【実施例】
【0014】
図1〜
図3は、本発明の部品棚1を自動車2の荷室21に収納した様子を示す概略構成図であって、
図1は、自動車2の助手席側の一側面から見た概略側面図、
図2は、自動車2の後方から見た概略後面図、
図3は、自動車2の上方から見た概略上面図である。
【0015】
部品棚1は、運転席後部仕切り板22、荷室床23、を含む荷室21を有する自動車の荷室21に収容される。荷室21は、鍵付き収納ボックス3、脚立やモールなどの工事部材4も収納可能なスペースを有する。
【0016】
部品棚1及び鍵付き収納ボックス3、などは、自動車2の後部ドア又は後部側面ドアから出し入れされ、輸送・配送時にこれらが動かないように部材固定フック(図示せず)により固定する。
運転席後部仕切り板22には、例えば、運転席側の冷気が荷室21へ送風されるように送風口(図示せず)を設けてもよい。
【0017】
部品棚1は、所定の大きさの外装ケース11、内装ケース12、を有し、これらは、例えば、シナランバーコアで構成する。シナランバーコアとは、心材(芯材)に集成材を用いた合板であり、狂いの少ない小幅の板を剥ぎ合せたものを芯材とし、その両面にシナ合板(ベニヤ)を貼ったものである。
また、部品棚1は、後述するが断熱層を構成する断熱材5、調温層を構成する調温剤パネル6を有する。これらの構造については後述する。
【0018】
図4〜
図6は、部品棚1を構成する外装ケース11と、当該外装ケースの内側に装着される内装ケース12の外観を示す斜視図であって、
図4は、外装ケース11を構成するボックス型外装枠体111の斜視図、
図5は、外装ケース11におけるボックス型外装枠体111の下段に収容される内装ケース12のボックス型内装枠体121の斜視図、
図6は、外装ケース11におけるボックス型外装枠体111の上段に収容される内装ケース12のボックス型内装枠体121の斜視図である。
【0019】
部品棚1の外装ケース11は、前面が開口したボックス型外装枠体111と、当該開口した開口部を閉じたり、開いたりするドア112を有する。
ボックス型外装枠体111は、例えば、上下の二段に2つのボックス型内装枠体121、122を収容できるように構成する。
【0020】
ドア112は、ボックス型外装枠体111の正面の開口部を覆うものであり、閉じたとき、フックなどでボックス型外装枠体111に取り付け、取り外し可能な構成とするとよい。また、ドア112により、ボックス型外装枠体111の開口部を塞いだとき、フックなどでドア112がボックス型外装枠体111に固定できるように構成する。また、ドア112には、取っ手を設けるとよい。
【0021】
内装ケース12は、前面が開口した2つのボックス型内装枠体121、122を有し、装置などの修理に必要となる各種の部品を収容できるように構成する。
【0022】
ボックス型外装枠体111の寸法(mm)は、例えば、1165×1120×644とし、ボックス型内装枠体121の寸法(mm)は、例えば、500×950×462とし、ボックス型内装枠体122の寸法(mm)は、例えば、400×950×462とする。
【0023】
図7〜
図9は、ボックス型外装枠体111の内部構造及びボックス型外装枠体111とボックス型内装枠体121、122との配置関係の様子を示す図であって、
図7は右側面図、
図8は上面図、
図9は背面図である。
【0024】
ボックス型外装枠体111の背面及び左右両側面の内側には、その下部及び中央部において、ボックス型内装枠体121、122を支持する複数の支持部材1111を有する。
【0025】
すなわち、ボックス型外装枠体111の下部には、ボックス型外装枠体111の背面及び両側面から内側に突き出すように取り付けられ、ボックス型内装枠体121を支持する6つの支持部材1111を有し、また、ボックス型外装枠体111の中央部には、ボックス型外装枠体111の背面及び両側面から内側に突き出すように取り付けられ、ボックス型内装枠体122を支持する6つの支持部材1111を有する。
【0026】
ボックス型内装枠体121、122とボックス型外装枠体111との間には、後述する調温剤7の機能を有効に活かすべく適度のスペースを設ける。例えば、ボックス型外装枠体111の底部内面と下段のボックス型内装枠体121の外面との間隔は91mmとし、その他の間隔は73mmとし、下段のボックス型内装枠体121と上段のボックス型内装枠体122との対向面との間隔は、例えば、35mmとする。
