい。例えば、位置情報送信部22は、車両ユーザが車載器20のナビゲーション機能を利用して目的地を設定した際に、当該目的地の位置情報を、
図6の処理対象の位置情報としてセンタ10に送信してもよい。そうすることで、車両ユーザは、目的地の周辺の推薦情報を事前に得ることができる。
【0086】
また、位置情報送信部22は、地図表示部21によって表示されている地図上において車両ユーザが任意に選択した地点の位置情報を、
図6の処理対象の位置情報としてセンタ10に送信してもよい。そうすることで、車両ユーザは、任意の地点の周辺の推薦情報を得ることができ、例えば、目的地の選択に迷っている際に、参考となる情報を得ることができる。
【0087】
また、上記では、車載器20がセンタ10から推薦情報を受信する端末である例について説明したが、スマートフォンやタブレット端末等、人によって携帯される端末について、本実施の形態が適用されてもよい。すなわち、これらの端末が、
図4に示した車載器20の機能構成を有してもよい。この場合、当該端末の位置情報送信部22は、当該端末のGPS機能によって測定された位置情報や、当該端末のナビゲーションアプリにおいてユーザによって選択された目的地の位置情報や、当該端末の地図アプリにおいてユーザによって選択された地点の位置情報等をセンタ10に送信してもよい。また、当該端末に記憶されている情報に含まれている地名が利用されてもよい。例えば、当該端末がカレンダ機能(スケジュール機能)を有し、当該カレンダ機能に登録されている予定に地名が含まれている場合に、当該端末の位置情報送信部22は、当該地名に対応する位置情報をセンタ10に送信してもよい。車載器20についても、ドライブ予定やその他の予定情報が記憶されている場合には、当該予定情報に含まれている地名に係る位置情報が、センタ10への送信対象とされてもよい。
【0088】
また、上記では、ソーシャルメディアの一例としてSNSを利用した場合の実施形態を示したが、SNS以外のソーシャルメディアであって、ユーザ間の関連性を取得可能な他のソーシャルメディアに関して本実施の形態が適用されてもよい。
【0089】
上述したように、本実施の形態によれば、車載器20や携帯端末等の移動端末が所定のタイミングでセンタ10に送信する位置情報に係る位置の周辺の推薦情報を、当該移動端末において表示させることができる。ここで、当該推薦情報は、当該移動端末を利用するユーザと、SNS等のソーシャルメディアにおいて関連の有る他者が実際に訪れたことのある地点に関する情報である。したがって、本実施の形態によれば、人同士の交流に基づく位置情報(地点投稿情報)の提供を可能とすることができる。その結果、車両ユーザの嗜好により合った推薦情報が提供されることを期待することができる。また、車両ユーザに対して、交流の有る他のSNSユーザとの経験を共有できる機会を与えることができる。
【0090】
なお、本実施の形態において、センタ10は、情報処理装置の一例である。車載器20は、端末の一例である。車載器20から送信される位置情報は、第1の位置情報の一例である。地点投稿情報及び推薦情報は、第2の位置情報の一例である。車両ユーザは、第1のユーザの一例である。車両ユーザと関連を有するSNSユーザは、第2のユーザの一例である。位置情報受信部11は、受信部の一例である。地点投稿取得部12及び推薦情報抽出部13は、取得部の一例である。推薦情報送信部14は、送信部の一例である。
【0091】
以上、本発明の実施の形態について詳述したが、本発明は斯かる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。