【0027】
図10〜
図12は、ボックス型外装枠体111とボックス型内装枠体121、122との間に断熱材(断熱層)5及び調温剤パネル(調温壁)6を介在し、内部構造が分かるように示した図であって、
図10は右側面図、
図11は上面図、
図12は背面図である。
【0028】
断熱材5及び調温剤パネル6は、ボックス型外装枠体111の内側の周囲を覆い、ボックス型内装枠体121、122の外側の周囲を覆うように配置されるものであり、例えば、複数の断熱材及び複数の調温剤パネルからなる。
【0029】
つまり、断熱材5は、外装ケース11の外部の外気熱を内部への影響を抑制するものであり、外装ケース11(ボックス型外装枠体111)の内側に配置する。そして、断熱材51、52は、例えば、左右の両側面に対向するように配置し、断熱材53、54は、上下の両面に対向するように配置し、断熱材55は、背面に対向するように配置し、断熱材56、57は正面(上下)のドア112に対向するように配置する。
【0030】
断熱材51〜57は、図示のようにドア112を含むボックス型外装枠体111の内側6面(上下両面、左右両面、前後両面)とボックス型内装枠体121、122の外側6面(上下両面、左右両面、前後両面)との間に設けられている。各断熱材の厚みは、例えば、各40mmとする。
ここで、注意すべきは、断熱材5として、後述する調温剤7の特性を損なわない程度の厚み、材質を使用することである。
【0031】
調温剤パネル6は、内装ケース12(ボックス型内装枠体121、122)の調温空間内壁の温度上昇を防止するため、内壁全面に複数の調温剤7を敷き詰めて調温壁を構成する複数の調温剤収納ケース61〜67を有する。そのため、調温剤パネル6(複数の調温剤収納ケース61〜67)は、断熱材5(複数の断熱材51〜57)と同様に配置する。即ち、調温剤収納ケース61〜67は、断熱材51〜57の内側、つまり上下、左右、前後の各面に配置されている。換言すれば、断熱材5と2つのボックス型内装枠体121、122との間(上下、左右、前後)に配置されている。
【0032】
そして、調温剤収納ケース61〜67に取り付けされる調温剤7は、例えば、外気温度が50℃保持状態でも、6時間程度溶けないものを使用する。そのため、調温剤7は、吸熱(加熱)、放熱(冷却)特性を有効に活かすことができるように熱伝導率の高い材質の袋、例えば、アルミ製袋に充填する。
本例では、調温剤7を総数50個(1個あたり500g、総重量25kg)使用する。
【0033】
図13は、複数の断熱材51〜57の形状を示す図である。断熱材51〜57は、外装ケース11に装着しやすいように、例えば、板状に形成する。断熱材は、外装ケース11の形状に合わせて一体形状のものを使用してもよい。同図において、(1)〜(7)は、
図10〜
図13の(1)〜(7)に対応する。
【0034】
図14は、調温剤収納ケース61〜67の構成例を示す図である。調温剤収納ケース61〜67は、例えば、開閉可能なプラスチック製の調温剤収納ケースからなり、5種類の大きさのケースA〜Eを有する。例えば、ケースAは520×970×30とし、ケースBは440×970×30とし、ケースCは440×520×30とし、ケースDは540×520×30とし、ケースEは540×970×30の大きさとする。各調温剤収納ケースA〜Eの内側には、複数の調温剤7が収納されている。
【0035】
本発明は、上述したようにボックス型外装枠体111の内周面に、一体的に構成した断熱材(断熱層)5と調温剤パネル(調温層)6を配置した部品棚1であって、調温剤パネル6に取り付けた調温剤7の機能(冷却効果と発熱効果)に着目したものであり、部品棚1の室内温度を、所定の温度を超えないように温度管理機能を持たせたものである。
【0036】
つまり、潜熱物質の相変化(個体⇔液体)に伴う潜熱物質の熱エネルギー収支を応用した断熱ケースからなる部品棚1において、断熱材(断熱層)5と調温剤パネル(調温層)6にて、外気温度が50℃程度に上昇しても、部品棚1の内気温度を、例えば、40℃を超えないように管理することが可能な温度管理機能を有する部品棚を提案するものである。
【0037】
更に具体的に説明すれば、調温剤パネル6に内蔵する調温剤7として、例えば、36℃融点の潜熱物質(パラフィン)を使用し、例えば、昼間に約36℃以上になると、パラフィンが熱を吸収(吸熱/加熱)して溶解(冷却効果維持)し、夜間に約36℃以下になると、パラフィンが熱を放出(放熱/冷却)して固化(発熱効果維持)するように構成し、また、太陽光に基づく車内の温度変化に応じて、上記加熱、冷却を繰り返し、冷却効果と発熱効果を維持可能に構成したものである。
【0038】
換言すれば、昼間と夜間での気温差を利用して、昼間には、調温剤7への熱チャージ(梱包物の部品の冷却作用)し、夜間には、調温剤7から放熱(梱包物の部品への加熱作用)する。
以下、調温剤7の原理について説明する。
【0039】
図15は、調温剤7の原理を説明する図であって、物質として氷と水の変化に伴う1g当たりの熱収支を示す図である。
【0040】
同図において、温度が0℃以下の場合は、固体にあり、この間の熱量は、0.46カロリーであり、温度が0℃の場合は、氷(固体)と水(液体)が共存し、この間の熱量は79.7カロリーである。温度が0℃〜100℃の場合は、液体となり、この間の熱量は、1.0カロリーとなる。温度が100℃以上になると、液体から気体に変化し、この間の熱量は、539.8カロリーを示している。
【0041】
図16は、断熱材(断熱層)5と調温剤(調温層/調温壁)7を一体構造体(容器)とし、当該構造体を構成する材料自体に断熱+温度制御を持たせ、温度制御空間を作った場合であって、部品棚1を自動車2で輸送中又は夏季、長期に自動車を駐車することを想定し、現在の室温から外気温度が50℃まで昇温した場合における試験における外気161、調温剤表面(上部)162、調温剤表面(下部)163、調温壁の壁際空間164、中心部空間165の各温度(外気温度及び内気温度)を実測(試験結果)の温度サイクル特性を示す特性図である。縦軸は温度(°C)、横軸は日付(時間)を示す。
【0042】
同図における、日付に対応する温度サイクル(50℃昇温−2時間 ⇒ 50℃保持−6時間 ⇒ 30℃降温−2時間 ⇒ 30℃保持−14時間 ⇒ 50℃昇温−2時間 ⇒ 25℃降温−2時間 ⇒ 25℃保持−14時間 ⇒ 50℃昇温−2時間 ⇒ 50℃保持−14時間)から見て、外気温度が50℃となっても、内気温度は35℃を超えることがないことが分かる。
【0043】
図17は、
図16と同様に実測したものであるが、夏季の異常温度(猛暑)を想定し、調温剤7が完全に溶解した場合における実験結果を示す特性図である。
【0044】
同図における温度サイクル(50℃昇温−2時間 ⇒ 50℃保持−6時間 ⇒ 30℃降温−2時間 ⇒ 30℃保持−14時間 ⇒ 50℃昇温−2時間 ⇒ 50℃保持−6時間 ⇒ 25℃降温−2時間 ⇒ 25℃保持−14時間 ⇒ 50℃昇温−2時間 ⇒ 50℃保持−14時間)から見て、一時、40℃を多少超えるも、概ね40℃を超えないように抑えることができることが分かる。
【0045】
ここで、猛暑時における温度レベルは、考え方にもよるが、使用した調温剤7にプラスエネルギーが蓄積されると平衡温度は上がる。そして、理論上の熱収支/ベクトルとして、調温剤融点の差がエネルギーとなり、熱収支における伝熱抵抗は同容器(調温剤パネル)と同じとなる。
つまり、
プラス:(50℃−36℃)×6時間=84
30℃〜50℃の温度調整時 ⇒ 平均温度40℃。
よって、(40℃−36℃)×2時間×2回=16
マイナス:(36℃−30℃)×14時間=−84
熱収支:84+16−84=16となる。
これは、想定する猛暑(夜間30℃)が続くと、内気の温度は徐々に上がると考えられる。
但し、測定記録にある夜間の平均温度は36℃を下回り、1℃温度が盛ったとすると、−1℃×14時間=−14となり、ほぼ熱収支が平衡する。
ここで、過度に安全率を求めると、熱収支的に昼間の溶解(冷却)の固化(発熱)のバランスが崩れ、調温設計が不成立となることに注意が必要である。
【0046】
以上述べた実施例によれば、部品棚に部品を保存した状態で長時間放置した場合であっても、外気が50℃となっても、棚内の温度が40℃を超えることのないように抑えることができ、部品棚としての断熱効果が期待でき、実用化ができることを確認した。
【0047】
なお、本発明は、上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かり易くする説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることも可能である。